JP2001193581A - 燃料蒸気パージシステムの故障診断装置 - Google Patents
燃料蒸気パージシステムの故障診断装置Info
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- JP2001193581A JP2001193581A JP37391499A JP37391499A JP2001193581A JP 2001193581 A JP2001193581 A JP 2001193581A JP 37391499 A JP37391499 A JP 37391499A JP 37391499 A JP37391499 A JP 37391499A JP 2001193581 A JP2001193581 A JP 2001193581A
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- Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】故障診断時間の短縮化を図り、パージを効率的
に行うことができる燃料蒸気パージシステムの故障診断
装置を提供する。 【解決手段】燃料タンク1内で発生する燃料蒸気はキャ
ニスタ2に捕集され、捕集された燃料蒸気はパージ通路
8を介して吸気通路9にパージされる。ECU10は、
燃料タンク1及びキャニスタ2を密閉して測定した燃料
タンク1内での燃料蒸気の発生量と、パージ経路の内圧
と外圧との間に差圧を設けてパージ経路を密閉して測定
した内圧の挙動とに基づいて穴開き診断を行う。燃料蒸
気の発生量を測定する際に燃料タンク1内を大気圧にす
るが、燃料蒸気導入通路3と並列に設けられた第1圧力
室47の逆止弁49が開弁し、キャニスタ2から第1圧
力室47を介して燃料タンク1内に大量の大気が導入さ
れて燃料タンク1内が速やかに大気圧になる。
に行うことができる燃料蒸気パージシステムの故障診断
装置を提供する。 【解決手段】燃料タンク1内で発生する燃料蒸気はキャ
ニスタ2に捕集され、捕集された燃料蒸気はパージ通路
8を介して吸気通路9にパージされる。ECU10は、
燃料タンク1及びキャニスタ2を密閉して測定した燃料
タンク1内での燃料蒸気の発生量と、パージ経路の内圧
と外圧との間に差圧を設けてパージ経路を密閉して測定
した内圧の挙動とに基づいて穴開き診断を行う。燃料蒸
気の発生量を測定する際に燃料タンク1内を大気圧にす
るが、燃料蒸気導入通路3と並列に設けられた第1圧力
室47の逆止弁49が開弁し、キャニスタ2から第1圧
力室47を介して燃料タンク1内に大量の大気が導入さ
れて燃料タンク1内が速やかに大気圧になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
搭載される内燃機関に用いられる燃料蒸気パージシステ
ムの故障診断装置に関する。
搭載される内燃機関に用いられる燃料蒸気パージシステ
ムの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に搭載される装置とし
て、燃料タンク内で発生する燃料蒸気をキャニスタに捕
集し、その捕集された燃料蒸気を適宜キャニスタから吸
気通路へパージし、蒸発した燃料が大気中へ放出される
のを防止するようにした燃料蒸気パージシステムがあ
る。こうした燃料蒸気パージシステムは、燃料タンク内
にて発生した燃料蒸気を捕集するキャニスタと、燃料タ
ンクとキャニスタとを連通する燃料蒸気導入通路と、キ
ャニスタと吸気通路とを連通するパージ通路とを備える
システムとして構成される。また同システムにおいて、
パージ通路の通路途中には開閉制御の可能なパージ制御
弁が、キャニスタには大気導入の可能な大気導入制御弁
が備えられる。
て、燃料タンク内で発生する燃料蒸気をキャニスタに捕
集し、その捕集された燃料蒸気を適宜キャニスタから吸
気通路へパージし、蒸発した燃料が大気中へ放出される
のを防止するようにした燃料蒸気パージシステムがあ
る。こうした燃料蒸気パージシステムは、燃料タンク内
にて発生した燃料蒸気を捕集するキャニスタと、燃料タ
ンクとキャニスタとを連通する燃料蒸気導入通路と、キ
ャニスタと吸気通路とを連通するパージ通路とを備える
システムとして構成される。また同システムにおいて、
パージ通路の通路途中には開閉制御の可能なパージ制御
弁が、キャニスタには大気導入の可能な大気導入制御弁
が備えられる。
【0003】このような燃料蒸気パージシステムを備え
た内燃機関においては、何らかの原因で配管に穴が空い
たり配管が外れた場合には燃料蒸気が漏洩してキャニス
タや燃料タンクから大気中に放出されてしまう。
た内燃機関においては、何らかの原因で配管に穴が空い
たり配管が外れた場合には燃料蒸気が漏洩してキャニス
タや燃料タンクから大気中に放出されてしまう。
【0004】従って、このような燃料蒸気パージシステ
ムの漏洩発生の有無を自動的に診断することが必要とさ
れる。このため、従来では、燃料蒸気パージシステムの
内部と外部との間に差圧を設けた後、その内圧の挙動を
検出することで、漏洩故障を診断するシステムが提案さ
れている。例えば、燃料蒸気パージシステム内に内燃機
関の吸気系の負圧を導いた後、燃料蒸気パージシステム
内を、導入・排出通路をバルブにて閉じることにより密
閉し、その後の燃料蒸気パージシステムの内圧変化を測
定するものである。
ムの漏洩発生の有無を自動的に診断することが必要とさ
れる。このため、従来では、燃料蒸気パージシステムの
内部と外部との間に差圧を設けた後、その内圧の挙動を
検出することで、漏洩故障を診断するシステムが提案さ
れている。例えば、燃料蒸気パージシステム内に内燃機
関の吸気系の負圧を導いた後、燃料蒸気パージシステム
内を、導入・排出通路をバルブにて閉じることにより密
閉し、その後の燃料蒸気パージシステムの内圧変化を測
定するものである。
【0005】このような燃料蒸気パージシステムの故障
診断を行うための条件として、燃料蒸気の発生量が所定
範囲内に収まっていることが必要とされる。これは、パ
ージ経路の故障診断を行う際にパージ経路を負圧状態に
して同経路内における内圧の経時変化を検出するのであ
るが、パージ経路の穴開きや裂傷等に起因して大気圧が
導入されてパージ経路内の内圧が上昇したのか、燃料蒸
気の発生量が多いためにパージ経路内の内圧が上昇した
のかを診断することができないことによる。
診断を行うための条件として、燃料蒸気の発生量が所定
範囲内に収まっていることが必要とされる。これは、パ
ージ経路の故障診断を行う際にパージ経路を負圧状態に
して同経路内における内圧の経時変化を検出するのであ
るが、パージ経路の穴開きや裂傷等に起因して大気圧が
導入されてパージ経路内の内圧が上昇したのか、燃料蒸
気の発生量が多いためにパージ経路内の内圧が上昇した
のかを診断することができないことによる。
【0006】また、上記のような燃料蒸気パージシステ
ムとして、さらに燃料タンクの内部空間とキャニスタと
を常時連通させるようにしたものがある(特開平9−3
03218号公報)。この燃料蒸気パージシステムにお
いて、キャニスタと燃料タンクとは所定の流通抵抗を有
する燃料蒸気導入通路によって連通されており、この経
路によってキャニスタ内の圧力変化を燃料タンク内に急
激に伝えないようにしている。また、パージ経路の穴開
き診断を正確に行うために、燃料タンクを含むパージ経
路中の燃料蒸気の発生量を考慮して上記診断を行うよう
にしており、そのためにパージ経路内の圧力を大気圧に
して燃料蒸気の発生状況を判定する。ところが、燃料タ
ンク内の圧力が大気圧よりも低くなっている状態から大
気圧にするには上記燃料蒸気導入通路の流通抵抗のため
に時間がかかり、燃料タンク内の燃料残量が少なく空間
が大きい場合には特に時間がかかり、結局診断時間が長
くなってしまう。従って、燃料蒸気の発生量の測定時に
おいてパージカットしなければならず、パージを停止し
ている時間が長くなり、キャニスタ内の燃料蒸気のパー
ジ量不足になることがある。
ムとして、さらに燃料タンクの内部空間とキャニスタと
を常時連通させるようにしたものがある(特開平9−3
03218号公報)。この燃料蒸気パージシステムにお
いて、キャニスタと燃料タンクとは所定の流通抵抗を有
する燃料蒸気導入通路によって連通されており、この経
路によってキャニスタ内の圧力変化を燃料タンク内に急
激に伝えないようにしている。また、パージ経路の穴開
き診断を正確に行うために、燃料タンクを含むパージ経
路中の燃料蒸気の発生量を考慮して上記診断を行うよう
にしており、そのためにパージ経路内の圧力を大気圧に
して燃料蒸気の発生状況を判定する。ところが、燃料タ
ンク内の圧力が大気圧よりも低くなっている状態から大
気圧にするには上記燃料蒸気導入通路の流通抵抗のため
に時間がかかり、燃料タンク内の燃料残量が少なく空間
が大きい場合には特に時間がかかり、結局診断時間が長
くなってしまう。従って、燃料蒸気の発生量の測定時に
おいてパージカットしなければならず、パージを停止し
ている時間が長くなり、キャニスタ内の燃料蒸気のパー
ジ量不足になることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、その目的は、故障診断時間
の短縮化を図り、パージを効率的に行うことができる燃
料蒸気パージシステムの故障診断装置を提供することに
ある。
鑑みてなされたものであり、その目的は、故障診断時間
の短縮化を図り、パージを効率的に行うことができる燃
料蒸気パージシステムの故障診断装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、燃料タンク内で発生する燃料蒸気
をキャニスタに捕集し、その捕集した燃料蒸気を同燃料
タンクを含むパージ経路を介して内燃機関の吸気通路へ
パージするようにした燃料蒸気パージシステムと、前記
パージ経路の内圧と外圧との間に差圧を設けてパージ経
路を密閉して測定した内圧の挙動と、前記パージ経路に
大気圧を導入した後密閉して測定した燃料タンク内での
燃料蒸気の発生量とに基づいてパージ経路の穴開き診断
を行う診断手段とを備える燃料蒸気パージシステムの故
障診断装置において、前記燃料タンク内での燃料蒸気の
発生量の測定時に燃料タンク内に大気圧を導入するため
の大気圧導入手段を設けたことを要旨とする。
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、燃料タンク内で発生する燃料蒸気
をキャニスタに捕集し、その捕集した燃料蒸気を同燃料
タンクを含むパージ経路を介して内燃機関の吸気通路へ
パージするようにした燃料蒸気パージシステムと、前記
パージ経路の内圧と外圧との間に差圧を設けてパージ経
路を密閉して測定した内圧の挙動と、前記パージ経路に
大気圧を導入した後密閉して測定した燃料タンク内での
燃料蒸気の発生量とに基づいてパージ経路の穴開き診断
を行う診断手段とを備える燃料蒸気パージシステムの故
障診断装置において、前記燃料タンク内での燃料蒸気の
発生量の測定時に燃料タンク内に大気圧を導入するため
の大気圧導入手段を設けたことを要旨とする。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、燃料蒸気
の発生量を測定する際に大気圧導入手段によって燃料タ
ンク内に速やかに大気圧を導入することができ、故障診
断時間を短縮化することができる。また、故障診断時間
を短縮化することができるため、燃料蒸気のパージを効
率的に行うことができるようになる。
の発生量を測定する際に大気圧導入手段によって燃料タ
ンク内に速やかに大気圧を導入することができ、故障診
断時間を短縮化することができる。また、故障診断時間
を短縮化することができるため、燃料蒸気のパージを効
率的に行うことができるようになる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記燃料タンクと前記キャニスタとは所定の流通抵抗を有
する通路を介して連通されていることを要旨とする。
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記燃料タンクと前記キャニスタとは所定の流通抵抗を有
する通路を介して連通されていることを要旨とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記大気圧導入手段は、前記キャニスタと燃料タンクとの
間において、前記通路と並列に設けられ、かつ前記キャ
ニスタから燃料タンクへの気体の流れを許容する弁体を
有するバイパス通路であることを要旨とする。
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記大気圧導入手段は、前記キャニスタと燃料タンクとの
間において、前記通路と並列に設けられ、かつ前記キャ
ニスタから燃料タンクへの気体の流れを許容する弁体を
有するバイパス通路であることを要旨とする。
【0012】請求項2及び3のいずれかに記載の発明に
よれば、燃料蒸気の発生量を測定する際にバイパス通路
を介して燃料タンク内を速やかに大気圧にすることがで
き、故障診断時間の短縮化を図ることができるととも
に、故障診断後の燃料蒸気のパージを効率的に行うこと
ができるようになる。
よれば、燃料蒸気の発生量を測定する際にバイパス通路
を介して燃料タンク内を速やかに大気圧にすることがで
き、故障診断時間の短縮化を図ることができるととも
に、故障診断後の燃料蒸気のパージを効率的に行うこと
ができるようになる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記バイパス通路は前記燃料タンク内の圧力が前記キャニ
スタ内の圧力より低い状態からほぼ等しくなるまでの間
において連通されることを要旨とする。
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記バイパス通路は前記燃料タンク内の圧力が前記キャニ
スタ内の圧力より低い状態からほぼ等しくなるまでの間
において連通されることを要旨とする。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、キャニス
タ内の圧力と燃料タンク内の圧力との間に差圧がない状
態で燃料蒸気の発生量の測定を行うことができるため、
パージ経路の穴開き診断の判定精度を向上することがで
きる。
タ内の圧力と燃料タンク内の圧力との間に差圧がない状
態で燃料蒸気の発生量の測定を行うことができるため、
パージ経路の穴開き診断の判定精度を向上することがで
きる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記弁体の開状態から閉状態への動作を遅らせる遅延弁が
設けられていることを要旨とする。
の燃料蒸気パージシステムの故障診断装置において、前
記弁体の開状態から閉状態への動作を遅らせる遅延弁が
設けられていることを要旨とする。
【0016】請求項5に記載の発明によれば、遅延弁に
よってバイパス通路の弁体の開状態から閉状態への動作
が遅らされるため、燃料タンク内を大気圧に速く復帰さ
せることができ、燃料蒸気の発生量の測定を速やかに開
始することができ、故障診断時間を短縮化することがで
きる。
よってバイパス通路の弁体の開状態から閉状態への動作
が遅らされるため、燃料タンク内を大気圧に速く復帰さ
せることができ、燃料蒸気の発生量の測定を速やかに開
始することができ、故障診断時間を短縮化することがで
きる。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装
置において、前記診断手段は、パージ経路に導入した内
圧の挙動を測定した後、燃料蒸気の発生量の測定を行う
ことを要旨とする。
いずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断装
置において、前記診断手段は、パージ経路に導入した内
圧の挙動を測定した後、燃料蒸気の発生量の測定を行う
ことを要旨とする。
【0018】請求項6に記載の発明によれば、パージ経
路の穴開き有無の診断の際に保持された内圧が速やかに
大気圧に戻され、燃料蒸気の発生量の測定を速やかに開
始することができ、故障診断時間を短縮化することがで
きる。
路の穴開き有無の診断の際に保持された内圧が速やかに
大気圧に戻され、燃料蒸気の発生量の測定を速やかに開
始することができ、故障診断時間を短縮化することがで
きる。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項1及び2
のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断
装置において、前記大気導入手段は、前記キャニスタを
介さず燃料タンクに直接大気圧を導入するように構成さ
れていることを要旨とする。
のいずれかに記載の燃料蒸気パージシステムの故障診断
装置において、前記大気導入手段は、前記キャニスタを
介さず燃料タンクに直接大気圧を導入するように構成さ
れていることを要旨とする。
【0020】請求項7に記載の発明によれば、燃料蒸気
の発生量を測定する際に大気圧導入手段によってキャニ
スタを介さずに燃料タンク内に単独で大気圧を導入して
同タンク内を速やかに大気圧にすることができ、故障診
断時間の短縮化を図ることができるとともに、故障診断
後の燃料蒸気のパージを効率的に行うことができるよう
になる。
の発生量を測定する際に大気圧導入手段によってキャニ
スタを介さずに燃料タンク内に単独で大気圧を導入して
同タンク内を速やかに大気圧にすることができ、故障診
断時間の短縮化を図ることができるとともに、故障診断
後の燃料蒸気のパージを効率的に行うことができるよう
になる。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる燃料蒸気パージシステムの故障診断装置の第1実
施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
かかる燃料蒸気パージシステムの故障診断装置の第1実
施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
【0022】図1は、本実施形態としての燃料蒸気パー
ジシステム全体を表す概略説明図である。本燃料蒸気パ
ージシステムは自動車に搭載されているガソリンエンジ
ンに対して取り付けられている。
ジシステム全体を表す概略説明図である。本燃料蒸気パ
ージシステムは自動車に搭載されているガソリンエンジ
ンに対して取り付けられている。
【0023】ガソリンエンジンの燃料タンク1には、そ
の内部で発生する燃料蒸気をキャニスタ2に導入する燃
料蒸気導入通路3の一端がフロート3aを介して開口し
接続されている。この燃料蒸気導入通路3の他端はキャ
ニスタ2上部に設けられた圧力調整弁4を介して、キャ
ニスタ2と接続されている。
の内部で発生する燃料蒸気をキャニスタ2に導入する燃
料蒸気導入通路3の一端がフロート3aを介して開口し
接続されている。この燃料蒸気導入通路3の他端はキャ
ニスタ2上部に設けられた圧力調整弁4を介して、キャ
ニスタ2と接続されている。
【0024】図2に示すように、この圧力調整弁4内に
は隔壁46によりバイパス通路としての第1圧力室47
と第2圧力室48とが区画形成され、第2圧力室48は
燃料蒸気導入通路3に連通されている。第1圧力室47
はキャニスタ2と連通され、その一部には弁座49a及
び弁体49bよりなる逆止弁49が設けられている。そ
して、弁体49bは第2圧力室48に配設されたスプリ
ング50の付勢力によって弁座49a側に押圧されてい
るため、逆止弁49は閉弁状態となっている。従って、
キャニスタ2内の圧力が燃料タンク1内の圧力よりもス
プリング50の付勢力以上に高くなると、逆止弁49は
開弁し第1圧力室47と第2圧力室48とが連通され、
キャニスタ2から燃料タンク1への気体の流れが許容さ
れる。第2圧力室48内には流通抵抗としてのオリフィ
ス4aが設けられている。オリフィス4aは燃料タンク
1内部とキャニスタ2内部とを常時連通させているが、
キャニスタ2内の圧力変化を燃料タンク1内に急激に伝
えないようにするとともに、燃料タンク1内の圧力とキ
ャニスタ2の内圧とを漸次等しくするようになってい
る。
は隔壁46によりバイパス通路としての第1圧力室47
と第2圧力室48とが区画形成され、第2圧力室48は
燃料蒸気導入通路3に連通されている。第1圧力室47
はキャニスタ2と連通され、その一部には弁座49a及
び弁体49bよりなる逆止弁49が設けられている。そ
して、弁体49bは第2圧力室48に配設されたスプリ
ング50の付勢力によって弁座49a側に押圧されてい
るため、逆止弁49は閉弁状態となっている。従って、
キャニスタ2内の圧力が燃料タンク1内の圧力よりもス
プリング50の付勢力以上に高くなると、逆止弁49は
開弁し第1圧力室47と第2圧力室48とが連通され、
キャニスタ2から燃料タンク1への気体の流れが許容さ
れる。第2圧力室48内には流通抵抗としてのオリフィ
ス4aが設けられている。オリフィス4aは燃料タンク
1内部とキャニスタ2内部とを常時連通させているが、
キャニスタ2内の圧力変化を燃料タンク1内に急激に伝
えないようにするとともに、燃料タンク1内の圧力とキ
ャニスタ2の内圧とを漸次等しくするようになってい
る。
【0025】また、燃料タンク1には給油時に開弁する
差圧弁5が設けられている。この差圧弁5はブリーザ通
路7によりキャニスタ2と接続されている。従って、給
油時に差圧弁5が開弁すると、燃料タンク1内の燃料蒸
気はブリーザ通路7を通じてキャニスタ2内に導入され
る。
差圧弁5が設けられている。この差圧弁5はブリーザ通
路7によりキャニスタ2と接続されている。従って、給
油時に差圧弁5が開弁すると、燃料タンク1内の燃料蒸
気はブリーザ通路7を通じてキャニスタ2内に導入され
る。
【0026】キャニスタ2の内部はパージ通路8によっ
て吸気通路9の一部をなすサージタンク9aと連通され
ている。このパージ通路8には、パージ制御弁11が設
けられている。パージ制御弁11はマイクロコンピュー
タとして構成されているECU(電子制御ユニット)1
0からの制御信号に基づいて駆動回路11aにより開閉
駆動されている。
て吸気通路9の一部をなすサージタンク9aと連通され
ている。このパージ通路8には、パージ制御弁11が設
けられている。パージ制御弁11はマイクロコンピュー
タとして構成されているECU(電子制御ユニット)1
0からの制御信号に基づいて駆動回路11aにより開閉
駆動されている。
【0027】例えば、パージ制御弁11は、パージ制御
において、パージによりキャニスタ2側から吸気通路9
へ供給される燃料量を調整し、故障診断制御ではパージ
通路8の遮断・開放を行う。このパージ制御弁11とし
ては例えばバキュームスイッチングバルブ(VSV)等
が用いられる。
において、パージによりキャニスタ2側から吸気通路9
へ供給される燃料量を調整し、故障診断制御ではパージ
通路8の遮断・開放を行う。このパージ制御弁11とし
ては例えばバキュームスイッチングバルブ(VSV)等
が用いられる。
【0028】キャニスタ2の内部は上下方向に延びる仕
切板15によって、2つの室に区画され、圧力調整弁4
の下方に位置する主室16と、大気側制御弁14の下方
に位置し内容積が前記主室16より小さい副室17とが
それぞれ形成されている。また、主室16及び副室17
上部にはそれぞれ空気層18a,18bが形成され、空
気層18a,18bの下方には活性炭吸着材19a,1
9bが充填された吸着材層20a,20bがそれぞれ形
成されている。
切板15によって、2つの室に区画され、圧力調整弁4
の下方に位置する主室16と、大気側制御弁14の下方
に位置し内容積が前記主室16より小さい副室17とが
それぞれ形成されている。また、主室16及び副室17
上部にはそれぞれ空気層18a,18bが形成され、空
気層18a,18bの下方には活性炭吸着材19a,1
9bが充填された吸着材層20a,20bがそれぞれ形
成されている。
【0029】吸着材層20a,20bの上方及び下方に
はフィルタ20c,20dが設けられており、活性炭吸
着材19a,19bは両フィルタ20c,20dの間に
充填されている。また、フィルタ20dから下方の空間
は拡散室21とされ、この拡散室21により主室16と
副室17とは連通されている。
はフィルタ20c,20dが設けられており、活性炭吸
着材19a,19bは両フィルタ20c,20dの間に
充填されている。また、フィルタ20dから下方の空間
は拡散室21とされ、この拡散室21により主室16と
副室17とは連通されている。
【0030】主室16の上方におけるキャニスタ2上面
にはブリーザ通路7の一端が接続されている。ブリーザ
通路7の開口位置の図示左側にはパージ通路8が同様に
主室16に接続されている。
にはブリーザ通路7の一端が接続されている。ブリーザ
通路7の開口位置の図示左側にはパージ通路8が同様に
主室16に接続されている。
【0031】そして、特にパージ制御弁11が開弁状態
にあり、キャニスタ2内に大気圧よりも低い圧力が導入
されている状態で、パージ通路8内の空間が、順次、主
室16→圧力調整弁4→燃料蒸気導入通路3→燃料タン
ク1に連通することとなる。また、ブリーザ通路7内の
空間も本来主室16と連通しているため、パージ通路8
と同一空間を共有することとなる。以下、本明細書にお
いて、大気圧を基準としてそれよりも低い圧力を負圧と
いい、大気圧を基準としてそれよりも高い圧力を正圧と
いう。このように、キャニスタ2内に負圧が導入されて
いる状態で互いに連通する燃料蒸気パージシステム内の
共有空間がパージ経路となる。本実施の形態にかかる燃
料蒸気パージシステムの故障診断装置は、このパージ経
路の漏れの有無を判定することによってその故障の有無
を診断することとなる。
にあり、キャニスタ2内に大気圧よりも低い圧力が導入
されている状態で、パージ通路8内の空間が、順次、主
室16→圧力調整弁4→燃料蒸気導入通路3→燃料タン
ク1に連通することとなる。また、ブリーザ通路7内の
空間も本来主室16と連通しているため、パージ通路8
と同一空間を共有することとなる。以下、本明細書にお
いて、大気圧を基準としてそれよりも低い圧力を負圧と
いい、大気圧を基準としてそれよりも高い圧力を正圧と
いう。このように、キャニスタ2内に負圧が導入されて
いる状態で互いに連通する燃料蒸気パージシステム内の
共有空間がパージ経路となる。本実施の形態にかかる燃
料蒸気パージシステムの故障診断装置は、このパージ経
路の漏れの有無を判定することによってその故障の有無
を診断することとなる。
【0032】更に、副室17の上方におけるキャニスタ
2上面には、通気ポート25が形成されている。この通
気ポート25に連通するように大気側制御弁14が設け
られている。なお、通気ポート25の中間部には圧力封
鎖弁25aが配置されている。この圧力封鎖弁25aは
通常は開かれているが、ECU10により後述のごとく
故障診断時に開閉制御される。圧力封鎖弁25aとして
は例えばVSV等が用いられる。
2上面には、通気ポート25が形成されている。この通
気ポート25に連通するように大気側制御弁14が設け
られている。なお、通気ポート25の中間部には圧力封
鎖弁25aが配置されている。この圧力封鎖弁25aは
通常は開かれているが、ECU10により後述のごとく
故障診断時に開閉制御される。圧力封鎖弁25aとして
は例えばVSV等が用いられる。
【0033】図3に示すように、大気側制御弁14は、
大気開放制御弁12と大気導入制御弁13とが図示左右
に対向して配置されることで形成されている。大気開放
制御弁12に備えられたダイヤフラム12aの図示左側
には大気圧室12bが形成され、大気導入制御弁13に
備えられたダイヤフラム13aの図示右側には負圧室1
3bが形成されている。これら2つのダイヤフラム12
a,13aによって挟まれた空間は、隔壁28により2
つの圧力室に区画されている。そして、両圧力室の一方
は大気開放制御弁12の正圧室12dとされ、他方は大
気導入制御弁13の大気圧室13dとされている。
大気開放制御弁12と大気導入制御弁13とが図示左右
に対向して配置されることで形成されている。大気開放
制御弁12に備えられたダイヤフラム12aの図示左側
には大気圧室12bが形成され、大気導入制御弁13に
備えられたダイヤフラム13aの図示右側には負圧室1
3bが形成されている。これら2つのダイヤフラム12
a,13aによって挟まれた空間は、隔壁28により2
つの圧力室に区画されている。そして、両圧力室の一方
は大気開放制御弁12の正圧室12dとされ、他方は大
気導入制御弁13の大気圧室13dとされている。
【0034】前記隔壁28の一部には圧力ポート28a
が形成されるとともに、その先端開口部はダイヤフラム
13aによって閉塞可能とされている。大気圧室13d
には大気導入通路27が連通している。そして、ダイヤ
フラム13aは負圧室13bに配設されたスプリング1
3cの付勢力によって圧力ポート28aの先端開口部側
に押圧されているため、大気導入制御弁13は閉弁状態
となっている。
が形成されるとともに、その先端開口部はダイヤフラム
13aによって閉塞可能とされている。大気圧室13d
には大気導入通路27が連通している。そして、ダイヤ
フラム13aは負圧室13bに配設されたスプリング1
3cの付勢力によって圧力ポート28aの先端開口部側
に押圧されているため、大気導入制御弁13は閉弁状態
となっている。
【0035】また、負圧室13bとパージ通路8との間
には圧力遅延弁40が接続され、負圧室13b内には圧
力遅延弁40を介してパージ通路8に発生する圧力が導
入されている。圧力遅延弁40は隔壁41によって前記
負圧室13bに連通する圧力室42と前記パージ通路8
に連通する圧力室43に区画されている。隔壁41には
両圧力室42,43を連通するオリフィス44が設けら
れるとともに、圧力室42側から圧力室43側に圧力を
逃がすためのチェック弁45が設けられている。従っ
て、圧力室43(パージ通路8)の圧力が圧力室42
(負圧室13b)の圧力よりも高い場合にはチェック弁
45は閉鎖され、圧力室43の圧力はオリフィス44を
介して圧力室42に伝達されるため、圧力室42の圧力
は徐々に増加し、圧力室43の圧力上昇に遅れて圧力室
43の圧力に等しくなる。逆に、圧力室43(パージ通
路8)の圧力が圧力室42(負圧室13b)の圧力より
も低い場合にはチェック弁45が開放されるため、圧力
室42の圧力はオリフィス44及びチェック弁45を介
して圧力室43に伝達されるため、圧力室42の圧力は
急激に減少して圧力室43の圧力に等しくなる。
には圧力遅延弁40が接続され、負圧室13b内には圧
力遅延弁40を介してパージ通路8に発生する圧力が導
入されている。圧力遅延弁40は隔壁41によって前記
負圧室13bに連通する圧力室42と前記パージ通路8
に連通する圧力室43に区画されている。隔壁41には
両圧力室42,43を連通するオリフィス44が設けら
れるとともに、圧力室42側から圧力室43側に圧力を
逃がすためのチェック弁45が設けられている。従っ
て、圧力室43(パージ通路8)の圧力が圧力室42
(負圧室13b)の圧力よりも高い場合にはチェック弁
45は閉鎖され、圧力室43の圧力はオリフィス44を
介して圧力室42に伝達されるため、圧力室42の圧力
は徐々に増加し、圧力室43の圧力上昇に遅れて圧力室
43の圧力に等しくなる。逆に、圧力室43(パージ通
路8)の圧力が圧力室42(負圧室13b)の圧力より
も低い場合にはチェック弁45が開放されるため、圧力
室42の圧力はオリフィス44及びチェック弁45を介
して圧力室43に伝達されるため、圧力室42の圧力は
急激に減少して圧力室43の圧力に等しくなる。
【0036】従って、エンジン駆動時においてサージタ
ンク9a内に生じる負圧によりキャニスタ2内の吸着燃
料が吸気通路9側にパージ(放出)される際には、チェ
ック弁45が開放されるため、パージ通路8内の負圧P
n1と負圧室13b内の負圧Pn2の大きさは即座に等
しくなり、負圧Pn2がスプリング13cの押圧力以上
に達した時にダイヤフラム13aが大気導入通路27の
開口部から離間して大気導入制御弁13が開弁する。こ
のことにより、大気を大気導入通路27及び通気ポート
25を介して副室17側からキャニスタ2内に導入でき
る。この大気の導入により、主室16及び副室17内の
活性炭吸着材19a,19bに吸着されている燃料蒸気
がパージ通路8側へ流れて、サージタンク9a内を流れ
る吸入空気中にパージされる。
ンク9a内に生じる負圧によりキャニスタ2内の吸着燃
料が吸気通路9側にパージ(放出)される際には、チェ
ック弁45が開放されるため、パージ通路8内の負圧P
n1と負圧室13b内の負圧Pn2の大きさは即座に等
しくなり、負圧Pn2がスプリング13cの押圧力以上
に達した時にダイヤフラム13aが大気導入通路27の
開口部から離間して大気導入制御弁13が開弁する。こ
のことにより、大気を大気導入通路27及び通気ポート
25を介して副室17側からキャニスタ2内に導入でき
る。この大気の導入により、主室16及び副室17内の
活性炭吸着材19a,19bに吸着されている燃料蒸気
がパージ通路8側へ流れて、サージタンク9a内を流れ
る吸入空気中にパージされる。
【0037】また、故障診断時における負圧導入後にお
いて燃料タンク1内の圧力変化量、すなわち燃料蒸気の
発生量を測定するためにパージ制御弁11は閉鎖された
まま圧力封鎖弁25aが開かれてキャニスタ2及び燃料
タンク1内の圧力が大気圧に戻される。圧力封鎖弁25
aが開かれたときには、キャニスタ2、すなわちパージ
通路8内の負圧Pn1と負圧室13b内の負圧Pn2の
大きさは等しく、負圧Pn2がスプリング13cの押圧
力よりも大きいため、ダイヤフラム13aが大きく変位
し、大気導入通路27の先端部の開放量が大きくなって
大量の大気がキャニスタ2内に導入される。そのため、
パージ通路8(キャニスタ2)の圧力が急速に上昇して
大気圧に近づき、負圧Pn1が小さくなる。このとき、
チェック弁45は閉鎖するため、パージ通路8の負圧P
n1はオリフィス44を介して負圧室13bに伝達さ
れ、負圧室13bの負圧Pn2は徐々に小さくなる。負
圧Pn2がスプリング13cの押圧力よりも大きいた
め、ダイヤフラム13aが大きく変位し、大気導入通路
27の先端部の開放量が大きくなって大量の大気が導入
される。従って、キャニスタ2内の圧力が大気圧まで短
時間で復帰することとなる。
いて燃料タンク1内の圧力変化量、すなわち燃料蒸気の
発生量を測定するためにパージ制御弁11は閉鎖された
まま圧力封鎖弁25aが開かれてキャニスタ2及び燃料
タンク1内の圧力が大気圧に戻される。圧力封鎖弁25
aが開かれたときには、キャニスタ2、すなわちパージ
通路8内の負圧Pn1と負圧室13b内の負圧Pn2の
大きさは等しく、負圧Pn2がスプリング13cの押圧
力よりも大きいため、ダイヤフラム13aが大きく変位
し、大気導入通路27の先端部の開放量が大きくなって
大量の大気がキャニスタ2内に導入される。そのため、
パージ通路8(キャニスタ2)の圧力が急速に上昇して
大気圧に近づき、負圧Pn1が小さくなる。このとき、
チェック弁45は閉鎖するため、パージ通路8の負圧P
n1はオリフィス44を介して負圧室13bに伝達さ
れ、負圧室13bの負圧Pn2は徐々に小さくなる。負
圧Pn2がスプリング13cの押圧力よりも大きいた
め、ダイヤフラム13aが大きく変位し、大気導入通路
27の先端部の開放量が大きくなって大量の大気が導入
される。従って、キャニスタ2内の圧力が大気圧まで短
時間で復帰することとなる。
【0038】キャニスタ2内の圧力が大気圧側に上昇し
たとき、キャニスタ2内の圧力変化はオリフィス4aを
介して燃料タンク1内に緩やかに伝えられる。しかしな
がら、キャニスタ2内の圧力が燃料タンク1内の圧力よ
りもスプリング50の付勢力以上に高くなると、逆止弁
49が開弁し第1圧力室47と第2圧力室48とが連通
される。この結果、キャニスタ2から燃料タンク1への
気体の流れが許容され、大量の大気が燃料タンク1内に
導入される。従って、燃料タンク1内の圧力も大気圧ま
で短時間で復帰することとなる。
たとき、キャニスタ2内の圧力変化はオリフィス4aを
介して燃料タンク1内に緩やかに伝えられる。しかしな
がら、キャニスタ2内の圧力が燃料タンク1内の圧力よ
りもスプリング50の付勢力以上に高くなると、逆止弁
49が開弁し第1圧力室47と第2圧力室48とが連通
される。この結果、キャニスタ2から燃料タンク1への
気体の流れが許容され、大量の大気が燃料タンク1内に
導入される。従って、燃料タンク1内の圧力も大気圧ま
で短時間で復帰することとなる。
【0039】また、大気側制御弁14の上部には大気開
放制御弁12の大気圧室12bに通じる大気開放ポート
29が形成され、大気圧室12bの内部は常時大気圧と
されている。大気側制御弁14にはキャニスタ2内で燃
料成分が捕集された後の気体を外部に導出する大気排出
ポート26が設けられている。大気排出ポート26の先
端開口部は大気開放制御弁12のダイヤフラム12aに
よって閉塞可能とされている。そして、ダイヤフラム1
2aは、大気圧室12bに配設されたスプリング12c
の付勢力により大気排出ポート26の開口部側に押圧さ
れている。このため、大気開放制御弁12はキャニスタ
2の内圧が規定圧以上になるまで閉弁状態に保持され
る。
放制御弁12の大気圧室12bに通じる大気開放ポート
29が形成され、大気圧室12bの内部は常時大気圧と
されている。大気側制御弁14にはキャニスタ2内で燃
料成分が捕集された後の気体を外部に導出する大気排出
ポート26が設けられている。大気排出ポート26の先
端開口部は大気開放制御弁12のダイヤフラム12aに
よって閉塞可能とされている。そして、ダイヤフラム1
2aは、大気圧室12bに配設されたスプリング12c
の付勢力により大気排出ポート26の開口部側に押圧さ
れている。このため、大気開放制御弁12はキャニスタ
2の内圧が規定圧以上になるまで閉弁状態に保持され
る。
【0040】給油時にブリーザ通路7からキャニスタ2
内に圧力がかかると、大気開放制御弁12の正圧室12
dの圧力が高まる。そして、この正圧室12d内の圧力
と大気開放ポート29から大気圧室12bに導入される
大気圧との差圧が、規定圧差に達した時に大気開放制御
弁12が開弁する。このことにより、主室16と副室1
7とを経て燃料蒸気を除かれた気体が通気ポート25及
び大気排出ポート26を介して外部に排出される。
内に圧力がかかると、大気開放制御弁12の正圧室12
dの圧力が高まる。そして、この正圧室12d内の圧力
と大気開放ポート29から大気圧室12bに導入される
大気圧との差圧が、規定圧差に達した時に大気開放制御
弁12が開弁する。このことにより、主室16と副室1
7とを経て燃料蒸気を除かれた気体が通気ポート25及
び大気排出ポート26を介して外部に排出される。
【0041】次に、燃料タンク1の上部には嵌挿孔31
が形成され、この嵌挿孔31にはブリーザ通路7の一部
をなす筒状のブリーザ管32が挿入され固定されてい
る。ブリーザ管32の下部にはフロート弁33が形成さ
れている。また、燃料タンク1の上部にはブリーザ管3
2の上端開口部32aを覆うように差圧弁5が配設され
ている。差圧弁5の内部はダイヤフラム5aによって上
下に区画され、ダイヤフラム5aの上側には第1圧力室
5bが、下側には第2圧力室5cがそれぞれ形成されて
いる。ダイヤフラム5aは第1圧力室5bに配設された
スプリング5dの付勢力により、第2圧力室5c内に導
入されたブリーザ通路7の上端開口部7a側に押圧され
ている。このようにダイヤフラム5aによってブリーザ
通路7の上端開口部7aは閉塞可能とされている。
が形成され、この嵌挿孔31にはブリーザ通路7の一部
をなす筒状のブリーザ管32が挿入され固定されてい
る。ブリーザ管32の下部にはフロート弁33が形成さ
れている。また、燃料タンク1の上部にはブリーザ管3
2の上端開口部32aを覆うように差圧弁5が配設され
ている。差圧弁5の内部はダイヤフラム5aによって上
下に区画され、ダイヤフラム5aの上側には第1圧力室
5bが、下側には第2圧力室5cがそれぞれ形成されて
いる。ダイヤフラム5aは第1圧力室5bに配設された
スプリング5dの付勢力により、第2圧力室5c内に導
入されたブリーザ通路7の上端開口部7a側に押圧され
ている。このようにダイヤフラム5aによってブリーザ
通路7の上端開口部7aは閉塞可能とされている。
【0042】差圧弁5の第1圧力室5bは、圧力通路3
4によって燃料タンク1に設けられた燃料注入管36の
上部と連通されている。この燃料注入管36の下部側先
端部には絞り36aが形成されている。給油された燃料
がこの絞り36aを通過すると、燃料注入管36内部の
燃料蒸気の流れ方向は給油口36bから燃料タンク1側
に流れる方向に規制される。従って、給油口36bから
燃料蒸気が外部に漏出することを防止できる。なお、燃
料タンク1の上部と燃料注入管36の上部とを連通させ
る循環ライン管37が設けられており、給油時において
燃料タンク1内の燃料蒸気を燃料注入管36との間で循
環させて円滑な注油を可能としている。
4によって燃料タンク1に設けられた燃料注入管36の
上部と連通されている。この燃料注入管36の下部側先
端部には絞り36aが形成されている。給油された燃料
がこの絞り36aを通過すると、燃料注入管36内部の
燃料蒸気の流れ方向は給油口36bから燃料タンク1側
に流れる方向に規制される。従って、給油口36bから
燃料蒸気が外部に漏出することを防止できる。なお、燃
料タンク1の上部と燃料注入管36の上部とを連通させ
る循環ライン管37が設けられており、給油時において
燃料タンク1内の燃料蒸気を燃料注入管36との間で循
環させて円滑な注油を可能としている。
【0043】また、燃料タンク1の上部には燃料タンク
1内の圧力を検出するための圧力センサ1aが設けられ
ている。本実施形態において、圧力センサ1aは大気圧
を基準とする相対圧力を検出するものが用いられてい
る。圧力センサ1aによる検出信号はパージ制御や故障
診断制御を行っているECU10に出力されている。な
お、ECU10へは吸気通路9に設けられたエアフロー
メータ9c等の各種センサからの信号も出力されてい
る。
1内の圧力を検出するための圧力センサ1aが設けられ
ている。本実施形態において、圧力センサ1aは大気圧
を基準とする相対圧力を検出するものが用いられてい
る。圧力センサ1aによる検出信号はパージ制御や故障
診断制御を行っているECU10に出力されている。な
お、ECU10へは吸気通路9に設けられたエアフロー
メータ9c等の各種センサからの信号も出力されてい
る。
【0044】上記のように構成された燃料蒸気パージシ
ステムは以下のように機能する。燃料タンク1内におい
て燃料が蒸発し、燃料タンク1の内圧がキャニスタ2内
の圧力よりも大きくなると、燃料蒸気導入通路3内には
燃料タンク1からキャニスタ2に向かう燃料蒸気の流れ
が形成される。このため、燃料タンク1の燃料蒸気は圧
力調整弁4のオリフィス4aを介してキャニスタ2側に
導入される。この場合、差圧弁5の第1圧力室5bと第
2圧力室5cの内圧は等しいため、差圧弁5は閉弁状態
に保持されブリーザ通路7は閉鎖されている。
ステムは以下のように機能する。燃料タンク1内におい
て燃料が蒸発し、燃料タンク1の内圧がキャニスタ2内
の圧力よりも大きくなると、燃料蒸気導入通路3内には
燃料タンク1からキャニスタ2に向かう燃料蒸気の流れ
が形成される。このため、燃料タンク1の燃料蒸気は圧
力調整弁4のオリフィス4aを介してキャニスタ2側に
導入される。この場合、差圧弁5の第1圧力室5bと第
2圧力室5cの内圧は等しいため、差圧弁5は閉弁状態
に保持されブリーザ通路7は閉鎖されている。
【0045】燃料蒸気導入通路3を介してキャニスタ2
内部に到達した燃料蒸気は、まず、主室16側の吸着材
層20aに充填された活性炭吸着材19aによって燃料
成分が捕集される。続いて、燃料蒸気は吸着材層20a
を抜けて拡散室21に達する。さらに、燃料蒸気は拡散
室21を通過して副室17に導入され、副室17側の吸
着材層20bにおいて、主室16側の吸着材層20aで
捕集しきれなかった燃料成分が捕集される。このように
燃料蒸気はキャニスタ2内部をU字状の移動経路に沿っ
て流れるため、吸着材層20a,20bの活性炭吸着材
19a,19bに接触する時間が長くなり燃料成分が効
果的に捕集される。
内部に到達した燃料蒸気は、まず、主室16側の吸着材
層20aに充填された活性炭吸着材19aによって燃料
成分が捕集される。続いて、燃料蒸気は吸着材層20a
を抜けて拡散室21に達する。さらに、燃料蒸気は拡散
室21を通過して副室17に導入され、副室17側の吸
着材層20bにおいて、主室16側の吸着材層20aで
捕集しきれなかった燃料成分が捕集される。このように
燃料蒸気はキャニスタ2内部をU字状の移動経路に沿っ
て流れるため、吸着材層20a,20bの活性炭吸着材
19a,19bに接触する時間が長くなり燃料成分が効
果的に捕集される。
【0046】そして、燃料成分の大部分が吸着材層20
a,20bの活性炭吸着材19a,19bによって捕集
された気体は大気開放制御弁12を開弁するとともに、
大気排出ポート26を通じて外部に放出される。この
時、大気導入制御弁13の負圧室13bの内圧は大気圧
室13dの内圧より大きい正圧となっているため、大気
導入制御弁13は開弁しない。従って、大気導入制御弁
13を介して、大気導入通路27から燃料蒸気が外部に
漏出することはない。
a,20bの活性炭吸着材19a,19bによって捕集
された気体は大気開放制御弁12を開弁するとともに、
大気排出ポート26を通じて外部に放出される。この
時、大気導入制御弁13の負圧室13bの内圧は大気圧
室13dの内圧より大きい正圧となっているため、大気
導入制御弁13は開弁しない。従って、大気導入制御弁
13を介して、大気導入通路27から燃料蒸気が外部に
漏出することはない。
【0047】次に、キャニスタ2内に捕集された燃料成
分は以下のようにして吸気通路9に供給される。エンジ
ンが始動されるとパージ通路8のサージタンク9a側開
口部近傍は負圧(大気圧よりも低い圧力)に転じる。そ
して、ECU10の制御信号によりパージ制御弁11が
開放駆動される毎に、パージ通路8の内部にはキャニス
タ2側からサージタンク9a側へ向かう燃料蒸気の流れ
が形成される。
分は以下のようにして吸気通路9に供給される。エンジ
ンが始動されるとパージ通路8のサージタンク9a側開
口部近傍は負圧(大気圧よりも低い圧力)に転じる。そ
して、ECU10の制御信号によりパージ制御弁11が
開放駆動される毎に、パージ通路8の内部にはキャニス
タ2側からサージタンク9a側へ向かう燃料蒸気の流れ
が形成される。
【0048】従って、キャニスタ2内部は負圧となり、
大気導入制御弁13が開弁するとともに、大気導入通路
27を通してキャニスタ2内部に副室17側から空気が
導入される。そして、活性炭吸着材19a,19bに吸
着されている燃料成分はその空気により離脱され、空気
中に吸収される。
大気導入制御弁13が開弁するとともに、大気導入通路
27を通してキャニスタ2内部に副室17側から空気が
導入される。そして、活性炭吸着材19a,19bに吸
着されている燃料成分はその空気により離脱され、空気
中に吸収される。
【0049】このようにして導入された空気により燃料
蒸気はパージ通路8内に導かれ、パージ制御弁11を介
してサージタンク9a内に放出される。サージタンク9
a内において、燃料蒸気はエアクリーナ9b、エアフロ
ーメータ9c及びスロットルバルブ9dを通過した吸入
空気と混合され、シリンダ(図示略)内に供給される。
そして、吸入空気と混合された燃料蒸気は、燃料タンク
1内の燃料ポンプ38を介して燃料噴射弁39から吐出
された燃料とともに、シリンダ内において燃焼される。
蒸気はパージ通路8内に導かれ、パージ制御弁11を介
してサージタンク9a内に放出される。サージタンク9
a内において、燃料蒸気はエアクリーナ9b、エアフロ
ーメータ9c及びスロットルバルブ9dを通過した吸入
空気と混合され、シリンダ(図示略)内に供給される。
そして、吸入空気と混合された燃料蒸気は、燃料タンク
1内の燃料ポンプ38を介して燃料噴射弁39から吐出
された燃料とともに、シリンダ内において燃焼される。
【0050】一方、長時間の駐車等により、燃料タンク
1が冷却され、燃料タンク1内の燃料蒸気の発生が止ま
り、燃料タンク1内部の圧力が相対的にキャニスタ2内
部より低くなった場合には、圧力調整弁4の圧力は負圧
となる。従って、オリフィス4aを介してキャニスタ2
内の燃料蒸気は燃料蒸気導入通路3を通じて燃料タンク
1に戻される。
1が冷却され、燃料タンク1内の燃料蒸気の発生が止ま
り、燃料タンク1内部の圧力が相対的にキャニスタ2内
部より低くなった場合には、圧力調整弁4の圧力は負圧
となる。従って、オリフィス4aを介してキャニスタ2
内の燃料蒸気は燃料蒸気導入通路3を通じて燃料タンク
1に戻される。
【0051】次に、ECU10が実行する燃料蒸気パー
ジシステムに対する故障診断処理について説明する。図
4〜図6に故障診断処理のフローチャートを示す。また
処理の一例を図7,8のタイミングチャートに示す。な
お、以下の故障診断処理において、燃料タンク内圧は、
大気圧を基準とする相対圧力である。
ジシステムに対する故障診断処理について説明する。図
4〜図6に故障診断処理のフローチャートを示す。また
処理の一例を図7,8のタイミングチャートに示す。な
お、以下の故障診断処理において、燃料タンク内圧は、
大気圧を基準とする相対圧力である。
【0052】本診断処理はECU10の電源オン後に必
要な初期設定が行われ、その後、故障診断処理実行条件
が成立すると実行される。この故障診断処理実行条件
は、故障診断のために燃料蒸気パージシステム内に吸気
負圧を導入してもよい状態になったことを示すものであ
る。例えば、圧力センサ1aやその他のセンサに異常が
無く、エンジンが運転を開始してから、ある程度の時間
が経過して運転が安定した場合に故障診断処理実行条件
は成立する。
要な初期設定が行われ、その後、故障診断処理実行条件
が成立すると実行される。この故障診断処理実行条件
は、故障診断のために燃料蒸気パージシステム内に吸気
負圧を導入してもよい状態になったことを示すものであ
る。例えば、圧力センサ1aやその他のセンサに異常が
無く、エンジンが運転を開始してから、ある程度の時間
が経過して運転が安定した場合に故障診断処理実行条件
は成立する。
【0053】図4は、燃料タンク1内の圧力変化量を計
測するための「圧力変化量計測制御ルーチン」を示すフ
ローチャートである。本ルーチンは、ECU10により
所定時間毎に周期的に実行される。
測するための「圧力変化量計測制御ルーチン」を示すフ
ローチャートである。本ルーチンは、ECU10により
所定時間毎に周期的に実行される。
【0054】前述したように、エンジンの運転が安定す
ると、まず、ステップ200において、エンジン冷却水
温が所定温度THW0(例えば40℃)未満かどうかを
判定する。エンジン冷却水温がTHW0未満であると判
定すると、ステップ240に処理を移行する。エンジン
冷却水温がTHW0以上であると判定すると、ステップ
210に進む。
ると、まず、ステップ200において、エンジン冷却水
温が所定温度THW0(例えば40℃)未満かどうかを
判定する。エンジン冷却水温がTHW0未満であると判
定すると、ステップ240に処理を移行する。エンジン
冷却水温がTHW0以上であると判定すると、ステップ
210に進む。
【0055】ステップ210において、本トリップ(エ
ンジンが始動されてから停止されるまでの期間)でパー
ジ実行履歴フラグがONかどうかを判定する。パージ実
行履歴フラグがONであると判定すると、ステップ24
0に処理を移行する。パージ実行履歴フラグがOFF、
すなわち本トリップでエンジン始動後、未だパージが実
行されていないと判定すると、ステップ220に進み、
燃料タンク1内の燃料蒸気の発生に伴う圧力変化量ΔP
1を計測する。
ンジンが始動されてから停止されるまでの期間)でパー
ジ実行履歴フラグがONかどうかを判定する。パージ実
行履歴フラグがONであると判定すると、ステップ24
0に処理を移行する。パージ実行履歴フラグがOFF、
すなわち本トリップでエンジン始動後、未だパージが実
行されていないと判定すると、ステップ220に進み、
燃料タンク1内の燃料蒸気の発生に伴う圧力変化量ΔP
1を計測する。
【0056】図5はステップ220の圧力変化量の計測
ルーチンを示している。まず、ステップ221におい
て、圧力封鎖弁25aを開放し、パージ制御弁11を閉
鎖する。これにより、燃料タンク1内が負圧状態である
場合には大気導入制御弁13が開いて大気導入通路27
を介してキャニスタ2内に大気が導入されるとともに、
逆止弁49が開いて燃料タンク1内に大気が導入され、
燃料タンク1内の圧力が大気圧まで急速に上昇する。
ルーチンを示している。まず、ステップ221におい
て、圧力封鎖弁25aを開放し、パージ制御弁11を閉
鎖する。これにより、燃料タンク1内が負圧状態である
場合には大気導入制御弁13が開いて大気導入通路27
を介してキャニスタ2内に大気が導入されるとともに、
逆止弁49が開いて燃料タンク1内に大気が導入され、
燃料タンク1内の圧力が大気圧まで急速に上昇する。
【0057】次のステップ222において、圧力センサ
1aにて検出される燃料タンク1内の圧力(大気圧を基
準とする相対圧力)Piが0kPA(0mmHg)未満
であるかどうかを判定する。圧力P1が0kPA未満で
あると判定すると、一旦本圧力変化計測ルーチンを抜け
る。圧力P1が0kPA以上であると判定すると、ステ
ップ223に進む。
1aにて検出される燃料タンク1内の圧力(大気圧を基
準とする相対圧力)Piが0kPA(0mmHg)未満
であるかどうかを判定する。圧力P1が0kPA未満で
あると判定すると、一旦本圧力変化計測ルーチンを抜け
る。圧力P1が0kPA以上であると判定すると、ステ
ップ223に進む。
【0058】ステップ223において、圧力封鎖弁25
aを閉鎖するとともに、パージ制御弁11を閉鎖し、続
くステップ224において、ΔP1計測用カウンタをカ
ウントアップする。
aを閉鎖するとともに、パージ制御弁11を閉鎖し、続
くステップ224において、ΔP1計測用カウンタをカ
ウントアップする。
【0059】従って、図7に示すように、時刻t0にて
燃料タンク1の内圧は燃料蒸気の発生に伴って0kPA
から変化する。次のステップ225において、ΔP1計
測用カウンタの計測時間が所定時間T1(例えば15
秒)未満かどうかを判定する。ΔP1計測用カウンタの
計測時間が所定時間T1未満であると判定すると、一旦
本圧力変化計測ルーチンを抜ける。ΔP1計測用カウン
タの計測時間が所定時間T1以上であると判定すると、
ステップ226に進み、現在の圧力Piから時間T1前
の圧力Pi-1 を引くことによって圧力変化量ΔP1を算
出する。
燃料タンク1の内圧は燃料蒸気の発生に伴って0kPA
から変化する。次のステップ225において、ΔP1計
測用カウンタの計測時間が所定時間T1(例えば15
秒)未満かどうかを判定する。ΔP1計測用カウンタの
計測時間が所定時間T1未満であると判定すると、一旦
本圧力変化計測ルーチンを抜ける。ΔP1計測用カウン
タの計測時間が所定時間T1以上であると判定すると、
ステップ226に進み、現在の圧力Piから時間T1前
の圧力Pi-1 を引くことによって圧力変化量ΔP1を算
出する。
【0060】従って、図7に示すように、時刻t1にて
燃料タンク1内の圧力変化量ΔP1が算出される。ま
た、時刻t1において、圧力封鎖弁25aを開放すると
ともに、パージ制御弁11を開状態にすることによりパ
ージが開始される。
燃料タンク1内の圧力変化量ΔP1が算出される。ま
た、時刻t1において、圧力封鎖弁25aを開放すると
ともに、パージ制御弁11を開状態にすることによりパ
ージが開始される。
【0061】そして、次のステップ227において、Δ
P1計測用カウンタをクリアして本ルーチンを終了し、
ステップ230に進む。ステップ230において、ΔP
1計測済フラグをONに設定し、ステップ240に進
む。
P1計測用カウンタをクリアして本ルーチンを終了し、
ステップ230に進む。ステップ230において、ΔP
1計測済フラグをONに設定し、ステップ240に進
む。
【0062】ステップ240において、ΔP1計測済フ
ラグがOFFかどうかを判定し、ΔP1計測済フラグが
OFFであると判定すると一旦本圧力変化量計測制御ル
ーチンを抜ける。ΔP1計測済フラグがONであると判
定すると、ステップ250において、ΔP1計測後カウ
ンタをカウントアップする。
ラグがOFFかどうかを判定し、ΔP1計測済フラグが
OFFであると判定すると一旦本圧力変化量計測制御ル
ーチンを抜ける。ΔP1計測済フラグがONであると判
定すると、ステップ250において、ΔP1計測後カウ
ンタをカウントアップする。
【0063】次のステップ260において、ΔP1計測
後カウンタの計測時間が所定時間T0(例えば3分)未
満かどうかを判定する。ΔP1計測後カウンタの計測時
間が所定時間T0未満であると判定すると、一旦本圧力
変化量計測制御ルーチンを抜ける。ΔP1計測後カウン
タの計測時間が所定時間T0以上であると判定すると、
前記ステップ226にて計測した圧力変化量ΔP1をク
リアする。
後カウンタの計測時間が所定時間T0(例えば3分)未
満かどうかを判定する。ΔP1計測後カウンタの計測時
間が所定時間T0未満であると判定すると、一旦本圧力
変化量計測制御ルーチンを抜ける。ΔP1計測後カウン
タの計測時間が所定時間T0以上であると判定すると、
前記ステップ226にて計測した圧力変化量ΔP1をク
リアする。
【0064】そして、次のステップ280において、Δ
P1計測済フラグをOFFに設定し、続くステップ29
0において、ΔP1計測後カウンタをクリアして本ルー
チンを終了する。
P1計測済フラグをOFFに設定し、続くステップ29
0において、ΔP1計測後カウンタをクリアして本ルー
チンを終了する。
【0065】図6は、燃料蒸気パージシステムの故障を
検出するための「故障診断ルーチン」を示すフローチャ
ートである。本ルーチンは、ECU10により所定時間
毎に周期的に実行される。
検出するための「故障診断ルーチン」を示すフローチャ
ートである。本ルーチンは、ECU10により所定時間
毎に周期的に実行される。
【0066】さて、処理がこのルーチンに移行すると、
まずステップ300において、故障診断の前提条件不成
立であるかどうかを判定する。前提条件は具体的には、
パージ経路の漏れ診断が未完了であること、パージ実行
中であること、標高が所定高さ(例えば2400m)以
下、すなわち気圧が所定値以上であること、エンジンの
始動時の冷却水温が所定の範囲(例えば、−10℃〜3
5℃)の範囲内にあること、登降坂走行中でないこと等
である。前提条件におけるすべての条件が全て満たされ
ているときにのみ前提条件が成立しているものとみな
す。
まずステップ300において、故障診断の前提条件不成
立であるかどうかを判定する。前提条件は具体的には、
パージ経路の漏れ診断が未完了であること、パージ実行
中であること、標高が所定高さ(例えば2400m)以
下、すなわち気圧が所定値以上であること、エンジンの
始動時の冷却水温が所定の範囲(例えば、−10℃〜3
5℃)の範囲内にあること、登降坂走行中でないこと等
である。前提条件におけるすべての条件が全て満たされ
ているときにのみ前提条件が成立しているものとみな
す。
【0067】そして、ステップ300ですべての条件が
満たされていると判定すると、その処理をステップ31
0に移行し、1つでも満たされていないと判定すると一
旦本ルーチンを終了する。
満たされていると判定すると、その処理をステップ31
0に移行し、1つでも満たされていないと判定すると一
旦本ルーチンを終了する。
【0068】ステップ310において、漏れ判定が終了
したかどうかを判定し、肯定判定の場合には処理をステ
ップ370に移行し、漏れ判定が終了していないと判定
すると、ステップ320に進む。
したかどうかを判定し、肯定判定の場合には処理をステ
ップ370に移行し、漏れ判定が終了していないと判定
すると、ステップ320に進む。
【0069】ステップ320において、圧力封鎖弁25
aを閉鎖し、パージ制御弁11を開放する。圧力封鎖弁
25aが閉状態であるので燃料蒸気パージシステム内に
は大気が入らない状態となる。そして、パージ制御弁1
1は開状態であるのでキャニスタ2にはパージ通路8か
らサージタンク9a内の負圧が導入される。また、燃料
タンク1内には、キャニスタ2、オリフィス4a及び燃
料蒸気導入通路3を介して負圧が導入される。
aを閉鎖し、パージ制御弁11を開放する。圧力封鎖弁
25aが閉状態であるので燃料蒸気パージシステム内に
は大気が入らない状態となる。そして、パージ制御弁1
1は開状態であるのでキャニスタ2にはパージ通路8か
らサージタンク9a内の負圧が導入される。また、燃料
タンク1内には、キャニスタ2、オリフィス4a及び燃
料蒸気導入通路3を介して負圧が導入される。
【0070】従って、図7に示すように、時刻t2にて
燃料蒸気パージシステムに負圧が導入された後、圧力セ
ンサ1aにて検出される燃料タンク1の内圧は急速に下
降する。この状態で時刻t3において一旦パージ制御弁
11を閉弁すると、パージ経路内が負圧状態のままで密
閉される。このときパージ経路に異常がなければ、燃料
タンク1内の燃料が蒸発することにより、パージ経路内
の圧力は、徐々に経路内に残った空気及び燃料蒸気が平
衡状態に達したときの圧力に近づいていくこととなる。
一方、パージ経路に漏れがある場合には、パージ経路内
の圧力は急速に外気圧(大気圧)に近づいていくことと
なる。
燃料蒸気パージシステムに負圧が導入された後、圧力セ
ンサ1aにて検出される燃料タンク1の内圧は急速に下
降する。この状態で時刻t3において一旦パージ制御弁
11を閉弁すると、パージ経路内が負圧状態のままで密
閉される。このときパージ経路に異常がなければ、燃料
タンク1内の燃料が蒸発することにより、パージ経路内
の圧力は、徐々に経路内に残った空気及び燃料蒸気が平
衡状態に達したときの圧力に近づいていくこととなる。
一方、パージ経路に漏れがある場合には、パージ経路内
の圧力は急速に外気圧(大気圧)に近づいていくことと
なる。
【0071】ステップ330において、圧力上昇に基づ
き、パージ経路内圧が所定負圧(−2.0kPA=−1
5mmHg)に達した時刻t4において、その圧力変化
速度ΔP(−15)(mmHg/秒、またはkPA/
秒)を計測する。
き、パージ経路内圧が所定負圧(−2.0kPA=−1
5mmHg)に達した時刻t4において、その圧力変化
速度ΔP(−15)(mmHg/秒、またはkPA/
秒)を計測する。
【0072】そして、次のステップ340において、計
測した圧力変化速度ΔP(−15)が正常判定値Pa未
満かどうかを判定する。ステップ340において圧力変
化速度ΔP(−15)が正常判定値Pa未満であると判
定するとステップ350に移行し、圧力変化速度ΔP
(−15)が正常判定値Pa以上であると判定するとス
テップ360に進む。ステップ350では穴故障なしと
の正常判定を行い、ステップ410に進む。
測した圧力変化速度ΔP(−15)が正常判定値Pa未
満かどうかを判定する。ステップ340において圧力変
化速度ΔP(−15)が正常判定値Pa未満であると判
定するとステップ350に移行し、圧力変化速度ΔP
(−15)が正常判定値Pa以上であると判定するとス
テップ360に進む。ステップ350では穴故障なしと
の正常判定を行い、ステップ410に進む。
【0073】ステップ360において、圧力変化速度Δ
P(−15)が異常判定値Pb未満かどうかを判定す
る。ステップ360において圧力変化速度ΔP(−1
5)が異常判定値Pb未満であると判定すると正常異常
の判定を行わずステップ410に進み、圧力変化速度Δ
P(−15)が異常判定値Pb以上であると判定すると
ステップ370に進む。
P(−15)が異常判定値Pb未満かどうかを判定す
る。ステップ360において圧力変化速度ΔP(−1
5)が異常判定値Pb未満であると判定すると正常異常
の判定を行わずステップ410に進み、圧力変化速度Δ
P(−15)が異常判定値Pb以上であると判定すると
ステップ370に進む。
【0074】ステップ370において、ΔP1計測済フ
ラグがONかどうかを判定し、ΔP1計測済フラグがO
Nであると判定するとステップ390に移行し、ΔP1
計測済フラグがOFFであると判定すると、ステップ3
80に進む。
ラグがONかどうかを判定し、ΔP1計測済フラグがO
Nであると判定するとステップ390に移行し、ΔP1
計測済フラグがOFFであると判定すると、ステップ3
80に進む。
【0075】ステップ380において、前記ステップ2
20と同様にして圧力変化量ΔP1を計測する。従っ
て、図7に示すように時刻t5にて燃料タンク1の内圧
は燃料蒸気の発生に伴って0kPA(0mmHg)から
変化し、時刻t6にて燃料タンク1内の圧力変化量ΔP
1が算出される。
20と同様にして圧力変化量ΔP1を計測する。従っ
て、図7に示すように時刻t5にて燃料タンク1の内圧
は燃料蒸気の発生に伴って0kPA(0mmHg)から
変化し、時刻t6にて燃料タンク1内の圧力変化量ΔP
1が算出される。
【0076】次のステップ390において、圧力変化量
ΔP1が所定値P0(例えば0.267kPA=2mm
Hg)より大きいかどうかを判定する。これは、圧力変
化量ΔP1が異常判定値Pbより大きくなった原因が、
パージ経路の漏れによるものか、燃料タンク1での燃料
蒸気の発生量が多いことによるものかを判定するためで
ある。ステップ390において圧力変化量ΔP1が所定
値P0より大きいと判定すると、正常異常の判定を行わ
ずステップ410に進み、圧力変化量ΔP1が所定値P
0以下であると判定するとステップ400に進む。
ΔP1が所定値P0(例えば0.267kPA=2mm
Hg)より大きいかどうかを判定する。これは、圧力変
化量ΔP1が異常判定値Pbより大きくなった原因が、
パージ経路の漏れによるものか、燃料タンク1での燃料
蒸気の発生量が多いことによるものかを判定するためで
ある。ステップ390において圧力変化量ΔP1が所定
値P0より大きいと判定すると、正常異常の判定を行わ
ずステップ410に進み、圧力変化量ΔP1が所定値P
0以下であると判定するとステップ400に進む。
【0077】ステップ400では穴故障ありとの異常判
定を行い、ステップ410に進む。そして、ステップ4
10において、漏れ診断を完了し、時刻t6において、
圧力封鎖弁25aを開放するとともに、パージ制御弁1
1を開状態にすることによりパージが開始される。
定を行い、ステップ410に進む。そして、ステップ4
10において、漏れ診断を完了し、時刻t6において、
圧力封鎖弁25aを開放するとともに、パージ制御弁1
1を開状態にすることによりパージが開始される。
【0078】また、ステップ380において圧力変化量
ΔP1を計測するに際し、図8に示すように、時刻t4
にてパージ制御弁11は閉鎖されたまま圧力封鎖弁25
aが開かれて燃料タンク1内の圧力が大気圧に戻され
る。圧力封鎖弁25aが開かれたときには、パージ通路
8(キャニスタ2)内の負圧Pn1と負圧室13b内の
負圧Pn2の大きさは等しく、負圧Pn2がスプリング
13cの押圧力よりも大きいため、ダイヤフラム13a
が大きく変位し、大気導入通路27の先端部の開放量が
大きくなって大量の大気が導入される。そのため、パー
ジ通路8の圧力が急速に上昇して大気圧に近づき、負圧
Pn1が小さくなる。このとき、チェック弁45は閉鎖
するため、負圧室13bの負圧Pn2は徐々に小さくな
る。キャニスタ2内の負圧Pn1が大気圧側に上昇し、
キャニスタ2内の圧力が燃料タンク1内の圧力よりもス
プリング50の付勢力以上に高くなると、逆止弁49が
開弁し第1圧力室47と第2圧力室48とが連通され
る。この結果、キャニスタ2から燃料タンク1への気体
の流れが許容されて大量の大気が燃料タンク1内に導入
され、燃料タンク1内の圧力はキャニスタ2内の負圧P
n1と同様にして時刻t5にてほぼ大気圧付近まで上昇
することとなる。従って、キャニスタ2及び燃料タンク
1内の圧力が大気圧まで復帰するのに要する時間は時刻
t4から時刻t5までの短時間となる。なお、大気導入
制御弁13は負圧室13bの負圧がスプリング13cの
押圧力未満となる時刻t5aに閉鎖されることになる。
ΔP1を計測するに際し、図8に示すように、時刻t4
にてパージ制御弁11は閉鎖されたまま圧力封鎖弁25
aが開かれて燃料タンク1内の圧力が大気圧に戻され
る。圧力封鎖弁25aが開かれたときには、パージ通路
8(キャニスタ2)内の負圧Pn1と負圧室13b内の
負圧Pn2の大きさは等しく、負圧Pn2がスプリング
13cの押圧力よりも大きいため、ダイヤフラム13a
が大きく変位し、大気導入通路27の先端部の開放量が
大きくなって大量の大気が導入される。そのため、パー
ジ通路8の圧力が急速に上昇して大気圧に近づき、負圧
Pn1が小さくなる。このとき、チェック弁45は閉鎖
するため、負圧室13bの負圧Pn2は徐々に小さくな
る。キャニスタ2内の負圧Pn1が大気圧側に上昇し、
キャニスタ2内の圧力が燃料タンク1内の圧力よりもス
プリング50の付勢力以上に高くなると、逆止弁49が
開弁し第1圧力室47と第2圧力室48とが連通され
る。この結果、キャニスタ2から燃料タンク1への気体
の流れが許容されて大量の大気が燃料タンク1内に導入
され、燃料タンク1内の圧力はキャニスタ2内の負圧P
n1と同様にして時刻t5にてほぼ大気圧付近まで上昇
することとなる。従って、キャニスタ2及び燃料タンク
1内の圧力が大気圧まで復帰するのに要する時間は時刻
t4から時刻t5までの短時間となる。なお、大気導入
制御弁13は負圧室13bの負圧がスプリング13cの
押圧力未満となる時刻t5aに閉鎖されることになる。
【0079】図8において一点鎖線で示される曲線は、
大気導入制御弁13の負圧室13bとパージ通路8とを
直接連通するとともに、キャニスタ2及び燃料タンク1
はオリフィス4aのみを介して連通させた従来構成にお
けるタンク内圧の変化である。このときにはキャニスタ
2及び燃料タンク1はオリフィス4aのみを介して連通
しているため、燃料タンク1内の圧力上昇量はキャニス
タ2内の圧力上昇よりも小さくなる。そして、この場合
にはパージ通路8の負圧と負圧室13bの負圧とは同様
に変化し、その負圧がスプリング13cの押圧力未満と
なる時刻t4a(>t4)に大気導入制御弁13が閉鎖
されることになり、このときにはキャニスタ2内の圧力
は大気圧よりも未だ小さく、燃料タンク1内の圧力はキ
ャニスタ2内の圧力よりも小さい。従って、燃料タンク
1内の圧力が大気圧まで復帰するのに要する時間は時刻
t4から時刻t9までとなり、長時間を要することとな
る。
大気導入制御弁13の負圧室13bとパージ通路8とを
直接連通するとともに、キャニスタ2及び燃料タンク1
はオリフィス4aのみを介して連通させた従来構成にお
けるタンク内圧の変化である。このときにはキャニスタ
2及び燃料タンク1はオリフィス4aのみを介して連通
しているため、燃料タンク1内の圧力上昇量はキャニス
タ2内の圧力上昇よりも小さくなる。そして、この場合
にはパージ通路8の負圧と負圧室13bの負圧とは同様
に変化し、その負圧がスプリング13cの押圧力未満と
なる時刻t4a(>t4)に大気導入制御弁13が閉鎖
されることになり、このときにはキャニスタ2内の圧力
は大気圧よりも未だ小さく、燃料タンク1内の圧力はキ
ャニスタ2内の圧力よりも小さい。従って、燃料タンク
1内の圧力が大気圧まで復帰するのに要する時間は時刻
t4から時刻t9までとなり、長時間を要することとな
る。
【0080】また、図8において二点鎖線で示される曲
線は、大気導入制御弁13の負圧室13bとパージ通路
8とを圧力遅延弁40を介して連通するとともに、キャ
ニスタ2及び燃料タンク1はオリフィス4aのみを介し
て連通させた構成におけるタンク内圧の変化である。こ
の場合には、キャニスタ2及び燃料タンク1はオリフィ
ス4aのみを介して連通しているため、燃料タンク1内
の圧力上昇量はキャニスタ2内の圧力上昇量よりも小さ
くなる。パージ通路8内の圧力は急速に上昇して大気圧
に近づくが、負圧室13b内の負圧はオリフィス44を
介して徐々に大気圧側に上昇するため、負圧室13bの
負圧がスプリング13cの押圧力未満となる時刻t5a
に大気導入制御弁13が閉鎖されることになる。従っ
て、パージ通路8内の圧力が大気圧まで復帰するのに要
する時間は時刻t4から時刻t7までとなり、本実施形
態と比較して長時間を要することとなる。
線は、大気導入制御弁13の負圧室13bとパージ通路
8とを圧力遅延弁40を介して連通するとともに、キャ
ニスタ2及び燃料タンク1はオリフィス4aのみを介し
て連通させた構成におけるタンク内圧の変化である。こ
の場合には、キャニスタ2及び燃料タンク1はオリフィ
ス4aのみを介して連通しているため、燃料タンク1内
の圧力上昇量はキャニスタ2内の圧力上昇量よりも小さ
くなる。パージ通路8内の圧力は急速に上昇して大気圧
に近づくが、負圧室13b内の負圧はオリフィス44を
介して徐々に大気圧側に上昇するため、負圧室13bの
負圧がスプリング13cの押圧力未満となる時刻t5a
に大気導入制御弁13が閉鎖されることになる。従っ
て、パージ通路8内の圧力が大気圧まで復帰するのに要
する時間は時刻t4から時刻t7までとなり、本実施形
態と比較して長時間を要することとなる。
【0081】以上説明した本実施形態によれば、以下の
効果が得られる。 ・ 本実施形態では、キャニスタ2と燃料タンク1との
間において、燃料蒸気導入通路3と並列に、かつキャニ
スタ2から燃料タンク1への気体の流れを許容する逆止
弁49を有する第1圧力室47(バイパス通路)を設け
た。そのため、燃料タンク1内での燃料蒸気の発生量を
測定する際にキャニスタ2から第1圧力室47を介して
燃料タンク1内に大量の大気を導入して燃料タンク1内
を速やかに大気圧にすることができる。よって、燃料蒸
気パージシステムの故障診断時間の短縮化を図ることが
できるとともに、故障診断後の燃料蒸気のパージ時間を
多く確保してパージを効率的に行うことができるように
なる。
効果が得られる。 ・ 本実施形態では、キャニスタ2と燃料タンク1との
間において、燃料蒸気導入通路3と並列に、かつキャニ
スタ2から燃料タンク1への気体の流れを許容する逆止
弁49を有する第1圧力室47(バイパス通路)を設け
た。そのため、燃料タンク1内での燃料蒸気の発生量を
測定する際にキャニスタ2から第1圧力室47を介して
燃料タンク1内に大量の大気を導入して燃料タンク1内
を速やかに大気圧にすることができる。よって、燃料蒸
気パージシステムの故障診断時間の短縮化を図ることが
できるとともに、故障診断後の燃料蒸気のパージ時間を
多く確保してパージを効率的に行うことができるように
なる。
【0082】また、図9に示すように、燃料タンク1内
の燃料残量が少なければ少ないほど、燃料タンク1内の
空間が大きくなる。このように、燃料タンク1内の空間
が大きければ大きいほど、パージ経路の漏れ診断のため
に導入された負圧を抜くための時間は長くなる。しか
し、本実施形態では、燃料タンク1内の圧力変化量を測
定するためにキャニスタ2及び燃料タンク1内に大気圧
を導入する際にキャニスタ2から第1圧力室47を介し
て燃料タンク1内に大量の大気を導入して燃料タンク1
内を速やかに大気圧にすることができる。従って、図9
に実線で示すように、負圧抜き時間を短くすることがで
き、特に燃料タンク1内の燃料残量が少ないほど、負圧
抜き時間の短縮化を図ることができる。
の燃料残量が少なければ少ないほど、燃料タンク1内の
空間が大きくなる。このように、燃料タンク1内の空間
が大きければ大きいほど、パージ経路の漏れ診断のため
に導入された負圧を抜くための時間は長くなる。しか
し、本実施形態では、燃料タンク1内の圧力変化量を測
定するためにキャニスタ2及び燃料タンク1内に大気圧
を導入する際にキャニスタ2から第1圧力室47を介し
て燃料タンク1内に大量の大気を導入して燃料タンク1
内を速やかに大気圧にすることができる。従って、図9
に実線で示すように、負圧抜き時間を短くすることがで
き、特に燃料タンク1内の燃料残量が少ないほど、負圧
抜き時間の短縮化を図ることができる。
【0083】なお、図9において一点鎖線で示される曲
線は、大気導入制御弁13の負圧室13bとパージ通路
8とを直接連通するとともに、キャニスタ2及び燃料タ
ンク1はオリフィス4aのみを介して連通させた従来構
成における負圧抜き時間の変化であり、図9において二
点鎖線で示される曲線は、大気導入制御弁13の負圧室
13bとパージ通路8とを圧力遅延弁40を介して連通
するとともに、キャニスタ2及び燃料タンク1はオリフ
ィス4aのみを介して連通させた構成におけるタンク内
圧の変化である。
線は、大気導入制御弁13の負圧室13bとパージ通路
8とを直接連通するとともに、キャニスタ2及び燃料タ
ンク1はオリフィス4aのみを介して連通させた従来構
成における負圧抜き時間の変化であり、図9において二
点鎖線で示される曲線は、大気導入制御弁13の負圧室
13bとパージ通路8とを圧力遅延弁40を介して連通
するとともに、キャニスタ2及び燃料タンク1はオリフ
ィス4aのみを介して連通させた構成におけるタンク内
圧の変化である。
【0084】・ 本実施形態の故障診断時において、パ
ージ経路(燃料タンク1)の圧力変化量ΔP1を計測す
るとき、圧力遅延弁40によってパージ通路8の圧力の
上昇に対して大気導入制御弁13の負圧室13bの圧力
の上昇を遅延させて大気導入制御弁13の開状態の時間
を長くするようにしたので、燃料タンク1内の圧力及び
キャニスタ2内の圧力を短時間で大気圧まで上昇させる
ことができる。よって、燃料蒸気パージシステムの診断
時間を短くすることができ、その分、パージ時間を多く
確保することができる。
ージ経路(燃料タンク1)の圧力変化量ΔP1を計測す
るとき、圧力遅延弁40によってパージ通路8の圧力の
上昇に対して大気導入制御弁13の負圧室13bの圧力
の上昇を遅延させて大気導入制御弁13の開状態の時間
を長くするようにしたので、燃料タンク1内の圧力及び
キャニスタ2内の圧力を短時間で大気圧まで上昇させる
ことができる。よって、燃料蒸気パージシステムの診断
時間を短くすることができ、その分、パージ時間を多く
確保することができる。
【0085】・ 本実施形態では、圧力調整弁4の逆止
弁49は燃料タンク1内の圧力がキャニスタ2内の圧力
より低い状態からほぼ等しくなるまでの間において連通
されるように構成したので、キャニスタ2内の圧力と燃
料タンク1内の圧力との間に差圧がない状態で燃料蒸気
の発生量の測定を行うことができるようになり、パージ
経路の穴開き診断の判定精度を向上することができる。
弁49は燃料タンク1内の圧力がキャニスタ2内の圧力
より低い状態からほぼ等しくなるまでの間において連通
されるように構成したので、キャニスタ2内の圧力と燃
料タンク1内の圧力との間に差圧がない状態で燃料蒸気
の発生量の測定を行うことができるようになり、パージ
経路の穴開き診断の判定精度を向上することができる。
【0086】・ 本実施形態の故障診断処理において
は、燃料タンク1とキャニスタ2とはオリフィス4aを
介して連結して、それぞれの内圧が常時等しくなるよう
にされている。従って、燃料蒸気パージシステムの故障
診断時と燃料タンク1の圧力変化量ΔP1の計測時とに
おいて、同様の連結状態となる。よって、ステップ34
0において圧力変化速度ΔP(−15)が正常判定値P
a未満であると判定されたとき、故障診断後に圧力変化
量ΔP1を用いた故障判定を行わずに済むとともに、圧
力変化量ΔP1をあらためて測定せずに済むため、故障
診断時間をより短縮化することができる。そして、圧力
変化量ΔP1の測定を行わずに済むため、パージカット
時間の増加を抑制することができ、キャニスタ2の燃料
蒸気のパージ量不足になるおそれを低減することができ
る。
は、燃料タンク1とキャニスタ2とはオリフィス4aを
介して連結して、それぞれの内圧が常時等しくなるよう
にされている。従って、燃料蒸気パージシステムの故障
診断時と燃料タンク1の圧力変化量ΔP1の計測時とに
おいて、同様の連結状態となる。よって、ステップ34
0において圧力変化速度ΔP(−15)が正常判定値P
a未満であると判定されたとき、故障診断後に圧力変化
量ΔP1を用いた故障判定を行わずに済むとともに、圧
力変化量ΔP1をあらためて測定せずに済むため、故障
診断時間をより短縮化することができる。そして、圧力
変化量ΔP1の測定を行わずに済むため、パージカット
時間の増加を抑制することができ、キャニスタ2の燃料
蒸気のパージ量不足になるおそれを低減することができ
る。
【0087】・ 本実施形態の故障診断処理において
は、燃料タンク1及びキャニスタ2内に負圧を導入して
密閉した後の燃料タンク1内の圧力変化速度ΔP(−1
5)が異常判定値Pb以上であると判定されたとき、故
障診断以前の所定時間T0(例えば3分)以内に圧力変
化量ΔP1が計測されている場合には、この圧力変化量
ΔP1を用いて故障判定を行うことができる。従って、
故障診断後に圧力変化量ΔP1を計測せずに済むため、
故障診断時間を短縮化することができる。また、この場
合には圧力変化量ΔP1の測定を行わずに済むため、パ
ージカット時間の増加を抑制することができ、キャニス
タ2の燃料蒸気のパージ量不足になるおそれを低減する
ことができる。
は、燃料タンク1及びキャニスタ2内に負圧を導入して
密閉した後の燃料タンク1内の圧力変化速度ΔP(−1
5)が異常判定値Pb以上であると判定されたとき、故
障診断以前の所定時間T0(例えば3分)以内に圧力変
化量ΔP1が計測されている場合には、この圧力変化量
ΔP1を用いて故障判定を行うことができる。従って、
故障診断後に圧力変化量ΔP1を計測せずに済むため、
故障診断時間を短縮化することができる。また、この場
合には圧力変化量ΔP1の測定を行わずに済むため、パ
ージカット時間の増加を抑制することができ、キャニス
タ2の燃料蒸気のパージ量不足になるおそれを低減する
ことができる。
【0088】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図10に従って説明する。なお、第2実施形態の
燃料蒸気パージシステムは、第1実施形態の燃料蒸気パ
ージシステムの圧力調整弁4を変更したのみの構成であ
るため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略す
る。
形態を図10に従って説明する。なお、第2実施形態の
燃料蒸気パージシステムは、第1実施形態の燃料蒸気パ
ージシステムの圧力調整弁4を変更したのみの構成であ
るため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略す
る。
【0089】図10は本実施形態の燃料蒸気パージシス
テムにおいて、キャニスタ2の上部に設けられた圧力調
整弁55を示す。本実施形態の圧力調整弁55内は前記
圧力調整弁4の逆止弁49に代えて制御弁56を設ける
とともに、制御弁56の開状態から閉状態への動作を遅
らせる遅延弁60が設けられている。制御弁56に備え
られたダイヤフラム57の図示上側には圧力室58が形
成されている。前記隔壁46の一部に形成された圧力ポ
ート46aは第1圧力室47側からダイヤフラム57に
よって閉塞可能とされている。そして、ダイヤフラム5
7は圧力室58に配設されたスプリング59の付勢力に
よって圧力ポート46aの先端開口部側に押圧されてい
るため、制御弁56は閉弁状態となっている。
テムにおいて、キャニスタ2の上部に設けられた圧力調
整弁55を示す。本実施形態の圧力調整弁55内は前記
圧力調整弁4の逆止弁49に代えて制御弁56を設ける
とともに、制御弁56の開状態から閉状態への動作を遅
らせる遅延弁60が設けられている。制御弁56に備え
られたダイヤフラム57の図示上側には圧力室58が形
成されている。前記隔壁46の一部に形成された圧力ポ
ート46aは第1圧力室47側からダイヤフラム57に
よって閉塞可能とされている。そして、ダイヤフラム5
7は圧力室58に配設されたスプリング59の付勢力に
よって圧力ポート46aの先端開口部側に押圧されてい
るため、制御弁56は閉弁状態となっている。
【0090】また、圧力室58と第2圧力室48との間
には遅延弁60が接続され、制御弁56内には遅延弁6
0を介して第2圧力室48、すなわち燃料蒸気導入通路
3の圧力が導入されている。遅延弁60を制御弁56か
ら区画する隔壁61には圧力室58及び第2圧力室48
を連通するオリフィス62が設けられるとともに、圧力
室58側から第2圧力室48側に圧力を逃がすためのチ
ェック弁63が設けられている。従って、第2圧力室4
8(燃料蒸気導入通路3)の圧力が圧力室58の圧力よ
りも高い場合にはチェック弁63は閉鎖され、第2圧力
室48の圧力はオリフィス62を介して圧力室58に伝
達されるため、圧力室58の圧力は徐々に増加する。逆
に、第2圧力室48(燃料蒸気導入通路3)の圧力が圧
力室58の圧力よりも低い場合にはチェック弁63が開
放され、圧力室58の圧力はオリフィス62及びチェッ
ク弁63を介して第2圧力室48に伝達されるため、圧
力室58の圧力は急激に減少して第2圧力室48の圧力
に等しくなる。
には遅延弁60が接続され、制御弁56内には遅延弁6
0を介して第2圧力室48、すなわち燃料蒸気導入通路
3の圧力が導入されている。遅延弁60を制御弁56か
ら区画する隔壁61には圧力室58及び第2圧力室48
を連通するオリフィス62が設けられるとともに、圧力
室58側から第2圧力室48側に圧力を逃がすためのチ
ェック弁63が設けられている。従って、第2圧力室4
8(燃料蒸気導入通路3)の圧力が圧力室58の圧力よ
りも高い場合にはチェック弁63は閉鎖され、第2圧力
室48の圧力はオリフィス62を介して圧力室58に伝
達されるため、圧力室58の圧力は徐々に増加する。逆
に、第2圧力室48(燃料蒸気導入通路3)の圧力が圧
力室58の圧力よりも低い場合にはチェック弁63が開
放され、圧力室58の圧力はオリフィス62及びチェッ
ク弁63を介して第2圧力室48に伝達されるため、圧
力室58の圧力は急激に減少して第2圧力室48の圧力
に等しくなる。
【0091】このように構成された燃料蒸気パージシス
テムにおいて、その故障診断時における負圧導入後にお
いて燃料タンク1内の圧力変化量を測定するためにパー
ジ制御弁11は閉鎖されたまま圧力封鎖弁25aが開か
れてキャニスタ2及び燃料タンク1内の圧力が大気圧に
戻される。すなわち、圧力封鎖弁25aが開かれてキャ
ニスタ2内に大気が導入される直前にはキャニスタ2内
の負圧の値と燃料蒸気導入通路3(第2圧力室48)内
の負圧の値とは等しく、圧力室58内の圧力も燃料蒸気
導入通路3の負圧の値と等しくなっている。そのため、
スプリング59の付勢力によりダイヤフラム57は圧力
ポート46aに押圧されて制御弁56は閉弁状態とな
る。
テムにおいて、その故障診断時における負圧導入後にお
いて燃料タンク1内の圧力変化量を測定するためにパー
ジ制御弁11は閉鎖されたまま圧力封鎖弁25aが開か
れてキャニスタ2及び燃料タンク1内の圧力が大気圧に
戻される。すなわち、圧力封鎖弁25aが開かれてキャ
ニスタ2内に大気が導入される直前にはキャニスタ2内
の負圧の値と燃料蒸気導入通路3(第2圧力室48)内
の負圧の値とは等しく、圧力室58内の圧力も燃料蒸気
導入通路3の負圧の値と等しくなっている。そのため、
スプリング59の付勢力によりダイヤフラム57は圧力
ポート46aに押圧されて制御弁56は閉弁状態とな
る。
【0092】この後、圧力封鎖弁25aが開かれて大気
がキャニスタ2内に導入されると、キャニスタ2の圧力
が急速に上昇して大気圧に近づく。第1圧力室47の圧
力と燃料蒸気導入通路3の圧力との差圧が規定圧差に達
した時にダイヤフラム57が圧力ポート46aの開口部
から離れて制御弁56が開弁し、第1圧力室47と第2
圧力室48とが連通される。この結果、キャニスタ2か
ら燃料タンク1への気体の流れが許容され、大量の大気
が燃料タンク1内に導入され、燃料タンク1内の圧力も
上昇する。このとき、チェック弁63は閉鎖し、燃料蒸
気導入通路3の圧力はオリフィス62を介して圧力室5
8に伝達されるため、圧力室58の負圧は徐々に小さく
なる。従って、キャニスタ2内の圧力及び燃料タンク1
内の圧力が等しい値になるまで制御弁56は開状態に保
持されるとともに、キャニスタ2及び燃料タンク1内の
圧力が大気圧まで短時間で復帰することとなる。
がキャニスタ2内に導入されると、キャニスタ2の圧力
が急速に上昇して大気圧に近づく。第1圧力室47の圧
力と燃料蒸気導入通路3の圧力との差圧が規定圧差に達
した時にダイヤフラム57が圧力ポート46aの開口部
から離れて制御弁56が開弁し、第1圧力室47と第2
圧力室48とが連通される。この結果、キャニスタ2か
ら燃料タンク1への気体の流れが許容され、大量の大気
が燃料タンク1内に導入され、燃料タンク1内の圧力も
上昇する。このとき、チェック弁63は閉鎖し、燃料蒸
気導入通路3の圧力はオリフィス62を介して圧力室5
8に伝達されるため、圧力室58の負圧は徐々に小さく
なる。従って、キャニスタ2内の圧力及び燃料タンク1
内の圧力が等しい値になるまで制御弁56は開状態に保
持されるとともに、キャニスタ2及び燃料タンク1内の
圧力が大気圧まで短時間で復帰することとなる。
【0093】上記のように構成された燃料蒸気パージシ
ステムにおける燃料蒸気の捕集及び燃料蒸気のパージは
第1実施形態の燃料蒸気パージシステムと同様に行われ
る。以上説明した本実施形態では、燃料タンク1内の圧
力変化量を測定するためにキャニスタ2及び燃料タンク
1内に大気圧を導入する際、キャニスタ2内の圧力及び
燃料タンク1内の圧力が等しい値になるまで制御弁56
を開状態に保持することができる。従って、燃料タンク
1内の燃料残量が少なくなって燃料タンク1内の空間が
大きくなればなるほど、燃料タンク1内の負圧抜き時間
をより短縮化することができ、故障診断後の燃料蒸気の
パージ時間を多く確保してパージを効率的に行うことが
できるようになる。
ステムにおける燃料蒸気の捕集及び燃料蒸気のパージは
第1実施形態の燃料蒸気パージシステムと同様に行われ
る。以上説明した本実施形態では、燃料タンク1内の圧
力変化量を測定するためにキャニスタ2及び燃料タンク
1内に大気圧を導入する際、キャニスタ2内の圧力及び
燃料タンク1内の圧力が等しい値になるまで制御弁56
を開状態に保持することができる。従って、燃料タンク
1内の燃料残量が少なくなって燃料タンク1内の空間が
大きくなればなるほど、燃料タンク1内の負圧抜き時間
をより短縮化することができ、故障診断後の燃料蒸気の
パージ時間を多く確保してパージを効率的に行うことが
できるようになる。
【0094】また、本実施形態の燃料蒸気パージシステ
ムは、上記第1実施形態の燃料蒸気パージシステムの効
果と同様の効果を奏することはいうまでもない。なお、
上記の実施形態は、以下のようにその構成を変更して実
施してもよい。
ムは、上記第1実施形態の燃料蒸気パージシステムの効
果と同様の効果を奏することはいうまでもない。なお、
上記の実施形態は、以下のようにその構成を変更して実
施してもよい。
【0095】・ 上記第2実施形態において、遅延弁6
0におけるチェック弁63を省略してもよい。 ・ 上記各実施形態では、キャニスタ2と燃料タンク1
とを接続する燃料蒸気導入通路3と並列にバイパス通路
としての第1圧力室47を設けたが、これに代えて燃料
タンク1の上部に対して大気を導入可能な電磁弁を設
け、燃料タンク1内の圧力変化量を測定する際にこの電
磁弁を開弁して燃料タンク1内に大気圧を導入するよう
にしてもよい。
0におけるチェック弁63を省略してもよい。 ・ 上記各実施形態では、キャニスタ2と燃料タンク1
とを接続する燃料蒸気導入通路3と並列にバイパス通路
としての第1圧力室47を設けたが、これに代えて燃料
タンク1の上部に対して大気を導入可能な電磁弁を設
け、燃料タンク1内の圧力変化量を測定する際にこの電
磁弁を開弁して燃料タンク1内に大気圧を導入するよう
にしてもよい。
【0096】・ また、エアクリーナ9bと燃料タンク
1の上部とを接続する大気導入通路を形成するととも
に、その大気導入通路の途中に電磁弁を設け、燃料タン
ク1内の圧力変化量を測定する際にこの電磁弁を開弁し
て燃料タンク1内に大気圧を導入するようにしてもよ
い。
1の上部とを接続する大気導入通路を形成するととも
に、その大気導入通路の途中に電磁弁を設け、燃料タン
ク1内の圧力変化量を測定する際にこの電磁弁を開弁し
て燃料タンク1内に大気圧を導入するようにしてもよ
い。
【0097】・ 上記各実施形態では、燃料蒸気パージ
システムとして燃料タンク1とキャニスタ2とを常時連
通するタイプのものに具体化したが、これに代えてキャ
ニスタにはタンク内圧制御弁を設けて通常時には燃料タ
ンク内とキャニスタとを遮断するタイプの燃料蒸気パー
ジシステムに具体化してもよい。
システムとして燃料タンク1とキャニスタ2とを常時連
通するタイプのものに具体化したが、これに代えてキャ
ニスタにはタンク内圧制御弁を設けて通常時には燃料タ
ンク内とキャニスタとを遮断するタイプの燃料蒸気パー
ジシステムに具体化してもよい。
【0098】・ 上記各実施形態では、圧力センサ1a
は燃料タンク1に取り付けられていたが、燃料蒸気パー
ジシステムの内圧を検出できるのであれば他の場所でも
よい。例えば、キャニスタ2内でもよい。
は燃料タンク1に取り付けられていたが、燃料蒸気パー
ジシステムの内圧を検出できるのであれば他の場所でも
よい。例えば、キャニスタ2内でもよい。
【0099】・ 上記各実施形態では故障診断として穴
開き診断に実施したが、パージ制御弁11や圧力封鎖弁
25aの診断等の故障診断に実施する場合にも有効であ
る。 ・ 上記各実施形態では、燃料蒸気パージシステムの故
障診断にあたり、パージ経路に負圧を導入して穴開き診
断を行うようにしたが、パージ経路に正圧(大気圧を基
準としてそれよりも高い圧力)を導入してその正圧の低
下度合いを計測することにより穴開き診断を行うように
してもよい。
開き診断に実施したが、パージ制御弁11や圧力封鎖弁
25aの診断等の故障診断に実施する場合にも有効であ
る。 ・ 上記各実施形態では、燃料蒸気パージシステムの故
障診断にあたり、パージ経路に負圧を導入して穴開き診
断を行うようにしたが、パージ経路に正圧(大気圧を基
準としてそれよりも高い圧力)を導入してその正圧の低
下度合いを計測することにより穴開き診断を行うように
してもよい。
【0100】次に、上記各実施形態から把握できる他の
技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。 ・請求項1〜6のいずれかに記載の燃料蒸気パージシス
テムの故障診断装置において、前記診断手段は、パージ
経路の穴開き有りと診断したときにのみ、燃料蒸気の発
生量の測定を行う燃料蒸気パージシステムの故障診断装
置。
技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。 ・請求項1〜6のいずれかに記載の燃料蒸気パージシス
テムの故障診断装置において、前記診断手段は、パージ
経路の穴開き有りと診断したときにのみ、燃料蒸気の発
生量の測定を行う燃料蒸気パージシステムの故障診断装
置。
【0101】この構成によれば、穴開き診断において穴
開きのない正常診断時には燃料蒸気の発生量の測定を行
わずにすむため、故障診断時間を短縮化することがで
き、パージを効率的に行うことができるようになる。
開きのない正常診断時には燃料蒸気の発生量の測定を行
わずにすむため、故障診断時間を短縮化することがで
き、パージを効率的に行うことができるようになる。
【図1】第1実施形態の燃料蒸気パージシステム全体を
表す概略構成図。
表す概略構成図。
【図2】同じく圧力調整弁周辺を示す概略図。
【図3】同じく大気側制御弁周辺を示す概略図。
【図4】同じくECUが実行する圧力変化量計測制御ル
ーチンのフローチャート。
ーチンのフローチャート。
【図5】同じくECUが実行する圧力変化量計測ルーチ
ンのフローチャート。
ンのフローチャート。
【図6】同じくECUが実行する故障診断ルーチンのフ
ローチャート。
ローチャート。
【図7】同じく故障診断態様を示すタイムチャート。
【図8】同じく故障診断態様を示すタイムチャート。
【図9】同じく負圧抜き時間と燃料残量との関係を示す
説明図。
説明図。
【図10】第2実施形態の圧力調整弁周辺を示す概略
図。
図。
1…燃料タンク、2…キャニスタ、3…燃料蒸気導入通
路、4a…オリフィス(流通抵抗)、9…吸気通路、1
0…診断手段としてのECU(電子制御ユニット)、4
7…バイパス通路としての第1圧力室、49…逆止弁、
56…制御弁、60…遅延弁。
路、4a…オリフィス(流通抵抗)、9…吸気通路、1
0…診断手段としてのECU(電子制御ユニット)、4
7…バイパス通路としての第1圧力室、49…逆止弁、
56…制御弁、60…遅延弁。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/22 325 F02D 45/00 345K 45/00 345 F02M 37/00 301H F02M 37/00 301 B60K 15/02 L (72)発明者 ▲吉▼岡 衛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 多賀 尊孝 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 富永 真弘 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 田中 仁 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3D038 CA25 CB01 CC02 3G044 BA22 DA04 EA18 GA04 GA24 3G084 BA00 BA27 CA01 CA02 DA05 DA27 EA05 EA11 EB11 EB22 FA00 3G301 HA01 HA14 JA03 JB09 KA01 KA02 LA00 NB03 ND01 ND17 NE19 PB00Z
Claims (7)
- 【請求項1】燃料タンク内で発生する燃料蒸気をキャニ
スタに捕集し、その捕集した燃料蒸気を同燃料タンクを
含むパージ経路を介して内燃機関の吸気通路へパージす
るようにした燃料蒸気パージシステムと、 前記パージ経路の内圧と外圧との間に差圧を設けてパー
ジ経路を密閉して測定した内圧の挙動と、前記パージ経
路に大気圧を導入した後密閉して測定した燃料タンク内
での燃料蒸気の発生量とに基づいてパージ経路の穴開き
診断を行う診断手段とを備える燃料蒸気パージシステム
の故障診断装置において、 前記燃料タンク内での燃料蒸気の発生量の測定時に燃料
タンク内に大気圧を導入するための大気圧導入手段を設
けた燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の燃料蒸気パージシステム
の故障診断装置において、 前記燃料タンクとキャニスタとは所定の流通抵抗を有す
る通路を介して連通されている燃料蒸気パージシステム
の故障診断装置。 - 【請求項3】請求項2に記載の燃料蒸気パージシステム
の故障診断装置において、 前記大気圧導入手段は、前記キャニスタと燃料タンクと
の間において、前記通路と並列に設けられ、かつ前記キ
ャニスタから燃料タンクへの気体の流れを許容する弁体
を有するバイパス通路である燃料蒸気パージシステムの
故障診断装置。 - 【請求項4】請求項3に記載の燃料蒸気パージシステム
の故障診断装置において、 前記バイパス通路は前記燃料タンク内の圧力が前記キャ
ニスタ内の圧力より低い状態からほぼ等しくなるまでの
間において連通される燃料蒸気パージシステムの故障診
断装置。 - 【請求項5】請求項4に記載の燃料蒸気パージシステム
の故障診断装置において、 前記弁体の開状態から閉状態への動作を遅らせる遅延弁
を設けた燃料蒸気パージシステムの故障診断装置。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の燃料蒸気
パージシステムの故障診断装置において、 前記診断手段は、パージ経路に導入した内圧の挙動を測
定した後、燃料蒸気の発生量の測定を行う燃料蒸気パー
ジシステムの故障診断装置。 - 【請求項7】請求項1及び2のいずれかに記載の燃料蒸
気パージシステムの故障診断装置において、 前記大気導入手段は、前記キャニスタを介さず燃料タン
クに直接大気圧を導入するように構成されている燃料蒸
気パージシステムの故障診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37391499A JP2001193581A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 燃料蒸気パージシステムの故障診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37391499A JP2001193581A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 燃料蒸気パージシステムの故障診断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001193581A true JP2001193581A (ja) | 2001-07-17 |
Family
ID=18502967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37391499A Pending JP2001193581A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 燃料蒸気パージシステムの故障診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001193581A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105134422A (zh) * | 2015-08-20 | 2015-12-09 | 浙江吉利汽车研究院有限公司 | 车载加油油气回收系统及具有其的汽车 |
CN109312684A (zh) * | 2016-06-30 | 2019-02-05 | 法国大陆汽车公司 | 用于检查燃料箱中压力测量结果的检查方法 |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP37391499A patent/JP2001193581A/ja active Pending
Cited By (3)
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