JP2001181975A - 防炎性ポリ乳酸繊維含有布帛及びその製造方法 - Google Patents

防炎性ポリ乳酸繊維含有布帛及びその製造方法

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JP2001181975A
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polylactic acid
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acid fiber
fiber
flameproof
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Tadaatsu Nozu
忠篤 野津
Toyoichi Nonaka
豊一 野中
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天然物によって加工された防炎性ポリ乳酸繊維
含有布帛の提供。 【解決手段】ポリ乳酸繊維単独、又はポリ乳酸繊維と天
然繊維からなる布帛の表面に、エキソ多糖類ポリマーが
付与されていることを特徴とする防炎性布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防炎性能を有する
ポリ乳酸繊維布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の繊維製品の廃棄に伴う環境
汚染が環境保護の立場から問題視されているため、微生
物等の働きによって分解される生分解性繊維素材や、焼
却時の大気汚染を抑制する素材が注目される様になって
いる。
【0003】繊維製品の分野において従来から使用され
ている素材のうち、綿や羊毛などの天然繊維は生分解性
能を備えているが、ナイロン,ポリエステル,アクリル
等の繊維は微生物で分解されず、またこの様な素材は化
学的にも安定しているので、土中に廃棄した場合長期間
に渡って残存する。さらにこれらの合繊繊維を焼却処理
した際は、燃焼時の発熱量が高いため焼却炉の寿命を短
くするばかりでなく、排煙中のNOXやSOXの量を増大
させるという問題等があるため、これらの解決が望まれ
ていた。
【0004】そして、上記の課題を解決するため、ポリ
ヒドロキシブチレート(以下PHBと記す)、ポリカプ
ロラクトン(以下PCLと記す)、ポリ乳酸等の溶融形
成可能なポリマーから得られた繊維が開発されている。
そして、これらのうち、製造コストの高価なPHBや融
点の低いPCL(融点60℃)に比べ、ポリ乳酸の場
合、製造コストが安価で、175℃と比較的高い融点を
持つため、繊維形成性ポリマーとして最も適切であると
考えられている。
【0005】一方、カーテン,カバー等の内装品類、毛
布、布団側地、布団綿等の寝装類、或いは衣料品等の様
な繊維製品においては、その素材として綿,羊毛,絹等
の天然繊維や、ポリエステル,ポリアミド等の合成繊維
が用いられており、これらの製品には、火災時の延焼を
防ぐため、財団法人日本防炎協会が定める基準を満たす
ことが求められ、この様な要求に基づく加工法が開発さ
れてきた。
【0006】例えば、セルロース系繊維の防炎加工方法
としては、N−メチロールジメチルホスホノプロピオン
アミドからなる防炎剤とメラミン系樹脂を用いる方法
(特開平3−97967号),アミドフォスファゼン化
合物を用いる方法(特開平4−333672号,特開平
4−333657号,特開平6−25976号)が、ま
たポリエステル系繊維の防炎(難燃)加工方法として
は、ホスホリル化合物を用いる方法(特開平7−126
983号)等が開示されている。
【0007】しかしながら、この様な化学物質による従
来の防炎加工の場合、廃棄時や焼却処分時における自然
環境への影響が懸念されるため、天然物を用いた防炎加
工製品の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みなされたも
のであって、天然物を用いて防炎性能を具備せしめたポ
リ乳酸繊維含有布帛の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成をとる。まず、第一番目の発
明は、ポリ乳酸繊維単独、又はポリ乳酸繊維と天然繊維
からなる布帛の表面に、エキソ多糖類ポリマーが付与さ
れていることを特徴とする防炎性布帛である。そして、
第二番目の発明は、上記防炎性布帛において、エキソ多
糖類ポリマーが、キサントモナス(Xanthomon
as)属に属する微生物によって生産されたものである
ことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明に用いるポリ乳酸繊維とは、とうもろこし
等の穀類を発酵させて得られたポリマーを溶融紡糸して
製造するものであって、上記ポリ乳酸の合成法として
は、乳酸をオリゴマー化した後、解重合して環状二量体
であるラクチドを単離し、このラクチドを溶融開環重合
せしめて得る方法が知られている。また、天然繊維とし
ては、綿,麻等のセルロース系繊維、羊毛や絹等の蛋白
質繊維を用いる。
【0012】そして、本発明の布帛としては、 A)ポリ乳酸繊維100%からなるもの、 B)ポリ乳酸繊維と天然繊維とを用いて得た混紡糸から
なる織編物、 C)ポリ乳酸繊維からなる糸と天然繊維からなる糸を交
織又は交編して得た織編物 等が挙げられる。なお、ポリ乳酸繊維は、フィラメント
の状態で用いても、又は切断してステープルファイバー
の状態とした後、紡績糸にして用いてもよい。
【0013】本発明の防炎性布帛は、上記の様なポリ乳
酸繊維を含有する布帛にエキソ多糖類ポリマーを含有す
る処理剤を付与するものであり、エキソ多糖類ポリマー
の例としては、キトサン、デキストラン、キサンタンガ
ム、ゲランガム、ウエランガム、プルラン、カードラ
ン、シゾフィラン、スクレログルカン、レバン、スフィ
ンガン等が挙げられる。
【0014】特に、上記エキソ多糖類ポリマーの中で
も、第二の発明として記載の様に、キサントモナス属に
属する微生物によって生産された発酵液から析出された
ものが好適である。キサントモナス属に属する菌株とし
ては、カンペストリス種、アルビリニアンズ種、フラン
ガリア種、ベシカトリア種、カロタテ種、インカナエ
種、ベゴニアエ種、パパベリコラ種、トランセルセンス
種、バスクロルム種、ヘデラエ種等が使用可能である。
そして、以上のような防炎加工成分を水で希釈し、防炎
処理剤とするのである。
【0015】また、本発明の処理剤は、防菌・防黴処理
が施されているとより好ましく、この場合繊維に付与し
た後の菌類の繁殖を抑えることが可能となる。
【0016】以上のような防炎加工液をポリ乳酸繊維布
帛に付与するにあたっては、防炎加工液の有効成分であ
るエキソ多糖類ポリマーの付着量が、布帛重量に対し5
〜100重量%となるようにせしめ、その後乾燥する。
このとき、付与方法としてはパッドドライ法又はスプレ
ー法が好適である。また、乾燥時の温度は115℃以下
であることが好ましい。
【0017】上記の様して得られたポリ乳酸を高温で溶
融し、これを紡糸ノズルより空中に押し出して紡糸し、
ポリ乳酸繊維フィラメントを得た後、該ポリ乳酸繊維フ
ィラメントを38mmの繊維長に切断してポリ乳酸繊維
ステーブル・ファイバーを得た。該ステーブル・ファイ
バーの強度は4.0g/d、伸度は35%、弾性率は5
20kg/mm2であった。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0019】まず、防炎性評価用の布帛を得るために、
光学純度90%,融点170℃のポリ乳酸を主成分とす
る樹脂を用い、平均繊維長38mm、平均繊度1.3d
のステープルを製造してポリ乳酸短繊維とし、該ポリ乳
酸短繊維50重量%と綿50重量%とを混綿し、通常の
紡績工程に供給して40番手単糸を紡出した。そして、
該単糸を用いて、経130本/cm、緯70本/cmの
平織物を製造し、これを35×25cmに裁断して、試
験布とした。
【0020】次に、キサントモナス属・カンペストリス
種の菌から生産された多糖類ポリマーを水で10倍に希
釈・撹拌して防炎加工液とした。続いて、上記の未加工
ポリ乳酸繊維布帛に、防炎加工液が80重量%となる様
付与し、次いで室温にて乾燥せしめて、これを実施例1
の布帛とした。。
【0021】続いて、未加工の上記平織物を比較例1と
し、上記実施例1と比較例1の布帛について、JIS
L−1091に規定されるA−1法(45°ミクロバー
ナー1分間加熱)にて燃焼試験を行った。以下にその結
果を示す。
【0022】
【表1】 炭化面積:32cm2以下であれば合格 接炎回数:3回以上であれば合格
【0023】
【発明の効果】以上の説明の様に、本発明の方法によれ
ば、未加工の布帛に比べ、防炎性能に優れ、なおかつ天
然物を主成分としているので、生態系等に与える悪影響
の心配がないのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸繊維単独、又はポリ乳酸繊維と
    天然繊維からなる布帛の表面に、エキソ多糖類ポリマー
    が付与されていることを特徴とする防炎性布帛。
  2. 【請求項2】 上記エキソ多糖類ポリマーが、キサント
    モナス(Xanthomonas)属に属する微生物に
    よって生産されたものであることを特徴とする上記請求
    項1に記載の防炎性ポリ乳酸繊維布帛。
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