JP2001182632A - 燃料蒸気処理装置とその故障診断装置 - Google Patents

燃料蒸気処理装置とその故障診断装置

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JP2001182632A
JP2001182632A JP2000312073A JP2000312073A JP2001182632A JP 2001182632 A JP2001182632 A JP 2001182632A JP 2000312073 A JP2000312073 A JP 2000312073A JP 2000312073 A JP2000312073 A JP 2000312073A JP 2001182632 A JP2001182632 A JP 2001182632A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料蒸気の吸着脱離性能を向上させ、キャニ
スタ容量を大きくすることなく、車両放置時の燃料蒸気
の洩れを防止する。 【解決手段】 キャニスタ1のケース11内に燃料吸着
層5を設け、燃料吸着層5を仕切壁12にて燃料蒸気の
流れに平行な複数の吸着材層51、52に区画する。吸
着材層51、52に接するケース壁11a、11bと仕
切壁12を発熱体を埋設したヒータプレートとなし、脱
離時に通電して吸着材層51、52を加熱することによ
り温度調節を行う。ここで、吸着材層51、52の全領
域が温調手段から25mm以内に入るように配置して、
温調手段の発熱量(または吸熱量)を適切に設定するこ
とで、燃料吸着層内の各吸着材層を効率良く加熱または
冷却することができる。よって、温度調節されない領域
をなくして吸着材全体を温度調節することが可能になる
ため、吸着性能を大幅に向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクから放
出される燃料蒸気を吸着するキャニスタを備えた燃料蒸
気処理装置と、その故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料蒸気処理装置は、車両走行中、ある
いは停止時に燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を吸着保
持して、車外へ放出されないようにするためのもので、
吸着材として活性炭を充填したキャニスタを有してい
る。キャニスタ内に吸着された燃料蒸気は、エンジン作
動時に、吸気管の負圧によってキャニスタの大気口から
導入される外気によって脱離(パージ)し、吸気管に導
出されてインジェクタからの噴射燃料とともに燃焼す
る。
【0003】近年、この燃料蒸気の大気放出に関する規
制が強化される傾向にあり、例えばORVR規制では、
給油時に排出される燃料タンクからの燃料蒸気を、大気
に放出せず、全てキャニスタで捕集することを義務づけ
ている。このため、キャニスタにて大量の燃料蒸気を処
理する必要があり、より高い性能を有するキャニスタが
求められている。活性炭の吸着脱離性能は温度に大きく
左右され、低温であるほど吸着量が増加し、高温である
ほど脱離量が増加する。ところが、キャニスタ内部の温
度は、吸着時には温度が上昇し、脱離時には温度が低下
する方向に変化し、活性炭の性能が十分発揮されない問
題がある。これについて、次に説明する。
【0004】活性炭に燃料蒸気が吸着する場合、活性炭
の細孔において毛細管現象が起こり、気体である燃料蒸
気が液化して吸着する。その際、気体から液体への変化
とともに、吸着熱が発生し温度上昇する。液化した燃料
蒸気が脱離する場合には、この逆で、液体から気体にな
るために吸熱が起こり温度が低下する。従来のキャニス
タにおいてはこの現象により、吸着時にはキャニスタ内
部が雰囲気温度より数10℃以上高温となり、一方、脱
離時にはキャニスタ内部の温度が低下して0℃以下とな
ることもある。特に、脱離時において、吸熱反応により
活性炭温度が低下した部位で、吸着している燃料蒸気が
完全に脱離できないと、車両放置中にキャニスタ内を拡
散して、大気口から洩れ出てくるおそれがあった。
【0005】そこで、脱離性能を向上させるために、例
えば、キャニスタの活性炭層の内部にヒータ等の加熱手
段を配設して脱離時に活性炭を加熱するようにした装置
(特開平8−42413号、実開昭60−27813
号、実開平2−13161号、特開昭60−6061
号、実開平5−21158号公報等)や、キャニスタの
外壁に隣接する熱交換器を設けてエンジンの排熱で温め
られた流体を流通させてキャニスタを外部から加熱する
ようにした装置が提案されている(実開昭58−144
051号公報等)。さらに、ドーナツ状のキャニスタを
燃料タンク内に区画形成した少容量の燃料室に収容し、
キャニスタ中央の通路から燃料室内に、吸着時にはタン
ク内の冷たい燃料を、脱離時には高温の戻し燃料を導入
して、キャニスタの加熱と冷却の両方を可能にした装置
も知られている(特開昭64−347号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
58−144051号公報のように加熱手段をキャニス
タの外部に配設した構成では、キャニスタ外壁が介在し
ているために伝熱効率が悪く、活性炭温度を十分上昇さ
せることができないため、吸着した燃料蒸気を完全に脱
離させることは難しい。また、特開平8−42413
号、実開昭60−27813号、特開昭60−6061
号のように内部に加熱手段を設けた場合でも加熱手段か
ら離れた部位があると(例えば、特開昭60−6061
号公報において対向するサーモエレメントに囲まれた活
性炭の中央部分)、その部分の活性炭の温度を十分上昇
させることができないため、吸着した燃料蒸気を完全に
脱離させることは難しい。特開昭64−347号のよう
にキャニスタ中央に通路を有する構成においても同様
で、温度調節が可能なのは、燃料に接するキャニスタの
内外周壁面に近い一部の活性炭であり、壁面から離れた
活性炭の温調効果は小さい。
【0007】このように、従来の構成では、加熱手段等
による性能向上幅が小さく、所望の性能を得ようとして
活性炭の充填量を増加すると、キャニスタ容量が大きく
なり、搭載性が悪化する問題があった。活性炭全体を均
一に温調するために、実開平5−21158号公報のよ
うに渦巻状に加熱手段を設けた場合は、活性炭全体を均
一に温調できるため脱離性能は向上するが、キャニスタ
中央部分において、燃料蒸気を吸着するときに発生する
吸着熱が、加熱手段によって遮られて効率良く放熱でき
ないため、温度が上昇し、かえって吸着性能が低下して
しまう。このため、加熱手段による性能向上幅が小さ
く、所望の性能を得ようとして活性炭の充填量を増加す
ると、キャニスタ容量が大きくなり、搭載性が悪化する
問題があった。実開平2−13161号公報のように加
熱手段上に活性炭を担持させる構成では、活性炭の容積
に対する加熱手段の容積が大きく、また蒸発燃料の通路
を確保するために、板状担体の間に空隙を配設してい
る。このため、所望の性能を得るには、非常に大容積の
加熱手段、空隙が必要となるため、キャニスタ容積が大
きくなり、搭載性が悪化する問題があった。また、必要
となる加熱手段が多くなるため、消費電力の増加によ
り、燃費が悪化する問題もあった。
【0008】次に、キャニスタから脱離された燃料蒸気
は、内燃機関の吸気系に導入されてインジェクタから噴
射される燃料とともに燃焼するが、この際、従来のキャ
ニスタ温度を制御しないパージシステムにおいては、空
燃比への影響が問題となる。すなわち、キャニスタのパ
ージ初期段階では活性炭の温度の低下が小さいため、多
量の燃料蒸気が活性炭から脱離して機関吸気系に導入さ
れ、空燃比が通常よりリッチ側にシフトする。さらにパ
ージが進み、吸熱により活性炭の温度が低下すると、脱
離量が減少し、吸気系への燃料蒸気の導出量が減少す
る。このように吸気系へ導出される燃料蒸気量が随時変
化する環境、特に瞬時に多量の燃料蒸気がインジェクタ
以外から吸気系に流入することは、例えば、直噴エンジ
ンのように燃焼筒内の混合気形成が重要な車両では望ま
しいものではなく、燃焼不良、排気エミッションの悪化
等が生じる原因となる。
【0009】そこで、加熱手段を設けた従来の装置にお
いて、キャニスタと吸気管との連通路にHC濃度センサ
を設置してパージガスの濃度をモニタし、パージガスの
濃度が高い間は加熱手段を作動させず、所定値より低く
なったら加熱手段を作動させて脱離性能を上げる制御を
行うことが提案されている。しかしながら、この制御で
は、吸気系へ所定の濃度範囲のパージガスを供給するこ
とは可能であるが、パージ初期段階における吸気系への
多量の燃料蒸気の流入は避けられない。また、同濃度で
あっても吸気系へ導入される流量が異なればパージガス
中の燃料蒸気量は異なるため、燃焼不良、排気エミッシ
ョンの悪化を十分抑制できない。
【0010】しかして、本発明の目的は、燃料蒸気の吸
着脱離性能を向上させ、キャニスタ容量を大きくするこ
となく、車両放置時の燃料蒸気の洩れを防止できる燃料
蒸気処理装置を実現することにある。また、他の目的
は、大量の燃料蒸気の脱離等による燃焼状態や排気エミ
ッションの悪化を防止する手段を備えた燃料蒸気処理装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1における燃料蒸気処理装置は、ケース内に
吸着材を充填して燃料吸着層となしたキャニスタの一端
側を、燃料タンクに至る燃料蒸気通路および内燃機関の
吸気路に至るパージ通路に連通させる一方、上記キャニ
スタの他端側を大気に連通させ、上記燃料タンクから上
記燃料蒸気通路に放出される燃料蒸気を上記燃料吸着層
に一時的に吸着保持し、内燃機関の作動時に脱離させて
上記パージ通路より上記吸気路に送出するようにしてあ
る。そして、上記燃料吸着層の温度調節を行うための温
調手段を燃料蒸気の流れに平行に配設し、上記燃料吸着
層をその全領域が上記温調手段から25mm以内に入る
ように配設したものである。
【0012】燃料蒸気脱離時に加熱温調をした場合の効
果について、図3のように燃料吸着層の中央に温調手段
が配置された簡単な構造で説明する。温調手段を作動さ
せてから十分に時間が経って、定常状態となった時の熱
伝導は次の式1で表される。 (式1) ▽2 T+Q/λ=0 ここで、▽2 =∂2 /∂x2 +∂y2 +∂z2 T:温度、Q:温調手段の発熱量、 λ:燃料吸着層の熱伝導率、である。
【0013】例として、温調手段と吸着層との境界温
度:100℃、吸着層とケースとの境界温度:25℃、
吸着層:石炭系活性炭(熱伝導率:0.2W/mK)の
場合において、式1より温調手段に垂直な方向の吸着層
の温度分布を求めると、図12のようになる。前述のよ
うに活性炭の吸着性能は温度に大きく左右され、高温で
あるほど脱離性能が増加することがわかっている。図1
2に示した温度をある石炭系活性炭の脱離性能に当ては
めると、脱離性能は図12のように変化する。図12に
示すように温調手段から離れると温度が低下し、それに
応じて脱離性能が低下しており、温調手段に近いほど、
温調の効果が高いことがわかる。
【0014】図12より、温調手段から25mm以内に
配置すると、温調の効果を十分に得る(温調により温調
しない状態での性能の2倍の性能を得る)ことができ
る。温調手段から30mm以上離れると、脱離性能は温
調しない場合とほとんど変わらないぐらいになり、温調
の効果は非常に小さくなる。図12の脱離性能は、活性
炭の能力により変化するが、ほとんどの活性炭は脱離特
性と温度の関係はリニアであるため、活性炭が変わって
も脱離性能向上の割合は変わらない。また、図12にお
いて温調手段の温度を高くすることにより、温調の効果
が得られる領域を25mm以上に広げることは可能であ
るが、消費電力が多くなり、燃費の低下をまねくことに
なる。
【0015】以上のように、温調手段を設置し、燃料吸
着層の全領域が温調手段から25mm以内に入るように
配置して、温調手段の発熱量(または吸熱量)を適切に
設定することで、燃料吸着層内の各吸着材層を効率良く
加熱または冷却することができる。よって、温度調節さ
れない領域をなくして吸着材全体を温度調節することが
可能になるため、吸着性能を大幅に向上できる。例え
ば、上記温調手段で脱離時に各吸着材層を加熱するよう
にすれば、脱離が促進されて、上記燃料吸着層に残留す
る燃料蒸気がなくなり、車両放置時に大気に放出される
のを防止できる。そして、上記燃料吸着層に燃料蒸気が
残留しないので、吸着可能な燃料蒸気量が増大し、キャ
ニスタ容量を大きくすることなく、吸着性能が向上す
る。また、吸着材が劣化しにくくなり、従来、劣化分
(約20%)を見込んで増量していた吸着材量を減らす
ことができるため、小型化が可能である。
【0016】請求項2の構成では、上記温調手段を、上
記燃料吸着層に接する上記ケース壁および上記燃料吸着
層を区画する仕切壁のうち少なくとも1つの壁面に沿っ
て設ける。具体的には、上記温調手段を、上記ケース壁
または上記仕切壁に沿って配設すると、燃料蒸気の流れ
を妨げることがなく、また、製作や組付けも容易であ
る。
【0017】請求項3の構成では、上記燃料吸着層を、
上記複数の吸着材層のそれぞれが偏平な断面形状となる
ように区画する。各吸着材層を偏平な形状とし、層厚を
薄くすることで、上記温調手段で温度調節されない領域
をなくし、伝熱効率を高めることができる。
【0018】請求項4の構成では、上記燃料吸着層の燃
料蒸気の流れと垂直な断面を略長方形とし、その長辺に
接する上記ケース壁面と平行に、上記複数の吸着材層を
区画する仕切壁を配置する。例えば、長方形の短辺間を
二等分するように仕切壁を設けると、偏平な長方形断面
の2つの吸着材層が形成され、上記燃料吸着層を細かく
仕切ることなく、簡易な構成で吸着材全体の温度調節が
可能である。
【0019】請求項5の構成では、上記温調手段を、上
記複数の吸着材層を区画する仕切壁と一体に設ける。あ
るいは、請求項6のように、上記温調手段を、上記燃料
吸着層を収容する上記ケース壁と一体に設けることもで
きる。具体的には、上記仕切壁または上記ケース壁と一
体とすると、構成が簡易になり、また、壁面全面から温
度調節するように構成することで伝熱効率が向上する。
【0020】請求項7の構成では、上記温調手段を、上
記吸着材を加熱するためのヒータプレートとし、該ヒー
タプレートを、上記仕切壁または上記ケース壁内に発熱
体を埋設して構成する。この場合、脱離時に上記ヒータ
プレートに通電して吸着材を加熱することで、燃料蒸気
の気化に伴う温度低下を抑制し、脱離性能を向上させる
ことができる。上記仕切壁または上記ケース壁自体を上
記温調手段としてのヒータプレートで構成したので、伝
熱効率が高く、また、上記発熱体が上記吸着材に直接接
触しないので安全性に優れる。
【0021】請求項8の構成では、上記温調手段を、上
記仕切壁または上記ケース壁内に設けた流路と該流路内
を流れて上記吸着材を加熱または冷却する媒体からなる
温調層とする。例えば、脱離時には蒸気流路に加熱媒体
を流通させ、吸着時には冷却媒体を流通させることで、
より効果的な温度調節が可能であり、キャニスタ性能が
大きく向上する。
【0022】請求項9の構成では、複数の吸着材層と温
調層を交互あるいは格子状に配置することにより、吸着
剤層を複数の面から温調して伝熱効率を高めることがで
きる。
【0023】請求項10は、上記課題を解決するための
他の構成であり、ケース内に吸着材を充填して燃料吸着
層となしたキャニスタの一端側を、燃料タンクに至る燃
料蒸気通路および内燃機関の吸気路に至るパージ通路に
連通させる一方、上記キャニスタの他端側を大気に連通
させ、上記燃料タンクから上記燃料蒸気通路に放出され
る燃料蒸気を上記燃料吸着層に一時的に吸着保持し、内
燃機関の作動時に脱離させて上記パージ通路より上記吸
気路に送出する燃料蒸気処理装置において、上記燃料吸
着層の燃料蒸気の流れと垂直な断面を偏平な略長方形と
し、その長辺に接する上記ケース壁面に沿って上記吸着
材の温度調節を行うための温調手段を配設したものであ
る。
【0024】上記燃料吸着層を区画せず、伝熱効率の良
い偏平な略長方形とするとともに、その面積の広い面に
沿って上記温調手段を配設することによって、上記吸着
材全体を確実に加熱または冷却できる。この構成によっ
ても、吸着脱離性能を向上させて、小型で高性能の燃料
蒸気処理装置が得られる。
【0025】請求項11は、本発明の他の課題を解決す
るための構成で、上記各請求項に記載の燃料蒸気処理装
置のように、吸着材の温度調節を行うための温調手段を
備えた燃料蒸気処理装置において、パージ通路に設けた
パージバルブの開度と、HC濃度センサの検出結果を基
に脱離したパージ燃料量を算出し、このパージ燃料量が
所定範囲となるように、上記パージバルブの開度および
上記温調手段の作動を制御する制御手段を設けたもので
ある。
【0026】上記制御手段は、パージバルブの開度から
知られるパージ流量と、HC濃度センサで検出される燃
料蒸気濃度を基に、上記吸気管に流入するパージ燃料量
を算出し、これが所定範囲となるように上記パージバル
ブの開度を調整する。上記パージバルブの開度によって
も所定のパージ燃料量が得られない場合に、上記温調手
段の作動を開始し、脱離を促進または抑制することで、
上記吸気管に流入する燃料蒸気量を所定範囲に制御する
ことができる。よって、空燃比の変動を防止し、燃焼不
良や排気エミッションの悪化を防止可能である。
【0027】請求項12の構成では、上記温調手段が上
記吸着材の加熱手段であり、上記制御手段は、上記燃料
タンクの燃料残量が所定値以下となった時に上記温調手
段の作動を停止する。
【0028】上記温調手段が上記吸着材の加熱手段であ
る場合、給油時にキャニスタが加熱された状態であると
吸着性能が低下するため、上記燃料タンクの燃料残量が
所定値より少ないと判断したら、上記温調手段による加
熱を停止して、吸着性能の低下を防止する。上記所定値
を、通常、給油が必要となる残量より多めに設定すれ
ば、給油時にはキャニスタ温度が低下しているので、吸
着性能を十分発揮できる。なお、燃料残量が所定値より
も多く、温調手段が作動中に給油しようとする場合、作
動停止から給油までの時間が短く、十分温度が低下しな
いこともあるが、この場合、給油量(すなわち、発生す
る燃料蒸気量)が比較的少なく、また、脱離性能の向上
によりキャニスタ内に燃料蒸気が残留していないので、
発生する全量を吸着可能である。
【0029】請求項13の構成では、上記制御手段は、
上記HC濃度センサで検出されるHC濃度ないし燃料タ
ンク内圧が所定値以下となった時に上記温調手段の作動
を停止する。
【0030】上記HC濃度センサで検出されるHC濃度
が所定値以下となった時には、キャニスタ内に吸着され
ている燃料蒸気量が少ないと判断して、上記温調手段の
作動を停止する。また、燃料タンク内圧が所定値以下と
なった場合にも、キャニスタへの燃料蒸気の流入がない
と判断されるため、上記温調手段の作動を停止すること
で、消費電力の低減等によるコスト低減が可能である。
【0031】請求項14は、上記燃料蒸気処理装置の故
障診断装置であり、上記燃料タンクから上記キャニスタ
を介して上記吸気路に至る燃料蒸気通路において、上記
キャニスタと上記吸気路の間の上記パージ通路に設けた
パージバルブを閉じた時に形成される閉路空間を、上記
温調手段で加熱することにより加圧し、圧力検出手段に
より検出される上記閉路空間の圧力が、所定時間内に所
定圧に達するか否を判定する。この時、所定時間内に所
定圧に達したら、上記閉路空間の洩れはないと判定し、
所定圧に達しなければ洩れがあると判定する。これによ
り、故障診断のための特別な構成を要さず、容易に洩れ
の有無を判定することができる。
【0032】請求項15の構成では、上記閉路空間を、
上記温調手段で加熱することにより所定圧に加圧し、そ
の後加熱を中断して、上記圧力検出手段により検出され
る上記閉路空間の圧力降下状態から上記閉路空間の洩れ
を判定する。
【0033】上記閉路空間を所定圧に加圧した後、加熱
を中断して、その圧力降下状態をモニタするようにすれ
ば、洩れの有無のみならず、洩れ穴径の大きさ等を知る
ことができ、より正確な判定が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1に基づいて説明する。図1(a)は燃料蒸気処理
装置の全体構成を示すもので、キャニスタ1は、車両エ
ンジンの燃料タンクTと、燃料蒸気通路であるエバポラ
イン2、給油ライン3によって接続されている。エバポ
ライン2、給油ライン3の途中には後述するタンク内圧
弁21、給油弁31がそれぞれ設けられ、雰囲気温度の
上昇あるいは給油によりタンク内圧が所定圧を越えた時
に開弁して燃料蒸気を放出するようになしてある。
【0035】図1(b)のように、キャニスタ1の外壁
を構成する筒状ケース11内には、その両端面の近傍に
多孔板41、42がそれぞれ配設され、これら多孔板4
1、42間に活性炭Cを充填して燃料吸着層5を形成し
ている。燃料吸着層5は、燃料タンクTから放出される
燃料蒸気を一時的に吸着保持するもので、燃料蒸気の流
れ方向(図の左右方向)に平行な仕切壁12によってさ
らに2つの吸着材層51、52に区画されている。本実
施の形態において、ケース11は、図1(c)に示す燃
料蒸気の流れ方向(図の左右方向)に垂直な断面が、偏
平な長方形となるように形成され、仕切壁12は、その
長辺を含む壁面11a、11bに平行に、短辺を二等分
するように設けられる。すなわち、区画された各吸着材
層51、52は、同一形状でより偏平な長方形断面の層
となる。温調手段によって活性炭C全体を温調制御可能
とするため、各吸着材層51、52の全領域が後述する
温調手段から25mm以内になるように、各吸着材層5
1、52の厚みを50mm以下にしてある。
【0036】ケース11の左右端面と多孔板41、42
の間には、空間13、14が形成されて、燃料蒸気また
は大気が各吸着材層51、52に均等に分配されるよう
にしてある。燃料吸着層5は、該空間13、14にそれ
ぞれ配設したスプリング43、44のばね力によって挟
持されており、また、多孔板41、42と活性炭Cの間
には、それぞれフィルタ45、46が配設されて活性炭
Cの脱落を防止している。
【0037】ケース11の左端面には、エバポライン2
に連通するタンクポート15、給油時用の給油ライン3
に連通する給油ポート16と、パージポート17が設け
てある。パージポート17は、吸気路たるエンジンの吸
気管6にパージライン61を介して連通し、パージライ
ン61の途中にパージ流量を調整するパージバルブ62
が設けられている。パージバルブ62とキャニスタ1の
間には、パージガス濃度をモニタするHC濃度センサS
1が設置される。また、ケース11の右端面には、大気
に連通する大気ポート18が形成してある。
【0038】エバポライン2の途中に設置される内圧弁
21は、燃料タンクTの内圧の変化(正圧側および負圧
側の双方向)に対応して開閉するように構成されてお
り、燃料タンクT内圧が上昇して設定圧以上となった時
に開弁して、キャニスタ1へ燃料蒸気を排出する排出弁
(正圧側)と、燃料タンク1内圧が低下して設定値以下
となった時に開弁して外気を吸入する吸入弁(負圧側)
からなる。この排出弁、吸入弁の設定圧は、燃料タンク
1の耐圧等を考慮してそれぞれ決定される。給油ライン
3の途中に設置される給油弁31は、給油時に発生する
大量の燃料蒸気をキャニスタ1へ送出するためのもの
で、給油時にのみ開放されるように構成される。また、
燃料タンクTにはタンク内圧をモニタする圧力センサS
2が、キャニスタ1には活性炭C温度をモニタする温度
センサS3が設置されている。
【0039】本実施の形態では、燃料吸着層5に接する
ケース11壁面のうち、面積の広い壁面11a、11b
と、吸着材層51、52を区画する仕切壁12を温調手
段たるヒータプレート7で構成する。図2(a)、
(b)に示すように、ヒータプレート7は、発熱体とし
ての電熱線ヒータ71を中空とした内部のほぼ全体に、
伝熱効率を極力損なわない絶縁材72で被覆した状態で
収容してなり、活性炭Cと発熱体が直接接触しないよう
にしている。ヒータプレート7本体は、伝熱効率の良好
な金属、例えばステンレス製とする。各ヒータプレート
7の端部には電熱線ヒータ71に接続するコネクタ73
が設置してあり、それぞれ図略の電圧調整器に接続され
ている。電熱線ヒータ71に代えて、PTCヒータ等、
他の発熱体を用いて温調手段を構成してももちろんよ
い。
【0040】ヒータプレート7への通電は、制御手段8
によって制御される。制御手段8には、パージバルブ6
1の開度、燃料残量、エンジンの運転状態等と、HC濃
度センサS1、圧力センサS2、温度センサS3の検出
結果が随時入力され、これを基にヒータプレート7への
通電を行うことにより、燃料吸着層5を加熱して、活性
炭Cからのパージを促進する。この時、各吸着材層5
1、52を偏平な形状とし厚みを50mm以下にして、
その両側のケース壁面11a、11bおよび仕切壁12
にヒータプレート7を設置したので、各吸着材層51、
52の全領域がヒータプレート7から25mm以内にな
っており、上記図12に基づいて説明したように、活性
炭C全体を効果的に加熱して、脱離性能を向上すること
ができる。
【0041】なお、本実施の形態ではヒータプレート7
を、ケース11の面積の広い壁面11a、11bと仕切
壁12、すなわち各吸着材層51、52を囲む側面のう
ち面積の広い2つの側面に配置したが、図3に第2の実
施の形態として示すように、吸着材層51、52を区画
する仕切壁12のみをヒータプレート7で構成すること
もできる。各吸着材層51、52を薄く形成し、厚みを
25mm以下にして、一側面側からの加熱のみでも活性
炭C全体を十分に加熱できる場合には、このようにする
と、構成が簡易になり、コストが低減できる。
【0042】あるいは、図4に第3の実施の形態として
示すように、燃料吸着層5の全領域がヒータプレート7
から25mm以内に入る構成であれば、内部を複数に区
画しない構成としてもよい。この場合は、ケース11の
面積の広い壁面11a、11bをヒータプレート7とす
る。このようにしても同様の効果を得ることができ、構
成の簡易化によるコスト低減ができる。
【0043】次に、上記第1の実施の形態の燃料蒸気処
理装置の作動について、エンジン作動時、エンジン停止
時、給油時に分けて説明する。エンジン作動時には、吸
気管6内が負圧となるために、パージバルブ62を開い
て大気ポート18から外気を導入することで、キャニス
タ1内の燃料蒸気を大量にパージ可能である。キャニス
タ1には、エンジン停止時または給油時に燃料タンクT
で発生した燃料蒸気が吸着しており、外気の導入に伴い
燃料吸着層5の活性炭Cから脱離して、パージポート1
7からパージライン61、パージバルブ62を経て吸気
管6内に導出され、エンジン内で燃焼する。なお、エン
ジン作動時にも、外気温の上昇により発生する燃料蒸気
がキャニスタ1に流入するが、上記吸気管負圧により容
易にパージされる。
【0044】ただし、燃料蒸気が燃料吸着層5の活性炭
Cから脱離する際には、液体から気体となるために気化
熱を奪い、キャニスタ1内部の温度が低下する。一般
に、脱離性能は高温であるほど高いため、この温度が低
下した部位で脱離性能が低下し、燃料蒸気が完全に脱離
されずに、車両放置中にキャニスタ1内を拡散して大気
口18から洩れ出てくるおそれがある。そこで、本実施
の形態では、吸着材層51、52に接するケース壁面1
1a、11b、および仕切壁12を兼ねるヒータプレー
ト7を配設し、必要に応じてヒータプレート7に通電、
加熱することで活性炭Cの温度低下を防止し、脱離性能
を向上させる。
【0045】このエンジン作動時の制御手段8による温
調制御を、図5のフローチャートに示す。温調制御は制
御手段8で所定の周期で実行される。図5において、キ
ャニスタ温調制御ルーチンがスタートすると、まず、ス
テップ201でエンジンが作動状態にあるか否か、すな
わちIG(イグニッション)スイッチがONの位置にあ
るか否かを判別する。IGスイッチがONであれば、ス
テップ202に進み、図略の液面計等で検出される燃料
残量が所定量V0 以上であるか否かを判定する。燃料残
量が所定量V0 より少なければ制御ルーチンを終了す
る。ステップ202は、給油時にキャニスタ1が加熱さ
れた状態で燃料蒸気が吸着されるの防止するためのもの
であり、活性炭C温度が高い場合、脱離には有利である
が吸着には不利であるため、燃料タンクTの燃料残量が
少ないと判断したら温調制御を中止する。これについて
は後述する。
【0046】ステップ202で燃料残量が所定量V0 以
上であればステップ203に進む。ステップ203で
は、吸気管6負圧とパージバルブ61の開度により一義
的に決定されるパージ流量を入力し、ステップ204に
進んでHC濃度センサS1により得られるパージガス濃
度を入力する。そして、ステップ205で、これらパー
ジ流量とパージガス濃度からパージ燃料量を算出し、ス
テップ206で、このパージ燃料量が所定範囲内にある
か否かを判定する。ここで、所定範囲(M0≦パージ燃
料量≦M1)とは、吸気系にパージガスを導入した時に
燃焼不良および排気エミッションを悪化させない範囲の
量である。
【0047】ステップ206で、パージ燃料量が所定範
囲にあればステップ201に戻り、所定範囲になければ
ステップ207へ進む。ステップ207では所定範囲を
越えたパージ燃料量が上記範囲の最大値M1よりも大き
いか否かを判定する。最大値M1より大きい場合はステ
ップ208へ進み、パージバルブ62の開度を小さくし
てパージ燃料量を減量した後、ステップ201に戻る。
【0048】ステップ207で最大値M1以下である場
合には、最小値M0未満と判断してステップ209へ進
み、パージバルブ62の開度が最大であるか否かを判定
する。パージバルブ62の開度が最大でなければステッ
プ210へ進み、パージバルブ62の開度を大きくして
パージ燃料量を増量する。パージバルブ62の開度が最
大であった場合、これ以上、現状態ではパージ燃料量が
確保できないと判断して、ステップ211に進み、ヒー
タプレート7に電源を供給する。
【0049】吸気管6を経てエンジンに導入されるパー
ジ燃料量は、パージガス濃度だけでなく、吸気管6に流
入する流量によっても変化する。そこで、ステップ20
3〜205でこれらの値で基にパージ燃料量を算出し、
これが所定範囲となるように、パージバルブ62の開度
とヒータプレート7の作動を制御する(ステップ206
〜211)。この時、まず、パージバルブ62の開度を
調整し、これによって所定のパージ燃料量が得られない
場合に、ヒータプレート7による加熱を開始する。これ
により、パージ燃料量を所定範囲に制御し、空燃比の変
動を防止して燃焼不良や排気エミッションの悪化を防止
できる。
【0050】次いで、ステップ212で温度センサS3
の検出結果を読み込み、キャニスタ1内の活性炭C温度
が所定温度T0 以上であるか否かを判定する。この場
合、所定温度T0 は、キャニスタ1内の燃料蒸気が完全
に脱離できる温度とし、通常100℃以上とすることが
望ましい。ステップ212で活性炭C温度が所定温度T
0 に達していない場合は、ステップ201に戻り、所定
温度T0 以上であればステップ213に進む。ステップ
213では、タンク内圧をモニタする圧力センサS2の
検出結果を読み込み、タンク内圧が所定圧P0 、ここで
はタンク内圧弁21の排出弁の開弁圧より低いか否かを
判定する。タンク内圧が所定圧P0 以上である場合、タ
ンク内圧弁21は開弁しており、キャニスタ1への燃料
蒸気の流入があると判断されるため、ステップ201に
戻る。
【0051】タンク内圧が所定圧P0 より低い場合は、
キャニスタ1への燃料蒸気の流入がないと判断してステ
ップ214に進み、HC濃度センサS1でモニタされる
パージガス濃度が所定濃度C0 以上であるか否かを判定
する。パージガス濃度が所定濃度C0 以上であれば、キ
ャニスタ1に未だに燃料蒸気が残存していると判断し
て、ステップ201に戻り、パージガス濃度が所定濃度
C0 に満たなければ、キャニスタ1に燃料蒸気が残存し
ていないと判断してステップ215に進み、ヒータプレ
ート7への電源の供給を停止して制御ルーチンを終了す
る。
【0052】ステップ213、214は消費電力の低減
を目的としたものである。燃料タンクTの内圧が開弁圧
より低く、パージガス濃度が所定濃度C0 に満たない場
合、ヒータプレート7による加熱の必要がないと判断し
て温調制御を停止することで、消費電力を低減しコスト
の低減が可能である。
【0053】一方、エンジン停止時には、ヒータプレー
ト7の電源は入っておらず、吸気管負圧もないため、キ
ャニスタ1には、外気温の上昇とともに発生する燃料蒸
気が吸着されるのみとなる。すなわち、燃料タンクT内
で燃料蒸気が発生し、燃料タンクT内圧が所定値以上に
上昇すると、タンク内圧弁21の排出弁が開いてエバポ
ライン2、タンクポート15を経てキャニスタ1に排出
される。この時、前記したエンジン作動時においてキャ
ニスタ1内の燃料蒸気はほぼ完全に脱離されているた
め、キャニスタ1は燃料タンクTからの燃料蒸気を十分
吸着できる状態にあり、流入する燃料蒸気を効率よく吸
着することができる。また、キャニスタ1内に燃料蒸気
が残存していないため、従来のように、残存する燃料蒸
気がエンジン停止時にキャニスタ1内を拡散して大気口
18より大気へ放出されるのを防止できる。
【0054】給油時には、燃料タンクTに滞留していた
燃料蒸気が、給油燃料に押し出される形で給油弁31を
開き、給油ライン3から給油ポート17を介してキャニ
スタ1に流入する。この際、活性炭温度が高いと吸着性
能が低下するため、給油に先立ち、ヒータプレート7に
よる温調制御を停止する。すなわち、前記図5の制御ル
ーチンにおいて、燃料残量が所定量V0 より少なくなっ
たら給油の必要があると判断して(ステップ202)、
ヒータプレート7への電源の供給を停止する制御を行う
(ステップ215)。ステップ202における所定量V
0 は、通常、給油が必要とされる燃料残量よりやや多い
量、例えば公称容量の1/4とする。これにより、燃料
残量が1/4を切った時点で温調制御を中断されるの
で、給油時にはキャニスタ温度がほぼ常温に戻ってお
り、キャニスタ1温度つまり活性炭C温度が高い状態で
の吸着を防止できる。
【0055】また、燃料残量が所定量V0 より多い状態
ないし燃料残量が所定量V0 に達した直後に給油する場
合、エンジン停止によってまたは燃料残量が所定量V0
に達した時点でヒータプレート7がOFFとなり(ステ
ップ201、202)、給油直前までヒータプレート7
に通電された状態となる。これらの場合、給油までの時
間が短いために、活性炭C温度が十分に下がらずに燃料
蒸気が吸着されることがある。ただし、この場合の給油
量は比較的少なく、発生する燃料蒸気量も給油量に比例
するため、キャニスタ1に流入する燃料蒸気はさほど多
くなく、また、キャニスタ1は燃料蒸気の脱離がほぼ完
了しているため、発生する全量を吸着可能である。ヒー
タプレート7をOFFにする燃料残量V0 は、これらを
踏まえ、キャニスタ1の活性炭C容量と燃料タンクTの
大きさおよびキャニスタ1への燃料蒸気流入量から求め
られる最適値とし、給油時の流入燃料蒸気を全量吸着可
能なようにする。
【0056】以上のように、上記構成によれば、複数の
吸着材層51、52をそれぞれ壁面に設けたヒータプレ
ート7で加熱することにより、活性炭C全体を効率よく
加熱して、吸着している燃料蒸気のほぼ全量を脱離させ
ることができる。この時、各吸着材層51、52を偏平
な形状とし、吸着材層51、52の全領域がヒータプレ
ート7から25mm以内に入るように構成してあるた
め、加熱されない領域がなくなり、脱離性能が大きく向
上する。従って、燃料蒸気がキャニスタ1内に残存しな
いので、次回の吸着時に放出される燃料蒸気の全量を確
実に吸着することができ、また、車両放置中に燃料蒸気
がキャニスタ1内を拡散して大気口18から洩れるのを
防止できる。また、従来の装置では約20%発生してい
た活性炭Cの劣化がほとんどなくなり、これを見込んで
増量する必要がないので、キャニスタ1の小型化が可能
である。第2、第3の実施の形態についても上記制御を
行うことで、同様の効果が得られる。
【0057】さらに、上記構成のヒータプレート7を有
する装置において、ヒータプレート7を利用して、その
故障診断を行うことができる。これを図6の制御ルーチ
ンを用いて説明する。図6において、故障診断制御ルー
チンがスタートすると、まず、ステップ301でパージ
バルブ62を閉弁し、続いてステップ302でキャニス
タ1の大気口18下流側に設置されるキャニスタクロー
ズドバルブ(図略)を閉弁する。これにより燃料タンク
Tからキャニスタ1を介して吸気系のパージバルブ62
に至る燃料蒸気通路が閉路空間となる。そこで、ステッ
プ303でヒータプレート7に電力を供給すると、閉路
空間内の気体が加熱されて膨張し、閉路空間内の圧力が
上昇する。この圧力が所定圧P1 になるまでヒータプレ
ート7に電力を供給し、ステップ304で所定圧P1 に
至る経過時間をモニタする。ヒータプレート7に通電す
ることにより閉路空間の圧力は上昇するが、閉路空間に
穴が空いていれば、その上昇速度は遅く、穴の大きさに
よっては所定圧P1 に到達するのに相当の時間がかか
る。ステップ304では、予め実験等により任意の時間
t1 を決めておき、t1 以上時間がかかるようであれ
ば、明らかに閉路空間に穴が空いているとして、異常判
定を行う。
【0058】この判定法は、大きめの洩れ穴の判定に適
する簡易な方法で、細かい穴の判定は以降のステップに
従う。ステップ305では、閉路空間の圧力をモニタ
し、時間t1 未満で所定圧P1 に達したら、ステップ3
06でヒータプレート7への通電を停止する。次にステ
ップ307でヒータプレート7の通電停止からの経過時
間をモニタし、ステップ308で時間t2 経過時の閉路
空間内の圧力P2 を測定する。ヒータプレート7の余熱
は閉路空間内の圧力を若干上昇傾向とするが、閉路空間
に洩れがあると、閉路空間内の圧力は、洩れ穴の大きさ
や燃料残量等により降下幅は異なるものの、徐々に低下
する。ステップ309ではP2 −P1 を計算してP3 を
求め、ステップ310で任意の規定圧P4 とP3 の大小
を比較する。規定圧P4 とは、任意の燃料残量で発生す
る圧力低下において、本システムに許容される洩れ穴の
最大値であり、P3 がP4 より大きければ洩れ穴は許容
範囲を越えているとして、ステップ311で異常判定す
る。それ以外はステップ312で正常判定する。
【0059】このように、ヒータプレート7を設けた上
記装置では、ヒータプレート7を加圧手段として利用す
ることで、構成を変更することなく容易に洩れの有無を
判定することができる。また、燃料残量と洩れ穴の大き
さに対する圧力低下の大きさを把握して規定圧を決めれ
ば、あらゆる洩れ穴に対応できる。
【0060】図7に本発明の第4の実施の形態を示す。
上記各実施の形態では、温調手段としてのヒータプレー
ト7を用いて、脱離時の活性炭Cの温度調節を行うこと
により脱離性能を向上させているが、本実施の形態で
は、脱離時のみならず吸着時にも温度調節可能な温調手
段を設けている。図7(a)は、本実施の形態の燃料蒸
気処理装置の概略構成を示すもので、キャニスタ1以外
の構成は、上記各実施の形態と同じであり、以下、相違
点を中心に説明する。
【0061】図7(a)、(b)のように、キャニスタ
1は筒状ケース11内に配設した多孔板41、42間に
活性炭Cを充填した燃料吸着層5を有している。多孔板
41、42とケース11の間には空間13、14がそれ
ぞれ形成され、多孔板41、42の内側には活性炭Cを
保持するフィルタ(図略)が介設されている。燃料吸着
層5は、燃料蒸気の流れ方向(図7(b)の左右方向)
に平行な2つの吸着材層51、52に区画されており、
これら吸着材層51、52の周囲を取り囲むように(図
7(c))、その流れ方向の全長に渡って、温調手段と
しての温調層9が配設されている。
【0062】本実施の形態においても、ケース11は、
燃料蒸気の流れ方向(図7(a)の左右方向)に垂直な
断面が、偏平な長方形となるように形成され、仕切壁と
なる層9bは、ケース11の長辺を含む壁面と平行に、
短辺を等分するように設けられる。すなわち、2つの吸
着材層51、52は、同一形状でより偏平な長方形断面
の層となり、吸着材層51、52の全領域が温調層9か
ら25mm以下となるように構成することで、温調制御
されない領域をなくし、吸着および脱離を効果的に行う
ことができる。
【0063】図7(b)、(c)において、温調層9は
ケース11外側壁を兼ねる層9aと、2つの吸着材層5
1、52を区画する仕切壁となる層9bからなり、これ
らの層9a、9bは互いに連通している。各層9a、9
bは、中空としたケース11の壁部内を、活性炭Cを加
熱または冷却する媒体が流れる流路となしたもので、外
周側の層9aの左端上部、右端下部にそれぞれ設けたポ
ート91、92にて外部と連通している。吸着材層5
1、52に接する温調層9の壁面は、金属等の熱伝達率
の高い材料とし、熱交換を促進して温調効果を高めるこ
とができる。
【0064】そして、例えば、温調層9の左端上部のポ
ート91を媒体の導入ポートとし、右端下部のポート9
2を媒体の導出ポートとして、活性炭C温度が上昇する
吸着時には冷却用の媒体を、活性炭C温度が低下する脱
離時には加熱用の媒体を、それぞれ流通させることで、
吸着脱離性能を向上可能である。すなわち、吸着時に
は、活性炭Cの放熱を促進して温度上昇を抑制し、脱離
時には、活性炭C温度の低下を抑制して、効果的に吸着
脱離を行うことができる。その具体例について、以下に
説明する。
【0065】図8は本発明の第5の実施の形態であり、
図示されるように、キャニスタ1の温調層9には、導入
ポート91にエアポンプPを接続するとともに、このエ
アポンプP1に三方弁V1を介して通路93、94をそ
れぞれ接続して、吸着時と脱離時で導入される媒体を切
り替える構成としてある。このうち、通路93は冷却媒
体としての外気に連通し、通路94は排気管63近傍に
延びて、加熱媒体として、排気の熱で温められた空気が
導入されるようになしてある。
【0066】上記構成において、燃料蒸気の吸着時(エ
ンジン停止時または給油時)には、三方弁V1を通路9
3側に開き、エアポンプP1により冷却媒体としての外
気を温調層9に導入する。一方、燃料タンクT内で発生
した燃料蒸気は、エバポライン2または給油ライン3か
らキャニスタ1に放出され、空間13内を拡散して各吸
着材層51、52に均等に流入し、活性炭Cに吸着され
る。この時、燃料蒸気の液化に伴って発熱するが、発生
した熱が温調層9に放熱されるため、活性炭C温度の上
昇が抑制される。また、エアポンプP1を回すことによ
り、熱交換により温度上昇した温調層9内の空気は導出
ポート92から外部へ排出され、低温の新気が常に導入
ポート91から温調層9に供給されるので、活性炭Cを
冷却する効果が高く、高い吸着性能を得ることができ
る。
【0067】燃料蒸気の脱離時(エンジン作動時)に
は、三方弁V1を通路94側に開き、エアポンプP1に
よって、排気管63の熱で温められた加熱媒体としての
高温の空気がを温調層9に導入する。一方、キャニスタ
1内の燃料蒸気は、吸気管負圧により大気ポート18か
ら導入される大気によって脱離し、パージライン61か
ら吸気管6に送出される。この時、燃料蒸気の気化に伴
い各吸着材層51、52の温度が低下し始めるが、温調
層9を流通する高温の空気によって加熱され、温度低下
が抑制される。熱交換により温度低下した温調層9内の
空気は導出ポート92から外部へ排出され、高温の空気
が新たに導入ポート91から温調層9に供給されるの
で、活性炭Cを加熱する効果が高く、高い脱離性能を得
ることができる。
【0068】このように、吸着時と脱離時とで温調層9
に導入される媒体を切り替え、さらにエアポンプP1を
用いて強制的に温調層9内の空気を循環させることで、
高い温調効果が得られる。また、図8に破線で示すよう
に、導出ポート92を、通路64にて大気ポート18と
連通させることもできる。この場合、吸着時に温調層9
から排出される高温の空気をそのままパージエアとして
使用することができるので、脱離時の温度低下を抑制す
る効果が高い。なお、上記実施の形態では、冷却媒体と
して外気を、加熱媒体として排気の熱で温められた高温
の空気を用いたが、他の気体を用いることももちろんで
きる。
【0069】また、図9に第6の実施の形態として示す
ように、導入ポート91にポンプP2を接続し、このポ
ンプP2に三方弁V2を介して通路95、96をそれぞ
れ接続した構成としてもよい。このうち、通路95はエ
ンジン冷却水配管に接続されており、通路96は水タン
クT´に連通している。水タンクT´は通路67を介し
て三方弁V3に連通し、三方弁V3の一端は導出ポート
92に接続する通路65に、他端は通路66を介してエ
ンジン冷却水配管に接続されている。
【0070】上記構成において、エンジン停止時等の吸
着時には、三方弁V2を通路96側に開き、ポンプP2
により冷却媒体として水タンクT´内の低温の水を温調
層9に導入する。一方、燃料タンクT内で発生した燃料
蒸気がキャニスタ1に流入し、吸着される。この時、燃
料蒸気の液化に伴って発生した熱は温調層9を流通する
低温の水に放熱され、活性炭C温度の上昇が抑制され
る。また、ポンプP2により温度上昇した温調層9内の
水は導出ポート92から排出されて、通路65、三方弁
V3、通路67を経て水タンクT´に戻り、低温の水が
常に導入ポート91から温調層9に供給されるので、活
性炭Cを冷却する効果が高く、高い吸着性能を得ること
ができる。
【0071】エンジン作動時の脱離時には、三方弁V2
を通路95側に開き、ポンプP2により加熱媒体として
エンジンにより温められた高温のエンジン冷却水を温調
層9に導入する。一方、吸気管負圧により大気ポート1
8から導入される大気によって燃料蒸気が脱離し、吸気
管6に送出される。この時、燃料蒸気の気化に伴い各吸
着材層51、52の温度が低下するが、温調層9を流通
する高温の水によって加熱され、温度低下が抑制され
る。熱交換により温度低下した温調層9内の水は導出ポ
ート92から通路65、三方弁V3、通路66を経てエ
ンジン冷却水配管に戻り、高温の水が常に導入ポート9
1から温調層9に供給されるので、活性炭Cを加熱する
効果が高く、高い脱離性能を得ることができる。
【0072】このように、冷却または加熱媒体として水
を用いることもでき、吸着時と脱離時とで温調層9に導
入される媒体を切り替え、さらにポンプP2を用いて強
制的に温調層9内の水を循環させることで、高い温調効
果が得られる。水の他、例えばオイル等の液体を用いて
もよい。
【0073】上記各実施の形態では、燃料吸着層5を上
下2層の吸着材層51、52に区画したが(図7(c)
参照)、各吸着材層の形状や数は、これに限るものでは
ない。例えば、図10(a)に第7の実施の形態として
示すように、燃料吸着層5を格子状に多数に区画し、区
画された各部に吸着材層53と温調層9を互い違いに配
置した構成や、図10(b)に第8の実施の形態として
示すように、吸着材層54と温調層9を図の左右に交互
に配置した構成とすることもできる。なお、図10
(a)、(b)はいずれも燃料吸着層5の燃料蒸気の流
れ方向と垂直な断面を示すもので(図7(c)に対
応)、各吸着材層53、54は燃料蒸気の流れ方向と平
行に形成されている。
【0074】さらに、図11に第9の実施の形態として
示すように、燃料吸着層5内に温調層9を埋設した構
成、すなわち、上記図7(c)に示した吸着材層51、
52と温調層9の配置を逆転させた構成とすることもで
きる。図11において、燃料吸着層5内には、偏平な長
方形断面の2つの温調層9c、9dが間隔をおいて配置
され、各温調層9c、9dの周囲を取り囲むように活性
炭を充填した燃料吸着層5が形成されている。このよう
にしても、燃料吸着層5と温調層9との接触面積を十分
大きく取ることができ、燃料吸着層5を温調効果が得ら
れる適当な厚さに設定することで、燃料吸着層5の全体
を効果的に温調して、吸着脱離性能を向上することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、(a)
は燃料蒸気処理装置の全体概略構成図、(b)は(a)
のIb−Ib線断面図、(c)は(a)のIc−Ic線
断面図である。
【図2】(a)はヒータプレートの正面図、(b)はヒ
ータプレートの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す図で、(a)
は燃料蒸気処理装置の全体概略構成図、(b)は(a)
のIIIb−IIIb線断面図、(c)は(a)のII
Ic−IIIc線断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す図で、(a)
は燃料蒸気処理装置の全体概略構成図、(b)は(a)
のIVb−IVb線断面図、(c)は(a)のIVc−
IVc線断面図である。
【図5】本発明の燃料蒸気処理装置の作動を説明するた
めの制御のフローチャートを示す図である。
【図6】燃料蒸気処理装置を用いた故障診断装置の制御
のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す図で、(a)
は燃料蒸気処理装置の全体概略構成図、(b)は(a)
のキャニスタの断面図、(c)は(b)のVIIc−V
IIc線断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態を示す燃料蒸気処理
装置の全体概略構成図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態を示す燃料蒸気処理
装置の全体概略構成図である。
【図10】(a)は本発明の第7の実施の形態における
キャニスタの断面図、(b)は本発明の第8の実施の形
態におけるキャニスタの断面図である。
【図11】本発明の第9の実施の形態におけるキャニス
タの断面図である。
【図12】温調手段からの距離と燃料吸着層温度、脱離
性能との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 キャニスタ 11 ケース 2 エバポライン(燃料蒸気通路) 21 内圧弁 3 給油ライン(燃料蒸気通路) 31 給油弁 5 燃料吸着層 51、52 吸着材層 6 吸気管(吸気路) 61 パージライン(パージ通路) 62 パージバルブ 7 ヒータプレート(温調手段) 8 制御手段 9 温調層(温調手段) T 燃料タンク S1 HC濃度センサ S2 圧力センサ S3 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 典保 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 加藤 直也 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 小山 信彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G044 BA03 BA08 BA20 BA22 BA31 BA39 BA40 CA16 DA06 EA10 EA23 EA32 EA35 EA55 FA04 FA10 FA12 GA12 GA16 GA20 GA22 GA27 GA28 GA29

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に吸着材を充填して燃料吸着層
    となしたキャニスタの一端側を、燃料タンクに至る燃料
    蒸気通路および内燃機関の吸気路に至るパージ通路に連
    通させる一方、上記キャニスタの他端側を大気に連通さ
    せ、上記燃料タンクから上記燃料蒸気通路に放出される
    燃料蒸気を上記燃料吸着層に一時的に吸着保持し、内燃
    機関の作動時に脱離させて上記パージ通路より上記吸気
    路に送出する燃料蒸気処理装置において、上記燃料吸着
    層の温度調節を行うための温調手段を燃料蒸気の流れに
    平行に配設し、上記燃料吸着層をその全領域が上記温調
    手段から25mm以内に入るように配設したことを特徴
    とする燃料蒸気処理装置。
  2. 【請求項2】上記温調手段を、上記燃料吸着層に接する
    上記ケース壁および上記燃料吸着層を区画する仕切壁の
    うち少なくとも1つの壁面に沿って設けた請求項1に記
    載の燃料蒸気処理装置。
  3. 【請求項3】上記燃料吸着層を仕切壁にて燃料蒸気の流
    れに平行、かつ、それぞれが偏平な断面形状となるよう
    に区画した請求項1に記載の燃料蒸気処理装置。
  4. 【請求項4】 上記燃料吸着層の燃料蒸気の流れと垂直
    な断面が略長方形であり、その長辺に接する上記ケース
    壁面と平行に、上記複数の吸着材層を区画する仕切壁を
    配置した請求項1に記載の燃料蒸気処理装置。
  5. 【請求項5】 上記温調手段を、上記複数の吸着材層を
    区画する仕切壁と一体に設けた請求項1に記載の燃料蒸
    気処理装置。
  6. 【請求項6】 上記温調手段を、上記燃料吸着層を収容
    する上記ケース壁と一体に設けた請求項1に記載の燃料
    蒸気処理装置。
  7. 【請求項7】 上記温調手段が、上記吸着材を加熱する
    ためのヒータプレートであり、該ヒータプレートが、上
    記仕切壁または上記ケース壁内に発熱体を埋設してなる
    請求項5または6記載の燃料蒸気処理装置。
  8. 【請求項8】 上記温調手段が、上記仕切壁または上記
    ケース壁内に設けた流路と該流路内を流れて上記吸着材
    を加熱または冷却する媒体からなる温調層である請求項
    5または6記載の燃料蒸気処理装置。
  9. 【請求項9】 上記温調層と上記複数の吸着材層を交互
    にまたは格子状に配置した請求項8記載の燃料蒸気処理
    装置。
  10. 【請求項10】 ケース内に吸着材を充填して燃料吸着
    層となしたキャニスタの一端側を、燃料タンクに至る燃
    料蒸気通路および内燃機関の吸気路に至るパージ通路に
    連通させる一方、上記キャニスタの他端側を大気に連通
    させ、上記燃料タンクから上記燃料蒸気通路に放出され
    る燃料蒸気を上記燃料吸着層に一時的に吸着保持し、内
    燃機関の作動時に脱離させて上記パージ通路より上記吸
    気路に送出する燃料蒸気処理装置において、上記燃料吸
    着層の燃料蒸気の流れと垂直な断面を偏平な略長方形と
    し、その長辺に接する上記ケース壁面に沿って上記吸着
    材の温度調節を行うための温調手段を配設したことを特
    徴とする燃料蒸気処理装置。
  11. 【請求項11】 ケース内に吸着材を充填して燃料吸着
    層となしたキャニスタの一端側を、燃料タンクに至る燃
    料蒸気通路および内燃機関の吸気路に至るパージ通路に
    連通させる一方、上記キャニスタの他端側を大気に連通
    させ、上記燃料タンクから上記燃料蒸気通路に放出され
    る燃料蒸気を上記燃料吸着層に一時的に吸着保持し、内
    燃機関の作動時に脱離させて上記パージ通路より上記吸
    気路に送出する燃料蒸気処理装置において、上記燃料吸
    着層内の上記吸着材の温度調節を行うための温調手段を
    設けるとともに、上記パージ通路に設けたパージバルブ
    の開度とHC濃度センサの検出結果を基にパージ燃料量
    を算出し、該パージ燃料量が所定範囲となるように、上
    記パージバルブの開度および上記温調手段の作動を制御
    する制御手段を設けたことを特徴とする燃料蒸気処理装
    置。
  12. 【請求項12】 上記温調手段が上記吸着材を加熱する
    加熱手段であり、上記制御手段は、上記燃料タンクの燃
    料残量が所定値以下となった時に上記温調手段の作動を
    停止する請求項11記載の燃料蒸気処理装置。
  13. 【請求項13】 上記制御手段は、上記HC濃度センサ
    で検出されるHC濃度ないし燃料タンク内圧が所定値以
    下となった時に上記温調手段の作動を停止する請求項1
    1記載の燃料蒸気処理装置。
  14. 【請求項14】 上記請求項1ないし11記載の燃料蒸
    気処理装置を用い、上記燃料タンクから上記キャニスタ
    を介して上記吸気路に至る燃料蒸気の通路において、上
    記キャニスタと上記吸気路の間の上記パージ通路に設け
    たパージバルブを閉じた時に形成される閉路空間を、上
    記温調手段で加熱することにより加圧し、圧力検出手段
    により検出される上記閉路空間の圧力が所定時間内に所
    定圧に達するか否かで上記閉路空間の洩れを判定するこ
    とを特徴とする燃料蒸気処理装置の故障診断装置。
  15. 【請求項15】 上記閉路空間を、上記温調手段で加熱
    することにより所定圧に加圧し、その後加熱を中断し
    て、上記圧力検出手段により検出される上記閉路空間の
    圧力降下状態から上記閉路空間の洩れを判定する請求項
    14記載の燃料蒸気処理装置の故障診断装置。
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