JP2001198154A - 体液吸収材 - Google Patents

体液吸収材

Info

Publication number
JP2001198154A
JP2001198154A JP2000010781A JP2000010781A JP2001198154A JP 2001198154 A JP2001198154 A JP 2001198154A JP 2000010781 A JP2000010781 A JP 2000010781A JP 2000010781 A JP2000010781 A JP 2000010781A JP 2001198154 A JP2001198154 A JP 2001198154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
body fluid
absorbing material
zinc oxide
fluid absorbing
functional particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000010781A
Other languages
English (en)
Inventor
Mihoko Kawasaki
美保子 河崎
Ikuyo Yoshida
郁代 吉田
Makiko Kimura
真紀子 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2000010781A priority Critical patent/JP2001198154A/ja
Publication of JP2001198154A publication Critical patent/JP2001198154A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】吸水性だけでなく他の有用な機能を効果的に発
揮し得る体液吸収材を提供すること、消臭性に優れた体
液吸収材を提供すること、消臭性とともに吸湿性が改善
され、サラッとした着用感に優れた体液吸収材を提供す
ること。 【解決手段】酸化亜鉛と機能性粒子を組み合わせて顆粒
化させた機能性顆粒を有する体液吸収材。機能性粒子が
消臭性物質であることを特徴とする体液吸収材。機能性
顆粒が低密度な多孔質シートに付着してなる体液吸収
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭性やドライ感
等のより改善された機能を備えた体液吸収材、特に生理
用ナプキン及びパンティーライナーに関する。より詳細
には、本発明は消臭効果と吸水・吸湿効果を兼ね備え、
しかも人に対して毒性を持たずに安全性に優れた消臭性
体液吸収材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、おりもの、経血、汗あるいは
尿その他の体液を吸収させるため、体液吸収材が用いら
れている。
【0003】これら体液吸収材の課題として、今まで主
として吸水性や吸水保持性及び通気性の向上乃至は改善
が掲げられてきたが、使用時及び使用後に体液吸収材内
から発生する臭気の抑制については未だ十分改善されて
いない。体液吸収材から生じる臭気の原因としては、
汗、尿、経血、おりものといった体内から排泄された体
液自体に含まれる臭気成分だけでなく、該体液が分解し
て生じる臭気成分を挙げることができる。これらの臭気
成分には、脂肪酸、アンモニア、アミン、硫黄含有化合
物、ケトン及びアルデヒド、並びにこれらの多数の誘導
体が含まれる。
【0004】ところで、各種の繊維構造物に対して消臭
性を付与する技術ついては従来から多くの提案がなされ
ており、例えば、合成繊維の製糸段階で消臭性物質を内
部に練り込んだ繊維から構成された消臭性繊維構造物
(例えば、特開昭63-135512号など)、及び後加工の段
階で消臭性物質を樹脂剤と共に繊維表面にコーティング
して得た繊維から構成された消臭性繊維構造物(例え
ば、特開平2-289148号など)が知られている。しかしな
がら、これらの方法では、消臭性物質の表面が合成樹脂
や樹脂剤で被覆されてしまうため、消臭効率が低下し、
期待できる消臭効果が得られないという問題がある。
【0005】その一方、二酸化ケイ素、ゼオライト、活
性炭、アルミナなどといった一般に脱臭や吸湿機能を有
する多孔性無機粒子はそれら単独では繊維への接着性に
乏しく、脱臭等の各種の機能を発揮する量を繊維構造物
の繊維間に残留・保持させることが難しいという問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、第一に、吸
水性だけでなく他の有用な機能を効果的に発揮し得る体
液吸収材を提供することを目的とするものである。また
本発明は、第二に、消臭性に優れた体液吸収材を提供す
ることを目的とするものである。さらに本発明は、第三
に消臭性とともに吸湿性が改善され、サラッとした着用
感に優れた体液吸収材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、二酸化ケイ素やゼオライト等の多孔性無
機粒子をその消臭機能や吸湿機能などを損なうことなく
吸水シート(繊維構造物)に担持させる方法について日
夜研究を重ねていたところ、これらの無機粒子(機能性
粒子)を酸化亜鉛と併用することにより、とくにバイン
ダーなどを用いなくても繊維間に比較的強く付着若しく
は担持させることができることを見出した。本発明者ら
はその理由を解明すべく更に検討を重ねたところ、上記
機能性粒子と酸化亜鉛とを併用することにより、酸化亜
鉛が機能性粒子を付着若しくは抱き込んで凝集・顆粒化
し、その結果、ソフト感や風合いといった良好な肌触り
感の発揮に有用なポーラスで低密度な繊維構造物(シー
ト)に対しても歩留りがよく少量の機能性粒子の使用で
所望の機能を効果的に発揮する高品質な体液吸収材が製
造できること、また体液が触れても粒子が脱落しないた
め、体液吸収材の表面に露出して肌を刺激する等といっ
た問題も生じず、安全性に優れることなどを確認した。
【0008】さらに本発明者らは、酸化亜鉛とこれら機
能性粒子、特に二酸化ケイ素等の消臭性・吸湿性粒子を
配合した体液吸収材によれば、該吸収材に吸収された体
液の臭いや湿気が効率よく吸着されるため、使用に際し
て不快臭が発生しないとともに常時サラっと乾燥してお
り、着用感に優れた体液吸収材が調製できることを確認
した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたもので
ある。
【0009】即ち、本発明は、下記のいずれかの態様か
らなる体液吸水材である。 (1)酸化亜鉛と機能性粒子を組み合わせて顆粒化させ
た機能性顆粒を有する体液吸収材。 (2)機能性粒子が少なくとも消臭機能を有するもので
あることを特徴とする1記載の体液吸収材。 (3)機能性粒子が少なくとも吸湿機能を有するもので
あることを特徴とする1記載の体液吸収材。 (4)機能性粒子が少なくとも抗菌性機能を有するもの
であることを特徴とする1記載の体液吸収材。 (5)機能性顆粒が低密度な繊維構造物に付着してなる
1乃至4のいずれかに記載の体液吸収材。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は酸化亜鉛と機能性粒子を
顆粒状に凝集混在させた状態で体液吸収材の基材(繊維
構造物)に付着乃至は担持させてなることを特徴とする
体液吸収材である。
【0011】本発明で用いられる酸化亜鉛は粒子形状
物、特に微粒子形状物であることが好ましい。特にその
粒子径は制限されないが、好ましくは平均粒子径として
10μm以下、具体的には0.01〜10μm、より好
ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以
下のものを挙げることができる。なお、酸化亜鉛そのも
のは、日本薬局方、化粧品原料基準に収載されているも
のであり、人体への安全性が極めて高いものである。
【0012】かかる酸化亜鉛は、それを担持させる基材
シート(繊維構造物)を構成する繊維全体に対して好ま
しくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜20重
量%の割合で担持されるように用いられるのが望まし
い。
【0013】また本発明で用いられる機能性粒子として
は、吸水性、吸湿性、抗菌性又は消臭性などの、一般に
体液吸収材に求められる所望の機能を発揮するものであ
れば特に制限されない。好ましくは無機質粒子であり、
具体的にはシリカ、シリカゲル、ソディウム・テトラシ
リケート、炭化ケイ素等のケイ素類;塩化アルミニウム
などのアルミニウム類;塩化カリウム、塩素化石灰、塩
化カルシウムなどの塩素化合物;ヤシガラ炭などの活性
炭;酸化マグネシウム、酸化チタン、亜鉛華、カルシウ
ムオキサイド等の金属酸化物;塩化亜鉛などの亜鉛化合
物;窒素ホウ素、ホウ酸及びホウ砂等のホウ素化合物;
炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;トウ
モロコシデンプンなどの澱粉類;セルロースパウダー;
シルクパウダー、ゼオライト、モレキュラーシーブ等を
例示することができる。これらの中で、少なくとも消臭
機能を有するものとしては、活性炭、シリカゲルや二酸
化ケイ素などのケイ素類、塩化アルミニウムなどの塩素
化合物、カルシウムオキサイドなどの金属酸化物、塩化
アルミニウムなどのアルミニウム類、塩化亜鉛などの亜
鉛化合物、ホウ酸等のホウ素化合物等を例示することが
できる。好ましくはシリカなどの二酸化ケイ素である。
また、少なくとも吸湿性を有するものとしてはトウモロ
コシデンプンなどの澱粉類;セルロースパウダー;シル
クパウダー、ゼオライト、活性炭、炭酸カルシウムや炭
酸マグネシウムなどの炭酸塩;シリカ、シリカゲル等の
二酸化ケイ素類を例示することができる。また、抗菌性
を有するものとしては、ゼオライト、酸化亜鉛、酸化チ
タン、シリカゲル等を挙げることができる。
【0014】なお、これらの機能性粒子は一種単独で使
用しても、また二種以上を任意に組み合わせて使用する
こともできる。
【0015】本発明においては、かかる機能性粒子は、
破砕状、粉末状、顆粒状、微粉末状のいずれの形状を有
するものであってもよいが、好ましくは平均粒子径とし
て0.01〜1000μm、より好ましくは1〜100
μmの範囲にあるものをあげることができる。
【0016】かかる機能性粒子は、それを担持させる基
材シート(繊維構造物)を構成する繊維全体に対して
0.05〜40重量%、好ましくは0.05〜20重量
%、より好ましくは0.05〜10重量%の割合で担持
されるように用いられるのが望ましい。
【0017】また機能性粒子と上記の酸化亜鉛との混合
割合は、機能性粒子の種類や適用する体液吸収材の種類
に応じて異なり、一概に規定することはできないが、酸
化亜鉛100重量部に対する機能性粒子の混合割合とし
て通常0.5〜80重量部、好ましくは0.5〜40重
量部、より好ましくは1〜20重量部の範囲を例示する
ことができる。
【0018】本発明の体液吸収材は、上記酸化亜鉛と機
能性粒子を顆粒状に凝集混在させた状態で体液吸収材の
基材に付着乃至は担持させてなることを特徴とするもの
である。なお、酸化亜鉛と機能性粒子から形成される顆
粒の大きさは特に制限されないが、通常平均粒子径とし
0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上を挙げること
ができる。
【0019】ここで基材としては、特に制限されない
が、例えば体液吸収材の吸水性のコアとなる吸水性繊維
構造物を挙げることができる。本発明で用いられる繊維
構造物は、吸水性を有するものであれば特に制限はない
が、織物、編物、不織布(非収束状のフィラメント群や
短繊維群から構成される不織布を含む。)又は紙等のパ
ルプ製品等から構成される、フィルム状もしくはシート
状成形物が含まれる。
【0020】かかる繊維構造物を構成する繊維として
は、特に制限はなく任意の繊維を用いることができる
が、具体的には例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン/
ポリエステル複合繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン
複合繊維等の合成繊維、綿、羊毛、麻などの天然繊維、
或いはレーヨン繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、
及び各種繊維の混紡品、混繊品を挙げることができる。
好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエス
テル、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニ
ル等の合成繊維若しくはそれらの複合繊維が例示され、
具体的には、ポリエチレン/ポリエステル(ポリエチレ
ンテレフタレートを包含する。)複合繊維、ポリエチレ
ン/ポリプロピレン複合繊維、エチレン酢酸ビニル/ポ
リプロピレン複合繊維等である。
【0021】尚、これらの合成繊維は、その断面構造等
によって特に制限されず、異形断面繊維、多孔性繊維、
多孔吸水繊維等で代表されるような各種構造を有するも
のであってもよい。
【0022】本発明で用いられる繊維構造物は、上記各
種繊維から構成される単層シートであっても、各々任意
の異なる成分からなるシートの複層体であってもよい。
【0023】本発明で吸収材(繊維構造物)として用い
られる上記基材は、特に制限されないが、目付が10〜
200g/m2、好ましくは10〜100g/m2、より
好ましくは20〜50g/m2の範囲で低密度のポーラ
ス状であることが望ましく、さらには0.075〜1.5
mm、好ましくは0.1〜0.5mmの厚さを備えている
ことが望ましい。
【0024】かかる基材の使用によれば、ソフトで風合
いがよく、肌触りが優しく、肌への物理的刺激が少な
く、柔軟性に富み、体の動きに追従してなじみやすく、
また通気性のよい体液吸収材を調製できるという利点が
あるが、本発明によれば、さらに機能性粒子を酸化亜鉛
と併用することによって顆粒化し粒径の増大化が図られ
るため、上記基材を構成する各繊維間に該機能性顆粒を
脱落させることなく担持、保持させることができるとい
う利点がある。このように機能性顆粒の脱落が有意に抑
制されることは、本発明の体液吸収材によれば、酸化亜
鉛及び機能性粒子が有する所望の機能を持続的に発揮す
ることができることを意味し、また体液吸収材の表面か
らの酸化亜鉛や機能性粒子の脱落によって生じる皮膚へ
の刺激化が有意に防止でき、安全性の高い体液吸収材が
提供できることを意味する。
【0025】また、上記機能性顆粒は、乾燥状態では基
材内に酸化亜鉛が機能性粒子を付着若しくは抱き込んで
両者が凝集顆粒か状態で存在するが、通常pH4〜5の
弱酸性の体液が接触すると両者の凝集が崩壊して機能性
粒子が表出することにより該粒子の表面積が大きくなる
現象が見られる。ゆえにかかる現象が体液吸収材の使用
時の消臭効果や吸湿効果等に大きく寄与しているものと
考えられる。
【0026】基材への機能性顆粒の付着ないし担持は、
あらかじめシート状に調製した繊維構造物を酸化亜鉛と
機能性粒子を顆粒状態で含む水性分散液で含浸、パディ
ング、コーティング(塗布、噴霧等)、印刷又はスプレ
ーする方法、または繊維構造物を構成する繊維、酸化亜
鉛及び機能性粒子を含む水性分散液を用いて湿式抄紙技
術で不織布を抄造する方法等によって行うことができ
る。
【0027】上記方法によれば、特に結合剤や接着剤等
のバインダーを必要とすることなく、酸化亜鉛と機能性
粒子が繊維構造物の各繊維間(間隙)及び表面に固定化
される。これは、上記方法において、酸化亜鉛粒子が一
緒に配合した機能性粒子を水中で抱き込んで若しくは付
着して凝集し、顆粒状として分散していることが観察さ
れることから、凝集・造粒化による粒度の増大及び酸化
亜鉛自身の付着性(吸着性)が一つの要因として考えら
れる。
【0028】このように本発明によれば、吸水シートの
製造に際して、特にバインダーを必須の成分としないこ
とから、バインダーによって酸化亜鉛や機能性粒子の表
面が被覆されず、かかる成分の機能を十分発揮すること
ができる。
【0029】しかしながら、酸化亜鉛と機能性粒子との
凝集を抑制するものでない限り、本発明はバインダーの
使用を制限するものではなく、例えば湿式抄紙技術を用
いる場合は、例えばアクリルアミド・ポリビニルアルコ
ール共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリル
酸エステル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコールなどのバインダーを使用
することもできる。なお、これらのバインダーは水やア
ルコールなどの溶媒に溶解されて、上記水性分散液の一
成分として用いられる。
【0030】酸化亜鉛及び機能性粒子を配合した水性分
散液は、両者が凝集してなる機能性顆粒の分散性をより
均一にするために、ボールミル、アトライタ、サンドグ
ライダ、三本ロール、高速インペラーミル、ジェットミ
ル、ニーダ、ホモジナイザー、ペイントシーカ、超音波
分散機などを使用して調製されることが好ましい。
【0031】本発明の体液吸収材は、おりもの、経血、
血、汗、尿を吸収するためのものであれば特に限定され
ず、具体的にはおしめ、おりものシート、生理用ナプキ
ン、汗とりパット、絆創膏、おねしょシート、失禁パッ
ト等が例示される。
【0032】本発明の体液吸収材は、上記の構成を一部
に備えるものであれば特に制限されることなく、他の部
分は従来公知の構造を採用することができる。具体的に
は本発明の体液吸収材には、前述する機能性顆粒を有す
る基材シート(繊維構造物)を中心として、その表面に
少なくとも透液性表面シート、及び液が裏抜けしない不
透液性シートがそれぞれ積層してなる体液吸収材を包含
することができる。なお、本発明の体液吸収材は、かか
る積層構造において各層の間又は不透液性シートの下面
に更に他の成分を含有していてもよく、例えば、不透液
性シートの下面(換言すれば、下着等への接着面)に粘
着層を有し、さらにこれに剥離紙を有していても良い。
【0033】なお、液が裏抜けしない不透液性シートと
しては、少なくとも水に対して一定のバリア性を有する
シート状、好ましくはフィルム状のものであれば特に制
限されないが、透湿性を有するものであることが好まし
い。不透液性シートの素材も上記性質を有するものであ
れば特に制限されず、通常使用されるものが広く採用さ
れる。一例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリビニ
ルアルコール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン等も
しくはこれらの多層フィルムが例示される。
【0034】フィルムの厚さも特に制限されないが、通
常0.1〜500μm、好ましくは0.1〜100μm
の範囲から適宜選択されて用いられる。
【0035】また、透液性表面シートとしては、上に載
付した体液がそれを通過して下層の吸水層(吸水シー
ト)に浸透する透液性であるものを例示することができ
る。その限りにおいて、形状などを特に制限するもので
はないが、例えば体液が下層の吸水材に浸透するのを容
易にするべくメッシュ状等の多孔構造を有していてもよ
いし、皮膚への接触感を良好にするために浮きだし模様
(エンボス模様)等の形状を呈していても良い。
【0036】なお、本発明には、下記の態様が含まれ
る: (1) 目付10〜200g/m2の繊維構造物に酸化亜鉛
及び機能性粒子からなる顆粒が担持された体液吸収材。 (2) 機能性粒子が二酸化ケイ素である(1)記載の体液吸
収材。 (3) 酸化亜鉛が平均粒子径0.01〜10μm、好まし
くは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下の
微細粉末物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の
体液吸収材。 (4) 機能性粒子が平均粒子径0.01〜1000μm、
好ましくは1〜100μmの微細粉末物であることを特
徴とする(1)乃至(3)に記載の体液吸収材。 (5) 酸化亜鉛及び機能性粒子からなる顆粒を担持した繊
維構造物が湿式抄紙法によって調製されるものである、
(1)乃至(4)のいずれかに記載の体液吸収材。 (6) 少なくとも透液性表面シート、(1)乃至(5)のいずれ
かに記載の繊維構造物及び液が裏抜けしない不透液性シ
ートから形成される積層構造を有する体液吸収材。
【0037】
【発明の効果】本発明の体液吸収材は、シート基材(繊
維構造物)を構成する各繊維の間隙に酸化亜鉛及び機能
性粒子が、酸化亜鉛粒子に機能性粒子が付着乃至は担持
された凝集状態(顆粒)で存在乃至は付着してなり、こ
のため繊維間を体液が通過しても脱落することなく、消
臭効果や吸湿効果などの効果の持続性があるとともに、
使用に際して皮膚への刺激がなく安全性の高いものであ
る。また、本発明において製造される体液吸収材は、酸
化亜鉛が有する優れた消臭性や抗菌性に加えて、各種の
機能性粒子が有する機能に基づいて消臭性、吸湿性及び
抗菌性等を持たせることができ、このため、おしめ、お
りものシート、生理用ナプキン、汗とりパット、絆創
膏、おねしょシート及び失禁パット等、用途に応じて多
様な体液吸収材として調製することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明は当該実施例に何ら限定されるもので
はない。実施例1〜3 撹拌機に水60重量%、酸化亜鉛(平均粒径0.6μm
以下、比表面積4m2/g)30重量%、シリカパウダ
ー(平均粒径12μm、比表面積500m2/g、細孔
容積2ml/g)10重量%を入れてよく撹拌し、酸化
亜鉛とシリカパウダーを含有する水性分散液(表1)を
調製した。
【0039】実施例1及び2においては、この分散液と
繊維原料であるパルプ及びポリエステルを含む不織布原
料液を混合し、抄紙装置により不織布基材を調製した。
また、実施例3においては予めパルプ及びポリエステル
を用いて作成した不織布に、上記水性分散液(表1)を
含浸させて不織布基材を調製した。一方、比較例1とし
て、水性分散液として、キサンタンガムと界面活性剤を
配合することによって酸化亜鉛とシリカパウダーとの凝
集顆粒化を抑制させた分散液(表1)を用いて実施例3
と同様に不織布に含浸させて基材を調製した。
【0040】顕微鏡観察により、実施例1〜3の基材の
繊維間隙には酸化亜鉛とシリカパウダーが凝集した状態
で付着存在していることが観察されたが、比較例1の基
材には酸化亜鉛とシリカパウダーが凝集せずに、個々に
分散状態で付着存在していることが観察された。
【0041】次いで、これらの不織布基材を水の入った
容器に入れて水中で振盪し、酸化亜鉛粉末及びシリカパ
ウダーの脱落率を調べた。結果を表1に併せて示す。
【0042】
【表1】
【0043】また、実施例1〜3の不織布基材をおりも
のシートとして10名のモニターに使用してもらい、使
用後のシートを回収して酸化亜鉛とシリカパウダーとの
凝集顆粒の様子を顕微鏡で観察した。その結果、体液が
触れて浸潤した部分は顆粒の凝集がほどけて、酸化亜鉛
とシルクパウダーがばらばらに分散しているのが観察さ
れた。このことから体液による浸潤によって酸化亜鉛と
シリカパウダーとの凝集顆粒が再粒子化し、全体として
粒子(機能性粒子)の表面積が広がってより高い機能
(消臭、吸湿、乾燥、抗菌)の発現に寄与することが示
唆された。
【0044】試験例1 消臭試験 不織布(2×5cm)布片2枚の間に酸化亜鉛とシリカ
パウダーとの顆粒凝集体を挟んで消臭試験体1を調製し
た。また酸化亜鉛とシリカパウダーとの顆粒凝集体に代
えて同量の酸化亜鉛とシリカパウダーを凝集させること
なく分散混合したものを用いて、同様に消臭試験体2を
調製した。次いで、これらの試験体の消臭効果を比較し
て、顆粒凝集体と粒子体との消臭効果を評価した。具体
的には、消臭試験体1及び消臭試験体2のそれぞれに不
快臭成分である酪酸10μLをしみ込ませて、これをバ
イアル瓶にいれて密封して60分間加熱した後、シリン
ジでバイアル瓶中の空気を1mL採取し、当該不快臭を
ガスクロマトグラフィーで測定した。その結果、不織布
間に酸化亜鉛とシリカパウダーが顆粒状態で存在する消
臭試験体1の消臭率は50%であったのに対し、各成分
が凝集することなく粒子状態で分散して存在する消臭試
験体2の消臭率は79%と、高い結果が得られた。な
お、未加工布の消臭率は0%であった。このことから酸
化亜鉛とシリカパウダーは、粒子状態となることによっ
て消臭効果が増強することがわかった。
【0045】以上の実施例及び試験例から、本発明の体
液吸収材は、顆粒化した酸化亜鉛とシリカパウダーが、
バインダーを特に要しなくても、低密度な繊維構造物か
ら殆ど脱落することなく強く担持されており、また体液
による浸潤によって酸化亜鉛とシリカパウダーとの凝集
がほどけて再粒子化し、これによってより消臭効果が向
上することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 真紀子 大阪府大阪市淀川区三津屋南3−13−35 小林製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C003 HA01 HA02 4C098 AA09 CC02 CE06 DD05 DD14 DD16 4G066 AA18B AA22B AC01D AC02C AC23C BA03 BA09 CA02 CA43 DA11 EA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛と機能性粒子を組み合わせて顆粒
    化させた機能性顆粒を有する体液吸収材。
  2. 【請求項2】機能性粒子が少なくとも消臭機能を有する
    ものであることを特徴とする請求項1記載の体液吸収
    材。
  3. 【請求項3】機能性粒子が少なくとも吸湿機能を有する
    ものであることを特徴とする請求項1記載の体液吸収
    材。
  4. 【請求項4】機能性粒子が少なくとも抗菌性機能を有す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の体液吸収
    材。
  5. 【請求項5】機能性顆粒が低密度な繊維構造物に付着し
    てなる請求項1乃至4のいずれかに記載の体液吸収材。
JP2000010781A 2000-01-19 2000-01-19 体液吸収材 Pending JP2001198154A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000010781A JP2001198154A (ja) 2000-01-19 2000-01-19 体液吸収材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000010781A JP2001198154A (ja) 2000-01-19 2000-01-19 体液吸収材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001198154A true JP2001198154A (ja) 2001-07-24

Family

ID=18538755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000010781A Pending JP2001198154A (ja) 2000-01-19 2000-01-19 体液吸収材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001198154A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010172664A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Uni Charm Corp 吸収性物品
JP2014204798A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 株式会社リブドゥコーポレーション 吸収性物品
WO2017086850A1 (en) * 2015-11-20 2017-05-26 Sca Hygiene Products Ab Fibrous structure exhibiting an antimicrobial effect

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010172664A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Uni Charm Corp 吸収性物品
JP2014204798A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 株式会社リブドゥコーポレーション 吸収性物品
WO2017086850A1 (en) * 2015-11-20 2017-05-26 Sca Hygiene Products Ab Fibrous structure exhibiting an antimicrobial effect
US11207441B2 (en) 2015-11-20 2021-12-28 Essity Hygiene And Health Aktiebolag Fibrous structure exhibiting an antimicrobial effect

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2389246C (en) Thin absorbent core made from folded absorbent laminate
JP5680817B2 (ja) 吸収時に架橋を形成する吸収体
CA2326564C (en) Thin absorbent core made from folded absorbent laminate
JP5528022B2 (ja) 吸収体及び吸収性物品
JPH03177440A (ja) 吸水性ラテックスポリマーフォーム
WO2011007741A1 (ja) 吸収体及び吸収性物品
US20040067214A1 (en) Odor control system
JP2001070339A (ja) 吸収性物品
JP2002224161A (ja) 吸水性物品
JP2007135979A (ja) 尿吸収用材料又は汗吸収用材料
JP6113069B2 (ja) 保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品
JP2001198154A (ja) 体液吸収材
JP5153975B2 (ja) 吸収体
JPH10219568A (ja) 吸水材用表面材及びそれを用いた体液吸収材
JPH11226054A (ja) 吸収性物品
JP2002045395A5 (ja)
JP4883828B2 (ja) 消臭組成物
JP2002508222A (ja) 液体活性化粒子分離手段を有するコンパクト化された臭気制御粒子
JP2018050869A (ja) 吸収性物品
JP4129390B2 (ja) 消臭性吸収体の製造方法
JP2001276124A (ja) 体液吸収物品
JP2001145648A (ja) 大人用軽失禁パッド
JP6105947B2 (ja) 保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品
TWI837420B (zh) 機能性片及具備該機能性片之吸收性物品、以及該等的製造方法
JPH0938137A (ja) 使いすておむつ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090401

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090522

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090527

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090902