JP2001191146A - 鋳造用模型の作製方法 - Google Patents

鋳造用模型の作製方法

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JP2001191146A
JP2001191146A JP37273399A JP37273399A JP2001191146A JP 2001191146 A JP2001191146 A JP 2001191146A JP 37273399 A JP37273399 A JP 37273399A JP 37273399 A JP37273399 A JP 37273399A JP 2001191146 A JP2001191146 A JP 2001191146A
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mold
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casting
model
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Yoshitaka Uehara
義貴 上原
Kazuhiko Tanaka
一彦 田中
Teishiro Shibazaki
禎四郎 芝崎
Teruo Fukumura
輝雄 福村
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造品製造のための砂型等を製作するための
鋳造用模型の作製において、砂型等の製作の際の型同士
の正確な位置合わせを可能とし、また型の製作時におけ
る鋳造用模型自体の変形を抑制する共に破損をも防止し
うるような鋳造用模型の作製方法を提案する。 【解決手段】 本発明は、鋳造品の製造に用いる鋳造用
模型の作製において、当該模型の三次元コンピュータ設
計形状データの作成に際し、作成した鋳造製品形状デー
タに分割面を設定して一方側形状データと他方側形状デ
ータとに分割し、次いでこの分割面より前記一方側形状
データおよび他方側形状データのいずれか一方、または
双方を分割面から離間する方向に所定距離だけ移動さ
せ、それによって得られた模型形状データに基づいて模
型を作製することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂型鋳造、インベ
ストメント鋳造等による鋳造品の製造に用いる鋳造用模
型の作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種鋳造品の製造に用いる鋳造用模型
は、例えば特開平7-100582号に開示されているような砂
型鋳造における砂型や、特開平6-126429号に開示されて
いるようなインベストメント鋳造におけるろう型等の製
作に利用されるものであり、この鋳造用模型は従来より
種々の方法で作製されている。特に近年、コンピュータ
支援設計(CAD)システムを利用した鋳造品(製品)の設
計が行われるようになり、このCADシステムによって作
成した製品の三次元コンピュータ設計形状データに基づ
いて、例えば光硬化性樹脂にレーザ光を照射して硬化さ
せて造形を行う光造形法、積層した紙シートをレーザ光
で切断して造形を行う紙積層造形法、加熱溶融させた樹
脂を射出・積層して造形を行う熱溶解積層造形法などを
用いて、製品と同形状の鋳造用模型が作製されている。
【0003】図11は、かかる鋳造用模型を用いた、イン
ベストメント鋳造あるいは石膏鋳造用のろう型を製作す
るためのゴム型の作製工程を示すものである。
【0004】まず、図11(a)に示すように、上述した方
法によって作製した、製品と同形状の鋳造用模型131の
片面を、側部132aと底部132bを有する箱状の型枠132の
底部132bに固定し、上方からシリコンゴムを流し込んで
片面のゴム型(下型)133を製作する。次に型枠132を外
した後、図11(b)に示すようにゴム型133を鋳造用模型13
1と共に反転させて、側部134aと底部134bを有する箱状
の型枠134内に納め、その後シリコンゴムを流し込んで
もう一方のゴム型(上型)135を製作する。なお、図示
のように鋳造用模型131に中空部分または穴部136が存在
する場合には、ゴム型133,135間の分割面を適切に設定
するため、シリコンゴムを流し込むのに先立って、高い
強度を有する薄板137を中空部分136内の適切な位置に接
着剤等により取り付ける。
【0005】また、上述したような鋳造用模型を用いて
砂型を製作する場合には、上記ゴム型の場合と同様に、
鋳造用模型を型枠内に固定した後、砂込めを行って片面
の砂型を製作し、次いで製作した砂型を離型した後鋳造
用模型を反転させて再度型枠に固定し、その後砂込めを
行ってもう一方の砂型を製作する。
【0006】しかしながら、こうした製品と同形状の鋳
造用模型を使用した場合、前述したように、適切な分割
面を設定するために中空部分や穴部に薄板を正確に位置
決めして取り付けることが、特に模型の形状が複雑であ
ったり、中空部分や穴部の形状が複雑である場合には困
難であり、また薄板は高い強度を有するものとして変形
せず、更に極めて薄くなければ、分割面における製品精
度が低下することになる。さらに、鋳造用模型を用いて
砂型を製作する場合には、砂の重量によって鋳造用模型
が変形したり、破損するおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決した鋳造用模型の作製方法を提案するも
のであり、この鋳造用模型は、これを用いて形成するゴ
ム型や砂型等の分割面を適切かつ高精度で設定して、型
同士の正確な位置合わせを可能とすることができ、また
型製作時における模型自体の変形を抑制すると共に破損
の防止をも可能とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、鋳造
品の製造に用いる鋳造用模型の作製において、当該模型
の三次元コンピュータ設計形状データの作成に際し、作
成した鋳造製品形状データに分割面を設定して一方側形
状データと他方側形状データとに分割し、次いでこの分
割面より前記一方側形状データおよび他方側形状データ
のいずれか一方、または双方を分割面から離間する方向
に所定距離だけ移動させ、それによって得られた模型形
状データに基づいて模型を作製することを特徴とするも
のである。
【0009】本発明による鋳造用模型の作製方法は、CA
Dシステムで作成した製品形状の三次元コンピュータ設
計データに分割面を設定してこのデータを分割し、さら
にこの分割面から離間する方向にこれら分割した各形状
データをオフセットさせることにより厚みを増加させて
模型形状データを作成するものである。それによって、
鋳造用模型を用いて砂型やろう型等を形成する際の、こ
れらの型の分割面を高精度で設定することが可能となる
と共に、鋳造用模型自体の強度を高め、その変形を小さ
くし、破損を防ぐことができるようになる。
【0010】また本発明による鋳造用模型の作製方法
は、前記分割面によって分割された前記一方側形状デー
タおよび他方側形状データそれぞれの表面に、多数の位
置合わせ用の凹凸部を設けることを特徴とする。それに
よって、鋳造用模型により製作した砂型等がそれ自体複
雑な形状を有する場合や、複雑な形状の中空部分や穴部
を有する場合でも、分割面で正確な位置決めを行うこと
が可能となる。
【0011】さらに本発明による鋳造用模型の作製方法
は、前記模型形状データの作成に際し、その形状表面に
開口部を設けると共に、内部に前記開口部と接続する連
通管を設けることを特徴とする。この連通管に空気や潤
滑剤等を供給することにより、鋳造用模型からゴム型等
を容易に離型することができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。
【0013】図1は、本発明に係る方法による鋳造用模
型の作製手順を示すフローチャートである。以下、その
手順を説明する。
【0014】まず、ステップ11で、CADシステムを用い
て鋳造品(製品)の形状データを作成する。次にステッ
プ12では、作成した製品形状データを上下二つのデータ
に分割するための分割面を設定する。続くステップ13で
は、先に設定した分割面で、製品形状データを分離し、
得られた上側形状データと下側形状データの一方、ある
いは両方を上下方向に移動(オフセット)させる。さら
にステップ14では、上側形状データと下側形状データと
の間に形成された空間を埋める、すなわちこの空間にも
製品の材料が存在するものとしてデータ修正を行う。そ
れによって模型形状データを作成する。最後にステップ
15で、ステップ14で得られた模型形状データに基づいて
鋳造用模型を作製する。なお、ステップ11〜ステップ14
までの作業はCADシステムにおいて行い、ステップ15
は、現在利用されている種々の造形方法、例えば前述し
たような光造形法や紙積層造形法、熱溶解積層造形法な
どによって行うものである。
【0015】図2は、本発明に係る方法により作製した
鋳造用模型を用いて製造する鋳造品(製品)を示すもの
であり、図2(a)は平面図を、図2(b)は図2(a)のA-A線
に沿った断面図である。図示の製品21は、複数の中空部
分22〜26を有している。なお、次項で説明する図3で
は、製品21は、CADシステムにより設計した形状データ
で示すものであるが、説明の便宜上実際に製造する鋳造
品と同じ符号21で示す。
【0016】図3は、本方法により図2の製品21の鋳造
用模型の形状データを図1のフローチャートに基づいて
CADシステムにより形成する手順を示すものである。以
下、その手順を説明する。まず、図3(a)に示すよう
に、製品形状データ21に、これを上下二つの部分に分割
するための分割面27を設定する。なお、分割面27を設定
するために考慮すべき事項については後述する。また、
図示のように分割面27は必ずしも平坦面とはならない。
その理由についても後述する。
【0017】次に、図3(b)に示すように、分割面27に
よって製品形状データ21を上側形状データ21Aと下側形
状データ21Bとに分割し、さらにこれらの一方、あるい
は両方を上下方向に移動(オフセット)させる。なお、
このオフセットさせる距離(図にLで示す)の基準につ
いても後述する。
【0018】さらに、図3(c)に示すように、上側形状
データ21Aと下側形状データ21Bとの間、すなわちオフセ
ットされた上側分割面27aと下側分割面27bとの間に形成
された空間を埋める、すなわち製品の材料がこの空間に
も存在するものとしてデータの修正を行い、鋳造用模型
形状データ28を得る。なお、オフセットさせた上下各分
割面27a,27bの間の両側方を外側へ延長させて空間を埋
め、突部データ27cを得る。この突部データ27cは、後述
する図4(a),(b)の型枠32,34の側部32a,34aに接する
長さを有する。この鋳造用模型形状データ28に基づい
て、実際の鋳造用模型を作製する。この鋳造用模型の作
製には、例えば光硬化性樹脂用いた光造形、金属材料の
放電加工等による造形、積層した紙や樹脂シートのレー
ザ切断による造形等の種々の方法を用いることが可能で
ある。
【0019】次に、上述した手順により作製した鋳造用
模型を用いたゴム型の製作手順を図4にて説明する。ま
ず、前述した手順により作成した鋳造用模型形状データ
28に基づいて作製した鋳造用模型31を、図4(a)に示す
ように側部32aと底部32bを有する箱状の型枠32内に固定
する。その後シリコンゴムを型枠32内に流し込み、硬化
させて上型33を製作する。次いで、図4(b)に示すよう
に、上型33を鋳造用模型31と共に反転させて、側部34a
と底部34bを有する箱状の型枠34内に固定し、シリコン
ゴムを型枠34内に流し込み、硬化させて下型35を製作す
る。そして図4(c)に示すように、上型33および下型35
をそれぞれ鋳造用模型31から取り外し、両者を組み付け
てゴム型36を得る。その後、このゴム型36を用いて、例
えばインベストメント鋳造や石膏鋳造等に用いるろう
型、石膏型等を製作する。
【0020】一方、図5は、上述した手順により作製し
た鋳造用模型を用いた砂型の製作手順を示すものであ
る。図4に示したゴム型の場合と同様に、鋳造用模型41
を、側部42aと底部42bを有する箱状の型枠42内に固定す
る。なお、型枠42内には、鋳造用模型41の両端部と底部
を支持する支持体42c,42dが介在されている。その後型
枠42内に砂込めを行って砂型の下型43を製作する。次い
で砂型43を離型して鋳造用模型41を、側部44aと底部44b
を有する箱状の型枠44内に固定する。なお、型枠44内に
も、型枠42と同様に支持体44c,44dが介在されている。
その後型枠44内に砂込めを行うことにより上型45を製作
する。最後に上型45を離型して下型43と組み付けること
により砂型を完成させる。
【0021】図より明らかなように、ここでは鋳造用模
型41を作製するための鋳造用模型形状データを作成する
際に、分割した上側形状データと下側形状データとの間
の距離、すなわちオフセット長さを、図4のゴム型の場
合よりも大きく、すなわちより厚みを持たせている。こ
れは、砂の重量による鋳造用模型41の変形を考慮し、か
つ破損を防止するためである。
【0022】したがって、鋳造用模型形状データを作成
する際の、上側形状データと下側形状データとの間のオ
フセット間隔(図3(b)のL)は、鋳造製品を製造する
方法およびその方法で使用する型の種類(ゴム型、砂型
等)に応じて適宜設定するものとする。すなわち、上述
したように、例えばゴム型のように比較的軽量の型を製
作する場合には、オフセット間隔を薄くすることがで
き、一方砂型のように重量のある型の場合は、鋳造用模
型の変形や破損の可能性を考慮して比較的厚くすれば良
い。
【0023】なお、製品形状データから鋳造用模型形状
データを作成する際の分割面の設定にあたっては、後の
製作する鋳造用模型を用いてゴム型等を製作することを
考慮して、以下の事項に留意する必要がある。
【0024】まず第一に、鋳造用模型からゴム型等を離
型し易く、かつ離型時に型が破損し難くなるような位置
に設定することである。第二に、駄肉を設ける箇所、す
なわち鋳造用模型自体に、これを用いてゴム型等を製作
する際、またはこのゴム型等を用いて石膏型を製作、あ
るいは鋳造製品を製造する際に、離型を容易にするため
に抜き勾配を設定することにより、設計した製品形状デ
ータよりも肉厚としたり、張り出しを設けた箇所を極力
少なくすることである。なぜならば、駄肉によって鋳造
欠陥が発生し易くなったり、この駄肉を除去するための
石膏型や鋳造製品の加工代が多くなることにより、作業
に要する工程と時間の増加が生じるからである。
【0025】これらを具体的に示すと以下のようにな
る。まず、図6に示すように、図11と同様の形状の製品
を製造するため、鋳造用模型51よりゴム型52を製作する
場合を考える。ここで、図6(a)のように鋳造用模型51
の中空部分51aの端面51bを分割面とした場合、中空部分
51a全体にシリコンゴムが充填されることとなる。その
ためゴム型52を取り外す際に、この中空部分51aに充填
された部分(凸部)52aがちぎれる恐れがあるので、中
空部分51aの中間に分割面を設ける。また、従来例で示
す図11のように、中空部分136の中間から図示の上下に
拡大する形状の場合でも、鋳造用模型データとして中間
を分割面とし、従来では模型131の製作時に薄板137を取
り付ける。ここで、この実施例では、図6(b)に示すよ
うに、鋳造用模型形状データ61をCADシステムにて形成
し、分割面61aから図示の上下方向に距離Mだけオフセ
ットさせる(破線61b参照)。そして、図6(c)に示すよ
うに、オフセットさせた空間を埋めるようにCADシステ
ムにてデータの修正を行い。鋳造用模型形状データ64を
得る。ここで、中空部分61dの中間部63は、オフセット
させた結果、図6(c)に示すように厚肉の中間部65とな
り、後の模型製作時には、厚肉ゆえ十分な強度を有する
ので模型の一部とすることができ、従来のように薄板を
取り付ける必要がない。
【0026】次に図7は、鋳造用模型全体に亘って分割
面を設定した場合を断面図で示すものである。図7(a)
に示すように、鋳造用模型71は複数の中空部分71a〜71d
を有し、これを上下に分割する水平な分割面72が設定さ
れているものとする。分割面72は、CADシステムにおい
て鋳造用模型71の形状データを作成する際に設定したも
のであるが、その際、抜き勾配を考慮して駄肉部分73〜
75を設けている。これら駄肉部分73〜75は、本来の鋳造
製品には存在しないものであるため、鋳造用模型71を用
いて製作したゴム型等や、後に製造される鋳造製品にお
いては除去しなければならないものである。したがっ
て、これら駄肉部分を除去する工程が必要となる。これ
を避けるため、製品形状や製品に含まれる中空部分の内
面形状や大きさ等を考慮して、極力駄肉部分が発生しな
いように適切な分割面を設定する必要がある。例えば図
7(b)に示す鋳造用模型81では、中空部分81a〜81bの内
面形状を考慮した分割面82を設定している。そのため、
分割面82は屈曲した平面となる。以上の点を考慮し、図
3(a)に示すように、分割面は屈曲した平面となってい
る。
【0027】図8は、本発明に係る方法により作製した
鋳造用模型の他の例を示すものであり、図8(a)はその
平面図を、図8(b)は図8(a)のA-A線に沿った断面図で
ある。本鋳造用模型91においては、中央部近傍の窪み92
a,92bの底部表面にそれぞれ凸部93aおよび凹部93bが、
窪みに隣接した部分の表面にそれぞれ凸部94a,95aおよ
び94b,95b(但し、94bは図示せず)が、さらに形状デ
ータ作成時にオフセットさせたことにより設けられた厚
みを加えた部分96の表面にもそれぞれ凸部97a,98aおよ
び凹部97b,98b(但し、98bは図示せず)が設けられて
いる。これらの凹凸部はいずれも、本鋳造用模型91を用
いて製作したゴム型などの上下型を位置合わせするため
に設けたものである。
【0028】図9は、図8に示す鋳造用模型91より製作
した型101を示すものである。型101の上型101aと下型10
1bとは、凹凸部102〜104によって正確に位置合わせがな
されていることが理解されよう。言うまでもなく、これ
ら凹凸部は鋳造用模型91に設けた凹凸部により作られた
ものである。したがって、図8および図9に示すよう
に、鋳造用模型を作製する際に、深穴部や複雑な形状を
有する箇所の分割面に凹凸部を設けることにより、鋳造
用模型から作られる型に位置合わせ用の凹凸部が作られ
ることとなり、型の位置合わせを正確に行うことができ
るようになる。
【0029】図10は、本発明に係る方法により作製した
鋳造用模型のさらに別の例および、この鋳造用模型を用
いて製作した型を示すものである。ここでは、鋳造用模
型111から、製作した型112(上型112aおよび下型112bと
からなる)を離型する前の状態で示している。
【0030】図示の鋳造用模型111の表面には多数の開
口部(穴)が形成され、内部にはこれらの穴と接続する
複数の連通管113〜116が設けられている。この鋳造用模
型111から型112を離型する際には、符号117〜120で示す
穴から加圧した空気、水またはその他の潤滑剤を連通管
113〜116に導入する。これら連通管に導入された流体
は、鋳造用模型111表面の穴から噴出し、それによって
型112が鋳造用模型111から容易に離型されることとな
る。なお、型112を製作する際には、鋳造用模型表面に
設けた穴を薄いフィルム等で覆って、型の材料(シリコ
ンゴム等)が内部に侵入することを防ぐ。また離型のた
めの流体を導入する穴117〜120は、鋳造用模型111の形
状データを作成する際にオフセットさせて厚みを設けた
箇所に配置することが望ましいことは言うまでもない。
【0031】以上説明したように、本発明に係る方法に
よる鋳造用模型は、これを用いて形成する種々の型の位
置合わせを高精度で実現することを可能とし、また型作
成時における模型自体の変形の抑制と破損の防止をも実
現することができる。
【0032】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。例えば、本方法により作製する鋳
造用模型は、前述した光造形法や紙積層造形法、熱溶解
積層造形法のみならず、CADシステムによって作製した
形状データを用いる種々の加工法、例えば粉末材をレー
ザ光等を照射して焼結体を形成する粉末焼結積層造形法
や、切削加工、放電加工等によっても作製可能である。
【0033】さらに、本方法による鋳造用模型には、上
述した作製方法に応じて、樹脂のみならず紙、木材、金
属等幅広い材料が利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による鋳造用模型作製手順を示すフロ
ーチャートである。
【図2】 本発明による鋳造用模型を用いて製造する鋳
造品を示す図である。
【図3】 図2の鋳造品のための鋳造用模型の形状デー
タを作成する手順を示す図である。
【図4】 図3に示す手順により作成した鋳造用模型か
らゴム型を製作する手順を示す図である。
【図5】 図3に示す手順により作成した鋳造用模型か
ら砂型を製作する手順を示す図である。
【図6】 本発明による鋳造用模型の形状データを作成
する手順を、従来例と対比させて説明する断面図であ
る。
【図7】 本発明による鋳造用模型を用いて製作する型
における分割面設定の方法を示す断面図である。
【図8】 本発明による鋳造用模型の他の例を示す図で
ある。
【図9】 図8に示す鋳造用模型により作成した型を示
す断面図である。
【図10】 本発明による鋳造用模型のさらに別の例
と、これを用いて製作した型を示す断面図である。
【図11】 従来の方法により作製した鋳造用模型と、
これを用いたゴム型の製作手順を示す図である。
【符号の説明】
21 鋳造品の形状データ 22,23,24,25,26 鋳造品21の中空部分 27,72,82 分割面 28 模型形状データ 31,41,51,61,71,81,91,111,131 鋳造用模型 32,34,42,44,132,134 型枠 33,135 上型 35,133 下型 36,52,62 ゴム型 43 砂型の下型 45 砂型の下型 53 石膏型 63,137 薄板 73,74,75 駄肉部分 92 鋳造用模型91の窪み 93,94,95,97,98 凹凸部 96 厚みを加えた部分 101,112 型 102,103,104 型101の凹凸部 113,114,115,116 鋳造用模型111内部の連通管 117,118,119,120 鋳造用模型111表面の穴 136 鋳造用模型131の中空部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝崎 禎四郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 福村 輝雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4E093 FC01 GC12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造品の製造に用いる鋳造用模型の作製
    において、 当該模型の三次元コンピュータ設計形状データの作成に
    際し、作成した鋳造製品形状データに分割面を設定して
    一方側形状データと他方側形状データとに分割し、次い
    でこの分割面より前記一方側形状データおよび他方側形
    状データのいずれか一方、または双方を分割面から離間
    する方向に所定距離だけ移動させ、それによって得られ
    た模型形状データに基づいて模型を作製することを特徴
    とする、鋳造用模型の作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、 前記分割面によって分割された前記一方側形状データお
    よび他方側形状データそれぞれの表面に、多数の位置合
    わせ用の凹凸部を設けることを特徴とする、鋳造用模型
    の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法において、 前記模型形状データの作成に際し、その形状表面に開口
    部を設けると共に、内部に前記開口部と接続する連通管
    を設けることを特徴とする、鋳造用模型の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法
    により作製した鋳造用模型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102873272A (zh) * 2012-10-08 2013-01-16 机械科学研究总院先进制造技术研究中心 一种铁模覆砂的无模砂型数控加工成形方法
JP2022501230A (ja) * 2018-10-02 2022-01-06 ノリマット 対向面の作製方法、および前記対向面を使用して複雑な形を有する部品の製造方法
JP7571977B2 (ja) 2018-10-02 2024-10-23 ノリマット 対向面の作製方法、および前記対向面を使用して複雑な形を有する部品の製造方法

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