JP2001191726A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2001191726A
JP2001191726A JP2000004571A JP2000004571A JP2001191726A JP 2001191726 A JP2001191726 A JP 2001191726A JP 2000004571 A JP2000004571 A JP 2000004571A JP 2000004571 A JP2000004571 A JP 2000004571A JP 2001191726 A JP2001191726 A JP 2001191726A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、ショルダー側の陸部に発生する偏摩耗
を抑えた空気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 コード方向が実質的にタイヤ周方向とさ
れた有機繊維コードを含んだ第1のベルト補強層22A
によりベルト層20全体を覆い、かつベルト層20の両
端部付近を第2のベルト補強層22Bにより覆う。第2
のベルト補強層22Bよりもタイヤ幅方向内側の領域の
ベルト層20を補助ゴム層34で小径化することによ
り、第2のベルト補強層22Bが存在する領域の外径が
周囲に対して相対的に大きくなり、第2のベルト補強層
22Bが存在する領域の剪断力が抑制され、この領域の
摩耗が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤに
係り、特に、ショルダー側の陸部に発生する偏摩耗を抑
えた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ベルト端部を覆うように補強層
(以後レイヤーと呼ぶ)を設けることにより、ベルト端
部を拘束してタガ効果を高め、高速走行時の耐久性を向
上させる手法が乗用車用のタイヤ等において広く用いら
れてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベルト
端部にレイヤーを用いることにより、特にショルダー側
の陸部の偏摩耗が増大する場合があった。
【0004】また、上記偏摩耗の増大を嫌ってレイヤー
を省略することは、高速耐久性を低下させることにつな
がり、また、トレッドのゴムやトレッドパターンを変更
することは他性能への影響が大きいという問題があっ
た。
【0005】本発明は、上記のような従来技術が有する
問題点を解決することを課題としてなされたものであっ
て、高速耐久性を維持したまま、特にショルダー側の陸
部偏摩耗を抑制することのできる空気入りタイヤを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、一対のビード部間にトロイド状に跨がるカーカス
と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されたベル
トと、前記ベルトのタイヤ径方向外側に配置されたトレ
ッドゴム層と、前記トレッドゴム層に設けられ実質的に
タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向主溝により
区分される複数の陸部と、前記ベルトの端部を覆うよう
に前記ベルトのタイヤ径方向外側に設けられ、実質的に
タイヤ周方向に平行とされた有機繊維コードを含んだ一
対のベルト補強層と、を備え、前記ベルト補強層のタイ
ヤ幅方向内側端は、タイヤ幅方向最外側の陸部のタイヤ
幅方向内側端よりもタイヤ幅方向外側に配置され、前記
ベルト補強層のタイヤ幅方向内側端とタイヤ幅方向最外
側の陸部のタイヤ幅方向内側端との間の領域において、
前記トレッドゴム層と前記ベルトとの間に補助ゴム層が
配置されることにより前記ベルト層の前記補助ゴム層と
対向する部分が凹状に形成されている、ことを特徴とし
ている。
【0007】次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0008】実質的にタイヤ周方向に平行とされた有機
繊維コードを含んだベルト補強層により両ベルト端付近
を覆うことで、ショルダー付近の張力剛性、構造剛性を
増大させることができる。
【0009】一方、ベルト補強層が存在する領域と存在
しない領域との剛性差が顕著になるため、接地して荷重
がかかった際のショルダー側の陸部内の踏面挙動に違い
が生じる。
【0010】具体的には、ベルト補強層が存在する領域
では、内圧充填時の膨張に対する拘束が強く、この領域
のベルトの外径が他の領域対比で小さくなるため、ベル
ト補強層が存在する領域と存在しない領域との径差によ
って、接地時トレッドゴム層に作用する剪断力が大きく
なって偏摩耗の核となってしまう。
【0011】空気入りタイヤが回転すると、遠心力によ
りベルトは周方向に伸びを生じる。
【0012】ベルト補強層が存在しない領域では、荷重
直下付近のベルトの周方向の圧縮変形が増長されるの
で、ベルトの周方向の伸びはベルト補強層が存在する領
域に比較して小さくなり、トレッドゴム層との間で相対
変位が生じ、剪断力が大きくなって摩耗量が増大する。
【0013】しかしながら、本発明の空気入りタイヤで
は、ベルト補強層よりもタイヤ幅方向内側(タイヤ赤道
面側)の領域のベルトが補助ゴム層によりタイヤ径方向
内側に押し下げられて外径が小さくなるため、ベルト補
強層が存在する領域のベルトの外径は周囲に対して相対
的に大きくなる。
【0014】その結果、ベルト補強層が存在する領域の
剪断力が抑制され、この領域の摩耗が抑えられる。
【0015】また、ベルト補強層のタイヤ幅方向内側端
よりもタイヤ幅方向内側の領域では、押し下げられたベ
ルトが内圧充填に伴いタイヤ径方向外側へ膨張して平ら
になろうとして、ベルト張力(タイヤ周方向)が増大す
る。
【0016】その結果、荷重直下付近のベルトのタイヤ
周方向の圧縮変形が抑制され、ベルトの周方向の伸びが
大きくなるので、トレッドゴム層との間の相対変位が小
さくなり、ベルト補強層のタイヤ幅方向内側端よりもタ
イヤ幅方向内側の領域での剪断力が小さくなり摩耗が抑
えられる。
【0017】なお、補助ゴム層がベルト補強層の上まで
覆っていると、ショルダー付近のベルト層全体が押し下
げられて踏面の中で、ショルダー付近全体が径差小の領
域となってしまうので好ましくない。
【0018】また、この補助ゴム層は、加硫後も押し流
されずにゲージを維持できるものの方が望ましく、ヤン
グ率は大きい方が好ましい。
【0019】また、補助ゴム層の断面形状は、幅方向に
厚さが変化しても良いし、作りやすさを考慮して一定厚
さのシート状でも良い。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向中央に位置す
る前記陸部内において、前記トレッドゴム層と前記ベル
トとの間に補助ゴム層が配置されることにより、前記ベ
ルト層の前記補助ゴム層と対向する部分が凹状に形成さ
れている、ことを特徴としている。
【0021】次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0022】タイヤ幅方向中央に位置する陸部内におい
ては、補助ゴム層によって押し下げられたベルトが内圧
充填に伴いタイヤ径方向外側へ膨張して平らになろうと
して、ベルト張力(タイヤ周方向)が増大する。
【0023】その結果、荷重直下付近のベルトのタイヤ
周方向の圧縮変形が抑制され、ベルトの周方向の伸びが
大きくなるので、トレッドゴム層との間の相対変位が小
さくなり、タイヤ幅方向中央に位置する陸部での剪断力
が小さくなり摩耗が抑えられる。
【0024】これにより、各陸部の摩耗量の平均値(即
ち、トレッドゴム層全体の摩耗量)を下げることができ
る。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記補助ゴ
ム層を構成するゴムのヤング率をEs、前記トレッドゴ
ム層を構成するゴムのヤング率をEとしたときに、Es
≧Eである、ことを特徴としている。
【0026】次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0027】補助ゴム層を構成するゴムのヤング率をE
s≧トレッドゴム層を構成するゴムのヤング率をEとし
ない場合、加硫時に補助ゴム層がゲージを維持できなく
なり、ベルト層を押し下げることができなくなる虞れが
ある。
【0028】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の空気入りタイヤにおいて、Es−E≧2.0Paであ
る、ことを特徴としている。
【0029】次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0030】補助ゴム層を構成するゴムのヤング率をE
s−トレッドゴム層を構成するゴムのヤング率をE≧
2.0Paとすることにより、加硫時に補助ゴム層がゲ
ージを維持することができ、ベルトを確実に押し下げる
ことができる。
【0031】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記補助ゴム層の厚さが、0.3mm以上である、ことを
特徴としている。
【0032】次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0033】補助ゴム層の厚さを、0.3(最大厚さ部
分)mm以上とすることにより、ベルトを確実に押し下げ
ることができる。
【0034】また、補助ゴム層の厚さ(最大厚さ部分)
が10mmを越えると、ベルトを押し下げ過ぎ、極端にベ
ルト上ゲージが厚くなり、発熱性やタイヤ重量の面から
好ましくない。
【0035】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記補助ゴム層の幅が、10mm以上である、ことを特徴
としている。
【0036】次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0037】補助ゴム層の幅を、10mm以上とすること
により、ベルトを確実に押し下げることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]次に、本発明
のラジアルタイヤの第1の実施形態を図面にしたがって
説明する。
【0039】図1に示すように、ラジアルタイヤ10は
ビード部11に埋設されたビードコア12の周りにタイ
ヤ内側から外側に折返して係止されるカーカス14と、
カーカス14の本体部14Aと巻上部14Bとの間に配
置されるビードフィラー15と、カーカス14のクラウ
ン部に位置するトレッド部16と、カーカス14のサイ
ド部に位置するサイドウォール部18と、トレッド部1
6の内側に配置された少なくとも二層のベルト層20を
備えている。
【0040】カーカス14は、繊維コードを実質的に周
方向と直交する方向に配列されており、本実施形態では
一枚のカーカスプライから構成されている。
【0041】ベルト層20はアラミド繊維及びスチール
コードに代表される非伸長性コードが周方向(またはタ
イヤ赤道面CL)に対し10°〜30°の傾斜角度で配
列されており、少なくとも2枚、互いのコードが異なる
方向に交差するように重ね合わされている。
【0042】ベルト層20の外周側には、ベルト補強層
22が設けられている。
【0043】ベルト補強層22は、ベルト層20全体を
覆う幅広の第1ベルト補強層22Aと、ベルト層20の
端部付近を覆う幅狭の第2ベルト補強層22Bから構成
されている。
【0044】第1ベルト補強層22A及び第2ベルト補
強層22Bは、各々繊維コードを復数本含む(場合によ
っては1本でも良い)ゴム引きされた狭幅のストリップ
を、前記繊維コードがタイヤ周方向に実質的に平行(0
°〜5°)になるようにラセン状(スパイラル状)に、
エンドレスに巻きつけられている。
【0045】なお、第1ベルト補強層22A及び第2ベ
ルト補強層22Bは、ベルト層20の幅方向外側にはみ
出している。
【0046】また、第2ベルト補強層22Bのタイヤ幅
方向内側端は、ベルト層20の端部(タイヤ幅方向最外
端)よりもタイヤ幅方向内側に位置している。
【0047】ここで、第1ベルト補強層22A及び第2
ベルト補強層22Bに用いる繊維コードは、50±5°
Cにおいて、1.4g/d荷重下の伸度が1.5%以上
2.5%以下であり、かつ170±5°Cにおいて、
0.7g/d荷重下の伸度が2.0%以上3.3%以下
である有機繊維コードであり、50±5°Cにおいて、
1.4g/d荷重下の伸度が1.6%以上2.3%以下
であり、かつ170±5°Cにおいて、0.7g/d荷
重下の伸度が2.3%以上3.0%以下である有機繊維
コードであることが好ましい。
【0048】有機繊維、例えば、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートは85モル%以上がポリエチレン−2,
6−ナフタレートからなる重合体を用いることができ
る。
【0049】この重合体は公知の方法例えば特開平5−
163612の2欄26行〜3欄21行に従って合成す
ることができ、同特許の4欄7行〜5欄35行に従って
原糸を製造することができる。
【0050】この重合体は通常の溶融重合、固相重合の
いずれの方法によっても合成できる。
【0051】また、有機繊維コードは、総表示デニール
数の30%以上(残りは他の有機繊維)がポリエチレン
−2,6−ナフタレート繊維で構成されることが好まし
く、総表示デニール数の80%以上がポリエチレン−
2,6−ナフタレート繊維で構成されることが更に好ま
しく、総表示デニール数の実質的に100%がポリエチ
レン−2,6−ナフタレート繊維で構成されることが最
も好ましい。
【0052】図1及び図2に示すように、トレッド部1
6には、タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝24が
複数本、本実施形態ではタイヤ赤道面CLを挟んで左右
に2本づつ合計4本形成されている。
【0053】タイヤ赤道面CL上には、タイヤ周方向に
沿って連続して延びるセンター陸部26が形成されてい
る。
【0054】また、センター陸部26の両側には、周方
向主溝24とタイヤ幅方向に対して傾斜する複数本の傾
斜溝28とによって、タイヤ周方向に列をなす複数のブ
ロック状のセカンド陸部30及びタイヤ周方向に列をな
す複数のブロック状のショルダー陸部32が形成されて
いる。
【0055】図1に示すように、ベルト層20の端部付
近を覆う第2ベルト補強層22Bのタイヤ幅方向内側端
は、ショルダー陸部32のタイヤ幅方向内側端よりもタ
イヤ径方向外側に配置されている。
【0056】また、第2ベルト補強層22Bのタイヤ幅
方向内側端とショルダー陸部32のタイヤ幅方向内側端
の間の領域において、トレッド部16のゴムとベルト層
20との間に、周方向に連続する補助ゴム層34が配置
されることによって、少なくとも補助ゴム層34と対向
するベルト層20が凹状に形成されている。
【0057】補助ゴム層34を構成するゴムのヤング率
をEs、トレッド部16を構成するゴムのヤング率をE
とした場合、Es≧Eであることが好ましく、Es−E
≧2.0MPaであることが更に好ましい。
【0058】また、補助ゴム層34は、厚さを0.3
(最大厚さ部分)mm以上とすることが好ましく、0.5
mm以上とすることが更に好ましい(生タイヤ製造時にお
いて、厚さ0.3mm以上が好ましい。)。
【0059】さらに、補助ゴム層34は、幅を10mm以
上とすることが好ましく、15mm以上とすることが更に
好ましい。
【0060】本実施形態の補助ゴム層34は、幅が20
mm、幅方向中央が最も厚く幅方向両側へ向かって薄く形
成されており、厚さは最大厚さ部分〜最小厚さ部分で
2.0mm〜0.3mmである。
【0061】また、本実施形態の補助ゴム層34のヤン
グ率Esは12.5MPaである。
【0062】なお、トレッド部16を構成するゴムのヤ
ング率Eは2.7MPaである。
【0063】また、第1ベルト補強層22A及び第2ベ
ルト補強層22Bの有機繊維コードは、原糸を下撚り
し、これを2本又は3本合わせて、逆方向に上撚りし、
後で定義する撚り係数Rが0.20〜0.72であるこ
とが好ましく、0.20〜0.50であることがさらに
好ましい。
【0064】これによって、コードに適度の集束性が与
えられるため、高レベルのロードノイズ低減効果が得ら
れる。
【0065】撚り係数Rは、0.20未満ではコード−
ゴム間の接着性が悪くなり、0.72を越えると伸びが
増大し、初期モジュラスが低下するため、ベルト補強層
のタガ効果を低下させる。
【0066】なお、前記撚り係数Rとは、R=N×
(0.139×D/ρ)1/2 ×10-3〔式中、N:コー
ドの撚り数(回/10cm)、D:コードの総表示デニ
ール数、ρ:コードの比重〕で定義される。
【0067】なお、前述の各種の測定、試験方法は次の
通りである。 ・170±5°Cにおける0.7g/dの荷重下での伸
度の測定 20〜30°C(室温)でコードに0.0167g/d
の荷重をかけた状態からコードの雰囲気温度を80°C
/分の速度で170±5°Cに昇温し、10分間安定さ
せる。
【0068】その後、30mm/分の速度で0.7g/
dの荷重になるまで引っ張る。
【0069】その状態で、10分間クリープさせた時点
でのコードの長さを測定し、室温時にコードに0.01
67g/dの荷重をかけた時の長さと比べ、その伸びた
分を室温時のコードに0.0167g/dの荷重をかけ
た長さで除して、170±5°Cにおける0.7g/d
荷重下での伸度(%)とした。
【0070】尚、初期サンプル長さは、250mmで行
った。
【0071】・50±5°Cにおける1.4g/d荷重
下での伸度の測定 20〜30°C(室温)でコードに
0.0167g/dの荷重をかけた状態からコードの雰
囲気温度を5°C/分の速度で50±5°Cに昇温し、
5分間安定させる。
【0072】その後、300mm/分の速度でコードが
破断するまで引張り、応力一伸度曲線を描き、その応力
一伸度曲線から1.4g/d応力時の伸度を読み取り、
これを50±5°Cにおける1.4g/d荷重下での伸
度とした。
【0073】・50±5°Cにおける応力一伸度曲線の
1.4g/d荷重下での接線の傾きN1 と0.25g/
d荷重下での接線の傾きN2 の比N1 /N2 の測定 前
項で作成した応力一伸度曲線の1.4g/d荷重点及び
0.25g/d荷重点において、接線を描き、単位伸度
当りの荷重(g/d)をそれぞれN1 及びN2 とする。
【0074】これは、接線の傾きであり、N1 をN2
除した値を求めた。
【0075】・tanδの測定は粘弾性測定装置(東洋
精機製作所社製)を使用し、温度30°C、歪1%、周
波数50Hzでtanδを測定した。 (作用)次に、ラジアルタイヤ10の作用を説明する。
【0076】本実施形態のラジアルタイヤ10のよう
に、ベルト層20の外周に、実質的にコード方向がタイ
ヤ周方向とされたベルト補強層22(第1ベルト補強層
22A及び第2ベルト補強層22B)を設け、ベルト層
20の端部付近を第1ベルト補強層22Aと第2ベルト
補強層22Bとの2層で覆うことで、ショルダー付近の
張力剛性、構造剛性を増大させることができる。
【0077】また、第2ベルト補強層22Bよりもタイ
ヤ幅方向内側の領域のベルト層20は、補助ゴム層34
と対向した部分がタイヤ径方向内側に押し下げられてい
るため、第2ベルト補強層22Bが存在する領域の外径
が周囲に対して相対的に大きくなる。
【0078】このため、第2ベルト補強層22Bが存在
する領域、即ち、ショルダー陸部32の接地時の剪断力
が抑制され、摩耗量を低減させることができる。
【0079】さらに、第2ベルト補強層22Bのタイヤ
幅方向内側端よりもタイヤ幅方向内側の領域においは、
押し下げられたベルト層20が内圧充填に伴いタイヤ径
方向外側へ膨張して平らになろうとしてベルト層20の
張力(タイヤ周方向)が増大する。
【0080】そして、接地時の荷重直下付近のベルト層
20のタイヤ周方向の圧縮変形が抑制され、ベルト層2
0の周方向の伸びが大きくなるので、トレッド部16と
の間の相対変位が小さくなり、剪断力が小さくなって摩
耗量を低減させることができる。
【0081】なお、補助ゴム層34を構成するゴムのヤ
ング率Esがトレッド部16を構成するゴムのヤング率
Eよりも小さい場合(Es<E)には、空気入りタイヤ
10の加硫時に補助ゴム層34がゲージを維持できなく
なり、ベルト層20を確実に押し下げることができなく
なる虞れがある。
【0082】また、補助ゴム層34の厚さ(最大厚さ部
分)が0.3mm未満になると、ベルト層20を確実に押
し下げることができなくなる。
【0083】一方、補助ゴム層34の厚さ(最大厚さ部
分)が10mmを越えると、ベルト層20を押し下げ過ぎ
て極端にベルト上ゲージが厚くなり、発熱性やタイヤ重
量面から好ましくない。
【0084】さらに、補助ゴム層34の幅が10mm未満
になると、ベルト層20を確実に押し下げることができ
なくなる。
【0085】なお、補助ゴム層34は、図3に示すよう
に、厚さが一定であっても良い。 [第2の実施形態]本発明の空気入りタイヤの第2の実
施形態を図4にしたがって説明する。なお、第1の実施
形態と同一構成に関しては同一符号を付し、その構成の
説明は省略する。
【0086】図4に示すように、本実施形態の空気入り
タイヤ10では、センター陸部26の直下に、厚さ2.
0mm、幅35mmの補助ゴム層34が配置されており、ベ
ルト層20は補助ゴム層34と対向する部分が凹状に形
成されている。
【0087】本実施形態の空気入りタイヤ10では、補
助ゴム層34によって押し下げられたベルト層20が内
圧充填に伴いタイヤ径方向外側へ膨張して平らになろう
として、ベルト張力(タイヤ周方向)が増大する。
【0088】その結果、荷重直下付近のベルト層20の
タイヤ周方向の圧縮変形が抑制され、ベルト層20の周
方向の伸びが大きくなるので、トレッド部16との間の
相対変位が小さくなり、センター陸部26の剪断力が小
さくなり摩耗が抑えられる。
【0089】また、センター部でもベルト層20を押し
下げることにより、ショルダーとの径差を減らして、セ
ンターのドライビング、ショルダーのブレーキングを緩
和して摩耗が均一化される。
【0090】これにより、各陸部の摩耗量の平均値(即
ち、トレッド部16全体の摩耗量)を下げることができ
る。 (試験例)本発明の効果を確かめるため、試験タイヤと
して従来例のタイヤ1種、比較例のタイヤ2種及び本発
明の適用された実施例のタイヤ3種を用意し、摩耗試験
を行った。
【0091】試験タイヤの諸元及び試験条件は以下の通
りである。
【0092】実施例1のタイヤ:上記実施形態のタイヤ
(図1参照)である。
【0093】実施例2のタイヤ:上記実施形態のタイヤ
(図3参照)である。
【0094】実施例3のタイヤ:上記実施形態のタイヤ
(図4参照)である。
【0095】比較例1のタイヤ:図5に示すように、第
2ベルト補強層22Bを覆うように補助ゴム層34(幅
50mm、厚さ2.0mm(外側端付近では減少))を配置
したタイヤである。
【0096】比較例2のタイヤ:図6に示すように、セ
カンド陸部30の下方に補助ゴム層34(幅30mm、厚
さ2.0mm)を配置したタイヤである。
【0097】従来例のタイヤ:図7に示すように、補助
ゴム層を設けず、ベルト層20が凹凸していないタイヤ
である。
【0098】タイヤサイズ:225/50R16 リムサイズ:7.5J 内圧:230KPa 車両:FR車 試験タイヤ装着位置:4輪 乗員:2名乗車相当 前輪荷重:5.10KN 後輪荷重:3.92KN 速度:0〜200km/h 走行距離:10000km(一般道) 比較評価は、先ず、ショルダー陸部とセンター陸部の摩
耗量差を、従来例のタイヤを100とする指数で表し
た。数値は、便宜上小さいほど陸部内の摩耗量差が小さ
く良好なことを示している。評価は以下の表1に示す通
りである。
【0099】次に、ショルダー陸部、セカンド陸部、セ
ンター陸部の摩耗量の平均値を、従来例のタイヤを10
0として指数表示した。数値は、便宜上小さいほど摩耗
量が小さく良好なことを示している。評価は以下の表2
に示す通りである。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】試験の結果、本発明の適用された実施例1
〜3のタイヤは、比較例1、2及び従来例のタイヤに比
較してショルダー陸部とセンター陸部との摩耗差は少な
く、偏摩耗が少ないことが分かる。
【0103】また、センター陸部の直下に補助ゴム層を
設けた実施例3のタイヤでは、陸部全体で摩耗量が下が
っていることが分かる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
空気入りタイヤは上記の構成としたので、高速耐久性を
維持したまま、特にショルダー側の陸部の偏摩耗を抑制
することができる、という優れた効果を有する。
【0105】請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の
構成としたので、トレッド全体の摩耗量を下げることが
できる、という優れた効果を有する。
【0106】請求項3〜6に記載の空気入りタイヤは上
記の構成としたので、何れも補助ゴム層によりベルト層
を確実に押下げることができ、ショルダー側の陸部の偏
摩耗を確実に抑制することができる、という優れた効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態(試験例の実施例1の
タイヤ)に係る空気入りタイヤの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態(試験例の実施例1の
タイヤ)に係る空気入りタイヤのトレッドの展開図であ
る。
【図3】試験例の実施例2のタイヤの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態(試験例の実施例3の
タイヤ)に係る空気入りタイヤの断面図である。
【図5】試験例の比較例1のタイヤの断面図である。
【図6】試験例の比較例2のタイヤの断面図である。
【図7】試験例の従来例のタイヤの断面図である。
【符号の説明】
10 ラジアルタイヤ 11 ビード部 14 カーカス 16 トレッド部 20 ベルト層 22B 第2ベルト補強層(ベルト補強層) 34 補助ゴム層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部間にトロイド状に跨がる
    カーカスと、 前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されたベルト
    と、 前記ベルトのタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴ
    ム層と、 前記トレッドゴム層に設けられ実質的にタイヤ周方向に
    沿って延びる複数本の周方向主溝により区分される複数
    の陸部と、 前記ベルトの端部を覆うように前記ベルトのタイヤ径方
    向外側に設けられ、実質的にタイヤ周方向に平行とされ
    た有機繊維コードを含んだ一対のベルト補強層と、を備
    え、 前記ベルト補強層のタイヤ幅方向内側端は、タイヤ幅方
    向最外側の陸部のタイヤ幅方向内側端よりもタイヤ幅方
    向外側に配置され、 前記ベルト補強層のタイヤ幅方向内側端とタイヤ幅方向
    最外側の陸部のタイヤ幅方向内側端との間の領域におい
    て、前記トレッドゴム層と前記ベルトとの間に補助ゴム
    層が配置されることにより前記ベルト層の前記補助ゴム
    層と対向する部分が凹状に形成されている、 ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 タイヤ幅方向中央に位置する前記陸部内
    において、前記トレッドゴム層と前記ベルトとの間に補
    助ゴム層が配置されることにより、前記ベルト層の前記
    補助ゴム層と対向する部分が凹状に形成されている、こ
    とを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記補助ゴム層を構成するゴムのヤング
    率をEs、前記トレッドゴム層を構成するゴムのヤング
    率をEとしたときに、Es≧Eである、ことを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 Es−E≧2.0Paである、ことを特
    徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記補助ゴム層の厚さが、0.3mm以上
    である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れ
    か1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記補助ゴム層の幅が、10mm以上であ
    る、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1
    項に記載の空気入りタイヤ。
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