JP2001199027A - 建築用化粧板の製造方法 - Google Patents

建築用化粧板の製造方法

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JP2001199027A
JP2001199027A JP2000013760A JP2000013760A JP2001199027A JP 2001199027 A JP2001199027 A JP 2001199027A JP 2000013760 A JP2000013760 A JP 2000013760A JP 2000013760 A JP2000013760 A JP 2000013760A JP 2001199027 A JP2001199027 A JP 2001199027A
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Masayuki Kakehi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築用化粧板同士の接合部間に形成される溝
や、表面の化粧溝を、ソフトな外観を有する曲面状に形
成することのできる建築用化粧板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 シート状化粧材を貼着した基板の四周上
縁部を切削により面取り加工し、また要すれば表面に切
削により化粧溝加工し、この表面全面に樹脂含有率が7
0重量%以上で且つ表面張力が28ダイン/cm以上の
紫外線硬化型塗料を、表面における硬化後の塗膜厚が4
0ミクロン以上の厚さとなるように塗布することによ
り、面取り加工面や化粧溝内面の上方塗膜層を曲面状に
形成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅・マンション等の
建築物に使用され、 化粧板同士の継ぎ目部や化粧板表
面に設けられた化粧溝をソフトな外観に仕上げることの
できる、特に床材に好適な建築用化粧板の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、住宅等の建築物の床材とし
て、合板やMDF等の基板の表面に木質化粧単板や化粧
印刷紙などのシート状化粧材を貼着し、その四周上縁部
を面取り加工したり、表面に縦横の化粧溝を形成し、塗
装仕上げを施した化粧板は良く知られている。
【0003】このような化粧板は、上記面取り加工をす
ることにより、複数枚の化粧板同士を接合して敷設した
時に、接合部に断面V字状の溝が形成され、この溝によ
って、上記接合部に生じる隙間や段差が目立たないよう
にしている。また、化粧板の表面に、上記接合部の断面
V字状の溝と略同一形状の化粧溝を形成することによ
り、接合部の位置を目立たなくするとともに装飾的効果
を向上させることも行われており、このような面取り加
工や化粧溝加工は、通常カッターや鋸などの切削手段に
より、加工性、生産性良く行われている。
【0004】また、上記面取り加工や化粧溝加工を行っ
た後の表面には、着色塗装や下地塗装、或いは中塗り塗
装や上塗り塗装が適宜選択され、ロールコーターやフロ
ーコーター、スプレーコーター等の塗装手段によって施
されている。そして、このような塗装後においても、上
記接合部の溝や、化粧溝の形状は、塗装前の形状とほぼ
同じ断面V字状の外観に形成されるものであった。
【0005】一方、このような直線的なV字状の溝に飽
きたらず、曲面的でソフト感のある外観を呈するよう
に、面取り加工や化粧溝加工を行った化粧板も検討さ
れ、販売されてきている。
【0006】例えば、本出願人は、基板の表面に比較的
厚みのある木質化粧単板を貼着し、その表面に、R状の
外膨らみの曲面形状を有する接合溝や化粧溝を切削手段
により形成したのち、塗装仕上げを施した化粧床板を、
1992年に「ワックスインフローリング アルティ
マ」の商品名で発売している。
【0007】また、特開平7−88992号、特開平8
−28012号、特開平11−172904号に見られ
るような、基板に達する深さの外膨らみの曲面形状を有
する接合溝や化粧溝を切削手段により形成した化粧板
や、特開平2−188204号、特開平2−18820
5号、特開平2−188206号に見られるような、上
記曲面形状を有する化粧溝を、型押しロールや型押し盤
により形成した化粧板も知られている。
【0008】
【解決課題】しかしながら、上記の化粧板は、いずれも
曲面状の面取り加工や化粧溝加工を切削手段や型押し手
段により行うものであり、切削手段により行う場合には
深さが1mm前後の非常に浅い面取り加工や化粧溝加工
を、特別の切削手段により加工精度よく行なわなければ
ならず、V字状溝に較べ加工性や生産性が低くなるとい
う問題を有しており、また、型押し手段により行う場合
は、切削手段により行う場合に較べて生産スピードが遅
くなるという問題を有していた。
【0009】本願発明方法は、このような問題点に鑑み
なされたもので、化粧板同士の接合部に形成される曲面
状のソフトな外観の接合溝や化粧溝を、前記従来の切削
手段や型押し手段で形成される形状に限定されず、加工
性、生産性良く形成することができる建築用化粧板の製
造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明にかかる建築用化粧板の製造方
法は、矩形基板の表面にシート状化粧材を貼着し、この
シート状化粧材貼り基板の四周上縁部を切削手段により
面取り加工し、次いで表面全面に合成樹脂塗料を塗布す
るという工程を少なくとも備えてなる建築用化粧板の製
造方法において、合成樹脂塗料として、樹脂含有率が7
0重量%以上で且つ表面張力が28ダイン/cm以上の
紫外線硬化型合成樹脂塗料を使用し、この合成樹脂塗料
をシート状化粧材の表面における硬化後の塗膜厚が40
ミクロン以上の厚さとなるように塗布することにより、
面取り加工面の少なくとも上方塗膜層を曲面状に形成す
るようにした。
【0011】また、本願請求項2にかかる発明の建築用
化粧板の製造方法は、矩形基板の表面にシート状化粧材
を貼着し、このシート状化粧材貼り基板の四周上縁部を
切削手段により面取り加工するとともに、シート状化粧
材の表面から切削手段により縦又は縦横方向に化粧溝を
形成し、次いで表面全面に合成樹脂塗料を塗布するとい
う工程を少なくとも備えてなる建築用化粧板の製造方法
において、合成樹脂塗料として、樹脂含有率が70重量
%以上で且つ表面張力が28ダイン/cm以上の紫外線
硬化型合成樹脂塗料を使用し、この合成樹脂塗料をシー
ト状化粧材の表面における硬化後の塗膜厚が40ミクロ
ン以上の厚さとなるように塗布することにより、面取り
加工面と化粧溝内面双方の少なくとも上方塗膜層を曲面
状に形成するようにした。
【0012】また、本願請求項3にかかる発明の建築用
化粧板の製造方法は、請求項1又は請求項2におけるシ
ート状化粧材として、未乾燥木質化粧単板を用いるよう
にした。
【0013】
【作用】上記請求項1の建築用化粧板の製造方法は、樹
脂含有率が70重量%以上と高く、且つ表面張力が28
ダイン/cm以上と大きな合成樹脂塗料を、シート状化
粧材の表面における硬化後の塗膜厚が40ミクロン以上
となるように厚塗り塗装してあるので、面取り加工面の
少なくとも上方塗膜層をソフト感のある曲面状に形成す
ることができ、また、このような曲面状を切削や型押し
の手段によらず、又切削の精度によらず形成することが
できるので、化粧板を生産加工性良く製造することがで
きるという利点を有している。
【0014】また、基板として合板等の木質材料が良く
使用されるが、この場合特に切削により面取り加工を行
った加工面は、表面に較べてポーラスな粗面となり、又
塗料の吸い込みも大きいので粗面を十分隠蔽できず外観
が悪くなりがちであるが、本願発明方法では、上記のよ
うに樹脂含有率が高く、表面張力の大きな合成樹脂塗料
を40ミクロン以上となるように塗布しているので、上
記面取り加工面を、塗料の吸い込みムラやポーラスな粗
面が目立たない良好な外観に形成することができる。
【0015】更に、樹脂含有率が70重量%以上と溶剤
添加率が低い紫外線硬化型塗料を使用しているので、膜
厚が40ミクロン以上と厚膜になっても、塗料の硬化後
にいわゆる過度なへたりが生じ難く、上記面取り加工面
をソフトな塗装外観に安定して形成することができる。
【0016】また、請求項2の建築用化粧板の製造方法
は、上記請求項1と同様な作用で、面取り加工面ととも
に化粧溝内面の上方塗膜面もソフトで良好な曲面状に形
成することができる。
【0017】また、請求項3の化粧板の製造方法は、シ
ート状化粧材に未乾燥化粧単板を用いているので、化粧
単板を乾燥させる必要がなく、また通常乾燥させるのが
難しい0.15mm〜0.5mm程度の非常に薄い化粧
単板であっても、生産工程での取り扱い時に割れ等の発
生が少なく、生産性を向上させることができる。
【0018】
【実施の形態】以下本願発明の建築用化粧板の製造方法
の実施形態について、図1に基づいて説明する。
【0019】図1より、(1)は矩形状基板であり、合
板、LVL、MDF、パーティクルボード、OSB、木
材板、集成材などの木質板、あるいは、硬質セメント珪
酸カルシウム板、石膏スラグ板、珪酸カルシウム板、無
機質複層板(大建工業株式会社製:商品名ダイライトな
ど)等の無機質板などが使用できる。また、上記合板や
LVL等の木質板、或いは上記無機質複層板等の無機質
板の表面又は表裏両面に、厚さが1mm〜3mm程度の
薄いMDF、木材単板、それに薄葉紙・和紙・クラフト
紙などの補強紙を貼着して複合化したものなどを使用す
ることができる。
【0020】(2)はシート状化粧材であり、乾燥木質化
粧単板、未乾燥木質化粧単板、補強紙を裏打ちした木質
化粧単板、木目模様を施した印刷紙、あるいはこれらに
合成樹脂液を含浸して強化した強化シート状化粧材など
を用いることができる。木質化粧単板は、厚さが0.1
5mm〜1.5mm程度の広葉樹あるいは針葉樹からな
るものを使用でき、また、これらの木質化粧単板の小片
を接ぎ合わせて形成した木質化粧単板も使用できる。
【0021】特に0.15mm〜0.5mm程度の薄い
木質化粧単板を使用する場合には、乾燥木質化粧単板に
比較して、乾燥工程の手間やエネルギーを省くことがで
き、製造工程の取り扱い時に割れ等の損傷を生じ難い未
乾燥木質化粧単板を使用するのが、生産加工上望まし
い。
【0022】そして、シート状化粧材(2)に上記のよ
うな薄い未乾燥木質化粧単板を使用する場合には、合板
等の表面に補強紙を貼着複合化したものを基板(1)と
して使用することにより、耐クラック性を向上させるこ
ともできる。
【0023】先ず本願発明方法は、図1の(b)に示す
ように、上記基板(1)とシート状化粧材(2)とを接
着剤を用いて接着し、接着剤を硬化させて両者を一体化
させる。基板(1)が、例えば上記のように合板と補強
紙とからなる場合には、合板と補強紙とシート状化粧材
(2)とを接着剤を介して積層し、ホットプレスなどに
より同時に接着一体化することもできる。
【0024】次いで図1の(c)に示すように、上記基
板(1)とシート状化粧材(2)を接着一体化した化粧
板基材(3)の四周上縁部を、表面に対して略120度
〜150度の角度範囲になるように斜め直線状に、鋸や
カッターなどにより面取り加工して面取り加工面(4)
を形成するとともに、化粧板基材(3)の表面に、その
長手方向に沿って、上記面取り加工と同様に、表面に対
して略120度〜150度の角度範囲の断面V字状の化
粧溝(5)を形成する。
【0025】面取り加工面(4)及び化粧溝(5)の深
さは、0.6mm〜1.5mm程度に形成し、0.6m
mより薄いシート状化粧材(2)を用いた場合には、基
板(1)内に達する深さになる。0.6mmよりも厚い
シート状化粧材(2)を用いる場合には、面取り加工面
(4)や化粧溝(5)の深さは、基板(1)内に達しな
い深さに形成することもできる。
【0026】また、図1では、面取り加工面(4)と基
板(1)の長手方向に沿う2本の縦溝(5a)からなる
化粧溝(5)を形成する場合を示したが、面取り加工面
(4)のみを形成し化粧溝(5)を形成しない場合や、
縦溝(5a)を1本にする場合や、面取り加工面(4)
と縦溝(5a)又は縦溝(5a)(5a)間に、縦溝
(5a)と直角方向の横溝からなる化粧溝(5)を、ラ
ンダム状や階段状等に形成する場合などであっても良い
のは勿論である。
【0027】尚、上記面取り加工面(4)や化粧溝
(5)の形状は、断面V字状に形成するものに限定され
るものではなく、断面がU字状や凹溝状、あるいはV字
状の溝底に底面を設けた断面逆台形状、溝の上部が凹溝
状で溝の下部がV字状、曲面状、その他任意の断面形状
のものに形成することができる。
【0028】上記面取り加工面(4)や化粧溝(5)を
形成した化粧板基材(3)は、上記面取り加工面(4)
や化粧溝(5)内面を含む表面全面を、あるいは面取り
加工面(4)や化粧溝(5)内面をサンディング処理
し、面取り加工面(4)や化粧溝(5)内面と化粧板基
材(3)の表面とが接する角部に少し丸味を与えておく
こともできる。
【0029】次に、塗装を行う。塗装は、下地シーラー
塗装、着色下地塗装、下塗り塗装中塗り塗装、上塗り塗
装など、必要に応じて選択して行うことができる。そし
て本願発明においては、中塗り塗装、或いは上塗り塗装
の何れかにおいて、上記面取り加工面(4)や化粧溝
(5)内面を含む表面全面に、樹脂含有率が70重量%
以上で且つ表面張力が28ダイン/cm以上の紫外線硬
化型合成樹脂塗料を、シート状化粧材(2)の表面にお
ける硬化後の膜厚が40ミクロン以上となるように、フ
ローコーター又はスプレーコーターで塗布する。
【0030】上記紫外線硬化型合成樹脂塗料としては、
アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系
等のものを使用することができる。このような紫外線硬
化型塗料は、樹脂含有率が50重量%程度、或いはそれ
以下になるように溶剤で希釈したものを通常使用する
が、このような塗料では、面取り加工面(4)や化粧溝
(5)内面で塗料が流れ易く、また溶剤が揮発した硬化
後の塗膜にへたりが生じ易いので、面取り加工面(4)
や化粧溝(5)内面の上方に良好な曲面状の塗膜面を形
成することが困難となり望ましくない。このため、本願
発明においては、上記70重量%以上の樹脂含有率、好
ましくは90重量%以上の樹脂含有率である無溶剤或い
はそれに近いものを用いる。
【0031】尚、本願発明に用いる合成樹脂塗料は、上
記のように樹脂リッチな塗料であるが、合成樹脂以外の
着色剤や顔料が多少含まれていても良く、この場合に
は、不揮発分含有率を、樹脂含有率と同意として適用す
ることができる。
【0032】また、上記したように使用する合成樹脂塗
料に用いる合成樹脂の表面張力は、28ダイン/cm以
上のものであり、好ましくは、30〜40ダイン/cm
である。28ダイン/cm未満であれば、塗料が面取り
加工面(4)や化粧溝(5)内面において流れた状態に
なり易く、また40ダイン/cmを超えると、塗布むら
を生じ易くなるため、いずれの場合も面取り加工面
(4)や化粧溝(5)内面の上方に良好な曲面状の塗膜
層を安定して形成することが困難となる。
【0033】尚、上記表面張力は、BYK−Chemi
e/Test Insrument社製の測定器ダイノ
メーターを使用し、プラチナリング方式に基づいて測定
した数値である。
【0034】更に、本願発明は、シート状化粧材(2)
の表面における硬化後の塗膜厚が40ミクロン以上とな
るように、上記紫外線硬化型合成樹脂塗料を厚塗り塗布
するものであり、40ミクロン未満であれば、上記紫外
線硬化型合成樹脂塗料においても、面取り加工面(4)
や化粧溝(5)内面の上方に良好な曲面状の塗膜面を形
成することが困難となる。また、200ミクロン以上の
ような大量の塗料を塗布することは、経済性が悪く、特
に化粧溝(5)の底部に余剰の塗料が過剰に溜まり化粧
溝(5)の外観をかえって悪くしたり、表面に塗布ムラ
が生じ易くなったりするので好ましくない。
【0035】このようにして、図1の(d)並びにその
部分拡大図(e)に示すように、面取り加工面(4)及
び化粧溝(5)内面の少なくとも上方塗膜層(6)が曲
面状に形成された建築用化粧板(A)を製造することが
できる。尚、図1の(d)並びに拡大図(e)に示すよ
うに、化粧溝(5)の底部に略U字状の下方塗膜層
(7)を形成することができ、この場合は、建築用化粧
板(A)同士を接合した時に互いの面取り面(4)によ
って形成される接合溝や、表面に形成される化粧溝
(5)の外観を上記上方塗膜層(6)と相俟って一層ソ
フトな感じに形成できるので好ましい。
【0036】
【実施例】幅303mm、長さ1818mm、厚さ12
mmの合板と、25g/m2 の坪量の補強紙と、厚さ
0.25mmの未乾燥化粧単板(広葉樹生単板)とを、
それぞれの間に尿素メラミン樹脂接着剤を塗布介在させ
た積層物をホットプレスにより接着一体化して化粧板基
材に形成した。次いで、この化粧板基材の四周上縁部
を、鋸により幅0.75mm、深さ0.75mmで、化
粧板基材表面に対して135度の角度となるように切削
して面取り加工面を形成するとともに、この化粧板基材
の表面に、長手方向に2本の等間隔の縦溝と、面取り加
工面と縦溝間および縦溝相互間に各1本(合計3本)の
横溝とからなる、幅1.5mm、深さ0.75mmのV
字状の化粧溝を形成した。また、化粧板基材の四周側端
面には、常法により雌雄の実加工を行った。
【0037】次いで、上記で得られた化粧板基材の表面
に、ロールコーターでウレタンアクリレート系下地シー
ラーを固形分で2.2g/m2 塗装した後、ブラウン系
着色剤を、上記面取り加工面及び化粧溝内面を含む表面
全面にスポンジロールで塗装して着色し、次いで、この
化粧板基材の表面にウレタンアクリレート系合成樹脂塗
料(商品名オーレックス837F−4、中国塗料株式会
社製)100重量部にイソシアネート系添加剤5重量部
を加えた下塗り塗料をロールコーターにて固形分で12
g/m2 塗布して下塗り塗装を施して紫外線照射により
硬化させ、更にこの下塗り塗装を施した化粧板基材の表
面に、ウレタンアクリレート系合成樹脂塗料(商品名オ
ーレックス660ss−2、中国塗料株式会社製)10
0重量部に減摩剤20重量部を加えた中塗り塗料を固形
分で20g/m2ロールコーターで塗布して中塗り塗装
を施し紫外線照射により硬化させた。このようにして得
られた中塗り塗装化粧板基材は、その表面に平滑性のよ
い塗装面が形成され、面取り加工面及びV字状の化粧溝
内面には着色塗装が施され、面取り加工面及びV字状の
化粧溝内面の形状は、塗装前の形状と同じ形状を有して
いた。
【0038】続いて、上記中塗り塗装化粧板基材の面取
り加工面と化粧溝内面を含む表面全面に、上塗り塗装と
して樹脂含有率99.1%、表面張力33.6ダイン/
cmのウレタンアクリレート系紫外線硬化型合成樹脂塗
料(商品名オーレックスNO.490FC、中国塗料株
式会社製)を約30℃に温度調整し、フローコーターを
用いて76g/m2 塗布し紫外線照射により硬化させ
て、硬化後における表面の上塗り塗膜厚が60ミクロン
の建築床材用化粧板を得た。
【0039】このようにして得られた建築床材用化粧板
は、面取り加工面及び縦横の化粧溝内面の上方が、上記
上塗り塗装膜により柔らかな丸味を帯びており、また、
化粧溝の底部及び化粧板同士を接合した時の接合溝の底
部が、略U字状のソフトな外観となって、両者が相俟っ
て全体に曲面的で装飾性に富んだ外観を有しており、面
取り加工面や化粧溝内面に生じる粗面感も、上記上塗り
塗膜層によって改善された装飾性の良い外観を有してい
た。
【0040】
【比較例】上記実施例の中塗り塗装化粧板基材と同じ条
件で製造した中塗り塗装化粧板基材の面取り加工面と化
粧溝内面を含む表面全面に、樹脂含有率33%、表面張
力26.8ダイン/cmのウレタンアクリレート樹脂系
の紫外線硬化型合成樹脂塗料(商品名オーレックスN
O.825FC、中国塗料株式会社製)を、フローコー
ターを用いて76g/m2 塗布し、紫外線を照射して硬
化させ、硬化後における表面の上塗り塗膜厚が23ミク
ロンの建築床材用化粧板を得た。
【0041】このようにして得られた建築床材用化粧板
は、面取り加工面及び縦横の化粧溝の内面と化粧板表面
との接点部が角ばり、また化粧溝並びに化粧板同士を接
合した時の接合溝の底部が略V字状であるV溝外観を呈
しており、面取り加工面や化粧溝内面も上記実施例と比
較して粗面感のある外観を有するものであった。
【0042】
【効果】以上の説明から明らかなように、本願発明の請
求項1にかかる建築用化粧板の製造方法は、樹脂含有率
が70重量%以上と高く、且つ表面張力が28ダイン/
cm以上と大きな合成樹脂塗料を、シート状化粧材の表
面における硬化後の塗膜厚が40ミクロン以上となるよ
うに厚塗り塗装してあるので、面取り加工面の少なくと
も上方塗膜層をソフト感のある曲面状に形成することが
でき、また、このような曲面状を、切削や型押しの手段
や精度によらず形成することができるので、生産加工性
が良いという利点を有している。
【0043】また、基材が合板等の木質素材である場合
には、特に切削により形成した面取り加工面は、表面に
較べてポーラスな粗面となり、塗料の吸い込みも大きい
ので隠蔽できず外観が悪くなりがちであるが、本願発明
方法では、上記のように樹脂含有率が高く、表面張力の
大きな合成樹脂塗料を40ミクロン以上となるように塗
布しているので、面取り加工面を塗料の吸い込みムラ
や、ポーラスな粗面の現出などの欠点が軽減された良好
な外観に形成することができる。
【0044】更に、樹脂率70%以上の溶剤添加率の低
い紫外線硬化型合成樹脂塗料を使用しているので、膜厚
が40ミクロン以上と厚膜になっても、塗料の硬化後の
いわゆるたりが生じ難く、ソフトな塗面を良好に形成す
ることができる。
【0045】また、請求項2の建築用化粧板の製造方法
は、上記請求項1と同様な作用で、面取り加工面ととも
に化粧溝内面の上方塗膜面もソフトで良好な曲面状に形
成することができる。
【0046】また、請求項3の建築用化粧板の製造方法
は、シート状化粧材に未乾燥化粧単板を用いているの
で、化粧単板を乾燥させる必要がなく、また0.15m
m〜0.5mm程度の非常に薄い化粧単板であっても割
れ等の発生がなく良好に適用することができ、生産性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の建築用化粧板(A)の製造方法の説
明図。
【符号の説明】 (1) 矩形基板 (2) シート状化粧材 (3) 化粧板基材 (4) 面取り加工面 (5) 化粧溝 (6) 上方塗膜層 (7) 下方塗膜層 (A) 建築用化粧板
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01C AK25C AK36G AK51C AP01 AP01B AP02 AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA13 CB00 CC00C DB01B DD05 DD05B DG10 EC182 EH012 EH46 EH46C EH462 EJ08 EJ262 EJ54 GB07 GB08 HB00 HB00B JA20C JB14C JL01 JL02 YY00C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形基板の表面にシート状化粧材を貼着
    し、このシート状化粧材貼り基板の四周上縁部を切削手
    段により面取り加工し、次いで表面全面に合成樹脂塗料
    を塗布するという工程を少なくとも備えてなる建築用化
    粧板の製造方法において、合成樹脂塗料として、樹脂含
    有率が70重量%以上で且つ表面張力が28ダイン/c
    m以上の紫外線硬化型合成樹脂塗料を使用し、この合成
    樹脂塗料をシート状化粧材の表面における硬化後の塗膜
    厚が40ミクロン以上の厚さとなるように塗布すること
    により、面取り加工面の少なくとも上方塗膜層を曲面状
    に形成することを特徴とする建築用化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】 矩形基板の表面にシート状化粧材を貼着
    し、このシート状化粧材貼り基板の四周上縁部を切削手
    段により面取り加工するとともに、シート状化粧材の表
    面から切削手段により縦又は縦横方向に化粧溝を形成
    し、次いで表面全面に合成樹脂塗料を塗布するという工
    程を少なくとも備えてなる建築用化粧板の製造方法にお
    いて、合成樹脂塗料として、樹脂含有率が70重量%以
    上で且つ表面張力が28ダイン/cm以上の紫外線硬化
    型合成樹脂塗料を使用し、この合成樹脂塗料をシート状
    化粧材の表面における硬化後の塗膜厚が40ミクロン以
    上の厚さとなるように塗布することにより、面取り加工
    面と化粧溝内面双方の少なくとも上方塗膜層を曲面状に
    形成することを特徴とする建築用化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 シート状化粧材が、未乾燥木質化粧単板
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築用
    化粧板の製造方法。
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