JP2001194523A - 光学フィルター及びこれを用いたディスプレイパネル - Google Patents

光学フィルター及びこれを用いたディスプレイパネル

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JP2001194523A
JP2001194523A JP2000006366A JP2000006366A JP2001194523A JP 2001194523 A JP2001194523 A JP 2001194523A JP 2000006366 A JP2000006366 A JP 2000006366A JP 2000006366 A JP2000006366 A JP 2000006366A JP 2001194523 A JP2001194523 A JP 2001194523A
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JP2000006366A
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Ryuta Suzuki
龍太 鈴木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像表示装置から放出される電磁波及び赤外
線を低減し、表示色をきれいにする光学フィルター及び
これを用いたディスプレイパネルを提供すること。 【解決手段】 透明支持体上に透明酸化物層と金属層を
両者合わせて2層以上交互に積み上げた積層部分と色素
を含んだ可視光吸収層を形成したことを特徴とする光学
フィルター及びこれを用いたディスプレイパネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明支持体および
凹凸層を有する光学フィルターに関する。特に、本発明
はプラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装
置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ
(ELD)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのよ
うな画像表示装置に、外光の映り込み防止のため取り付
けられる光学フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PD
P)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセ
ンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CR
T)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画
像表示装置は、もともと画面がフラットであったり、フ
ラットパネル化が進んだりしている。フラットパネル化
することにより画面端部の歪みは低減するが画面表面で
の外光の映りこみは依然として問題であり、大画面化で
さらに問題が拡大している。また、これら表示装置は
赤、青、緑の三原色の光の組み合わせでカラー画像を表
示する。しかし、表示のための光を理想的な三原色にす
ることは、非常に難しい(実質的には不可能である)。
例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)では、
三原色蛍光体からの発光に余分な光(波長が500乃至
620nmの範囲)が含まれていることが知られてい
る。そこで、表示色の色バランスを補正するため特定の
波長の光を吸収するフィルターを用いて、色補正を行う
ことが提案されている。フィルターによる色補正につい
ては、特開昭58−153904号、同61−1885
01号、特開平3−231988号、同5−20564
3号、同9−145918号、同9−306366号、
同10−26704号の各公報に記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画像
表示装置から放出される電磁波、赤外光強度を低減し、
色純度を改善できる光学フィルターを提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(4)の光学フィルターおよび下記(5)、
(6)のプラズマディスプレイパネルにより達成され
た。 (1)透明支持体上に透明酸化物層と金属層を両者合わ
せて2層以上交互に積み上げた積層部分と色素を含んだ
可視光吸収層を形成したことを特徴とする光学フィルタ
ー。 (2)色素が、シアニン色素である(1)に記載の光学
フィルター。 (3)可視光吸収層が、560nm乃至620nmの波
長領域に吸収極大を有し、該層が色素とラテックスを含
む液を塗布して形成されることを特徴とする請求項1又
は2に記載の光学フィルター。 (4)金属層が金、銀、銅、白金、ロジウム、イリジウ
ム、パラジウム、から選ばれる1種もしくは2種以上の
合金であることを特徴とする(1)〜(3)に記載の光
学フィルター。 (5)光学フィルターを取り付けたディスプレイ表面を
有するプラズマディスプレイパネルであって、該光学フ
ィルターが透明支持体上に透明酸化物層と金属層を両者
合わせて2層以上交互に積み上げた積層部分と色素を含
んだ可視光吸収層を有することを特徴とするプラズマデ
ィスプレイパネル。 (6)プラズマディスプレイに前面板が設けられておら
ず、光学フィルターがディスプレイ表面に直接貼り付け
られている(5)に記載のプラズマディスプレイパネ
ル。
【0005】
【発明の実施の形態】
【0006】本発明の光学フィルターは金属層を有す
る。金属層の表面抵抗は0.01乃至500Ω/□であ
ることが好ましく、0.01乃至10Ω/□であること
がさらに好ましく0.01Ω/□乃至3Ω/□であること
が最も好ましい。光学フィルターに設ける層であるた
め、透明であることが好ましい。金属薄膜の金属として
は、貴金属金、銀、銅、白金、ロジウム、イリジウム、
パラジウム、から選ばれる1種もしくは2種以上の合金
が好ましく、パラジウムと銀との合金が特に好ましい。
合金中の銀の含有率は、60重量%以上であることが好
ましい。金属酸化物薄膜の金属酸化物としては、TiO
2、SnO2 、ZnO、ITOおよびIn23 が好まし
い。本発明においては金属層と金属酸化物層とを積層す
ることが求められる。両者を積層すると、金属酸化物層
により金属層を保護(酸化防止)し、可視光の透過率を
高くすることができる。金属層と積層するための金属酸
化物としては、2〜4価の金属酸化物(例、酸化ジルコ
ニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム)が好ましい。また、金属アルコキサ
イド化合物の薄膜も、金属薄膜と積層することができ
る。金属酸化物または金属アルコキサイド化合物の層
は、金属層の両側に積層することができる。金属層の両
側に積層する場合、異なる種類の層を用いてもよい。金
属層の厚さは、4乃至40nmであることが好ましく、
5乃至35nmであることがさらに好ましく、6乃至3
0nmであることが最も好ましい。金属酸化物または金
属アルコキサイド化合物層の厚さは、20乃至300n
mであることが好ましく、40乃至100nmであるこ
とがさらに好ましい。 金属層は、スパッタリング法、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD
法、プラズマPVD法あるいは金属または金属酸化物の
超微粒子塗布により形成することができる。
【0007】光学フィルターに赤外遮蔽効果を有する層
(赤外線遮蔽層)を設けることができる。赤外線遮蔽層
は、800乃至1200nmの波長の近赤外線に対して
遮蔽効果を有することが好ましい。赤外線遮蔽層は、樹
脂混合物により形成することができる。樹脂混合物中の
赤外線遮蔽性成分としては、銅(特開平6−11822
8号公報記載)、銅化合物またはリン化合物(特開昭6
2−5190号公報記載)、銅化合物またはチオ尿素化
合物(特開平6−73197号公報記載)あるいはタン
グステン化合物(米国特許3,647,772号明細書記
載)を用いることができる。赤外線遮蔽層を設ける代わ
りに、樹脂混合物を透明支持体に添加してもよい。な
お、電磁波遮蔽層として説明した銀層は、赤外線遮蔽効
果も有する。
【0008】本発明の光学フィルターには、特定の波長
の光を選択的に吸収する光吸収層が設けられている。光
吸収層は、560乃至620nmの波長領域に吸収極大
(透過率の極小)を有していることが好ましい。吸収極
大は、570乃至600nmの波長領域にあることがさ
らに好ましく、580乃至600nmの波長領域にある
ことが最も好ましい。吸収極大における透過率は、0.
01乃至90%であることが好ましく、0.1乃至70
%であることがさらに好ましい。吸収極大の波長は、光
を照射することにより移動させることもできる。
【0009】光学フィルターは、560乃至620nm
の波長領域における吸収極大に加えて、500乃至55
0nmの波長領域にも吸収極大を有していてもよい。5
00乃至550nmの波長領域の吸収極大における透過
率は、20乃至85%であることが好ましい。500乃
至550nmの波長領域の吸収極大は、視感度が高い緑
の蛍光体の発光強度を調整するために設定される。緑の
蛍光体の発光域は、なだらかにカットすることが好まし
い。500乃至550nmの波長領域の吸収極大での半
値幅(吸収極大での吸光度の半分の吸光度を示す波長領
域の幅)は、30乃至300nmであることが好まし
く、40乃至300nmであることがより好ましく、5
0乃至150nmであることがさらに好ましく、60乃
至150nmであることが最も好ましい。
【0010】560乃至620nmの波長領域における
吸収極大は、なるべく緑の蛍光体の発光に影響を与えな
いよう選択的に光をカットするため吸収スペクトルのピ
ークをシャープにすることが好ましい。560乃至62
0nmの波長領域における吸収極大での半値幅は、5乃
至70nmであることが好ましく、10乃至50nmで
あることがさらに好ましく、10乃至30nmであるこ
とが最も好ましい。
【0011】光吸収層に上記の吸収スペクトルを付与す
るためには、色素(染料または顔料)を用いることが好
ましい。500乃至550nmの波長領域に吸収極大を
持つ色素としては、スクアリリウム染料、アゾメチン染
料、シアニン染料、オキソノール染料、アントラキノン
染料、アゾ染料、ベンジリデン染料あるいはそれらをレ
ーキ化した顔料が好ましく用いられる。500乃至55
0nmの波長領域に吸収極大を持つ染料の例を以下に示
す。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】560乃至620nmの波長領域に吸収極
大を持つ色素としては、シアニン染料、スクアリリウム
染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、オキソノール
染料、アゾ染料あるいはそれらをレーキ化した顔料が好
ましく用いられる。560乃至620nmの波長領域に
吸収極大を持つ染料の例を以下に示す。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】光吸収層には、2種類以上の色素を組み合
わせて用いることができる。光吸収層の厚さは、0.1
μm乃至5cmであることが好ましく、0.5μm乃至
100μmであることがさらに好ましく、1μm乃至1
5μmであることが最も好ましい。
【0021】光吸収層は、色素単独でも形成可能だが、
色素の安定性および反射率特性の制御のためポリマーバ
インダーを含むことができる。
【0022】本発明のマトリクスとしてはゼラチンが好
ましいが、そのほかにアクリル系、ウレタン系、SBR
系、オレフィン系、塩化ビニリデン系、酢酸ビニル系、
ポリエステル系、またはこれらの共重合体が好ましく用
いられる。ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分か
れしたポリマーでも、また架橋されたポリマーでも良
い。またポリマーとしては単一のモノマーが重合したい
わゆるホモポリマーでも良いし、2種以上のモノマーが
重合したコポリマー でも良い。コポリマーの場合はラ
ンダムコポリマーでもブロックコポリマーでも良い。ポ
リマーの分子量は数平均分子量で5000〜10000
00、好ましくは10000〜100000程度が好ま
しい。分子量が小さすぎるものは膜強度が不十分であ
り、大きすぎるものは製膜性が悪く好ましくない。
【0023】本発明で使用できる高分子ラテックスの具
体例としては以下のようなものがある。メチルメタクリ
レート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー
のラテックス、メチルメタクリレート/2-エチルヘキシ
ルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーのラ
テックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベン
ゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメ
タクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラ
テックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アク
リロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスな
ど。また、このようなポリマーは市販もされていて、以
下のようなポリマーが利用できる。
【0024】光吸収層に、褪色防止剤を添加してもよ
い。染料の安定化剤として機能する褪色防止剤の例に
は、ハイドロキノン誘導体(米国特許3935016
号、同3982944号の各明細書記載)、ハイドロキ
ノンジエーテル誘導体(米国特許4254216号明細
書および特開昭55−21004号公報記載)、フェノ
ール誘導体(特開昭54−145530号公報記載)、
スピロインダンまたはメチレンジオキシベンゼンの誘導
体(英国特許公開2077455号、同2062888
号の各明細書および特開昭61−90155号公報記
載)、クロマン、スピロクロマンまたはクマランの誘導
体(米国特許3432300号、同3573050号、
同3574627号、同3764337号の各明細書お
よび特開昭52−152225号、同53−20327
号、同53−17729号、同61−90156号の各
公報記載)、ハイドロキノンモノエーテルまたはパラア
ミノフェノールの誘導体(英国特許1347556号、
同2066975号の各明細書および特公昭54−12
337号、特開昭55−6321号の各公報記載)およ
びビスフェノール誘導体(米国特許3700455号明
細書および特公昭48−31625号公報記載)が含ま
れる。
【0025】光あるいは熱に対する色素の安定性を向上
させるため、金属錯体(米国特許4245018号明細
書および特開昭60−97353号公報記載)を褪色防
止剤として用いてもよい。さらに色素の耐光性を改良す
るために、一重項酸素クエンチャーを褪色防止剤として
用いてもよい。一重項酸素クエンチャーの例には、ニト
ロソ化合物(特開平2−300288号公報記載)、ジ
インモニウム化合物(米国特許465612号明細書記
載)、ニッケル錯体(特開平4−146189号公報記
載)および酸化防止剤(欧州特許公開820057A1
号明細書記載)が含まれる。
【0026】透明支持体を形成する材料の例には、セル
ロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルロ
ーストリアセテート、セルロースプロピオネート、セル
ロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースニトレート)、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタ
ン−4,4’−ジカルボキシレート)、ポリスチレン
(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフ
ィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン)、ポリ(メタ)アクリレート(例、ポリメチ
ルメタクリレート)、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよび
ポリオキシエチレンが含まれる。セルロースアセテー
ト、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレ
ートが好ましい。透明支持体の透過率は80%以上であ
ることが好ましく、86%以上であることがさらに好ま
しい。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%
以下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45
乃至1.70であることが好ましい。
【0027】透明支持体に、赤外線吸収剤あるいは紫外
線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、
透明支持体の0.01乃至20質量%であることが好ま
しく、0.05乃至10質量%であることがさらに好ま
しい。さらに滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を
透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、S
iO2 、TiO2 、BaSO4 、CaCO3 、タルクお
よびカオリンが含まれる。
【0028】透明支持体には、その上に設ける層(例、
下塗り層)との接着性をより強固にするために表面処理
を施すことが好ましい。表面処理の例には、薬品処理、
機械的処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれ
る。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理
および火炎処理が好ましく、コロナ放電処理がさらに好
ましい。
【0029】透明支持体と光吸収層との間に、下塗り層
を設けることが好ましい。下塗り層は、ガラス転移温度
が25℃以下のポリマーを含む層、光吸収層側の表面が
粗面である層または光吸収層のポリマーと親和性を有す
るポリマーを含む層として形成する。なお、光吸収層が
設けられていない透明支持体の面に下塗り層を設けて、
透明支持体とその上に設けられる層(例えば、反射防止
層、ハードコート層)との接着力を改善してもよい。ま
た、下塗り層は、光学フィルターと画像形成装置とを接
着するための接着剤と光学フィルターとの親和性を改善
するために設けてもよい。下塗り層の厚みは、20乃至
1000nmが好ましく、80乃至300nmがより好
ましい。ガラス転移温度が25℃以下のポリマーを含む
下塗り層は、ポリマーの粘着性で、透明支持体と光吸収
層とを接着する。ガラス転移温度が25℃以下のポリマ
ーは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタ
ジエン、ネオプレン、スチレン、クロロプレン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリ
ルまたはメチルビニルエーテルの重合または共重合によ
り得ることができる。ガラス転移温度は、20℃以下で
あることが好ましく、15℃以下であることがより好ま
しく、10℃以下であることがさらに好ましく、5℃以
下であることがさらにまた好ましく、0℃以下であるこ
とが最も好ましい。表面が粗面である下塗り層は、粗面
の上に光吸収層を形成することで、透明支持体と光吸収
層とを接着する。表面が粗面である下塗り層は、高分子
ラテックスの塗布により容易に形成することができる。
ラテックスの平均粒径は、0.02乃至3μmであるこ
とが好ましく、0.05乃至1μmであることがさらに
好ましい。光吸収層のバインダーポリマーと親和性を有
するポリマーの例には、アクリル樹脂、セルロース誘導
体、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、ポリビニルアルコ
ール、可溶性ナイロンおよび高分子ラテックスが含まれ
る。二以上の下塗り層を設けてもよい。下塗り層には、
透明支持体を膨潤させる溶剤、マット剤、界面活性剤、
帯電防止剤、塗布助剤や硬膜剤を添加してもよい。
【0030】光学フィルターには、反射防止層を設ける
ことができる。反射防止層を設けた光学フィルターの反
射率(正反射率)は、3.0%以下であることが好まし
く、1.8%以下であることがさらにこのましい。反射
防止層としては、通常低屈折率層を設ける。低屈折率層
は、その下に設ける層の屈折率よりも低い屈折率を有す
る。低屈折率層の屈折率は、1.20乃至1.55であ
ることが好ましく、1.20乃至1.50であることが
さらに好ましい。低屈折率層の厚さは、50乃至400
nmであることが好ましく、50乃至200nmである
ことがさらに好ましい。低屈折率層の例には、屈折率の
低い含フッ素ポリマーからなる層(特開昭57−345
26号、特開平3−130103号、同6−11502
3号、同8−313702号、同7−168004号の
各公報記載)、ゾルゲル法により得られる層(特開平5
−208811号、同6−299091号、同7−16
8003号の各公報記載)、あるいは微粒子を含む層
(特公昭60−59250号、特開平5−13021
号、同6−56478号、同7−92306号、同9−
288201号の各公報に記載)が含まれる。微粒子を
含む層では、微粒子間または微粒子内のミクロボイドと
して、低屈折率層に空隙を形成することができる。微粒
子を含む層は、3乃至50体積%の空隙率を有すること
が好ましく、5乃至35体積%の空隙率を有することが
さらに好ましい。
【0031】広い波長領域の反射を防止するためには、
低屈折率層に、屈折率の高い層(中・高屈折率層)を積
層することが好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.6
5乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至
2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈
折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との
中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率
は、1.50乃至1.90であることが好ましい。中・
高屈折率層の厚さは、5乃至100μmであることが好
ましく、10nm乃至10μmであることがさらに好ま
しく、30乃至1μmであることが最も好ましい。中・
高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好まし
く、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下で
あることが最も好ましい。中・高屈折率層は、比較的高
い屈折率を有するポリマーを用いて形成することができ
る。屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、ス
チレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または
芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られ
るポリウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複
素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外の
ハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率
が高い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にした
モノマーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0032】さらに高い屈折率を得るため、ポリマーバ
インダー中に無機微粒子を分散してもよい。無機微粒子
の屈折率は、1.80乃至2.80であることが好まし
い。無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成
することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例に
は、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの
混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化
インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜
鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウ
ムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化
物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むこ
とができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最
も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の
例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、
Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、S
i、PおよびSが含まれる。被膜形成性で溶剤に分散し
得るか、それ自身が液状である無機材料、例えば、各種
元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合
した配位化合物(例、キレート化合物)、活性無機ポリ
マーを用いて、中・高屈折率層を形成することもでき
る。本発明の光学フィルターはその表面に凹凸を有する
ことも好ましい。凸部の断面形状は、丸みを帯びた頂点
からなだらかな傾斜が周囲に延びていることが好まし
い。傾斜部は頂点に近い部分では上に凸、それ以外の部
分では下に凸の形態であることが好ましい。頂点は鋭角
的であっても、平坦であってもよい。 上方から観察し
た凸部の形態は、円形または楕円形であることが好まし
い。ただし、三角形、四角形、六角形あるいは複雑な形
であってもよい。凸部の形状は、凸部の周囲を囲む谷の
部分の輪郭で示される。輪郭で示される凸部の大きさ
は、円相当径で、0.5乃至300μmであることが好
ましく、1乃至30μmであることがさらに好ましく、
3乃至20μmであることが最も好ましい。表面の凹凸
は、凹凸を有するカレンダーロールにてカレンダープレ
スを行う方法、マトリクスと粒子とを含む液を支持体上
に塗布、乾燥(必要により、硬化)させて層を形成する
方法、印刷による方法、リソグラフィーあるいはエッチ
ングにより形成できる。マトリクスと粒子とを含む液を
支持体上に塗布する方法が好ましい。
【0033】上記マトリクスに用いる化合物は、飽和炭
化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマー
であることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有す
るポリマーであることがさらに好ましい。ポリマーは架
橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として
有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反
応により得ることが好ましい。架橋しているバインダー
ポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基
を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0034】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ジクロロヘキサンジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シ
クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリ
アクリレート、ポリエステルポリ安息香酸−2−アクリ
ロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサ
ノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、ア
クリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およ
びメタクリルアミドを挙げることができる。エチレン性
不飽和基を有するモノマーは、塗布後、電離放射線また
は熱による重合反応により硬化させることが好ましい。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エ
ポキシ化合物の開環重合反応により合成することが好ま
しい。
【0035】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーを用いる代わりに、またはそれに加えて、架橋性基
を有する化合物を用いてもよい。架橋性基の反応によっ
ても、架橋構造をバインダーポリマーに導入することが
できる。架橋性基の例には、イソシアナート基、エポキ
シ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、
カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロ
ール基、および活性メチレン基を挙げることができる。
ビニルスルホン基、酸無水物、シアノアクリレート誘導
体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル結合お
よびウレタン結合が含まれる。テトラメトキシシランの
ような金属アルコキシドも架橋構造を導入するためのモ
ノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基の
ように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用
いてもよい。また、架橋基は、分解した結果反応性を示
す官能基であってもよい。架橋性を有する化合物は塗布
後、熱によって架橋させることが好ましい。
【0036】凹凸を形成させる粒子としては、無機粒子
または有機粒子を用いる。無機粒子を形成する物質の例
には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム
および硫酸ストロンチウムが含まれる。有機粒子は、一
般にポリマーから形成する。ポリマーの例には、ポリメ
チルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリア
クリロニトリル、ポリスチレン、セルロースアセテート
およびセルロースアセテートプロピオネートが含まれ
る。無機粒子よりも有機粒子の方が好ましく、ポリメチ
ルメタクリレートもしくはポリエチレン粒子が特に好ま
しい。粒子の平均粒径は、0.5乃至30μmであるこ
とが好ましく、1乃至3μmであることがさらに好まし
い。粒子を形成する物質あるいは粒径が異なる二種類以
上の粒子を組み合わせて使用してもよい。凹凸が形成さ
れた表面を有する層の平均厚みは、粒子の平均粒径より
も小さいことが好ましい。
【0037】光学フィルターには、ハードコート層、潤
滑層、防汚層、帯電防止層あるいは中間層を設けること
もできる。ハードコート層は、架橋しているポリマーを
含むことが好ましい。ハードコート層は、アクリル系、
ウレタン系、エポキシ系、シロキサン系のポリマー、オ
リゴマーまたはモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)を用
いて形成することができる。シリカ系のフィラーをハー
ドコート層に添加することもできる。最表面の反射防止
層(通常は低屈折率層)の上に、潤滑層を形成してもよ
い。潤滑層は、反射防止層表面に滑り性を付与し、耐傷
性を改善する機能を有する。潤滑層は、ポリオルガノシ
ロキサン(例、シリコンオイル)、天然ワックス、石油
ワックス、高級脂肪酸金属塩、フッ素系潤滑剤またはそ
の誘導体を用いて形成することができる。潤滑層の厚さ
は、2乃至20nmであることが好ましい。最表面の反
射防止層の上に防汚層を設けることもできる。防汚層は
反射防止層の表面エネルギーを下げ、親水性あるいは親
油性の汚れを付きにくくするものである。防汚層は含フ
ッ素ポリマーを用いて形成することができる。防汚層の
厚さは2乃至100nmであることが好ましく、5乃至
30nmであることがさらに好ましい。
【0038】以上述べた光学フィルターの種々の層は、
一般的な塗布方法により形成することができる。塗布方
法の例には、ディップコート法、エアーナイフコート
法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバ
ーコート法、グラビアコート法およびホッパーを使用す
るエクストルージョンコート法(米国特許268129
4号明細書記載)が含まれる。ワイヤーバーコート法、
グラビアコート法およびエクストルージョンコート法が
好ましい。二以上の層を同時塗布により形成してもよ
い。同時塗布法については、米国特許2761791
号、同2941898号、同3508947号、同35
26528号の各明細書および原崎勇次著「コーティン
グ工学」253頁(1973年朝倉書店発行)に記載が
ある。各層の塗布液には、ポリマーバインダー、硬化
剤、界面活性剤、pH調整剤のような添加剤を加えるこ
とができる。塗布法以外にも、スパッタリング法、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法あ
るいはPVD法により層を形成することもできる。
【0039】光学フィルターは、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレク
トロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表
示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。
本発明に従う光学フィルターは、プラズマディスプレイ
パネル(PDP)または陰極管表示装置(CRT)、特
にプラズマディスプレイパネル(PDP)に用いると、
顕著な効果が得られる。
【0040】プラズマディスプレイパネル(PDP)
は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材
料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基
板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。
二枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガ
ラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラ
ス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。プラズ
マディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されてい
る。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5
−205643号、同9−306366号の各公報に記
載がある。前面板をプラズマディスプレイパネルの前面
に配置することがある。前面板はプラズマディスプレイ
パネルを保護するために充分な強度を備えていることが
好ましい。前面板は、プラズマディスプレイパネルと隙
間を置いて使用することもできるし、プラズマディスプ
レイ本体に直貼りして使用することもできる。プラズマ
ディスプレイパネルのような画像表示装置では、光学フ
ィルターをディスプレイ表面に取り付ける。光学フィル
ターをディスプレイの表面に直接貼り付けることができ
る。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている
場合は、前面板の表側(外側)または裏側(ディスプレ
イ側)に光学フィルターを貼り付けることもできる。
【0041】
【実施例】[実施例1] (下塗り層の形成)厚さ175μmの透明な2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムの両面をコロナ処理
した後、両面に屈折率1.55、ガラス転移温度37℃
のスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテックス
(LX407C5、日本ゼオン(株)製)を塗布し、下
塗り層を形成した。塗布量は、乾燥後の層厚さが透明支
持体の一方の面(A面)で300nm、他方の面(B
面)で150nmとなるように調整した。
【0042】(可視光吸収層の形成)10質量%のスチ
レンブタジエンラテックス液180gに0.001mo
l/m3の水酸化ナトリウム溶液を添加してpH7に調
節した。さらに(色素1)0.07gを添加し、30℃
で3時間攪拌した。得られた液を上記下塗り層のA面側
にに乾燥膜厚が2.1μmになるように塗布し120℃
で2分間乾燥して可視光吸収層を形成した。可視光吸収
層の最大吸収波長は593nmであった。
【0043】
【化8】
【0044】(酸化物層、金属層野形成)可視光吸収層
を形成した上部にマグネトロンスパッター装置を用いて
酸素分圧2.0×10 6atmの雰囲気下で酸化チタ
ンの層を37nm形成した。この上に雰囲気をアルゴン
分圧1.5×10 6atmに変更し銀の層を17nm形
成、さらに雰囲気を2.0×10 6atmに戻して酸化
チタンの層を37nm形成した。
【0045】(反射防止層の形成)反応性フッ素ポリマ
ー(JN−7219、JSR(株)製)2.50gにt
−ブタノール1.5gを加え、室温で10分間攪拌し、
1μmのポリプロピレンフィルターでろ過し、塗布液を
調製した。可視光吸収層、酸化物層、金属層を形成した
反対側の面(B面)にこの液をバーコーターを用いて乾
燥膜厚90μmになるように塗布し、120℃で3分間
乾燥した。これを実施例1の試料とした。
【0046】実施例1の可視光吸収層塗布用の液のスチ
レンブタジエンラテックス液をポリビニルアルコールの
10質量%溶液に置換えた以外は同様に実施例2の試料
を作成した。
【0047】実施例1の可視光吸収層塗布用の液のスチ
レンブタジエンラテックス液をメチルメタクリレート/
スチレン/2エチルヘキシルアクリレートを60/10
/30(質量%)で共重合させた10質量%のラテック
スに置き換えた以外は実施例1と同様に実施例3の試料
を作成した。
【0048】実施例1の可視光吸収層塗布用の液のスチ
レンブタジエンラテックス液をゼラチンの10質量%液
に置き換えた以外は実施例1と同様に実施例4の試料を
作成した。
【0049】実施例1の可視光吸収層塗布用の液のスチ
レンブタジエンラテックス液の80%をゼラチンの10
質量%液に置き換えた以外は実施例1と同様に実施例5
の試料を作成した。
【0050】実施例3の酸化物層、金属層の形成を酸化
チタンの第一層を21nm、その上の銀から成る第二層
を13nm、酸化チタンから成る第三層を48nm、銀
から成る第四層を13nm、酸化チタンから成る第五層
を21nmとし酸化チタン層形成時の雰囲気を酸素分圧
2.0×10 6atm、銀層形成時の雰囲気をアルゴン
分圧1.5×10 6atmとした以外は実施例3と同様
に実施例6の試料を作成した。
【0051】実施例6の第一層、第五層の厚みを25n
m、第二層、第四層の厚みを8.5nm、第三層の厚み
を29nmにした以外は実施例6と同様に実施例7の試
料を作成した。
【0052】実施例3の酸化物層、金属層の形成を銀か
ら成る第一層を17nm、酸化チタンから成る第二層を
33nmとし、酸化チタン層形成時の雰囲気を酸素分圧
2.0×10 6atm、銀層形成時の雰囲気をアルゴン
分圧1.5×10 6atmとした以外は実施例3と同様
に実施例8の試料を作成した。
【0053】実施例3の酸化物層、金属層の形成を銀か
ら成る第一層を17nm、層形成時の雰囲気をアルゴン
分圧1.5×10 6atmとした以外は実施例3と同様
に比較例1の試料を作成した。
【0054】(光学フィルターの評価)光学フィルター
のA面側の表面抵抗を三菱油化(株)製LORESTA
−FP表面抵抗計の4端子のセンサーを用いて測定し
た。透過率は島津製作所(株)製UV2400を用いて
フィルターのB面側が入射光側となるようにフィルター
をセット測定し、400nm〜700nmの平均を計算
した。反射率もB面側を入射光側とし、入射角5°で測
定を行い、500nm〜600nmの平均を計算した。
フィルムの白化の度合いは試料を60℃90%RHの雰
囲気下に48時間ばく露した後、A面を上にして黒紙の
上に置き、目視で観察した。
【0055】試料のA面側に粘着剤を塗設しスライドガ
ラス上に貼付け、B面側を入射側としてXe照射試験機
(アトラス社製、ウエザーOメーターCi65)により
10万Lux200時間の光照射を行った。光源と試料
の間にパイレックスガラス製のフィルターとソーダライ
ムガラス製のフィルターを設置した。そして光照射前後
の可視光吸収層の濃度の変化を観察した。 結果を第一
表に示す。 第一表 比較例1の試料に対し本発明の試料1〜8が優れている
ことがわかる。特に反射率、に対しては試料6、7が抵
抗に関しては試料6が優れている。また白化の度合いは
試料1〜3、6〜8が優れ、Xe褪色は試料4が優れて
いる。
【0056】実施例3の酸化物層、金属層をスパッター
する際の雰囲気を1.0×10 7atm以下の真空とし
た以外は実施例3と同様に実施例9の試料を作成した。
【0057】実施例9の酸化物層、金属層をスパッター
する際の雰囲気を1.0×10 7atm以下の真空と
し、酸化チタンから成る第三層の形成を蒸着にした以外
は実施例9と同様に実施例10の試料を作成した。
【0058】実施例9の酸化物層、金属層を形成する際
の雰囲気を1.0×10 7atm以下の真空とし、各層
の形成を蒸着にした以外は実施例9と同様に実施例11
の試料を作成した。
【0059】実施例3の酸化物層、金属層の形成を酸化
インジウムの第一層を43nm、その上の銀から成る第
二層を17nm、酸化インジウムから成る第三層を43
nmとし酸化インジウム層形成時の雰囲気を酸素分圧
2.3×10 6atm、銀層形成時の雰囲気をアルゴン
分圧1.5×10 6atmとした以外は実施例3と同様
に実施例12の試料を作成した。
【0060】これらを評価した結果を第二表に示す。 第二表 実施例9〜12の試料は実施例3の試料と比較して表面
抵抗が優れているが、反射率、透過率がやや劣る。
【0061】実施例3の金属層の組成を銀/パラジウム
(90/10質量%)に変更し、酸化チタンの厚みを3
9nmに変更した以外は実施例3と同様に実施例13の
試料を作成した。
【0062】実施例3の金属層の組成を銀/銅(90/
10質量%)に変更し、酸化チタンの厚みを38nmに
変更した以外は実施例3と同様に実施例14の試料を作
成した。 (光学フィルターの評価)前述の試験に加え耐候性試験
として試料を1mol/m3の塩化ナトリウム水溶液に
48時間含浸した後の表面抵抗と面状の変化を調べた。
結果を第三表に示す。 第三表 実施例13、14の試料は実施例3の試料と比較して耐
候性に優れるが、表面抵抗、反射率がやや劣る。
【0063】実施例3の酸化物層、金属層の形成と可視
光吸収層の形成の順序を逆にした以外は実施例3と同様
に実施例15の試料を作成した。
【0064】実施例3の酸化物層、金属層の形成をB面
側に変更し、反射防止層の形成を取りやめた以外は実施
例3と同様に実施例16の試料を作成した。
【0065】実施例3の可視光吸収層の形成を取りやめ
た以外は実施例3と同様に比較例2の試料を作成した。
実施例3の可視光吸収層に用いる色素を(色素2)に変
更した以外は実施例3と同様に実施例17の試料を作成
した。可視光吸収の最大波長は555nmであった。
【0066】
【化9】
【0067】実施例3の可視光吸収層に用いる色素に
(色素3)を0.11g追加した以外は実施例3と同様
に実施例18の試料を作成した。
【0068】
【化10】
【0069】(光学フィルターの評価)前述の評価に加
えディスプレイを用いた評価を行った。高精細SXGA
プラズマディスプレイパネルから前面板を取り外して、
光学フィルターのA面側に粘着剤を塗設しディスプレイ
表面に直接貼り付けた。前面板を再び装着して電源OF
Fの状態で画面の色目を、また画像を表示させ、色改良
効果を調べた。結果を第四表に示す。
【0070】第四表 実施例15、16の試料は実施例3に対して反射率がや
や悪くなったがほぼ同等の性能を示した。16は表面抵
抗がやや良化した。実施例17の試料は色改良効果が悪
化した。比較例2の試料はさらに色が悪い。実施例18
は電源OFF時の色目がグレーになり好ましい。また、
光学フィルターのA面側を前面板の表側(外側)に貼り
付けて評価したところ、同様の結果が得られた。ただ
し、画像の鮮鋭度が少し低下した。さらに、光学フィル
ターのA面側を前面板の裏側(ディスプレイ側)に貼り
付けて評価したところ、同様の結果が得られた。ただ
し、画像の鮮鋭度が少し低下した。さらにまた、プラズ
マディスプレイパネルから前面板を取り外して、光学フ
ィルターのA面側をディスプレイ表面に直接貼り付けた
状態のまま評価しても、同様の結果が得られた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に透明酸化物層と金属層を
    両者合わせて2層以上交互に積み上げた積層部分と色素
    を含んだ可視光吸収層を形成したことを特徴とする光学
    フィルター。
  2. 【請求項2】 可視光吸収層に含まれる色素が、シアニ
    ン色素である請求項1に記載の光学フィルター。
  3. 【請求項3】 可視光吸収層が、560nm乃至620
    nmの波長領域に吸収極大を有し、該層が色素とラテッ
    クスを含む液を塗布して形成されることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の光学フィルター。
  4. 【請求項4】 金属層が金、銀、銅、白金、ロジウム、
    イリジウム、パラジウムから選ばれる1種もしくは2種
    以上の合金であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か1項に記載の光学フィルター。
  5. 【請求項5】 光学フィルターを取り付けたディスプレ
    イ表面を有するプラズマディスプレイパネルであって、
    該光学フィルターが透明支持体上に透明酸化物層と金属
    層を両者合わせて2層以上交互に積み上げた積層部分と
    色素を含んだ可視光吸収層を有することを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル。
  6. 【請求項6】 プラズマディスプレイに前面板が設けら
    れておらず、光学フィルターがディスプレイ表面に直接
    貼り付けられている請求項5に記載のプラズマディスプ
    レイパネル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020199674A1 (en) * 2019-03-29 2020-10-08 Boe Technology Group Co., Ltd. Electroluminescent display panel and display apparatus

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WO2020199674A1 (en) * 2019-03-29 2020-10-08 Boe Technology Group Co., Ltd. Electroluminescent display panel and display apparatus

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