JP2001198460A - ダイヤモンドを担体とする炭化水素の脱水素触媒及びその触媒を用いたアルケンの製造方法 - Google Patents

ダイヤモンドを担体とする炭化水素の脱水素触媒及びその触媒を用いたアルケンの製造方法

Info

Publication number
JP2001198460A
JP2001198460A JP2000009436A JP2000009436A JP2001198460A JP 2001198460 A JP2001198460 A JP 2001198460A JP 2000009436 A JP2000009436 A JP 2000009436A JP 2000009436 A JP2000009436 A JP 2000009436A JP 2001198460 A JP2001198460 A JP 2001198460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
reaction
diamond
carbon dioxide
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000009436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3429722B2 (ja
Inventor
Toshimitsu Suzuki
俊光 鈴木
Kiyoharu Nakagawa
清晴 中川
Chiaki Kajita
千晶 梶田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2000009436A priority Critical patent/JP3429722B2/ja
Publication of JP2001198460A publication Critical patent/JP2001198460A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3429722B2 publication Critical patent/JP3429722B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/141Feedstock
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 完全燃焼による選択率の低下を防ぐ。 【解決手段】 ダイヤモンドに対してCr23を5重量
%担持させた触媒を反応管2に充填し、その触媒層4の
温度が650℃に到達し安定した後、反応管2の一端か
ら供給する原料ガス(C26)と二酸化炭素との混合ガ
スを供給して反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルケンの製造方法
と触媒に関し、特に副反応を抑制するとともに、低温で
接触的に飽和炭化水素から脱水素反応によりアルケンを
選択的に効率よく得る方法とそこで用いられる触媒に関
する。
【0002】
【従来の技術】化学工業の基幹原料のエチレンやプロピ
レンなどのアルケンは、工業的には現在、ナフサ、LP
G(液化プロパンガス)、エタンなどの炭化水素の熱分
解(スチームクラッキング)により製造されている。こ
のプロセスは800〜900℃という高温で炭化水素を
熱分解するため、様々な副生成物が生成し、かつエネル
ギー多消費型のプロセスである。
【0003】これに代わって、エタンなどの天然ガスか
ら酸素の存在下で低温でエチレンを製造するためのCo
−Zr−P−Na−K,Li−Na−Mg,Sn−Li
−Mg−Clなどのいくつかの触媒が提案されている
(F.Cavani, F. Trifro, Catalysis Today, 29, 307(19
95)、H.H. Kung, Advances in Catalysis, 40, 1 (199
4)などを参照)。しかし、これらの触媒反応も、反応温
度は600〜750℃で、熱分解に比較して反応温度は
大幅には低下せず、かつ生成物あるいは原料の一部が完
全燃焼し、二酸化炭素が生成して選択率が低下する。
【0004】本発明者らはこの点を解決すべく、種々の
検討を行い、高比表面積の酸化ガリウムを触媒に用いる
と二酸化炭素存在下でエタンが高い転化率でエチレンに
転化されることを見いだした(中川、鈴木他 J.Chem.So
c, Chemical Communication1998 1025参照)。しかし、
この触媒では、触媒上への炭素析出が起こり、初期の高
い活性は短時間後に失われた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の接触的脱水素反応の問題点である、完全燃焼による選
択率の低下、及び炭素析出による触媒の失活の問題を解
決することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
問題を解決すべく鋭意検討した結果、触媒担体として従
来全く考慮されたことのない、ダイヤモンドを担体とす
る新規触媒を見いだしたことにより、本発明を完成させ
るに至った。本発明の触媒は、一般式MnOm(ここ
で,Mはクロム、バナジウム、モリブデン、タングステ
ン、マンガン、鉄、亜鉛、セリウム及びガリウムからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の金属元素で、nは
1又は2、mは2、3、4又は5の正の整数を示す)で
表される触媒成分をダイヤモンドに担持した炭化水素の
脱水素触媒である。
【0007】この触媒を用いると、原料や生成物の完全
燃焼が抑えられるとともに、炭素析出による触媒の失活
も抑えられて触媒の寿命が延びたり、再生が容易にな
る。そして、本発明のアルケンの製造方法は、この脱水
素触媒を用い、450℃から750℃の温度範囲で、二
酸化炭素の存在下で飽和炭化水素の脱水素反応を行なわ
せる方法である。反応温度が450℃よりも低くなると
原料アルカンの転化率、生成物アルケンの収率や選択率
が低下するので好ましくない。また、750℃よりも高
温では触媒を用いる必要がなくなるだけでなく、担体の
ダイヤモンドが二酸化炭素により酸化されて消失するの
で好ましくない。
【0008】ここで、原料ガスの希釈ガスとしての二酸
化炭素に代えて、不活性ガスのアルゴンや窒素を用いて
飽和炭化水素を希釈すると、アルケンの収率は低下し、
触媒の失活も著しく速やかに起こるようになるので、二
酸化炭素を希釈ガスに用いることは不可欠である。この
製造方法では、原料や生成物の完全燃焼による副反応が
抑制される結果、アルケンを高収率及び高選択率で、低
い温度で得ることができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いるダイヤモンドは工
業的に研磨用として市販されている粒径の小さいものが
よく、高い比表面積を有するもので、望ましくは10m
2/g以上のものを用いると反応の成績が良い。このダ
イヤモンドをそのまま、あるいは低温で空気流通下に表
面を酸化させ、触媒担体に用いる。しかし、ダイヤモン
ドとしては、薄膜状のものや、それ以外の形状のものも
同様に使用でき、微粒子に限定されることはない。
【0010】触媒成分は、硝酸クロム、メタバナジン酸
アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、タングステ
ン酸アンモニウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸亜鉛、
硝酸セリウム、硝酸ガリウムなどの金属塩を溶液として
調製する。この溶液は水溶液に限らず、アルコール溶液
など、これらの金属塩を溶解するものであれば、種類は
問わない。また、これらの金属塩を2ないし3種類をと
もに溶解してもよく、その場合には複数種類の金属酸化
物を同時に担持することになる。本発明はそのような複
数種類の金属酸化物を同時に担持した触媒も含んでい
る。
【0011】調製した触媒成分金属塩溶液に所定量のダ
イヤモンド粉末を加える。加えるダイヤモンド粉末の量
は、ダイヤモンドに対して、触媒成分が金属酸化物とし
て0.5ないし15重量パーセント(wt%)になるよ
うするのが好ましい。触媒成分が0.5重量パーセント
より少ない場合は触媒の性能を充分に発揮することがで
きないので好ましくない。また、15重量パーセントよ
り多くなると、触媒成分がダイヤモンド表面を多層に被
ってしまい、触媒成分を単独で使用したのと同じ状態に
なって、ダイヤモンド担体を使用する意味がなくなって
しまうので、これも好ましくない。
【0012】触媒成分金属塩溶液が水溶液とすると、ダ
イヤモンド粉末を加えたその水溶液を緩やかに撹拌しな
がら1夜浸漬させたのち、過剰の水分を蒸発乾固させて
金属塩担持触媒前駆物質を得る。このものを、450な
いし550℃において空気流通下で焼成し、酸化物に転
換させて触媒を調製する。550℃より高温度で焼成す
ることも可能であるが、ダイヤモンドの一部が酸化され
消失を伴うおそれがあるので、550℃以下で焼成する
のが望ましい。450℃未満での焼成の場合は、触媒成
分金属塩が完全に酸化物に変換されないおそれがあるの
で、好ましくない。
【0013】触媒成分の金属酸化物としては特にクロム
酸化物が優れており、その担持量は、ダイヤモンドに対
してCr23として1重量パーセントで充分である。飽
和炭化水素の脱水素反応は、このように調製した触媒の
所定量を反応管に充填し、その触媒層を450〜750
℃に保って原料の飽和炭化水素と希釈ガスとしての二酸
化炭素との混合気体、又はさらにそれに水蒸気を添加し
た混合気体を流して反応を行なう。反応管の形式は特に
限定されるものではなく、固定床流通系でも流動床流通
系でもよい。
【0014】二酸化炭素はアルケンの生成には必須であ
るから、二酸化炭素が少なすぎると原料転化率の低下を
招き、逆に二酸化炭素が多すぎると原料濃度が薄くなっ
てしまうため、単位触媒量あたりの原料転化率が低下す
る。アルカンと二酸化炭素の混合比は体積でアルカン1
に対して二酸化炭素0.1から10の範囲で用いること
ができるが、望ましくは1ないし5程度が適切である。
触媒に対する混合ガスの流量は、適切な原料転化率、ア
ルケン収率及びアルケン選択率を得るためには、空間速
度(mlガス/g触媒・hr)として2000から15
000の範囲を用いるのが適当である。
【0015】原料ガスの希釈ガスとしての二酸化炭素に
対して分圧にして1/5ないし等量程度の水蒸気の添加
は、触媒活性を持続させるのに効果的である。担体とし
て微粒子状のダイヤモンドを用いた場合は、触媒が微粒
子となっているので、工業的な大型の固定床反応装置に
充填すると、圧損が生じる。そこで、適当な不活性酸化
物であるシリカやアルミナ等とともに、バインダーを用
いて成形して使用することもできる。以下に示す実施例
では固定床反応装置に本発明を適用した例を示すが、本
発明は固定床反応装置に代えて移動床反応装置に適用す
ることもできる。移動床反応装置では、触媒の再生を連
続的に行なうことが可能になる。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて具体的に説明
する。実施例の反応では、エタンを原料としエチレンを
反応生成物として、次の式により定義されるエタン転化
率、エチレン収率及びエチレン選択率を求めて反応結果
を評価した。 エタン転化率=(A−B)/A A:単位時間に反応器に仕込んだエタンのモル数 B:単位時間に反応器出口から回収されたエタンのモル
数 エチレン収率=C/(A−B) C:単位時間に反応器出口から回収されたエチレンのモ
ル数 エチレン選択率=エチレン収率/エタン転化率
【0017】評価のための実験装置として、図1に示さ
れる反応装置を使用した。ただし、この反応装置はあく
まで評価のための実験装置であり、実際にこの触媒を使
用してアルケンの製造を行なう製造装置はこの反応装置
に限定されるものではない。
【0018】図1において、石英ガラス製反応管2は内
径10mm、長さ250mmであり、その両側から石英
製グラスウールを用いて本発明の触媒層4を充填してあ
る。6は反応管2を加熱する電気炉であり、反応管2が
その電気炉6中に収納されるように、電気炉6に対して
反応管2が配置されている。触媒層4に接して石英ガラ
ス製熱電対保護管が設置され、その中に熱電対(図示
略)が通されて触媒層4と接触している。触媒層4の温
度はその熱電対により検出される。8は温度コントロー
ラであり、その熱電対により検出した触媒層4の温度が
設定温度になるように、電気炉6への通電を制御するも
のである。
【0019】反応管2の一端には原料ガスとしてのエタ
ン(C26)を供給する原料ガス供給流路10と、希釈
ガスとしての二酸化炭素を供給する希釈ガス供給流路2
0と、不活性ガスを供給する不活性ガス供給流路30が
接続されている。いずれもそれぞれのガスを一定流量で
供給するための質量流量制御器14,24,34を備え
ている。それぞれの質量流量制御器14,24,34の
上流には開閉弁12,22,32が配置され、質量流量
制御器14,24,34と反応管2との間には、質量流
量制御器14,24,34側から順に流量計16,2
6,36及びチェックバルブ18,28,38がそれぞ
れ設けられている。
【0020】反応管2の他端は、リボンヒータで保温さ
れた流路を経て、水分を除去するためのコールドトラッ
プ42に導かれている。コールドトラップ42は例えば
2−プロパノールを氷で冷却したものであり、反応ガス
をそのコールドトラップ42に導くことにより、反応ガ
ス中の水分が除去される。コールドトラップ42を経て
水分が除去された反応ガスの流路は三方バルブ44に接
続され、その三方バルブ44により捕集用のガスバッグ
のようなガス捕集系又は排出口へと切り替えて接続され
るようになっている。三方バルブ44は、反応ガスを捕
集するときは反応ガス流路をガス捕集系に接続し、それ
以外のときは反応ガス流路を排出口に接続する。
【0021】(実施例1)硝酸クロム0.5gを水20
mlに溶解させたものに、ダイヤモンド粉末(粒径0.
5μm以下)1.9gを加え、撹拌しながら、1夜放置
した後、過剰の水を蒸発乾固させた。このものを磁性の
ボートに載せ、電気炉に入れ、空気気流下10℃/分の
昇温速度で450℃まで昇温した後、同温度に3時間保
ち、硝酸クロムを酸化クロムに変換させた。この触媒は
ダイヤモンドに対してCr23を5重量%含んでいる。
【0022】この触媒0.2gを精秤し、図1の示した
反応装置の石英ガラス製反応管2(内径10mm、長さ
250mm)に両側から石英製グラスウールを用いて充
填して触媒層4とし、その反応管2を電気炉6に入れ
る。触媒層4に接して石英ガラス製熱電対保護管を設置
して熱電対を触媒層4に接触させ、触媒層4の温度を熱
電対により制御するとともに、その熱電対により触媒層
4の温度を読みとる。
【0023】触媒層4の温度が所定温度に達するまで、
反応管2の一端から不活性ガス(Ar)を通じ、反応管
2の他端を排出口に接続して排出しながら昇温する。触
媒層4の温度が650℃に到達し安定した後、反応管2
の一端から供給するガスを原料ガス(C26)と二酸化
炭素との混合ガスに切り替え、反応管2の他端をコール
ドトラップ42を介して捕集系へ接続する。原料ガスと
二酸化炭素をそれぞれ質量流量制御器12,22によ
り、原料ガスのエタンを5ml/分、二酸化炭素を25
ml/分の流量で供給し、出口ガスを捕集する。
【0024】反応開始後30分間の成績は、エタン転化
率26.7%、エチレン収率23.0%、エチレン選択率
86.2%となった。副生成物として、メタンが3.7%
の収率で得られた。このとき、二酸化炭素の転化率は
8.5%で、相当する量の一酸化炭素が生成した。反応
開始5時間後も14%のエチレン収率が得られた。
【0025】(実施例2)触媒としてダイヤモンドにC
23を2.5重量%担持させたのを用いた他は、実施
例1と全く同様に反応を行なった。その結果、反応開始
後30分間の成績はエタン転化率27.4%、エチレン
収率23.8%、エチレン選択率86.7%となった。副
生成物として、メタンが3.6%の収率で得られた。こ
のとき二酸化炭素の転化率は8.8%で、相当する量の
一酸化炭素が生成した。この結果は、実施例1のものと
殆ど同じであり、ダイヤモンドに対する触媒成分Cr2
3の担持量は2.5重量%でも充分であることを示して
いる。
【0026】(実施例3)反応温度を700℃とした他
は、実施例2と全く同様に反応を行なった。その結果、
反応開始後30分間の成績はエタン転化率39.3%、
エチレン収率29.5、エチレン選択率75.1%となっ
た。副生成物として、メタンが9.8%の収率で得られ
た。このとき二酸化炭素の転化率は15.6%で、相当
する量の一酸化炭素が生成した。この結果から、反応温
度を650℃から700℃に高めたことにより、反応速
度が大きくなってエタン転化率、エチレン収率ともに向
上しているが、副反応も多くなってエチレン選択率が低
下することがわかる。
【0027】(実施例4)実施例2と同様に反応を行
い、二酸化炭素分圧を下げるために流量を一定に保ちな
がらアルゴンを添加して、エタン:二酸化炭素:アルゴ
ンを5:5:20(ml/分)の割合となるようにし
た。その結果、反応開始後30分間の成績はエタン転化
率21.1%、エチレン収率18.9%、エチレン選択率
89.7%となった。副生成物として、メタンが2.2%
の収率で得られた。このとき二酸化炭素の転化率は2
1.8%で、エタンが1モル脱水素されると二酸化炭素
が1モル還元され、1モルのCOと水が生成した。この
結果から、二酸化炭素分圧を下げると、エチレン選択率
は低下しないが、反応速度が低下してエタン転化率、エ
チレン収率ともに低下することがわかる。
【0028】(実施例5)エタンと二酸化炭素の混合ガ
スに79mmHgの水蒸気を添加した他は、実施例2と
同様に反応を行なった。このときエタンの転化率は水蒸
気の存在しないときに比較して、わずかに低下し20.
3%となり、エチレンの収率も18.0%へと低下し
た。しかし、5時間後の転化率、収率は16%を維持し
ており、このレベルは水蒸気の存在しないときよりも高
い。そのため、水蒸気の添加は触媒の安定化に寄与する
ことがわかる。
【0029】(比較例1)希釈ガスとして二酸化炭素の
代わりに不活性ガスのアルゴンを用いた他は、実施例1
と同様に反応を行なった。その結果、反応開始後30分
間の成績はエタン転化率6.6%、エチレン収率6.4
%、エチレン選択率96.9%となった。副生成物とし
て、メタンが0.3%の収率で得られた。不活性ガス中
ではこの触媒の活性は著しく低く、実施例に示すように
二酸化炭素中で反応を行なうのが望ましい。
【0030】(比較例2)酸化ガリウム粉末0.2gを
単独で用い、実施例1と同じ条件で反応を行なったとこ
ろ、反応開始後、30分のエチレン収率は16%と高い
値を示したが、1時間後には収率は5%に低下した。
【0031】(実施例6)実施例1から5では、触媒成
分として酸化クロムを用いている。次に、他の触媒成分
をダイヤモンドに担持した触媒についても実施例1と同
様に調製し、実施例1と同様の反応によりエタンを脱水
素化してエチレンを生成させた結果を表1に示す。表1
には酸化クロムを触媒成分とするものも含んでいるが、
実施例1とは触媒使用量が異なり、別に測定を行なった
こともあって数値に多少の差異が見られる。 表1の結果を得た反応条件は、反応温度650℃、エタ
ンと二酸化炭素の混合ガスの空間速度9000mlガス
/g触媒・hr、触媒量100mg、原料混合ガス中の
26/CO2=5/25ダイヤモンドに対する触媒成
分酸化物の担持量5重量%である。
【0032】次にこの結果と比較するために、同量の触
媒成分酸化物を担体を使用しないで反応を行なわせた場
合を比較のために比較例3として次の表2に示す。 表2の結果を得た反応条件では、使用した触媒量は触媒
成分量で表1のものと等しくなるように20mgとした
点を除いて、表1の結果を得た反応条件と同じものとし
た。表2中で、「≒0」はほぼ0であったことを示して
いる。
【0033】表1と表2の結果を比較すると、ダイヤモ
ンドに担持することにより、全ての金属酸化物でエタン
転化率、エチレン収率ともに大きくなり、触媒活性が高
められている。したがって、この実施例によれば、Cr
23に限らず、V25、MoO3、Ga23、CeO2、Mn
34、Fe34、ZnOについてもダイヤモンドに担持
することによりアルカンの脱水素反応触媒として活性が
高まり、本発明の効果を達成できることを示している。
【0034】
【発明の効果】本発明は触媒成分をダイヤモンドに担持
した触媒と、その触媒を用いて炭化水素の脱水素反応に
よりアルケンを製造するようにした方法であり、これに
より、原料や生成物の完全燃焼が抑えられてアルケンを
高収率及び高選択率で、低い温度で得ることができるよ
うになる。また、炭素析出による触媒の失活も抑えられ
て触媒の寿命が延びたり、再生が容易になる効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒を使用してアルケンを生成する反
応装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
2 石英ガラス製反応管 4 触媒層 6 電気炉 8 温度コントローラ 10 原料ガス供給流路 14,24,34 質量流量制御器 20 希釈ガス供給流路 30 不活性ガス供給流路 44 三方バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/26 B01J 23/26 Z 23/28 23/28 Z 23/34 23/34 Z 23/745 32/00 32/00 C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 5/333 C07C 5/333 B01J 23/74 301Z Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA15 BA08A BA08B BA08C BB12B BB20A BB20B BB20C BC17A BC17B BC17C BC35A BC35B BC35C BC43A BC43B BC43C BC54A BC54B BC54C BC58A BC58B BC58C BC59A BC59B BC59C BC60A BC60B BC60C BC62A BC62B BC62C BC66A BC66B BC66C BD04A BD04B BD04C CB07 FB13 FB30 4H006 AA02 AA05 AC12 BA07 BA08 BA09 BA12 BA14 BA16 BA19 BA55 BB30 BB31 BC10 BC32 4H039 CA21 CC10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式MnOm(ここで,Mはクロム、
    バナジウム、モリブデン、タングステン、マンガン、
    鉄、亜鉛、セリウム及びガリウムからなる群より選ばれ
    た1種又は2種以上の金属元素で、nは1又は2、mは
    2、3、4又は5の正の整数を示す)で表される触媒成
    分をダイヤモンドに担持したことを特徴とする炭化水素
    の脱水素触媒。
  2. 【請求項2】 担体のダイヤモンドが粉末状であり、担
    体に対する前記触媒成分の割合が0.5wt%から15
    wt%の範囲内である請求項1に記載の脱水素触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の脱水素触媒を用
    い、450℃から750℃の温度範囲で、二酸化炭素の
    存在下で飽和炭化水素の脱水素反応を行なわせることを
    特徴とするアルケンの製造方法。
  4. 【請求項4】 脱水素反応の際にさらに水蒸気も存在さ
    せる請求項3に記載のアルケンの製造方法。
  5. 【請求項5】 飽和炭化水素がエタンで、脱水素反応生
    成物がエチレンである請求項3又は4に記載のアルケン
    の製造方法。
JP2000009436A 2000-01-18 2000-01-18 ダイヤモンドを担体とするエタンの脱水素触媒及びその触媒を用いたエチレンの製造方法 Expired - Fee Related JP3429722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000009436A JP3429722B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 ダイヤモンドを担体とするエタンの脱水素触媒及びその触媒を用いたエチレンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000009436A JP3429722B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 ダイヤモンドを担体とするエタンの脱水素触媒及びその触媒を用いたエチレンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001198460A true JP2001198460A (ja) 2001-07-24
JP3429722B2 JP3429722B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=18537586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000009436A Expired - Fee Related JP3429722B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 ダイヤモンドを担体とするエタンの脱水素触媒及びその触媒を用いたエチレンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3429722B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114835545A (zh) * 2022-05-06 2022-08-02 湘潭大学 一种二氧化碳氧化丙烷脱氢制丙烯的方法
CN116199218A (zh) * 2023-03-08 2023-06-02 昆明理工大学 一种微米金刚石颗粒的表面氧化铈包覆方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114835545A (zh) * 2022-05-06 2022-08-02 湘潭大学 一种二氧化碳氧化丙烷脱氢制丙烯的方法
CN114835545B (zh) * 2022-05-06 2024-05-14 湘潭大学 一种二氧化碳氧化丙烷脱氢制丙烯的方法
CN116199218A (zh) * 2023-03-08 2023-06-02 昆明理工大学 一种微米金刚石颗粒的表面氧化铈包覆方法
CN116199218B (zh) * 2023-03-08 2024-03-19 昆明理工大学 一种微米金刚石颗粒的表面氧化铈包覆方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3429722B2 (ja) 2003-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4933397B2 (ja) アルカンをアルケンに変換するための一体化された触媒方法およびその方法に有用な触媒
US4144277A (en) Dehydrogenation of hydrocarbons with zinc titanate catalyst
US7888281B2 (en) Selective oxidation of alkanes and/or alkenes to valuable oxygenates
TW201716542A (zh) 固定床反應器中之散熱稀釋劑
US20050113247A1 (en) Copper modified catalysts for oxidative dehydrogenation
JP2002524606A (ja) オレフィン類の製造のための自熱方法
EP1276558B1 (en) Process for the oxidation of ethane to acetic acid and ethylene
US10308570B2 (en) Method for dehydrogenating a hydrocarbon stream with a bimetallic catalyst
JPH11209331A (ja) アンモ酸化反応による不飽和ニトリルの製造方法
EA032182B1 (ru) Способ получения катализатора, катализатор, а также способ окислительного дегидрирования углеводородов
JP5493099B2 (ja) アルカンを脱水素化するための触媒の再生
JP3216921B2 (ja) 炭化水素および酸素化された炭化水素の脱水素化方法
EP2075243B1 (en) An integrated process for preparing a carboxylic acid from an alkane
JP4346823B2 (ja) エタンから酢酸への酸化用触媒
RU2612305C1 (ru) Способ окислительной конверсии этана в этилен
TWI510465B (zh) Butadiene manufacturing method
CN100376536C (zh) 用于低级链烷烃转化的改进的催化氧化(氨氧化)方法
JP3429722B2 (ja) ダイヤモンドを担体とするエタンの脱水素触媒及びその触媒を用いたエチレンの製造方法
CA2395380C (en) Process for the production of olefins
EP0557790B1 (en) Process for producing isobutylene by oxidative dehydrogenation of isobutane
KR20080096686A (ko) 에탄-기재 공정에서 에탄으로부터 에틸렌을 분리하여 아세트산을 제조하기 위한 화학 반응의 용도
JP2003519105A (ja) オレフィンの製造方法
RU2714316C1 (ru) Катализатор окислительного дегидрирования этана в этилен и способ его получения
JP4025502B2 (ja) 二酸化炭素を酸化剤に用いる低級炭化水素よりのアルデヒド製造触媒及びアルデヒド製造方法
Asami et al. Methane coupling over terbium oxide catalysts using carbon dioxide as oxidant

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100516

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees