JP2001196623A - 半導体装置、半導体装置の製造方法、実装体の製造方法、および実装体 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法、実装体の製造方法、および実装体

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JP2001196623A
JP2001196623A JP2000006951A JP2000006951A JP2001196623A JP 2001196623 A JP2001196623 A JP 2001196623A JP 2000006951 A JP2000006951 A JP 2000006951A JP 2000006951 A JP2000006951 A JP 2000006951A JP 2001196623 A JP2001196623 A JP 2001196623A
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Masahiro Ono
正浩 小野
Hirokado Toba
広門 鳥羽
Yoshimasa Oki
芳正 大木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の、メサ型構造のアバランシェフォトダ
イオードを備えた半導体装置では、暗電流が流れやすか
った。 【解決手段】 化合物半導体で形成された基板14と、
基板14の上に配置され、超格子増倍層17、電界緩和
層18、および光吸収層19を有する、メサ型構造のア
バランシェフォトダイオードと、メサ型構造の実質上全
端面を覆う絶縁酸化物の保護膜16とを備える。これに
より、メサエッチ部(メサ型構造の端面)10における
ダングリングボンド(欠陥)3を不活性化させるととも
に、水分子を遮断することもできるので、暗電流が流れ
にくくなる。したがって、特に気密封止することなくメ
サ型構造のアバランシェフォトダイオードを有する半導
体装置を備えた実装体を作製することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも超格子
増倍層、電界緩和層、光吸収層を有するアバランシェ・
フォト・ダイオード(略してAPD)を備えた半導体装
置と、その半導体装置の製造方法と、APDを備えた半
導体装置が実装された実装体と、その実装体の製造方法
とに関する。
【0002】
【従来の技術】将来のマルチメディア社会の実現には基
幹系伝送容量の拡大と加入者系光ネットワークシステム
の整備が不可欠である。光ファイバは1981年に初め
てNTTの通信網に導入された。その後10年の間に中
継網の大動脈を形成し、現在の通信システムを大きく支
えている。光ファイバの特徴は「低損失」、「細径」、
「軽量」等であり、従来のメタリックケーブルと比較し
てもかなり伝送特性の損失は小さくなっている。高速の
信号ではこの差はより顕著で、近い将来家庭まで広帯域
サービスを提供するためには、加入者線でも光ファイバ
が必要不可欠で、FTTH(ファイバ・ツー・ザ・ホー
ム)に向け研究・開発が進められている。そこで、低コ
スト・高帯域・高感度な光受信端末(ONU)の開発は
測距離拡大のため必須である。
【0003】このような背景もあり、超格子構造のバン
ド不連続を介したイオン化率比制御を基本動作原理とす
る超格子アバランシェフォトダイオード(略してAP
D)が高性能受光素子として注目されている。このAP
Dとして、図11(a)、(b)、(c)に示すよう
に、InP基板上に格子整合したInGaAs(P)/
InAlAs、In(Al)GaAs/InAlAs系
材料により形成され、高利得帯域幅積・高感度実証がさ
れたのものが提案されてきた。また、構造においても、
「A New Planar−Structure I
nAlGaAs−InAlAs Superlatti
ce Avalanche Photodiode w
ith a Ti−Implanted Guard−
Ring」(IEEE Photon.Techno
l.Lett.,8,827(1996))に示されて
いるように、Tiイオン注入ガードリング領域を有する
プレーナ型素子の提案もなされている。
【0004】一方、SiのAPDは既に商品化され一般
化しているが、これは1.55μm帯、および1.3μ
m帯で感度がない。その意味でも化合物半導体を用いた
APDを作製する必要がある。
【0005】APDのpn接合には逆方向電圧が印加さ
れ、この高電界によって光吸収層で生じた電子−ホール
対が加速されるとともに、格子と衝突し価電子帯電子を
伝導帯へ励起、すなわちイオン化して、新たな電子−ホ
ール対を生成する。この過程が連続的に生じることによ
るキャリアの増幅が、アバランシェ増倍である。
【0006】「Impact ionization
rates in an InGaAs/InAlAs
superlattice」(Appl.Phys.
Lett.,55,993(1989))に示されてい
るように、光吸収層で生成された電子−ホール対を、そ
の場の高電界で加速してアバランシェ増倍させると、電
子とホール双方がそれぞれ増倍され、良好な高周波特性
を得ることはできない。そこで、光吸収層とアバランシ
ェ増倍層を分離して、電子のみを増倍層に注入すること
によって、電子を選択的に増倍する構造が考え出されて
きたわけである。そして、良好な高周波特性を実現する
には、APDの光吸収層で生成した電子を、速やかに超
格子増倍層に注入しなければならない。また、光吸収層
と超格子増倍層の間に電界緩和層がある場合には、超格
子増倍層の高電界領域と光吸収層の相対的に低電界な領
域の境界がシャープになり、超格子増倍層全体に一様な
高電界が印加される。このような電界分布状態では、電
界緩和層の価電子帯の電子が、高電界によって超格子増
倍層の伝導帯へトンネルし、これが暗電流発生の原因と
なる。これを改善するためには、電界緩和層にバンドギ
ャップの大きな材料を用いてトンネル電流を抑制する構
造が有効である。
【0007】「Dark Current and B
reakdown Analysis in In(A
l)GaAs/InAlAs Superlattic
eAvalanche Photodiodes」(J
pn.J.Appl.Phys.Vol.35(199
6)pp.3440−3444,図11(a)に関する
論文)、また、「Reliability of Me
sa−Structure InAlGaAs/InA
lAs Superlattice Avalanch
e Photodiodes」(IEEE Photo
nics Technology Letters,V
ol.8,No.6(1996)pp.824−82
6,図11(b)に関する論文)で示されている素子形
状は、1つはエッチングで受光領域を形成するメサ構造
と言われるタイプであり、それとは別にp型InP基板
を用い受光領域を拡散で形成するプレーナ型と呼ばれる
タイプがある。
【0008】プレーナ型は、メサ型と構造が逆で吸収層
が基板側に位置しているので、吸収層直近に光吸収層を
形成することが困難である。それとともに、表面側から
の光入射になるので、実装上もメサ型に比較して不利と
考えられる。また、プレーナ型は拡散部の周辺領域での
ブレークダウンを防ぐために、ガードリングの形成が不
可欠である。
【0009】一方、メサ型は、受光部をエッチングによ
り形成するので、受光部の結晶材料側面が露出し、この
部分の界面準位制御とパッシベーション膜形成は、暗電
流抑制やブレークダウンの防止にとって極めて重要であ
る。ここで、暗電流とは光を当てなくとも逆バイアス電
圧に応じて流れる電流のことである。また、光電流とは
光を当てた状態で、逆バイアス電圧に応じて流れる電流
のことである。
【0010】しかし、特性や信頼性の確保に関しては前
述したような課題が多く残っており、まだ実用化される
には十分にはいたっていない。また、低コストで作製す
ることも重要な問題となっている。なぜなら、このよう
なパッケージは気密封止が前提となっており、例えばデ
バイスごとケースの中に入れ、気密を保ちながら封止す
ることで水分の浸入を少しでも防ぐ構造をとる必要があ
るからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにいろい
ろな点からプレーナ型よりメサ型が有利ではあるが、特
性や信頼性の確保に関してはまだまだ課題が多く残って
おり、まだ、十分実用化されるにはいたっていない。ま
た、この場合、パーケージは気密封止が前提となってい
る場合が多く、今後低コストで作製し普及させていく必
要性にも迫られている。また、メサ型の場合メサエッチ
部の界面準位の制御が特に問題となり、暗電流劣化の要
因となる。このためにパッシベーション膜形成は重要で
あるが、最適な構造は得られていない。
【0012】実際「InGaAsP−InAlAs S
uperlattice Avalanche Pho
todiode」(IEEE Journal of
Quantum Electronics,Vol.2
8,No.6,JUNE1992 pp.1419−1
423,図11(c)に関する論文)に掲載されている
NTTが提案している、基板14にInP、超格子増倍
層17にInGaAsP/InAlAs、光吸収層19
にInGaAs、電界緩和層18にInP、メサエッチ
(結晶材料側面)10を覆うパッシベーション膜12に
SiNを用いた図12のようなメサ構造15のアバラン
シェフォトダイオード(略してAPD)を作製し、高温
高湿試験(85℃、85%RH)や高温高湿バイアス試
験(85℃、85%RH、15V)などを行った。
【0013】図13はAPD単体で高温高湿試験を行っ
た試験結果を示している。図13より、暗電流の特性曲
線は初期に比べ低電圧側にシフトし、劣化していること
がわかる。また、ベークして水を多少ぬいてやるとか、
再測定すると暗電流は小さくなり、特性は初期と同等と
までは及ばないが、回復することがわかった。
【0014】その後の解析から、実際基板14のInP
とパッシベーション膜12のSiNの密着が悪く、端面
のInP14とSiN12の界面から水が浸入している
ことがわかった。このため、浸入した水はメサエッチ1
0にまで到達し、これが測定時に高バイアスをかけると
リーク電流として寄与することが判明した。さらに、高
温高湿バイアス試験では、浸入した水が高電界により電
気分解を起こしリークに寄与しているということが判明
した。
【0015】また、メサエッチ部10の特性を調べるた
め、このAPDをアニールする実験を行った。窒素アニ
ール(窒素ガス雰囲気中でのアニール)の結果を図1
4、15に示す。350℃で30分、300℃で1時間
のいずれの条件でも暗電流の特性は初期とほとんど変化
がなかった。窒素は不活性ガスであり、この場合暗電流
を低下させるという効果がほとんどないということがわ
かった。
【0016】また、水素アニール(水素ガス雰囲気中で
のアニール)も行った。その結果を図16、17、18
に示す。350℃、30分ではアニール後に初期に比べ
て暗電流の特性曲線がわずかに低電圧側にシフトし、多
少劣化している傾向がみられる。一方、300℃で30
分、300℃で1時間では高電界で初期に比べて暗電流
が小さく、多少の効果が認められる。従って、水素アニ
ールの場合条件によって暗電流の特性を改善するのに効
果があるということがわかった。これは、水が浸入でき
るくらいだから、当然水素もメサエッチ10に侵入で
き、侵入した水素がメサエッチ10におけるダングリン
グボンド(欠陥)と結合して終端することによりエネル
ギー的に安定したからであると考えられる。
【0017】それから、APDをホットプレート上で、
空気中で230℃、1時間放置しておいたところ暗電流
の特性曲線が初期に比べ著しく改善された。その結果を
図19に示す。窒素アニールや水素アニールに比べ、最
も効果があった。ここには1つの典型的な結果を示して
いるが、13サンプル行って全てのサンプルで効果があ
ることが、認められた。窒素アニールでは全く効果がな
かったことから、この場合酸素が端面のInP14とS
iN12の界面から侵入し、メサエッチ10のダングリ
ングボンド(欠陥)と結合し、不活性化させたと考えら
れる。
【0018】なぜなら、ここで提案する超格子増倍層の
結晶格子はいずれも閃亜鉛型構造で格子定数は6Å弱
(InPの格子定数は5.869Å、GaAsの格子定
数は5.654Å、InAsの格子定数は6.058
Å、AlAsの格子定数は5.662Åですべて結晶構
造は閃亜鉛型構造をとっている。例えばInGaAsP
はInPとGaAsの混晶である。)である。これらを
構成する原子の大きさ(各原子の原子半径はIn:1.
44Å、Ga:1.26Å、Al:1.26Å、P:
1.10Å、As:1.18Å)と酸素原子の大きさ
(原子半径は0.66Å)を考えると酸素は超格子増倍
層に入り込めないと考えられるからである。
【0019】しかも、原子レベルでの結合は水分子の浸
入を遮断することが期待される。ただし、普通のリフロ
ーベルト炉を用いての230℃でのリフロー(全工程3
分程度で230℃以上の場合は10秒程度)では暗電流
特性は変わらなかったことから、230℃で3分以上は
少なくとも放置した方がよいと考えられる。
【0020】そこで、本発明は、上記従来の課題を考慮
し、暗電流が流れにくいメサ型構造のアバランシェフォ
トダイオードを備えた半導体装置、およびその製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0021】また、従来のメサ型構造のアバランシェフ
ォトダイオードを備えた半導体装置では、メサ型構造の
頂上部に配置された導電性接着剤や半田等の導電物質が
頂上部からこぼれる可能性があるという課題があった。
【0022】そこで、本発明は、上記従来の課題を考慮
し、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードを備え
た半導体装置の、メサ型構造の頂上部に配置された導電
性接着剤や半田等の導電物質を頂上部からこぼさない半
導体装置を提供することを目的とするものである。
【0023】また、従来のメサ型構造のアバランシェフ
ォトダイオードを備えた半導体装置を、所定の電極を有
する回路基板のその電極に、半田を介して実装して実装
体を製造するさい、メサ型構造の端面に半田が接触する
という課題があった。
【0024】そこで、本発明は、上記従来の課題を考慮
し、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードを備え
た半導体装置を、所定の電極を有する回路基板のその電
極に、半田を介して実装するさい、メサ型構造の端面に
半田を実質上接触させないで実装体を製造する、実装体
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0025】また、本発明は、従来のメサ型構造のアバ
ランシェフォトダイオードを有する半導体装置と、所定
の電極を有する回路基板とを備えた実装体では、半導体
装置と回路基板との接続に半田のみが利用されていたと
いう課題を考慮し、メサ型構造のアバランシェフォトダ
イオードを有する半導体装置と、所定の電極を有する回
路基板との接続に半田が用いられていない実装体を提供
することを目的とするものである。
【0026】また、本発明は、従来のメサ型構造のアバ
ランシェフォトダイオードを有する半導体装置と、所定
の電極を有する回路基板とを備えた実装体では、接続部
間に高電界がかかるためマイグレーションが発生する可
能性が高いという課題を考慮し、マイグレーションが発
生する可能性が低い、所定の電極を有する回路基板上
に、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードが実装
された実装体を提供することを目的とするものである。
【0027】さらに、本発明は、従来のメサ型構造のア
バランシェフォトダイオードを有する半導体装置を備え
た実装体では、半導体装置が静電気・サージの影響を受
けるという課題を考慮し、静電気・サージの影響を実質
上受けない、メサ型構造のアバランシェフォトダイオー
ドを有する半導体装置を備えた実装体を提供することを
目的とするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項1
に対応)は、化合物半導体で形成された基板と、前記基
板の上に配置され、少なくとも超格子増倍層、電界緩和
層、および光吸収層を有する、メサ型構造のアバランシ
ェフォトダイオードと、前記メサ型構造の少なくとも前
記超格子増倍層の端面を覆う絶縁酸化物の保護膜とを備
えたことを特徴とする半導体装置である。
【0029】第2の本発明(請求項2に対応)は、前記
保護膜が、前記メサ型構造の実質上全端面を覆うことを
特徴とする第1の本発明に記載の半導体装置である。
【0030】このように、メサ型構造のアバランシェフ
ォトダイオードの端面(メサエッチ)に絶縁酸化物の保
護膜(パッシベーション膜)を設けることで、酸素がメ
サエッチの結晶部と結合するとともに、パッシベーショ
ン膜とも結合するため、メサエッチ部におけるダングリ
ングボンド(欠陥)を不活性化させるとともに、水分子
を遮断することもできるので、暗電流が流れにくい。し
たがって、第1または第2の本発明の半導体装置を特に
気密封止することなく、その半導体装置を用いた実装体
を作製することが可能になる。
【0031】第3の本発明(請求項3に対応)は、化合
物半導体で形成された基板と、前記基板の上に配置さ
れ、少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および光吸
収層を有する、メサ型構造のアバランシェフォトダイオ
ードと、前記メサ型構造の端面を覆う第1保護膜と、前
記第1保護膜が前記基板と物理的に接しないように、ま
た前記第1保護膜と実質上連続するように、前記基板の
上に設けられた絶縁酸化物の第2保護膜とを備えたこと
を特徴とする半導体装置である。
【0032】第4の本発明(請求項4に対応)は、化合
物半導体で形成された基板と、前記基板の上に配置さ
れ、少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および光吸
収層を有する、メサ型構造のアバランシェフォトダイオ
ードと、前記メサ型構造の少なくとも前記超格子増倍層
の端面を覆う第1保護膜と、前記第1保護膜の少なくと
も端部と、前記基板とを覆う絶縁酸化物の第2保護膜と
を備えたことを特徴とする半導体装置である。
【0033】第5の本発明(請求項5に対応)は、化合
物半導体で形成された基板と、前記基板の上に配置さ
れ、少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および光吸
収層を有する、メサ型構造のアバランシェフォトダイオ
ードと、前記メサ型構造の端面を覆う保護膜と、前記メ
サ型構造の頂上部の全部を覆うことなく、かつ前記メサ
型構造の高さを超えて前記保護膜を覆う耐熱性絶縁部材
とを備えたことを特徴とする半導体装置である。
【0034】第6の本発明(請求項6に対応)は、前記
耐熱性絶縁部材が、ポリイミドで形成された部材である
ことを特徴とする第5の本発明に記載の半導体装置であ
る。
【0035】第7の本発明(請求項7に対応)は、前記
超格子増倍層が、InGaAsP/InAlAs、In
AlGaAs/InAlAs、InGaAlAsP/I
nAlAs、InGaAs/InAlAs、およびIn
GaAs/InPのうちのいずれかであることを特徴と
する第1から第6のいずれかの本発明に記載の半導体装
置である。
【0036】第8の本発明(請求項8に対応)は、前記
電界緩和層が、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元
素のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、
As、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、P
oの少なくともいずれかの組み合わせで構成されている
ことを特徴とする第1から第7のいずれかの本発明に記
載の半導体装置である。
【0037】第9の本発明(請求項9に対応)は、前記
光吸収層が、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素
のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成されているこ
とを特徴とする第1から第8のいずれかの本発明に記載
の半導体装置である。
【0038】第10の本発明(請求項10に対応)は、
前記化合物半導体が、II族元素のZn、Cd、Hg、II
I族元素のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素の
N、P、As、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、
Te、Poの少なくともいずれかの組み合わせで構成さ
れていることを特徴とする第1から第9のいずれかの本
発明に記載の半導体装置である。
【0039】第11の本発明(請求項11に対応)は、
前記絶縁酸化物が、SiO2、Al23、TiO2、Be
O、MgO、CaO、SrO、BaO、NiO、Co
O、ZnO、B23、Bi23、ZrO2、ThO2のい
ずれかであることを特徴とする第1から第10のいずれ
かの本発明に記載の半導体装置である。
【0040】第12の本発明(請求項12に対応)は、
化合物半導体で形成された基板の上に、超格子増倍層、
電界緩和層、および光吸収層を、前記電界緩和層が前記
超格子増倍層と前記光吸収層とで挟まれるように形成す
る第1工程と、前記超格子増倍層、前記電界緩和層、お
よび前記光吸収層をメサ型にする第2工程と、少なくと
も前記超格子増倍層を形成した後に、水素ガス雰囲気中
でアニールをする第3工程とを少なくとも備えたことを
特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0041】第13の本発明(請求項13に対応)は、
前記第3工程におけるアニールを、300℃以下で30
分以上行うことを特徴とする第12の本発明に記載の半
導体装置の製造方法である。
【0042】第14の本発明(請求項14に対応)は、
化合物半導体で形成された基板の上に、超格子増倍層、
電界緩和層、および光吸収層を、前記電界緩和層が前記
超格子増倍層と前記光吸収層とで挟まれるように形成す
る第1工程と、前記超格子増倍層、前記電界緩和層、お
よび前記光吸収層をメサ型にする第2工程と、少なくと
も前記超格子増倍層の端面に絶縁酸化物の保護膜を形成
する第3工程と、前記保護膜を形成した後にアニールを
する第4工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の
製造方法である。
【0043】第15の本発明(請求項15に対応)は、
前記第4工程を、窒素ガス雰囲気中または水素ガス雰囲
気中で行うことを特徴とする第14の本発明に記載の半
導体装置の製造方法である。
【0044】第16の本発明(請求項16に対応)は、
前記第4工程におけるアニールを、230℃以上で3分
以上行うことを特徴とする第14または第15の本発明
に記載の半導体装置の製造方法である。
【0045】第17の本発明(請求項17に対応)は、
前記絶縁酸化物が、SiO2、Al23、TiO2、Be
O、MgO、CaO、SrO、BaO、NiO、Co
O、ZnO、B23、Bi23、ZrO2、ThO2のい
ずれかであることを特徴とする第12から第16のいず
れかの本発明に記載の半導体装置の製造方法である。
【0046】第18の本発明(請求項18に対応)は、
前記超格子増倍層が、InGaAsP/InAlAs、
InAlGaAs/InAlAs、InGaAlAsP
/InAlAs、InGaAs/InAlAs、および
InGaAs/InPのうちのいずれかであることを特
徴とする第12から第17のいずれかの本発明に記載の
半導体装置の製造方法である。
【0047】第19の本発明(請求項19に対応)は、
前記電界緩和層が、II族元素のZn、Cd、Hg、III
族元素のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、
P、As、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、T
e、Poの少なくともいずれかの組み合わせで構成され
ていることを特徴とする第12から第18のいずれかの
本発明に記載の半導体装置の製造方法である。
【0048】第20の本発明(請求項20に対応)は、
前記光吸収層が、II族元素のZn、Cd、Hg、III族
元素のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、
P、As、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、T
e、Poの少なくともいずれかの組み合わせで構成され
ていることを特徴とする第12から第19のいずれかの
本発明に記載の半導体装置の製造方法である。
【0049】第21の本発明(請求項21に対応)は、
前記化合物半導体が、II族元素のZn、Cd、Hg、II
I族元素のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素の
N、P、As、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、
Te、Poの少なくともいずれかの組み合わせで構成さ
れていることを特徴とする第12から第20のいずれか
の本発明に記載の半導体装置の製造方法である。
【0050】第22の本発明(請求項22に対応)は、
少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および光吸収層
を持ち、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードを
有する半導体装置を、所定の電極を有する回路基板の前
記電極に、半田を介して実装して実装体を製造する実装
体の製造方法であって、前記半導体装置と前記回路基板
の前記電極との間に、前記半田を配置し、前記半田の融
点未満の温度で、前記半導体装置と前記回路基板の前記
電極とを、前記半田を介して接合し、前記半導体装置と
前記回路基板の間隙に封止樹脂を封入して硬化し、前記
半田を、その半田の融点以上に温度を上げて溶かすこと
を特徴とする実装体の製造方法である。
【0051】第23の本発明(請求項23に対応)は、
前記半田が、Sn、Ag、Pb、Bi、Cu、Zn、S
bの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする第2
2の本発明に記載の実装体の製造方法である。
【0052】第24の本発明(請求項24に対応)は、
前記封止樹脂が、エポキシ系樹脂を主成分として含み、
無機物の粒子を有することを特徴とする第22または第
23の本発明に記載の実装体の製造方法である。
【0053】第25の本発明(請求項25に対応)は、
所定の電極を有する回路基板と、少なくとも超格子増倍
層、電界緩和層、および光吸収層を持ち、メサ型構造の
アバランシェフォトダイオードを有する半導体装置と、
前記回路基板の前記電極と前記半導体装置との少なくと
も一部を電気的に接続する導電性接着剤と、前記半導体
装置と前記回路基板の間隙に充填された封止樹脂とを備
えたことを特徴とする実装体である。
【0054】第26の本発明(請求項26に対応)は、
前記封止樹脂内の不純物イオン濃度が5ppm以下であ
ることを特徴とする第25の本発明に記載の実装体であ
る。
【0055】第27の本発明(請求項27に対応)は、
前記不純物イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、塩化物イオン、またはカルシウムイオンであること
を特徴とする第26の本発明に記載の実装体である。
【0056】第28の本発明(請求項28に対応)は、
複数の電極を有する回路基板と、少なくとも超格子増倍
層、電界緩和層、および光吸収層を持ち、メサ型構造の
アバランシェフォトダイオードを有する半導体装置複数
個と、前記回路基板の前記各電極と対応する前記各半導
体装置とを電気的に接続する接続部材複数個と、前記半
導体装置と前記回路基板の間隙に充填された封止樹脂と
を備え、隣り合う前記電極の間隔の少なくとも一部が、
前記隣り合う前記電極に対応する隣り合う前記接続部材
の間隔よりも狭いことを特徴とする実装体である。
【0057】第29の本発明(請求項29に対応)は、
前記接続部材の少なくとも一部が、導電性接着剤である
ことを特徴とする第28の本発明に記載の実装体であ
る。
【0058】第30の本発明(請求項30に対応)は、
所定の方向の、少なくとも一部に隙間を持つ電極を有す
る回路基板と、前記方向における前記隙間を橋渡しし、
前記方向において電流を実質上一方にしか流さない整流
回路と、少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および
光吸収層を持ち、メサ型構造のアバランシェフォトダイ
オードを有する半導体装置と、前記回路基板の前記電極
と前記半導体装置との少なくとも一部を電気的に接続す
る導電性接着剤と、前記半導体装置と前記回路基板の間
隙に充填された封止樹脂とを備えたことを特徴とする実
装体である。
【0059】第31の本発明(請求項31に対応)は、
前記導電性接着剤の導電性フィラーが、Ag、Pd、N
i、Au、Cu、C、またはPtであることを特徴とす
る第25から第30のいずれかのの本発明に記載の実装
体である。
【0060】第32の本発明(請求項32に対応)は、
前記封止樹脂が、エポキシ系樹脂を主成分として含み、
無機物の粒子を有することを特徴とする第25から第3
1のいずれかのの本発明に記載の実装体である。
【0061】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0062】(実施の形態1)図1は本発明の第1の実
施の形態にかかる半導体装置の概略図である。図1
(a)はその断面のP電極部を示した概略図で、化合物
半導体、例えばInP基板14の上にバッファ層、超格
子増倍層17、電界緩和層18、光吸収層19、電極1
1a、11b、11cが形成され、メサ型(台地状)構
造をしている。そして、絶縁酸化物のパッシベーション
膜16、例えばSiO2がメサエッチ(メサ構造の端
面)10に結合した構造になっている。
【0063】このアバランシェフォトダイオード(略し
てAPD)のpn接合には逆方向高電圧が印加され、こ
の高電界によって光吸収層19で生じた電子−ホール対
が加速されるとともに、格子と衝突し価電子帯電子を伝
導帯へ励起、すなわちイオン化して、新たな電子−ホー
ル対を生成する。この過程が連続的に生じることによる
キャリアの増幅が、アバランシェ増倍である。
【0064】メサ型の場合、受光部の結晶材料側面(メ
サエッチ)10が露出し、界面準位が発生するためエネ
ルギー的に不安定となっているが、図1(b)に示すよ
うに、パッシベーション膜16のSiO2の酸素原子2
がメサエッチ10におけるダングリングボンド3と結合
することでダングリングボンド3を不活性化し、エネル
ギー的に安定にすることができる。一方で、酸素原子2
はもともとSi原子と結合していることから、原子レベ
ルでメサエッチ10の界面は結合がとれることになり、
水分子の浸入がふせげ、特性面で安定するだけでなく、
信頼性も向上することになる。つまり、暗電流が流れに
くくなる。
【0065】ここで、超格子増倍層17には、InGa
AsP/InAlAs、InAlGaAs/InAlA
s、InGaAlAsP/InAlAs、InGaAs
/InAlAs、InGaAs/InPのいずれでも用
いることができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝
導帯不連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み
合わせを選んで、超格子増倍層17を形成する。このよ
うな、超格子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入
るとき、伝導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得す
るので、イオン化率をバルク結晶に比較して大きくする
ことができる。一方、ホールに対しては、価電子帯不連
続を小さく設定しておけば、イオン化率の増加は小さ
く、イオン化率差を大きくすることができる。
【0066】光吸収層19には例えばInGaAsを用
いることができる。なお、光吸収層19は、InGaA
sに限らず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素
のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成されていても
よい。
【0067】また、電界緩和層18には、InP、In
AlAs、InGaAsPなどのいずれを用いてもよ
い。なお、電界緩和層18は、上述したものに限らず、
II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、
Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、B
i、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少なくとも
いずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0068】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0069】パッシベーション膜16の絶縁酸化物には
SiO2以外にSiNO、Al23、TiO2などを用い
ることができる。要するに、パッシベーション膜16
は、酸素原子を含む絶縁酸化物であればどんなものでも
よい。なお、実施の形態1では、請求項1または2に記
載の保護膜の一例として、パッシベーション膜16を用
いた。
【0070】また、P電極の表面にはAuPtTi、A
uPtTi、AuZnNi電極を用いることができる。
N電極の表面にはAuPtTi、AuCr、AuZnN
i電極を用いることができる。ただし、オーミックがと
れる電極であればどんなものでも問題ない。N電極はA
uCr電極を介してInP基板14とオーミックコンタ
クトしており、等電位とみなしてよく、中心のP電極部
分に電界が集中することになる。
【0071】また、基板14は、InP基板14である
と限定することはない。基板14は、化合物半導体で形
成されておりさえすればよい。その化合物半導体の一例
として、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素の
B、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成された化合物
半導体が挙げられる。
【0072】また、図1(a)を用いて説明した半導体
装置では、メサ型構造の実質上全端面10が、絶縁酸化
物のパッシベーション膜16で覆われているとしたが、
超格子増倍層17の端面が少なくとも絶縁酸化物のパッ
シベーション膜16で覆われておりさえすればよい。そ
の場合であっても、パッシベーション膜16の酸素原子
が超格子増倍層17の端面におけるダングリングボンド
と結合するので、エネルギー的に安定にするとともに、
水分子の浸入がふせげ、暗電流が流れにくくなる。
【0073】(実施の形態2)図2は本発明の第2の実
施の形態にかかる半導体装置の断面のP電極部を示した
概略図である。化合物半導体、例えばInP基板14の
上にバッファ層、超格子増倍層17、電界緩和層18、
光吸収層19、電極11a、11b、11cが形成さ
れ、メサ型(台地状)構造をしている。メサエッチ(メ
サ構造の端面)10にはSiN膜12が設けられてい
る。そして、絶縁酸化物のパッシベーション膜16、例
えばSiO2が、SiN膜12がInP基板14と接し
ないように、さらに、SiN膜12と実質上連続するよ
うに、半導体装置のInP基板14に結合した構造にな
っている。
【0074】このアバランシェフォトダイオード(略し
てAPD)のpn接合には逆方向高電圧が印加され、こ
の高電界によって光吸収層19で生じた電子−ホール対
が加速されるとともに、格子と衝突し価電子帯電子を伝
導帯へ励起、すなわちイオン化して、新たな電子−ホー
ル対を生成する。この過程が連続的に生じることによる
キャリアの増幅が、アバランシェ増倍である。
【0075】従来のアバランシェフォトダイオード(略
してAPD)では、InP基板14の上にはパッシベー
ション膜としてSiNを用いることが多かった。しか
し、SiNとInPの密着力は悪く、気密封止する構造
にしないと水の素子への浸入による信頼性の低下が懸念
されていた。そこで、絶縁酸化物のパッシベーション膜
であるSiO2を用いることにより、酸素がInP基板
14と結合し、また、一方でもともと酸素原子はSi原
子と結合していることから界面において原子レベルでの
結合がとれ、水の浸入をふせぐことができる。このた
め、信頼性が向上する。つまり、暗電流が流れにくくな
る。
【0076】ここで、超格子増倍層17には、InGa
AsP/InAlAs、InAlGaAs/InAlA
s、InGaAlAsP/InAlAs、InGaAs
/InAlAs、InGaAs/InPのいずれでも用
いることができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝
導帯不連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み
合わせを選んで、超格子増倍層17を形成する。このよ
うな、超格子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入
るとき、伝導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得す
るので、イオン化率をバルク結晶に比較して大きくする
ことができる。一方、ホールに対しては、価電子帯不連
続を小さく設定しておけば、イオン化率の増加は小さ
く、イオン化率差を大きくすることができる。
【0077】光吸収層19には例えばInGaAsを用
いることができる。なお、光吸収層19は、InGaA
sに限らず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素
のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成されていても
よい。
【0078】また、電界緩和層18には、InP、In
AlAs、InGaAsPなどのいずれを用いてもよ
い。なお、電界緩和層18は、上述したものに限らず、
II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、
Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、B
i、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少なくとも
いずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0079】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0080】パッシベーション膜16の絶縁酸化物には
SiO2以外にSiNO、Al23、TiO2などを用い
ることができる。要するに、パッシベーション膜16
は、酸素原子を含む絶縁酸化物であればどんなものでも
よい。なお、実施の形態2では、請求項3に記載の、第
2保護膜の一例としてパッシベーション膜16を、第1
保護膜の一例としてメサエッチ10を覆うSiN膜12
を、それぞれ用いた。
【0081】また、P電極の表面にはAuPtTi、A
uPtTi、AuZnNi電極を用いることができる。
N電極の表面にはAuPtTi、AuCr、AuZnN
i電極を用いることができる。ただし、オーミックがと
れる電極であれば、どんなものでも問題ない。N電極は
AuCr電極を介してInP基板14とオーミックコン
タクトしており、等電位とみなしてよく、中心のP電極
部分に電界が集中することになる。
【0082】また、基板14は、InP基板14である
と限定することはない。基板14は、化合物半導体で形
成されておりさえすればよい。その化合物半導体の一例
として、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素の
B、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成された化合物
半導体が挙げられる。
【0083】(実施の形態3)図3は本発明の第3の実
施の形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するため
の図である。図3(a)はその製造方法で製造された半
導体装置の断面のP電極部を示した概略図で、化合物半
導体、例えばInP基板14の上にバッファ層、超格子
増倍層17、電界緩和層18、光吸収層19、電極11
a、11b、11cが形成され、メサ型(台地状)構造
をしている。そして、絶縁酸化物のパッシベーション膜
16、例えばSiO2がメサエッチ(メサ構造の端面)
10に結合した構造になっている。
【0084】次に、図3(a)に示した半導体装置の製
造方法を説明する。
【0085】先ず、InP基板14の上に、バッファ
層、超格子増倍層17、電界緩和層18、および光吸収
層19を形成する。そして、バッファ層、超格子増倍層
17、電界緩和層18、および光吸収層19をメサ型に
する。その後、水素ガス雰囲気中でアニール(水素アニ
ール)をする。そして、メサエッチ(メサ構造の端面)
10に、SiO2膜16を設け、さらにポリイミド膜1
3および電極11a、11b、11cを形成して図3
(a)に示した半導体装置を製造する。
【0086】図3(a)の半導体装置のアバランシェフ
ォトダイオード(略してAPD)のpn接合には逆方向
高電圧が印加され、この高電界によって光吸収層19で
生じた電子−ホール対が加速されるとともに、格子と衝
突し価電子帯電子を伝導帯へ励起、すなわちイオン化し
て、新たな電子−ホール対を生成する。この過程が連続
的に生じることによるキャリアの増幅が、アバランシェ
増倍である。
【0087】ここで、超格子増倍層17には、InGa
AsP/InAlAs、InAlGaAs/InAlA
s、InGaAlAsP/InAlAs、InGaAs
/InAlAs、InGaAs/InPのいずれでも用
いることができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝
導帯不連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み
合わせを選んで、超格子増倍層17を形成する。このよ
うな、超格子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入
るとき、伝導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得す
るので、イオン化率をバルク結晶に比較して大きくする
ことができる。一方、ホールに対しては、価電子帯不連
続を小さく設定しておけば、イオン化率の増加は小さ
く、イオン化率差を大きくすることができる。
【0088】このように、超格子増倍層17において
は、図3(b)に示すように、異種の結晶を結合させる
ことになるので、結晶の不整合が起こり、ダングリング
ボンド(欠陥)はどうしても生じてしまう。しかし、こ
のダングリングボンドを不活性化させるのに酸素を介し
た場合は特性が劣化してしまうことが懸念される。
【0089】そこで、このダングリングボンドを不活性
化させるのに、前述した実験結果と、表1、2から水素
原子7単独で終端させることが有効であると考えられ
る。ここで、窒素アニールは表2からも全く効果がない
(界面に存在しない場合)ことがわかり、水素アニール
の場合も温度条件に依存している。表1の結果からも超
格子を形成したあと、アニール炉のなかで水素アニール
を少なくとも250℃以上300℃以下で30分以上ア
ニールすることが有効である。これにより、結晶中のダ
ングリングボンド(欠陥)が不活性化され、エネルギー
的に安定になることから特性が安定する。なお、表1は
水素アニールによる暗電流特性に関する実験結果を示
し、表2は窒素アニールによる暗電流特性に関する実験
結果を示している。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】 なお、光吸収層19には例えばInGaAsを用いるこ
とができる。しかしながら光吸収層19は、InGaA
sに限らず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素
のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成されていても
よい。
【0092】また、電界緩和層18には、InP、In
AlAs、InGaAsPなどのいずれを用いてもよ
い。なお、電界緩和層18は、上述したものに限らず、
II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、
Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、B
i、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少なくとも
いずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0093】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0094】パッシベーション膜16の絶縁酸化物には
SiO2以外にSiNO、Al23、TiO2などを用い
ることができる。なお、パッシベーション膜16は、酸
素原子を含む絶縁酸化物に限定することはなく、例えば
SiN膜でもかまわない。
【0095】また、P電極の表面にはAuPtTi、A
uPtTi、AuZnNi電極を用いることができる。
N電極の表面にはAuPtTi、AuCr、AuZnN
i電極を用いることができる。ただし、オーミックがと
れる電極であれば、どんなものでも問題ない。N電極は
AuCr電極を介してInP基板14とオーミックコン
タクトしており、等電位とみなしてよく、中心のP電極
部分に電界が集中することになる。
【0096】また、基板14は、InP基板14である
と限定することはない。基板14は、化合物半導体で形
成されておりさえすればよい。その化合物半導体の一例
として、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素の
B、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成された化合物
半導体が挙げられる。
【0097】また、上述した実施の形態3では、バッフ
ァ層、超格子増倍層17、電界緩和層18、および光吸
収層19をメサ型にした後、それを水素ガス雰囲気中で
アニールするとしたが、水素ガス雰囲気中でのアニール
は、超格子増倍層17を形成した後であれば、どの段階
で行ってもよい。
【0098】(実施の形態4)図4は本発明の第4の実
施の形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するため
の図である。図4(a)はその製造方法で製造された半
導体装置の断面のP電極部を示した概略図で、化合物半
導体、例えばInP基板14の上にバッファ層、超格子
増倍層17、電界緩和層18、光吸収層19、電極11
a、11b、11cが形成され、メサ型(台地状)構造
をしている。そして、絶縁酸化物のパッシベーション膜
16、例えばSiO2がメサエッチ(メサ構造の端面)
10に結合した構造になっている。
【0099】次に、図4(a)に示した半導体装置の製
造方法を説明する。
【0100】先ず、InP基板14の上に、バッファ
層、超格子増倍層17、電界緩和層18、および光吸収
層19を形成する。そして、バッファ層、超格子増倍層
17、電界緩和層18、および光吸収層19をメサ型に
する。その後、メサエッチ(メサ構造の端面)10に、
SiO2膜16を設け、そして、水素ガス雰囲気中でア
ニール(水素アニール)または窒素ガス雰囲気中でアニ
ール(窒素アニール)をする。さらにポリイミド膜13
および電極11a、11b、11cを形成して図3
(a)に示した半導体装置を製造する。
【0101】図4(a)の半導体装置のアバランシェフ
ォトダイオード(略してAPD)のpn接合には逆方向
高電圧が印加され、この高電界によって光吸収層19で
生じた電子−ホール対が加速されるとともに、格子と衝
突し価電子帯電子を伝導帯へ励起、すなわちイオン化し
て、新たな電子−ホール対を生成する。この過程が連続
的に生じることによるキャリアの増幅が、アバランシェ
増倍である。
【0102】メサ型の場合、受光部の結晶材料側面10
が露出し、界面準位が発生するためエネルギー的に不安
定となっているが、図4(b)に示すように、SiO2
膜16の酸素原子2がメサエッチ10におけるダングリ
ングボンド3と結合することで、ダングリングボンド3
を不活性化し、エネルギー的に安定となることができ
る。一方で、酸素原子2はもともとSi原子と結合して
いることから、原子レベルでメサエッチ10の界面は結
合がとれることになり、水分子の浸入がふせげ、特性面
で安定するだけでなく、信頼性も向上することになる。
【0103】このとき、SiO2膜16の形成の過程
で、SiO2とメサエッチ10との界面の結合を強め、
ダングリングボンド3の濃度を安定化させるために、ア
ニール工程を入れることが重要となる。そこで、SiO
2をつけた直後から最終的にアバランシェフォトダイオ
ードの作製プロセスが終了するまでの間に少なくともア
ニール工程を入れる。そのアニールとして、窒素アニー
ルか水素アニールのどちらかのプロセスを入れることが
有効である。
【0104】ただし、酸素原子2がメサエッチ10にお
けるダングリングボンド3と結合する効果を高めるため
に熱エネルギーを与えることが主目的であるので、アニ
ールは、窒素アニールまたは水素アニールに限定するこ
とはない。ただし、水素アニールを行う場合は、水素原
子がダングリングボンドを不活性化する効果も得られる
ことが考えられる。前述の実験結果と表3の結果から、
230℃で3分程度の熱エネルギーが与えられれば酸素
原子2がダングリングボンド3を不活性化し、特性が改
善する効果が得られることがわかる。従って、アニール
は、少なくとも230℃、3分以上行うことが必要であ
る。ただし、アニールは230℃で1時間程度行えば充
分な効果が期待できる。なお、表3は酸化アニールによ
る暗電流特性に関する実験結果を示している。
【0105】
【表3】 ここで、超格子増倍層17には、InGaAsP/In
AlAs、InAlGaAs/InAlAs、InGa
AlAsP/InAlAs、InGaAs/InAlA
s、InGaAs/InPのいずれでも用いることがで
きる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝導帯不連続
が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み合わせを選
んで、超格子増倍層17を形成する。このような、超格
子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入るとき、伝
導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得するので、イ
オン化率をバルク結晶に比較して大きくすることができ
る。一方、ホールに対しては、価電子帯不連続を小さく
設定しておけば、イオン化率の増加は小さく、イオン化
率差を大きくすることができる。
【0106】光吸収層19には例えばInGaAsを用
いることができる。なお、光吸収層19は、InGaA
sに限らず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素
のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成されていても
よい。
【0107】また、電界緩和層18には、InP、In
AlAs、InGaAsPなどのいずれを用いてもよ
い。なお、電界緩和層18は、上述したものに限らず、
II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、
Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、B
i、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少なくとも
いずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0108】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0109】パッシベーション膜16の絶縁酸化物には
SiO2以外にSiNO、Al23、TiO2などを用い
ることができる。要するに、パッシベーション膜16
は、酸素原子を含む絶縁酸化物であればどんなものでも
よい。なお、実施の形態4では、請求項14に記載の2
保護膜の一例としてパッシベーション膜16を用いた。
【0110】また、P電極の表面にはAuPtTi、A
uPtTi、AuZnNi電極を用いることができる。
N電極の表面にはAuPtTi、AuCr、AuZnN
i電極を用いることができる。ただし、オーミックがと
れる電極であれば、どんなものでも問題ない。N電極は
AuCr電極を介してInP基板14とオーミックコン
タクトしており、等電位とみなしてよく、中心のP電極
部分に電界が集中することになる。
【0111】また、基板14は、InP基板14である
と限定することはない。基板14は、化合物半導体で形
成されておりさえすればよい。その化合物半導体の一例
として、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素の
B、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成された化合物
半導体が挙げられる。
【0112】また、上述した実施の形態4では、図4
(a)の半導体装置を製造するさい、メサ型構造の実質
上全端面10を絶縁酸化物のパッシベーション膜16で
覆うとしたが、超格子増倍層17の端面を少なくとも絶
縁酸化物のパッシベーション膜16で覆いさえすればよ
い。その場合であっても、パッシベーション膜16の酸
素原子が超格子増倍層17の端面におけるダングリング
ボンド3と結合するので、エネルギー的に安定にすると
ともに、水分子の浸入がふせげ、暗電流が流れにくくな
る。
【0113】(実施の形態5)図5は本発明の第5の実
施の形態にかかる半導体装置の断面のP電極部を示した
概略図である。化合物半導体、例えばInP基板14の
上にバッファ層、超格子増倍層17、電界緩和層18、
光吸収層19、電極11a、11b、11cが形成さ
れ、メサ型(台地状)構造をしている。そして、メサエ
ッチ(メサ構造の端面)10には第1パッシベーション
膜12が設けられており、その第1パッシベーション膜
12の外側にはポリイミド13が設けられ、そのポリイ
ミド13の外側に第2パッシベーション膜16が設けら
れている。第1パッシベーション膜12と第2パッシベ
ーション膜16はInPの半導体基板14と接合してお
り、第2パッシベーション膜16が第1パッシベーショ
ン膜12をおおいながら半導体装置の端にのびており、
端面の手前で閉じている構造をしている。このとき、第
2パッシベーション膜16としてSiO2膜を用いるこ
とができる。第1パッシベーション膜12はSiO
2膜、SiN膜のいずれも用いることができる。
【0114】一方で、図12には、パッシベーション膜
12が2層とも半導体装置の端面に露出した従来構造を
示してある。この場合は、半導体装置の端面から水がよ
り浸入しやすいことが懸念され、信頼性が問題となる。
従って図5のような構造にすることにより、水がパッシ
ベーション膜とInPの基板14の界面に浸入しににく
くなり、信頼性の高い構造を得ることができる。つま
り、暗電流が流れにくくなる。
【0115】ところで、このアバランシェフォトダイオ
ード(略してAPD)のpn接合には逆方向高電圧が印
加され、この高電界によって光吸収層19で生じた電子
−ホール対が加速されるとともに、格子と衝突し価電子
帯電子を伝導帯へ励起、すなわちイオン化して、新たな
電子−ホール対を生成する。この過程が連続的に生じる
ことによるキャリアの増幅が、アバランシェ増倍であ
る。
【0116】ここで、超格子増倍層17には、InGa
AsP/InAlAs、InAlGaAs/InAlA
s、InGaAlAsP/InAlAs、InGaAs
/InAlAs、InGaAs/InPのいずれでも用
いることができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝
導帯不連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み
合わせを選んで、超格子増倍層17を形成する。このよ
うな、超格子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入
るとき、伝導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得す
るので、イオン化率をバルク結晶に比較して大きくする
ことができる。一方、ホールに対しては、価電子帯不連
続を小さく設定しておけば、イオン化率の増加は小さ
く、イオン化率差を大きくすることができる。
【0117】光吸収層19には例えばInGaAsを用
いることができる。なお、光吸収層19は、InGaA
sに限らず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素
のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成されていても
よい。
【0118】また、電界緩和層18には、InP、In
AlAs、InGaAsPなどのいずれを用いてもよ
い。なお、電界緩和層18は、上述したものに限らず、
II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、
Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、B
i、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少なくとも
いずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0119】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0120】また、上述した実施の形態5では、第2パ
ッシベーション膜16としてSiO 2膜を用いることが
できるとしたが、第2パッシベーション膜16として
は、SiO2以外にSiNO、Al23、TiO2、Be
O、MgO、CaO、SrO、BaO、NiO、Co
O、ZnO、B23、Bi23、ZrO2、ThO2など
を用いることができる。要するに、第2パッシベーショ
ン膜16は、酸素原子を含む絶縁酸化物であればどんな
ものでもよい。なお、実施の形態5では、請求項4に記
載の、第2保護膜の一例として第2パッシベーション膜
16を、第1保護膜の一例としてメサエッチ10を覆う
第1パッシベーション膜12を、それぞれ用いた。ま
た、第1パッシベーション膜12は、少なくとも超格子
増倍層17を覆いさえすればよく、第2パッシベーショ
ン膜16は、第1パッシベーション膜12と基板とを覆
うものでありさえすればよい。
【0121】また、P電極の表面にはAuPtTi、A
uPtTi、AuZnNi電極を用いることができる。
N電極の表面にはAuPtTi、AuCr、AuZnN
i電極を用いることができる。ただし、オーミックがと
れる電極であればどんなものでも問題ない。N電極はA
uCr電極を介してInP基板14とオーミックコンタ
クトしており、等電位とみなしてよく、中心のP電極部
分に電界が集中することになる。
【0122】また、基板14は、InP基板14である
と限定することはない。基板14は、化合物半導体で形
成されておりさえすればよい。その化合物半導体の一例
として、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素の
B、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成された化合物
半導体が挙げられる。
【0123】以上実施の形態1から5において述べたよ
うに、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードを備
えた半導体装置を気密封止することなくパッケージを作
製することが可能になる。これは、従来確立されていな
かったことである。これにより、飛躍的な低コスト化が
実現できる。また、メサ型のアバランシェフォトダイオ
ードでは課題とされてきた受光部の結晶材料側面(メサ
エッチ)部の界面準位の制御ができることから特性を安
定化させることができる。さらに、同時に結晶部への水
の浸入が防げることから信頼性も向上させることができ
る。
【0124】(実施の形態6)図6は本発明の第6の実
施の形態にかかる半導体装置の断面のP電極部を示した
概略図である。化合物半導体、例えばInP基板14の
上にバッファ層、超格子増倍層17、電界緩和層18、
光吸収層19、電極11a、11b、11cが形成さ
れ、メサ型(台地状)構造をしている。そして、2層の
パッシベーション膜12および16がInPの半導体基
板14と接合している。1層のパッシベーション膜12
がメサエッチ10とInPの半導体基板14と接合して
おり、もう1層のパッシベーション膜16はそれに接合
して覆いながら半導体装置の端にのびており、端面の手
前で閉じている構造をしている。そして、外側のパッシ
ベーション膜16上に、ポリイミド膜13が形成された
構造になっている。
【0125】ここで、ポリイミド膜13が電極11aの
高さより上に盛り上がっていることを特徴とする。これ
により、導電物質、例えば導電性接着剤や半田で実装さ
れたときに、それが電極11aからこぼれることを防ぐ
ことができる。このため、もしポリイミド膜13がない
場合、メサ構造の中の超格子増倍層17、電界緩和層1
8、光吸収層19には高電界がかかるため、こぼれた導
電物質との間で浮遊容量が発生したり、また、基板14
のInPがN電極と等電位となるため、基板14と導電
物質との間で浮遊容量が発生したりする。従って、ポリ
イミド膜13を電極11aより高くしてつけることで、
浮遊容量を防ぐことができ、特性の劣化を抑制すること
ができる。
【0126】ところで、このアバランシェフォトダイオ
ード(略してAPD)のpn接合には逆方向高電圧が印
加され、この高電界によって光吸収層19で生じた電子
−ホール対が加速されるとともに、格子と衝突し価電子
帯電子を伝導帯へ励起、すなわちイオン化して、新たな
電子−ホール対を生成する。この過程が連続的に生じる
ことによるキャリアの増幅が、アバランシェ増倍であ
る。
【0127】ここで、超格子増倍層17には、InGa
AsP/InAlAs、InAlGaAs/InAlA
s、InGaAlAsP/InAlAs、InGaAs
/InAlAs、InGaAs/InPのいずれでも用
いることができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝
導帯不連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み
合わせを選んで、超格子増倍層17を形成する。このよ
うな、超格子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入
るとき、伝導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得す
るので、イオン化率をバルク結晶に比較して大きくする
ことができる。一方、ホールに対しては、価電子帯不連
続を小さく設定しておけば、イオン化率の増加は小さ
く、イオン化率差を大きくすることができる。
【0128】光吸収層19には例えばInGaAsを用
いることができる。なお、光吸収層19は、InGaA
sに限らず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素
のB、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成されていても
よい。
【0129】また、電界緩和層18には、InP、In
AlAs、InGaAsPなどのいずれを用いてもよ
い。なお、電界緩和層18は、上述したものに限らず、
II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、
Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、B
i、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少なくとも
いずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0130】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0131】パッシベーション膜16としてSiO2
を用いることができるがそれに限定するものではなく、
SiO2以外にSiNO、Al23、TiO2などを用い
ることができる。なお、実施の形態6では、請求項5に
記載の保護膜の一例として、パッシベーション膜12お
よび16を用いた。しかしながら、パッシベーション膜
は、2層設けるものと限定するものではない。パッシベ
ーション膜12またはパッシベーション膜16の一方を
用いてもよい。
【0132】また、P電極の表面にはAuPtTi、A
uPtTi、AuZnNi電極を用いることができる。
N電極の表面にはAuPtTi、AuCr、AuZnN
i電極を用いることができる。ただし、オーミックがと
れる電極であればどんなものでも問題ない。N電極はA
uCr電極を介してInP基板14とオーミックコンタ
クトしており、等電位とみなしてよく、中心のP電極部
分に電界が集中することになる。
【0133】また、基板14は、InP基板14である
と限定することはない。基板14は、化合物半導体で形
成されておりさえすればよい。その化合物半導体の一例
として、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素の
B、Al、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、A
s、Sb、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Po
の少なくともいずれかの組み合わせで構成された化合物
半導体が挙げられる。
【0134】また、上述した実施の形態6では、請求項
5に記載の耐熱性絶縁部材の一例としてポリイミド膜1
3を用いたが、耐熱性絶縁部材はポリイミド膜13に限
定するものではない。例えば、耐熱性に優れた絶縁樹脂
であるシリコーン系樹脂やポリテトラフルオロエチレン
(テフロン)、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル樹脂、
メラミン・ホルムアルデヒド樹脂なども用いることがで
きる。また、耐熱性に優れるSiO2やSiNなども用
いることができる。ただし、これは無機絶縁物であれば
何でも用いることができる。
【0135】(実施の形態7)図7(a)は本発明の第
7の実施の形態にかかる実装体の製造方法を説明するた
めの図である。半導体装置21は、半導体基板の上にバ
ッファ層、超格子増倍層、電界緩和層、光吸収層、電極
が形成され、メサ型(台地状)構造をしている。そし
て、パッシベーション膜、ポリイミド膜が形成された構
造になっている。この半導体装置21を、半田23を介
して回路基板22の端子電極上に実装する。半田23
は、例えばあらかじめ回路基板22の入出力端子電極上
に形成されていてもよい。
【0136】このとき図7(a)に示すように、まず半
田23の溶ける温度(融点)未満で半導体装置21の端
子電極と回路基板22の端子電極を接合し、界面の原子
の拡散により接合し導通を得る。この後、封止樹脂24
を半導体装置21と回路基板22の間隙に封入し、封止
樹脂24を硬化する。この後、この実装体を半田23の
融点以上に温度をあげて半田23を融かすことにより接
続を強固にする。
【0137】このような製造方法にすることにより、半
田23がとけることにより位置ずれや半導体装置21の
電極からのこぼれをふせぐことができ、特に高周波特性
などを劣化させることなく特性を確保することができ
る。
【0138】一方、図7(b)に示すように、接続する
とき、最初に半田23の溶ける温度(融点)以上に温度
を上げてしまうと、溶けた半田23が電極より濡れ広が
った状態でかたまってしまう。これより、メサ構造の中
の超格子増倍層、電界緩和層、光吸収層には高電界がか
かるため、こぼれた半田23との間で浮遊容量が発生し
たり、また、半導体装置21の基板のInPがN電極と
等電位となるため、基板のInPと半田23との間で浮
遊容量が発生したりする。
【0139】このアバランシェフォトダイオード(略し
てAPD)のpn接合には逆方向高電圧が印加され、こ
の高電界によって光吸収層で生じた電子−ホール対が加
速されるとともに、格子と衝突し価電子帯電子を伝導帯
へ励起、すなわちイオン化して、新たな電子−ホール対
を生成する。この過程が連続的に生じることによるキャ
リアの増幅が、アバランシェ増倍である。
【0140】ここで、超格子増倍層にはInGaAsP
/InAlAs、InAlGaAs/InAlAs、I
nGaAlAsP/InAlAs、InGaAs/In
AlAs、InGaAs/InPのいずれでも用いるこ
とができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝導帯不
連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み合わせ
を選んで、超格子増倍層を形成する。このような、超格
子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入るとき、伝
導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得するので、イ
オン化率をバルク結晶に比較して大きくすることができ
る。一方、ホールに対しては、価電子帯不連続を小さく
設定しておけば、イオン化率の増加は小さく、イオン化
率差を大きくすることができる。
【0141】光吸収層には例えばInGaAsを用いる
ことができる。なお、光吸収層は、InGaAsに限ら
ず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、A
l、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、S
b、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少な
くともいずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0142】また、電界緩和層には、InP、InAl
As、InGaAsPなどのいずれを用いてもよい。な
お、電界緩和層は、上述したものに限らず、II族元素の
Zn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、Ga、I
n、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族
元素のO、S、Se、Te、Poの少なくともいずれか
の組み合わせで構成されていてもよい。
【0143】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0144】パッシベーション膜としてSiO2膜を用
いることができるがそれに限定するものではなく、Si
2以外にSiNO、Al23、TiO2、BeO、Mg
O、CaO、SrO、BaO、NiO、CoO、Zn
O、B23、Bi23、ZrO 2、ThO2などを用いる
ことができる。
【0145】また、半導体装置21のP電極の表面には
AuPtTi、AuPtTi、AuZnNi電極を用い
ることができる。N電極の表面にはAuPtTi、Au
Cr、AuZnNi電極を用いることができる。ただ
し、オーミックがとれる電極であればどんなものでも問
題ない。N電極はAuCr電極を介してInP基板とオ
ーミックコンタクトしており、等電位とみなしてよく、
中心のP電極部分に電界が集中することになる。
【0146】また、上述した実施の形態7における半田
23として、Sn、Ag、Pb、Bi、Cu、Zn、S
bの少なくとも1つが含まれているものを用いることが
できる。
【0147】さらに、上述した実施の形態7における封
止樹脂24として、エポキシ系樹脂を主成分として含
み、無機物の粒子を有する樹脂を用いることができる。
【0148】(実施の形態8)図8は本発明の第8の実
施の形態にかかる実装体の概略図である。半導体装置2
1は、半導体基板の上にバッファ層、超格子増倍層、電
界緩和層、光吸収層、電極が形成され、メサ型(台地
状)構造をしている。そして、パッシベーション膜、ポ
リイミド膜が形成された構造になっている。この半導体
装置21が接合層25を介して回路基板22の端子電極
上に実装される。この後、封止樹脂24が半導体装置2
1と回路基板22の間隙に封入され硬化される。接合層
25には少なくとも導電性接着剤が含まれている。導電
性接着剤のフィラーにはAg、Pd、Ni、Cu、A
u、C、Ptあるいはこれらを組み合わせたものなど導
電性を有するものならいずれでも用いることができる。
【0149】ところで、アバランシェフォトダイオード
は逆バイアス電圧が大きい(20〜30V程度)ため
に、導電性接着剤の使用でマイグレーションの発生が懸
念される。そこで、封止樹脂24中に含まれる不純物イ
オン濃度、例えばカリウムイオン、ナトリウムイオン、
塩化物イオン、カルシウムイオンの濃度を5ppm以下
に抑えることにより、高電界がかかっても、接続部間の
封止樹脂24の絶縁性をより高めているためにマイグレ
ーションの発生を抑制することができる。
【0150】不純物イオンが6ppm以上あると封止樹
脂の絶縁性が損なわれたり、突起電極をワイヤボンディ
ング法を用いて半導体装置の端子電極上(Alが主成
分)に形成した場合では、端子電極が突起電極に完全に
覆われることはないので、高温高湿試験(110℃、8
5%RH)やHAST(110℃、85%RH、DC
5.5V)などで端子電極のAlが腐食をひきおこし、
接合不良をひきおこした。
【0151】そこで、不純物イオン、少なくともナトリ
ウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、カルシウ
ムイオンの濃度を5ppm以下にすることで、端子電極
間の距離が20μmで樹脂基板にワイヤボンディング法
を用いて形成された突起電極と導電性接着剤を接合層と
して実装した場合で、HAST(110℃、85%R
H、DC5.5V)に投入したところ、端子電極間の絶
縁抵抗が500時間経過後でも1E10Ω以上確保して
いることを確認した。また接合不良も発生していない。
同様に高温高湿試験(110℃、85%RH)に投入し
た場合でも1000時間経過後で接合不良が発生せず接
続抵抗も安定していることを確認した。また、不純物イ
オンを5ppm以下にすることで、封止樹脂の絶縁性が
高まり導電性接着剤(Agフィラー含有)を用いた場合
でもマイグレーションは発生しなかった。
【0152】このアバランシェフォトダイオード(略し
てAPD)のpn接合には逆方向高電圧が印加され、こ
の高電界によって光吸収層で生じた電子−ホール対が加
速されるとともに、格子と衝突し価電子帯電子を伝導帯
へ励起、すなわちイオン化して、新たな電子−ホール対
を生成する。この過程が連続的に生じることによるキャ
リアの増幅が、アバランシェ増倍である。
【0153】ここで、超格子増倍層にはInGaAsP
/InAlAs、InAlGaAs/InAlAs、I
nGaAlAsP/InAlAs、InGaAs/In
AlAs、InGaAs/InPのいずれでも用いるこ
とができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝導帯不
連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み合わせ
を選んで、超格子増倍層を形成する。このような、超格
子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入るとき、伝
導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得するので、イ
オン化率をバルク結晶に比較して大きくすることができ
る。一方、ホールに対しては、価電子帯不連続を小さく
設定しておけば、イオン化率の増加は小さく、イオン化
率差を大きくすることができる。
【0154】光吸収層には例えばInGaAsを用いる
ことができる。なお、光吸収層は、InGaAsに限ら
ず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、A
l、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、S
b、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少な
くともいずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0155】また、電界緩和層には、InP、InAl
As、InGaAsPなどのいずれを用いてもよい。な
お、電界緩和層は、上述したものに限らず、II族元素の
Zn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、Ga、I
n、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族
元素のO、S、Se、Te、Poの少なくともいずれか
の組み合わせで構成されていてもよい。
【0156】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0157】パッシベーション膜としてSiO2膜を用
いることができるがそれに限定するものではなく、Si
2以外にSiNO、Al23、TiO2、BeO、Mg
O、CaO、SrO、BaO、NiO、CoO、Zn
O、B23、Bi23、ZrO 2、ThO2などを用いる
ことができる。
【0158】また、半導体装置21のP電極の表面には
AuPtTi、AuPtTi、AuZnNi電極を用い
ることができる。N電極の表面にはAuPtTi、Au
Cr、AuZnNi電極を用いることができる。ただ
し、オーミックがとれる電極であればどんなものでも問
題ない。N電極はAuCr電極を介してInP基板とオ
ーミックコンタクトしており、等電位とみなしてよく、
中心のP電極部分に電界が集中することになる。
【0159】また、上述した実施の形態8では、請求項
25の導電性接着剤の一例として接合層25を用いた。
【0160】さらに、上述した実施の形態8における封
止樹脂24として、エポキシ系樹脂を主成分として含
み、無機物の粒子を有する樹脂を用いることができる。
【0161】(実施の形態9)図9は本発明の第9の実
施の形態にかかる実装体の概略図である。半導体装置2
1は、半導体基板の上にバッファ層、超格子増倍層、電
界緩和層、光吸収層、電極が形成され、メサ型(台地
状)構造をしている。そして、パッシベーション膜、ポ
リイミド膜が形成された構造になっている。この半導体
装置21が接合層25を介して回路基板22の端子電極
上に実装される。接合層25には少なくとも導電性接着
剤が含まれている。導電性接着剤のフィラーにはAg、
Pd、Ni、Cu、Au、C、Ptあるいはこれらを組
み合わせたものなど導電性を有するものならいずれでも
用いることができる。この後、封止樹脂24が半導体装
置21と回路基板22の間隙に封入され硬化される。
【0162】ところで、アバランシェフォトダイオード
は逆バイアス電圧が大きい(20〜30V程度)ため
に、導電性接着剤の使用でマイグレーションの発生が懸
念される。そこで、表面のP電極とN電極との接続部の
距離よりも短く、回路基板の配線電極において電界がよ
り大きく生じるところを作製してやることにより、基板
の配線電極間の方が、接続部間よりも近いために、マイ
グレーションがよりおきにくくなり信頼性の寿命がのび
ることが期待できる。図では接続部間の最近接距離をL
1、基板の配線電極の最近接距離をL2とするとL2<
L1となっていればよい。
【0163】このアバランシェフォトダイオード(略し
てAPD)のpn接合には逆方向高電圧が印加され、こ
の高電界によって光吸収層で生じた電子−ホール対が加
速されるとともに、格子と衝突し価電子帯電子を伝導帯
へ励起、すなわちイオン化して、新たな電子−ホール対
を生成する。この過程が連続的に生じることによるキャ
リアの増幅が、アバランシェ増倍である。
【0164】ここで、超格子増倍層にはInGaAsP
/InAlAs、InAlGaAs/InAlAs、I
nGaAlAsP/InAlAs、InGaAs/In
AlAs、InGaAs/InPのいずれでも用いるこ
とができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝導帯不
連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み合わせ
を選んで、超格子増倍層を形成する。このような、超格
子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入るとき、伝
導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得するので、イ
オン化率をバルク結晶に比較して大きくすることができ
る。一方、ホールに対しては、価電子帯不連続を小さく
設定しておけば、イオン化率の増加は小さく、イオン化
率差を大きくすることができる。
【0165】光吸収層には例えばInGaAsを用いる
ことができる。なお、光吸収層は、InGaAsに限ら
ず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、A
l、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、S
b、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少な
くともいずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0166】また、電界緩和層には、InP、InAl
As、InGaAsPなどのいずれを用いてもよい。な
お、電界緩和層は、上述したものに限らず、II族元素の
Zn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、Ga、I
n、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族
元素のO、S、Se、Te、Poの少なくともいずれか
の組み合わせで構成されていてもよい。
【0167】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0168】パッシベーション膜としてSiO2膜を用
いることができるがそれに限定するものではなく、Si
2以外にSiNO、Al23、TiO2、BeO、Mg
O、CaO、SrO、BaO、NiO、CoO、Zn
O、B23、Bi23、ZrO 2、ThO2などを用いる
ことができる。
【0169】また、半導体装置21のP電極の表面には
AuPtTi、AuPtTi、AuZnNi電極を用い
ることができる。N電極の表面にはAuPtTi、Au
Cr、AuZnNi電極を用いることができる。ただ
し、オーミックがとれる電極であればどんなものでも問
題ない。N電極はAuCr電極を介してInP基板とオ
ーミックコンタクトしており、等電位とみなしてよく、
中心のP電極部分に電界が集中することになる。
【0170】また、上述した実施の形態9では、請求項
28の接続部材の一例として接合層25を用いた。
【0171】さらに、上述した実施の形態9における封
止樹脂24として、エポキシ系樹脂を主成分として含
み、無機物の粒子を有する樹脂を用いることができる。
【0172】(実施の形態10)図10は本発明の第1
0の実施の形態にかかる実装体の概略図である。半導体
装置21は、半導体基板の上にバッファ層、超格子増倍
層、電界緩和層、光吸収層、電極が形成され、メサ型
(台地状)構造をしている。そして、パッシベーション
膜、ポリイミド膜が形成された構造になっている。この
半導体装置21中には、サージ防止用の保護回路が入っ
ていない。
【0173】本実施の形態では回路基板22の回路中に
保護回路27を入れている。これにより、半導体装置2
1を静電気・サージから保護することが可能となる。保
護回路27には例えばダイオードやトランジスタなど、
本来流れるべき方向に電流を流せるような回路であれ
ば、どんなものでも用いることができる。なお、実施の
形態10では、請求項30に記載の整流回路の一例とし
て保護回路27を用いた。
【0174】APDのpn接合には逆方向高電圧が印加
され、この高電界によって光吸収層で生じた電子−ホー
ル対が加速されるとともに、格子と衝突し価電子帯電子
を伝導帯へ励起、すなわちイオン化して、新たな電子−
ホール対を生成する。この過程が連続的に生じることに
よるキャリアの増幅が、アバランシェ増倍である。
【0175】ここで、超格子増倍層にはInGaAsP
/InAlAs、InAlGaAs/InAlAs、I
nGaAlAsP/InAlAs、InGaAs/In
AlAs、InGaAs/InPのいずれでも用いるこ
とができる。すなわち、障壁層と井戸層の間の伝導帯不
連続が、価電子帯の不連続より大きい材料の組み合わせ
を選んで、超格子増倍層を形成する。このような、超格
子中を走行する電子が障壁層から井戸層に入るとき、伝
導帯の不連続分だけ運動エネルギーを獲得するので、イ
オン化率をバルク結晶に比較して大きくすることができ
る。一方、ホールに対しては、価電子帯不連続を小さく
設定しておけば、イオン化率の増加は小さく、イオン化
率差を大きくすることができる。
【0176】光吸収層には例えばInGaAsを用いる
ことができる。なお、光吸収層は、InGaAsに限ら
ず、II族元素のZn、Cd、Hg、III族元素のB、A
l、Ga、In、Tl、V族元素のN、P、As、S
b、Bi、VI族元素のO、S、Se、Te、Poの少な
くともいずれかの組み合わせで構成されていてもよい。
【0177】また、電界緩和層には、InP、InAl
As、InGaAsPなどのいずれを用いてもよい。な
お、電界緩和層は、上述したものに限らず、II族元素の
Zn、Cd、Hg、III族元素のB、Al、Ga、I
n、Tl、V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族
元素のO、S、Se、Te、Poの少なくともいずれか
の組み合わせで構成されていてもよい。
【0178】バッファ層には例えばInPを用いること
ができる。
【0179】パッシベーション膜としてSiO2膜を用
いることができるがそれに限定するものではなく、Si
2以外にSiNO、Al23、TiO2、BeO、Mg
O、CaO、SrO、BaO、NiO、CoO、Zn
O、B23、Bi23、ZrO 2、ThO2などを用いる
ことができる。
【0180】また、半導体装置21のP電極の表面には
AuPtTi、AuPtTi、AuZnNi電極を用い
ることができる。N電極の表面にはAuPtTi、Au
Cr、AuZnNi電極を用いることができる。ただ
し、オーミックがとれる電極であればどんなものでも問
題ない。N電極はAuCr電極を介してInP基板とオ
ーミックコンタクトしており、等電位とみなしてよく、
中心のP電極部分に電界が集中することになる。
【0181】また、上述した実施の形態10では、請求
項30の導電性接着剤の一例として図10の接合層25
を用いた。その接合層25の導電性接着剤のフィラーに
はAg、Pd、Ni、Cu、Au、C、Ptあるいはこ
れらを組み合わせたものなど導電性を有するものならい
ずれでも用いることができる。
【0182】さらに、上述した実施の形態10を説明す
るための図10における封止樹脂24として、エポキシ
系樹脂を主成分として含み、無機物の粒子を有する樹脂
を用いることができる。
【0183】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、暗電流が流れにくいメサ型構造のアバラ
ンシェフォトダイオードを備えた半導体装置、およびそ
の製造方法を提供することができる。
【0184】また、本発明は、メサ型構造のアバランシ
ェフォトダイオードを備えた半導体装置の、メサ型構造
の頂上部に配置された導電性接着剤や半田等の導電物質
を頂上部からこぼさない半導体装置を提供することがで
きる。
【0185】また、本発明は、メサ型構造のアバランシ
ェフォトダイオードを備えた半導体装置を、所定の電極
を有する回路基板のその電極に、半田を介して実装する
さい、メサ型構造の端面に半田を実質上接触させないで
実装体を製造する、実装体の製造方法を提供することが
できる。
【0186】また、本発明は、メサ型構造のアバランシ
ェフォトダイオードを有する半導体装置と、所定の電極
を有する回路基板との接続に半田が用いられていない実
装体を提供することができる。
【0187】また、本発明は、マイグレーションが発生
する可能性が低い、所定の電極を有する回路基板上に、
メサ型構造のアバランシェフォトダイオードが実装され
た実装体を提供することができる。
【0188】さらに、本発明は、静電気・サージの影響
を実質上受けない、メサ型構造のアバランシェフォトダ
イオードを有する半導体装置を備えた実装体を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における半導体装置
の概略図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における半導体装置
の概略図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における半導体装置
の製造方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態における半導体装置
の製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態における半導体装置
の概略図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態における半導体装置
の概略図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態における実装体の製
造方法を説明するための図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態における実装体の概
略図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態における実装体の概
略図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態における実装体
の概略図である。
【図11】従来提案されてきたアバランシェフォトダイ
オードを有する半導体装置の断面図である。
【図12】従来提案されてきたアバランシェフォトダイ
オードを有する半導体装置を示す概略図である。
【図13】図12のアバランシェフォトダイオードを有
する半導体装置の特性を示す第1のグラフである。
【図14】図12のアバランシェフォトダイオードを有
する半導体装置の特性を示す第2のグラフである。
【図15】図12のアバランシェフォトダイオードを有
する半導体装置の特性を示す第3のグラフである。
【図16】図12のアバランシェフォトダイオードを有
する半導体装置の特性を示す第4のグラフである。
【図17】図12のアバランシェフォトダイオードを有
する半導体装置の特性を示す第5のグラフである。
【図18】図12のアバランシェフォトダイオードを有
する半導体装置の特性を示す第6のグラフである。
【図19】図12のアバランシェフォトダイオードを有
する半導体装置の特性を示す第7のグラフである。
【符号の説明】
1…SiO2膜中の原子(Si原子及び酸素原子) 2…酸素原子 3…メサエッチにおけるダングリングボンド(未結合の
原子) 4…超格子増倍層中の井戸層(InGaAsP)に相当
する結晶膜 5…超格子増倍層中の障壁層(InAlAs)に相当す
る結晶膜 6…超格子増倍層中の井戸層(InGaAsP)の結晶
原子 7…水素原子 8…超格子増倍層中の障壁層(InAlAs)の結晶原
子 9…アニール炉 10…メサエッチ(結晶材料側面) 11a…AuPtTi電極 11b…AuPtTi電極(N電極の場合にはAuCr
電極) 11c…AuZnNi電極 12…SiN膜 13…ポリイミド 14…InP基板 15…メサ型構造 16…SiO2膜 17…超格子増倍層 18…電界緩和層 19…光吸収層 21…半導体装置 22…回路基板 23…半田 24…封止樹脂 25…接合層(導電性接着剤を含む) 26…入出力端子電極 27…保護回路部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 芳正 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 Fターム(参考) 5F049 MA08 MA09 MB07 NA05 NA07 NB01 PA11 PA18 QA02 QA16 SE05 SZ12 TA01 TA20 WA01

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体で形成された基板と、 前記基板の上に配置され、少なくとも超格子増倍層、電
    界緩和層、および光吸収層を有する、メサ型構造のアバ
    ランシェフォトダイオードと、 前記メサ型構造の少なくとも前記超格子増倍層の端面を
    覆う絶縁酸化物の保護膜とを備えたことを特徴とする半
    導体装置。
  2. 【請求項2】 前記保護膜は、前記メサ型構造の実質上
    全端面を覆うことを特徴とする請求項1に記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 化合物半導体で形成された基板と、 前記基板の上に配置され、少なくとも超格子増倍層、電
    界緩和層、および光吸収層を有する、メサ型構造のアバ
    ランシェフォトダイオードと、 前記メサ型構造の端面を覆う第1保護膜と、 前記第1保護膜が前記基板と物理的に接しないように、
    また前記第1保護膜と実質上連続するように、前記基板
    の上に設けられた絶縁酸化物の第2保護膜とを備えたこ
    とを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 化合物半導体で形成された基板と、 前記基板の上に配置され、少なくとも超格子増倍層、電
    界緩和層、および光吸収層を有する、メサ型構造のアバ
    ランシェフォトダイオードと、 前記メサ型構造の少なくとも前記超格子増倍層の端面を
    覆う第1保護膜と、前記第1保護膜の少なくとも端部
    と、前記基板とを覆う絶縁酸化物の第2保護膜とを備え
    たことを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 化合物半導体で形成された基板と、 前記基板の上に配置され、少なくとも超格子増倍層、電
    界緩和層、および光吸収層を有する、メサ型構造のアバ
    ランシェフォトダイオードと、 前記メサ型構造の端面を覆う保護膜と、 前記メサ型構造の頂上部の全部を覆うことなく、かつ前
    記メサ型構造の高さを超えて前記保護膜を覆う耐熱性絶
    縁部材とを備えたことを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記耐熱性絶縁部材は、ポリイミドで形
    成された部材であることを特徴とする請求項5に記載の
    半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記超格子増倍層は、InGaAsP/
    InAlAs、InAlGaAs/InAlAs、In
    GaAlAsP/InAlAs、InGaAs/InA
    lAs、およびInGaAs/InPのうちのいずれか
    であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
    載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記電界緩和層は、II族元素のZn、C
    d、Hg、III族元素のB、Al、Ga、In、Tl、
    V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族元素のO、
    S、Se、Te、Poの少なくともいずれかの組み合わ
    せで構成されていることを特徴とする請求項1から7の
    いずれかに記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記光吸収層は、II族元素のZn、C
    d、Hg、III族元素のB、Al、Ga、In、Tl、
    V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族元素のO、
    S、Se、Te、Poの少なくともいずれかの組み合わ
    せで構成されていることを特徴とする請求項1から8の
    いずれかに記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記化合物半導体は、II族元素のZ
    n、Cd、Hg、III族元素のB、Al、Ga、In、
    Tl、V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族元素
    のO、S、Se、Te、Poの少なくともいずれかの組
    み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1か
    ら9のいずれかに記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記絶縁酸化物は、SiO2、Al2
    3、TiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、Ba
    O、NiO、CoO、ZnO、B23、Bi23、Zr
    2、ThO2のいずれかであることを特徴とする請求項
    1から10のいずれかに記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 化合物半導体で形成された基板の上
    に、超格子増倍層、電界緩和層、および光吸収層を、前
    記電界緩和層が前記超格子増倍層と前記光吸収層とで挟
    まれるように形成する第1工程と、 前記超格子増倍層、前記電界緩和層、および前記光吸収
    層をメサ型にする第2工程と、 少なくとも前記超格子増倍層を形成した後に、水素ガス
    雰囲気中でアニールをする第3工程とを少なくとも備え
    たことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第3工程におけるアニールは、3
    00℃以下で30分以上行うことを特徴とする請求項1
    2に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 化合物半導体で形成された基板の上
    に、超格子増倍層、電界緩和層、および光吸収層を、前
    記電界緩和層が前記超格子増倍層と前記光吸収層とで挟
    まれるように形成する第1工程と、 前記超格子増倍層、前記電界緩和層、および前記光吸収
    層をメサ型にする第2工程と、 少なくとも前記超格子増倍層の端面に絶縁酸化物の保護
    膜を形成する第3工程と、 前記保護膜を形成した後にアニールをする第4工程とを
    備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第4工程は、窒素ガス雰囲気中ま
    たは水素ガス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1
    4に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第4工程におけるアニールは、2
    30℃以上で3分以上行うことを特徴とする請求項14
    または15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記絶縁酸化物は、SiO2、Al2
    3、TiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、Ba
    O、NiO、CoO、ZnO、B23、Bi23、Zr
    2、ThO2のいずれかであることを特徴とする請求項
    12から16のいずれかに記載の半導体装置の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 前記超格子増倍層は、InGaAsP
    /InAlAs、InAlGaAs/InAlAs、I
    nGaAlAsP/InAlAs、InGaAs/In
    AlAs、およびInGaAs/InPのうちのいずれ
    かであることを特徴とする請求項12から17のいずれ
    かに記載の半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記電界緩和層は、II族元素のZn、
    Cd、Hg、III族元素のB、Al、Ga、In、T
    l、V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族元素の
    O、S、Se、Te、Poの少なくともいずれかの組み
    合わせで構成されていることを特徴とする請求項12か
    ら18のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記光吸収層は、II族元素のZn、C
    d、Hg、III族元素のB、Al、Ga、In、Tl、
    V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族元素のO、
    S、Se、Te、Poの少なくともいずれかの組み合わ
    せで構成されていることを特徴とする請求項12から1
    9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記化合物半導体は、II族元素のZ
    n、Cd、Hg、III族元素のB、Al、Ga、In、
    Tl、V族元素のN、P、As、Sb、Bi、VI族元素
    のO、S、Se、Te、Poの少なくともいずれかの組
    み合わせで構成されていることを特徴とする請求項12
    から20のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも超格子増倍層、電界緩和
    層、および光吸収層を持ち、メサ型構造のアバランシェ
    フォトダイオードを有する半導体装置を、所定の電極を
    有する回路基板の前記電極に、半田を介して実装して実
    装体を製造する実装体の製造方法であって、 前記半導体装置と前記回路基板の前記電極との間に、前
    記半田を配置し、 前記半田の融点未満の温度で、前記半導体装置と前記回
    路基板の前記電極とを、前記半田を介して接合し、 前記半導体装置と前記回路基板の間隙に封止樹脂を封入
    して硬化し、 前記半田を、その半田の融点以上に温度を上げて溶かす
    ことを特徴とする実装体の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記半田は、Sn、Ag、Pb、B
    i、Cu、Zn、Sbの少なくとも1つを含んでいるこ
    とを特徴とする請求項22に記載の実装体の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記封止樹脂は、エポキシ系樹脂を主
    成分として含み、無機物の粒子を有することを特徴とす
    る請求項22または23に記載の実装体の製造方法。
  25. 【請求項25】 所定の電極を有する回路基板と、 少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および光吸収層
    を持ち、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードを
    有する半導体装置と、 前記回路基板の前記電極と前記半導体装置との少なくと
    も一部を電気的に接続する導電性接着剤と、 前記半導体装置と前記回路基板の間隙に充填された封止
    樹脂とを備えたことを特徴とする実装体。
  26. 【請求項26】 前記封止樹脂内の不純物イオン濃度は
    5ppm以下であることを特徴とする請求項25に記載
    の実装体。
  27. 【請求項27】 前記不純物イオンは、ナトリウムイオ
    ン、カリウムイオン、塩化物イオン、またはカルシウム
    イオンであることを特徴とする請求項26に記載の実装
    体。
  28. 【請求項28】 複数の電極を有する回路基板と、 少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および光吸収層
    を持ち、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードを
    有する半導体装置複数個と、 前記回路基板の前記各電極と対応する前記各半導体装置
    とを電気的に接続する接続部材複数個と、 前記半導体装置と前記回路基板の間隙に充填された封止
    樹脂とを備え、 隣り合う前記電極の間隔の少なくとも一部は、前記隣り
    合う前記電極に対応する隣り合う前記接続部材の間隔よ
    りも狭いことを特徴とする実装体。
  29. 【請求項29】 前記接続部材の少なくとも一部は、導
    電性接着剤であることを特徴とする請求項28に記載の
    実装体。
  30. 【請求項30】 所定の方向の、少なくとも一部に隙間
    を持つ電極を有する回路基板と、 前記方向における前記隙間を橋渡しし、前記方向におい
    て電流を実質上一方にしか流さない整流回路と、 少なくとも超格子増倍層、電界緩和層、および光吸収層
    を持ち、メサ型構造のアバランシェフォトダイオードを
    有する半導体装置と、 前記回路基板の前記電極と前記半導体装置との少なくと
    も一部を電気的に接続する導電性接着剤と、 前記半導体装置と前記回路基板の間隙に充填された封止
    樹脂とを備えたことを特徴とする実装体。
  31. 【請求項31】 前記導電性接着剤の導電性フィラー
    は、Ag、Pd、Ni、Au、Cu、C、またはPtで
    あることを特徴とする請求項25から30のいずれかに
    記載の実装体。
  32. 【請求項32】 前記封止樹脂は、エポキシ系樹脂を主
    成分として含み、無機物の粒子を有することを特徴とす
    る請求項25から31のいずれかに記載の実装体。
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