JP2001182830A - ピストンピン及びその製造方法 - Google Patents

ピストンピン及びその製造方法

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JP2001182830A JP36872499A JP36872499A JP2001182830A JP 2001182830 A JP2001182830 A JP 2001182830A JP 36872499 A JP36872499 A JP 36872499A JP 36872499 A JP36872499 A JP 36872499A JP 2001182830 A JP2001182830 A JP 2001182830A
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hole
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豪 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化を図りつつ加工工具の寿命を長くする
ピストンピンを提供すること。 【解決手段】 ピストンピン本体10の軸方向端10a
から連結部分10bまでの各区間10c、10cにおい
て、該区間10cの中空穴11の内周面形状が、ピスト
ンピン本体10の軸方向端10aで中空穴11の内径が
最大となり、連結部分10bに向かって順次内径が小さ
くなるように、連続した凸曲面により漏斗状に形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、農耕機
械、航空機等に使用されるレシプロ型内燃機関のピスト
ンとコネクティング・ロッドとを連結するピストンピン
に係り、詳しくは軽量化を図り、エンジン運転時のピス
トン系の慣性力を低減する一方、加工性に優れたピスト
ンピン及びその製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】軽量化を図り、エンジ
ン運転時のピストン系の慣性力を低減するために、従来
より種々のピストンピンが提案されている。例えば、図
9乃至図12に示すピストンピンがある。
【0003】図9に示すピストンピン50は、クロム鋼
等の鋼製の棒状素材を冷間鍛造、機械加工により、棒状
素材の中心部に、外周面と同軸状に軽量化のための穴5
1を形成した後、熱処理及び外周面の研削加工を施して
製造される。また、図10に示すピストンピン50は、
棒状素材の軸方向中央部分を残して、棒状素材の軸方向
両端部分に軽量化のための穴52を形成し、棒状素材の
軸方向中央部分には穴52よりも小径の穴53をピアシ
ングにより成形して製造される。
【0004】図11に示すピストンピン50は、図9に
示すピストンピンの穴51の軸方向両端部分(開口部付
近)にテーパー状(円錐台状)穴54を形成して更に軽
量化を図ったものである。また、図12に示すピストン
ピン50は、同じく図10に示すピストンピンの穴52
の開口部付近にテーパー状(円錐台状)穴55を形成し
て更に軽量化を図ったものである。
【0005】図9乃至図12に示す各ピストンピン50
は、材料歩留まり、生産性の観点から、通常、機械加工
よりも冷間鍛造によって製造されている。なお、穴5
4、55をパンチを打ち込んで冷間鍛造により形成する
場合、穴54と穴51との境界部分、穴55と穴52と
の境界部分には適当な丸みが形成され、パンチの打ち込
み時、パンチのこれら境界部分に対応する箇所に応力集
中が生じるのを回避するようにしている。
【0006】図13及び図14は、ピストンピン50に
よってピストン60とコネクティング・ロッド65とを
連結する状態を示している。ピストンピン50を、ピス
トン60の一方の取付穴61からコネクティング・ロッ
ド65の挿通穴66を通してピストン60の他方の穴6
2に挿入することにより、ピストン60とコネクティン
グ・ロッド65とが連結される。ピストン60の作動時
に、ピストンピン50は、その軸線と直角な断面にせん
断応力、圧縮応力を受けるが、これら応力は、ピストン
ピン50上のピストン60とコネクティング・ロッド6
5との境界部分(コネクティング・ロッド65が連結さ
れるピストンピン50上の連結部分56)で最大とな
り、該連結部分56から離れるにしたがって小さくな
る。したがって、強度上の観点からすると、ピストンピ
ン50上の連結部分56において、最大せん断応力、最
大圧縮応力に耐える肉厚があればよく、他の部分は軽量
化を図るために肉厚を薄くすることが可能である。図1
1、図12に示すピストンピン50において、テーパー
状の穴54、55を形成するのはこの理由による。
【0007】図15及び図16は、ダイス70とパンチ
80を利用して、図11に示すピストンピン50を製造
する過程の一例を示している。パンチ80は、穴54を
テーパー状に成形する成形部81と、案内部82とを有
する。案内部82は、パンチ80を穴51内に押し込む
過程で穴51の内径が縮小するのを防止する。先ず図9
に示すピストンピン50をダイス70の穴71内に挿入
してセットし(図15参照)、次いで穴71の軸方向両
端からパンチ80,80をピストンピン50の穴51内
に同時に押し込んで(図16参照)、該穴51の軸方向
両端部分をそれぞれテーパー状に成形して穴54を形成
する(図11参照)。
【0008】パンチ80を穴51内に押し込む過程で
は、図17に示すように、先ず成形部81と案内部82
との間の遷移部分83が穴51の開口端縁に接触し、次
いで成形部81が穴51内に進入するにつれて穴51を
押し広げる。成形部81が穴51内に所定の加工距離L
だけ進入したら、それ以上の押し込みを停止する。この
とき、成形部81が受ける接触圧力は、成形部81のテ
ーパー面と穴51の中心軸Xとの間の角度θにより決ま
り、角度θが大きいとそれだけ接触圧力が大きくなる。
パンチ80が受ける摩擦負荷は、接触圧力角θや摩擦距
離が大きいほど大きくなり、遷移部分83付近で最大と
なる。このことは、図12に示すピストンピン50を製
造する場合にも同様にである。
【0009】上述したパンチ80では、冷間鍛造時にお
ける摩擦負荷について、充分に注意が払われておらず、
成形部81と案内部82との間の遷移部分83における
丸みの直径(図18参照)が僅かであり(遷移部分83
に僅かに凸曲面が存在するだけで、この凸曲面が形成さ
れる範囲は、ピストンピン50の連結部分56から軸方
向端までの距離の10分の1程度であり)、上述した加
工を長期間繰り返すことによって、遷移部分83がピス
トンピン50(穴51の内周面)との摩擦によって摩耗
したり、焼き付き等によって損傷したりするおそれがあ
る。
【0010】パンチ80の寿命を長くするには、摩擦負
荷を軽減すればよく、この場合には角度θを小さくする
か、加工距離Lを短くすることが考えられるが、これで
はピストンピンの穴の軸方向両端部でテーパー状に形成
することによって必要な機械的強度を確保しつつ軽量化
を図ることが出来なくなる。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、軽量化を図りつつ加工工具の寿命を長くすることが
できる、ピストンピン及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、ピストンとコネクティング・ロッドとを連結する
ピストンピンにおいて、中空穴を有するピストンピン本
体の軸方向両端から前記コネクティング・ロッドが連結
される連結部分までの各区間において、該区間における
前記中空穴の内周面形状を、それぞれ前記ピストンピン
本体の軸方向両端で前記中空穴の内径が最大となり、前
記連結部分に向かって順次内径が小さくなるように、連
続曲面によって略テーパー状に形成してなることを特徴
とする。
【0013】本発明のピストンピンによれば、ピストン
ピンとしての機械的強度を維持しつつ軽量化を図ること
が可能となる一方、ピストンピンを加工する加工工具の
寿命を長くすることができる。すなわち、ピストンピン
本体の軸方両向端で中空穴の内径が最大となり、連結部
分に向かって順次内径が小さくなるように連続曲面によ
って略テーパー状に形成してなるので、加工工具として
パンチを使用して塑性加工(冷間鍛造)する場合、パン
チはその外周面形状を中空穴の内周面形状これに合わせ
て形成する必要があるが、この場合、パンチが受ける摩
擦負荷を一様にすることができると同時にパンチに作用
する最大摩擦負荷を減少させることが出来る。
【0014】上記ピストンピンにおいて、前記連続曲面
の範囲が、前記連結部分から少なくとも前記区間の略4
分の1以上の範囲であれば、ピストンピン本体の軸方向
両端部分の中空穴を加工する際にパンチが受ける摩擦負
荷を一様にすることができ、また最大摩擦負荷を減少さ
せることが可能となる。
【0015】また、上記目的を達成する本発明のピスト
ンピンの製造方法は、ピストンとコネクティング・ロッ
ドとを連結するピストンピンを冷間鍛造によって製造す
る方法において、中空穴を有するピストンピン本体をダ
イス内にセットする工程と、一対のパンチを前記ダイス
内にセットされたピストンピン本体の中空穴の軸方向両
端から押し込む工程とを有し、前記一対のパンチは、前
記中空穴の内径と略等しい外径を有する案内部と、該案
内部から順次外径が大きくなるように案内部から連続し
た連続曲面によって略テーパー状に形成された成形部と
を備えてなり、前記案内部によりパンチを前記ピストン
ピン本体の中空穴内に案内しつつ、前記成形部により、
前記ピストンピン本体の軸方向端から前記コネクティン
グ・ロッドが連結される連結部分までの各区間におい
て、該区間における前記中空穴の内周面を、それぞれ前
記ピストンピン本体の軸方向両端で前記中空穴の内径が
最大となり、前記連結部分に向かって順次内径が小さく
なるように、連続曲面によって略テーパー状に形成する
ことを特徴とする。
【0016】本発明のピストンピンの製造方法によれ
ば、ピストンピンの軽量化を図ることが出来る一方、パ
ンチの受ける負荷を軽減することが出来るので、長期間
冷間鍛造を繰り返しても、パンチの摩耗や焼き付きが少
なく、パンチの寿命を長くすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例について添
付図面を参照して説明する。図1乃至図6に本発明のピ
ストンピンの一実施例を示す。図1は本発明のピストン
ピンの一実施例を示す縦断面図、図2は図1のA部分
(区間10cの部分)の部分拡大断面図、図3及び図4
はピストンピンをダイスとパンチを使用して冷間鍛造に
より製造する工程を説明するための縦断面図、図5は図
3及び図4に示す製造工程で使用するパンチの部分側面
図、図6はパンチをピストンピン本体の中空穴内に押し
込む過程を詳細に説明するための図である。
【0018】本実施例のピストンピンは、図1、図2に
示すように、例えばクロム鋼等の鋼製の中空状ピストン
ピン本体10から構成される。このピストンピン本体1
0の中空穴11の軸方向両端部分における内壁面は、そ
れぞれ連続した凸曲面によって漏斗状に形成される。
【0019】すなわち、ピストンピン本体10の軸方向
端10a、10aからコネクティング・ロッド45(図
8参照)が連結される連結部分10b、10bまでの各
区間10c、10cにおいて、該区間10c全体の中空
穴11の内周面形状が、ピストンピン本体10の軸方向
端10aで中空穴11の内径が最大となり、連結部分1
0bに向かって順次内径が小さくなるように、連続した
凸曲面により略テーパー状に形成されている。連結部分
10bの肉厚は、ピストン40(図8参照)の作動時
に、ピストンピン(ピストンピン本体10)が受ける最
大せん断応力や、最大圧縮応力等に耐えるように設定さ
れる。
【0020】区間10cにおける中空穴11の内周面形
状を、図2を参照して詳細に説明すると、円弧状の曲線
からなる連続した凸曲面によって形成され、また連結部
分10b、10b間である中空穴11の中央部分は、直
線からなるストレートな円筒状曲面によって形成され、
中空穴11の区間10cと中央部分は、連結部分10b
で滑らかに連続している。すなわち、ストレートな円筒
状曲面を構成する直線は、連結部分10bにおいて、連
続凸曲面を構成する曲線から該曲線の接線方向に延びる
ようにして連続している。
【0021】次に、図3、図4を参照して上述したピス
トンピンを冷間鍛造によって製造する方法の一実施例を
説明する。先ず、第1工程で、図3に示すように、ダイ
ス20内にピストンピン本体10をセットし、次いで、
第2工程で、図4に示すように、ダイス20内のピスト
ンピン10の中空穴11の両端開口部から該中空穴11
内に、所定深さ、パンチ30を圧入するが、これら工程
は従来と同じである。
【0022】本実施例では、図5に示すパンチ30を利
用する点に特徴を有している。パンチ30は、中空穴1
1の連結部分10b、10b間の内径と略等しいか、若
干小径に形成された円柱状の案内部31と、該案内部3
1に案内されつつ中空穴11の区間10cを成形するテ
ーパー状(円錐台形状)の成形部32とからなる。成形
部32の外周面は、曲線からなる連続した凹曲面によっ
て形成され、この凹曲面により中空穴11の区間10c
の連続凸曲面が成形される。案内部31と成形部32
は、それらの間の遷移部分33において滑らかに連続す
るように形成されている。すなわち、案内部31の円柱
状外周面を構成する直線は、遷移部分33において、成
形部32の凹曲面を構成する曲線の接線方向に延びるよ
うに、成形部32から連続している。
【0023】なお、案内部31は、成形部32によって
中空穴11を加工する際、該中空穴11の内径が縮小す
るのを防止する。したがって、成形部32によって中空
穴11の加工が進行するにつれて、ピストンピン本体1
0の軸方向端10aが盛り上がる。
【0024】次に、図6を参照してパンチ30をピスト
ンピン本体10の中空穴11内に圧入する過程(軽量化
のための穴の成形過程)を詳細に説明する。案内部31
により案内されてパンチ30がピストンピン本体10の
中空穴11内に進入すると、まず案内部31と成形部3
2との間の遷移部分33が中空穴11の開口端縁11a
に接触し、次いで成形部32が中空穴11の開口端部分
を押し広げるように塑性加工しつつ、パンチ30が加工
距離Lだけ進入した時点(遷移部分33が加工距離Lだ
け進入した時点)で加工が終了する。加工終了時、中空
穴11の開口端縁11aは、ピストンピン本体10の軸
方向端10aの盛り上がりに伴って図6の一点鎖線に示
す位置11a’に移動する。
【0025】パンチ30の成形部32が最初に中空穴1
1の開口端縁11aに接触するときの接触圧力角θは、
遷移部分33付近の成形部32の凹曲面を構成する円弧
の接線と、パンチ30の中心軸線Xとの間の角度に等し
いので、開口端縁11a付近での接触圧力角θは極めて
小さいものとなる。
【0026】また、パンチ30が中空穴11内に進入す
るにつれて、開口端縁11aは位置11a’に移動し
て、パンチ30の開口端縁11aに接触する部分での接
触圧力角θは順次大きくなる一方、該部分の塑性加工終
了時点までの摩擦距離は順次小さくなる。
【0027】したがって、パンチ30とピストンピン本
体10との接触において、加工距離Lだけ移動する、遷
移部分33近傍が小さな接触角度θとなり、遷移部分3
3付近(遷移部分33及び該遷移部分33近傍の成形部
32)が受ける摩擦負荷を、図17に示す遷移部分83
近傍が受ける摩擦負荷に比して、小さくすることが出来
る。また、パンチ30の成形部32全体の摩擦負荷は、
図17に示す成形部81が受ける摩擦負荷に比して、局
部的に大きくなる所がなく、略一様とすることができ
る。
【0028】図8は、図1に示すピストンピンを利用し
てピストン40とコネクティング・ロッド45とを接続
して組み立てた、ピストン・アッセンブリである。この
ピストン・アッセンブリでも、図13に示す場合と同様
に、ピストンピン本体10を、ピストン40の一方の取
付穴41からコネクティング・ロッド45の挿通穴46
を通してピストン40の他方の穴42に挿入することに
より、ピストン40とコネクティング・ロッド45とが
連結される。ピストン40の作動時に、ピストンピン本
体10は、その軸線と直角な断面にせん断応力、圧縮応
力を受けるが、これら応力はピストンピン本体10の連
結部分10bで最大となり、該連結部分10bから離れ
るにしたがって小さくなる。連結部分10bではピスト
ンピン本体10の肉厚が厚く形成されていることから、
ピストン40の作動時に作用するせん断応力、圧縮応力
に耐えることができる。また、ピストンピン本体10の
連結部分10bから軸方向端10aまでの区間10cで
は肉厚が順次薄くなって軽量化が図られており、エンジ
ン運転時のピストン系の慣性力を低減することができ
る。
【0029】図7は本発明のピストンピンの他の実施例
を示す、図2に対応する部分拡大断面図である。図1に
示す実施例では、ピストンピン本体10の区間10c部
分の中空穴11の内周面を、連結部分10bから軸方向
端10aに至る全範囲で連続した凸曲面により構成した
場合を示したが、図7に示す他の実施例では、ピストン
ピン本体10の区間10c部分の中空穴11の内周面
を、連結部分10bから軸方向端10aの手前まで、連
続した凸曲面に構成するが、軸方向端10a付近の点1
0dから軸方向端10aにかけては、凸曲面を構成する
曲線の接線方向に延びる直線T1に略近い直線T2から
なる円錐面によって形成する。換言すれば、ピストンピ
ン本体10の区間10c部分の中空穴11の内周面を、
連結部分10bから軸方向端10aまでの距離L1の略
4分の3の範囲L2において、連続した凸曲面により形
成している。
【0030】上記他の実施例に示す中空穴11を加工す
る場合でも、中空穴11の開口端縁11aに最初に接触
する、パンチ30の遷移部分33及び該遷移部分33近
傍の成形部32が受ける摩擦負荷を小さくすることがで
きる。また、加工過程で、パンチ30の成形部32が受
ける摩擦負荷を略一様とすることができる。
【0031】なお、図1に示す実施例では、ピストンピ
ン本体10の区間10c部分の中空穴11の内周面を、
連結部分10bから軸方向端10aまでの距離の全範囲
において、連続した凸曲面により形成し、また図7に示
す実施例では、連結部分10bから軸方向端10aまで
の距離L1の略4分の3の範囲L2において、連続した
凸曲面により形成した場合を示したが、少なくとも連結
部分10bから軸方向端10aまでの距離の略4分の1
の範囲において連続した凸曲面を形成すれば、中空穴1
1を加工するパンチ30が受ける摩擦負荷を軽減するこ
とができる。
【0032】ちなみに、従来の場合、図18に示すよう
に、境界部分56に僅かに凸曲面が存在するだけで、こ
の凸曲面が形成される範囲L2は、連結部分から軸方向
端までの距離L1の10分の1程度である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ピストンピン本体の軸方両向端で中空穴の内径が最大と
なり、連結部分に向かって順次内径が小さくなるように
連続曲面によって略テーパー状に形成してなるので、ピ
ストンピンとしての機械的強度を維持しつつ軽量化を図
ることが可能となる一方、中空穴を塑性加工(冷間鍛
造)する加工工具としてパンチを使用する場合、このパ
ンチが受ける摩擦負荷を一様にすることができると同時
に最大摩擦負荷を減少させることが出来、パンチの寿命
を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストンピンの一実施例を示す縦断面
図である。
【図2】図1のA部分(区間10cの部分)の部分拡大
断面図である。
【図3】図1のピストンピンをダイスとパンチを使用し
て冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦断面
図である。
【図4】図1のピストンピンをダイスとパンチを使用し
て冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦断面
図である。
【図5】図3及び図4に示す製造工程で使用するパンチ
の部分側面図である。
【図6】パンチをピストンピン本体の中空穴内に押し込
む過程を詳細に説明するための図である。
【図7】本発明のピストンピンの他の実施例を示す、図
2に対応する部分拡大断面図である。
【図8】図1に示すピストンピンを使用してピストンと
コネクティング・ロッドとを接続して組み立てた、ピス
トン・アッセンブリの部分拡大縦断面図である。
【図9】従来のピストンピンの縦断面図である。
【図10】従来の別のピストンピンの縦断面図である。
【図11】従来の別のピストンピンの縦断面図である。
【図12】従来の別のピストンピンの縦断面図である。
【図13】図11に示すピストンピンを使用してピスト
ンとコネクティング・ロッドとを接続して組み立てた、
ピストン・アッセンブリの部分拡大縦断面図である。
【図14】図11に示すピストンピンを使用してピスト
ンとコネクティング・ロッドとを接続して組み立てた、
ピストン・アッセンブリの一部切り欠いて示した斜視図
である。
【図15】図11のピストンピンをダイスとパンチを使
用して冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦
断面図である。
【図16】図11のピストンピンをダイスとパンチを使
用して冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦
断面図 である。
【図17】従来技術において、パンチをピストンピン本
体の中空穴内に押し込む過程を詳細に説明するための図
である。
【図18】図11に示すピストンピンのテーパー部と案
内部との間の遷移部分を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
10 ピストンピン本体 10a 軸方向端 10b 連結部分 10c 区間 11 中空穴 11a 開口端縁 20 ダイス 30 パンチ 31 成形部 32 案内部 33 遷移部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 孝雄 愛知県西春日井郡豊山町豊場志水117 シ ャトー豊山606号 Fターム(参考) 3J044 AA06 AA18 CA25 DA09 EA10 4E087 CB03 HA35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンとコネクティング・ロッドとを
    連結するピストンピンにおいて、 中空穴を有するピストンピン本体の軸方向両端から前記
    コネクティング・ロッドが連結される連結部分までの各
    区間において、該区間における前記中空穴の内周面形状
    を、それぞれ前記ピストンピン本体の軸方向両端で前記
    中空穴の内径が最大となり、前記連結部分に向かって順
    次内径が小さくなるように、連続曲面によって略テーパ
    ー状に形成してなることを特徴とするピストンピン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のピストンピンにして、 前記連続曲面の範囲が、前記連結部分から少なくとも前
    記区間の略4分の1以上の範囲であることを特徴とする
    ピストンピン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のピストンピンに
    して、 前記区間における中空穴の内周面は、前記ピストンピン
    本体の前記区間内の中空穴内にパンチを打ち込んで、該
    中空穴を塑性加工することによって形成されることを特
    徴とするピストンピン。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のピストンピンにして、 前記塑性加工は、冷間鍛造であることを特徴とするピス
    トンピン。
  5. 【請求項5】 ピストンとコネクティング・ロッドとを
    連結するピストンピンを冷間鍛造によって製造する方法
    において、 中空穴を有するピストンピン本体をダイス内にセットす
    る工程と、 一対のパンチを前記ダイス内にセットされたピストンピ
    ン本体の中空穴の軸方向両端から押し込む工程とを有
    し、 前記一対のパンチは、前記中空穴の内径と略等しい外径
    を有する案内部と、該案内部から順次外径が大きくなる
    ように案内部から連続した連続曲面によって略テーパー
    状に形成された成形部とを備えてなり、 前記案内部により前記パンチを前記ピストンピン本体の
    中空穴内に案内しつつ、前記成形部により、前記ピスト
    ンピン本体の軸方向端から前記コネクティング・ロッド
    が連結される連結部分までの各区間において、該区間に
    おける前記中空穴の内周面を、それぞれ前記ピストンピ
    ン本体の軸方向両端で前記中空穴の内径が最大となり、
    前記連結部分に向かって順次内径が小さくなるように、
    連続曲面によって略テーパー状に形成することを特徴と
    するピストンピンの製造方法。
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