JP2001193608A - 燃料噴射弁の弁ハウジング及びその製造方法 - Google Patents

燃料噴射弁の弁ハウジング及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001193608A
JP2001193608A JP37509399A JP37509399A JP2001193608A JP 2001193608 A JP2001193608 A JP 2001193608A JP 37509399 A JP37509399 A JP 37509399A JP 37509399 A JP37509399 A JP 37509399A JP 2001193608 A JP2001193608 A JP 2001193608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
fitting
fuel injection
valve housing
fitting cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37509399A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Tawara
敏広 田原
Takahiro Nagaoka
隆弘 長岡
Yukihiko Wakabayashi
之彦 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keihin Corp filed Critical Keihin Corp
Priority to JP37509399A priority Critical patent/JP2001193608A/ja
Publication of JP2001193608A publication Critical patent/JP2001193608A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射弁の弁ハウジングを構成する弁座部
材及び弁ハウジング本体を全周溶接により相互に結合す
るも,弁体の開弁ストロークに変化を来さないようにす
る。 【解決手段】 弁座部材12に形成した第1嵌合筒部1
2bをハウジング本体11に形成した第2嵌合筒部11
a内に嵌合すると共に,第1及び第2嵌合筒部12b,
11a間にかしめ結合部50と,両嵌合筒部12b,1
1aの全周にわたる溶接部51とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,主として内燃機関
の燃料供給系に使用される燃料噴射弁の弁ハウジング,
特に,前端に燃料出口及びそれに連なる弁座を有する弁
座部材と,この弁座部材に結合される弁ハウジング本体
とからなり,弁座と協働する弁体を収容すると共に,該
弁体の開弁ストロークを制限する開弁ストッパを有する
弁ハウジング,及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,かゝる燃料噴射弁の弁ハウジング
では,例えば特開平6−264843号公報に開示され
ているように,弁座部材及び弁ハウジング本体を全周溶
接により液密に結合して,両者間をシールしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは,
弁座部材及び弁ハウジング本体の溶接後,残留する熱応
力により,弁体の開弁ストロークが変化して,燃料噴射
特性にばらつきが生ずることがある。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,弁座部材及び弁ハウジング本体を全周溶接により
相互に結合するも,弁体の開弁ストロークに変化を来さ
ないようにした燃料噴射弁及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,前端に燃料出口及びそれに連なる弁座を
有する弁座部材と,この弁座部材に結合される弁ハウジ
ング本体とからなり,弁座と協働する弁体を収容すると
共に,該弁体の開弁ストロークを制限する開弁ストッパ
を有する,燃料噴射弁の弁ハウジングにおいて,弁座部
材及び弁ハウジング本体の一方に形成した第1嵌合筒部
を,それらの他方に形成した第2嵌合筒部内に嵌合する
と共に,第1及び第2嵌合筒部間にかしめ結合部と,両
嵌合筒部の全周にわたる溶接部とを設けたことを第1の
特徴とする。
【0006】尚,前記開弁ストッパは,後述する本発明
の実施例中の固定ストッパ面41に対応する。
【0007】この第1の特徴によれば,第1及び第2嵌
合筒部の嵌合深さを調節することにより,弁体の開弁ス
トロークを調整することができる。しかも,第1及び第
2嵌合筒部相互の結合は,かしめ結合部と,両嵌合筒部
の全周にわたる溶接部とによって行われるので,溶接部
の形成時の熱量を少なく設定して,その結合力を両嵌合
筒部間のシールを確保するに足る程度に小さく抑えて
も,両嵌合筒部間に充分な結合力を付与することができ
る。したがって,溶接に伴なう熱応力を小さく抑え得る
と共に,その熱応力に充分に抵抗して弁ハウジングの歪
みを防ぐことができ,弁体の開弁ストロークのばらつき
をなくし,燃料噴射特性を安定させることができる。
【0008】また本発明は,第1の特徴に加えて,かし
め結合部を,第1嵌合筒部の外周面に形成した環状溝
に,外周側からのかしめ力で第2嵌合筒部の内周面に隆
起させた突起を食い込ませて構成したことを第2の特徴
とする。
【0009】この第2の特徴によれば,結合力の大なる
かしめ結合部を簡単に得ることができる。
【0010】さらに本発明は,第1又は第2の特徴の燃
料噴射弁の弁ハウジングを製造するに当たり,第1嵌合
筒部の外周面に第2嵌合筒部を緩く嵌合する工程と,第
1及び第2嵌合筒部の嵌合深さを調節して弁体の開弁ス
トロークを決定する工程と,第2嵌合筒部の外周からか
しめ力を加えて,第1及び第2嵌合筒部を相互にかしめ
結合する工程と,第1及び第2筒部の嵌合部を全周にわ
たり溶接する工程とを順次行うことを第3の特徴とす
る。
【0011】この第3の特徴によれば,第1及び第2嵌
合筒部の嵌合深さを調節するという,極めて簡単な作業
により弁体の開弁ストロークを調整することができる。
また,溶接工程で両嵌合筒部に熱応力が発生しても,両
嵌合筒部の既に強力にかしめ結合された部分が効果的に
抵抗してその熱応力による弁ハウジングの歪みを防ぐこ
とができる。しかも,上記溶接は,両嵌合筒部間のシー
ルを確保するに足る程度の溶接強度が得られゝばよいの
で,溶接熱量の減少が可能となり,それだけ弁ハウジン
グの熱応力を小さく抑えることができ,両嵌合筒部のか
しめ力が強力であることゝ相俟って,弁ハウジングの熱
歪みを効果的に防ぐことができる。
【0012】さらにまた本発明は,第3の特徴に加え
て,第1及び第2嵌合筒部を相互に嵌合する工程と,第
1及び第2嵌合筒部の嵌合深さを調節して弁体の開弁ス
トロークを決定する工程との間に,第2嵌合筒部の外周
から比較的小さいかしめ力を加えて,第1及び第2嵌合
筒部を相互に仮止めする工程を行うことを第4の特徴と
する。
【0013】この第4の特徴によれば,第1及び第2嵌
合筒部を相互に仮止めすることにより,次の開弁ストロ
ークの調整を容易,的確に行うことができる。
【0014】さらにまた本発明は,第3又は第4の特徴
に加えて,第1嵌合筒部の肉厚を厚く,第2嵌合筒部の
肉厚を薄く設定したことを第5の特徴とする。
【0015】この第5の特徴によれば,第1及び第2嵌
合筒部の強力なかしめ結合を容易に行うことができると
共に,かしめ力による第1嵌合筒部の変形を防ぐことが
できる。
【0016】さらにまた本発明は,第5の特徴に加え
て,第1嵌合筒部を弁座部材に,第2嵌合筒部を弁ハウ
ジング本体にそれぞれ形成し,これら第1及び第2筒部
の嵌合部を全周にわたり溶接する工程を行う際,第1及
び第2嵌合筒部の境界線より第2嵌合筒部側にオフセッ
トした点にレーザビームを照射して隅肉溶接することを
第6の特徴とする。
【0017】この第6の特徴によれば,比較的小なる出
力をもって両嵌合筒部間を溶接することができ,しかも
弁座部材への熱負荷を少なくし得ると共に,弁座部材の
熱容量を大きくできるため,弁座部材の熱歪みを効果的
に防ぐことができる。
【0018】さらにまた本発明は,第3〜第6の何れか
の特徴に加えて,第1嵌合筒部の外周面にかしめ力を加
える点を,該外周面の周方向等間隔に並ぶ3箇所以上に
設定することを第7の特徴とする。
【0019】この第7の特徴によれば,かしめ後,第1
及び第2嵌合筒部の同心性を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0021】図1は本発明に係る内燃機関用電磁式燃料
噴射弁の縦断面図,図2は図1の要部拡大図(閉弁状
態),図3は図2に対応した開弁作用説明図,図3は図
2の3−3線拡大断面図,図4は上記燃料噴射弁の弁座
部材及び弁ハウジング本体の嵌合工程説明図,図5は同
弁座部材及び弁ハウジング本体の仮止め工程説明図,図
6は同弁座部材及び弁ハウジング本体のかしめ結合工程
説明図,図7は同弁座部材及び弁ハウジング本体の溶接
工程説明図である。
【0022】先ず,図1及び図2において,内燃機関用
電磁式燃料噴射弁Iの弁ハウジング10は,円筒状の弁
ハウジング本体11(磁性体)と,この弁ハウジング本
体11の前端部に液密に結合される有底円筒状の弁座部
材12とから構成される。
【0023】弁ハウジング本体11及び弁座部材12の
対向端部の一方,図示例では弁座部材12側に厚肉の第
1嵌合筒部12bが,またそれらの他方,図示例では弁
ハウジング本体11側に薄肉の第2嵌合筒部11aがそ
れぞれ形成される。第2嵌合筒部11aの肉厚は0.1
〜1.0mmが適当であり,第1嵌合筒部12bの肉厚
は第2嵌合筒部11aの肉厚の数倍が適当である。
【0024】そして第1嵌合筒部12bが第2嵌合筒部
11a内に嵌合されると共に,その両嵌合筒部12b,
11a間にかしめ結合部50と,両嵌合筒部12b,1
1aの全周にわたる溶接部51とが設けられる。かしめ
結合部50は,第1嵌合筒部12bの外周面に形成した
環状溝48に,外周側からのかしめ力で第2嵌合筒部1
1aの内周面に等間隔に隆起させた3個以上の突起49
(図3参照)を食い込ませて構成され,溶接部51は,
第1嵌合筒部12bの外周面と第2嵌合筒部11aの端
面とに挟まれる隅部の全周にわたりレーザ溶接により形
成される。
【0025】弁座部材12は,その前端面に開口する燃
料出口13と,その後縁に連なる円錐状の弁座12aと
を有する。弁座部材12の前端面には,上記燃料出口1
3と連通する複数(図示例では一対)の燃料噴孔14を
有する鋼板製のインジェクタプレート15が液密に全周
溶接される。
【0026】弁ハウジング本体11には可動コア16が
収容され,その前端に弁体18が一体に突設され,この
弁体18は先端に上記弁座12aに着座し得る球状の弁
部18aを備えている。
【0027】弁ハウジング本体11の後端面には摺動案
内筒20が突き当てられて全周溶接され,この摺動案内
筒20の内周面に形成された環状突起20aによって上
記可動コア16が摺動自在に支承される。摺動案内筒2
0は非磁性金属,例えばステンレス鋼製である。
【0028】また摺動案内筒20の後端面には,固定コ
ア17が突き当てられて液密に全周溶接され,この固定
コア17の前端面45に対して,可動コア16は,その
後端面46を対向させている。
【0029】弁ハウジング本体11の後端部外周面に
は,段付き円筒状のコイルハウジング21(磁性体)の
小径部21aが嵌合して溶接される。このコイルハウジ
ング21には,弁ハウジング10の後端部,摺動案内筒
20及び可動コア16を囲繞するコイル組立体22が収
納される。コイル組立体22は,ボビン23と,これに
巻装されるコイル24とからなっている。コイルハウジ
ング21,コイル組立体22及び固定コア17は合成樹
脂製の被覆体25内に埋封され,この被覆体25の前端
には,前記弁ハウジング本体11の外周から半径方向に
立ち上がる段部26と,この段部26の外周縁から後方
に向かって大径となるテーパ面27が形成される。また
この被覆体25の中間部には,前記コイル24に連なる
接続端子28を収容する備えたカプラボディ29が一体
に連設される。
【0030】固定コア17は,可動コア16の通孔30
を介して弁ハウジング10内と連通する中空部31を有
しており,その中空部31に,可動コア16を閉弁方
向,即ち弁座12aへの着座方向に付勢するコイル状の
弁ばね32と,この弁ばね32の後端を支承するパイプ
状のリテーナ33とが収容される。
【0031】その際,可動コア16の後端面には,弁ば
ね32の前端部を受容する位置決め凹部16cが形成さ
れる。また弁ばね32のセット荷重は,リテーナ33の
中空部31への圧入深さによって調整される。
【0032】固定コア17の後端には,パイプ状のリテ
ーナ33を介して固定コア17の中空部31に連通する
燃料入口34aを持つ入口筒34が一体に連設され,そ
の燃料入口34aに燃料フィルタ35が装着される。
【0033】前記摺動案内筒20の内径D1は,弁ハウ
ジング本体11の内径D2より小さく設定され,これに
よって摺動案内筒20の下端面には,弁ハウジング本体
11の内周面より内方へ張り出した環状の固定ストッパ
面41(開弁ストッパ)が形成される。
【0034】一方,可動コア16は,摺動案内筒20内
周面の環状突起20aに摺動自在に嵌合する小径部16
aと,弁ハウジング本体11の内周に緩く嵌合する大径
部16bとで構成され,その小径部16a及び大径部1
6b間の環状段部は,弁体18の開弁限界を規定すべく
上記固定ストッパ面41に当接する可動ストッパ面42
に形成される。その際,固定及び可動ストッパ面41,
42の何れか一方又は両方に,ショットピーニングやク
ロムメッキ処理による硬化層44が形成される。この硬
化層44により固定及び可動ストッパ面41,42の耐
摩耗性を向上させることができ,しかもその硬化層44
の厚さは,固定及び可動コア17,16間の残留磁気に
影響しないので,厳しい寸法管理や後加工が不要であ
り,コスト増を招くこともない。
【0035】また可動ストッパ面42及び小径部16a
間の隅には環状溝43が設けられる。これにより可動コ
ア16の小径部16a及び可動ストッパ面42間の隅に
干渉されることなく,可動ストッパ面42を固定ストッ
パ面41に的確に当接させて,弁体18の開弁限界を正
確に規定することができる。
【0036】弁体18が弁座12aに着座した閉弁状態
において,固定及び可動ストッパ面41,42間の間隙
Aは弁体18の開弁ストロークに相当するもので,固定
コア17の前端面45と可動コア16の後端面46との
間隙Bより小さく設定される。したがって,固定及び可
動ストッパ面41,42相互の当接により弁体18の開
弁限界に達したときでも,固定コア17の前端面45と
可動コア16の後端面46との間には,B−Aの所定間
隙(図3参照)が残存するようになっている。
【0037】前記被覆体25の段部26から前方に露出
した弁ハウジング本体11の外周には,上記段部26に
当接する合成樹脂製のシール位置決め環37が嵌合され
る。また前記弁座部材12の前端部に合成樹脂製のキャ
ップ39が弾力的に嵌着され,このキャップ39とシー
ル位置決め環37との間においてOリング38が弁座部
材12の外周に装着され,このOリング38は,図示し
ない吸気マニホールドの燃料噴射弁取付け孔の内周面に
密接するようになっている。
【0038】キャップ39は,前記燃料噴孔14からの
燃料噴射を妨げないように開口部39aを前面に有す
る。
【0039】電磁式燃料噴射弁Iの入口筒34の外周に
は,図示しない燃料分配管の内周面に密接するOリング
40が装着される。
【0040】而して,図2に示すように,コイル24を
消磁した状態では,弁ばね32の付勢力で可動コア16
及び弁体18が前方に押圧され,弁体18を弁座12a
に着座させている。したがって,燃料フィルタ35及び
入口筒34を通して弁ハウジング1内に供給された高圧
燃料は,弁ハウジング1内に保持される。
【0041】コイル24を通電により励磁すると,それ
により生ずる磁束が固定コア17,コイルハウジング2
1,弁ハウジング10及び可動コア16を順次走り,そ
の磁力により可動コア16が弁体18を伴って固定コア
17に吸引され,弁座12aが開放されるので,弁ハウ
ジング10内の高圧燃料が燃料出口13を出て,燃料噴
孔14から吸気弁6に向かって噴射される。
【0042】このとき,図3に示すように,弁体18の
開弁限界は,可動コア16の可動ストッパ面42が,固
定コア17及び弁ハウジング本体11間を連結する非磁
性体の摺動案内筒20の固定ストッパ面41に当接する
ことにより規定され,固定及び可動コア16の対向面4
5,46間には,所定間隙B−Aが残存する。
【0043】したがって,コイル24を再び消磁したと
きには,固定及び可動コア17,16間の残留磁気は極
めて少なくなり,可動コア16は弁ばね32の付勢力を
もって即座に前進して,弁体18を当初の閉弁状態に復
帰させることができ,閉弁応答性の向上に寄与し得る。
【0044】ところで,弁ハウジング10を構成する弁
座部材12及び弁ハウジング本体11は,それぞれに形
成された第1及び第2嵌合筒部12b,11aを嵌合,
固着して構成されるので,その固着前に第1及び第2嵌
合筒部12b,11aの嵌合深さを調節することによ
り,弁体18の開弁ストロークAを調整することができ
る。しかも,第1及び第2嵌合筒部12b,11a相互
の結合は,かしめ結合部50と,両嵌合筒部12b,1
1aの全周にわたる溶接部51とによって行われるの
で,溶接部51の形成時の熱量を少なく設定して,その
結合力を両嵌合筒部12b,11a間のシールを確保す
るに足る程度に小さく抑えても,両嵌合筒部12b,1
1a間に充分な結合力を付与することができる。したが
って,溶接に伴なう熱応力を小さく抑える得ると共に,
その熱応力に充分に抵抗して弁ハウジング10の歪みを
防ぐことができるので,弁体18の開弁ストロークのば
らつきをなくし,燃料噴射特性を安定させることができ
る。
【0045】次に,図4〜図7により前記弁ハウジング
10の製造方法について説明する。
【0046】先ず,図4に示すように,弁ハウジング本
体11に摺動案内筒20及び固定コア17を溶接してお
き,それらの内部に,弁体18を一体に連結した可動コ
ア16を挿入した後,弁座部材12の第1嵌合筒部12
bを弁ハウジング本体11の第2嵌合筒部11a内に緩
く嵌合する。したがって,互いに嵌合した両嵌合筒部1
2b,11a間には,僅かな隙間が存在する。
【0047】次に,図示しない測定器により弁体18の
開弁ストロークAを測定しながら,両嵌合筒部12b,
11aの嵌合深さを調節して開弁ストロークAを規定値
に設定した後,図5に示すように,第2嵌合筒部11a
の外周面の周方向等間隔に並ぶ3箇所以上の点に比較的
小なるかしめ力F1を同時に加えて,第2嵌合筒部11
aの内周面を第1嵌合筒部12bの外周面に圧接させ
て,両嵌合筒部12b,11a相互を仮止めする。その
際,第2嵌合筒部11aの外周面へのかしめ力の作用点
を周方向等間隔に並ぶ3箇所以上とすることは,第1及
び第2嵌合筒部12b,11aの同心精度を確保する上
に有効である。このような仮止め状態の両嵌合筒部12
b,11aは,比較的小さい軸方向荷重を受けると,圧
接面に滑りを起こすことができる。
【0048】したがって,再び図示しない測定器により
弁体18の開弁ストロークAを測定し,それが規定値か
らずれていれば,両嵌合筒部12b,11a間に軸方向
荷重を適当に加えてそれらの嵌合深さを調節することに
より,弁体18の開弁ストロークAを規定値に修正する
ことができる。
【0049】こうしてから,図6に示すように,第2嵌
合筒部11aの外周面の周方向等間隔に並ぶ3箇所以上
の点に比較的大なるかしめ力F2を同時に加えて,第2
嵌合筒部11aの内周面に隆起させた3個以上の突起4
9を第1嵌合筒部12b外周の環状溝48に食い込ま
せ,これにより両嵌合筒部12b,11a相互を強固に
結合する。
【0050】その際,第2嵌合筒部11aの外周面への
かしめ力の作用点を周方向等間隔に並ぶ3箇所以上とす
ることは,第1及び第2嵌合筒部12b,11aの同心
精度を確保する上に有効である。
【0051】また第1嵌合筒部12bは剛性の大なる肉
厚に,第2嵌合筒部11aは変形し易い肉薄に形成して
あるので,かしめ時,突起49の環状溝48への食い込
みを容易,確実に行うことができると共に,かしめ力に
よる第1嵌合筒部12b即ち弁座部材12の変形を防ぐ
ことができる。
【0052】最後に,図7に示すように,第1嵌合筒部
12bの外周面と,第2嵌合筒部11aの端面とに囲ま
れる隅部の全周にわたりレーザビーム52を照射して,
両嵌合筒部12b,11aを相互に溶接する。この溶接
により両嵌合筒部12b,11aに熱応力が発生して
も,両嵌合筒部12b,11aは既に強力にかしめ結合
されているので,その熱応力による弁ハウジング10の
歪みを防ぐことができる。しかも,上記溶接は,両嵌合
筒部12b,11a間のシールを確保するに足る程度の
溶接強度が得られゝばよいので,溶接熱量の減少が可能
となり,それだけ弁ハウジング10の熱応力を小さく抑
えることができ,両嵌合筒部12b,11aのかしめ結
合力が強力であることゝ相俟って,弁ハウジング10の
熱歪みを効果的に防ぐことができる。
【0053】この溶接工程において,レーザビーム52
の照射点は,両嵌合筒部12b,11aの境界線より薄
肉の第2嵌合筒部11a側に適当距離s(具体的には
0.1〜1.0mm)オフセットさせるもので,これに
より比較的小なる出力をもって両嵌合筒部12b,11
a間を溶接することができる。しかも,弁座部材12へ
の熱負荷を少なくし得ると共に,厚肉の第1嵌合筒部1
2bを持つ弁座部材12の熱容量を大きくできるため,
弁座部材12の熱歪みを効果的に防ぐことができる。
【0054】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,前端に燃料出口及びそれに連なる弁座を有する弁座
部材と,この弁座部材に結合される弁ハウジング本体と
からなり,弁座と協働する弁体を収容すると共に,該弁
体の開弁ストロークを制限する開弁ストッパを有する,
燃料噴射弁の弁ハウジングにおいて,弁座部材及び弁ハ
ウジング本体の一方に形成した第1嵌合筒部を,それら
の他方に形成した第2嵌合筒部内に嵌合すると共に,第
1及び第2嵌合筒部間にかしめ結合部と,両嵌合筒部の
全周にわたる溶接部とを設けたので,第1及び第2嵌合
筒部の嵌合深さを調節することにより,弁体の開弁スト
ロークを調整することができ,しかも,溶接に伴なう熱
応力を小さく抑え得ると共に,その熱応力による弁ハウ
ジングの歪みを防ぐことができ,弁体の開弁ストローク
のばらつきをなくし,燃料噴射特性を安定させることが
できる。
【0056】また本発明の第2の特徴によれば,かしめ
結合部を,第1嵌合筒部の外周面に形成した環状溝に,
外周側からのかしめ力で第2嵌合筒部の内周面に隆起さ
せた突起を食い込ませて構成したので,結合力の大なる
かしめ結合部を簡単に得ることができる。
【0057】さらに本発明の第3の特徴によれば,弁ハ
ウジングの製造に当たり,第1嵌合筒部の外周面に第2
嵌合筒部を緩く嵌合する工程と,第1及び第2嵌合筒部
の嵌合深さを調節して弁体の開弁ストロークを決定する
工程と,第2嵌合筒部の外周からかしめ力を加えて,第
1及び第2嵌合筒部を相互にかしめ結合する工程と,第
1及び第2筒部の嵌合部を全周にわたり溶接する工程と
を順次行うので,第1及び第2嵌合筒部の嵌合深さを調
節するという,極めて簡単な作業により弁体の開弁スト
ロークを調整することができる。また,溶接工程で両嵌
合筒部に発生した熱応力に関係なく,弁ハウジングの熱
歪みを防ぐことができる。特に,上記溶接は,両嵌合筒
部間のシールを確保するに足る程度の溶接強度が得られ
ゝばよいので,溶接熱量の減少が可能となり,それだけ
弁ハウジングの熱応力を小さく抑えることができ,両嵌
合筒部のかしめ力が強力であることゝ相俟って,弁ハウ
ジングの熱歪みを効果的に防ぐことができる。
【0058】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
第1及び第2嵌合筒部を相互に嵌合する工程と,第1及
び第2嵌合筒部の嵌合深さを調節して弁体の開弁ストロ
ークを決定する工程との間に,第2嵌合筒部の外周から
比較的小さいかしめ力を加えて,第1及び第2嵌合筒部
を相互に仮止めする工程を行うので,第1及び第2嵌合
筒部を相互に仮止めすることにより,次の開弁ストロー
クの調整を容易,的確に行うことができる。
【0059】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
第1嵌合筒部の肉厚を厚く,第2嵌合筒部の肉厚を薄く
設定したので,第1及び第2嵌合筒部の強力なかしめ結
合を容易に行うことができると共に,かしめ力による第
1嵌合筒部の変形を防ぐことができる。
【0060】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,
第1嵌合筒部を弁座部材に,第2嵌合筒部を弁ハウジン
グ本体にそれぞれ形成し,これら第1及び第2筒部の嵌
合部を全周にわたり溶接する際,第1及び第2嵌合筒部
の境界線より第2嵌合筒部側にオフセットした点にレー
ザビームを照射して隅肉溶接するので,比較的小なる出
力をもって両嵌合筒部間を溶接することができ,しかも
弁座部材への熱負荷を少なくし得ると共に,弁座部材の
熱容量を大きくできるため,弁座部材の熱歪みを効果的
に防ぐことができる。
【0061】さらにまた本発明の第7の特徴によれば,
第1嵌合筒部の外周面にかしめ力を加える点を,該外周
面の周方向等間隔に並ぶ3箇所以上に設定するので,か
しめ後,第1及び第2嵌合筒部の同心性を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦
断面図。
【図2】図1の要部拡大図(閉弁状態)。
【図3】図2の3−3線拡大断面図。
【図4】上記燃料噴射弁の弁座部材及び弁ハウジング本
体の嵌合工程説明図。
【図5】同弁座部材及び弁ハウジング本体の仮止め工程
説明図。
【図6】同弁座部材及び弁ハウジング本体のかしめ結合
工程説明図。
【図7】同弁座部材及び弁ハウジング本体の溶接工程説
明図。
【符号の説明】 I・・・・・燃料噴射弁 A・・・・・開弁ストローク 10・・・・弁ハウジング 12a・・・弁座 13・・・・燃料出口 18・・・・弁体 41・・・・開弁ストッパ(固定ストッパ面) 48・・・・環状溝 49・・・・突起 50・・・・かしめ結合部 51・・・・溶接部 52・・・・レーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 之彦 宮城県角田市角田字流197−1 株式会社 ケーヒン角田開発センター内 Fターム(参考) 3G066 AA01 AB02 AD10 BA09 BA19 BA51 BA55 BA59 CC01 CC06U CC14 CC15 CC20 CC24 CC56 CD04 CD30 CE22 CE31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端に燃料出口(13)及びそれに連な
    る弁座(12a)を有する弁座部材(12)と,この弁
    座部材(12)に結合される弁ハウジング本体(11)
    とからなり,弁座(12a)と協働する弁体(18)を
    収容すると共に,該弁体(18)の開弁ストロークを制
    限する開弁ストッパ(41)を有する,燃料噴射弁の弁
    ハウジングにおいて,弁座部材(12)及び弁ハウジン
    グ本体(11)の一方に形成した第1嵌合筒部(12
    b)を,それらの他方に形成した第2嵌合筒部(11
    a)内に嵌合すると共に,第1及び第2嵌合筒部(12
    b,11a)間にかしめ結合部(50)と,両嵌合筒部
    (12b,11a)の全周にわたる溶接部(51)とを
    設けたことを特徴とする,燃料噴射弁の弁ハウジング。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料噴射弁の弁ハウジン
    グにおいて,かしめ結合部(50)を,第1嵌合筒部
    (12b)の外周面に形成した環状溝(48)に,外周
    側からのかしめ力で第2嵌合筒部(11a)の内周面に
    隆起させた突起(49)を食い込ませて構成したことを
    特徴とする,燃料噴射弁の弁ハウジング。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の燃料噴射弁の弁ハ
    ウジング(10)を製造するに当たり,第1嵌合筒部
    (12b)の外周面に第2嵌合筒部(11a)を緩く嵌
    合する工程と,第1及び第2嵌合筒部(12a,11
    a)の嵌合深さを調節して弁体(18)の開弁ストロー
    クを決定する工程と,第2嵌合筒部(11a)の外周か
    らかしめ力を加えて,第1及び第2嵌合筒部(12b,
    11a)を相互にかしめ結合する工程と,第1及び第2
    筒部(12b,11a)の嵌合部を全周にわたり溶接す
    る工程とを順次行うことを特徴とする,燃料噴射弁の弁
    ハウジングの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の燃料噴射弁の弁ハウジン
    グの製造方法において,第1及び第2嵌合筒部(12
    b,11a)を相互に嵌合する工程と,第1及び第2嵌
    合筒部(12a,11a)の嵌合深さを調節して弁体
    (18)の開弁ストロークを決定する工程との間に,第
    2嵌合筒部(11a)の外周から比較的小さいかしめ力
    を加えて,第1及び第2嵌合筒部(12b,11a)を
    相互に仮止めする工程を行うことを特徴とする,燃料噴
    射弁の弁ハウジングの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の燃料噴射弁の弁ハ
    ウジングの製造方法において,第1嵌合筒部(12b)
    の肉厚を厚く,第2嵌合筒部(11a)の肉厚を薄く設
    定したことを特徴とする,燃料噴射弁の弁ハウジングの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の燃料噴射弁の弁ハウジ
    ングの製造方法において,第1嵌合筒部(12b)を弁
    座部材(12)に,第2嵌合筒部(11a)を弁ハウジ
    ング本体(11)にそれぞれ形成し,これら第1及び第
    2筒部(12b,11a)の嵌合部を全周にわたり溶接
    する工程を行う際,第1及び第2嵌合筒部(12b,1
    1a)の境界線より第2嵌合筒部(11a)側にオフセ
    ットした点にレーザビーム(52)を照射して隅肉溶接
    することを特徴とする,燃料噴射弁の弁ハウジングの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6の何れかに記載の燃料噴射
    弁の弁ハウジングの製造方法において,第1嵌合筒部
    (12b)の外周面にかしめ力を加える点を,該外周面
    の周方向等間隔に並ぶ3箇所以上に設定することを特徴
    とする,燃料噴射弁の弁ハウジングの製造方法。
JP37509399A 1999-12-28 1999-12-28 燃料噴射弁の弁ハウジング及びその製造方法 Pending JP2001193608A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37509399A JP2001193608A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 燃料噴射弁の弁ハウジング及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37509399A JP2001193608A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 燃料噴射弁の弁ハウジング及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001193608A true JP2001193608A (ja) 2001-07-17

Family

ID=18504957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37509399A Pending JP2001193608A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 燃料噴射弁の弁ハウジング及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001193608A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004308703A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Keihin Corp 電磁式燃料噴射弁
KR100840507B1 (ko) 2007-05-29 2008-06-23 주식회사 케피코 엔진의 연료분사기 구조
JP2013204425A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Keihin Corp 筒内圧センサ付き燃料噴射弁

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004308703A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Keihin Corp 電磁式燃料噴射弁
KR100840507B1 (ko) 2007-05-29 2008-06-23 주식회사 케피코 엔진의 연료분사기 구조
JP2013204425A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Keihin Corp 筒内圧センサ付き燃料噴射弁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3037412B2 (ja) 電磁式に作動可能な弁
WO2011121839A1 (ja) 電磁式燃料噴射弁及びその製造方法
JP5389560B2 (ja) 電磁式燃料噴射弁
WO2005124142A1 (ja) 電磁式燃料噴射弁
EP1762722B1 (en) Method of producing electromagnetic fuel injection valve
JP5014090B2 (ja) 電磁式燃料噴射弁及びその製造方法
US6454188B1 (en) Fuel injection valve
JP2003206820A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP3719978B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2002089400A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP2001193608A (ja) 燃料噴射弁の弁ハウジング及びその製造方法
JP2001087882A (ja) 硬度が異なる二部材のビーム溶接方法
JP3819741B2 (ja) 電磁式燃料噴射弁
US7775464B2 (en) Electromagnetic fuel injection valve
JP2008063952A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP2008075478A (ja) 電磁式燃料噴射弁及びその製造方法
JP2002081356A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP4669852B2 (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP4767795B2 (ja) 電磁式燃料噴射弁
JPH10318079A (ja) 燃料噴射弁の製造方法
JP2002089397A (ja) 電磁式燃料噴射弁
WO2020110892A1 (ja) 燃料噴射弁
JP2010038111A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP2004076700A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP2003106237A (ja) 電磁式燃料噴射弁の製造方法