JP2001191885A - 車輌用内装パネル - Google Patents

車輌用内装パネル

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JP2001191885A
JP2001191885A JP2000006451A JP2000006451A JP2001191885A JP 2001191885 A JP2001191885 A JP 2001191885A JP 2000006451 A JP2000006451 A JP 2000006451A JP 2000006451 A JP2000006451 A JP 2000006451A JP 2001191885 A JP2001191885 A JP 2001191885A
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propylene
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JP2000006451A
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Izumi Sato
泉 佐藤
Hiroshi Oyama
博 大山
Eiji Nakaishi
英二 中石
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Nihon Plast Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の成形材料から成形され、エアバッ
グ装置のドア部も含めその周縁部を同一の単層体から一
体に構成された車輌用内装パネルの提供。 【解決手段】 (A)特定の結晶性ポリプロピレン樹脂
混合物、(B)特定のエチレン−α−オレフィン系共重
合体ゴム混合物、(C)タルクよりなる熱可塑性エラス
トマーを成形材料として使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車などの車
輌に取り付けられるエアバッグドアを備えた車輌用内装
パネルであって、例えばインスツルメントパネルに取り
付けられる助手席用等のエアバッグ装置をカバーする内
装パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、組み付け作業等の合理化のため、
車輌用内装パネルとしてインスツルメントパネルにエア
バッグ装置のカバーを一体に成形したものが提案されて
いる(特開平10−76544)。これは、単層パネル
からなり、所定位置にエアバッグ膨出用開口部が形成さ
れ、またその開口部はリッドにより閉成されているとい
うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のインスツルメントパネルは、その本体部が樹脂製の
単層パネルで、その開口部に一体成形されるリッドが熱
可塑性エラストマーから成形されており、異種の材料か
ら構成されている。そのため、構造が複雑で、また複数
の成形工程を経ることは避けられなかった。
【0004】また、成形されたインスツルメントパネル
の外観は、形状的にも、さらに材質的にもエアバッグ膨
出用リッド部がその周縁部とは明らかに異っているた
め、リッド部の存在が強調されて違和感があり、すっき
りとした外観に仕上げることはできなかった。さらに異
種材料の接合界面の強度を十分に確保する必要があるな
どの問題点もあった。
【0005】この発明は、こうした状況の下に、単一の
成形材料からエアバッグ装置のカバー領域も含めその周
縁部を同一の単層体から一体に構成され、かつそれらの
境界が外観上認識されない優れた外観を呈する車輌用内
装パネルを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、鋭意検
討した結果、以下の技術的構成により前記課題を解決で
きることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、(1)下記の(A)
〜(C)の成分を含有する熱可塑性エラストマー組成物
であって、該熱可塑性エラストマー組成物の厚さ2mm
の射出成形平板における曲げ弾性率が4500〜600
0kgf/cm2であり、−40℃以上におけるIzo
d衝撃試験において非破壊である熱可塑性エラストマー
を射出成形して得られる車輌用内装パネルとエアバッグ
の膨張時に開口するエアバッグドアとが同一単層体で一
体的に形成される車輌用内装パネル、 (A);下記の(i)と(ii)からなる結晶性ポリプ
ロピレン樹脂の混合物 (i);メルトフローレイトが30〜70g/10mi
nであり、第一セグメントがプロピレンホモポリマー
部、第二セグメントがプロピレン−エチレンランダムコ
ポリマー部からなる結晶性プロピレン−エチレンブロッ
クポリマー(ただし第二セグメントの含有量は10〜2
0wt%) (ii);メルトフローレイトが100〜140g/1
0minである結晶性プロピレンホモポリマー (B);下記の(iii)と(iv)からなるエチレン
−α−オレフィン系共重合ゴムの混合物 (iii);α−オレフィンがプロピレンであり、含有
量が25〜30wt%であり、メルトフローレイトが
0.1〜2g/10minであるエチレン−プロピレン
共重合体ゴム (iv);α−オレフィンが1−ブテンであり、含有量
が15〜20wt%であり、メルトフローレイトが0.
1〜2g/10minであるエチレン−ブチレン共重合
体ゴム (C);平均粒子径が1.7〜2.7μmであるタルク (2)(A)含有量が35〜40wt%であり、(B)
の含有量が50〜55wt%であり、(C)含有量が5
〜15wt%である(ただし、(A)+(B)+(C)
=100wt%とする)前記(1)記載の車輌用内装パ
ネル、に関する。
【0008】本発明に使用する熱可塑性エラストマー組
成物の(A)成分は、下記の(i)及び(ii)からな
る結晶性ポリプロピレン樹脂の混合物である。
【0009】(i)はメルトフローレイトが30〜70
g/10minであり、第一セグメントがプロピレンホ
モポリマー部、第二セグメントがエチレン含有量30〜
40重量%のプロピレン−エチレンランダムコポリマー
部からなり、第二セグメントの含有量が10〜20wt
%である結晶性プロピレン−エチレンブロックポリマー
である。
【0010】メルトフローレイトは30〜70g/10
minである。メルトフローレイトが低すぎると流動性
が悪化し、成形性が悪くなり、外観品質も悪くなる。一
方、メルトフローレイトが高すぎると物性、特に低温衝
撃強度が低くなり好ましい結果が得られない。
【0011】第二セグメントの含有量は10〜20wt
%である。含有量が少なすぎると低温衝撃強度が悪くな
り、含有量が多すぎると曲げ弾性率が低くなり成型体が
変形し好ましい結果が得られない。第二セグメントのエ
チレン含有量は30〜40重量%である。含有量が多す
ぎても少なすぎても低温衝撃強度が悪くなり、好ましい
結果は得られない。
【0012】(ii)はメルトフローレイトが100〜
140g/10minである結晶性プロピレンホモポリ
マーである。
【0013】メルトフローレイトは100〜140g/
10minである。メルトフローレイトが低すぎると流
動性が悪化し、成形性が悪くなり、外観品質も悪くな
る。一方、メルトフローレイトが高すぎると物性、特に
低温衝撃強度が低くなり好ましい結果が得られない。
【0014】また、本発明に使用する(A)成分におい
て、(i)は60〜80重量%、(ii)は20〜40
重量%であることが好ましい。
【0015】本発明に使用する熱可塑性エラストマー組
成物の(B)成分は、下記の(iii)と(iv)から
なるエチレン−α−オレフィン系共重合体の混合物であ
る。
【0016】(iii)はα−オレフィンがプロピレン
であり、その含有量が25〜30wt%であり、メルト
フローレイトが0.1〜2g/10minであるエチレ
ン−プロピレン共重合体ゴムである。
【0017】プロピレンの含有量が少なすぎても、多す
ぎても低温衝撃強度は悪くなる。メルトフローレイトは
0.1〜2g/10minである。
【0018】メルトフローレイトが低すぎると流動性が
悪化し、成形性が悪くなる。一方、メルトフローレイト
が高すぎると低温衝撃強度が低くなり好ましい結果が得
られない。
【0019】(iv)はα−オレフィンが1−ブテンで
あり、その含有量が15〜20重量%であり、メルトフ
ローレイトが0.1〜2g/10minであるエチレン
−1−ブテン共重合体ゴムである。
【0020】1−ブテンの含有量が過少であると低温衝
撃強度が悪く、含有量が過多であると曲げ弾性率が低く
好ましくない。
【0021】メルトフローレイトが低すぎると流動性が
悪化し、成形性が悪くなる。一方、メルトフローレイト
が高すぎると低温衝撃強度が低くなり好ましい結果が得
られない。
【0022】また、本発明に使用する(B)成分におい
て、(iii)は10〜30重量%、(iv)は70〜
90重量%であることが好ましい。
【0023】本発明に使用する熱可塑性エラストマー組
成物の(C)成分は、平均粒子径が1.7〜2.7μm
であるタルクである。平均粒子径が過大であると衝撃強
度の低下が大きく好ましくない。
【0024】本発明において用いられる熱可塑性エラス
トマー組成物は上記(A)〜(C)の成分を含有する熱
可塑性エラストマー組成物であるが、各成分の好ましい
含有量は(A)の含有量が35〜40wt%であり、
(B)の含有量が50〜55wt%であり、(C)の含
有量が5〜15wt%である(ただし、(A)+(B)
+(C)=100wt%とする)。(A)が過少である
と曲げ弾性率が低下し形状保持性が悪化することがあ
り、一方(A)が過多であると低温衝撃強度が低下する
ことがある。(B)が過多であると曲げ弾性率が低下し
形状保持性が悪化することがあり、一方(B)が過少で
あると低温衝撃強度が低下することがある。(C)が過
少であると曲げ弾性率が低下し形状保持性が悪化するこ
とがあり、一方(C)が過多であると低温衝撃強度が低
下することがある。
【0025】本発明において用いられる熱可塑性エラス
トマー組成物は、厚さ2mmにおける射出成形品の曲げ
弾性率が4500〜6000kg/cm2である。曲げ
弾性率が過小であると形状を保持することができなくな
り自重で変形し、一方曲げ弾性率が過大であると低温衝
撃強度が低く展開時の安全性に劣る。
【0026】射出成形品の温度−40℃以上におけるI
zod衝撃試験が非破壊である。Izod衝撃試験が破
壊であると展開時の安全性に劣る。
【0027】
【発明の実施の形態】この発明の一実施例を図面に基づ
き説明する。図1は、自動車用内装パネルの一例を示す
もので、インスツルメントパネル本体2の上面を覆うこ
の発明の車輌用内装パネル6とその内部に配設されたエ
アバッグ装置10の断面説明図である。
【0028】エアバッグ装置10は、図1に示すよう
に、助手席乗員用のもので、車体のインスツルメントパ
ネル1の内部のレインフォース5にビスなどで取り付け
られたモジュール部11と、このモジュール部11を含
んでインスツルメントパネル本体2の上面を室内幅に亘
って覆うこの発明の内装パネルであるインスツルメント
パネルアッパーフィニッシャ(以下インストアッパーと
いう)6により調和的にカバーされている。ここで調和
的とは、内部にエアバッグ装置が組み込まれていること
が外観上全く認識されないように、インストアッパーが
エアバッグ装置の配設位置(エアバッグドア形成部位)
とその周縁部とが境界部なく連続的に形成されているこ
とを意味する。
【0029】インストアッパー6は図2に示すように、
前後方向に略平行する2つの取付片21、22の間に平
面略コ字状の溝部23で画成された扉部7が設けられ、
前記モジュール部11の起動により膨脹するエアバッグ
12の押圧により溝部23から裂けて図1の二点鎖線で
示すように1枚のフラップ24が形成され、エアバッグ
膨出用の開口8を形成する。取付片21、22は図3の
ように反エアバッグ膨出方向、すなわち乗員の胸部と反
対の方向に立設され、インストアッパー6の表面部31
に対して傾斜して設けられている。
【0030】モジュール部11はエアバッグ12、リテ
ーナ14、インフレータ15などからなり、リテーナ1
4は斜め後方に向かって開口14aを有し、さらにミッ
ドリテーナ16により前記エアバッグ12の膨脹前の折
り畳んだ状態で収容するバッグ収容部14bとインフレ
ータ15を収容保持するインフレータ室14cに区画さ
れ、さらにリテーナ14の後方にはスタッドボルト14
dがブラケットを介して溶接などして取付けられレイン
フォース5に固定される。開口14aの周壁には略J字
状のフック17が溶接固定され、取付片21、22に設
けた長孔25に係合するとともに、この長孔25とフッ
ク17は所定のストローク(遊び)で相対動が可能にな
っており、リテーナ14の寸法精度とインストアッパー
6との取り付け誤差を吸収是正する。
【0031】インストアッパー6は熱可塑性エラストマ
ー樹脂を射出成形により成形する。インストアッパー6
に対応する金型キャビティの一端辺から複数のゲートに
より溶融樹脂が型内に注入され、所定の圧力に保圧して
キュアした後、金型を開いて型外に取り出される。傾斜
し長孔25を形成した取付片21、22はスライド駒に
より予め離型可能とされる。そして、インストアッパー
6に対応するキャビティの一端側にゲートを配列し、他
端側に樹脂を流すゲートレイアウトが好適である。扉部
7は切れ目なく連続的にインストアッパー6に一体に成
形されるため、開口など従来技術にあるような樹脂の再
会合点(ウエルドライン)の形成による問題がない。こ
の再会合点を起点とする破断を未然に防止できる。な
お、ゲートは一側に配列させるのであれば、インストア
ッパー6の前側端縁に形成してもよく、また後側端縁の
目立たない箇所に設けてもよいし、端縁直近の裏面にピ
ンポイントゲート、サブマリンゲートなどの型式のゲー
トを配置してもよい。この発明によるインストアッパー
は、上記のように単一の層からなり、エアバッグの装置
用の扉部をその周縁部と切れ目なく、連続して、すなわ
ち外観上境界部を全くなくして、したがって扉部の周縁
部と調和的に一体に形成しているので、扉部の存在は乗
員側からは意識されない外観を呈することができる。さ
らにインストアッパーの表面に連続一体のシボを付与す
ることにより、エアバッグ装置のための開口が造形的に
強調されることを一層防止し、または内蔵した助手席用
エアバッグ装置がことさらに乗員に意識されない、一層
スッキリとした外観とすることができる。
【0032】本発明の車輌用内装パネルは、射出成形法
が最も好適であるが、モールドスタンピング法などによ
ることもでき、またガスアシスト射出成形法により部分
的に厚肉な箇所にガスチャンネルを形成してもよい。
【0033】本発明の車輌用内装パネルの射出成形は好
ましくは高速射出成形により行う。これは金型内に、た
とえば、射出圧力600〜900kg/cm2(ゲー
ジ)にて、溶融樹脂の金型内への注入開始初期時に、好
ましくは1〜3秒以内に、より好ましくは1〜2秒以内
に、最も好ましくは1〜1.5秒以内に、製品重量の9
0〜95重量%、好ましくは93〜95重量%、より好
ましくは94〜95重量%を注入する。次いで残部を3
〜20秒間かけて注入保圧するというものである。
【0034】このように高速で注入することにより、ノ
ズルオリフィス、ランナー、ゲート部等を溶融樹脂が通
過するときに発生する剪断発熱が大きく溶融樹脂粘度が
さらに低下するか、あるいは低粘度が維持されて溶融樹
脂のキャビティ内での流動は一層スムーズとなり、金型
キャビティ内の圧力の不均一、とくにエアバッグドアの
破断予定線となる薄肉部を形成するためのキャビティ内
の堰付近(図4参照)での圧力の不均一を実質上解消す
ることができ、注入樹脂のキャビティ面の転写性を向上
することができる。そして、エアバッグカバー表面の、
とくに破断予定線付近での艶ムラ、ヒケの発生を顕著に
抑制することができ、製品の外観は格段に向上する。そ
のため、従来、エアバッグカバー表面の艶ムラなどの欠
陥を補うために必要であった、塗装工程を省略すること
が可能である。
【0035】しかしさらに一層の外観向上のため、本発
明の成形方法で得られたエアバッグカバーに塗装を施す
ことも可能である。また、この成形方法においても樹脂
の流れ方向に対して水平方向に堰が位置する部位(U字
状の横線部)には、場合により若干表面につやの差異が
現われることがあるが、この場合にはその部位に凹部な
どの造形的加工を施すことによりその欠陥を目立たなく
することも可能である。
【0036】
【実施例】以下の実施例によって、本発明をより詳細に
説明する。 〔I〕成形用組成物 実施例及び比較例の成形用組成物を得るにあたり、次に
示す原料を使用した。
【0037】(A)下記A−1 72.9重量%とA−
2 27.1重量%とからなる結晶性ポリプロピレン樹
脂44.3重量% A−1:MFR=50g/10min、EP=16wt
%(エチレン含有量35wt%)のプロピレン−エチレ
ンブロックポリマー A−2:MFR=120g/10min プロピレンホ
モポリマー A−3:MFR=30g/10min、エチレン含有量
3.4重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体 但し、 MFR:メルトフローレイト、EP:第二セグメントの
含有量
【0038】(B)下記B−1 20重量%とB−2
80重量%とからなるエチレン−α−オレフィン系共重
合体50重量% B−1:MFR=1.3g/10min,C’3=27
wt% エチレン−プロピレン共重合体ゴム B−2:MFR=1.1g/10min,C’4=17
wt% エチレン−1−ブテン共重合体ゴム B−3:MFR=1.1g/10min,C’3=53
wt% エチレン−プロピレン共重合体ゴム B−4:MFR=0.1g/10min,C’3=31
wt% エチレン−プロピレン共重合体ゴム 但し、 C’3:プロピレン含有量,C’4:1−ブテン含有量
【0039】(C)タルク5.7重量% C−1:平均粒子径=2.1μmであるタルク
【0040】〔II〕評価・測定方法 (1)曲げ弾性率 JIS K7203に規定された方法による。 (2)Izod衝撃試験 JIS K7110に規定された方法による。
【0041】〔III〕射出成形 本発明の車輌用内装パネルの射出成形は、キャビティ内
にエアバッグドア部の破断予定部位となる薄肉部を形成
するための堰を設けた金型を用いて、表1に示す成形用
組成物を使用して図1に示す車輌用内装パネルであるイ
ンストアッパー6を成形した。
【0042】成形条件は射出樹脂温度230℃で、射出
圧力が770kg/cm2となるような射出圧力にて注
入開始から1.5秒までの間に製品重量の95重量%ま
でを注入し、次いで保圧しながら残り5重量%に相当す
る樹脂を15秒かけて注入した。得られたインストアッ
パーの表面側には破断予定線付近にも艶ムラ、ヒケの発
生がなく、また、製品端末(ゲート部から最も離れた対
向部)発生するウエルドの外観も良好であり、成形後仕
上げ塗装することなく十分な表面外観を有していた。し
かし、破断予定線付近に若干の艶ムラやヒケが見られる
場合には、塗装を施すこともできる。
【0043】低温展開試験:−40℃の低温槽4時間以
上保持した試料をエアバッグモジュール展開に供した。
扉部が所定の破断溝部で切れるものを「○」、それ以外
の部位に裂け目が伝播するものを「×」とする。
【0044】耐熱試験:雰囲気温度80℃(表面温度を
105℃)に上昇させ8時間保持後、4時間で雰囲気温
度−40℃に下げ、同じく8時間保持し、再び雰囲気温
度を4時間で80℃に上昇させる。以上を1サイクルと
して、5サイクル後の目視による変形や浮き上がりが認
められるものを「×」、認めないものを「○」とする。
上記各試験の評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】上記例においては、エアバッグドアの破断
予定線である薄肉部を射出成形時に形成したが、成形時
薄肉部を設けず、均一な肉厚で成形し、成形後、後加工
により所定位置に破断予定線を設けてもよい。この場合
には薄肉部形成による艶ムラ、ヒケの発生は全くないの
で、塗装は不要である。
【0047】以上、この発明の車輌用内装パネルとし
て、インスツルメントパネル本体2の上面を覆うインス
ツルメントパネルアッパーフィニッシャーについて説明
してきたが、これに制限されるものではなく、この発明
は、内装パネルとして種々の形態がとれる。例えばドア
パネルの内側に向けてエアバッグモジュールを取り付
け、ドアトリムに一体に本発明の内装パネル構造を利用
するもの、シートバックの背面部あるいは側面部に本発
明の構造を利用したカバートリムを設け、後席用あるい
は側面衝突用エアバッグ装置を構成するものなどに適用
が可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の車輌用
内装パネルは、内装パネルと一体に同一の単層体として
エアバッグ膨出部を成形できるので、外観を向上し、か
つ成形および組立工程を合理化し、コストを低減でき
る。とくに特定の熱可塑性エラストマーを成形材料とし
たことにより、高温から低温の広い温度範囲にわたる実
使用環境下においても安全装置として信頼性が高く、か
つ優れた外観を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の車輌用内装用パネルの一実施例とし
てのインスツルメントパネルアッパーフィニッシャ6と
エアバッグ装置10の断面説明図。
【図2】インスツルメントパネルアッパーフィニッシャ
の内面側に形成されるエアバッグ装置の扉部7の説明図
で、取付片21、22の間に平面略コ字状の溝部23で
画成されている。
【図3】前記取付片21、22およびそれらに係合して
取付けられるリテーナ14の説明図。
【図4】本発明の実施例に使用した金型の薄肉部形成用
堰の説明図。
【符号の説明】
2 インスツルメントパネル本体 6 車輌用内装パネル(インスツルメントパネルアッパ
ーフィニッシャ) 7 エアバッグドア(扉部) 12 エアバッグ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/16 C08L 23/16 53/00 53/00 // B29L 31:58 B29L 31:58 (72)発明者 大山 博 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 中石 英二 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 3D044 BA00 BA03 BA11 BB01 BC04 3D054 AA03 AA14 BB09 BB10 FF17 FF20 4F206 AA03 AA11 AH25 AH26 AM32 AM36 JA07 JQ81 4J002 BB054 BB121 BB153 BP022 DJ046 FD016 GN00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)の成分を含有する
    熱可塑性エラストマー組成物であって、該熱可塑性エラ
    ストマー組成物の厚さ2mmの射出成形平板における曲
    げ弾性率が4500〜6000kgf/cm2であり、
    −40℃以上におけるIzod衝撃試験において非破壊
    である熱可塑性エラストマーを射出成して得られる車輌
    用内装パネルとエアバッグの膨張時に開口するエアバッ
    グドアとが同一単層体で一体的に形成される車輌用内装
    パネル。 (A);下記の(i)と(ii)からなる結晶性ポリプ
    ロピレン樹脂の混合物 (i);メルトフローレイトが30〜70g/10mi
    nであり、第一セグメントがプロピレンホモポリマー
    部、第二セグメントがプロピレン−エチレンランダムコ
    ポリマー部からなる結晶性プロピレン−エチレンブロッ
    クポリマー(ただし第二セグメントの含有量は10〜2
    0wt%) (ii);メルトフローレイトが100〜140g/1
    0minである結晶性プロピレンホモポリマー (B);下記の(iii)と(iv)からなるエチレン
    −α−オレフィン系共重合ゴムの混合物 (iii);α−オレフィンがプロピレンであり、その
    含有量が25〜30wt%であり、メルトフローレイト
    が0.1〜2g/10minであるエチレン−プロピレ
    ン共重合体ゴム (iv);α−オレフィンが1−ブテンであり、その含
    有量が15〜20wt%であり、メルトフローレイトが
    0.1〜2g/10minであるエチレン−1−ブテン
    共重合体ゴム (C);平均粒子径が1.7〜2.7μmであるタルク
  2. 【請求項2】 (A)の含有量が35〜40wt%であ
    り、(B)の含有量が50〜55wt%であり、(C)
    の含有量が5〜15wt%である(ただし、(A)+
    (B)+(C)=100wt%とする)請求項1記載の
    車輌用内装パネル。
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