JP2001194286A - 近接場光学顕微鏡装置 - Google Patents

近接場光学顕微鏡装置

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JP2001194286A
JP2001194286A JP2000001026A JP2000001026A JP2001194286A JP 2001194286 A JP2001194286 A JP 2001194286A JP 2000001026 A JP2000001026 A JP 2000001026A JP 2000001026 A JP2000001026 A JP 2000001026A JP 2001194286 A JP2001194286 A JP 2001194286A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、入射光の波長を変調することで試料
からの信号に変調を加え、変調された信号からSNOM
信号を抽出することでS/Nよい画像を得る信号検出手
段を備えた近接場光学顕微鏡装置を提供する。 【解決手段】本発明の一態様によると、試料表面に光を
入射する入射手段と、先端が該試料に近接されて設置さ
れ、該先端で該入射光に由来する散乱光を発生させる探
針と、該散乱光を検出する光検出手段とを具備する近接
場光学顕微鏡装置において、該入射光の波長を所定の周
波数で変調させる入射光変調手段と、上記光検出手段の
出力より、上記所定の周波数の成分を抽出する抽出手段
とをさらに具備することを特徴とする近接場光学顕微鏡
装置が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近接場光学顕微鏡
装置に係り、特に、散乱型探針を利用した近接場光学顕
微鏡装置において、入射光波長の変化に応じて信号強度
が変化する場合の近接場信号のS/Nを向上させるため
の手段を備えた近接場光学顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、走査型近接場光学顕微鏡(SNO
M)は、エバネッセント波を検出することにより回折限
界を超吏る分解能を有する光学顕微鏡として、生体試料
の蛍光測定や、フォトニクス用材料、素子の評価(誘電
体光導波路各種特性評価、半導体量子ドットの発光スペ
クトルの測定、半導体面発光素子の諸特性の評価など)
等への応用をめざして盛んに開発が進められている。
【0003】このSNOMは、基本的には、試料に光を
照射した状態で鋭い探針を近づけ、試料の近傍の光の場
(近接場)の状態を検出する装置である。
【0004】1993年12月21日付けでBetzi
g等に付与された米国特許第5,272,330号に
は、先端が細く加工されたプローブに光を導入すること
により、プローブ先端の微小開口の近傍にエバネッセン
ト場を発生させ、このエバネッセント場を試料に接触さ
せ、エバネッセント場と試料の接触により発生した光
を、試料の下に配置された光検出器で検出し、透過光強
度の二次元マッピングを行うSNOMが開示されてい
る。
【0005】このSNOMでは、先端が細く加工された
光ファイバーやガラス棒あるいは水晶探針のように棒状
のプローブが用いられている。
【0006】このプローブを改良したものとして、先端
以外が金属膜で被われた棒状のプローブが既に市販され
ている。
【0007】このようなプローブを用いた装置は、金属
がコートされていないプローブを用いた装置に比べて、
横方向の解像力が向上されている。
【0008】N.F.van Hulst等は、App
l.Phys.Lett.62(5)P.461(19
93)において、窒化シリコン製のAFM用カンチレバ
ーを用い、AFM測定により試料の凹凸を測定しなが
ら、試料の光学情報を検出する新しいSNOMを提案し
ている。
【0009】シリコン製のAFM用カンチレバーは、高
分解能のAFM画像を得ることができると同時に、屈折
率が高いため光の散乱効率が高く、散乱型SNOM探針
に有利である。
【0010】この装置では、試料は内部全反射プリズム
の上に置かれ、He−Neレーザ光が全反射プリズム側
から試料に照射され、試料が励起され、エバネッセント
光場が試料表面近傍に形成される。
【0011】ついで、このエバネッセント光場に、カン
チレバー先端に支持された窒化シリコン製の探針が差し
入れられると、局在波であるエバネッセント光が伝搬波
である散乱光に変換され、その一部が、He−Neレー
ザ光に対して殆ど透明な窒化シリコン製の探針内を伝搬
し、カンチレバーの裏側に抜けて出てくる。
【0012】この光は、カンチレバーの上方に配置され
たレンズにより集光され、このレンズに対して探針先端
と共役な位置に配置されたピンホールを介して光電子増
倍管に入射し、光電子増倍管からSNOM信号が出力さ
れる。
【0013】このSNOM信号の検出の間、カンチレバ
ーは通常のAFM測定と同様に、光学式変位検出センサ
ーによつてカンチレバーの変位が測定されており、例え
ば、この変位を規定の一定値に保つように圧電体スキャ
ナーがフィードバック制御されている。
【0014】従って、一回の走査の間に、走査信号とS
NOM信号とに基づいてSNOM測定が行なわれると共
に、走査信号とフィードバック制御信号とに基づいてA
FM測定が行なわれる。
【0015】さらに、波長以下の構造の高屈折率誘電体
か金属が近接場項を強く散乱することを利用した新しい
SNOM(散乱モードSNOM)が提案されている。
【0016】Fischer等(Phys.Rev.L
ett.62(1989)p.458)は、透明な平面
に微小な金属球をつけたものを試料上において上からほ
ぼプラズモン励起周波数でレーザーを入射することによ
り金属球にローカルプラズモンを発生させ、それを散乱
光として利用して利用して画像を出している。
【0017】探針先端からの散乱効率は光の波長と散乱
体の材質、大きさに強く依存し、散乱体の材質、大き
さ、入射光の波長により探針で散乱される光がプラズモ
ン共鳴を起こした場合、散乱効率が向上することが知ら
れている。
【0018】例えば、金の場合、金粒子が点で近似され
るような散乱体であると仮定して光を照射し、波長を変
化させたときの散乱効率を調べてみると光の波長が55
0nm付近に幅数10nmの散乱効率のピークをもつ。
【0019】このピーク付近の波長の光を入射光として
用いれば散乱効率が大きくなるために、他の波長の光を
使うよりも高いS/Nを得ることが可能になる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、さまざ
まなタイプのSNOM装置が開示されているが、探針以
外に強い散乱源があると、そこからの散乱光を拾ってし
まい、像のS/Nが悪くなるという欠点をもっている。
【0021】これを解決するために近接場顕微鏡の信号
検出におけるS/Nの向上に関するアイデアはいろいろ
提案されている。
【0022】これを克服するために以下の方法がよく用
いられている。
【0023】すなわち、探針を試料表面近傍で縦振動さ
せると、探針が試料に近づいたときにだけ、探針−試料
間多重散乱が起きるので、このときの信号は時間的に振
動する。
【0024】一方、散乱源からの散乱光は時間的に一定
である。
【0025】そこで、光検出器で受信した信号のうち、
探針の振動数に同期した信号強度の振幅をロックインア
ンプで取り出し、かつ、散乱源からの光強度を引くこと
で探針のみからの信号を得ることができるというもので
ある。
【0026】さらに、佐々木は、特開平10−1705
22号公報の中で近接場顕微鏡信号の検出に、上記方法
と組み合わせてヘテロダインを適用するアイデアを開示
している。
【0027】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、入射光の波長を変調することで試料からの信号に
変調を加え、変調された信号からSNOM信号を抽出す
ることでS/Nよい画像を得る信号検出手段を備えた近
接場光学顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題を解決するために、(1) 試料表面に光を入射する
入射手段と、先端が該試料に近接されて設置され、該先
端で該入射光に由来する散乱光を発生させる探針と、該
散乱光を検出する光検出手段と、を具備する近接場光学
顕微鏡装置において、該入射光の波長を所定の周波数で
変調させる入射光変調手段と、上記光検出手段の出力よ
り、上記所定の周波数の成分を抽出する抽出手段と、を
さらに具備することを特徴とする近接場光学顕微鏡装置
が提供される。
【0029】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(2) 試料表面に光を入射する入射手段
と、先端が該試料に近接されて設置され、該先端で該入
射光に由来する散乱光を発生させる探針と、該散乱光を
検出する光検出手段と、を具備する近接場光学顕微鏡装
置において、該入射光の波長を第1の周波数で変調させ
る入射光変調手段と、該探針を第2の周波数で振動させ
る探針加振手段と、上記光検出手段の出力より、上記第
1の周波数と第2の周波数のビート周波数成分を抽出す
る抽出手段と、をさらに具備することを特徴とする近接
場光学顕微鏡装置が提供される。
【0030】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(3) 試料表面に光を入射する入射手段
と、先端が該試料に近接されて設置され、該先端で該入
射光に由来する散乱光を発生させる探針と、該散乱光を
検出する光検出手段と、を具備する近接場光学顕微鏡装
置において、該入射光の波長を第1の周波数で変調させ
る入射光変調手段と、該散乱光と周波数δだけ異なる周
波数の参照光を、該散乱光と干渉させる干渉手段と、上
記光検出手段の出力より、上記第1の周波数と上記周波
数δのビート周波数成分を抽出する抽出手段と、をさら
に具備することを特徴とする近接場光学顕微鏡装置が提
供される。
【0031】
【発明の実施の形態】まず、本発明の近接場光学顕微鏡
装置において採用される信号検出手段の概要とその原理
を説明する。
【0032】すなわち、本発明の近接場光学顕微鏡装置
において採用される信号検出手段は、試料表面に光を入
射する入射手段と、該入射光の波長以下のサイズの先端
を持ち、該先端が該試料に近接して設置され、該入射光
を該先端で散乱させる探針と、散乱光を検出する光検出
手段と、該探針または探針の支持部材の変位を検出する
変位検出手段と、試料と探針を相対的に走査する走査手
段と、該変位検出手段からの信号をもとに探針と試料間
の距離または探針圧を制御するための制御手段と、該光
検出手段からの信号の取り込んで画像化処理する手段と
を有し、該探針先端からの散乱光もしくは発生する光が
入射光の波長によって変化するような近接場光学顕微鏡
において、該入射光の周波数(波長)を周期的に変調さ
せる(変調周波数ω2 )ことによって発生する信号に周
期的な変調を加え、散乱信号の変調周波数成分だけを抽
出することを特徴とする。
【0033】また、本発明の近接場光学顕微鏡装置にお
いて採用される信号検出手段は、上述のような近接場光
学顕微鏡において、該入射光の周波数(波長)を周期的
に変調させる(変調周波数ω2 )ことによって発生する
信号に周期的な変調を加え、該探針を入射光の波長の変
調周波数とわずかに異なる周波数(ω1 )で振動させ、
散乱信号に入射光の波長変調および探針の振動による変
調を同時に加えて、両者のビート周波数成分(|ω2
ω1|または(ω2 +ω1 ))だけを抽出することを特
徴とする。
【0034】また、本発明の近接場光学顕微鏡装置にお
いて採用される信号検出手段は、上述のような近接場光
学顕微鏡において、該入射光の周波数(波長)を周期的
に変調させる(変調周波数ω2 )ことによって周期的な
変調を加え、該散乱光の周波数(ω0 )とわずかに異な
った周波数(ω0 +δ)を有する参照光と発生した信号
とを干渉させて、両者のビート周波数成分(|ω2 −δ
|または(ω2 +δ))だけを抽出することを特徴とす
る。
【0035】そして、このような構成の信号検出手段に
よる信号検出の原理は、次のようである。
【0036】すなわち、試料上の探針からの散乱光Ep
は、入射光が周波数ω2でサイン関数で変動するように
変調されていると仮定すると、 E=Ep0+Ep1sinω2 t+Ep2sin2ω
2 +・・・ のように表わすことができる。
【0037】ただし、これは、散乱効率が入射レーザ光
の周波数に比例して周期的に変調する場合である。
【0038】プローブ以外の散乱源があるときの検出光
Iは、 I=|E+Ep0+Ep1sinω2 t|2 となり、E<<EのときEが無視できて、Ep0
×Ep1だけをロックインアンプ22で抽出することが
でき、散乱源からの不要な散乱光を除去することが可能
になる。
【0039】さらに、探針をω2 とわずかに異なる振動
数ω1 で振動させてヘテロダイン検波((ω2 ±ω1
成分を抽出)すれば、例えば、周波数変調だけでは除去
できないような不要散乱光を効率よく除去できることに
なる。
【0040】これは入射光が周波数ω2 で2値的に変動
するようなとき、あるいは試料が入射光の波長によっ
て、ルミネッセンスを発生したりする場合に有効であ
る。
【0041】例えば、前者においては、入射光の波長は
ある2つの波長を一定時間で繰り返すため、後述するよ
うな散乱光強度のピークは明確に現れない。
【0042】このようなときに、探針を振動させること
によって、より有効に不要散乱光の除去が可能になる。
【0043】また、散乱源からの信号がプローブからの
散乱信号に比べて大きい(E>>E)場合、E
無視することができない。
【0044】散乱光の周波数(ω0 )からδだけ周波数
(波長)の異なるリファレンス光を参照光として入れ
て、探針からの散乱光と検出器上で干渉させてヘテロダ
イン検波((ω2 ±δ)成分を抽出)すれば、散乱源か
らの不要散乱光が強い場合でもこれを除去することがで
きる。
【0045】さらに、周波数変調を加えながら、探針を
振動させ、その結果得られた散乱光と参照光を干渉させ
ることにより、散乱源からの信号がプローブからの散乱
信号に比べて大きい(E>>E)場合でも、波長変
化に対して散乱光強度が変化するような散乱源と、波長
に対して変化を伴わない散乱源との両方からの不要な散
乱光を効率良く除去することが可能である。
【0046】次に、以上のような概要および原理に基づ
く信号検出手段を備えてなる本発明の近接場光学顕微鏡
装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0047】<第1実施の形態> (装置構成)この第1実施の形態による装置は、図1に
示すような構成に基づいて、概略的には、以下のような
手順で近接場光学像を得る散乱モード近接場光学顕微鏡
装置である。
【0048】すなわち、レーザー光源2からの光は、試
料1、プローブ100に入射し、このプローブ100の
先端で散乱される。
【0049】この散乱光は、対物レンズ3を通して、光
検出器としての光電子増倍管(フォトマル)4で検出さ
れる。
【0050】そして、このような散乱モード近接場光学
顕微鏡装置では、試料1とプローブ100の先端との距
離を一定に保ちつつ、圧電チューブスキャナー5で走査
しながら上記散乱光を検出することによって、近接場光
学像を得ることができる。
【0051】(プローブ)本実施形態による散乱モード
近接場光学顕微鏡装置におけるプローブ100は、図2
に示すようなカンチレバ一構造を有している。
【0052】すなわち、このカンチレバ一における探針
101の先端径は、レーザー光源2からの光の波長以下
のサイズであり、この探針101先端は散乱体、あるい
は発光体として機能する。
【0053】そして、この探針101は、高屈折率誘電
体又は金属、発光材料でできているか、あるいは、これ
らの材質でコーティングされていてもよい。
【0054】いずれの場合でも、探針101は光の照射
により光を散乱、あるいは吸収によりルミネッセンスを
発光する。
【0055】ここで、探針101は、照射する光の波長
によって散乱効率あるいは発光効率が変化しさえすれば
よい。
【0056】この探針101は、先端部半径が照射する
光の波長以下であれば、先端から基部との接触面までの
長さ、接触面でのサイズは照射する光の波長以上の構造
でもよい。
【0057】(加振)上述のプローブ100は、図1に
示されるように、探針加振手段である超音波振動子40
を介してチップ保持具42により試料1の上方に支持さ
れている。
【0058】ここで、プローブ100は、光振幅変調手
段でもある超音波振動子40とそれを駆動する高周波電
源41とにより、高周波電源41の周波数ω1 で加振す
ることも可能である。
【0059】(位置センサー)また、本実施形態の散乱
モード近接場光学顕微鏡装置は、プローブ100の自由
端の変位を検出する変位センサー6を有している。
【0060】(粗動ステージ、試料)また、本実施形態
の散乱モード近接場光学顕微鏡装置では、試料1は試料
テーブル10に載置され、この試料テーブル10は粗動
ステージ45とともに、試料1と探針101先端との位
置、距離についての粗い変調を実行する。
【0061】ここで、粗動ステージ45は、粗動ステー
ジ駆動回路46によって、コンピュータ11からの指令
に基づいて駆動制御される。
【0062】また、内部反射プリズム8は試料テーブル
10と独立に懸架され、スライドグラス7とは光学的に
結合している。
【0063】なお、照射する光としてエバネッセント波
を使うときには、内部反射プリズム8とスライドグラス
7との結合にマッチングオイルが必要である。
【0064】(精密な走査)また、本実施形態の散乱モ
ード近接場光学顕微鏡装置では、試料1の測定のための
精密な走査は、次のようにしてなされる。
【0065】図1において、圧電チューブスキャナー5
は、制御回路9とコンピュータ11により制御されるス
キャナー駆動回路13によって駆動され、試料テーブル
10を三次元的に精密に移動させる。
【0066】よって、試料テーブル10に載置されたス
ライドガラス7の上の試料1が、探針101に対して相
対的に三次元的に移動されることになるので、探針10
1が試料1の表面を横切って精密に走査され、また、試
料1の先端と探針101の表面の間の距離が微調整され
る。
【0067】なお、本明細書においては、探針101が
試料1表面を横切る走査をXY走査とも表現すると共
に、探針101の先端と試料1表面との間の距離の調整
をZ制御とも表現する。
【0068】(光発生手段)また、本実施形態の散乱モ
ード近接場光学顕微鏡装置では、コヒーレント光を照射
して探針101と試料1の間に光の場を発生させるため
の光発生手段を備えている。
【0069】この光発生手段は、伝搬せずに局在する局
在光を発生させる局在光発生手段と、伝搬する光を発生
させる伝搬光発生手段とを有しており、試料の厚さや物
性等諸特性により、そのいずれかを選択して動作させ
る。
【0070】ここで、局在光は空間を伝搬しない光を意
味し、例えば、エバネッセント光がこれにあたる。
【0071】また、伝搬光は空間を伝搬する光を意味
し、例えば、通常の伝搬光がこれにあたる。
【0072】以下に、局在光発生手段と伝搬光発生手段
について詳述する。
【0073】まず、局在光発生手段、すなわち、ここで
は、特に、エバネッセント光発生手段は、図1において
レーザー光源2、偏光や波長を制御する光学部品14、
およびレーザの光路を制御するミラ−15,16、内部
全反射プリズム17を有している。
【0074】レーザー光源2から射出されたレーザー光
は、各種光学部品14およびミラー15,16を通過し
て、内部全反射プリズム17に入射する。
【0075】このときのレーザー光の入射角度は、内部
全反射プリズム17の上面で全反射するように、ミラー
16によって制御される。
【0076】この結果、試料1の表面近傍にエバネッセ
ント光が発生する。
【0077】この場合、必要に応じてミラー16の後に
レンズを挿入してレーザー光を収束させるようにしても
よい。
【0078】また、伝搬光発生手段は、図1のレーザー
光源2、光学部品14、二つのミラー15,16および
図示しないミラーを有しており、上述したエバネッセン
ト光発生手段における場合と同様にして得られた平行レ
ーザビームを、ミラー15,16で反射させた後、図示
しないミラーにより位置と角度を変更して、試料1の斜
め上方から試料1と探針101の近傍に照射するように
構成されている。
【0079】(参照光入射手段)さらに、本実施形態の
散乱モード近接場光学顕微鏡装置では、対物レンズ3の
上部に入射光(ω0 )とわずかに波長(δ)が異なる参
照光を入射するためのビームスプリッタ30が配置され
ている。
【0080】このビームスプリッタ30は、参照光と対
物レンズ3とによって検出された信号が重なって干渉す
るように、参照光の光路を調整することができるような
構成になっている。
【0081】また、このビームスプリッタ30として
は、参照光および信号光を効率よくフォトマル4に入射
させるために、偏光ビームスプリッタを用いるようにし
てもよい。
【0082】ただし、このような偏光ビームスプリッタ
を用いる場合には、参照光と信号光との偏光を制御しな
ければならない。
【0083】なお、参照光は、必要に応じて入射すれば
よい。
【0084】(検出系)また、本実施形態の散乱モード
近接場光学顕微鏡装置では、図1に示すように、探針1
01先端近傍で発生した散乱光をプローブ100の上方
に配置した対物レンズ3によつて集光し、必要に応じて
偏光子19を通して散乱光検出鏡筒50内の光検出器で
ある光電子増倍管(フォトマル)4で検出する。
【0085】この散乱光検出鏡筒50は、レンズ群2
0、ピンホール21、光検出器である光電子増倍管(フ
ォトマル)4を有している。
【0086】ここで、ピンホール21は、対物レンズ3
とレンズ群20に対して、探針101の先端と光学的に
共役な位置に配置されている。
【0087】すなわち、ピンホール21のある面は結像
面になっている。
【0088】これにより、探針101の先端近傍で発生
された散乱光以外の成分をできるだけカットするように
している。
【0089】そして、光検出器である光電子増倍管(フ
ォトマル)4は、受光した光強度に応じた電気信号を出
力する。
【0090】なお、ピンホール21の代わりに光ファイ
バーの単面がピンホール位置にあっても同様の効果が得
られる。
【0091】この場合、近接場信号は、光ファイバーを
透過して光検出器である光電子増倍管(フォトマル)4
で検出されるため、この光電子増倍管(フォトマル)4
は散乱光検出鏡筒50上以外の任意の位置に設置するこ
とが可能になる。
【0092】一般に、本実施形態のような散乱モード近
接場光学顕微鏡装置では、近接場光学測定を行うため
に、探針101先端と試料1表面間の距離(ダイナミッ
クモードでは平均距離)が、常に一定になるように制御
されている。
【0093】この状態で光入射手段により試料−探針先
端付近に光の場を形成し、そこからの散乱光強度(また
は、その平均値)を光電子増倍管(フォトマル)4で検
出し、PC等のコンピュータ11に内蔵される基板上の
CPUで画像信号化および画像信号処理することによ
り、SNOM画像がモニター12上に得られる。
【0094】(周波数(波長)変調手段)また、一般
に、本実施形態のような散乱モード近接場光学顕微鏡装
置では、入射光の周波数(波長)は一定の周波数で変調
がかかっている。
【0095】周波数の変調の振幅すなわち変調による周
波数(言い換えると波長の差)と変調の周期は測定対象
試料に応じて選択する。
【0096】この周波数(波長)変調手段として、ここ
では、マルチライン発振のアルゴンレーザを用い、2種
類の波長選択フィルターを図3に示すように組み合わせ
たチョッパーを用いて488nmと514nmの2波長
を任意の周期で繰り返し照射できるようにしている。
【0097】この場合、波長の繰り返し周波数は、入射
光変調手段である図3に示すようなチョッパーの回転速
度で決まり、機械的な回転を利用する場合には上限が数
100kHzである。
【0098】波長選択フィルターはレーザラインフィル
ターやバンドパスフィルター、ロングパスフィルターあ
るいは干渉フィルターを用いることができる。
【0099】また、フィルター透過後のレーザ光強度が
等しくなろようにNDフィルターを波長選択フィルター
と組み合わせて強度の制御を行う必要がある。
【0100】アルゴンレーザだけでなくマルチライン発
振しているレーザ(例えば、ヘリカドレーザやYAGレ
ーザ)やブロードバンド発振(例えば、色素レーザ)し
ているレーザでは上述の周波数変調手段(波長)を適用
することができる。
【0101】あるいは、波長可変レーザ(色素レーザや
チタンサファイアレーザ)では、複屈折フィルターの回
転やブリュースターガルボプレートの回転により周波数
(波長)変調をかけることが可能である。
【0102】前者の場合には、レーザ媒質のゲインの周
波数帯域内(波長に換算して100nm程度)の幅で変
調をかけることができ、後者の場合には1nm程度の周
波数変調をかけることができる。
【0103】この方法の場合、変調の周波数ω2 は10
Hz程度である。
【0104】シングルモード発振(エタロンつきアルゴ
ンレーザや色素レーザ、チタンサファイアレーザ、安定
化したヘリウムネオンレーザなど)をしているレーザで
は、音響光学変調器により周波数変調をかけることが可
能である。
【0105】この場合、音響光学素子による変調の振幅
(帯域)は1nm程度以下であるが、変調の周波数ω2
は、MHzのオーダーまで可能である。
【0106】周波数(波長)変調手段は、使用したい波
長と変調の振幅、周期によって選択しなければならな
い。
【0107】(測定)測定は入射光を探針101に照射
し、探針101の先端で散乱された光を光検出器である
光電子増倍管(フォトマル)4により検出し、その信号
をコンピュータ11に取り込んで画像信号化した後、所
定の画像信号処理を施すことによって行われる。
【0108】この画像信号処理の結果は、コンピュータ
11のモニター12に表示させることができる。
【0109】いま、入射光の周波数(波長)が一定の周
波数で変調されているとする。
【0110】例えば、レーザの波長が600nmから5
70nmを一定の周波数で変動しているとする。
【0111】この場合、探針101の先端が570nm
付近にプラズモン共鳴波長をもっているとすれば、散乱
光の強度は図4に示すような波長依存性を示すはずであ
り、入射光の波長がプラズモン共鳴周波数から外れる
と、散乱光強度は急激に減衰する。
【0112】そこで、散乱光強度が最大になるような波
長のときだけ散乱光を検出するように、散乱光強度信号
を入射光の周波数変調に同期したロックインアンプ22
に通して散乱光強度の振幅を画像化することができる。
【0113】(探針振動)プローブ100をそれに接続
された超音波振動子40を用いて振動させることによっ
て、探針101を、試料1の表面にほぼ垂直な方向に一
定の振幅で振動させる。
【0114】通常、探針100を上下方向に振動させる
と、散乱光強度は、探針101の振動周波数ω1 で変動
する。
【0115】この場合、散乱光強度は、入射光の波長変
動によりω2 で変動していることから、検出された散乱
信号のうち、差周波成分|ω2 −ω1 |もしくは和周波
成分(ω2 +ω1 )をミキサー43を介してコンピュー
タ11によりロックイン検出することにより、不要散乱
光を除去することができる。
【0116】(ヘテロダイン検出)本発明では、ビーム
スプリッタ30を介して入射される参照光は、散乱光に
対して、光検出器である光電子増倍管(フォトマル)4
の受光面において干渉するように調整されている。
【0117】散乱光が入射光の周波数変調により変調が
ある場合、光電子増倍管(フォトマル)4で検出される
干渉光のうち、差周波成分|ω2 −δ|もしくは和周波
成分(ω2 +δ)をミキサー43を介してコンピュータ
11によりロックイン検出することにより、探針以外の
散乱源からの不要散乱光が強い場合でも探針からの散乱
信号を抽出することができる。
【0118】同様に、周波数変調のほかにプローブ10
0の振動がある場合には、さらにω 1 との和周波、差周
波成分を考慮した周波数成分をロックイン検出すること
により、不要散乱光を効率よく除去することが可能にな
る。
【0119】<第2実施の形態>(探針のレーザトラッ
プ)本発明の第2実施の形態における装置構成は、後述
するレーザトラップの構成を除いては、図1に示した装
置構成と同様であるが、散乱探針101としては、レー
ザトラップされた金属微粒子が用いられるものとする。
【0120】この金属微粒子としては、例えば、金や銀
が良く用いられる。
【0121】これらの金属微粒子は散乱光を増強するプ
ラズモン共鳴を起こすことが知られており、プラズモン
共鳴波長は微粒子の材質や直径に強く依存する。
【0122】例えば、金の場合、図4に示すように直径
に応じてプラズモン共鳴のピークが変化する。
【0123】散乱探針が、金でその直径が80nmの場
合、プラズモン共鳴のピーク波長は570nm付近であ
る。
【0124】(レーザトラップ)レーザトラップされた
金属微粒子をプローブ100として用いる場合、入射レ
ーザ光源2のほかにトラップ用のレーザ光源が必要であ
る。
【0125】トラップ用のレーザ光の波長は、入射レー
ザ光源2からのレーザ光の波長と大きく異なっていた方
が、トラップ用のレーザ光源によるノイズを除去し易
い。
【0126】図5の(a),(b)にレーザトラップの
方法を示す。
【0127】図5の(a)に示すトラップ用のレーザ光
源60からのレーザ光は、図1に示している近接場測定
用のレーザ光源2からのレーザ光と、それらの波長が互
いに異なっている必要がある。
【0128】トラップ用のレーザ光源60からのレーザ
光は、コリメータレンズ61によって平行光線に整形さ
れた後、ビームスプリッタ63を介して散乱光集光用の
対物レンズ3上方から試料面で収束するように導入され
る。
【0129】試料ホルダー62上には、図5の(b)に
示すように、試料1とそれを囲むような囲い64が設け
られており、この囲い64の中には金コロイド水溶液あ
るいは銀コロイド水溶液65が満たされている。
【0130】この囲い64の中の金コロイド水溶液ある
いは銀コロイド水溶液65はカバーガラス66で蓋をし
て密封されている。
【0131】対物レンズ3は、レーザトラップに用いる
場合、N/Aの大きな対物レンズ3であることが好まし
いために、油侵や水侵対物を用いてもよい。
【0132】レーザトラップされた金属微粒子をプロー
ブ100として用いる場合、金属微粒子は、トラップ用
のレーザ光の収束点でトラップされる。
【0133】トラップ位置が試料表面であれば、近接場
測定用のレーザ光を照射して散乱光を対物レンズ3を介
して上述したようにして検出する。
【0134】このようにして検出された散乱光には、ト
ラップ用のレーザ光が混入しているので、フィルター3
2などを使って、信号光成分と不要な光成分とを分離し
て検出する。
【0135】なお、(測定)および(ヘテロダイン検
出)に関しては、上述した第1実施の形態と同様に行う
ことが可能である。
【0136】<第3実施の形態>(探針)本発明の第3
実施の形態における装置構成は、図1に示した装置構成
と同様であるが、探針101は、探針101の先端で散
乱光がプラズモン共鳴を起こすものとしている。
【0137】そのために、図2で示したようなプローブ
100先端の探針101部分に金や銀がコーティングさ
れたもの、あるいは図6の(a),(b)に示すように
プローブ100先端に金や銀のような金属微粒子101
aあるいは突起101bがついたものを用いる。
【0138】本実施の形態におけるその他の方法は、上
述した第1実施の形態と同様にして実現することができ
る。
【0139】<第4実施の形態>(探針)本発明の第4
実施の形態における装置構成は、図1に示した装置構成
と同様であるが、探針101は、探針101の先端でル
ミネッセンスを発生し、それが近接場光源として機能す
るものとしている。
【0140】そのために、図2で示したようなプローブ
100先端の探針101部分にルミネッセンスを発生さ
せる物質、例えば、GaAs等の半導体や色素、色素を
ドープしたポリマー、希土類イオン等を分散した結晶や
ガラス、ポリマー等をコーティングもしくは先端に突起
状にとりつける。
【0141】(検出系)上述の探針101の先端近傍で
発生したルミネッセンスはプローブ100の上方に配置
した対物レンズ3によつて集光し、図1では図示してい
ないがルミネッセンス波長だけを選択的に透過させるフ
ィルターを通して散乱光検出鏡筒50内の光検出器4で
検出する。
【0142】この光検出器4までの光学系は図1に示す
通りである。
【0143】また、光検出器4に入る前に、光検出器4
の位置でファイバーに光を導入し、図示していないが分
光器で光を分光し、ルミネセンス波長だけを光検出器で
検出してもよい。
【0144】(参照光)本実施の形態における参照光の
波長は、ルミネッセンス波長をω0 として、その+δも
しくは−δに設定し、この参照光とルミネッセンス散乱
光と光検出器4で干渉させる。
【0145】本実施の形態におけるその他の方法は、上
述した第1実施の形態と同様にして実現することができ
る。
【0146】<第5実施の形態>本発明の第5実施の形
態における装置構成は、図1に示した装置構成と同様で
あるが、本実施の形態は入射レーザ光の波長変化に対し
て試料表面の特性が変化する場合の測定方法に関する。
【0147】(実施例1)本実施例では、測定試料とし
てたとえばルミネッセンスやラマン光を発生するような
試料、あるいは表面でプラズモン共鳴が起きるような試
料を扱うものとする。
【0148】本実施例におけるその他の方法は、上述し
た第1実施の形態と同様にして実現することができる。
【0149】(実施例2)本実施例では、入射レーザ光
の波長変化に対して試料表面で発生するルミネッセンス
やラマン光強度あるいは波長が変化するような試料を扱
うものとする。
【0150】本実施例におけるその他の方法は、上述し
た第1実施の形態と同様にして実現することができる。
【0151】(実施例3)本実施例では、入射レーザ光
の波長変化に対して試料表面でプラズモン共鳴が起きる
ような試料を扱うものとする。
【0152】本実施例におけるその他の方法は、上述し
た第1実施の形態と同様にして実現することができる。
【0153】そして、上述したような実施の形態で示し
た本明細書には、特許請求の範囲に示した請求項1乃至
3以外にも、以下に付記1乃至付記12として示すよう
な発明が含まれている。
【0154】(付記1) 試料表面に光を入射する入射
手段と、先端が該試料に近接されて設置され、該先端で
該入射光に由来する散乱光を発生させる探針と、該散乱
光を検出する光検出手段と、を具備する近接場顕微鏡装
置において、該入射光の波長を第1の周波数で変調させ
る入射光変調手段と、該探針を第2の周波数で振動させ
る探針加振手段と、該散乱光と周波数δだけ異なる周波
数の参照光を、該散乱光と平渉させる干渉手段と、上記
光検出手段の出力より、上記第1の周波数と上記周波数
δのビート周波数成分を抽出する抽出手段と、をさらに
具備することを特徴とする近接場光学顕微鏡装置。
【0155】(付記2) 試料表面に光を入射する入射
手段と、該入射光の波長以下のサイズの先端を持ち、該
先端が該試料に近接して設置され、該入射光を該先端で
散乱させる探針と、該散乱光を検出する光検出手段と、
該探針または探針の支持部材の変位を検出する変位検出
手段と、該試料と探針を相対的に走査する走査手段と、
該変位検出手段からの信号をもとに探針と試料間の距離
または探針圧を制御するための制御手段と、該光検出手
段からの信号の取り込んで画像化処理する手段とを有
し、該探針先端からの散乱光もしくは発生する光が入射
光の波長によって変化するような近接場光学顕微鏡にお
いて、該入射光の周波数(波長)を周期的に変調させる
(変調周波数ω2 )ことによって発生する信号に周期的
な変調を加え、散乱信号の変調周波数成分だけを抽出す
る信号検出手段を備えてなることを特徴とする走査型近
接場光学顕微鏡。
【0156】(付記3) 試料表面に光を入射する入射
手段と、該入射光の波長以下のサイズの先端を持ち、該
先端が該試料に近接して設置され、該入射光を該先端で
散乱させる探針と、該散乱光を検出する光検出手段と、
該探針または探針の支持部材の変位を検出する変位検出
手段と、該試料と探針を相対的に走査する走査手段と、
該変位検出手段からの信号をもとに探針と試料間の距離
または探針圧を制御するための制御手段と、該光検出手
段からの信号の取り込んで画像化処理する手段とを有
し、該探針先端からの散乱光もしくは発生する光が入射
光の波長によって変化するような近接場光学顕微鏡にお
いて、該入射光の周波数(波長)を周期的に変調させる
(変調周波数ω2 )ことによって発生する信号に周期的
な変調を加え、該探針を入射光の波長の変調周波数とわ
ずかに異なる周波数(ω1 )で振動させ、散乱信号に入
射光の波長変調および探針の振動による変調を同時に加
えて、両者のビート周波数成分(|ω2 −ω1|または
(ω2 +ω1 ))だけを抽出する信号検出手段を備えて
なることを特徴とする走査型近接場光学顕微鏡。
【0157】(付記4) 試料表面に光を入射する入射
手段と、該入射光の波長以下のサイズの先端を持ち、該
先端が該試料に近接して設置され、該入射光を該先端で
散乱させる探針と、該散乱光を検出する光検出手段と、
該探針または探針の支持部材の変位を検出する変位検出
手段と、該試料と探針を相対的に走査する走査手段と、
該変位検出手段からの信号をもとに探針と試料間の距離
または探針圧を制御するための制御手段と、該光検出手
段からの信号の取り込んで画像化処理する手段とを有
し、該探針先端からの散乱光もしくは発生する光が入射
光の波長によって変化するような近接場光学顕微鏡にお
いて、該入射光の周波数(波長)を周期的に変調させる
(変調周波数ω2 )ことによって周期的な変調を加え、
該散乱光の周波数(ω0 )とわずかに異なった周波数
(ω0 +δ)を有する参照光と発生した信号とを干渉さ
せて、両者のビート周波数成分(|ω2 −δ|または
(ω2 +δ))だけを抽出する信号検出手段を備えてな
ることを特徴とする走査型近接場光学顕微鏡。
【0158】(付記5) 試料表面に光を入射する入射
手段と、該入射光の波長以下のサイズの先端を持ち、該
先端が該試料に近接して設置され、該入射光を該先端で
散乱させる探針と、該散乱光を検出する光検出手段と、
該探針または探針の支持部材の変位を検出する変位検出
手段と、該試料と探針を相対的に走査する走査手段と、
該変位検出手段からの信号をもとに探針と試料間の距離
または探針圧を制御するための制御手段と、該光検出手
段からの信号の取り込んで画像化処理する手段とを有
し、該探針先端からの散乱光もしくは発生する光が入射
光の波長によって変化するような近接場光学顕微鏡にお
いて、該入射光の周波数(波長)を周期的に変調させる
(変調周波数ω2 )ことによって発生する信号に周期的
な変調を加え、該探針を入射光の波長の変調周波数とわ
ずかに異なる周波数(ω1 )で振動させ、散乱信号に入
射光の波長変調および探針の振動による変調を同時に加
え、さらに散乱光の周波数(ω0 )とわずかに異なった
周波数(ω0 +δ)を有する参照光と発生した信号とを
干渉させて、参照光と信号のビート周波数成分だけを抽
出する信号検出手段を備えてなることを特徴とする走査
型近接場光学顕微鏡。
【0159】(付記6) 該探針はレーザトラップされ
た金属微粒子であり、該探針は特定の波長を照射される
とプラズモン共鳴を起こすことを特徴とする付記2記載
の走査型近接場光学顕微鏡。
【0160】本発明の原理は上述した原理と同様である
が、レーザトラップされた金属微粒子では、特定の波長
の光に対して散乱効率が増強する(プラズモン共鳴)特
性をもつため、プラズモン共鳴ピーク付近でレーザの周
波数(波長)を変調すると、効果は強く現れる。
【0161】(付記7) 該探針はレーザトラップされ
た金属微粒子であり、該探針は特定の波長を照射される
とプラズモン共鳴を起こすことを特徴とする付記4記載
の走査型近接場光学顕微鏡。
【0162】(付記8) 該探針は特定の波長を照射さ
れるとプラズモン共鳴を起こすことを特徴とする付記2
記載の走査型近接場光学顕微鏡。
【0163】本発明の原理は、上述した原理と同様であ
るが、本発明においてもプラズモン共鳴ピーク付近でレ
ーザの周波数(波長)を変調すると、効果は強く現れ
る。
【0164】(付記9) 該探針は特定の波長を照射さ
れるとルミネッセンスを発生することを特徴とする付記
2記載の走査型近接場光学顕微鏡。
【0165】(付記10) 試料表面に光を入射する入
射手段と、該入射光の波長以下のサイズの先端を持ち、
該先端が該試料に近接して設置され、該入射光を該先端
で散乱させる探針と、該散乱光を検出する光検出手段
と、該探針または探針の支持部材の変位を検出する変位
検出手段と、該試料と探針を相対的に走査する走査手段
と、該変位検出手段からの信号をもとに探針と試料間の
距離または探針圧を制御するための制御手段と、該光検
出手段からの信号の取り込んで画像化処理する手段とを
有し、該試料表面の特性が該入射光の波長によって変化
するような近接場光学顕微鏡において、該入射光の周波
数(波長)を周期的に変調させる(変調周波数ω2 )こ
とによって発生する信号に周期的な変調を加え、散乱信
号の変調周波数成分だけを抽出する信号検出手段を備え
てなることを特徴とする走査型近接場光学顕微鏡。
【0166】本発明の原理は上述した原理と同様である
が、本発明においては入射光の波長の周期的な変調によ
り、波長によって散乱光強度が変調するような散乱源か
らの不要散乱光の除去をより効率的に行うことが可能で
ある。
【0167】一方、探針の振動による不要散乱光の除去
は波長によらず主に構造を伴った散乱源からの不要散乱
光の除去を効率的に行うため、両者を組み合わせること
で波長変化に対して散乱光強度が変化するような散乱源
と波長に対して変化をともなわない散乱源からの両方の
不要散乱光を効率よく除去することが可能であり、さら
にこれに参照光を干渉させて検出することで不要散乱光
が強い場合も両者の除去が可能になる。
【0168】(付記11) 該試料表面の散乱体が特定
の波長に対してプラズモン共鳴を起こすことを特徴とす
る付記10記載の走査型近接場光学顕微鏡。
【0169】(付記12) 該試料表面のルミネッセン
ス発生が空間的に分布をもつことを特徴とする付記10
記載の走査型近接場光学顕微鏡。
【0170】
【発明の効果】従って、以上説明したように、本発明に
よれば、入射光の波長を変調することで試料からの信号
に変調を加え、変調された信号からSNOM信号を抽出
することでS/Nよい画像を得る信号検出手段を備えた
近接場光学顕微鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施の形態による近接場
光学顕微鏡装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態による散乱モー
ド近接場光学顕微鏡装置におけるプローブ100のカン
チレバ一構造を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態による散乱モー
ド近接場光学顕微鏡装置における周波数(波長)変調手
段として、マルチライン発振のアルゴンレーザを用い、
2種類の波長選択フィルターを組み合わせたチョッパー
構造を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態による散乱モー
ド近接場光学顕微鏡装置における散乱探針として用いら
れるレーザトラップされた金属微粒子が金の場合に、そ
の直径に応じてプラズモン共鳴のピークが変化する様子
を示す図である。
【図5】図5の(a),(b)は、本発明の第2実施形
態による散乱モード近接場光学顕微鏡装置における散乱
探針して用いられるレーザトラップの構造を示す図であ
る。
【図6】図6の(a),(b)は、本発明の第3実施形
態による散乱モード近接場光学顕微鏡装置に用いられる
プローブ先端の探針構造を示す図である。
【符号の説明】
1…試料、 2…入射レーザ光源、 3…対物レンズ、 4…光検出器である光電子増倍管(フォトマル)、 5…圧電チューブスキャナ−、 6…変位センサー、 7…スライドグラス、 8…内部反射プリズム、 9…制御回路、 10…試料テーブル、 11…コンピュータ、 12…モニター、 13……スキャナー駆動回路、 14…光学部品、 15,16…ミラー、 17…内部全反射プリズム、 19…偏光子、 20…レンズ群、 21…ピンホール、 22…ロックインアンプ、 30…ビームスプリッタ、 32…フィルター、 50…散乱光検出鏡筒、 40…超音波振動子、 41…高周波電源、 43…ミキサー、 45…粗動ステージ、 46…粗動ステージ駆動回路、 60…トラップ用のレーザ光源、 61…コリメータレンズ、 62…試料ホルダー、 63…ビームスプリッタ、 64…囲い、 65…金コロイド水溶液あるいは銀コロイド水溶液、 66…カバーガラス、 100…プローブ、 101…探針、 101a…金属微粒子、 101b…突起。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA00 AA09 AA45 CC17 CC21 DD04 DD12 FF52 GG04 GG05 GG23 GG25 HH12 HH15 JJ01 JJ05 JJ08 JJ09 JJ17 LL01 LL02 LL04 LL12 LL21 LL22 LL24 LL31 LL46 LL57 MM02 MM28 NN06 NN08 NN11 PP01 PP12 PP24 SS02 SS13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面に光を入射する入射手段と、 先端が該試料に近接されて設置され、該先端で該入射光
    に由来する散乱光を発生させる探針と、 該散乱光を検出する光検出手段と、 を具備する近接場光学顕微鏡装置において、 該入射光の波長を所定の周波数で変調させる入射光変調
    手段と、 上記光検出手段の出力より、上記所定の周波数の成分を
    抽出する抽出手段と、 をさらに具備することを特徴とする近接場光学顕微鏡装
    置。
  2. 【請求項2】 試料表面に光を入射する入射手段と、 先端が該試料に近接されて設置され、該先端で該入射光
    に由来する散乱光を発生させる探針と、 該散乱光を検出する光検出手段と、 を具備する近接場光学顕微鏡装置において、 該入射光の波長を第1の周波数で変調させる入射光変調
    手段と、 該探針を第2の周波数で振動させる探針加振手段と、 上記光検出手段の出力より、上記第1の周波数と第2の
    周波数のビート周波数成分を抽出する抽出手段と、 をさらに具備することを特徴とする近接場光学顕微鏡装
    置。
  3. 【請求項3】 試料表面に光を入射する入射手段と、 先端が該試料に近接されて設置され、該先端で該入射光
    に由来する散乱光を発生させる探針と、 該散乱光を検出する光検出手段と、 を具備する近接場光学顕微鏡装置において、該入射光の
    波長を第1の周波数で変調させる入射光変調手段と、 該散乱光と周波数δだけ異なる周波数の参照光を、該散
    乱光と干渉させる干渉手段と、 上記光検出手段の出力より、上記第1の周波数と上記周
    波数δのビート周波数成分を抽出する抽出手段と、 をさらに具備することを特徴とする近接場光学顕微鏡装
    置。
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