JP2001187100A - 扉付き介護浴槽 - Google Patents

扉付き介護浴槽

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JP2001187100A JP37546499A JP37546499A JP2001187100A JP 2001187100 A JP2001187100 A JP 2001187100A JP 37546499 A JP37546499 A JP 37546499A JP 37546499 A JP37546499 A JP 37546499A JP 2001187100 A JP2001187100 A JP 2001187100A
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成雄 安斎
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道尚 服部
Hisashi Tsushima
久志 津島
Toshiyuki Takagaki
俊之 高垣
Shogo Ikegami
省吾 池上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な構造で、操作性、安全性、メンテナンス
性に優れるシンプル・コンパクトで経済的な扉付き介護
浴槽を提供すること。 【解決手段】 浴槽(1)の一側壁(6)に開閉自在な
扉(3)付きの開口部(2)を設け、該開口部(2)よ
り入浴者を進退させ、更に浴槽(1)に連結した転湯装
置(15)により湯を出し入れして、入退浴を行う介護
浴槽において、扉(3)と浴槽(1)とにわたって扉閉
止機構(11)が設けられ、且つ、該扉閉止機構(1
1)には、扉(3)を締め込んで密閉させる作動器(1
0)が設けられてなり、扉(3)を、手動操作により一
旦非水密の仮係止状態に閉止した後、作動器(10)を
作動させて扉(3)を締付ける、少なくとも2行程の作
動を経て、完全密閉状態にする扉付き介護浴槽。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身体障害者や養護
老人等(以下入浴者という)の入浴に供される扉付き介
護浴槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の特開平8−19583号公報
には、扉開閉式浴槽本体と、扉と、係止具、ロック機構
と、フック部と、被係止具、シリンダーと、駆動シリン
ダーとからなる「入浴装置」が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来装置は、扉の
開閉及び密閉構造機構が非常に複雑であり、多数のシリ
ンダー等複雑な駆動作動機構を擁し、単に高価であるの
みならず操作が複雑で安全性の面でも問題が生じやす
く、また調整や故障などメンテナンスの面でも不利であ
った。
【0004】特に扉の開閉回動及びロック機構と湯水の
密封機構のシリンダー機構が別個に分離した駆動系から
なるなど、高度な技術が必要な構造のため実用性、汎用
性、市場性の低い装置であった。
【0005】本発明の目的は、上記課題を解決したもの
であり、簡易な構造で、操作性、安全性、メンテナンス
性に優れるシンプル・コンパクトで経済的な扉付き介護
浴槽を提供することである。
【0006】特に、介護浴槽であることの主旨を尊重
し、扉開閉操作など介護・介助動作は極力やさしい手動
操作で行い、大きな水圧を受ける浴槽扉の密閉シール機
構部のみに最小限の作動機構を採用したものであり、更
に、本発明装置は車椅子入浴装置用の介護浴槽として、
より好適に用いられるものである。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】即ち本発明は、浴槽
(1)の一側壁(6)に開閉自在な扉(3)付きの開口
部(2)を設け、該開口部(2)より入浴者を進退さ
せ、更に浴槽(1)に連結した転湯装置(15)により
湯を出し入れして、入退浴を行う介護浴槽において、扉
(3)と浴槽(1)とにわたって扉閉止機構(11)が
設けられ、且つ、該扉閉止機構(11)には、扉(3)
を締め込んで密閉させる作動器(10)が設けられてな
り、扉(3)を、手動操作により一旦非水密の仮係止状
態に閉止した後、作動器(10)を作動させて扉(3)
を締付ける、少なくとも2行程の作動を経て、完全密閉
状態にすることを特徴とする扉付き介護浴槽である。
【0008】又、浴槽(1)の一側壁(6)に開閉自在
な扉(3)付きの開口部(2)を設け、該開口部(2)
より入浴者を進退させ、更に浴槽(1)に連結した転湯
装置(15)により湯を出し入れして、入退浴を行う介
護浴槽において、開口部(2)における一方側の側壁
(6b)端部に、ヒンジ構造にて開閉回動が可能な扉
(3)を取着し、 開口部(2)における他方側の側壁
(6a)端部と扉(3)との間に設けた扉閉止機構(1
1)によって、扉(3)の閉止密閉を行うことが可能な
扉付き浴槽(1)であって、扉(3)は、開放位置より
手動操作によるヒンジ(4)回りの閉回動によって、開
口部(2)他方側の扉(3)と側壁(6)との間に隙間
が残った扉半閉位置にて、扉閉止機構(11)を構成す
る掛鉤(12)と受鉤(13)との相互自動係止作用に
より、扉(3)が半開きの非水密状態で一旦引掛り係止
する、すなわち扉(3)を一旦半閉仮係止状態に保持し
た状態となし、次いで、半閉仮係止状態にある扉(3)
を、扉閉止機構(11)の作動器(10)を操作し、掛
鉤(12)と受鉤(13)との係止部の移動により、扉
(3)と側壁(6)間の残隙間を閉鎖し締付けて、非水
密状態にある扉(3)と側壁(6)間を密着密閉させ水
密状態とし、浴槽(1)を給湯可能な完全密閉状態とす
ることが可能な扉閉止機構(11)を設けた。
【0009】更に、扉閉止機構(11)の掛鉤(12)
は、側壁(6)又は扉(3)に、受け鉤(13)に対し
て戻りスイング可能に軸支されており、また、これに相
対して取着されるところの前記受鉤(13)は、扉
(3)又は側壁(6)に固定的に取着される構造であ
り、扉(3)を手動操作で半閉仮係止する際、扉(3)
の閉回動に伴う掛鉤(12)と受鉤(13)先端の相互
干渉によって掛鉤(12)が戻りスイングをして、開口
部(2)に隙間の残った扉半閉位置で、自動的に引掛り
係止が行われ、扉(3)を一旦半閉仮係止状態に保持す
る。
【0010】更に又、半閉仮係止状態にある扉閉止機構
(11)の受鉤(13)と掛鉤(12)の係止を解除す
る手段として、スイング可能に軸支構造で取着されてい
る掛鉤(12)を反引掛け側に退避させて、固定的に取
着されている受鉤(13)との係止部から外し、引掛け
係止を解除することが出来る手動操作式の仮係止解除機
構(57)を設けた。
【0011】又、開口部(2)における一方側の側壁
(6b)と扉(3)側部の間に、少なくとも上下2ヵ所
(4a、4b)にヒンジ(4)を設け、 他方側の側壁
(6a)と扉(3)側部との間に設けた扉閉止機構(1
1)の受鉤(13)と掛鉤(12)とからなる係止部を
前記上下ヒンジ(4a、4b)高さの中間位置に1ヶ所設
け、且つ該係止部の高さ位置を扉(3)シール部分の全
高(H)の下方から25〜40%の高さ位置に設けた。
【0012】更に、扉閉止機構(11)に設けられた検
知器A(28)及び検知器C(30)により、扉(3)
が開放状態にある時は作動器(10)を非作動に制御し
ているが扉(3)が、閉止されて半閉仮係止状態になっ
たことを検知することにより作動器(10)が引込可能
な状態に制御され、次いで作動器(10)を駆動操作し
て扉(3)の完全密閉を行う。
【0013】更に又、扉閉止機構(11)に設けられた
検知器B(29)及び検知器C(30)により、扉
(3)が非締付状態にある時は転湯装置15を非作動に
制御しているが、扉(3)が締付られて完全密着閉止さ
れたことを検知することにより転湯装置(15)が駆動
可能な状態に制御され、次いで転湯装置(15)を駆動
操作して、浴槽(1)への給湯を行う。
【0014】又、扉(3)が完全に密閉された状態で
は、掛鉤(12)の係止解除用の操作ハンドル(20)
を操作しても、仮係止解除機構(57)が機能せず、受
鉤(13)と掛鉤(12)の引掛け係止が解除出来ない
ような安全機構を装備した。
【0015】更に、扉閉止機構(11)は扉(3)の完
全密閉状態から作動器(10)が作動し扉(3)が弛緩
して半閉位置に戻っても、掛鉤(12)及び受鉤(1
3)間の引掛り係止はそのまま解除されず、仮係止状態
に保持されて、仮係止解除機構(57)を操作しない限
り、扉(3)が開放されない。
【0016】更に又、半閉仮係止状態から閉扉スイッチ
により作動器(10)を駆動し扉(3)を締付けて完全
密閉する閉扉操作と入湯スイッチにより転湯装置(1
5)を駆動し浴槽(1)に湯を移動する入湯操作の、2
ステップからなる入浴時の操作を、入浴スイッチ操作に
よる一回のスイッチ操作で閉扉と入湯を連動制御し1ス
テップで操作可能とし、及び/又は、浴槽(1)に湯が
入っている入浴状態から、退湯スイッチにより転湯装置
(15)を駆動し浴槽(1)を空にする退湯操作と緩扉
スイッチにより作動器(10)を駆動して扉(3)の密
閉締付けを弛緩し半閉仮係止状態とする緩扉操作の、2
ステップからなる退浴時の操作を、退浴スイッチ操作に
よる一回のスイッチ操作で退湯と緩扉を連動制御し1ス
テップで操作可能とする。
【0017】又、貯湯槽(14)に湯検知部(56)を
設け、湯が入浴に適する状態になく異常である場合に
は、扉閉止機構(11)の作動器(10)が非作動状態
となり扉(3)が完全密閉されない安全制御機能を搭載
した。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の扉付き介護浴槽を使用し
て、入浴者を介護しながら入浴を行なう。浴槽1の一側
壁6に開口部2を設け、開口部2に設けられた扉3を開
閉し、入浴者を進退させ、更に浴槽1に連結した転湯装
置15により湯を出し入れして、入退浴を行う。
【0019】開口部2における他方側の側壁6端部と扉
3との間に設けた扉閉止機構11は、扉3の水密閉止を
行う。扉閉止機構11は、相互自動係止作用を有し、扉
3を半開きの状態で一旦クリック係止し、扉3を非水密
の仮係止状態に保持する。
【0020】次いで、上記仮係止状態にある扉3を、扉
閉止機構11が有する作動器10を操作し、浴槽1側へ
引き込む。上記引込作用により、扉3と側壁6間の残隙
間を締付けて、半開き状態にあった扉3と側壁6間を密
着させ、浴槽1を給湯可能な完全密着閉止状態になす。
【0021】開口部2における一方側の側壁6b端部に
取着されたヒンジ構造は扉3を開閉回動を可能になす。
【0022】開口部2における他方側の側壁6a端部と
扉3との間に設けた扉閉止機構11は、扉3の密着閉止
を行うことを可能にする。扉3は、開放位置より手動操
作によるヒンジ4回りの閉回動によって、扉3と側壁6
間の開口部2における他方側に隙間が残った扉半閉位置
になる。
【0023】扉閉止機構11を構成する掛鉤12と受鉤
13との相互自動係止作用により、扉3は半開きの状態
で一旦クリック係止する。すなわち扉3を半閉仮係止状
態に保持した状態となす。
【0024】次いで、半閉仮係止状態にある扉3を、扉
閉止機構11の作動器10を操作し、掛鉤12と受鉤1
3との間の引込作用なさしめる。
【0025】上記引込作用により、扉3と側壁6間の残
隙間を閉鎖し締付けて、半開き状態にあった扉3と側壁
6間を密着密閉させ、浴槽1を給湯可能な完全密着閉止
状態とする。
【0026】扉閉止機構11の掛鉤12は、側壁6又は
扉3側に軸支されており、受鉤13に対して、係止方向
又は解除方向に旋回(=戻りスイング)できる。掛鉤1
2に相対する受鉤13は扉3又は側壁6側に取着され、
固定している。
【0027】扉3が閉止密閉する際、隙間の残った扉半
閉位置で、扉3の閉回動による掛鉤12と受鉤13先端
の相互干渉による掛鉤12の戻りスイングによって、自
動的に引っ掛り、クリック係止が行われる。扉閉止機構
11のクリック係止により、扉3を半閉仮係止状態に保
持する。
【0028】扉半閉仮係止状態にある受鉤13と掛鉤1
2の仮保持状態での係止解除手段として、手動操作式の
係止解除機構57を設けており、該係止解除機構57
は、スイング回動可能な軸支構造で取着されている掛鉤
12を反引掛け側に退避させる。掛鉤12を受鉤13か
ら外して仮係止を解除する。
【0029】開口部2における一方側の側壁6と扉3側
部の間に、少なくとも上下2ヵ所4a、4bに設けられる
ヒンジ4と、他方側の側壁6と扉3側部との間に1ヶ所
設けられ、受鉤13と掛鉤12とでなる扉閉止機構11
とで、扉3を支持し開閉可能になす。該扉閉止機構11
の位置を扉3側の下方から25〜40%の高さ位置に設
ける。
【0030】扉閉止機構11に設けられた検知器A2
8、検知器C30により、扉3が半閉仮係止状態になっ
たことを検知する。検知器A28、検知器C30は作動
器10を引込可動な作動状態に制御して、作動器10を
駆動操作し扉完全密着閉止駆動制御を行う。
【0031】扉閉止機構11に設けられた検知器B29、
検知器C30により、扉3が完全密着閉止されたことを
検知する。検知器B29、検知器C30は転湯装置15の
給湯駆動を作動可能な状態に制御して、転湯装置を駆動
操作し浴槽1の給湯制御を行う。
【0032】本発明の介護浴槽に装備される安全機構
は、扉3の完全密着閉止状態で、掛鉤12の係止解除用
操作ハンドル20を操作しても、係止解除機構57が機
能せず、密閉係止が解除出来ないようにする。
【0033】完全密着閉止の扉3の開放操作で、作動器
10が弛緩作動すると扉3が弛緩し半閉位置に戻る。扉
3が半閉位置に戻っても、掛鉤12及び受鉤13間の仮
係止は解除せず、扉3は一旦半閉仮係止状態となる。扉
3は、係止解除機構57を操作して開放され、係止解除
機構57を操作しない限り開放されない。
【0034】半閉仮係止状態から閉扉スイッチにより作
動器10を駆動し扉3を締付けて完全密着閉止し、更に
入湯スイッチにより転湯装置15を駆動し湯を入れて入
浴する2ステップの入浴駆動操作を、「入浴スイッチ操
作」により閉扉と入湯が連動して1ステップで操作可能
とする。
【0035】浴槽1に湯が入っている入浴状態から、退
湯スイッチにより転湯装置15を駆動し浴槽1を空に
し、更に緩扉スイッチにより作動器10を駆動して扉3
の密閉を解除し半閉仮係止状態とする2ステップの退浴
駆動操作を、「退浴スイッチ操作」により退湯と緩扉を
連動して1ステップで操作可能とする。
【0036】本発明に搭載される安全制御機能に係る湯
検知部56は、貯湯槽14に設けられ当該貯湯槽14内
の湯がその温度や質において入浴に適する状態になく異
常である場合に異常検知信号を発し、該異常検知信号に
より、扉閉止機構11の作動器10が非作動状態とな
り、扉3が完全密着閉鎖しない。
【0037】
【実施例】図1、2、3に示す本発明の第1実施例は、
入浴を行なうとき浴槽1内に入浴者の載る座席部8を装
着し、開口部2に設けた扉3を開閉して湯を入れる浴槽
1と、退浴するとき浴槽1の湯を転湯して貯める貯湯槽
14と、それら両槽1・14を繋いで連通し湯の相互移
動を行なう転湯装置15とからなる入浴装置である。
【0038】入浴用の搬送車9は、台車部7と座席部8
からなり、入浴者を載せる座席部8のみが入浴し、台車
部7が入浴しない分離式入浴の車椅子である。
【0039】また、開口部2の片方側の側壁6と扉3と
の間に設けられた扉閉止機構11は、扉3が密閉する前
の多少半開きで非水密状態に保持された状態、すなわち
扉3の半閉仮係止状態を示す。
【0040】図1は第1実施例の主構成を示す装置の横
断面図であり、図2は平面図、図3は扉3の内側から見
た説明図である。
【0041】浴槽1は、一側に開口部2を設け上面が開
放した略筐型の容器で、開口部2には片開きの扉3を設
けてある。浴槽1の内部には座席部8が入る入浴スペー
スが構成され、底壁5の下方外部には台車部7の収容ス
ペースが設けられたもので、搬送車9の座席部8のみが
入浴する分離式入浴タイプの介護浴槽である。
【0042】又、浴槽1には、入浴用の湯を浴槽1及び
貯湯槽14に供給可能な給湯部17、底部の水位を検知
する水位検知器47、更に操作制御部を構成する操作パ
ネル49や計装制御部51、サイドパネル50と湯を捨
てる排水口54がある。
【0043】その他図示しない湯面制御装置、気泡装
置、濾過装置、薬液装置、保温装置、シャワー装置、安
全装置など適宜装備されたものである。
【0044】入浴者を載せる本実施例の搬送車9は、詳
細図示を省くが、キャスターで床面を走行し、入浴の
際、浴槽1へ足側から前向きに進入し底壁5で上下に分
離して、台車部7は浴槽1の下方にあって入槽せず、入
浴者の載置した座席部8のみ浴槽1内に入浴する、いわ
ゆる入浴機能分離型の構成である。
【0045】搬送車9は浴槽1へ装着した状態で扉3の
開放、閉止が可能となるものである。入浴姿勢は、ヘッ
ドレスト53のついたシート部が後傾したリクライニン
グ姿勢が可能なものである。
【0046】貯湯槽14は退浴時など、浴槽1の湯を移
動して貯めるものであるが、入浴用の湯を新規に用意す
る際には給湯部17により湯の供給を行う。又、内部に
は湯温など湯の状態を検知する湯検知部56、その他図
示しないが、湯オーハ゛ーフロー設備、保温装備、循環濾過殺菌
装備、排水口、水位検知器、湯量管理装備など浴槽1の
機能と関連して適宜装備される。
【0047】入退浴時など湯移動の系統について説明す
る。浴槽1と貯湯槽14は転湯路16を介して湯の相互
移動を行う転湯装置15で連繋されている。
【0048】転湯装置15は、湯の移動時の、入浴者の
待ち時間や介護能率の問題から、より短時間にスムース
に湯の相互移動を行う必要があり、図示を省くが大容量
の湯移動ポンプや切替バルブ、送湯量制御機構、濾過装
備、排水構造などから適宜構成され、操作パネル49や
サブパネル50部でスイッチ操作される。
【0049】更に浴槽1や貯湯槽14に設けられた水位
検知部47や扉水位検知部48、湯検知部56、図示以
外の水位や湯の検知などにより、湯量管理や湯面制御、
安全制御が可能なものである。
【0050】退浴に際し扉3を開ける時には、事前に浴
槽1内の湯を貯湯槽14へ転湯させて浴槽1を空にし、
また入浴するときには扉3を完全密着閉止したのち、ス
イッチ操作により貯湯槽14の湯を浴槽1へ移動させる
ことが出来る。
【0051】扉3は、開口部2の左側壁6bの上下2ヵ
所にに設けられたヒンジ4を介して、開閉可能に浴槽1
に取着される。扉3は上方襟部の中央部分が座席部8の
背凭れに添うように後方に突起した襟出し形状でなり、
浴槽1のスペースと湯量をスリム化するとともに、介助
者の介護性の面でも特に入浴者への接近など好都合で好
適なものである。
【0052】入浴時、入浴者を載置した座席部8を浴槽
1内に収容し、右側壁6a側の扉3開放端部を手動で開
閉操作して扉閉止機構11により仮係止を行い、更に右
側壁6aと扉3との間に取着した扉閉止機構11の作動
器10により扉3を引込み締込んで、開口部2を完全密
着閉止し、貯湯槽14の湯を転湯させて入浴可能な状態
とするものである。
【0053】浴槽1に設けられた片開きの扉3は、左側
壁6b側が開閉回動の支軸となる上下2ヵ所のヒンジ4
からなる構造で、右側壁6a側の扉3開放端部側を開閉
させて開口部2を開放・密閉する扉閉止機構11が設け
られたものである。
【0054】扉閉止機構11は浴槽1の両側壁6と底壁
5からなる開口部2の端面により形成されるU字形の開
口端面とこれに相対した扉3の内側面との間の面間を圧
接させることによって水密に密閉させ湯水をシールする
ものである。
【0055】扉3の内面には開口部2の開口端面に相対
してシールパッキン19が貼りつけられシール部を形成
している。シールパッキン19はスポンジやゴム、中空
断面の部材など弾性に富んだパッキン部材が扉面に貼り
つけられたものである。
【0056】また、扉3を回動可能に軸支するヒンジ4
部は、扉3内側と浴槽1開口面との傾きやシール部の添
い具合の調整、開閉バランスの調整など、特に扉3締付
け時の、湯水シール性の全体のバランス調整を考慮し、
また後述する扉3開閉側の扉閉止機構11を1ヵ所にシ
ンプル化した装備とのバランスから、上下2ヵ所4a、
4bに設けられている。
【0057】扉3の取付状態はヒンジ4でアジャスト可
能で、図示詳細は省くが、それぞれが3次元的に側壁6
bと扉3との隙間や傾きなど適宜取付けの微調整が可能
な構造になっている。更に、図示は省くが、扉3が全開
した位置では、自重のアンバランスなど僅かの力で、不
意に閉回動してしまうことなどを防止するため、全開位
置で軽くロックする停止制動機構が設けられている。
【0058】またヒンジ4部には、開閉の回動により、
開放位置を検知する検知器E32が設けられており、扉
3が開閉角度範囲の約10パーセント以上開くと扉3が
開放位置にあるとして検知するものであり、後述する扉
3の半閉仮係止位置での非開放を判別して、扉の密閉駆
動などを制御可能とするものである。
【0059】開口部2の右側壁6a側は、扉3を開閉す
る時の操作作動側で、外側に扉取手18を設け、扉3内
側の端部と右側壁6aには扉3の密着閉止を行う扉閉止
機構11が1ヵ所設けられている。
【0060】扉閉止機構11の係止部は掛鉤12が引掛
り係止する受鉤13の位置で、扉3のシール部の全高H
に対して好ましくは25〜40%の高さ位置に設けられ
る。扉3のこの部位は扉3が受ける水圧のバランスと更
にシールパッキン19の均一締付けを可能にする締付け
力のバランスが取れた好適な位置であり、扉3面に大き
な偏荷重が掛かることも無く扉構造や扉閉止機構11に
も無駄が無く操作も軽快で経済性にも優れるものであ
る。
【0061】扉閉止機構11は、扉3側に固定的に取着
した受鉤13とそれに相対して右側壁6aに装備された
戻りスイングする掛鉤12と該掛鉤12を戻りスイング
可能に軸支する作動軸支B42が出入りして扉3を閉扉
・緩扉させる作動器10からなる。
【0062】作動器10は、電動操作式で位置検知機能を
内蔵したアクチュエーターで、作動先端部で掛鉤12を
作動軸支B42で支持する。作動軸支B42の出入作動に
よって掛鉤12に係止された受鉤13を引込んで扉3を
閉鎖し締付けて扉3の完全密着閉止を可能とするもので
ある。又扉閉止機構11の安全装備として、図示は省く
が、作動軸支B42部には電気制御されるブレーキ機構
が付随されている。
【0063】側壁6から突き出して作動器10に軸支さ
れた掛鉤12は、戻りスイングのバネA43とストッパ
ーB34とが設けられており、扉3が開放位置から手動
で閉じて来ると、扉が完全に密閉されていない開口面に
隙間の残った非水密の状態で、受鉤13と掛鉤12の先
端が干渉する。
【0064】この干渉作用により、図示のように掛鉤1
2が一旦上方の開放位置に若干スイングして受鉤13を
乗越え、バネA43で引き戻され戻りスイングして、掛
鉤12と受鉤13がクリックして引掛り係止し、扉3が
非水密の半閉位置で仮係止するものである。
【0065】まず扉3の手動操作により、扉3が密閉し
ない隙間の残った非水密の状態で側壁6側の掛鉤12で
保持された仮係止の状態、いわゆる扉半閉仮係止状態と
なる。半閉仮係止状態の扉3の残り隙間は、開放の位置
より軽い手動操作で閉めて残る僅かの隙間である。本実
施例の1人入浴用の車椅子入浴装置では、掛鉤12が開
口部2からの突出するのをを少なくするため、残り隙間
は、少なくとも20mm以下で、好ましくは10mm以下に
セッテングした。
【0066】扉3が半閉仮係止状態において、ヒンジ4
側の左側壁6b部の扉3閉止状態は、構造からも明らか
な如く、シールパッキン19はヒンジ回動で圧縮されほ
ぼ密着に近い状態である。作動器10で残り隙間を締付
けて完全密着閉止した状態で、ヒンジ4側と扉閉止機構
11側との密閉状態がバランスするようになっており、作
動器10には停止位置を微調整可能なストッパー(図示
省略)が設けられておりシールパッキン19の適正な締
付け調整が出来る。
【0067】作動器10の駆動スイッチは操作パネル4
9、サイドパネル50に適宜配備されており、また停電
時の退浴用など保安のための電源装置55なども装備さ
れている。
【0068】扉3が半閉仮係止したことを掛鉤12の先
端が受鉤13内方のスペースにセットされたことで検知
器C30により検知し、作動器10を駆動可能な作動状
態に制御するよう計装されており、掛鉤12が仮係止し
ていない状態や検知器E32によって開放されている状
態に検知されている場合、作動器10は非作動に制御さ
れる。
【0069】浴槽1への入浴給湯は、座席部8を装着し
扉3を完全密着閉鎖したのち、転湯装置15により行わ
れるが、検知器29により扉3が完全密閉状態にセット
されたことを検知して入湯スイッチが入るようになって
おり、扉3が密閉されていない状態では湯を入れないよ
うにインターロック制御されている。すなわち扉3が開
放状態や半閉仮係止状態では、転湯装置15は作動しな
いため、扉3閉め忘れによる誤操作などにより湯が浴槽
1外に溢れるようなトラブルも無く、従って無駄なく且
つ安全に使用出来る。
【0070】退浴時、浴槽1の湯を転湯装置15により
貯湯槽14に戻して空にしたのち、扉3を密閉させてい
た作動器10を作動させて扉3を弛緩させ半閉仮係止状
態に戻す。
【0071】浴槽1が空になったことを検知する水位検
知部47又は扉3内面に湯水が無いことを検知する扉水
位検知部48により、浴槽1に湯が残っていないことを
検知して作動器10をさせることが出来るようインター
ロック制御されているため、湯が残っている状態で緩扉
スイッチを操作して扉3が弛緩し大量の湯があふれ出る
などトラブルの心配も無く、従って湯を無駄にせず且つ
安全に使用出来る。
【0072】また、装置制御の故障や非常時などによ
り、万が一、湯が残った状態で作動器10が作動し扉3
が弛緩して非水密の半閉仮係止位置に戻ってある程度の
湯水の飛散はあっても、掛鉤12と受鉤13との引掛り
仮係止は外れないようになっており、急激な大量湯水の
飛散や扉3の急開放の事故などによる事故は防止できる
安全構造になっている。
【0073】受鉤13と掛鉤12の仮係止解除機構57
の構造は、詳細構造図示は省くが別途手動の操作ハンド
ル20で解除できる構造になっており、扉3が半閉仮係
止状態にあることを確認し介助者が操作するものであ
る。
【0074】尚、操作ハンドル20による掛鉤12の仮
係止解除は、掛鉤12を引掛り方向の反対方向に回動さ
せて鉤部をこじ開けて解除するものであるが、作動器1
0が扉3を締付けている完全密着閉止状態や大量の湯が
残っている状態では、詳細説明は省くが、作動軸支B4
2にブレーキ機構が付属され、掛鉤12はロックされ係
止解除機構は機能しないようになっておりより安全に使
用出来る。
【0075】第1実施例の使用に際しては、先ず浴槽1
を清掃し空にして扉3を開け、入浴可能にした入浴者を
座席部8に乗せ、搬送車9ごと開口部2へ導き座席部8
を入浴位置に導入し装着する。即ち、座席部8を底壁5
上に進入させ装着し、台車部7を底壁5下に収納する。
【0076】次に、開放位置にある扉3を手動で閉めて
くると、密閉前の多少半開きの扉半閉位置にて、浴槽1
側の掛鉤12が扉3の受鉤13を待ちうけており、扉3
閉回動によって自動的にクリックして引掛り係止し、一
旦扉3が半閉仮係止の仮止め状態に保持される。そこで
検知器C30が半閉仮係止状態になったことを検知し、
且つ、湯検知部56で貯湯槽14の湯に異常が無いこと
を検知すると作動器10を駆動操作可能な状態に制御す
る。
【0077】更に、操作パネル49または操作容易なサ
イドパネル50に設けた閉扉スイッチ(図示省略)を押
すと作動器10が駆動し、掛鉤12が受鉤13を引込み
扉3を締付け、開口部2を完全密着閉止状態にすること
が出来る。
【0078】検知器C30が半閉仮係止状態を検知せ
ず、あるいは検知器E32で扉3が開放状態のとき、作
動器10の引込み駆動は非作動状態にインターロック制
御され、誤操作による作動器の10の駆動を回避できよ
り安全に使用出来る。
【0079】次に、検知器B29で扉3が完全に密着閉
止したことを検知し、且つ湯検知部56で貯湯槽14の
湯に異常が無いことを検知すると、転湯装置15が駆動
可能な状態に制御され、浴槽1への湯の移動が可能とな
る。 次いで、操作パネル49または操作容易なサイド
パネル50に設けた入湯スイッチ(図示省略)を押して
転湯部15駆動し、浴槽1に湯を供給し、入浴者を湯に
浸け入浴を行なう。
【0080】扉3が開放状態や半閉仮係止の状態で、密
着閉止状態になっていず、検知器29が密閉検知しない
と、転湯装置15の駆動は非作動状態にインターロック
制御されるため、誤操作による湯の飛散トラブルなどが
防止でき無駄なく且つ安全に使用出来る。
【0081】また、図示は省くが異常時には、入浴異常
メッセージ(図示省略)が操作パネル49に表示され、
入浴での異常動作を回避でき、入浴トラブルを事前に防
止するすることが出来る。
【0082】湯温が高温で危険な場合や湯が過剰に汚れ
ている場合など、湯が入浴に不適切のとき、湯検知部5
6の異常検知信号で、作動器10を作動禁止状態に駆動
制御し、扉3を操作する時点で、異常を知り入浴を中止
させることが出来るため、無駄が無く且つより安全に使
用出来る。
【0083】入浴を終え退浴するに当たっては、まず
操作パネル49またはサイドパネル50に設けられたの
退湯スイッチ(図示略)を押し、転湯装置15を駆動さ
せ、湯を貯湯槽14に移動し浴槽1を空にする。
【0084】浴槽1が空になり水位検知部47または扉
水位検知部48で浴槽1に湯が無いことを検知すると作
動器10は駆動可能な状態に制御され、サイドパネル5
0の緩扉スイッチ(図示省略)を押すと、作動器10が
駆動し掛鉤12を押だし扉3を弛緩させて密閉から扉半
閉仮係止の状態に戻され、扉3が仮係止解除機構57に
より手動開放可能な状態となる。
【0085】水位検知47、48により浴槽1に湯があ
る状態で作動器10は非作動状態にインターロックして
安全制御されるため、操作ミスなどによる湯の飛散も無
くより安全に使用出来る。
【0086】又作動軸支B42に付設されているブレー
キ装置(図示略)は、扉3が密閉されあるいは浴槽1に
湯が残っている状態では、非開放状態にインターロック
制御されるため、掛鉤12の係止解除は禁止されており
より安全に使用出来る。
【0087】介護者は入浴者及び扉3の半閉仮閉止状態
に異常が無いことを確認し、仮係止解除機構57の操作
ハンドル20を手動操作し、受鉤13から掛鉤12を外
し、扉3を開放して、介助者は入浴者の載る搬送車を退
出させ、入浴は終了する。
【0088】次に、図4、5、6に本発明の第2実施例
である扉閉止機構11の側面説明図を示す。第2実施例
は第1実施例の扉閉止機構11が異なる他の実施例であ
り、図4は扉3が仮係止する直前の扉開放状態、図5は
掛鉤12が受鉤13に引掛り係止した扉半閉仮係止状
態、図6は作動器10で扉3を引込締め込んだ完全密着
閉止状態を示す。
【0089】浴槽1の側壁6には、リニアに出し入れ可
能な受鉤13が作動器10に直結して固定的に装備され
たものである。また作動器10の先端部に設けた当接検
知部25により受鉤13が突出した作動位置を検知する
ようにしており、側壁6に半閉仮係止位置を検知する検
知器A28、作動器10を引込み扉3を閉め込んだ密閉
位置を検知する検知器B29が配置されている。
【0090】又、当接検知部25の作動に対応して、シ
ールパッキン19の締込を調整し、扉3の締め止まり位
置をセットするストッパーA33が併設取着されてい
る。
【0091】更に側壁6側には扉3内面が密着閉止状態
に圧接されたことを検知する検知器D31と掛鉤12が
引込まれ扉3が密着閉止する状態では、掛鉤12の引掛
り係止を外せなくしメカロックするロック部26が設け
られている。作動器10は扉閉止機構11の各作動位置
検出の検知器28、29、30あるいは湯検知部56や
水位検知部47、48のリレー制御により作動・駆動を
行う制御装置51及び停電時の電源装置55に接続され
ている。
【0092】扉3側には、掛鉤12が軸支B38でスイ
ング可能に取着され、更に戻り用のバネA43とストッ
パーB34が設けられ、軸支B38には仮係止解除機構
57を構成する操作ハンドル20が装備されている。ま
た扉3には掛鉤12が受鉤13にクリックし引掛り係止
した状態を検知する検知器C30が設けられている。
【0093】第2実施例の作動を説明する。図4の扉開
放状態は、受鉤13が側壁6より扉3側に突出し、検知
器A28で位置検知されている。扉3を開放状態から手
動で閉めて行くと掛鉤12の先端が密閉手前の半閉位置
にて受鉤13に緩衝し、戻りスイングをしてクリックし
引掛り係止し、図5の扉半閉仮係止状態となる。
【0094】ここで扉3の検知器C30は受鉤13の挿
入を検知し、検知器A28の検知により扉3が半閉仮係
止状態になったことを検知し、且つ、湯検知部56で貯
湯槽14の湯に異常が無いことを検知して、作動器10
を引込み可能な状態に駆動制御する。
【0095】図示を省略するが扉3のシールパッキン1
9部には挟みこみ検知センサーを装備しており、半閉仮
係止状態で開口部2と扉3の間に異物や指が挟まれてい
ると作動器10は非作動状態にインターロック制御され
る。次いで異物を除去し、作動OKで閉扉スイッチ(図
示省略)を操作すると受鉤13が引き込まれ扉3が締付
けられ図6の完全密着閉止状態となる。
【0096】完全密着閉止状態は、検知器C30と検知
器B29、検知器D31により検知され、湯に異常が無
ければ、湯の移動・入浴操作が可能な状態に制御され
る。また、完全密着閉止状態ではロック部26が掛鉤1
2の外れをロックしており、不意の係止外れや扉3解除
の操作ハンドル20の誤操作などによるトラブルを防止
する安全機構となっている。
【0097】次いで湯を入れて入浴する。入浴が終了し
退浴する場合は、浴槽1の湯が空になり水位検知47、
48が機能した後、図6の完全密閉から図5の半閉仮係
止そして図4の扉開放と逐次解除され、搬送車9を退出
して入浴を終了する。
【0098】次に、図7に本発明第3実施例の側面視説
明図を示す。第3実施例は、第1実施例における扉閉止
機構11の機能性、操作性を更に改良した他の構成例を
示す実施例で、浴槽1の側壁6側に掛鉤12及びその作
動機構関係を装備し、扉3側には受鉤13及び仮係止解
除機構57関係を配備したものである。
【0099】図示詳細は省くが、扉3は第1実施例同
様、一方の側壁6部の上下2ヶ所にヒンジ4(4a、4
b)が開閉可能に取着され、他方の側壁6との間には、
扉3の閉止密閉を行う扉閉止機構11が設けられたもの
である。
【0100】受鉤13と掛鉤12及び掛鉤12を作動さ
せる作動器10と作動ロッド27などからなる扉閉止機
構11は、受鉤13と掛鉤12の係止部を、扉3の下方
に、約3分の1の高さ位置に1ヶ所設けたものである。
【0101】又、扉3には、開口部2の側端面に相対し
て、シールパッキン19が取着されているが、本実施例
の高さ位置は扉3が受ける水圧をバランス良く受け、更
に湯水シールに必要なシールパッキンの締付けが均一適
正になされ、バランス調整が適正になされた位置であ
る。
【0102】扉閉止機構11である掛鉤12の作動機構
について説明する。扉引込み締込み用の作動器10の基
部は、側壁6部の浴槽フレーム52に設けられた固定軸
支A37に、回動可能に軸支固定されており、作動器1
0の伸縮駆動する先端部には、作動軸支A41が設けら
れ、作動ロッド27の下方に、揺動可能に連結される。
【0103】作動器10と掛鉤12の作動を連繋する作
動ロッド27は、中間部を側壁6の浴槽フレーム部52
に設けられた固定軸支B38により軸支固定されてお
り、上方下方が各々左右に揺動し、下方は作動軸支A4
1で作動器10の伸縮端部に取着され、上方は作動軸支
B42により掛鉤12基部に揺動可能に連結されてい
る。
【0104】固定軸支B38を中心に左右に揺動する作
動ロッド27には、作動範囲を規制するストッパーA3
3(33a、33b)が調整可能に設けられており、掛鉤
12の押引可動範囲に合せてセットされる。又作動ロッ
ド27の戻り位置には検知器A28がセットされ、掛鉤
12が扉3側に突出した位置にあるのを検知する。
【0105】掛鉤12の基部は、揺動する作動軸支B4
2に軸支され、側壁6の浴槽フレーム52との間に設け
られたバネA43及びストッパーB34により、掛鉤1
2の側壁6より扉3側に突出した係止部分である先端位
置の調整とクリックして係止する時の戻りスイングを可
能にしている。これによって掛鉤12を受鉤13に引掛
り係止させ、更に作動器10の伸縮駆動によって掛鉤1
2を押引作動させることが出来る。
【0106】又掛鉤12の後方には、扉3を密閉中には
掛鉤12が外れないようにするロック部26が浴槽フレ
ーム部52に調整可能に設けられており、扉3を引き込
み締付けた密閉位置では、掛鉤12の尾部58が後退し
てロック部26上に乗掛かり、掛鉤12が解除スイング
しないようにメカロックされる。従って、浴槽1に湯が
あるなど密閉係止状態では掛鉤12の係止が外れない安
全構造となっている。
【0107】次に、扉3側に設けられた受鉤13と仮係
止解除機構57について説明する。扉3の側壁6の掛鉤
12に相対する位置に受鉤13が固定的に取着され、扉
3の閉回動によって扉半閉係止位置で掛鉤12先端と相
互干渉してクリックし引掛り係止可能となっている。
【0108】又扉3には、受鉤13に引掛り係止して半
閉仮係止状態にある掛鉤12を手動操作機構で解除する
仮係止解除機構57が設けられている。係止解除機構5
7は、掛鉤12の先端を解除レバー23の先端で押し上
げるようにこじ開けて、受鉤13から掛鉤12を外し離
脱させるものである。
【0109】湯水の無い半閉仮係止状態では扉の締付け
力がほとんど無いため、掛鉤12は軽い力で解除操作出
来るものであるが、締付け密閉時や大きな水圧が掛かっ
ている状態では、受鉤13と掛鉤12との係止部に大き
な力が掛かっており、鉤型の引掛り形状であるため、通
常の手動操作などでは外れ無いものである。また、無謀
な操作などによる万一の事故を防止するため、別途説明
の如くロック部26や圧縮バネ46による安全機構も付
帯装備されたものである。
【0110】解除レバー23と検知レバー部24の付い
た解除ロッド22は、扉3の固定軸支C39に回動自在
に軸支取着され、検知レバー部24部には解除レバー2
3の位置を検知する検知器C30と検知器E32が設け
られる。
【0111】解除ロッド22には解除レバー23の作動
範囲を調整するストッパーC35(35a、35b)と
回動操作戻し用のバネB44が設けられており、掛鉤1
2が受鉤13に係止した状態では検知器C30が作動す
る位置に有り、掛鉤12が外れる扉3開放の位置ではバ
ネB44の戻し作用で検知器E32が機能する。
【0112】掛鉤12をこじ開けて引掛り係止を外す解
除レバー部23は解除ロッド22と一体的に回動する。
解除ロッド22を回動操作する操作ロッド21の付いた
その操作ハンドル20は、固定軸支D40により扉3に
回動自在に固定取着されている。
【0113】操作ハンドル20を手動操作し、操作ロッ
ド21を開扉方向に左旋回させ、操作ロッド21の先端
部で、解除ロッド22の上端側に係わらせて、解除ロッ
ド22を解除方向に右回動させることによって、解除レ
バー部23を上方向に作動させて、受鉤13から掛鉤1
2の係止を外して、半閉仮係止を解除し扉3を開放可能
にさせる。
【0114】操作ロッド21の付いた操作ハンドル20
には作動範囲を決め戻り作動をさせるストッパーD36
(36a、36b)とバネC45が取着され、回動操作
範囲と戻り位置の調整をしている。操作ロッド21の先
端には解除ロッド22との作動緩衝をスムースにするた
めガイドローラー(構造図示省略)が取着される。
【0115】又、解除ロッド22の上方の中間部は圧縮
バネ部46を介在させて連結構成されており、解除ロッ
ド22の先端に掛かる力が大きくなり一定のトルク限度
を超えると圧縮バネ部46は中間部で曲がり、操作ハン
ドル20を操作し操作ロッド21が左回動しても、解除
ロッド22は先端部のみ右方向に曲り基部側が回動せ
ず、引掛り係止は解除されない状態となる。
【0116】すなわち、半閉仮係止の状態では圧縮バネ
部46の限界トルク以内の小さな操作力で解除できるた
め、操作ハンドル20の手動操作で容易に解除レバー2
3を作動させて係止解除できるが、扉3が締付け密閉さ
れている状態や浴槽1に大量の湯が残っている場合に
は、大きな解除力が必要であるため、操作ハンドル20
を操作して操作ロッド21を作用させても、解除ロッド
22は圧縮バネ部46で曲り解除レバー23は回動され
ないようになっており、無理な操作などによる事故を防
止する。
【0117】すなわち、解除ロッド22の圧縮バネ46
は、ロック部26のメカロック機構とともに浴槽1内に
湯が残っている場合の扉3異常開放禁止の安全装備であ
る。尚、ロック部26か圧縮バネ22のどちらかのみを
選択して安全機構として搭載しても良い。
【0118】又、扉3の受鉤13部には、扉3が締付け
密着閉止状態となったことを被検知する当接検知部25
が突設されており、側壁6側に引込まれると側壁6側に
設けられた検知器29に作用し、密閉状態の検知が可能
となっている。
【0119】第3実施例の使用は、第1実施例同様行わ
れ、手動で扉3を半閉仮係止にした後、貯湯槽14に湯
に異常が無ければ、操作パネル49又はサイドパネル5
0の閉扉スイッチ(図示省略)を操作して作動器10を
駆動し、作動軸支A41の押駆動により作動ロッド27
が左回動し、掛鉤12で半閉仮係止状態にある受鉤13
を引込み、扉3を締付け開口部2を完全密着閉止状態に
する。
【0120】検知器A28は解放され、検知器B29は
当接検知部25の進入により扉密閉を検知し、転湯装置
15を湯移動駆動可能な状態に制御する。
【0121】続いて、入湯スイッチ(図示省略)を操作
して転湯装置15を駆動し湯を移動し入浴が行われる。
転湯装置15の駆動中は、作動器10は非作動にインタ
ーロック制御されている。
【0122】また、扉3が閉められ浴槽1に湯が入って
いる密閉状態では、少なくともロック部26及び圧縮バ
ネ部46が機能しており、開扉スイッチ(図示略)を押し
たり操作ハンドル20を無理に操作しても、解除レバー
23に大きな力は掛からずまたロック部26が掛鉤12
のストッパーとなっており、作動器10が弛緩作動した
り掛鉤12の引掛り係止が解除されたりせず、突然扉3
が開放されたり湯水が散乱する心配が無く安全に使用出
来る。
【0123】入浴を終えたら第1実施例同様に退湯スイ
ッチ(図示省略)を操作し、湯を貯湯槽14側に移動し
浴槽1を空にする。浴槽1の湯検知部47及び扉水位検
知部48により浴槽1が空になったことを検知したら、
作動器10が弛緩駆動可能な状態に制御される。
【0124】そこで緩扉スイッチ(図示省略)を操作
し、作動器10を引き掛鉤12を緩め扉3の締付けを弛
緩させて、完全密着閉止状態から半閉仮係止状態に戻
す。掛鉤12の尾部58が退避しロック26から外れ、
検知器B29が解放されており、操作ハンドル20を操
作すると、仮係止解除機構57の軽易な手動操作で容易
に引掛り係止は解放され、扉3は開放されて入浴者は退
出退浴する。
【0125】次に図示は省くが、第3実施例の操作性を
改善した第4実施例について説明する。第3実施例は入
浴の際、扉3を半閉仮係止した後、「閉扉スイッチ」
(図示略)を押し作動器10を駆動し扉3を完全密閉し
た後、次に「入湯スイッチ」(図示略)を押し転湯装置
15を駆動し浴槽1に湯を入れて入浴する2ステップの
駆動スイッチ操作である。
【0126】第4実施例は、この2ステップの操作を
「入浴スイッチ」(図示略)のみにより連動させ制御す
る方法であり、作動器10により扉3を締付けた後検知
器B29で密閉を検知して、その検知信号により転湯装
置15を自動的に駆動するリレー制御方法である。
【0127】また、第3実施例は退浴の際、入浴状態か
ら「退湯スイッチ」(図示略)を押し転湯装置15を駆
動し浴槽1の湯を空にした後、「緩扉スイッチ」(図示
略)を押し作動器10を駆動し扉3の締付けを緩め扉3
を半閉仮係止状態に戻し退浴する2ステップの駆動スイ
ッチ操作である。
【0128】第4実施例の退浴は、この2ステップの操
作を「退浴スイッチ」(図示略)のみにより連動させる
制御方法であり、転湯装置15により浴槽1を空にした
後、水位検知器47または扉水位検知器48で浴槽1が
空になったことを検知し、その信号により作動器10を
自動的に駆動するリレー制御方法である。
【0129】「入浴スイッチ」及び/又は「退浴スイッ
チ」によるリレー制御により入退浴操作が簡単になり操
作性介護性が向上し、操作パネル49やサイドパネル5
0の表示も簡単になり設備がコンパクト化できる。
【0130】次に本発明の第5実施例を図8に示す。本
発明第1実施例の扉閉止機構11に類似作用の他の例で
あり、第1実施例における駆動式の作動器10を、手動
で開閉する手動式の作動器10の構造とした簡易な構成
のものであって、作動器10の駆動制御は装備されない
ものである。図8中、26は電動のアクチュエーターで
あり浴槽1に湯の有る時に掛鉤12をロックする鉤装備
であり、59aはグリップ、59bはリンクである。
【0131】
【発明の効果】本発明は、非水密の仮係止状態にある扉
3を、扉閉止機構11を操作し、浴槽1側へ引き込み、
扉3と側壁6間の残隙間を密閉し締付けて、半開き状態
にあった扉3と側壁6間を密着させ、浴槽1を給湯可能
な完全密閉状態とする前記扉閉止機構11を、浴槽1と
扉3とにわたって設けたものであるから、扉3を閉める
操作が容易である。
【0132】閉扉時は、手動で扉3を非密閉の仮係止状
態に軽易な労力で閉め、その後、作動器10の引き込み
作用により完全密着閉止状態に閉める。又、開扉時は扉
3を、前記扉閉止機構11の弛緩により非水密の仮係止
状態になし、その後、操作ハンドル20を持って軽易な
労力で開けることができ、これら扉3の開閉が、軽易な
労力で簡単に行なえ、好都合である。
【0133】本発明は、半閉仮係止状態にある扉3を、
扉閉止機構11の作動器10を操作し、掛鉤12と受鉤
13との間の引込作用により、扉3と側壁6間の残隙間
を閉鎖し締付けて、半開き状態にあった扉3と側壁6間
を密着閉止させ、浴槽1を給湯可能な完全密着閉止状態
とすることが可能な扉閉止機構11を設けたものである
から、扉3を閉める操作が容易である。
【0134】閉扉時は、まず手動で扉3を半閉仮係止状
態まで軽易な労力で閉め、その後、作動器10を操作し
て大きな水圧に対してシールが可能に完全密着閉止状態
に閉める。又、開扉時はまず作動器10の弛緩操作によ
り扉3を半閉仮係止状態に戻し、その後、仮係止解除機
構57の操作ハンドル20を持って軽易な労力で仮係止
を解除し、手動でやさしく開けることができ、好都合で
ある。
【0135】開放した扉3を閉める大部分の動作を自然
なやさしい介助者の操作で行えるため、操作しやすく安
全で且つ介護性にも優れる。大きな水圧力及びパッキン
19の大きな締付けシール力の掛かる扉閉止機構11の
扉締付け用作動器10の作動部分を扉3閉止の最後の密
閉部分のみの微小動作とするため、密閉機構の操作性が
良く安全性に優れ、且つ簡易コンパクトで安価であり経
済性にも優れる。
【0136】本発明は、扉3を閉止する際、開放位置か
ら手動で締めて来て、開口部2に隙間の残った非水密の
扉半閉位置で、扉3の閉回動による掛鉤12と受鉤13
先端の相互干渉による掛鉤12の戻りスイングによっ
て、自動的にクリックし引掛り係止が行われ、扉3を作
動器10による密閉作動が可能な、半閉仮係止状態に保
持するものであるから、扉3締付け力が殆ど掛からない
位置までの簡単な手動操作で、状況に合わせた最適なス
ピードで、スムースに行えやさしい介護作業が出来また
扉の引掛り係止が自動的に行なえ、好都合である。
【0137】又、自動的引掛り係止のため不本意に勝手
に外れることが無く安全に使用でき好都合である。
【0138】本発明は、バネA43で戻りスイング回動
可能に軸支構造で取着されている掛鉤12を反引掛け側
に退避させて、受鉤13から外し、仮係止を解除するこ
とが出来る手動操作式の仮係止解除機構57を設けたも
のであるから、開扉時には、仮係止解除機構57に係る
簡易なハンドル操作のみで引掛り係止を解除出来、好都
合である。
【0139】また、操作者が手動で扉3を開ける際に、
電動開扉と違って手動開扉であるが故に、入浴者の状態
を確認し且つ扉3の回動範囲に係る空間に人や物など障
害物が無いことを確認したうえ、状況に合わせた最適な
スピードで開扉でき、やさしい介護性と安全の確保が確
実にでき、好都合である。
【0140】開口部2における一方側の側壁6bと扉3
側部の間に、少なくとも上下2ヵ所(4a、4b)にヒン
ジ4を設け、他方側の側壁6aと扉3側部との間に扉閉
止機構11一ヶ所設けたものであるから、扉3に係る構
成が極めて簡易となり、装置が簡単で製造コスト及び保
守コストの低減を図れ、好都合である。
【0141】また、一側に扉3を回動可能に固定するヒ
ンジ4が2ヶ所設け、他側に扉3を開閉する扉係止機構
11係止部を1ヵ所設けたものであるから、開口部2の
端面と扉3面との間の面間調整が出来る最もシンプルな
3点調整が可能であり、扉3の取付調整及び開閉調整性
が良く、且つ開閉回動側の係止部が下方25〜40%高
さにあるから、浴槽内の水圧をバランス良く受け且つパ
ッキン19の均一締付け荷重もバランス良く受け簡易シ
ンプルな構造でありながら機能性の高い効率的な装置を
提供でき、好都合である。
【0142】本発明は、検知器A28、検知器C30に
より、扉3が半閉仮係止状態になったことを検知し作動
器10を駆動可動な作動状態に制御して、作動器10を
操作し完全密着閉止の駆動制御を行うものであるから、
扉3が半閉仮係止状態になっている時のみ作動器10が
駆動し、扉3が半閉仮係止状態になっていない時には検
知器A28、検知器C30が検知せず、作動器10は駆
動しない。それ故に、誤操作などにより、無駄な操作を
したり、掛鉤12部に指その他を挟まれるといった事故
を防止でき、好都合である。
【0143】本発明は、検知器B29、検知器C30に
より、扉3が完全密着閉止されたことを検知して、転湯
装置15の給湯駆動を作動可能な状態に制御して、転湯
装置15を駆動操作し浴槽1の給湯制御を行うものであ
るから、扉3を完全密着閉止しないで浴槽1へ湯を供給
しようとしても湯を供給できない。
【0144】故に、扉3を開放時や非水密状態で浴槽1
へ湯を供給して床へ湯を零すといった湯の無駄や粗相を
防止でき、好都合である。また、検知信号により「閉扉
スイッチ」操作と「入湯スイッチ」操作のリレー制御が
出来、好都合である。
【0145】本発明は、扉3が完全密着閉止状態では、
仮係止解除機構57で掛鉤(12)の引掛り係止の解除
操作をしても、係止解除は機能せず、引掛り係止が解除
を禁止する安全機構を装備したものであるから、浴槽が
満湯で扉3が密閉されている時に、誤って開扉操作して
も掛鉤12は外れず扉3の急開放や湯水の飛散が防止で
き安全である。
【0146】又、仮係止解除機構57の操作機構の延設
中途部に圧縮バネ部46を設けるなどのトルクリミット
構成を付加すれば、満湯時に誤って開扉しようとして操
作しても圧縮バネ部46が曲折するだけで解除レバー部
23は作動せず掛鉤12が反引掛け側に移動せず、扉3
の急開放や湯の大量流出による事故を回避し安全を図
れ、好都合である。
【0147】本発明に係る密閉状態から扉3を開ける
時、扉3は作動器10の操作により一旦半閉仮係止状態
となり、仮係止解除機構57を手動操作しない限り、扉
3が開放されないものであるから、誤操作しても開扉操
作時に扉3が一挙に開くことはなく、一旦半閉仮係止状
態になした後、安全その他を確認して手動でやさしく開
けるものである。故に、介護性に優れ、扉3が周囲の人
や物に衝突することはなく、安全に開扉でき、好都合で
ある。
【0148】また、浴槽1密閉満水中、万一、計装部の
故障や異常操作で作動器10が突然作動し扉3が弛緩し
ても、わずかの隙間しか開いていない半閉仮係止状態で
ロックされるため、多少の湯水漏れは有っても、扉3が
急開放し大量の湯水が急飛散するトラブルを防止でき安
全であり、好都合である。
【0149】本発明は、「入浴スイッチ操作」により閉
扉と入湯の駆動が連動して1つのスイッチで操作可能と
し、「退浴スイッチ操作」により退湯と緩扉を連動して
1つのスイッチで操作可能としたものであるから、入退
浴に係る駆動操作が簡易であり、熟練を要さずに行なえ
且つ操作パネルなど装備がシンプルになり、好都合であ
る。
【0150】本発明は、貯湯槽14に湯検知部56を設
け、湯が異常である場合には異常検知信号により、扉閉
止機構11の作動器10が非作動状態となり、扉3が完
全密着閉鎖せず入浴動作を中止させる安全制御機能を搭
載したものであるから、過失により異常湯による入浴を
進めようとしても、扉3が密閉できないから、入浴を事
前に中止することになり、無駄な操作をすることなく入
浴を中止し、入浴者を入浴に適さない異常な湯に浸ける
心配はなく、不快な入浴や危険な入浴を早めに回避し、
安全で快適な入浴を図かることができ、好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の一部断面図を含む右側面
図である。
【図2】本発明の第1実施例の平面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る扉の背面図である。
【図4】本発明の第2実施例の部分側面図である。
【図5】本発明の第2実施例の部分側面図である。
【図6】本発明の第2実施例の部分側面図である。
【図7】本発明の第3実施例の部分側面透視図である。
【図8】本発明の第5実施例の部分側面透視図である。
【符合の説明】
1 浴槽 2 開口部 3 扉 4 ヒンジ 4a上ヒンジ部 4b下ヒンジ部 6 側壁 6a他方の側壁 6b一方の側壁 10 作動器 11 扉閉止機構 12 掛鉤 13 受鉤 14 貯湯槽 15 転湯装置 20 操作ハンドル 28 検知器A 29 検知器B 30 検知器C 56 湯検知部 57 仮係止解除機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C094 AA01 BB04 CC04 CC09 DD14 EE20 FF17 GG02 GG11 GG13 GG16

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴槽(1)の一側壁(6)に開閉自在な
    扉(3)付きの開口部(2)を設け、該開口部(2)よ
    り入浴者を進退させ、更に浴槽(1)に連結した転湯装
    置(15)により湯を出し入れして、入退浴を行う介護
    浴槽において、 扉(3)と浴槽(1)とにわたって扉閉止機構(11)
    が設けられ、且つ、該扉閉止機構(11)には、扉
    (3)を締め込んで密閉させる作動器(10)が設けら
    れてなり、 扉(3)を、手動操作により一旦非水密の仮係止状態に
    閉止した後、作動器(10)を作動させて扉(3)を締
    付ける、少なくとも2行程の作動を経て、完全密閉状態
    にすることを特徴とする扉付き介護浴槽。
  2. 【請求項2】 浴槽(1)の一側壁(6)に開閉自在な
    扉(3)付きの開口部(2)を設け、該開口部(2)よ
    り入浴者を進退させ、更に浴槽(1)に連結した転湯装
    置(15)により湯を出し入れして、入退浴を行う介護
    浴槽において、 開口部(2)における一方側の側壁(6b)端部に、ヒ
    ンジ構造にて開閉回動が可能な扉(3)を取着し、 開
    口部(2)における他方側の側壁(6a)端部と扉
    (3)との間に設けた扉閉止機構(11)によって、扉
    (3)の閉止密閉を行うことが可能な扉付き浴槽(1)
    であって、 扉(3)は、開放位置より手動操作によるヒンジ(4)
    回りの閉回動によって、開口部(2)他方側の扉(3)
    と側壁(6)との間に隙間が残った扉半閉位置にて、扉
    閉止機構(11)を構成する掛鉤(12)と受鉤(1
    3)との相互自動係止作用により、扉(3)が半開きの
    非水密状態で一旦引掛り係止する、すなわち扉(3)を
    一旦半閉仮係止状態に保持した状態となし、 次いで、半閉仮係止状態にある扉(3)を、扉閉止機構
    (11)の作動器(10)を操作し、掛鉤(12)と受
    鉤(13)との係止部の移動により、扉(3)と側壁
    (6)間の残隙間を閉鎖し締付けて、非水密状態にある
    扉(3)と側壁(6)間を密着密閉させ水密状態とし、
    浴槽(1)を給湯可能な完全密閉状態とすることが可能
    な扉閉止機構(11)を設けたことを特徴とする扉付き
    介護浴槽。
  3. 【請求項3】 扉閉止機構(11)の掛鉤(12)は、
    側壁(6)又は扉(3)に、受け鉤(13)に対して戻
    りスイング可能に軸支されており、また、これに相対し
    て取着されるところの前記受鉤(13)は、扉(3)又
    は側壁(6)に固定的に取着される構造であり、 扉(3)を手動操作で半閉仮係止する際、扉(3)の閉
    回動に伴う掛鉤(12)と受鉤(13)先端の相互干渉
    によって掛鉤(12)が戻りスイングをして、開口部
    (2)に隙間の残った扉半閉位置で、自動的に引掛り係
    止が行われ、扉(3)を一旦半閉仮係止状態に保持する
    ことを特徴とする請求項2記載の扉付き介護浴槽。
  4. 【請求項4】 半閉仮係止状態にある扉閉止機構(1
    1)の受鉤(13)と掛鉤(12)の係止を解除する手
    段として、スイング可能に軸支構造で取着されている掛
    鉤(12)を反引掛け側に退避させて、固定的に取着さ
    れている受鉤(13)との係止部から外し、引掛け係止
    を解除することが出来る手動操作式の仮係止解除機構
    (57)を設けたことを特徴とする請求項2記載の扉付
    き介護浴槽。
  5. 【請求項5】 開口部(2)における一方側の側壁(6
    b)と扉(3)側部の間に、少なくとも上下2ヵ所(4
    a、4b)にヒンジ(4)を設け、 他方側の側壁(6
    a)と扉(3)側部との間に設けた扉閉止機構(11)
    の受鉤(13)と掛鉤(12)とからなる係止部を前記
    上下ヒンジ(4a、4b)高さの中間位置に1ヶ所設け、
    且つ該係止部の高さ位置を扉(3)シール部分の全高
    (H)の下方から25〜40%の高さ位置に設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の扉付き介護浴槽。
  6. 【請求項6】 扉閉止機構(11)に設けられた検知器
    A(28)及び検知器C(30)により、扉(3)が開
    放状態にある時は作動器(10)を非作動に制御してい
    るが扉(3)が、閉止されて半閉仮係止状態になったこ
    とを検知することにより作動器(10)が引込可能な状
    態に制御され、次いで作動器(10)を駆動操作して扉
    (3)の完全密閉を行うことを特徴とする請求項1記載
    の扉付き介護浴槽。
  7. 【請求項7】 扉閉止機構(11)に設けられた検知器
    B(29)及び検知器C(30)により、扉(3)が非
    締付状態にある時は転湯装置15を非作動に制御してい
    るが、扉(3)が締付られて完全密着閉止されたことを
    検知することにより転湯装置(15)が駆動可能な状態
    に制御され、次いで転湯装置(15)を駆動操作して、
    浴槽(1)への給湯を行うことを特徴とする請求項1記
    載の扉付き介護浴槽。
  8. 【請求項8】 扉(3)が完全に密閉された状態では、
    掛鉤(12)の係止解除用の操作ハンドル(20)を操
    作しても、仮係止解除機構(57)が機能せず、受鉤
    (13)と掛鉤(12)の引掛け係止が解除出来ないよ
    うな安全機構を装備したことを特徴とする請求項1記載
    の扉付き介護浴槽。
  9. 【請求項9】 扉閉止機構(11)は扉(3)の完全密
    閉状態から作動器(10)が作動し扉(3)が弛緩して
    半閉位置に戻っても、掛鉤(12)及び受鉤(13)間
    の引掛り係止はそのまま解除されず、仮係止状態に保持
    されて、仮係止解除機構(57)を操作しない限り、扉
    (3)が開放されないことを特徴とする請求項1記載の
    扉付き介護浴槽。
  10. 【請求項10】 半閉仮係止状態から閉扉スイッチによ
    り作動器(10)を駆動し扉(3)を締付けて完全密閉
    する閉扉操作と入湯スイッチにより転湯装置(15)を
    駆動し浴槽(1)に湯を移動する入湯操作の、2ステッ
    プからなる入浴時の操作を、入浴スイッチ操作による一
    回のスイッチ操作で閉扉と入湯を連動制御し1ステップ
    で操作可能とし、及び/又は、浴槽(1)に湯が入って
    いる入浴状態から、退湯スイッチにより転湯装置(1
    5)を駆動し浴槽(1)を空にする退湯操作と緩扉スイ
    ッチにより作動器(10)を駆動して扉(3)の密閉締
    付けを弛緩し半閉仮係止状態とする緩扉操作の、2ステ
    ップからなる退浴時の操作を、退浴スイッチ操作による
    一回のスイッチ操作で退湯と緩扉を連動制御し1ステッ
    プで操作可能とすることを特徴とする請求項1記載の扉
    付き介護浴槽。
  11. 【請求項11】 貯湯槽(14)に湯検知部(56)を
    設け、湯が入浴に適する状態になく異常である場合に
    は、扉閉止機構(11)の作動器(10)が非作動状態
    となり扉(3)が完全密閉されない安全制御機能を搭載
    したことを特徴とする請求項1記載の扉付き介護浴槽。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011067466A (ja) * 2009-09-26 2011-04-07 Og Giken Co Ltd 扉付入浴装置
KR101963366B1 (ko) * 2017-11-23 2019-03-28 송창섭 워크인 안전 욕조

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