JPH0648207Y2 - セラミック製ピストンピン - Google Patents
セラミック製ピストンピンInfo
- Publication number
- JPH0648207Y2 JPH0648207Y2 JP1986097795U JP9779586U JPH0648207Y2 JP H0648207 Y2 JPH0648207 Y2 JP H0648207Y2 JP 1986097795 U JP1986097795 U JP 1986097795U JP 9779586 U JP9779586 U JP 9779586U JP H0648207 Y2 JPH0648207 Y2 JP H0648207Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston pin
- small diameter
- diameter portion
- connecting rod
- ceramic piston
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、負荷の大きいピストンと連接杆を連結する
ピストンピンの改良に関する。
ピストンピンの改良に関する。
（従来の技術） 従来、ピストンピンは、シリンダー内での爆発によるエ
ネルギーをピストンと連接杆を介してクランクシャフト
に伝えるため高荷重に対して耐久性があり、軽量であっ
て、又ピストン、連接杆との摺動に耐えるため耐摩耗性
についても考慮されなければならない。そのため、第４
図に示すように軽量化に対しては中空（Ａ）であり、高
荷重と摺動による摩耗の防止に対しては、材質として炭
素肌焼鋼、ニッケルクローム鋼を用い、さらに表面は摺
動による摩耗を防ぐため、焼入れ後、研摩あるいはラッ
プ仕上げにより平滑面（Ｂ）とされ、両端は、欠落によ
ってシリンダーを傷つけないよう曲面（Ｃ）となってい
るものである。
ネルギーをピストンと連接杆を介してクランクシャフト
に伝えるため高荷重に対して耐久性があり、軽量であっ
て、又ピストン、連接杆との摺動に耐えるため耐摩耗性
についても考慮されなければならない。そのため、第４
図に示すように軽量化に対しては中空（Ａ）であり、高
荷重と摺動による摩耗の防止に対しては、材質として炭
素肌焼鋼、ニッケルクローム鋼を用い、さらに表面は摺
動による摩耗を防ぐため、焼入れ後、研摩あるいはラッ
プ仕上げにより平滑面（Ｂ）とされ、両端は、欠落によ
ってシリンダーを傷つけないよう曲面（Ｃ）となってい
るものである。
（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来のものにあっては、その表面処
理と軽量化について煩雑な加工を要するので軽量化と耐
摩耗性の点からセラミックを用いることが提案されてい
る。けれども、連接杆からの荷重を受け、ピストンピン
の中央部分には最も大きな曲げの応力が働いているため
忠実にするか、又は中空の場合には肉厚としなければな
らず、又表面の処理の粗さによる強度の低下、品質の均
一化に対する内面の研摩にかかるコストとその加工作
業、形状の不均一、表面の凸凹による破壊の促進等の問
題点がある。そこで、この考案は、上記従来のもののも
つ欠点を改善するものであり、高荷重に対する強度と耐
摩耗性を低下することなく充分に軽量化を達成しようと
するものである。
理と軽量化について煩雑な加工を要するので軽量化と耐
摩耗性の点からセラミックを用いることが提案されてい
る。けれども、連接杆からの荷重を受け、ピストンピン
の中央部分には最も大きな曲げの応力が働いているため
忠実にするか、又は中空の場合には肉厚としなければな
らず、又表面の処理の粗さによる強度の低下、品質の均
一化に対する内面の研摩にかかるコストとその加工作
業、形状の不均一、表面の凸凹による破壊の促進等の問
題点がある。そこで、この考案は、上記従来のもののも
つ欠点を改善するものであり、高荷重に対する強度と耐
摩耗性を低下することなく充分に軽量化を達成しようと
するものである。
（問題点を解決するための手段） その手段は、中空であり、連接杆の軸受部に対応する位
置の内周を他部分より小径部に形成し、この小径部を研
磨加工してなるとともに、小径部の側縁部が、曲面とな
っているセラミック製ピストンピンである。更には、小
径部の軸方向の長さを連接杆の軸受の長さ（ｌ）の1.2
〜1.5lとして、その荷重を受けることができるようにす
るものである。
置の内周を他部分より小径部に形成し、この小径部を研
磨加工してなるとともに、小径部の側縁部が、曲面とな
っているセラミック製ピストンピンである。更には、小
径部の軸方向の長さを連接杆の軸受の長さ（ｌ）の1.2
〜1.5lとして、その荷重を受けることができるようにす
るものである。
（作用） 上記の構成をもつので、ピストンピンの小径部に連接杆
を嵌合させた上、連接杆をシリンダー内で上下作動させ
ると、この力を受けるピストンピンの中央部は撓曲する
こととなるが、この部分の内径を小径として、肉厚と
し、研磨加工の上均一厚さとしているので、ピンにかか
る応力を緩和することができる。しかも中空としている
ので軽量化が図られ、小径部とその他の部分の境界を円
弧により連結し、この部分に対する応力集中を避けるこ
とができる。また、表面のあらさによるセラミック構造
物の強度の低下、ばらつきをなくすために研磨加工を行
うが、内面全体を研磨加工するには手間もかかり、形状
がテーパ形状となったり、表面に凹凸が出来、その凹凸
が破壊の起点となりやすくなる等の問題があり、正確に
加工するのは極めて困難であるため、研磨加工するの
は、コンロッドの軸受部に対応する部分のみとする。
を嵌合させた上、連接杆をシリンダー内で上下作動させ
ると、この力を受けるピストンピンの中央部は撓曲する
こととなるが、この部分の内径を小径として、肉厚と
し、研磨加工の上均一厚さとしているので、ピンにかか
る応力を緩和することができる。しかも中空としている
ので軽量化が図られ、小径部とその他の部分の境界を円
弧により連結し、この部分に対する応力集中を避けるこ
とができる。また、表面のあらさによるセラミック構造
物の強度の低下、ばらつきをなくすために研磨加工を行
うが、内面全体を研磨加工するには手間もかかり、形状
がテーパ形状となったり、表面に凹凸が出来、その凹凸
が破壊の起点となりやすくなる等の問題があり、正確に
加工するのは極めて困難であるため、研磨加工するの
は、コンロッドの軸受部に対応する部分のみとする。
（実施例） この考案を図に示す実施例により更に説明する。（１）
はセラミック製ピストンピン全体を示し、連接杆の軸受
位置の内周全体にわたり、均一厚みの小径部（２）を設
け、その小径部（２）の内周表面（３）には研磨加工が
施されている。小径部（２）の側縁部（４）は第１図で
示すように段差部（５）とすることがてき、その段差部
（４）の形状はまた第２図に示すように、円弧形状
（５″）とする方が応力を緩和させるには適当である。
さらに小径部（２）の軸方向の長さ（ｍ）は、嵌合する
連接杆の幅（ｌ）の1.2l〜1.5lが適当である。こうし
て、軽量化と共に、耐摩耗性が高くなり、高荷重による
応力が効率よく分散されるため、強度も充分なものとな
る。又第３図（ａ）で示すピストンピン（１）は１実施
例であり、ピンの外径φ18mm、長さ60mm、小径部（２）
における内径φmm、それ以外での内径が12mmのセラミッ
ク製ピストンであり、表面（３）の表面粗度が、10点の
平均あらさ、すなわち、10点の粗さを測り、最大値より
３番目、最小値より３番目の値の差をとり平均あらさと
し、この値で２μ以内となるよう研磨加工している。第
３図（ｂ）は、形状としては（ａ）と全く同一であるが
全く研磨加工を施していないものである。第３図（ｃ）
は、ピン外径φ18mm、長さ60mm、内径φ10mmの中空セラ
ミック製ピストンピンであるが、（ｂ）と同様、内面に
研磨加工が施されていないものであり、（ａ）と比較し
て重量は約20％重くなっている。これらの（ａ）、
（ｂ）、（ｃ）の３個のピストンピンに対して、その強
度を比較するため、連接杆の嵌合位置に高荷重を加え、
曲げ試験を行ったところ、第１表に示す結果を得た。
はセラミック製ピストンピン全体を示し、連接杆の軸受
位置の内周全体にわたり、均一厚みの小径部（２）を設
け、その小径部（２）の内周表面（３）には研磨加工が
施されている。小径部（２）の側縁部（４）は第１図で
示すように段差部（５）とすることがてき、その段差部
（４）の形状はまた第２図に示すように、円弧形状
（５″）とする方が応力を緩和させるには適当である。
さらに小径部（２）の軸方向の長さ（ｍ）は、嵌合する
連接杆の幅（ｌ）の1.2l〜1.5lが適当である。こうし
て、軽量化と共に、耐摩耗性が高くなり、高荷重による
応力が効率よく分散されるため、強度も充分なものとな
る。又第３図（ａ）で示すピストンピン（１）は１実施
例であり、ピンの外径φ18mm、長さ60mm、小径部（２）
における内径φmm、それ以外での内径が12mmのセラミッ
ク製ピストンであり、表面（３）の表面粗度が、10点の
平均あらさ、すなわち、10点の粗さを測り、最大値より
３番目、最小値より３番目の値の差をとり平均あらさと
し、この値で２μ以内となるよう研磨加工している。第
３図（ｂ）は、形状としては（ａ）と全く同一であるが
全く研磨加工を施していないものである。第３図（ｃ）
は、ピン外径φ18mm、長さ60mm、内径φ10mmの中空セラ
ミック製ピストンピンであるが、（ｂ）と同様、内面に
研磨加工が施されていないものであり、（ａ）と比較し
て重量は約20％重くなっている。これらの（ａ）、
（ｂ）、（ｃ）の３個のピストンピンに対して、その強
度を比較するため、連接杆の嵌合位置に高荷重を加え、
曲げ試験を行ったところ、第１表に示す結果を得た。
この結果により、この考案のセラミック製ピストンピン
は、単に筒状である第３図（ｃ）のものと同様の高荷重
に耐えることが可能であるのに、重量では約20％も軽量
化され、又内面を研磨加工していない（ｂ）に比較して
もその高負荷に対する強度は著しく向上していることが
明らかである。
は、単に筒状である第３図（ｃ）のものと同様の高荷重
に耐えることが可能であるのに、重量では約20％も軽量
化され、又内面を研磨加工していない（ｂ）に比較して
もその高負荷に対する強度は著しく向上していることが
明らかである。
（考案の効果） 以上のとおり、従来のものと同様な、高荷重に対する強
度を有し、又耐摩耗性、軽量化されている優れた効果を
もつとともに、小径部とその他の部分の境界を円弧によ
り連結し、この部分に対する応力集中を避けることがで
きる。
度を有し、又耐摩耗性、軽量化されている優れた効果を
もつとともに、小径部とその他の部分の境界を円弧によ
り連結し、この部分に対する応力集中を避けることがで
きる。
第１図はそれぞれこの考案の実施例の断面図を示し、第
２図は、小径部の側縁部の拡大断面図、第３図（ａ）
（ｂ）（ｃ）は、破壊強度に用いた試料の断面図、第４
図は、従来の金属製ピストンピンの断面図を示す。 １……セラミック製ピストンピン、２……小径部、３…
…表面部、４、５……側縁部。
２図は、小径部の側縁部の拡大断面図、第３図（ａ）
（ｂ）（ｃ）は、破壊強度に用いた試料の断面図、第４
図は、従来の金属製ピストンピンの断面図を示す。 １……セラミック製ピストンピン、２……小径部、３…
…表面部、４、５……側縁部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−85482（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−150365（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−11242（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−182709（ＪＰ，Ｕ)
Claims (1)
- 【請求項１】中空であり、連接杆の軸受部に対応する位
置の内周を他部分より小径部に形成し、この小径部を研
磨加工してなるとともに、 小径部の側縁部が、曲面となっていることを特徴とする
セラミック製ピストンピン
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986097795U JPH0648207Y2 (ja) | 1986-06-27 | 1986-06-27 | セラミック製ピストンピン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986097795U JPH0648207Y2 (ja) | 1986-06-27 | 1986-06-27 | セラミック製ピストンピン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS634465U JPS634465U (ja) | 1988-01-12 |
| JPH0648207Y2 true JPH0648207Y2 (ja) | 1994-12-12 |
Family
ID=30965119
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1986097795U Expired - Lifetime JPH0648207Y2 (ja) | 1986-06-27 | 1986-06-27 | セラミック製ピストンピン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0648207Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4536191B2 (ja) * | 1999-12-27 | 2010-09-01 | ティーアールダブリュ オートモーティブ ジャパン株式会社 | ピストンピン及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS54182709U (ja) * | 1978-06-14 | 1979-12-25 | ||
| JPS5711242U (ja) * | 1980-06-23 | 1982-01-20 | ||
| JPS60150365U (ja) * | 1984-03-19 | 1985-10-05 | アイシン精機株式会社 | セラミツクス製ピストンピン |
-
1986
- 1986-06-27 JP JP1986097795U patent/JPH0648207Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS634465U (ja) | 1988-01-12 |
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