JP2001195687A - 車両位置標定装置及びこれを備えた料金収受システム - Google Patents

車両位置標定装置及びこれを備えた料金収受システム

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JP2001195687A
JP2001195687A JP2000006615A JP2000006615A JP2001195687A JP 2001195687 A JP2001195687 A JP 2001195687A JP 2000006615 A JP2000006615 A JP 2000006615A JP 2000006615 A JP2000006615 A JP 2000006615A JP 2001195687 A JP2001195687 A JP 2001195687A
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height
mounted device
position locating
antenna
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JP2000006615A
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English (en)
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Kenji Iizuka
健二 飯塚
Keiichi Morishita
慶一 森下
Hideki Hashimoto
英喜 橋本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の前後位置関係の誤判断を防止すること
ができる車両位置標定装置及びこれを備えた自動料金収
受システムを提供する。 【解決手段】 電波到来角度と車載器高さとに基づいて
車両の位置標定を行う車両位置標定装置において、車載
器高さは、料金収受のための送信データに含まれる車種
情報に基づき、予め設定した車種ごとの車載器高さデー
タの中からそれぞれの車両に適応するものを選択する。
または、送信データに実際の車載器高さの情報も含める
ようにし、この実際の車載器高さを用いる。または、車
載器高さを実際の車載器高さよりも低く設定し、且つ、
標定範囲を制限する。または、車載器高さは、車種情報
に基づき、予め設定した車種ごとの車載器高さデータの
中からそれぞれ車両に適応するものを選択するととも
に、実際の車載器高さよりも低く設定し、且つ、標定範
囲を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両位置標定装置及
びこれを備えた料金収受システムに関し、有料道路にお
いて無線通信により料金収受を行う場合に適用して有用
なものである。
【0002】
【従来の技術】有料道路の自動料金収受を目的としたE
TC(Electoronics Toll Collection)システムは、I
TS(Intelligent Transport Systems) における早期実
現可能なアプリケーションとして注目されている。この
ETCシステムは料金所に設置された路側無線機(路側
機)と、車両に搭載した無線機(車載器)との間の無線
通信によって通行料金を徴収することができるようにし
たものであり、これによって車両がノンストップ・キャ
ッシュレスで通行可能となるものである。
【0003】このETCシステムに関連する具体的なシ
ステム構成としては種々のものが開示されており、例え
ば、特開平5−197856号公報には図9に示すよう
な料金収受システムが開示されている。この料金収受シ
ステムは不正検出装置を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0004】図9において、車両分離器1a,1bと車
両分離器2a,2bは、何れも通過車両を分離検出する
ものである。このように2対の車両分離器1a,1b,
2a,2bが並設しているのは通行車両の前後進を判別
するためである。車長検知光電管3a,3bは、通過車
両の車長を検出するものである。ナンバープレート読取
装置4は、車両撮影カメラと画像処理装置とから成り立
つ。アンテナ5はガントリ(門形の支柱)10に設置さ
れて通路11の上方に位置する路側アンテナであり、車
載器である非接触カード7へ情報を送信したり、非接触
カード7からの情報を受信したりする。
【0005】また、路上機6は、非接触カード7との情
報交換のコントロールを行う機能を有するとともに、車
種判別装置からの信号を受け付け、監視用テレビカメラ
8への信号送信を行うものである。非接触カード7は無
線通信機能を有するとともに、そのメモリにはID情報
や車種情報が記憶されている。路上機6では、この非接
触カード7のID情報や車種情報を非接触で読み出し、
この読み出したID情報などを基に通行料金の課金を行
う。
【0006】そして、詳細な説明は省略するが、車両分
離器1a,1b,2a,2b、車長検知光電管3a,3
b、ナンバープレート読取装置4及び車種判別制御部で
構成された車種判別装置では、通行車両の車種を判定
し、この車種情報と、路上機6が非接触カード7から読
み出した車種情報とが、比較器9で比較照合され、その
結果、これらの車種情報が不一致のときには非接触カー
ド7が不正使用されていると判定するようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
料金収受システムにおいて、図10に示すように車載器
を搭載していない(即ち自動料金収受ができない)非搭
載車21と、車載器7を搭載している搭載車22とが、
料金所の通路11に連続して進入してきた場合には、通
行料金の徴収を正しく行うことができない虞がある。
【0008】即ち、非搭載車21だけが通路11に進入
してきた場合には、この車両21と路側機(アンテナ
5、路上機6)との間で通信ができないため、車両21
は非搭載車である判断して、係員が料金を徴収すること
ができる。ところが、上記のように非搭載車21と搭載
車22が連続して通路11に進入してきた場合には、路
側機から非搭載車21に対して通信を開始すると、この
非搭載車21との間では通信が行われないが、後続の搭
載車22との間で通信が成立して自動料金収受が行われ
てしまう可能性がある。
【0009】この場合、あたかも非搭載車21に対して
自動料金収受が行われたような結果となり、非搭載車2
1は料金未徴収となってしまう。また、搭載車22に対
しては、実際には料金を徴収したにもかかわず未徴収で
あると誤判断してしまい、その後、再び路側機との通信
が行われて自動料金収受が行われることにより、料金の
二重徴収となってしまう可能性がある。
【0010】そこで、このような不具合の発生を防止す
るために、詳細は後述するが、現在、有料道路の料金所
の通路に進入した車両の車載器から発信した電波が、前
記通路の上方に設置した路側機のアンテナに到来する角
度を求め、この電波到来角度と車載器高さとに基づい
て、前記車両の位置標定を行う車両位置標定装置が開発
されている。
【0011】しかしながら、現在の車両位置標定装置で
は、車載器高さを、ある標準的な一定値(例えば1m)
に設定しているため、標定距離(路側のアンテナから車
載器までの水平距離)に誤差が生じてしまう。その結
果、例えば、第1非搭載車、搭載車、第2非搭載車の順
に連続して料金所の通路に進入してきたような場合に
は、搭載車に対する標定距離の誤差によって、この搭載
車の位置が、第1非搭載車よりも前である(即ち第1非
搭載車と通信して料金収受を行った)、或いは、第2非
搭載車よりも後ろである(即ち第2非搭載車と通信して
料金収受を行った)と誤判断して、料金収受が正しく行
われない可能性がある。なお、特開平10−13421
3号公報には、電波の到来方位(角度)を測定する方位
測定装置が開示されているが、これでも、やはり、電波
到来角度と車載器高さとから車両位置(距離)を標定し
ようする場合には上記と同様の問題点を有する。
【0012】従って本発明は上記の問題点に鑑み、車両
の前後位置関係の誤判断を防止することができる車両位
置標定装置及びこれを備えた自動料金収受システムを提
供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
発明の車両位置標定装置は、有料道路の料金所の通路に
進入した車両の車載器から発信される電波が、前記通路
の上方に設置した路側機のアンテナに到来する角度を求
め、この電波到来角度と車載器高さとに基づいて、前記
車両の位置標定を行う車両位置標定装置において、前記
車載器高さは、前記車両の車種情報に基づき、予め設定
した大型車や普通車などの車種ごとの車載器高さデータ
の中からそれぞれの車両に適応するものを選択すること
を特徴とする。
【0014】また、第2発明の車両位置標定装置は、第
1発明の車両位置標定装置において、前記車種情報とし
て、前記車載器から前記路側機へ送信される料金収受の
ための送信データに含まれる車種情報を利用することを
特徴とする。
【0015】また、第3発明の車両位置標定装置は、有
料道路の料金所の通路に進入した車両の車載器から発信
される電波が、前記通路の上方に設置した路側機のアン
テナに到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器
高さとに基づいて、前記車両の位置標定を行う車両位置
標定装置において、前記車載器から発信する送信データ
に実際の車載器高さの情報も含めるようにし、この実際
の車載器高さを前記車載器高さとして用いることを特徴
とする。
【0016】また、第4発明の車両位置標定装置は、有
料道路の料金所の通路に進入した車両の車載器から発信
される電波が、前記通路の上方に設置した路側機のアン
テナに到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器
高さとに基づいて、前記車両の位置標定を行う車両位置
標定装置において、前記車載器高さを、実際の車載器高
さよりも低く設定して、標定距離の誤差が常に後方側と
なるようにし、且つ、この標定距離が、後続車両との順
序の逆転を生じないように設定した標定範囲を逸脱して
いる場合には、この標定範囲の後端を車両位置とするこ
とを特徴とする。
【0017】また、第5発明の車両位置標定装置は、有
料道路の料金所の通路に進入した車両の車載器から発信
される電波が、前記通路の上方に設置した路側機のアン
テナに到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器
高さとに基づいて、前記車両の位置標定を行う車両位置
標定装置において、前記車載器高さは、前記車両の車種
情報に基づき、予め設定した大型車や普通車などの車種
ごとの車載器高さデータの中からそれぞれ車両に適応す
るものを選択するとともに、実際の車載器高さよりも低
く設定して、標定距離の誤差が常に後方側となるように
し、且つ、この標定距離が、後続車両との順序の逆転を
生じないように設定した標定範囲を逸脱している場合に
は、この標定範囲の後端を車両位置とすることを特徴と
する。
【0018】また、第6発明の有料道路の料料金収受シ
ステムは、第1〜第5発明の何れかの車両位置標定装置
を備え、この車両位置標定装置によって標定した車両位
置に基づいて料金収受を行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の実施の形態に係る有料道路
の料金所の構成例を示す側面図、図2は前記料金所の料
金収受システムの構成例を示すブロック図である。
【0021】図1に示すように、有料道路の料金所の通
路31には、その入口側(図中右側)と出口側(図中左
側)とに第1車両検知装置32と第2車両検知装置33
とがそれぞれ設置されている。また、通路31の途中に
はガントリ34が通路31を跨ぐように設けられており
(図9のガントリ10と同様)、このガントリ34の幅
方向中央部に路側アンテナ35が取り付けられている。
即ち、路側アンテナ35は通路31の上方に設置されて
いる。また、ガントリ34上には不正車両撮像カメラ3
6も設置されており、ガントリ34の後方には料金表示
器37が設けられている。
【0022】そして、この料金所の料金収受システム
は、図2に示すように路側アンテナ35及びアンテナ制
御装置41、第1,第2車両検知装置32,33、料金
表示器37、不正車両撮像カメラ36及び画像処理装置
42、車線制御装置43などから構成されている。
【0023】路側アンテナ35は車両46に搭載された
車載器45との間で無線通信を行うためのものであり、
且つ、車両位置標定のために電波到来角度の測定を行う
ことができるように複数のアンテナ素子からなるもので
ある。かかる路側アンテナ35としては、例えばマイク
ロストリップアンテナ素子をアレイ状に配した構成のマ
イクロストリップアレイアンテナなどを用いることがで
きる。このマイクロストリップアレイアンテナは各アレ
イアンテナ素子に入射される電波信号の振幅と位相を操
作することにより、比較的容易に任意の指向性を形成す
ることが可能なものである(図4に例示した通信領域E
を参照)。
【0024】アンテナ制御装置41は、路側アンテナ3
5から料金収受のため送信データを含む電波を発信した
り、路側アンテナ35で受信する車載器45からの電波
を検波(復調)して同電波に含まれる料金収受のための
送信データ(ID情報、車種情報等)を得る。そして、
更に、このアンテナ制御装置41では、路側アンテナ3
5を介して受信した電波に基づいて車両位置標定も行う
ようになっている(詳細後述)。
【0025】第1車両検知装置32と第2車両検知装置
33は光センサなどを備えたものであり、図1に例示す
るように通路31へ車両46が進入してきたこと、通路
31から出ていたことを検知する、即ち、通路31での
車両46の存在検知を行う。第1車両検知装置32によ
って車両46が検知されると、この車両46の車載器4
5に対して路側機(路側アンテナ35、アンテナ制御装
置41)から無線通信が開始される。
【0026】料金表示器37は、徴収した料金の表示や
通行許可又は不許可の表示などを行う。不正車両撮像カ
メラ36は、不正車両のナンバープレート等を撮影す
る。画像処理装置42は、不正車両撮像カメラ36の撮
像信号を処理することによって、不正車両のナンバーを
検知する。車線制御装置43は、料金収受システムを構
成する上記の各種機器を統合制御し、また、料金所全体
の管理等を行う料金所コンピュータ50との通信などを
行う。
【0027】一方、車両側の機器は、無線通信機能を備
えた車載器45と、この車載器45に挿入して料金支払
いを行うICカード(図示せず)とからなる。車載器4
5は路側機(路側アンテナ35、アンテナ制御装置4
1)との間で料金収受のためのデータ通信を行うもので
ある。
【0028】図3には、かかる車載器45の無線通信機
能部の構成例を示す。図3に示す車載器45では、搬送
波(CW:Carrier Wave)信号はPLL(Phase Locked
Loop)発振器45jで生成され、分配器45iによって
MOD(Modulator)ブロック45hとMIX(Mixer)4
5dとに分配される。そして、送信時には、この搬送波
信号が、料金収受を行うのためのID情報や車種情報な
どを含む送信データ45kにより、MODブロック45
hでASK(Amplitude Shift Keying) 変調され、この
変調信号が、PA(Power Amplifier)45gで電力増幅
されて、送信アンテナ45fから路側機(路側アンテナ
35、アンテナ制御装置41)へ放射される。一方、受
信アンテナ45aで受信した路側機からの信号は、BP
F(BandPass Filter) 45bで不要周波数帯の信号が
除去された後、LNA(Low Noise Amplifier)45cで
所要レベルに増幅され、更に、MIX45dで中間周波
数(IF:Intermediate Frequency) に変換されてか
ら、検波器45eで復調されるようになっている。
【0029】そして、本料金収受システムでは、料金所
の通路31に進入した車両の車載器45から発信された
電波が、通路31の上方に設置した路側アンテナ35に
到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器高さと
に基づいて、車両の位置標定を行う。以下、この車両位
置標定装置について詳述する。
【0030】まず、図4及び図5に基づいて標定原理を
説明する。なお、説明の便宜上、図5ではアンテナ素子
35Aとアンテナ素子35Bとを図4に対して上下逆に
示している。
【0031】図4に示すように、路側アンテナ35のア
ンテナ素子35Aとアンテナ素子35Bの俯角をΨとす
ると、車両61の車載器45から路側アンテナ35へ発
信された電波71が路側アンテナ35に到来する角度は
θとなるが、この電波到来角度θは次のようにして求め
ることができる。
【0032】即ち、図4及び図5に示すように、路側ア
ンテナ35が俯角Ψで傾斜しているため、車載器45か
らアンテナ素子35Aまでの距離LA よりも、車載器4
5からアンテナ素子35Bまでの距離LB の方が長くな
っている。このため、アンテナ素子35Aとアンテナ素
子35Bとでは電波71を受信するタイミングがずれ
て、両者の受信信号に位相差が生じる。この位相差をΔ
φとし、また、電波71の波長をλとすると、アンテナ
素子35Aまでの距離LA とアンテナ素子35Bまでの
距離LB との差ΔLは、(1)式となる。
【0033】 ΔL=(Δφλ)/(2π) ・・・(1)
【0034】このため、アンテナ素子35Aとアンテナ
素子35Bとの素子間隔をdとすると、図5の幾何学的
関係から、(2)式が得られ、この(2)式から(3)
式が得られる。従って、この(3)式から、電波到来角
度射θは(4)式のように表せる。なお、図5に示すよ
うに、アンテナ素子35A,35Bに対して電波71は
平行に到来し、アンテナ素子35A,35Bへの電波到
来角度は何れも同じθであると仮定している。
【0035】 sinθ=ΔL/d=(Δφλ)/(2π)/d ・・・(2) Δφ=(2πd sinθ)/λ ・・・(3) θ= sin-1{(Δφλ)/(2πd)} ・・・(4)
【0036】そして、図4に示すように車載器高さをh
OBE とし、アンテナ高さをhANT とすると、図4の幾何
学的関係から、路側アンテナ35(アンテナ素子35
B)から搭載車両81(車載器45)までの距離Xは、
次の(5)式によって求めることができる。なお、アン
テナ素子35Aとアンテナ素子35Bとの中間点から車
載器45までの距離を求める場合には(5)式で求めた
距離Xから、(d/2)sin Ψを差し引けばよい。
【0037】 X=(hANT −hOBE )tan(Ψ+θ) ・・・(5)
【0038】従って、上記の原理に基づき、アンテナ制
御装置41では図5に示すような処理を行っている。即
ち、ヘテロダイン変換部41a,41bでは、所定の俯
角Ψで傾斜し且つ所定の間隔dを隔てて配設されている
アンテナ素子35A,35Bよって受信した電波71の
周波数と、局部発振器41cから出力される局部発振信
号の周波数との差を取ることにより、受信電波71を低
周波数(中間周波数)の信号A,Bにそれぞれ変換して
位相差計41dに供給する。位相差計41dでは、ヘテ
ロダイン変換部41a,41bから供給された信号A,
Bの位相φA ,φB の差Δφを求める。
【0039】この位相差Δφは、位相差計41dから位
置標定演算部41eに供給される。位置標定演算部41
eでは、位相差計41dから供給された位相差Δφと、
予めメモリ41fに記憶されている既知の素子間隔d及
び電波71の波長λとから、上記(4)式に基づいて電
波到来角度θを求め、更に、この電波到来角度θと、予
めメモリ41fに記憶されている既知の車載器高さh
OBE 、アンテナ高さhAN T 及び俯角Ψとから、上記
(5)式に基づいて距離Xを求める。
【0040】そして、本実施の形態では、この距離Xを
求めるときに、車載器高さhOBE を一定値とするのでは
なく、それぞれの車種に適応した値とする。即ち、車載
器45から路側機(路側アンテナ35,アンテナ制御装
置41)へ送信される料金収受のための送信データに含
まれる車種情報に基づき、予め設定されてメモリ41f
に記憶されている大型車や普通車などの車種ごとの車載
器高さデータの中からそれぞれの車両に適応するものを
選択し、この車載器高さhOBE を用いて距離Xを求め
る。車載器高さデータとしては、例えば、それぞれの車
種における標準的な高さとする。〔表1〕には車両情報
及び車種ごとの車載器高さデータの例を示す。
【0041】
【表1】
【0042】従って、本実施の形態によれば、車両の車
種情報に基づき、予め設定した大型車や普通車などの車
種ごとの車載器高さデータの中からそれぞれの車両に適
応するものを選択し、この車載器高さhOBE に基づいて
車両の位置標定を行うため、車載器高さhOBE を一定に
する場合に比べて、標定距離を精度よく求めることがで
きる。
【0043】つまり、図6に示すように、車載器高さh
OBE を普通車82の実際の車載器高さに近い一定値とし
た場合には、普通車82に対する標定距離はX1 とな
り、実際の距離に近い値を得ることができるが、実際の
車載器高さが上記車載器高さh OBE よりもかなり高い大
型車83に対しては、標定距離がX2 となってしまい、
実際の位置よりもかなり後方に大型車45が位置してい
ると判断してしまう。
【0044】これに対して、図7に示すように、車両8
2,83のそれぞれの車種情報に基づき、予め設定した
車種ごとの車載器高さデータの中からそれぞれの車両8
2,83に適応する車載器高さhOBE1,hOBE2を選択
し、この車載器高さhOBE1,h OBE2に基づいてそれぞれ
の車両82,83の位置標定を行えば、何れの車両8
2,83に対しても実際の距離に近い標定距離X1 を得
ることができる。
【0045】このため、例えば、第1非搭載車、搭載
車、第2非搭載車の順に連続して料金所の通路31に進
入してきたような場合にも、これらの車両の前後位置関
係を正しく判断して料金収受を正しく行うことができ
る。
【0046】なお、上記では、位置標定を行うための車
種情報として、車載器45から路側機(路側アンテナ3
5,アンテナ制御装置41)へ送信される料金収受のた
めの送信データに含まれる車種情報を利用しているが、
必ずしもこれに限定するものではなく、その他の手段に
よって車種情報が得られる場合には、この車種情報を利
用してもよい。例えば、図9に示す料金収受システムの
ように通路11の入口に種々の機器を設置して車種情報
を得るような場合には、この車種情報を利用してもよ
い。換言すれば、車載器45から路側機へ送信される料
金収受のための送信データに含まれる車種情報を利用す
れば、車種情報を得るための他の手段を要することなく
容易に精度のよい車両位置標定を行うことができる。
【0047】また、上記では、位置標定を行うための車
載器高さhOBE として、車両の車種情報に基づき、予め
設定した車種ごとの車載器高さデータの中から選択した
それぞれの車両に適応するものを用いているが、実際の
車載器高さを用いるようにしてもよい。つまり、それぞ
れの車両に車載器45を取り付けるときなどに、車載器
45から発信する送信データに実際の車載器高さの情報
を含めるようにし、この実際の車載器高さを、位置標定
を行うための車載器高さhOBE として用いるようにして
もよい。この場合には、より精度のよい車両位置標定を
行うことができる。
【0048】また、車両の前後位置関係が逆転するのを
防止する手段としては、位置標定を行うための車載器高
さを、実際の車載器高さよりも低く設定して、標定距離
の誤差が常に後方側となるようにし、且つ、この標定距
離が、後続車両との順序の逆転を生じないように設定し
た標定範囲を逸脱している場合には、この標定範囲の後
端を車両位置とするようにしてもよい。
【0049】例えば、図8に示すように、車載器高さh
OBE を、搭載車84の実際の車載器45の高さよりも低
く設定すれば、標定距離X4 は必ず実際の距離X3 より
も長くなる(誤差が常に後方側となる)ため、この搭載
車84が先行する非搭載車85よりも前にいると誤判断
することはない。また、図示例のような場合、標定範囲
を制限しなければ、搭載車84が後続の非搭載車86よ
りも後ろにいると誤判断してしまうが、標定範囲を制限
すれば、即ち、標定距離X4 が、後続車両との順序の逆
転を生じないように設定した標定範囲X5 を逸脱してい
る場合には、この標定範囲X5 の後端を車両位置とする
ようにすれば、搭載車84が後続の非搭載車86よりも
後ろにいると誤判断することもない。このため、料金収
受を正しく行うことができる。
【0050】なお、標定範囲X5 としては、車両が2台
入る程度の範囲(例えば通信領域)である4〜5mとす
ることが好ましい。これは、標定範囲X5 が長すぎて標
定範囲X5 に3台以上の車両が入り得る場合には、図8
に例示するように車両85,84,86が連続している
状態では、路側機(路側アンテナ35、アンテナ制御装
置41)との通信が成立して搭載車84の位置標定を行
った結果、標定範囲X 5 の後端を搭載車84の位置とし
たときに、後続の非搭載車86も標定範囲X5内に入っ
てきている可能性があり、このときは搭載車84が後続
の非搭載車86よりも後ろにいると誤判断してしまうた
めである。
【0051】また、このような車載器高さを低く設定す
る手段と、上記のように車種ごとに車載器高さを設定す
る手段とを組み合わせてもよい。即ち、電波到来角度と
車載器高さとに基づいて車両の位置標定を行う車両位置
標定装置において、車載器高さは、車両の車種情報に基
づき、予め設定した大型車や普通車などの車種ごとの車
載器高さデータの中からそれぞれの車両に適応するもの
を選択するとともに、実際の車載器高さよりも低く設定
して、標定距離が常に後方側となるようにし、且つ、こ
の標定距離が、後続車両との順序の逆転を生じないよう
に設定した標定範囲を逸脱している場合には、この標定
範囲の後端を車両位置とするようにしてもよい。この場
合には、より確実に車両の前後位置関係の逆転を防止す
ることができる。
【0052】また、本実施の形態の料金収受システム
は、上記のような車両位置標定装置を備え、この車両位
置標定装置によって標定した車両位置に基づいて料金収
受を行うことにより、料金収受の誤りの少ない料金収受
システムとなる。
【0053】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態と共に具体的に
説明したように、第1発明の車両位置標定装置は、有料
道路の料金所の通路に進入した車両の車載器から発信さ
れる電波が、前記通路の上方に設置した路側機のアンテ
ナに到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器高
さとに基づいて、前記車両の位置標定を行う車両位置標
定装置において、前記車載器高さは、前記車両の車種情
報に基づき、予め設定した大型車や普通車などの車種ご
との車載器高さデータの中からそれぞれの車両に適応す
るものを選択することを特徴とする。
【0054】また、第2発明の車両位置標定装置は、第
1発明の車両位置標定装置において、前記車種情報とし
て、前記車載器から前記路側機へ送信される料金収受の
ための送信データに含まれる車種情報を利用することを
特徴とする。
【0055】従って、この第1又は第2発明の車両位置
標定装置によれば、車両の車種情報に基づき、予め設定
した大型車や普通車などの車種ごとの車載器高さデータ
の中からそれぞれの車両に適応するものを選択し、この
車載器高さに基づいて車両の位置標定を行うため、車載
器高さを一定にする場合に比べて、標定距離を精度よく
求めることができる。また、第2発明の車両位置標定装
置によれば、車載器から路側機へ送信される料金収受の
ための送信データに含まれる車種情報を利用するため、
車種情報を得るための他の手段を要することなく容易に
精度のよい車両位置標定を行うことができる。
【0056】また、第3発明の車両位置標定装置は、有
料道路の料金所の通路に進入した車両の車載器から発信
される電波が、前記通路の上方に設置した路側機のアン
テナに到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器
高さとに基づいて、前記車両の位置標定を行う車両位置
標定装置において、前記車載器から発信する送信データ
に実際の車載器高さの情報も含めるようにし、この実際
の車載器高さを前記車載器高さとして用いることを特徴
とする。
【0057】従って、この第3発明の車両位置標定装置
によれば、実際の車載器高さを用いて車両位置標定を行
うため、より精度のよい車両位置標定を行うことができ
る。
【0058】また、第4発明の車両位置標定装置は、有
料道路の料金所の通路に進入した車両の車載器から発信
される電波が、前記通路の上方に設置した路側機のアン
テナに到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器
高さとに基づいて、前記車両の位置標定を行う車両位置
標定装置において、前記車載器高さを、実際の車載器高
さよりも低く設定して、標定距離の誤差が常に後方側と
なるようにし、且つ、この標定距離が、後続車両との順
序の逆転を生じないように設定した標定範囲を逸脱して
いる場合には、この標定範囲の後端を車両位置とするこ
とを特徴とする。
【0059】従って、この第4発明の車両位置標定装置
によれば、第1非搭載車、搭載車、第2非搭載車の順に
連続していても、搭載車に対する標定距離の誤差によっ
て、この搭載車の位置が、第1非搭載車よりも前である
(即ち第1非搭載車と通信して料金収受を行った)と誤
判断するはなく、且つ、第2非搭載車よりも後ろである
(即ち第2非搭載車と通信して料金収受を行った)と誤
判断することもない。
【0060】また、第5発明の車両位置標定装置は、有
料道路の料金所の通路に進入した車両の車載器から発信
される電波が、前記通路の上方に設置した路側機のアン
テナに到来する角度を求め、この電波到来角度と車載器
高さとに基づいて、前記車両の位置標定を行う車両位置
標定装置において、前記車載器高さは、前記車両の車種
情報に基づき、予め設定した大型車や普通車などの車種
ごとの車載器高さデータの中からそれぞれ車両に適応す
るものを選択するとともに、実際の車載器高さよりも低
く設定して、標定距離の誤差が常に後方側となるように
し、且つ、この標定距離が、後続車両との順序の逆転を
生じないように設定した標定範囲を逸脱している場合に
は、この標定範囲の後端を車両位置とすることを特徴と
する。
【0061】従って、この第5発明の車両位置標定装置
によれば、より確実に車両の前後位置関係の逆転を防止
することができる。
【0062】また、第6発明の料金収受システムは、第
1〜第5発明の何れかの車両位置標定装置を備え、この
車両位置標定装置によって標定した車両位置に基づいて
料金収受を行うことを特徴とする。
【0063】従って、この第6発明の料金収受システム
は、料金収受の誤りの少ない料金収受システムとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る有料道路の料金所の
構成例を示す側面図である。
【図2】前記料金所の料金収受システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図3】車載器の無線通信機能部の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図4】車両位置標定装置の標定原理を示す説明図であ
る。
【図5】車両位置標定装置の標定原理及びアンテナ制御
装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】車載器高さを一定値とした場合の説明図であ
る。
【図7】車載器高さを車種ごとに設定する場合の説明図
である。
【図8】車載器高さを低く設定する場合の説明図であ
る。
【図9】従来の料金収受システムを構成図である。
【図10】従来の料金収受システムの問題点を示す説明
図である。
【符号の説明】
31 料金所の通路 35 路側アンテナ 35A,35B アンテナ素子 41 アンテナ制御装置 41a,41b ヘテロダイン変換部 41c 局部発振器 41d 位相差計 41e 位置標定演算部 41f メモリ 45 車載器 45a 受信アンテナ 45b BPF 45c LNA 45d MIX 45e 検波器 45f 送信アンテナ 45g PA 45h MOD 45i 分配器 45j PLL 45k 送信データ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有料道路の料金所の通路に進入した車両
    の車載器から発信される電波が、前記通路の上方に設置
    した路側機のアンテナに到来する角度を求め、この電波
    到来角度と車載器高さとに基づいて、前記車両の位置標
    定を行う車両位置標定装置において、 前記車載器高さは、前記車両の車種情報に基づき、予め
    設定した大型車や普通車などの車種ごとの車載器高さデ
    ータの中からそれぞれの車両に適応するものを選択する
    ことを特徴とする車両位置標定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する車両位置標定装置に
    おいて、 前記車種情報として、前記車載器から前記路側機へ送信
    される料金収受のための送信データに含まれる車種情報
    を利用することを特徴とする車両位置標定装置。
  3. 【請求項3】 有料道路の料金所の通路に進入した車両
    の車載器から発信される電波が、前記通路の上方に設置
    した路側機のアンテナに到来する角度を求め、この電波
    到来角度と車載器高さとに基づいて、前記車両の位置標
    定を行う車両位置標定装置において、 前記車載器から発信する送信データに実際の車載器高さ
    の情報も含めるようにし、この実際の車載器高さを前記
    車載器高さとして用いることを特徴とする車両位置標定
    装置。
  4. 【請求項4】 有料道路の料金所の通路に進入した車両
    の車載器から発信される電波が、前記通路の上方に設置
    した路側機のアンテナに到来する角度を求め、この電波
    到来角度と車載器高さとに基づいて、前記車両の位置標
    定を行う車両位置標定装置において、 前記車載器高さを、実際の車載器高さよりも低く設定し
    て、標定距離の誤差が常に後方側となるようにし、且
    つ、この標定距離が、後続車両との順序の逆転を生じな
    いように設定した標定範囲を逸脱している場合には、こ
    の標定範囲の後端を車両位置とすることを特徴とする車
    両位置標定装置。
  5. 【請求項5】 有料道路の料金所の通路に進入した車両
    の車載器から発信される電波が、前記通路の上方に設置
    した路側機のアンテナに到来する角度を求め、この電波
    到来角度と車載器高さとに基づいて、前記車両の位置標
    定を行う車両位置標定装置において、 前記車載器高さは、前記車両の車種情報に基づき、予め
    設定した大型車や普通車などの車種ごとの車載器高さデ
    ータの中からそれぞれ車両に適応するものを選択すると
    ともに、実際の車載器高さよりも低く設定して、標定距
    離の誤差が常に後方側となるようにし、且つ、この標定
    距離が、後続車両との順序の逆転を生じないように設定
    した標定範囲を逸脱している場合には、この標定範囲の
    後端を車両位置とすることを特徴とする車両位置標定装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかの車両位置標定装
    置を備え、この車両位置標定装置によって標定した車両
    位置に基づいて料金収受を行うことを特徴とする有料道
    路の料金収受システム。
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