JP2001185343A - 電子レンジ - Google Patents

電子レンジ

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JP2001185343A
JP2001185343A JP36678299A JP36678299A JP2001185343A JP 2001185343 A JP2001185343 A JP 2001185343A JP 36678299 A JP36678299 A JP 36678299A JP 36678299 A JP36678299 A JP 36678299A JP 2001185343 A JP2001185343 A JP 2001185343A
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JP
Japan
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heating chamber
microwave oven
bottom plate
food
partition plate
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Pending
Application number
JP36678299A
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English (en)
Inventor
Keisei Kawazoe
恵聖 川添
Takaaki Hyodo
孝昭 兵頭
Kazunori Morimoto
和典 森本
Hiroyuki Uehashi
浩之 上橋
Yoshitsugu Kawamura
佳嗣 川村
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転アンテナの回転不良を容易に発見できる
電子レンジを提供する。 【解決手段】 電子レンジにおいて、加熱室10の下方
に回転アンテナ15が備えられている。マグネトロン1
2の発振したマイクロ波は、回転アンテナ15により拡
散されて、加熱室10に供給される。加熱室10と回転
アンテナ15との間には、底板9が備えられている。底
板9は、部分的に透明とされており、該透明な部分を介
し、加熱室10の中から、回転アンテナ15の回転して
いる様子を見ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジに関
し、特に、加熱室に供給されるマイクロ波を攪拌するた
めの回転アンテナを備えた電子レンジに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
の電子レンジには、マグネトロンの発振したマイクロ波
を、拡散させて加熱室に供給するための回転アンテナを
備えるものがあった。この回転アンテナは、たとえば金
属により構成され、回転することにより、マグネトロン
の発振するマイクロ波を、加熱室内に拡散させる。この
ような電子レンジでは、加熱室内に、より均一に、マイ
クロ波が供給されるため、加熱室内の食品の加熱むら
を、極力回避できる、という利点があった。なお、従来
の電子レンジでは、回転アンテナは、食品が載置される
空間に埃を立てたりしないように、加熱室と板等で隔て
られた場所に設けられていた。
【0003】なお、従来の電子レンジは、通常の調理を
行なう場合、回転アンテナが直接見えないように構成さ
れていた。したがって、回転アンテナが、故障により回
転しなくても、その事実は、発見されにくかった。
【0004】このため、従来のこのタイプの電子レンジ
では、回転アンテナが故障しても、そのまま加熱調理が
続行されることが多く、これに起因して加熱むらが生じ
ても、その原因を発見しにくい、という問題があった。
【0005】また、回転アンテナをモータにより回転さ
せる場合、モータの動作不良は、回転アンテナの回転不
良が発見されたときに発見されることが多い。しかしな
がら、回転アンテナの回転不良が発見されにくければ、
モータの動作不良も発見されにくくなる。つまり、電子
レンジが危険な状態で放置されることにもつながる。
【0006】本発明は、かかる実情に鑑み考え出された
ものであり、その目的は、回転アンテナの回転不良を容
易に発見できる電子レンジを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
にかかる電子レンジは、本体枠と、前記本体枠内に設け
られ、食品を収容する加熱室と、前記加熱室内の食品を
加熱するためのマグネトロンと、回転可能に構成され、
前記本体枠内であって前記加熱室の外に取付けられ、前
記マグネトロンの発振したマイクロ波を拡散させて前記
加熱室に供給するための回転アンテナと、前記加熱室と
前記回転アンテナの存在する領域を仕切る仕切板とを含
む電子レンジであって、前記仕切板は、前記加熱室内か
ら前記回転アンテナの回転している部分を視認できる位
置に、透明部分を有することを特徴とする。
【0008】請求項1に記載の発明によると、電子レン
ジにおいて、加熱室とは仕切板で隔てられた場所に回転
アンテナを設けながらも、ユーザは、加熱室から回転ア
ンテナの回転部分を視認できる。
【0009】これにより、電子レンジにおいて、回転ア
ンテナの回転不良が容易に発見される。
【0010】請求項2に記載の本発明にかかる電子レン
ジは、請求項1に記載の発明にかかる電子レンジの構成
に加えて、前記仕切板は、前記透明部分以外の部分に、
印刷を施されていることを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の発明によると、請求項1
に記載の発明による作用に加えて、仕切板に、部分的に
印刷が施される。
【0012】これにより、請求項1に記載の発明による
効果に加えて、回転アンテナの存在する領域に設けられ
ているものであって、ユーザの視界に入ることが望まし
くないものを、仕切板に施された印刷によって、加熱室
側からは見えなくすることができる。つまり、電子レン
ジが、より快適に使用できるものとされる。
【0013】請求項3に記載の本発明にかかる電子レン
ジは、請求項2に記載の発明にかかる電子レンジの構成
に加えて、前記仕切板は、前記加熱室において、食品を
載置する面を構成し、前記仕切板は、前記加熱室におい
て、食品を載置する位置に、印刷を施されていることを
特徴とする。
【0014】請求項3に記載の発明によると、請求項2
に記載の発明による作用に加えて、仕切板において、食
品を載置されるのに好ましい場所が、印刷により示され
る。
【0015】これにより、請求項2に記載の発明による
効果に加えて、電子レンジにおいて、食品が、仕切板上
の、好ましい場所に載置されやすくなり、より効率良
く、加熱調理がなされる。
【0016】請求項4に記載の本発明にかかる電子レン
ジは、請求項3に記載の発明にかかる電子レンジの構成
に加えて、前記仕切板は、食品を載置される載置面と該
載置面の裏に位置する裏面とを有し、前記載置面に印刷
を施されることを特徴とする。
【0017】請求項4に記載の発明によると、請求項3
に記載の発明による作用に加えて、仕切板の載置面が、
印刷により、ざらつきを有するようになる。
【0018】これにより、請求項3に記載の発明による
効果に加えて、仕切板の載置面上に載置された食品が、
仕切板上で滑りにくくなる。また、板体の片面に印刷を
施した場合、当該印刷を施された面は、印刷前の強度が
維持される。したがって、仕切板において、食品が載置
される面の強度を確保できる。
【0019】請求項5に記載の本発明にかかる電子レン
ジは、請求項3に記載の発明にかかる電子レンジの構成
に加えて、前記仕切板は、食品を載置される載置面と該
載置面の裏に位置する裏面とを有し、前記裏面に印刷を
施されることを特徴とする。
【0020】請求項5に記載の発明によると、請求項3
に記載の発明による作用に加えて、載置面を、印刷を施
さず、平坦にすることができる。
【0021】これにより、請求項3に記載の発明による
効果に加えて、仕切板自体には印刷が施されつつも、載
置面を、清掃しやすいものとできるため、衛生的に調理
ができる。
【0022】請求項6に記載の本発明にかかる電子レン
ジは、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の発明
にかかる電子レンジの構成に加えて、前記回転アンテナ
を、前記本体枠に取付けるための取付部材をさらに含
み、前記仕切板は、前記取付部材と対向する位置に、印
刷を施されていることを特徴とする。
【0023】請求項6に記載の発明によると、請求項2
〜請求項5のいずれか1項に記載の発明による作用に加
えて、仕切板は、印刷により、取付部材を加熱室側には
見えないように構成される。
【0024】これにより、請求項2〜請求項5のいずれ
か1項に記載の発明による効果に加えて、加熱室から電
子レンジの内部を覗くユーザに、調理に直接関係のない
部品を見せることを回避でき、ユーザがより快適に調理
できる電子レンジを提供することができる。
【0025】請求項7に記載の本発明にかかる電子レン
ジは、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明
にかかる電子レンジの構成に加えて、前記仕切板は、ホ
ウケイ酸ガラスからなることを特徴とする。
【0026】請求項7に記載の発明によると、請求項1
〜請求項6のいずれか1項に記載の発明による作用に加
えて、仕切板を、透明で、耐熱性が優れ、熱衝撃に強
く、かつ、誘電損失の低い材料から構成できる。
【0027】請求項8に記載の本発明にかかる電子レン
ジは、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明
にかかる電子レンジの構成に加えて、前記仕切板は、食
品を載置される載置面を有し、前記載置面がざらつくよ
うに加工を施されることを特徴とする。
【0028】請求項8に記載の発明によると、請求項1
〜請求項7のいずれか1項に記載の発明による作用に加
えて、載置面上の食品の滑りを防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態で
ある電子レンジについて、図面を参照しつつ説明する。
図1は、電子レンジの斜視図である。
【0030】図1を参照して、電子レンジ1は、主に、
本体2と、ドア3とからなる。本体2は、その外郭を、
外装部4に覆われている。また、本体2の前面には、ユ
ーザが、電子レンジ1に各種の情報を入力するための操
作パネル6が備えられている。なお、本体2は、複数の
脚8に支持されている。
【0031】ドア3は、下端を軸として、開閉可能に構
成されている。ドア3の上部には、把手3aが備えられ
ている。図2に、ドア3が開状態とされたときの電子レ
ンジ1を前方より見た、電子レンジ1の正面図を示す。
【0032】本体2の内部には、本体枠5が備えられて
いる。本体枠5には、加熱室10が設けられている。加
熱室10の右側面上部には、孔10aが形成されてい
る。孔10aには、加熱室10の外側から、検出経路部
材40が接続されている。加熱室10の底部には、底板
9が備えられている。
【0033】図3に、図1のIII−III線に沿う矢
視断面図を示す。また、図4に、図1のIV−IV線に
沿う矢視断面図を示す。
【0034】図3および図4を参照して、孔10aに接
続された検出経路部材40は、開口を有し、当該開口を
孔10aに接続された箱形状を有している。なお、検出
経路部材40の、当該箱形状の底面には、赤外線センサ
7が取付けられている。赤外線センサ7は、赤外線をキ
ャッチするための検出孔21を設けられている。そし
て、検出経路部材40を構成する箱形状の底面上であっ
て、赤外線センサ7の検出孔21に対向する部分には、
検出窓11が形成されている。
【0035】赤外線センサ7は、加熱室10内に視野を
有している。赤外線センサ7を、加熱室10の、幅方向
に角度θだけ振り、奥行き方向に角度αだけ振ることに
より、視野700が加熱室10の底面全体をカバーして
いる。
【0036】外装部4の内部には、加熱室10の右下に
隣接するように、マグネトロン12が備えられている。
また、加熱室10の下方には、マグネトロン12と本体
枠5の下部を接続させる導波管19が備えられている。
マグネトロン12は、導波管19を介して、加熱室10
に、マイクロ波を供給する。
【0037】本体枠5の底部と底板9の間には、回転ア
ンテナ15が備えられている。導波管19の下方には、
アンテナモータ16が備えられている。回転アンテナ1
5は、軸15aで、アンテナモータ16と接続されてい
る。そして、アンテナモータ16が駆動することによ
り、回転アンテナ15が回転する。取付部材15bは、
軸15aを本体枠5に取付けるために設けられている。
このことから、回転アンテナ15は、取付部材15bお
よび軸15aにより、本体枠5に、水平方向に回転可能
に、取付けられている。
【0038】底板9の外周には、シリコン99が備えら
れる。シリコン99が備えられることにより、底板9の
外周は、シール止めされる。
【0039】加熱室10内では、底板9上に、食品が載
置される。マグネトロン12の発振したマイクロ波は、
導波管19を介し、回転アンテナ15によって拡散され
つつ、加熱室10内に供給される。これにより、底板9
上の食品が加熱される。
【0040】また、加熱室10の後方には、ヒータユニ
ット130が備えられている。ヒータユニット130に
は、後述するヒータ13、および、ヒータ13の発する
熱を加熱室10内に効率よく送るためのファンが収納さ
れている。
【0041】次に、電子レンジ1における底板9の構成
について、図5を参照しつつ、詳細に説明する。図5
に、底板9の平面図を示す。
【0042】底板9は、透明なガラスにより構成され、
その表面には、印刷が施されている。図5では、底板9
において印刷の施されている部分には、斜線を施してい
る。より詳しくは、底板9の中央には、円状に黒く塗り
つぶされることにより、印刷部9aが形成されている。
そして、印刷部9aの外周部には、印刷の施されていな
い、ドーナツ状の領域である、透明部9bが位置してい
る。そして、さらに、透明部9bの外側には、黒く塗り
つぶされることにより、印刷部9cが形成されている。
底板9が、このように印刷を施されていることにより、
加熱室10において、回転アンテナ15の取付けのため
に設けられている取付部材15b等の、調理に直接関係
の無い、目障りな部品を、隠すことができる。つまり、
電子レンジにおいて、底板の中央部の印刷を、底板中央
よりも少し(10mm程度)前方にズラして施すことに
より、ユーザの視界から底板中央のアンテナ取付部を、
より効率良く隠すことができる。このことを、図6およ
び図7を参照して、より具体的に説明する。
【0043】図6は、電子レンジ1においてドア3を開
状態とし、本体枠5の底面を、底板9を取外して、前上
方から見た図である。また、図7は、底板9が取付けら
れた状態での、加熱室10の底面を、前上方から見た図
である。なお、図7において、底板9上の印刷を施され
た部分には、斜線を施している。
【0044】まず図6を参照して、回転アンテナ15
は、円状の板を、複数箇所くり貫かれた形状を有してい
る。回転アンテナ15中央の上には、当該回転アンテナ
15と軸15aとを接続させるための座金15cが取付
けられている。回転アンテナ15は、座金15cを中心
として、水平面上で回転する。
【0045】本体枠5の底面には、凹部5aが形成され
ている。また、凹部5aの外周には、底板9の外周部分
(底板9の最外に位置する幅2〜3cm程度の部分)に
対応する底板支持部5bが形成されている。底板支持部
5bは、本体枠5の、該底板支持部5bよりも外側に位
置する隅部5cに対して、底板9の厚み程度だけ低くな
っている。これにより、底板9を、その外周部分が底板
支持部5bに対応するように取付けると、底板9と隅部
5cとが、同一平面を構成する。
【0046】回転アンテナ15は、凹部5aのほぼ中央
に取付けられている。ユーザが、加熱室10を、底板9
を取外した状態で見た場合、回転アンテナ15,取付部
材15b,座金15c等を見ることになる。また、この
場合、ユーザは、凹部5aの外周部に存在する、水抜き
穴や板金のつなぎ目、および、当該つなぎ目に取付けら
れている複数のネジ等も、見ることになる。
【0047】次に、図7を参照して、加熱室10の底面
に底板9が取付けられることにより、加熱室10の内部
からは、取付部材15b,座金15c,凹部5a外周の
板金のつなぎ目,および,当該つなぎ目の複数のネジ
が、印刷部9a,9cに遮られて、見えなくなってい
る。なお、底板9が取付けられても、加熱室10の内部
から、透明部9bを介して、回転アンテナ15の外周部
分は、見ることができる。回転アンテナ15の中で、印
刷部15aに遮られて見えなくなる部分は、回転アンテ
ナ15の中心から、当該回転アンテナ15の半径の半分
の半径を有する円内に含まれる部分である。また、図7
において、透明部9bの外周円は、アンテナ取付部よ
り、10mm程度、中心を前にズラすことで、ユーザの
視界では、回転アンテナ15の外周と、ほぼ一致してい
る。
【0048】以上説明した電子レンジ1では、底板9に
は、透明部9bが設けられている。したがって、回転ア
ンテナ15の回転の様子を加熱室10内から見ることが
できる。これにより、回転アンテナ15が故障等によっ
て、回転すべきときに停止したままである場合には、そ
の旨を、早期に発見することができる。
【0049】本実施の形態の電子レンジ1では、回転ア
ンテナ15が、加熱室10の下方に設けられているた
め、加熱室10の底部に位置する底板9に透明部9bが
設けられた。なお、回転アンテナ15が加熱室10の側
方に設けられるような場合であれば、同様に、加熱室1
0の側壁を、回転アンテナ15の回転を視認できるよう
な、透明な部分を有する板体で、構成することができ
る。
【0050】また、このような、加熱室10の底面に回
転アンテナ15が備えられるタイプの電子レンジ1で
は、食品を移動させなくとも、マグネトロン12による
加熱調理において、加熱むらをある程度回避できる。つ
まり、このような電子レンジ1において、市販されてい
る電子レンジの加熱室に備えられているようなターンテ
ーブルを備える必要が無い。この一方で、ユーザが、加
熱室内に回転する部材を見ることができないことから、
調理が十分に実行されるか、という不安感を抱く場合が
考えられる。そして、電子レンジ1では、透明部9bを
介して回転アンテナ15の回転を視認できることによ
り、ユーザに、加熱室10内に、調理中に回転する部材
がある、という安心感を与えることができる。
【0051】また、底板9には、部分的に、目隠し用の
印刷が施されている。したがって、調理に際して目障り
な部品を、ユーザの視界から隠すことができる。
【0052】なお、底板9上の印刷は、凹部5a上に取
付けられた隠したい部品の真上よりも、少々(10mm
程度)、電子レンジ1において前方に、施されることが
好ましい。このように、隠したい部品と、それを隠すた
めの底板9上の印刷とをずらすのは、ユーザが、底板9
を、加熱室10の前方から見るためである。つまり、こ
のように、隠したい部品と、底板9上の印刷との、垂直
方向での位置を少々ずらすことにより、より確実に、当
該印刷を当該部品に対応させることができることになる
のである。
【0053】底板9は、上記したように、透明な板によ
って構成される。その材料としては、耐熱温度が高く、
熱衝撃に強く、誘電損失が低く、また、強度の高いもの
が好ましい。
【0054】耐熱温度が高くなければ、食品が加熱され
た場合に、底板9が破壊してしまうおそれがあるからで
ある。
【0055】そして、熱衝撃が強くなければ、ある食品
の加熱によって底板9が高温となっているときに、次の
食品の加熱を行なうために冷たい食品を底板9に載置さ
れると、底板9が破壊してしまうおそれがあるからであ
る。なお、熱衝撃性とは、たとえば、或る物質をオーブ
ン等で熱した後、冷水に入れて算出される値によって評
価される性質である。たとえば、後述する表1において
は、熱衝撃が100℃とある場合には、110℃に熱し
た後、10℃の水の中に入れても破損しない、というこ
とを意味する。
【0056】また、誘電損失が高ければ、マグネトロン
12の発振するマイクロ波を、底板9が吸収し、加熱効
率が低下するからである。
【0057】また、強度が低ければ、底板9上に食品が
載置されたときに、底板9が破壊してしまうおそれがあ
るからである。
【0058】なお、上記した、底板9に求められる特性
は、回転アンテナが、加熱室の底面側以外(天面側,側
方等)に設けられ、底板9に対応する板体が該回転アン
テナを覆うように設けられる場合でも、同様に求められ
る。つまり、耐熱温度や、熱衝撃については、加熱対象
とされる食品が、沸騰や、ユーザの操作によって、加熱
室の側面等に飛び散る場合も考えられるためである。ま
た、誘電損失については、加熱室内にあれば、底面であ
っても、側面であっても、天面であっても、マイクロ波
を吸収することがあるからである。また、強度について
も、ユーザの操作によって、食品の容器等が、加熱室の
側面等に衝突する場合が考えられるためである。
【0059】そして、上記した特性を満たすような材料
としては、ホウケイ酸ガラスを挙げることができる。ホ
ウケイ酸ガラスの中でも、強化されたものは、さらに好
ましい。ここで、表1に、強化されたホウケイ酸ガラス
の例として、パイレックス(登録商標)強化ガラスおよ
びテンパックスフロート(登録商標)強化ガラスの特性
を挙げる。また、表1には、強化されたソーダガラス、
ネオセラムおよびコージライトの特性も挙げる。なお、
ネオセラム、コージライトは、市販の電磁調理器におい
て、鍋を載置する板として使用されているものであっ
て、不透明である。したがって、電子レンジ1の底板9
として使用するには、難しいと言える。
【0060】
【表1】
【0061】表1を参照して、ホウケイ酸ガラスであ
る、パイレックス(登録商標)強化ガラスおよびテンパ
ックスフロート(登録商標)強化ガラスは、ネオセラム
やコージライトに匹敵するほどの強度(曲げ強度)を有
している。これに加え、誘電損失については、ネオセラ
ムよりも圧倒的に低く、コージライトに対しても低い値
を有している。
【0062】また、パイレックス(登録商標)強化ガラ
ス,テンパックスフロート(登録商標)強化ガラスは、
透明なガラスである強化されたソーダガラスと、同程度
の強度(曲げ強度)を有している。そして、パイレック
ス(登録商標)強化ガラス,テンパックスフロート(登
録商標)強化ガラスは、強化されたソーダガラスに対し
て、それぞれ、40℃または30℃だけ、耐熱温度が高
く、熱衝撃については、それぞれ、84℃または60
℃、高い値を有している。なお、表1には、強化された
ソーダガラスの誘電損失の値は、記載されていないが、
おおよそ、100×10-4程度と考えられる。つまり、
パイレックス(登録商標)強化ガラス,テンパックスフ
ロート(登録商標)強化ガラスは、強化されたソーダガ
ラスに対して、かなり低い誘電損失を有する。
【0063】以上のことより、底板9の材質としては、
ホウケイ酸ガラス、その中でも特に、強化されたものが
好ましいといえる。
【0064】また、底板9は、その片面に印刷される。
一般に、板状の物の片面に印刷が施されると、印刷を施
された面の表面に存在する微細な亀裂にインクが入り込
んで、内部に浸透していく。そのため、印刷裏面からの
力が加わると、該力は、亀裂が広がる方向に働くため、
強度が弱い。このことを、図8を参照して、より具体的
に説明する。図8は、図5のVIII−VIII線に沿
う矢視断面図である。
【0065】底板9は、印刷を施される印刷面9dと、
その裏側に位置する裏面9eとを有している。印刷面9
d上には、インク90が塗布されている。なお、このと
き、裏面9eからの衝撃の強度は、印刷面9dにインク
90が塗布されていない状態よりも、低下する。
【0066】また、印刷面9dでは、図5に示したよう
なパターンで印刷が施されるため、つまり、その表面に
はインク90が塗布される場所と塗布されない場所が存
在するため、裏面9eよりも、表面の凹凸の差が大きく
なる。
【0067】底板9は、図2等に示したように、加熱室
10内に取付けられる場合、その印刷面9dを、上向き
にして取付けられることもできれば、下向きにして取付
けられることもできる。前者の場合、印刷面9dが食品
に接することになり、後者の場合、裏面9eが食品に接
することになる。
【0068】そして、底板9を、印刷面9dが食品に接
するように取付けると、電子レンジ1において食品と接
する面の強度を確保できる、という利点がある。また、
この場合、食品と接する面上に凹凸があるため、食品が
底板9上で滑りにくくなり安全である、という利点もあ
る。
【0069】その一方で、底板9を、裏面9eが食品に
接するように取付けると、電子レンジ1において食品を
載置する面に凹凸が少ないため、当該面の清掃が容易に
なり、衛生的である、という利点がある。
【0070】また、食品を底板9上で滑りにくくするた
めに、底板9の、食品を載置する面に、表面がざらつく
ような加工を施すことが好ましい。このような加工方法
としては、たとえば、底板9の材料を、ローラで延ばす
方法が考えられる。このような方法により、底板9の表
面にはローラ目が付く。このローラ目により、底板9の
表面は、ざらつくのである。
【0071】また、上述したように、底板9は、加熱室
10に取付けられる際、その周囲を、シリコン99によ
ってシール止めされる。ここで、このシール止めの態様
について、図9および図10を参照しつつ、説明する。
図9は、底板9が加熱室10に取付けられた際の、上記
のシール止め部分の断面を模式的に示す図である。ま
た、図10は、図9に示したシリコン99のみの断面を
模式的に示す図である。
【0072】シリコン99は、押え部99aと、受け部
99bと、支持部99cと、空間保持部99dの、4つ
の部分からなる。
【0073】押え部99aは、底板9が加熱室10に取
付けられた際に、底板9の上に位置する部分である。図
9に示すように、押え部99aが、底板9の端部と隅部
5cの隙間を上からふさぐことにより、底板9上に載置
された食品の汁がこぼれても、当該汁が、底板9の下に
流れることを回避できる。
【0074】受け部99bは、底板9の下に位置する部
分であり、支持部99cは、シリコン99の高さ方向の
寸法を確保するための部分である。
【0075】空間保持部99dは、底板9と隅部5cの
側面との間に位置する部分である。空間保持部99d
が、水平方向での底板9と隅部5cの隙間を埋めること
により、底板9の水平方向の位置を安定させる作用を有
する。このような作用を備えさせるため、図10に示さ
れた破線を参照して理解されるように、水平方向に見
て、空間保持部99dは、押え部99aよりも奥まって
位置している。
【0076】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である電子レンジの斜
視図である。
【図2】 図1の電子レンジの、ドアを開けた状態の、
正面図である。
【図3】 図1のIII−III線に沿う矢視断面図で
ある。
【図4】 図1のIV−IV線に沿う矢視断面図であ
る。
【図5】 図1の電子レンジの、底板の平面図である。
【図6】 図1の電子レンジにおいて、底板が取外され
た、本体枠の底面を示す図である。
【図7】 図1の電子レンジの、加熱室の底面を示す図
である。
【図8】 図5のVIII−VIII線に沿う矢視断面
図である。
【図9】 図1の電子レンジにおいて、底板が加熱室に
取付けられた際のシール止め部分の断面を模式的に示す
図である。
【図10】 図9のシリコンのみの断面を模式的に示す
図である。
【符号の説明】
1 電子レンジ、5 本体枠、9 底板、10 加熱
室、12 マグネトロン、15 回転アンテナ、15b
取付部材。
フロントページの続き (72)発明者 森本 和典 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 上橋 浩之 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 川村 佳嗣 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3K090 AA05 BA01 DA08 EA09 3L086 AA01 AA07 BF10 DA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体枠と、 前記本体枠内に設けられ、食品を収容する加熱室と、 前記加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、 回転可能に構成され、前記本体枠内であって前記加熱室
    の外に取付けられ、前記マグネトロンの発振したマイク
    ロ波を拡散させて前記加熱室に供給するための回転アン
    テナと、 前記加熱室と前記回転アンテナの存在する領域を仕切る
    仕切板とを含む電子レンジであって、 前記仕切板は、前記加熱室内から前記回転アンテナの回
    転している部分を視認できる位置に、透明部分を有す
    る、電子レンジ。
  2. 【請求項2】 前記仕切板は、前記透明部分以外の部分
    に、印刷を施されている、請求項1に記載の電子レン
    ジ。
  3. 【請求項3】 前記仕切板は、前記加熱室において、食
    品を載置する面を構成し、 前記仕切板は、前記加熱室において、食品を載置する位
    置に、印刷を施されている、請求項2に記載の電子レン
    ジ。
  4. 【請求項4】 前記仕切板は、食品を載置される載置面
    と該載置面の裏に位置する裏面とを有し、前記載置面に
    印刷を施される、請求項3に記載の電子レンジ。
  5. 【請求項5】 前記仕切板は、食品を載置される載置面
    と該載置面の裏に位置する裏面とを有し、前記裏面に印
    刷を施される、請求項3に記載の電子レンジ。
  6. 【請求項6】 前記回転アンテナを、前記本体枠に取付
    けるための取付部材をさらに含み、 前記仕切板は、前記取付部材と対向する位置に、印刷を
    施されている、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記
    載の電子レンジ。
  7. 【請求項7】 前記仕切板は、ホウケイ酸ガラスからな
    る、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子レ
    ンジ。
  8. 【請求項8】 前記仕切板は、食品を載置される載置面
    を有し、前記載置面がざらつくように加工を施される、
    請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子レン
    ジ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005009771A (ja) * 2003-06-19 2005-01-13 Hitachi Hometec Ltd 加熱調理器とそれに用いた静電容量式重量センサ
WO2021069227A1 (de) * 2019-10-11 2021-04-15 BSH Hausgeräte GmbH Erkennen eines stillstands einer drehbaren mikrowellenverteilvorrichtung

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