JP2001181953A - 複合不織布の製造方法および製造装置 - Google Patents

複合不織布の製造方法および製造装置

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JP2001181953A
JP2001181953A JP37150199A JP37150199A JP2001181953A JP 2001181953 A JP2001181953 A JP 2001181953A JP 37150199 A JP37150199 A JP 37150199A JP 37150199 A JP37150199 A JP 37150199A JP 2001181953 A JP2001181953 A JP 2001181953A
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cylindrical
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composite nonwoven
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JP37150199A
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Masaru Ishida
大 石田
Toshio Ota
利男 太田
Tadayoshi Kato
忠義 加藤
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方向には大きな伸縮性を有して他の方向に
は剛性を有する、不織布とエラストマーとの複合不織布
を簡便かつ効率よく製造することを可能にする。 【解決手段】 ウェブ7をその幅方向に湾曲させて円筒
状にするためのフォーミング部が筒状化ガイド21と円
筒ガイド22からなり、円筒ガイド22の内側に、ダイ
回転用モータ11によって回転する回転ダイ3が配置さ
れる。ウェブ7は、複数のフィラメントがウェブ7の長
さ方向とほぼ平行な方向に配列されてなる。押出機1か
らの圧力によって回転ダイ3のノズル5から溶融状態の
エラストマーを円筒ガイド22内の円筒状のウェブ7の
内面に向けて押し出しつつ回転ダイ3を回転させる。ウ
ェブ7のフィラメントの配列方向とほぼ交差する方向に
延びる弾性体ストランド10がウェブ7上に積層されて
なる円筒状の複合不織布8が作製され、円筒状の複合不
織布8をカッター24a,24bによって平面形状に展
開する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィラメントがほ
ぼ一方向に配列されてなる不織布上に弾性体が積層され
た複合不織布の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不織布と弾性体との複合シートに
関しては各種の提案がなされている(例えば、特開平8
−174764号公報、特開平9−132856号公
報、特開平9−279453号公報、特開平11−22
2759号公報)。特開平8−174764号公報に
は、熱可塑性樹脂からなる特定の延伸長繊維ウェブと伸
縮性エラストマー層との少なくとも2層を積層してな
る、伸縮方向が規制された複合体が記載されている。延
伸長繊維ウェブは、熱可塑性樹脂を紡糸して形成された
長繊維ウェブを一方向に延伸し、かつそのウェブの繊維
をほぼ一方向に配列してなるものである。
【0003】特開平9−132856号公報に記載され
た伸長性スパンボンド不織布は、極めて小さい応力で横
方向に優れた延びを発現し、かつ優れた表面強度と風合
いを有するようなものである。この伸長性スパンボンド
不織布を作製する際には、まず、熱可塑性樹脂を溶融紡
糸して得られた連続長繊維フィラメント群をエジェクタ
ーにより高速高圧エアーで延伸しながら引き取り、開繊
し、捕集用の支持体上に捕集、集積させることでウェブ
を形成する。そして、このウェブに規則的で断続的な第
1の自己融着区域を有する連続長繊維スパンボンド不織
布を縦方向に、延伸前の不織布の幅と延伸後の不織布の
幅との比が100:90〜100:50となるように延
伸し、延伸後の不織布の幅を維持しながら加熱ロールに
より、規則的で断続的な第2の自己融着区域を設けて形
成される。具体的には、スパンボンド不織布を軽くエン
ボス加工した後に、縦方向に延伸して幅を縮め、さらに
エンボス加工している。
【0004】特開平9−279453号公報には、一方
向だけ伸縮性を有する不織布、およびその不織布を簡便
で効率的に製造することが可能な製造方法が記載されて
いる。この不織布の製造方法では、まず、主として熱可
塑性樹脂の繊維からなる不織布を作製する。次に、この
未延伸原反を、延伸温度が樹脂の融点より60℃低い温
度から融点より10℃低い温度の間の温度で、また延伸
倍率が1.4〜4.0、かつニップロール間隔が未延伸
原反幅の0.5〜10倍の条件で一軸延伸をする。これ
により、一方向だけ伸縮性を有する不織布が製造され
る。
【0005】特開平11−222759号公報には、長
繊維フィラメントからなる伸張性不織布と伸縮性エラス
トマーとを積層してなる複合伸張性不織布が記載されて
いる。その複合伸張性不織布を構成する伸張性不織布
は、少なくとも一方向に3倍以上延伸してなる不織布で
あり、主として3μm以上15μm以下の径を有する長
繊維フィラメントからなり、かつ延伸方向に対して直角
方向に伸張した場合、伸張応力が低下することなく15
0%以上拡張可能なものである。複合伸張性不織布のエ
ラストマーの形態としては、フィルム、不織布、発泡体
等が使用され、エラストマー層と延伸不織布との積層接
合方法としては、押出ラミネーションや接着剤による複
合、エラストマー溶液の塗布等の手段が用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の複合シートは、単純な弾性体と不織布との複合
シートであり、弾性体および不織布それぞれの方向性に
ついての規制が不十分であった。従って、これらの複合
シートは、伸縮特性が悪いものであった。さらに、上記
の複合シートの製法は、接合工程が複雑であり、効率よ
く安価に複合シートを製造することができなかった。特
に熱可塑性エラストマーの使用量を少なくしかつ効率よ
く接合することが望まれている。
【0007】また、伸縮性を有する複合シートとして、
使用される製品の部所に応じて、縦方向あるいは横方向
のいずれか一方向にのみ伸縮性が必要な複合シートが要
望されている。
【0008】従来の複合シートでは、不織布が短繊維か
らなるカードウェブやエアレイドウェブを使用したもの
である場合、一方向にのみ伸びるように製造すると、表
面強度が弱く短繊維の抜けが発生するという欠点があっ
た。また、このような複合シートは製造するのに時間を
要するため生産性に劣り、コスト高となる問題があっ
た。また、不織布の目付重量を小さくすると、必要な強
度が得られず、目付重量を10g/m3以下とした場
合、一般的な装置では引っ張り強度が不足し十分な張力
がかけられないため、加工時に破断や変形が起こり、加
工が困難であるといった問題があった。
【0009】また、この分野の先行技術として特開平9
−132856号公報に記載されているような、スパン
ボンド不織布を軽くエンボス加工した後に、縦方向に延
伸して幅を縮め、さらにエンボス加工する方法では、2
回のエンボス工程が必要であるので、工程が複雑でかつ
作業性が悪い。また、横方向の伸びを一定に保つために
は、エンボス条件が微妙であるために、安定した物性が
得られないことが多い。また、不織布を幅方向に縮ませ
るので、両側端での厚みが厚くなる傾向があり、結果的
に、厚みが幅方向に均一な製品を製造することが困難と
なり、歩留まりが低下するといった欠点があった。
【0010】特開平9−279453号公報および特開
平9−279460号公報も、この分野の先行技術を開
示したものであるが、これらの公報に開示されたものは
延伸方法が適当でなく、幅の収縮を伴う延伸である点
で、前記特開平9−132856号公報と同様に、均一
な製品が得られにくく、歩留まりが低いという問題を有
している。これらの発明は、熱可塑性エラストマーと複
合することなく、不織布単体で伸縮性を出すための種々
の要件を求めている。またこれらの発明は、延伸倍率を
1.4〜4倍としているが、上記のように幅の縮小を伴
うことを考慮すると、次で定義する延伸倍率として2倍
以下であると想定できる。
【0011】ここで、上記の延伸倍率は、延伸前のウェ
ブの延伸方向に所定の間隔で付与したマークにより、以
下の式で定義することができる。延伸倍率=〔延伸後の
マーク間の長さ〕/〔延伸前のマーク間の長さ〕この延
伸倍率は、通常の長繊維フィラメントヤーンの延伸のよ
うに、必ずしも個々のフィラメントの延伸倍率を意味し
ない。
【0012】また、従来の不織布とエラストマーとの接
合体は、それぞれの工程で成形されたエラストマーを、
別工程で接合することにより製造されていた。しかしな
がら、このような方法では、エラストマー製品は一旦巻
き取られて次工程へ送られ、その後、再び繰り出して次
工程の装置に供給される。これら巻き取りおよび繰り出
しでは、伸縮性のあるエラストマー製品に張力を与える
ことになるため、エラストマー製品の取り扱いが困難で
あり、効率良い製造方法とは言えなかった。
【0013】本発明の目的は、一方向には大きな伸縮性
を有するが、他の方向には殆ど伸縮せずに剛性を有す
る、不織布と弾性体との複合不織布を簡便かつ効率よく
製造することが可能な複合不織布の製造方法および製造
装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、フィラメントがほぼ一方向に配列されて
構成された前記一方向に剛性を有する不織布上に、前記
フィラメントの配列方向と交差する方向に延びる弾性体
のストランドが積層されてなる複合不織布の製造方法で
あって、前記不織布の前記フィラメントの配列方向と交
差する方向に前記不織布を湾曲させて前記不織布を円筒
状にした状態で、前記不織布を前記フィラメントの配列
方向と略平行な方向に搬送する工程と、円筒状の前記不
織布の内側に配置されたノズル部内で可塑化された状態
にある前記弾性体の材料に圧力をかけることで、可塑化
された前記弾性体の材料を前記ノズル部から円筒状の前
記不織布の内面に向けて押し出すことにより前記弾性体
のストランドを紡糸しつつ、円筒状の前記不織布の中心
軸をほぼ中心にして前記ノズル部を回転させる工程とを
有する。
【0015】また、可塑化された前記弾性体の材料が前
記ノズル部から押し出されることにより紡糸された前記
弾性体のストランドが円筒状の前記不織布の内面に積層
されてなる円筒状の複合不織布を、円筒状の該複合不織
布の中心軸と平行な線に沿って一個所ないし複数個所で
連続的に切り開き、円筒状の前記複合不織布を平面形状
に展開する工程をさらに有していてもよい。さらに、可
塑化された前記弾性体の材料を前記ノズル部から押し出
す工程の前に、前記弾性体の材料を熱または可塑剤によ
って可塑化する工程を有することが好ましい。
【0016】さらに、本発明は、フィラメントがほぼ一
方向に配列されて構成された前記一方向に剛性を有する
不織布上に、前記フィラメントの配列方向と交差する方
向に延びる弾性体のストランドが積層されてなる複合不
織布の製造装置であって、前記不織布の前記フィラメン
トの配列方向と交差する方向に前記不織布を湾曲させる
ことにより前記不織布を円筒状にするフォーミング部
と、前記フォーミング部により円筒状になった前記不織
布を前記フィラメントの配列方向と略平行な方向に搬送
する搬送手段と、前記搬送手段により移動する円筒状の
前記不織布の内側で、円筒状の前記不織布の中心軸をほ
ぼ中心にして回転し、可塑化された前記弾性体の材料を
吐出するノズル部と、可塑化された前記弾性体の材料を
前記ノズル部に向けて押し出して前記ノズル部内に前記
弾性体の材料を供給することにより、前記ノズル部内で
可塑化された状態にある前記弾性体の材料が円筒状の前
記不織布の内面に向かって前記ノズル部の外部へと押し
出されるように、前記ノズル部内で可塑化された状態に
ある前記弾性体の材料に圧力をかける押出手段とを有す
る。
【0017】さらに、可塑化された前記弾性体の材料が
前記ノズル部から押し出されることにより紡糸された前
記弾性体のストランドが円筒状の前記不織布の内面に積
層されてなる円筒状の複合不織布を、円筒状の該複合不
織布の中心軸と平行な線に沿って切り開いて平面形状に
展開するための少なくとも1つの切断手段をさらに有し
ていてもよい。具体的には、前記ノズル部が、熱または
可塑剤によって可塑化された前記弾性体の材料を吐出す
るものである。
【0018】上記の通りの発明では、不織布上に弾性体
のストランドが積層されてなる複合不織布を製造する際
に、まず、フィラメントがほぼ一方向に配列されて構成
された一方向に剛性を有する不織布を、フォーミング部
等によってそのフィラメントの配列方向と交差する方向
に湾曲させて円筒状にする。そして、そのように不織布
を円筒状にした状態で、その不織布を搬送手段等によっ
てフィラメントの配列方向とほぼ平行な方向に搬送す
る。次に、フィラメントの配列方向と略平行な方向に移
動する円筒状の不織布の内側に配置されたノズル部内に
向けて、可塑化された状態にある弾性体の材料を押出手
段により押し出し、その弾性体の材料をノズル部内に供
給する。これにより、ノズル部内で可塑化された状態に
ある弾性体の材料に圧力がかかって、ノズル部内のその
弾性体の材料が、円筒状の不織布の内面に向かって前記
ノズル部の外部へと押し出される。このように円筒状の
不織布の内側にあるノズル部から、可塑化された弾性体
の材料を不織布に向けて押し出しつつ、円筒状の前記不
織布の中心軸をほぼ中心にして前記ノズル部を回転させ
る。可塑化された弾性体の材料がノズル部から吐出され
ることにより弾性体のストランドが紡糸され、また、上
記のように円筒状の不織布の内側でノズル部が回転する
ことにより、弾性体のストランドが不織布のフィラメン
トの配列方向と交差する方向に延びるように、その弾性
体のストランドが円筒状の不織布の内面に積層される。
以上の工程を経て、フィラメントがほぼ一方向に配列さ
れてなる不織布上に、そのフィラメントの配列方向と交
差する方向に延びる弾性体のストランドが積層されてな
る複合不織布が製造される。その後、円筒状の不織布の
内面に弾性体のストランドが積層されてなる円筒状の複
合不織布を、円筒状の該複合不織布の中心軸と平行な線
に沿って一個所ないし複数個所で連続的に切り開き、円
筒状の前記複合不織布を平面形状に展開する。このよう
な方法および装置により製造された複合不織布は、複合
不織布を構成する前記不織布のフィラメントの配列方向
に剛性を有し、そのフィラメントの配列方向と交差する
方向、すなわち弾性体のストランドが延びる方向に大き
な伸縮性を有している。従って、この複合不織布は、一
方向に殆ど変形しないが、その一方向と交差する方向に
は大きく変形可能である。上記の製造方法および製造方
法によれば、このような伸縮特性を有する複合不織布
を、不織布の目付量および弾性体の使用量を少なくして
歩留まりよく、簡便かつ効率よく製造することができ
る。
【0019】なお、本発明において、複合シートの伸縮
方向や、フィラメントの配列方向および延伸方向等を説
明する場合に用いる「縦方向」とは、不織布を製造する
際、あるいは不織布とエラストマーとを接合する際の機
械方向すなわち不織布の送り方向を意味し、「横方向」
とは、その縦方向と直角な方向、すなわち不織布の幅方
向を意味する。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態に係る複合不
織布の製造装置の一部を示す断面図である。本実施形態
の複合不織布の製造装置では、図1に示すように、ゴム
弾性体の材料を溶融状態で押し出す押出手段である押出
機1に、供給管2a,2bおよびクロスヘッド4を介し
て回転可能な回転ダイ3が接続されている。押出機1の
一端部に、重力方向に対してほぼ垂直な一方向に延びる
供給管2aの一端部が接続され、供給管2aの他端部に
クロスヘッド4を介して供給管2bの一端部が接続され
ている。供給管2bは、重力方向および供給管2aのそ
れぞれに対してほぼ垂直な一方向に延びており、その供
給管2bの他端部に、図1に示される矢印Aの方向に回
転する回転ダイ3が配置されている。
【0022】回転ダイ3は円柱状のものであり、回転ダ
イ3の中心軸と供給管2bの中心軸とがほぼ同一直線状
にある。この回転ダイ3は、その中心軸を中心に回転し
つつ、弾性体の材料であるエラストマーを溶融状態で糸
状に押し出すことにより、エラストマーをストランド状
に成形すると共にストランド状のエラストマーを不織布
上に積層するための部分である。回転ダイ3の内部に
は、供給管2a、クロスヘッド4および供給管2bのそ
れぞれの内部を通して、押出機1から押し出された溶融
状態のエラストマーが供給される。
【0023】一方、クロスヘッド4における供給管2b
側と反対側の面には、回転ダイ3を回転させるための駆
動手段としてダイ回転用モータ11が取り付けられてい
る。ダイ回転用モータ11の回転軸には、クロスヘッド
4および供給管2bのそれぞれの内部を貫通した動力伝
達用の回転軸を介して回転ダイ3が接続されている。よ
って、ダイ回転用モータ11の駆動動作に伴って回転ダ
イ3が回転する。本実施形態では、クロスヘッド4およ
び供給管2bの内部に動力伝達用の回転軸を配置させた
が、その回転軸を用いず、ダイ回転用モータ11によっ
て供給管2bが回転されるようにクロスヘッド4および
供給管2bを構成し、その供給管2bの先端に回転ダイ
3を固定してもよい。あるいは、回転ダイ3と一体の回
転軸を延長して、その回転軸にプーリーを取り付け、こ
のプーリーをベルトドライブ等で回転駆動させてもよ
い。
【0024】回転ダイ3の側面には、その円周に沿って
並ぶ複数のノズル5が形成されている。それぞれのノズ
ル5からは、押出機1より回転ダイ3の内部に供給され
た溶融状態のエラストマーが、回転ダイ3の回転中心軸
に対してほぼ垂直な方向に向けて回転ダイ3の外部へと
糸状に押し出される。本実施形態では、回転ダイ3にノ
ズル5が複数形成されているが、ノズル5は回転ダイ3
に少なくとも1つ形成されていればよい。回転ダイ3に
ノズル5を複数形成する場合には、後述するように不織
布であるウェブ7上に積層される弾性体ストランド10
の配列ピッチ等に応じてそれらのノズル5を配置すれば
よい。
【0025】本実施形態では、回転ダイ3として円柱状
のものを用いたが、回転ダイ3の形状は円柱状以外のど
のようなものであってもよい。例えば回転ダイ3の形状
が、ウェブ7の搬送方向に対して垂直な方向の断面形状
が矩形となるような直方体であり、その直方体のそれぞ
れの側面にノズル5が形成されていてもよい。さらに、
本実施形態では供給管2a,2bおよびクロスヘッド4
を介して押出機1に回転ダイ3が接続されているが、供
給管2a,2bおよびクロスヘッド4を用いずに1つの
曲管を介して押出機1に回転ダイ3を接続してもよい。
すなわち、押出機1と回転ダイ3とを接続する構造は、
回転ダイ3が回転するように構成されていればどのよう
なものであってもよい。
【0026】回転ダイ3のノズル5から押し出すエラス
トマーとしては、すなわち不織布上に積層させる弾性体
の材料としては、ポリオレフィン系、合成ゴム、ポリエ
ステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等の熱可塑性
エラストマーが使用される。これらのうち、スチレンと
オレフィン系モノマーとが共重合された合成ゴム系やポ
リウレタン系が高倍率に伸縮しかつ伸縮時の応力が小さ
い点で、本発明における熱可塑性エラストマーとして好
適である。特にSEBSの合成ゴムが最適である。
【0027】本実施形態では弾性体の材料として、熱に
より可塑化される熱可塑性エラストマーを用い、溶融状
態にして可塑化された熱可塑性エラストマーをノズル5
から押し出しているが、弾性体の材料に溶媒等の可塑剤
を付与して弾性体の材料を可塑化させ、その弾性体の材
料を濃厚ドープとして回転ダイ3のノズル5から押し出
してもよい。そのように可塑剤により可塑化された粘度
の低いドープを、ギヤポンプ等の押出機により回転ダイ
3の内部に向けて安定して押し出し、その押し出す圧力
によって、可塑化された弾性体の材料をノズル5から噴
出させることも可能である。従って、弾性体の材料を可
塑剤によって可塑化する場合には、押出機1の内部また
は押出機1の外部で弾性体の材料に可塑剤を付与する工
程が必要になる。弾性体の材料を熱によって可塑化する
際にも、押出機1の外部で弾性体の材料を溶融させ、溶
融状態の弾性体の材料を押出機1の内部に供給してもよ
く、あるいは押出機1内で弾性体の材料を溶融させても
よい。
【0028】その回転ダイ3は、ウェブ7をその幅方向
に湾曲させてウェブ7を円筒状にするためのフォーミン
グ部の一部を構成する円筒ガイド22の内部に配置され
ている。回転ダイ3の中心軸は円筒ガイド22の中心軸
とほぼ同一直線状にあり、回転ダイ3の側面と円筒ガイ
ド22の内面との間には間隔がある。回転ダイ3と円筒
ガイド22との間をウェブ7が通過するように、すなわ
ち円筒ガイド22の中心軸と平行な方向にウェブ7が円
筒ガイド22内を移動するように、ウェブ7が搬送手段
によって一方向に搬送される。
【0029】円筒ガイド22におけるウェブ7の搬送方
向上流側の端面には、円筒ガイド22内でウェブ7が円
筒状になるようにそのウェブ7を案内する筒状化ガイド
21が接続されている。筒状化ガイド21に向けて上流
側から搬送されてきたウェブ7は、その筒状化ガイド2
1によって案内されて、ウェブ7の一面が円筒ガイド2
2の内面に接するように円筒ガイド22内へと導かれ
る。この筒状化ガイド21と円筒ガイド22とから、ウ
ェブ7を湾曲させてウェブ7を円筒状にするフォーミン
グ部が構成されている。ウェブ7の幅は円筒ガイド22
の内周長よりも若干長くなっており、筒状化ガイド21
により案内されて円筒ガイド22内に導かれたウェブ7
は、その両側端同士が重なるように円筒ガイド22の内
周面によって円筒状にフォーミングされる。
【0030】筒状化ガイド21におけるウェブ7の搬送
方向上流側の端部の近傍には、心棒6にロール状に巻か
れたウェブ7が配置されている。心棒6は回動可能に支
持されており、ロール状に巻かれたウェブ7が心棒6と
共に回転することでウェブ7のロールからウェブ7が巻
き出される。巻き出されたウェブ7は筒状化ガイド21
へと搬送される。
【0031】ウェブ7は、複数のフィラメントがウェブ
7の長さ方向とほぼ平行な方向に配列されて構成されて
いて、ウェブ7の長さ方向に剛性を有している。従っ
て、ウェブ7のフィラメントはウェブ7の縦方向とおお
よそ平行となるように、ほぼ一方向に配列されている。
ウェブ7を構成するフィラメントは長繊維フィラメント
であり、ここでいう長繊維フィラメントとは、実質的に
長繊維であればよく、すなわち平均長さが100mmを
越えているものをいう。また、フィラメントの径が50
μm以上では剛直で交絡が不十分になる。望ましくは3
0μm以下、さらに望ましくは25μm以下である。特
に強度の強い不織布を目的とする場合は、フィラメント
径が5μm以上であることが望ましい。フィラメントの
径および長さは、顕微鏡写真により測定する。
【0032】ウェブ7のフィラメントは、その配列方向
に延伸されていてもよく、そのようにフィラメントを延
伸しておくことによって、フィラメントの強度を高く
し、ウェブ7の縦方向の剛性を高くさせることができ
る。
【0033】ウェブ7のフィラメントに適合するポリマ
ーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタ
ン、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの変性
樹脂等を使用することができる。また、ポリビニルアル
コール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂等、湿式ま
たは乾式の紡糸手段を適用し得る樹脂も使用することが
でき、特に、ポリエステル、ポリプロピレンが好まし
い。
【0034】上述したフォーミング部では、ウェブ7が
筒状化ガイド21に向けて搬送されて、筒状化ガイド2
1にウェブ7が達した際に、筒状化ガイド21の内面に
ウェブ7の一面が接しながら円筒ガイド22内にウェブ
7が案内される。そして、案内されたウェブ7が円筒ガ
イド22の内面全体に接触することで、ウェブ7のフィ
ラメントの配列方向と交差する方向にウェブ7が湾曲
し、湾曲したウェブ7は、円筒ガイド22内の円筒状の
形状に対応して円筒状の形状になる。従って、円筒ガイ
ド22内のウェブ7におけるフィラメントの配列方向と
ほぼ直交する方向の断面形状は、円筒ガイド22の内面
の断面形状と同様に円形となる。
【0035】一方、上述したように構成された回転ダイ
3では、押出機1によって供給管2a、クロスヘッド4
および供給管2bのそれぞれの内部を通して回転ダイ3
内の溶融状態のエラストマーに圧力がかかる。これによ
り、回転ダイ3内で溶融状態にあるエラストマーが回転
ダイ3のそれぞれのノズル5を通して糸状に押し出され
て、エラストマーのストランドが紡糸される。ここで、
円筒ガイド22の内側に配置された回転ダイ3のそれぞ
れのノズル5は、ダイ回転用モータ11による回転ダイ
3の回転動作に伴って円筒ガイド22の中心軸を中心に
回転する。従って、回転ダイ3のノズル5から溶融状態
のエラストマーが糸状に押し出されてなるエラストマー
のストランドは、ウェブ7の幅方向とほぼ平行な方向に
延びるように、円筒ガイド22内で円筒状のウェブ7の
内面に積層される。
【0036】ウェブ7の搬送経路における円筒ガイド2
2よりも下流側には、円筒ガイド22の内部から搬出さ
れた円筒状のウェブ7を挟み込むことでウェブ7を下流
側へと送り出すための一対のローラ23が配置されてい
る。一対のローラ23の間にウェブ7を挟み込ませてそ
れらのローラ23を回転させることより、ウェブ7が搬
送方向下流側へと送り出され、そのように一対のローラ
23によりウェブ7を送り出す力によって、心棒6に巻
かれたウェブ7が巻き出される。これら一対のローラ2
3と、一対のローラ23のうちの少なくとも一方を回転
させる駆動手段とから、ウェブ7を搬送する搬送手段が
構成されている。
【0037】本実施形態では、一対のローラ23のそれ
ぞれを、その中心軸がウェブ7の搬送方向および重力方
向のそれぞれに対してほぼ垂直になるように配置させて
いる。従って、円筒ガイド22内から搬出された円筒状
のウェブ7が一対のローラ23の間に挟み込まれた際
に、ウェブ7が重力方向に2層積層される形で、円筒状
のウェブ7が平面形状に潰される。よって、一対のロー
ラ23の間では、円筒状になる前のウェブ7の幅方向の
中央部またはその近傍と、円筒状にされたウェブ7にお
ける両側端同士がわずかに重なった部分またはその近傍
とでそれぞれ、ウェブ7が折り返される。その結果、円
筒状にされたウェブ7における両側端同士が重なった部
分が、ローラ23によって平面形状に潰されたウェブ7
の幅方向の一端部に配置され、円筒状になる前のウェブ
7の幅方向の中央部が、ローラ23によって平面形状に
潰されたウェブ7の幅方向の他端部に配置される。平面
形状に潰されたウェブ7の幅方向の一端部、すなわち、
円筒状にされたウェブ7における両側端同士が重なった
部分は、一対のローラ23の間を通り過ぎた後に、後述
するカッターによって切断されて除去される。
【0038】また、一対のローラ23よりもさらに下流
側には、一対のローラ23により送り出されたウェブを
切断するための一対のカッター24a,24bが配置さ
れている。一対のカッター24a,24bはそれぞれ、
円筒状のウェブ7の内面に弾性体のストランドが積層さ
れてなる円筒状の複合不織布8を、その中心軸と平行な
線に沿って連続的に切り開いて、その複合不織布8を平
面形状に展開する切断手段である。カッター24aが、
ローラ23によって平面形状に押し潰されて送り出され
た複合不織布8の幅方向の一端部に配置され、カッター
24bが、その複合不織布8の幅方向の他端部に配置さ
れている。
【0039】カッター24aは、一対のローラ23によ
って平面形状に潰された複合不織布8の表面に対してほ
ぼ垂直になっている。このカッター24aは、ローラ2
3を通過した複合不織布8の幅方向一端部を切断するこ
とにより、円筒状にされたウェブ7における両側端同士
がわずかに重なった部分を切り捨てるためのものであ
る。一方、カッター24bは、一対のローラ23によっ
て平面形状に潰された複合不織布8の表面とほぼ平行に
なっている。このカッター24bは、ローラ23を通過
した複合不織布8の幅方向の他端部でその複合不織布8
の折り返し部分を切断することにより、2層積層された
状態にある複合不織布8を2枚に分離するためのもので
ある。
【0040】それぞれのローラ23の中心軸が重力方向
と平行になるようにそれらのローラ23を配置した場合
等には、そのローラ23の姿勢に応じてそれぞれのカッ
ター24a,24bを配置させればよい。本実施形態で
は、ローラ23の下流側に一対のカッター24a,24
bを配置させたが、円筒状の複合不織布8を展開するた
めに少なくとも1つのカッターがローラ23の下流側に
配置されていればよい。あるいは、円筒状の複合不織布
8を展開して得られる平面形状の複合不織布8の幅を所
定の寸法にするためや、3枚以上の複合不織布8を得る
ために、3つ以上のカッターをローラ23の下流側に配
置させてもよい。
【0041】次に、上述したように構成された製造装置
を用いて複合不織布を製造する工程について説明する。
【0042】まず、一対のローラ23によってウェブ7
のロールからウェブ7を巻き出しつつ、巻き出されたウ
ェブ7が筒状化ガイド21に向けて搬送方向下流へと搬
送される。筒状化ガイド21に達したウェブ7は、筒状
化ガイド21によって案内されて円筒ガイド22の内部
へと導かれ、円筒ガイド22の内面の形状によって円筒
状に湾曲される。ここで、円筒状にされたウェブ7で
は、上述したようにウェブ7の両側端同士がわずかに重
なっている。次に、円筒ガイド22の内側、すなわち円
筒状のウェブ7の内側で回転ダイ3のノズル5より、押
出機1からの圧力によって溶融状態のエラストマーを糸
状に押し出しつつ、その回転ダイ3を円筒状のウェブ7
の中心軸を中心に回転させる。
【0043】このように溶融状態のエラストマーが回転
ダイ3のノズルから糸状に吐出されることによりエラス
トマーのストランドが紡糸される。そして、そのように
エラストマーのストランドを紡糸しつつ回転ダイ3のノ
ズル5を回転させると共に、ウェブ7を一対のローラ2
3により搬送することにより、円筒状のウェブ7の内周
面にエラストマーのストランドが螺旋状に接合される。
よって、ノズル5により紡糸されたエラストマーのスト
ランドが、ウェブ7のフィラメントの配列方向と交差す
る方向に延びるように、そのエラストマーのストランド
がウェブ7上に積層される。これにより、図1に示すよ
うに、ノズル5によって紡糸された糸状のエラストマー
が固化してなる弾性体ストランド10がウェブ7上に積
層され、その結果、フィラメントがほぼ一方向に配列さ
れてなるウェブ7上に、そのフィラメントの配列方向と
交差する方向に延びる弾性体ストランド10が積層され
てなる円筒状の複合不織布8が作製される。
【0044】次に、円筒状の複合不織布8は一対のロー
ラ23の間に挟まれて潰されることで、円筒状の複合不
織布8の内面にある弾性体ストランド10の層の面同士
が接触する。よって、一対のローラ23の間から送り出
された複合不織布8は、その複合不織布8が2枚積層さ
れた形で平面形状になっている。ここで、一対のローラ
23等によって複合不織布8を加熱することにより、2
層の複合不織布8からなるウェブの内部で、互いに接触
する弾性体ストランド10の層の面同士を接合すること
もできる。
【0045】本実施形態では、円筒ガイド22からカッ
ター24までの間で複合不織布8を加熱してはいないの
で、一対のローラ23の間から送り出されたウェブの内
部では、弾性体ストランド10の層の面同士が接合され
ておらず、分離可能となっている。よって、一対のロー
ラ23の下流側で、複合不織布8の層が2つ積層された
形のウェブの両端部のそれぞれで、カッター24a,2
4bによって円筒状の複合不織布8の中心軸とほぼ平行
な線に沿って複合不織布8を切断して切り開くことによ
り、円筒状になっていた複合不織布8が、図1に示され
るように平面形状に展開される。この工程により、円筒
状であった複合不織布8が2枚に分離されて、ウェブ状
の2枚の複合不織布8が得られる。ここでは、平面形状
の複合不織布8の一端部がカッター24bによって切り
捨てられることにより、ウェブ7が円筒状にされた段階
でのウェブ7における両側端同士が重なった部分が、展
開されて分離された2枚の複合不織布8から分離されて
除去されている。カッター24aまたは24bのいずれ
か一方のみを用いた場合には、円筒状の複合不織布8が
1個所のみで切断されるので、切断後の複合不織布8を
広げることにより1枚の複合不織布8が得られる。
【0046】本実施形態のように円筒状にフォーミング
されたウェブ7の内面に向けて、可塑化された樹脂弾性
体の材料をスパイラル状に紡糸する方法として、押出機
1等によりノズル5内の樹脂弾性体の材料に圧力をかけ
ずに、ノズルの回転による遠心力のみによって、可塑化
された樹脂弾性体をノズルから吐出させることも考えら
れる。しかしながら、遠心力のみによってノズルから溶
融樹脂または濃厚ドープを吐出させて弾性体のストラン
ドを紡糸する場合、次に説明するいくつかの制約があ
る。まず、可塑化された樹脂を吐出させるためのドライ
ブフォースとして遠心力のみを使用する場合、ノズルか
ら吐出された樹脂の十分な吐出速度を得ることが難し
い。回転半径をrとし、角速度をωとすると、遠心力は
rω2に比例してしか大きくできないため、樹脂弾性体
材料の吐出速度を大きくするためには、ノズルを有する
ダイスの回転数を上げるか、ダイスの実効径を大きくす
るしかない。
【0047】しかしながら、ダイスの回転数を上げる
と、その回転数に応じて装置を構成しなければならない
ため、装置上の困難が増してしまう。また、いずれの手
段を取るにしても、単位時間当たりの樹脂の吐出量が増
加する方向にある。このため、遠心力のみを利用する方
法では、吐出能力の低い小口のノズルから樹脂を吐出さ
せる製造装置を作製することが原理的に不可能である。
樹脂の吐出を抑えるために回転ダイスのノズルの径を絞
ると、結果として吐出抵抗が増してしまうため、吐出抵
抗の増加に対抗するためにさらに遠心力を上げなければ
ならなくなり、技術的に矛盾に陥ってしまう。よって、
本実施形態のように押出機1による圧力と、回転ダイ3
の回転による遠心力とによって回転ダイ3のノズル5か
ら樹脂を押し出すことにより、小口のノズル5でも十分
な吐出速度で良好に樹脂を吐出させることができる。
【0048】以上で説明した工程を経て製造された複合
不織布8は、ウェブ7のフィラメントが縦方向に配列さ
れているのでその縦方向に剛性を有し、かつその縦方向
と交差する横方向、すなわち弾性体ストランド10が延
びる方向とほぼ平行な方向に大きな伸縮性を有してい
る。従って、この複合不織布8は、一方向に殆ど変形し
ないが、その一方向と交差する方向には大きく変形可能
である。
【0049】このように本実施形態では、ウェブ7が送
られる過程でエラストマーのストランドを形成しつつ、
ウェブ7にエラストマーを直接接合している。より詳し
くは、エラストマーのストランドを成形する過程で、エ
ラストマーがまだ凝固していない段階で糸状のエラスト
マーをウェブ7に到達させ、ウェブ7に到達したエラス
トマーをウェブ7上で凝固させつつウェブ7に接合させ
ている。これにより、横方向に伸縮性のある複合不織布
8を簡便かつ効率良く製造することができる。また、糸
状のエラストマーが凝固してなる弾性体ストランド10
は横方向に配列されるので、少量のエラストマーで横方
向の伸縮特性を発揮させることができる。
【0050】以上で説明したように本実施形態の製造方
法および製造装置によれば、エラストマーをストランド
状に簡単かつ高速に成形することができる。また、上述
したようにウェブ7上にエラストマーをストランド状に
形成することにより、高価なエラストマーを少ない量で
有効に使用することができる。よって、エラストマーの
使用量を少なくするという観点からは、弾性体ストラン
ド10同士を互いに間隔をあけて、あるいは弾性体スト
ランド10同士を部分的に間隔をあけて配列することが
好ましい。しかしながら、ウェブ状の複合不織布8の横
方向の伸縮性が十分に得られれば弾性体ストランド10
を、その一部が交差したり重なり合ったりするように配
列してもよい。あるいは、弾性体ストランド10を隙間
なく配列して複合不織布8を構成してもよい。
【0051】さらに、ウェブ7のフィラメントが縦方向
に効率的に配列されていることにより、そのウェブ7
は、フィラメントの配列方向と交差する方向に伸度をと
るのに適しており、ウェブ7の目付量が少なくても横方
向の伸度特性が損なわれることがない。すなわち、ウェ
ブ7の目付量が少なくても、弾性体ストランド10によ
る複合不織布8の横方向の伸縮特性は損なわれることが
ない。従って、ウェブ7の目付量を低減させてウェブ7
の量を少なくすることができ、その面からもコストの安
い複合不織布8を提供することができる。
【0052】これらのことから、本実施形態の複合不織
布の製造方法および製造装置は、不織布および弾性体か
らなる従来の複合シートの製造方法と比較して、上述し
たような伸縮特性を有する複合不織布8を、不織布の目
付量および弾性体の使用量を少なくして歩留まりよく、
簡便かつ効率よく製造することができる。従って、本実
施形態の製造方法および製造装置によれば、そのような
複合不織布8の量産性が優れると共に、複合不織布8を
安価に製造することができる。
【0053】本発明で用いられるウェブ7は、そのウェ
ブ7を構成するフィラメントがほぼ一方向に配列されて
いることが必要であり、さらにはフィラメントがその一
方向に延伸されていることが好ましい。その最も大きな
理由は、フィラメントが一方向に配列していることによ
り、その配列方向と直角方向への変形が容易になるから
である。また、ウェブ7はフィラメントの配列方向へは
大きな変形が困難であるので、このようなウェブ7を用
いた複合不織布8は、寸法安定性があり、かつ製品とし
ても好都合である。従って、ウェブ7は、特にフィラメ
ントが一方向に配列していれば、特に制限を受けるもの
ではない。
【0054】上述したように本実施形態では、ウェブ7
の幅は円筒ガイド22の内周長よりも若干長くしたが、
円筒ガイド22の内周長とウェブ7の幅とをほぼ一致さ
せてもよい。ウェブ7の幅が円筒ガイド22の内周長よ
りも短くなると、円筒ガイド22内で円筒状にフォーミ
ングされたウェブ7の両側端間に隙間が生じることがあ
る。ウェブ7の両側端間に隙間が生じた場合、この隙間
の部分ではエラストマーが円筒ガイド22の内壁に直接
噴射され、これが円筒ガイド22の内壁に固着してしま
う。そこで、円筒ガイド22の内壁にエラストマーが固
着することを確実に防止するために、本実施形態では、
ウェブ7の幅は円筒ガイド22の内周長よりも若干長く
して、円筒ガイド22内でウェブ7の両側端同士を重ね
合わせている。
【0055】本実施形態の複合不織布の製造方法および
製造装置により作製された複合不織布8は、特に、結束
テープ用基材、生理用品伸縮部、衣料芯地、伸縮性絆創
膏基材、伸縮性包帯、医療用サポーター、紙おむつ伸縮
部、パップ材基材、襟口、袖及び腰廻り等衣料用伸縮部
材、医療用手術着、キャップ等の伸縮部、人工皮革布、
手袋基布、サスペンダ、ベルト、靴下止め、マスク基
布、アームカバー伸縮衣料基布、コルセット等、伸縮弾
性部に適したシートである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、フィラメ
ントがほぼ一方向に配列されてなる不織布をそのフィラ
メントの配列方向と交差する方向に湾曲させて円筒状に
し、円筒状の不織布の内側に配置されたノズル部から、
可塑化された弾性体の材料を円筒状の不織布の内面に向
けて押し出しつつ、円筒状の不織布の中心軸をほぼ中心
にしてノズル部を回転させるさせることにより、一方向
に剛性を有し、その一方向と交差する方向に大きな伸縮
性を有する複合不織布を、不織布の目付量および弾性体
の使用量を少なくしても、歩留まりよく、簡便かつ効率
よく製造することができる。その結果、上記のような伸
縮特性を有する複合不織布を安価に量産することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合不織布の製造装
置の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 押出機 2a、2b 供給管 3 首振りダイス 4 クロスヘッド 5 ノズル 6 心棒 7 ウェブ 8 複合不織布 10 弾性体ストランド 11 ダイ回転用モータ 21 筒状化ガイド 22 円筒ガイド 23 ローラ 24a、24b カッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L047 AA14 AA15 AA21 AA23 AA25 AB03 BB01 BB06 BB07 BB08 CA05 CC02 CC03 DA00 EA05 EA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメントがほぼ一方向に配列されて
    構成された前記一方向に剛性を有する不織布上に、前記
    フィラメントの配列方向と交差する方向に延びる弾性体
    のストランドが積層されてなる複合不織布の製造方法で
    あって、 前記不織布の前記フィラメントの配列方向と交差する方
    向に前記不織布を湾曲させて前記不織布を円筒状にした
    状態で、前記不織布を前記フィラメントの配列方向と略
    平行な方向に搬送する工程と、 円筒状の前記不織布の内側に配置されたノズル部内で可
    塑化された状態にある前記弾性体の材料に圧力をかける
    ことで、可塑化された前記弾性体の材料を前記ノズル部
    から円筒状の前記不織布の内面に向けて押し出すことに
    より前記弾性体のストランドを紡糸しつつ、円筒状の前
    記不織布の中心軸をほぼ中心にして前記ノズル部を回転
    させる工程とを有する複合不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 可塑化された前記弾性体の材料が前記ノ
    ズル部から押し出されることにより紡糸された前記弾性
    体のストランドが円筒状の前記不織布の内面に積層され
    てなる円筒状の複合不織布を、円筒状の該複合不織布の
    中心軸と平行な線に沿って一個所ないし複数個所で連続
    的に切り開いて平面形状に展開する工程をさらに有する
    請求項1に記載の複合不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 可塑化された前記弾性体の材料を前記ノ
    ズル部から押し出す工程の前に、前記弾性体の材料を熱
    によって可塑化する工程を有する請求項1に記載の複合
    不織布の製造方法。
  4. 【請求項4】 可塑化された前記弾性体の材料を前記ノ
    ズル部から押し出す工程の前に、前記弾性体の材料を可
    塑剤によって可塑化する工程を有する請求項1に記載の
    複合不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 フィラメントがほぼ一方向に配列されて
    構成された前記一方向に剛性を有する不織布上に、前記
    フィラメントの配列方向と交差する方向に延びる弾性体
    のストランドが積層されてなる複合不織布の製造装置で
    あって、 前記不織布の前記フィラメントの配列方向と交差する方
    向に前記不織布を湾曲させることにより前記不織布を円
    筒状にするフォーミング部と、 前記フォーミング部により円筒状になった前記不織布を
    前記フィラメントの配列方向と略平行な方向に搬送する
    搬送手段と、 前記搬送手段により移動する円筒状の前記不織布の内側
    で、円筒状の前記不織布の中心軸をほぼ中心にして回転
    し、可塑化された前記弾性体の材料を吐出ノズル部と、 可塑化された前記弾性体の材料を前記ノズル部に向けて
    押し出して前記ノズル部内に前記弾性体の材料を供給す
    ることにより、前記ノズル部内で可塑化された状態にあ
    る前記弾性体の材料が円筒状の前記不織布の内面に向か
    って前記ノズル部の外部へと押し出されるように、前記
    ノズル部内で可塑化された状態にある前記弾性体の材料
    に圧力をかける押出手段とを有する複合不織布の製造装
    置。
  6. 【請求項6】 可塑化された前記弾性体の材料が前記ノ
    ズル部から押し出されることにより紡糸された前記弾性
    体のストランドが円筒状の前記不織布の内面に積層され
    てなる円筒状の複合不織布を、円筒状の該複合不織布の
    中心軸と平行な線に沿って切り開いて平面形状に展開す
    るための少なくとも1つの切断手段をさらに有する請求
    項5に記載の複合不織布の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記ノズル部が、熱によって可塑化され
    た前記弾性体の材料を吐出するものである請求項5に記
    載の複合不織布の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記ノズル部が、可塑剤によって可塑化
    された前記弾性体の材料を吐出するものである請求項5
    に記載の複合不織布の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111058195A (zh) * 2020-02-13 2020-04-24 潘定雨 一种复合纤维无纺布的制备方法及其无纺布纤维
CN111118743A (zh) * 2020-02-13 2020-05-08 潘定雨 一种纤维无纺布喷射装置

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