JP2001194657A - 液晶表示装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

液晶表示装置及びその製造方法並びに電子機器

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JP2001194657A
JP2001194657A JP2000002567A JP2000002567A JP2001194657A JP 2001194657 A JP2001194657 A JP 2001194657A JP 2000002567 A JP2000002567 A JP 2000002567A JP 2000002567 A JP2000002567 A JP 2000002567A JP 2001194657 A JP2001194657 A JP 2001194657A
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liquid crystal
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Kimitaka Kamijo
公高 上條
Eiji Okamoto
英司 岡本
Keiji Takizawa
圭二 瀧澤
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明樹脂からなる散乱層中に、反射体として
使用する屈折率の異なる微粒子を均一に分散させ、透明
樹脂層の厚さを均一にしかも表面を平坦にして、無着色
の透明樹脂層からなる散乱層を提供する。 【解決手段】 散乱層表面に微粒子を散布した後、イン
クジェット方式を使用して透明樹脂層を必要な箇所だけ
に形成する。あるいは、インクジェット方式を使用して
屈折率の異なる2種類以上の透明樹脂を噴射し、透明樹
脂層中に屈折率の異なる部分を均一に分散させる。また
は屈折率の異なる透明樹脂の液滴の表面を覆うようにし
て透明樹脂層を形成する。散乱層はカラーフィルターと
することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示装置及
びその製造方法並びにその液晶表示装置を使用した電子
機器に関するものであり、より詳しくは、液晶表示装置
の光散乱層に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は互いに対向配置された一
対の基板の間に液晶物質を挟持した非発光型の表示装置
であり、液晶の配向状態に応じて液晶を通過する光を変
調させて表示を行うものである。このような液晶表示装
置の表示方法としては、透過型のものと反射型のものが
知られている。
【0003】このうち、図1に示す反射型の表示方式
は、シール剤8を介して接合された基板1と基板2の対
向面にそれぞれインジウム錫酸化物( Indium Tin Oxid
e :ITO) 等の透明導電体からなる電極5,6を配置
し、液晶層7における液晶分子の配向状態を制御するこ
とで基板2側から入射する室内光や自然光等の外光を液
晶層7を介して基板1側に透過させるか遮光させること
により明暗表示をし、あるいは中間階調表示させること
により画像表示を行うようになっている。また、反射型
の表示方式では基板1側の電極5と基板1との間に光反
射率の高い金属薄膜から成る反射層3と散乱層4を配置
してある。反射層3はアルミニウム、銀、ニッケル、チ
タン又はクロム等の光反射率の高い金属の薄膜から成
り、液晶層7を通過してきた光を反射させて画像の輝度
を増し、鮮明なコントラストを付けるためのものであ
る。反射層3は平面をなしているので入射光は正反射し
て特定の方向に反射していくため、外光の光源の位置に
よって視野角が制限されるという欠点を有する。
【0004】このため視角を広げる対策として、反射層
3の表面に凹凸を付け、光を乱反射させて視野角を広げ
る方法が提案されている。あるいはまた反射層3の表面
に、透明な樹脂の中にその樹脂と屈折率が異なる物質の
微粒子を分散させた光の反射層3を設ける方法が採用さ
れている。反射層3を設けることにより、反射層3の表
面で反射した光が微粒子により屈折されて放射されるの
で、全体として視角が広くなる効果を奏する。
【0005】従来、散乱層4の形成方法としては透明樹
脂と屈折率が異なる微粒子を樹脂中に混練して分散させ
たものを、スピンコーター法あるいはロールコート法等
により基板表面全面に塗布して硬化させた後、必要な部
分をパターニングして形成していた。あるいはまた画素
領域内のみに散乱層を形成する場合には、微粒子を混練
して分散させた樹脂をフェレキソ印刷法、スクリーン印
刷法、オフセット印刷法等を用いて塗布していた。
【0006】これらの方法では、図8に示すように散乱
層4の表面は微粒子に倣った凹凸が生じ、平滑面が得ら
れない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パターニング
により散乱層を形成する方法では、通常光硬化型の樹脂
を使用するため透明樹脂が黄色に着色してしまい。鮮明
な表示画面が得られない欠点がある。さらにパターニン
グ工程も煩雑である。また、フェレキソ印刷法、スクリ
ーン印刷法、オフセット印刷法等による場合には、微粒
子を均一に分散させることが困難であり、また樹脂層の
厚さを均一にすることも困難である。液晶表示装置では
透明樹脂層表面の平坦性が重要であるが、微粒子を分散
させて光を散乱させる方法では、平滑な表面が得られ難
く高品質の表示画面が得られない欠点がある
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するためになされたものであって、少なくとも一方の
基板上に透明樹脂からなる散乱層が形成されており、該
散乱層はインクジェット方式により噴出可能な透明樹脂
中に、該透明樹脂と屈折率が互いに異なる物質を少なく
とも1種以上含んでいることを特徴とする。本発明では
屈折率が異なる物質とは別に、透明樹脂層をインクジェ
ット方式により形成することにより、基板表面に屈折率
が異なる物質を均一に分散させることができるので、反
射ムラのない高品質の表示画面が得られる利点を有す
る。
【0009】また、本発明は基板上に透明樹脂から成る
散乱層が形成されており、該散乱層は互いの屈折率の異
なる2種類の透明樹脂からなり、第1の樹脂の基地中に
第2の樹脂が微細粒子となって分散していることを特徴
とする。本発明では散乱層中に屈折率の異なる微細粒子
が均一に分散しており、散乱層の表面の平坦性も優れた
ものとなるので、反射ムラのない鮮明な表示画面が得ら
れる利点を有する。
【0010】さらに、本発明は基板上に透明樹脂から成
る散乱層が形成されており、該散乱層は互いの屈折率の
異なる2種類の透明樹脂からなり、前記反射層の表面に
第2の樹脂が粒子状ないしは半粒子状になって分散して
おり、該第2の樹脂の粒子ないしは半粒子の表面を透明
な第1の樹脂が覆っていることを特徴とする。本発明で
は屈折率の異なる樹脂の表面が粒子状ないしは半粒子状
をなし、しかも散乱層の表面は平坦性に優れているので
屈折した光が均等に放射され、どの方向から見ても鮮明
な表示画面が得られる利点を有する。
【0011】上記各発明において、散乱層はカラーフィ
ルターを兼ねることができる。カラーフィルターにした
場合でも反射ムラのない鮮明なカラー表示画面が得られ
る利点を有する。
【0012】本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板
上に微粒子を散布した後、インクジェット方式を使用し
て該微粒子と屈折率が異なる透明樹脂を噴射し、該微粒
子の上に透明樹脂層を形成する方法である。微粒子の散
布と透明樹脂層の形成を別々に行うことにより、微粒子
の散布を均一に行うことができ、透明樹脂層の厚さも均
一で表面を平坦化することが可能となる。
【0013】また、基板上にインクジェット方式を使用
して少なくとも2種以上の屈折率の異なる透明樹脂を噴
射し、該2種以上の透明樹脂をエマルジョン状に縣濁さ
せて固化させ、透明樹脂層中に屈折率の異なる部分を形
成する方法である。この方法によれば、屈折率の異なる
透明樹脂を透明樹脂層中に均一に分散させることができ
る。特に、この方法によれば液晶表示装置の画素の部分
のみに選択的に散乱層を形成することができ、工程が簡
略化できる利点を有する。
【0014】さらに、基板上にインクジェット方式を使
用して第1の透明樹脂を噴射して固化させて第1の透明
樹脂の液滴の粒子ないしは半粒子を形成した後、該第1
の透明樹脂の上にインクジェット方式を使用して互いに
屈折率の異なる第2の透明樹脂を噴射して第2の透明樹
脂層を形成する方法である。この方法によれば、屈折率
の異なる透明樹脂が粒状ないしは半粒状をなして透明樹
脂層中に均一に分布させることができる。特に、この方
法によれば屈折率の異なる部分の表面が球面に近いた
め、良好な散乱効果が得られる。
【0015】また、液晶表示装置の画素の部分のみに選
択的に散乱層を形成することができるので、工程が簡略
化できる利点を有する。さらに、基板上に金属薄膜から
なる反射層を形成し、該反射層表面に前記記載の2種類
以上の屈折率の異なる樹脂からなる透明樹脂層を形成す
る方法である。
【0016】この方法によれば、金属薄膜からなる反射
層の範囲内に散乱層を形成することが容易になり工程を
簡略化することができる。
【0017】また、本発明の電子機器は、前記記載の本
発明の液晶表示装置を具備したことを特徴とする。本発
明の液晶表示装置は、散乱層の形成にあたってフォトレ
ジストを使用したパターニングを行わないので、散乱層
が着色することはなく、鮮明な表示画面が得られる利点
を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で使用する基板は、ガラ
ス、樹脂、樹脂フィルム又は金属等からなるものであ
る。基板の表面に光を反射させるための金属薄膜を形成
する。あるいは又基板の表面に誘電体薄膜又は金属薄膜
と誘電体薄膜の積層膜が形成されていても構わない。金
属薄膜は光反射率の高い金属、例えば反射率90%のア
ルミニウムや反射率98%の銀が使用され、蒸着法やス
パッタ法などを利用して厚さ約500〜3000オング
ストロームの薄膜とする。透明樹脂層に分散させる微粒
子としては、無機物からなる微粒子であっても良く、又
有機ポリマーからなる微粒子であっても利用できる。
【0019】無機物からなる微粒子の例としては、立方
晶構造を有する微粒子、正方晶構造を有する微粒子ある
いは非晶質の微粒子等が使用できる。具体的には例えば
CaF2 、MgF2 、LaF3 、LiF2 、NaF等の
フッ素化合物が挙げられる。これらフッ素化合物の屈折
率はそれぞれ1.26,1.38,1.59,1.3
9,1.34である。また、有機ポリマーからなる微粒
子の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(ETFE)、ポリフルオロビニル(PVF)等の含フ
ッ素ポリマーが挙げられる。これら含フッ素ポリマーの
屈折率はそれぞれ1.35,1.35,1.40,1.
35である。
【0020】さらに、その他のポリマーにフッ素原子や
フッ化アルキル基を付加したものであっても良い。ま
た、これらフッ素化合物や含フッ素ポリマーの表面に適
当な表面処理を施した微粒子でも良い。表面処理の例と
しては、例えばSiO2 、ZrO2 、Al23 、Zn
O、透明樹脂、カップリング剤、又は界面活性剤等を表
面に塗布する処理が挙げられる。微粒子の粒径としては
可視光線の波長に近い0.7〜5μmが適当である。こ
れらの微粒子の形状には特に制限はなく、例えば球形、
円盤状、碁石状、多角形、菱形、正方板等任意の形状の
ものが使用できる。
【0021】上記微粒子を覆う透明樹脂としては、光透
過性が高く、液晶表示製造工程における熱処理や薬品処
理に十分耐える性質のものが望ましい。例えば、アクリ
ル樹脂(屈折率:1.47〜1.59)、エポキシ樹脂
(屈折率:1.56〜1.66)、ポリエステル樹脂
(屈折率:1.51〜1.57)、シリコン樹脂(屈折
率:1.35〜1.48)、ポリイミド樹脂(屈折率:
1.57〜1.69)等が挙げられる。これらの透明樹
脂のうち上記微粒子との組み合わせにおいて、互いに屈
折率の異なるものを選択して使用する。また、2種類以
上の樹脂を使用する場合には、上記の樹脂のうち互いに
屈折率の異なる2種類以上の樹脂を選択して使用する。
インクジェットで噴射させるためには樹脂の粘度が重要
であり、粘度は3〜50センチメートルポアズ(cP)
が適当である。
【0022】粘度を調整するにはメタノール、エタノー
ル、プロパノール等の脂肪属アルコール類、ジメチルケ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、グリコール
類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類、ア
ミド類等の有機溶剤を使用して調整する。
【0023】また、インクジェットで噴射して球形ない
しは半球形の微小な液滴を構成するためには表面張力が
重要であり、表面張力は20〜45程度が適当である。
適正な表面張力を有する樹脂としては、例えばポリエチ
レン(表面張力:31.0ダイン/cm)、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロエチレン−ヘキサ古プロ
ピレンフィルオロプロピレン(ETFE)(表面張力:
22.0ダイン/cm)等がある。
【0024】本発明で使用するインクジェット方式と
は、いわゆるインクジェットプリンターで良く知られて
いる印刷方法で、インクジェットヘッドから多数のイン
クの液滴を吐出させて定着させてインク層を形成するも
のである。本発明ではインクとして透明な樹脂を使用
し、基板上の所定の箇所にインクジェットヘッドから多
数の透明樹脂の液滴を吐出させて定着させ、透明樹脂層
を形成するものである。インクジェット方式によれば、
微細な領域に樹脂の液滴を正確に吐出できるので、フォ
トリソグラフィーを行うこと無しに、所定の領域に直接
樹脂を定着させることができる。従って、煩雑な工程の
繰り返しも無く、材料の無駄も発生せず、製造コストの
低減も図れるので非常に合理的な方法である。
【0025】この発明で用いるインクジェットヘッドの
構造の一例を図6及び図7に示す。当該インクジェット
ヘッド26は、図6に示すように例えばステンレス製の
ノズルプレート31と振動板32とを備え、両者は仕切
部材(リザーバープレート)33を介して接合されてい
る。ノズルプレート31と振動板32との間には仕切部
材33によって複数の空間34と液溜まり35とが形成
されている。各空間34と液溜まり35とは供給口36
を介して連通している。さらに、ノズルプレート31に
は空間34からインクを噴射するためのノズル孔37が
設けられている。一方、振動板32には液溜まり35に
インクを供給するための孔38が設けられている。
【0026】また、図6および図7に示すように振動板
32の空間34に対する面と反対側の面上には圧電素子
39が接合されている。この圧電素子39は一対の電極
29の間に位置し、通電すると圧電素子39が外側に突
出するように撓曲し、同時に圧電素子39が接合されて
いる振動板32も一体となって外側に撓曲する。これに
よって空間34の容積が増大する。従って、空間34内
に増大した容積分に相当するインクが液溜まり35から
供給口36を介して流入する。次に、圧電素子39への
通電を解除すると、圧電素子39と振動板32は共に元
の形状に戻る。これにより空間34も元の容積に戻るた
め、空間34内部のインクの圧力が上昇し、ノズル孔3
7から基板に向けてインクの液滴27が吐出される。本
発明では透明樹脂層をカラーフィルターとして使用する
ことができる。透明樹脂層をカラーフィルターとして使
用するには、透明樹脂中に着色料を混ぜたものを使用す
る。着色料としては従来から使用されているモノアゾ
系、ジスアゾ系、金属錯塩系、アントラキノン系、フタ
ロシアニン系、トリアリルメタン系、等の油性染料やカ
ーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛等の無
機顔料、ならびにモノアゾ系、ジスアゾ系、フタロシア
ニン系、キナクリドン系等の有機顔料が挙げられる。例
えば、液晶表示装置で多用される青(B)、緑(G)、
赤(R)用の着色料としてはそれぞれ(B)フタロシア
ニンブルー、(G)フタロシアニングリーン及び(R)
ブルリリアントカーミンが挙げられる。
【0027】以下、図面に従って本発明の実施の形態を
説明する。
【0028】(第1の実施形態)図2は本発明の第1の
実施形態に係わる散乱層の構造を示す図である。図2に
おいて符号1は基板であり、ガラス、樹脂、樹脂フィル
ム又は金属などの基板が利用できる。基板1の表面には
アルミニウム、銀、ニッケル、チタン又はクロム等の光
反射率の高い金属薄膜からなる反射層3が形成されてい
る。基板1の表面には金属薄膜のほかに誘電体薄膜など
を積層したものであっても良い。反射層3の表面には光
を散乱させるための散乱層4が形成してある。散乱層4
は、反射層3の表面にあらかじめ散布した微粒子42
と、微粒子42を覆うようにしてインクジェット方式で
噴射した透明樹脂41の層から成っている。
【0029】微粒子42はインクジェット方式で噴射す
る透明樹脂41と屈折率が異なっていれば良く、粒径は
0.7〜5μm程度が好適である。材質は無機質でも有
機質でも構わない。また、微粒子の形状にも特に制約は
ない。
【0030】微粒子42の散布方法は、溶剤中に微粒子
を分散させて噴霧したり、あるいはまた微粒子に静電気
を帯電させて散布し、互いに分散させる方法等を利用す
ることができる。
【0031】次に微粒子を散布した基板の表面にインク
ジェット方式を使用して硬化型の透明樹脂を噴射する。
透明樹脂の噴射領域は有効表示領域内とするのが良い。
画素領域以外の例えば引き廻し配線部分に光の散乱層を
設けると、その部分も輝いて認識されるので鮮明な表示
画面にならないからである。また、対向する基板を接合
するシール剤部に散乱層を形成すると、表示装置の信頼
性が低下してしまうからである。インクジェット方式で
噴射された透明樹脂41は、微粒子42の表面に拡散
し、表面が滑らかな散乱層4を形成する。透明樹脂41
が硬化した後、散乱層4の表面に液晶を駆動させるため
の電極を形成する。電極はITO等の透明導電体で形成
する。電極は対向する2枚の基板で互いに直交する方向
に形成する。
【0032】最後に2枚の基板の対向する面に配向膜を
塗布しラビング処理を施した後、2枚の基板を封止材を
用いて微小間隔を保って貼り合わせ、2枚の基板の間の
空間に液晶物質を封じ込んで液晶表示装置とする。
【0033】2枚の対向する基板のいずれか一方に本実
施形態の散乱層が形成されていれば、視野角の広い視差
のない反射型液晶表示装置が得られる。
【0034】本例においては、パッシブマトリクス駆動
の液晶表示装置について説明したが、アクティブマトリ
クス駆動の液晶表示装置であっても構わない。
【0035】(第2の実施形態)図3は本発明の第2の
実施形態に係わる散乱層の構造とその形成方法の概略を
示す図である。図3においては第1の実施形態と同様
に、基板1の表面に反射層3と散乱層4が形成されてい
る。散乱層4は互いに屈折率の異なる2種以上の透明樹
脂41,43からなり、第1の透明樹脂41の基地中に
第2の透明樹脂43の液滴がエマルジョン状に均一分散
した形態をなしている。そして散乱層4の表面は平坦に
なっている。本実施形態では第1の透明樹脂41と第2
の透明樹脂43とは、互いに屈折率が異なり、かつ層分
離を起こし易い樹脂を選択して形成する。第1の透明樹
脂は、熱硬化型あるいは光硬化型のいづれでも良いが、
熱硬化型の樹脂が好ましい。このような第1の透明樹脂
の例としては、アクリル系モノマーやエポキシ系モノマ
ーが使用できる。第2の透明樹脂は、第1の透明樹脂と
屈折率が異なるフッ素系モノマーやシリコン系モノマー
が利用できる。アクリル系モノマーの屈折率はおおむね
1.48〜1.59程度であり、エポキシ系モノマーの
屈折率はおおむね1.60〜1.64程度である。これ
に対してフッ素系モノマーの屈折率はおおむね1.33
〜1.60程度であり、シリコン系モノマーの屈折率は
おおむね1.35〜1.48程度である。
【0036】本実施形態を行うにあたっては、基板をホ
ットプレート上に保持したりあるいは赤外線ランプで加
熱しながら、インクジェットヘッド26を使用して第1
の樹脂41を噴射し、同時に別のインクジェットヘッド
(図示省略)を使用して第2の樹脂43を噴射して、両
者が完全に混ざり合う前に固化させて散乱層4を得る。
このようにすることにより、第2の透明樹脂43がエマ
ルジョン状になって層分離がより起き易くなり、より好
ましい光屈折特性が得られる。散乱層4を形成した後、
第1の実施形態と同様にして散乱層表面に電極を形成
し、2枚の基板に配向膜を塗布してラビング処理し、2
枚の基板を張り合わせて液晶を封入して液晶表示装置を
得る。
【0037】本例においては、パッシブマトリクス駆動
の液晶表示装置について説明したが、アクティブマトリ
クス駆動の液晶表示装置であっても構わない。
【0038】(第3の実施形態)図4は本発明の第3の
実施形態に係わる散乱層の構造と形成方法の概略を示す
図である。図4においては、第2の実施形態と同様に基
板1の表面には反射層3と散乱層4が形成されている。
散乱層4は互いに屈折率の異なる2種以上の透明樹脂4
1,43からなり、反射層3の表面に第2の透明樹脂4
3の液滴が粒子状ないしは半粒子状をなして固化してい
る。そしてこの粒子状ないしは半粒子状の第2の透明樹
脂43の表面を、第1の透明樹脂層41が覆った形態を
なしている。
【0039】この第3の実施形態を実施するにあたって
は、第2の透明樹脂として表面張力の大きな樹脂を選択
し、インクジェットヘッドを使用して噴射した後容易に
粒子状ないしは半粒子状となって固化するものが好まし
い。表面張力の大きな第2の透明樹脂としては、例えば
ポリエチレン(表面張力:31.0ダイン/cm)やテ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(E
TFE)(表面張力:22.0ダイン/cm)等が利用
できる。
【0040】第2の透明樹脂43が固化した後、他のイ
ンクジェットヘッド26’を使用して第1の透明樹脂4
1を第2の透明樹脂43の上に噴射することにより、表
面が平坦な散乱層4を得ることができる。
【0041】第2の透明樹脂43は第1の透明樹脂41
屈折率が異なり、かつ表面が球面に近いことから、光が
各方向に均一に屈折する散乱層が得られる利点がある。
【0042】(第4の実施形態)図5は本発明の第4の
実施形態に係わる散乱層の構造を示す図であり、カラー
フィルターを備えた例を示している。図5においては基
板1の表面に反射層3が配置され、反射層3の表面に一
定の間隔をあけてストライプ状の仕切パターン15が形
成されている。仕切パターン15は表示にコントラスト
を付けるためのブラックマスクとなるものである。各仕
切パターン15の間が画素となり、各画素には第1の透
明樹脂41と第2の透明樹脂43からなる散乱層4が形
成されている。さらに散乱層4の中にはカラーフィルタ
ー16が設けられている。なお、第2の透明樹脂43に
代えて透明な微粒子を用いても良い。このような構造と
することにより、カラーフィルター機能を兼ね備えた散
乱層4が得られ、鮮明なカラー表示画面となる。上記の
カラーフィルターを備えた散乱層を有する液晶表示装置
の製造方法について説明する。ガラス製の基板1の表面
には、第1の実施形態と同様にアルミニウム等からなる
反射層3が形成されている。この反射層3が形成された
基板の表面にレジスト法によりシリコン樹脂からなる線
幅20μm、ピッチ110μm、厚さ5μmの仕切パタ
ーン15を形成する。次に、インクジェット方式を使用
して各仕切パターン15の間に、シリコン系モノマーか
らなる第2の透明樹脂43(光屈折率:1.42、表面
張力:28ダイン/cm)を液滴にして噴射して固化さ
せる。
【0043】次にカラーフィルター用のインキとして、
ポリビニルピロリドン8重量部、ジエチルグリコール1
重量部、分散剤1重量部、エタノール10重量部、イオ
ン交換水75重量部に着色顔料8重量部を混合し、ボー
ルミルで24時間混練分散させた後、0.5ミクロンメ
ンブランフィルターを用いて濾過したものを準備する。
着色顔料としては、例えば青(B)用としてフタロシア
ニンブルー、緑(G)用としてフタロシアニングリー
ン、赤(R)用としてブリリアントカーミンを使用す
る。上記のように調製したB、G、R用インクをそれぞ
れ別のインクジェッヘッドに充填し、所定のB、G、R
の画素位置の前記液滴状のシリコン系モノマーの表面に
噴射し、カラーフィルター16を形成する。次いで、こ
のカラーフィルターの表面に、インクジェット方式装置
を使用してアクリル系モノマーからなる第1の樹脂41
(光屈折率:1.51)を噴射して散乱層4を形成す
る。散乱層を形成した後、第1の実施形態と同様にして
散乱層表面に電極を形成し、2枚の基板に配向膜を塗布
してラビング処理し、2枚の基板を張り合わせて液晶を
封入して、カラー液晶表示装置を得る。上記のようにし
て得られたカラー液晶表示装置は、有効表示領域部分に
のみ効果的な散乱層を有しているので、コントラストの
強い鮮明なカラー表示画面となる。また本実施形態の製
造方法によれば、インクジェット方式を使用して必要な
箇所のみにカラーフィルターや散乱層を構成する樹脂を
噴射するので、煩雑な工程の繰り返しも無く、材料の無
駄も発生せず、製造コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の液晶装置を使用した電子機器の具体例に
ついて説明する。
【0044】本発明の液晶表示装置を使用した電子機器
の例を図9〜図11にに示す。
【0045】図9は携帯電話の例を示す斜視図である。
符号1000は携帯電話本体を示し、そのうち符号10
01は本発明の液晶表示装置を用いた液晶表示部であ
る。図10は腕時計型電子機器の例を示す斜視図であ
る。1100は時計本体を示し、1101が本発明の液
晶表示装置を用いた液晶表示部である。図11はワープ
ロ、パソコン等の携帯型情報処理装置の例を示す斜視図
である。図11において1200は情報処理装置本体を
示し、1202はキーボード等の入力部、1204は情
報処理装置、1206は本発明の液晶表示装置を用いた
液晶表示部である。
【0046】図9から図11に示すこれらの電子機器
は、上記の本発明による液晶表示装置を備えたものなの
で、視野角が広くてムラが無く、コントラストの強い鮮
明な表示画面を有するものである。
【0047】本例においては、パッシブマトリクス駆動
の液晶表示装置について説明したが、アクティブマトリ
クス駆動の液晶表示装置であっても構わない。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、微細粒子が均一に分布
した散乱層を実現できるので反射ムラのない液晶表示装
置とすることができる。また、本発明によれば、透明樹
脂層の厚さを均一にすることができ、透明樹脂層の表面
を平坦化できるきるので、高品質の表示画像を有する液
晶表示装置とすることができる。
【0049】また本発明によれば、無着色の散乱層が得
られ、鮮明な表示画像を有する液晶表示装置とすること
ができる。
【0050】さらに、本発明によれば、画素領域の必要
な部分にのみ散乱層を形成することが可能となり、煩雑
な工程の繰り返しも無く、材料の無駄も発生せず、製造
コストの低減も図れるので経済的効果も計り知れないも
のがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液晶表示装置の断面構造を説明する図であ
る。
【図2】 本発明の第1の実施形態の散乱層の構造を示
す図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態の散乱層の構造を示
す図である。
【図4】 本発明の第3の実施形態の散乱層の構造を示
す図である。
【図5】 本発明の第4の実施形態の散乱層の構造を示
す図である。
【図6】 本発明の散乱層の形成方法で使用するインク
ジェットヘッドの構造を示す斜視図である。
【図7】 本発明の散乱層の形成方法で使用するインク
ジェットヘッドの構造を示す断面図である。
【図8】 従来の散乱層の構造を示す図である。
【図9】 本発明の液晶表示装置を使用した電子機器の
一例を示す斜視図である。
【図10】 本発明の液晶表示装置を使用した電子機器
の他の例を示す斜視図である。
【図11】 本発明の液晶表示装置を使用した電子機器
のさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2・・・・・基板 3・・・・・反射層 4・・・・・散乱層 5,6・・・・・電極 7・・・・・液晶層 8・・・・・封止材 10・・・・・液晶表示パネル 15・・・・・仕切パターン 16・・・・・カラーフィルター 26・・・・・インクジェットヘッド 27・・・・・インクの液滴 29・・・・・電極 31・・・・・ノズルプレート 32・・・・・振動板 33・・・・・仕切部材 34・・・・・空間 35・・・・・液溜まり 36・・・・・・供給口 37・・・・・ノズル孔 39・・・・・圧電素子 41・・・・・第1の透明樹脂層 42・・・・・微粒子 43・・・・・第2の透明樹脂 1000・・・・・携帯電話本体 1100・・・・・腕時計本体 1200・・・・・情報処理装置本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧澤 圭二 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H048 BA02 BA11 BA64 BB02 BB10 BB14 BB28 BB43 2H091 FA02Y FA16Y FB02 FB08 FB12 FC12 FD04 FD05 KA01 LA18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に液晶を保持し、各基板の
    対向する面にはそれぞれ電極が形成されており、そのう
    ち少なくとも一方の基板の電極と基板の間に透明樹脂か
    ら成る散乱層が形成されており、該散乱層はインクジェ
    ット方式により噴出可能な透明樹脂中に、該樹脂と屈折
    率が互いに異なる物質を少なくとも1種以上含むもので
    あることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 一対の基板間に液晶を保持し、各基板の
    対向する面にはそれぞれ電極が形成されており、そのう
    ち少なくとも一方の基板の電極と基板の間に透明樹脂か
    ら成る散乱層が形成されており、該散乱層は互いの屈折
    率の異なる2種類以上の透明樹脂からなり、第1の樹脂
    の基地中に第2の樹脂が微細粒子となって分散している
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 一対の基板間に液晶を保持し、各基板の
    対向する面にはそれぞれ電極が形成されており、そのう
    ち少なくとも一方の基板の電極と基板の間に透明樹脂か
    ら成る散乱層が形成されており、該散乱層は互いの屈折
    率の異なる2種類以上の透明樹脂からなり、前記反射層
    の表面に第2の樹脂が粒子状ないしは半粒子状になって
    分散しており、該第2の樹脂の粒子ないしは半粒子の表
    面を第1の樹脂が覆っていることを特徴とする液晶表示
    装置。
  4. 【請求項4】 散乱層がカラーフィルターをなしている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記
    載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 基板上に微粒子を散布した後、インクジ
    ェット方式を使用して透明樹脂を噴射し、該微粒子の上
    に透明樹脂層を形成することを特徴とする液晶表示装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板上にインクジェット方式を使用して
    少なくとも2種以上の屈折率の異なる透明樹脂を噴射
    し、該2種以上の透明樹脂をエマルジョン状に縣濁させ
    て固化させて透明樹脂層中に屈折率の異なる部分を形成
    することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上にインクジェット方式を使用して
    第1の透明樹脂を噴射して固化させて第1の透明樹脂の
    液滴の粒子ないしは半粒子を形成した後、該第1の透明
    樹脂の上にインクジェット方式を使用して互いに屈折率
    の異なる第2の透明樹脂を噴射して第2の透明樹脂層を
    形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板上に金属薄膜を形成し、該金属薄膜
    表面に請求項5から請求項7に記載の製造方法を用いて
    樹脂層を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の液晶表示装置を具備したことを特徴とする電子機
    器。
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