JP2001181853A - 非水系無電解めっき液及び該めっき液を用いためっき方法 - Google Patents

非水系無電解めっき液及び該めっき液を用いためっき方法

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JP2001181853A
JP2001181853A JP37205599A JP37205599A JP2001181853A JP 2001181853 A JP2001181853 A JP 2001181853A JP 37205599 A JP37205599 A JP 37205599A JP 37205599 A JP37205599 A JP 37205599A JP 2001181853 A JP2001181853 A JP 2001181853A
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solution
plating solution
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electroless plating
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JP37205599A
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English (en)
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Toshinori Marutsuka
利徳 丸塚
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、疎水性及び/又は低比重の基
材(樹脂粒子等)にめっきする、又基材(板、フィル
ム等)上に形成しためっき触媒含有樹脂塗膜をめっき下
地として水系無電解めっきする際にめっき析出性・密着
性及び/又は基材が透明な場合に塗膜黒化度の向上を図
るべく前処理する、更に水系処理時に形状・強度の保
持が困難な非耐水性基材(紙等)にめっきする、ために
有用な非水系無電解めっき液、及び該めっき液を用いた
めっき方法を提供する。 【解決手段】 金属の塩又は錯体、及び還元剤を有機溶
媒に溶解したものであることを特徴とする非水系無電解
めっき液、及び被めっき物を必要に応じて非水系めっき
触媒液で触媒付与後、該非水系無電解めっき液でめっき
する。 非水系無電解めっき液として硝酸ニッケル及び
ジメチルアミンボランのエタノール溶液等を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疎水性及び/又
は比重が1.00以下の基材(樹脂粒子等)にめっきす
る、又基材(板、フィルム等)上に形成しためっき触
媒含有樹脂塗膜をめっき下地として水系無電解めっきす
る際にめっき析出性・密着性及び/又は基材が透明な場
合に塗膜黒化度の向上を図るべく前処理する、更に水
系処理時に形状・強度の保持が困難な非耐水性基材(紙
等)にめっきする、のに有用な非水系無電解めっき液及
び該めっき液を用いためっき方法に関するものである。
【0002】尚、で得られためっき粒子は導電性塗料
・導電性接着剤・異方導電フィルム用等の導電性粒子
(フィラー)として利用される。又、で得られためっ
き基材(板、フィルム等)はプリント配線板、電磁波シ
ールド材等として利用される。更にで得られためっき
紙は電磁波シールド紙、面状発熱体、アース包装材、磁
気フィルター等として利用される。
【0003】
【従来の技術】これまでに実用化されている無電解めっ
き液としては、水系無電解めっき液が広く知られてい
る。水系無電解めっき液の構成成分は次のようになる。
主成分は金属塩と還元剤で、ニッケルめっきでは塩化ニ
ッケル、硫酸ニッケル等が金属塩に相当し、次亜りん酸
ナトリウム、水素化ほう素ナトリウム、ヒドラジン等が
還元剤となる。PH、浴温等の条件さえととのえば、こ
の主成分のみで金属イオンは金属として被めっき物上に
析出する。主成分に対して補助成分の働きは、めっき浴
の寿命を長くしたり、還元剤の効率を良くしたりする役
目を持っている。一般的に使用されている補助成分とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基
性化合物、無機酸、有機酸等のPH調整剤、クエン酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム等のオキシカルボン酸、ほう
酸、炭酸等の無機酸、有機酸、無機酸のアルカリ塩等の
緩衝剤、酢酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸等の有
機酸のアルカリ塩、チオグリコール酸、アンモニア、ヒ
ドラジン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、
グリシン、オルトアミノフェノール、ピリジン等の錯化
剤、及び促進剤、安定剤、改良剤等が挙げられる。
【0004】尚、上記水系無電解めっき液に有機溶媒を
添加した無電解めっき液(有機溶媒添加水系無電解めっ
き液)も知られているが性能や取扱い性の面では水系無
電解めっき液と同等である。
【0005】ちなみに、ここでは無電解めっき液の溶媒
中の有機溶媒含有率(重量%)により、水系無電解めっ
き液(1%未満)、有機溶媒添加水系無電解めっき液
(1%以上10%未満)、有機溶媒/水混合系無電解め
っき液(10%以上90%以下)、水添加非水系無電解
めっき液(90%超99%以下)、非水系無電解めっき
液(99%超)と区別する。
【0006】一方、非水系無電解めっき液としては、特
開平3−166383号に記載された発明が知られてい
る。即ち、特開平3−166383号の発明は、「めっ
き皮膜を構成する金属の金属塩と該金属塩を溶解する溶
媒とからなり還元剤及び安定剤を添加して使用するため
の無電解めっき用原液であって、前記溶媒が有機溶媒で
あることを特徴とする無電解めっき用原液。金属塩とし
ては金属ハロゲン化物なかでも金属塩化物、又有機溶媒
としてはホルムアミド・エタノールアミン・エチレング
リコールのいずれか、又還元剤としては次亜リン酸塩・
ヒドラジン・水素化ホウ素化合物・ホルマリンのいずれ
か、更に安定剤(錯化剤)としては有機カルボン酸塩・
塩化アンモニウムのいずれか、を用いる。」ものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水系無
電解めっき液及び有機溶剤添加水系無電解めっき液は、
めっき液の比重が高く疎水性及び/又はめっき液の比
重より低い基材(樹脂粒子等)をめっきするのが困難で
あった。尚、めっき時には水素の発生を伴うため、実際
のめっき液の比重は被めっき物の比重より十分低い値に
設定しなければめっきは容易でない。
【0008】又、基材(板、フィルム等)上の全面又
は一部(配線パターン部、メッシュ状パターン部等)に
形成しためっき触媒含有樹脂塗膜をめっき下地として直
接水系無電解めっきする際に、塗膜中へのめっき液浸透
力が低く十分なめっき析出性・密着性、更には基材が透
明な場合に十分な塗膜黒化度を得ることができなかっ
た。尚、十分な塗膜黒化度はめっき触媒含有樹脂塗膜
(/透明基材)上にメッシュ状めっきパターンを形成し
た透視性電磁波シールド材の視認性を確保する上で必要
不可欠な性能である。
【0009】更に、水系処理時に形状・強度の保持が
困難な非耐水性基材(紙等)をめっきするのが困難であ
った。尚、めっき前の水系めっき触媒液による触媒付与
そのものが困難であった。
【0010】一方、特開平3−166383号の発明
は、有機溶媒として比重が1.00以上のものを使用
している(めっき液の比重は1.00超となる)ため、
水系無電解めっき液の場合同様、低比重(比重が1.0
0以下)の基材(樹脂粒子等)をめっきするのが困難で
あった。又、めっき触媒含有樹脂塗膜(めっき下地)
中へのめっき液浸透力が低い、又は逆にめっき液が塗膜
そのものを溶解するため、水系無電解めっき液の場合同
様、十分なめっき析出性・密着性、更には十分な塗膜黒
化度を得ることができなかった。
【0011】つまり、このような用途(プリント配線
板、透視性電磁波シールド材等)・使い方を全く想定し
ていないため、めっき液がめっき触媒含有樹脂塗膜を溶
解することなく、塗膜中へ十分浸透するようなめっき液
組成となっていない。更に非耐水性基材(紙等)をせ
っかく非水系無電解めっきするも、従来通りのめっき前
処理(水系粗化液にて粗化後、水系めっき触媒液にて触
媒付与)するため、既にめっき前処理時に形状が崩れた
り強度が著しく低下したりした。
【0012】又、めっき前処理後の洗浄水を非水系無電
解めっき液へ持ち込んだ結果、めっき皮膜純度の低下、
めっき液中成分の析出等をきたした。尚、水の持込みを
防ぐために基材を乾燥すれば、触媒活性が低下しめっき
が析出しずらくなる。
【0013】尚、これらの無電解めっき液には、錯化剤
(特開平3−166383号の発明では広義の安定剤と
位置付けている)等の補助成分無しにはめっき液の安定
性は極めて低いという共通の問題がある。ちなみに、特
開平3−166383号の発明は補助成分が有っても実
用的なめっき液安定性が未だ得られていない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)金属の
塩又は錯体、及び還元剤を有機溶剤に溶解したものであ
ることを特徴とする非水系無電解めっき液、(2)比重
が1.00未満であることを特徴とする(1)記載の非
水系無電解めっき液、(3)被めっき物を必要に応じて
非水系めっき触媒液で触媒付与後、上記非水系無電解め
っき液でめっきすることを特徴とするめっき方法、
(4)被めっき物が疎水性及び/又は比重が1.00
以下の樹脂粒子めっき触媒含有樹脂塗膜を形成した透
明基材水系処理時に形状・強度の保持が困難な非耐水
性基材、のいずれかであることを特徴とする(3)記載
のめっき方法、
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の非水系無電解めっき液
は、主成分である金属の塩又は錯体、及び還元剤を有機
溶媒に溶解した溶液からなる。
【0016】めっき液の比重は、特に限定されず、被め
っき物ごとに適宜選択すればよい。例えば、水系無電解
めっき液(主成分及び補助成分を溶解した水溶液である
ため比重は必ず1.00を超えている)でめっきが困難
な比重が1.00の樹脂粒子をめっきする場合、めっき
液の比重を1.00未満に設定すればよい。有機溶媒
は、低比重溶媒の単独でも、低比重溶媒及び高比重溶媒
の混合でも使用でき、最終的には主成分を溶解した溶液
である非水系無電解めっき液の比重を1.00未満に調
整すればよい。
【0017】尚、有機溶媒を2種以上組み合わせて用い
る場合の利点としては、比重の調整が容易である、だ
けでなく、主成分に対する溶解力が調整できる、被
めっき物を膨潤又は溶解できる有機溶媒を添加・混合す
ることで被めっき物表面を適度に粗しつつめっきするこ
とができ、この結果高いめっき密着性が得られる、等が
ある。
【0018】本発明で使用される金属の塩又は錯体は、
有機溶剤に可溶で後述の還元剤にて接触的に(めっき触
媒の存在下)還元されうるものであれば特に限定されな
い。具体例としては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、白金、銅、銀、金等の元
素周期律表(長周期型)の第1B族又は第8族に属する
金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、有機塩(例えば酢酸
塩)、ベンゾニトリル錯体、アセチルアセトナト錯体、
アンモニア錯体等が挙げられる。なかでも、硝酸ニッケ
ル等が好適である。尚、めっき皮膜を合金組成とする場
合は、2種以上の金属の塩又は錯体を適当な比率で混合
して用いればよい。
【0019】又、金属の塩又は錯体の濃度は、有機溶剤
に可溶な範囲であれば特に限定されないが、通常は1〜
50重量%、好ましくは5〜25重量%で使用される。
50重量%超ではめっき時に析出したり分解したりし易
い。1重量%未満ではめっき時の濃度変化率が大きく連
続管理が容易でない。
【0020】本発明で使用される還元剤は、有機溶剤に
可溶で金属の塩又は錯体を直接還元することなく接触的
に還元しうるものであれば特に限定されない。具体的に
は、アミノボラン、ジメチルアミンボラン等の水素化ホ
ウ素化合物の他、FeSOの如き第一鉄塩、次亜リン
酸ソーダの如きリン酸水素金属塩、硫酸ヒドロキシルア
ミン、ハイドロサルファイト、ホルマリン等が挙げられ
る。なかでも、ジメチルアミンボラン等の水素化ホウ素
化合物が好適である。尚、2種以上の還元剤を混合して
用いることもできる。
【0021】又、還元剤濃度は、有機溶剤に可溶な範囲
であれば特に限定されないが、通常は0.1〜20重量
%、好ましくは0.2〜10重量%で使用される。20
重量%超ではめっき時に析出したり分解したりし易い。
0.1重量%未満ではめっき時の濃度変化率が大きく連
続管理が容易でない。
【0022】本発明で使用される有機溶剤は、金属の塩
又は錯体及び還元剤を可溶であれば特に限定されない。
具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、アセチ
ルアセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、塩化
メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、シクロヘキサノン等の単独又は混
合溶液が好ましく用いられる。なかでも、メタノール、
エタノール等のアルコール類が好適である。尚、溶解
力、比重、沸点等を調整する場合は、2種以上の有機溶
媒を適当な比率で混合して用いればよい。
【0023】非水系無電解めっき液は、通常0〜50
℃、好ましくは10〜30℃で使用される。0℃未満で
はめっき析出速度が低く実用的でない。50℃超ではめ
っき析出速度が速くコントロール(液管理)が容易でな
い、又分解もしやすくなり実用的でない。めっき時間
は、めっき析出速度を考慮し、目的に応じて適宜選択す
ればよい。
【0024】めっき液の調製方法・条件は、特に限定さ
れないが、通常は各成分を有機溶媒で溶液にしたものを
混合する方法が望ましい。
【0025】尚、非水系無電解めっき液を用いるめっき
工程においては、めっき前に触媒付与が必要な場合、非
水系の無電解めっき触媒液を使用することが望ましい。
【0026】水系無電解めっき触媒液を使用することも
可能であるが、疎水性基材をめっきする場合、予め基材
の親水化・粗化処理が必要になるばかりか、触媒付与後
に乾燥が必要となる(更に工程数が増えるだけでなく、
めっき触媒活性が低下する)。
【0027】又、乾燥が不十分であれば非水系無電解め
っき液へ水を持込み液中成分が析出する等の問題が生じ
る。
【0028】非水系の無電解めっき触媒液としては、特
開平1−315334号記載の方法、即ち低級アルコー
ル類と非プロトン極性化合物からなる混合溶液中で金属
の塩又は錯体を還元することで得られる還元金属コロイ
ド分散液が使用できる。
【0029】ちなみに、本発明の非水系無電解めっき液
は、補助成分がなくても極めて安定であるが、その安定
化機構については十分に解明されていない。
【0030】ただ、主成分である金属の塩又は錯体及び
還元剤が有機溶媒に高濃度で溶解しうる組合わせにおい
て、主成分を低濃度又は中濃度に設定しためっき液が極
めて安定であることより、めっき液の安定性にとって主
成分の溶解度は極めて重要なファクターであると言え
る。
【0031】又、金属錯体を溶解しためっき液の場合に
限れば、通常めっき液を安定化するために使われる錯化
剤が、金属錯体の状態で既に組込まれているため安定で
あると考えることもできる。
【0032】めっき方法は、特に限定されず、被めっき
物の形状・比重等を考慮し適宜選択すればよい。
【0033】一般的には、触媒付与後の被めっき物をめ
っき液中へ浸漬(粒子形状の場合は分散)する方法で行
われるが、板状等の被めっき物に対してはめっき液を吹
き付ける、又粒子形状等に対しては濾過器(フィルタ
ー)等に充填した状態で常圧又は減圧下めっき液を通過
させる(連続的に流す)方法で行うことでもできる。
尚、めっき前の触媒付与もめっき方法同様、触媒液中へ
浸漬(分散)する、触媒液を吹付ける、触媒液を通過さ
せる、方法で行うことができる。
【0034】被めっき物(基材)は、非水系無電解めっ
き液で溶解しないものであれば、材質(有機・無機・金
属材料)・種類・形状(板・フィルム・繊維・粒状等)
・比重等は問わないが、水系無電解めっき液でめっきが
困難である、又は非水系無電解めっき液の利点が最大限
に発揮できる被めっき物を選択することが望ましい。
【0035】具体例としては、疎水性及び/又は低比
重の基材としては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA樹脂、メチ
ルペンテン樹脂、等の樹脂(有機材料)がある。なかで
も、ポリスチレン(ビーズ)が好適である。
【0036】又、めっき触媒含有樹脂塗膜用の樹脂と
しては、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポ
リカルボジイミド、ポリイミド等がある。なかでも、ポ
リビニルブチラール、ポリイミドが好適である。
【0037】更に、水系処理時に形状・強度の保持が
困難な非耐水性基材としては、植物性の繊維をすいた紙
類(濾紙、段ボール紙、壁紙等)がある。なかでも濾紙
が好適である。
【0038】尚、めっき後には、濾紙は磁気フィルタ
ー、段ボール紙や壁紙は梱包用や住宅用の電磁波シール
ド材等として用いられる。
【0039】次に、実施例及び比較例により本発明を具
体的に説明する。
【0040】
【実施例1】粒径10μmのポリスチレンビーズ(比重
1.00)を常温(20℃)の非水系めっき触媒液(エ
タノール系パラジウムコロイド分散液)中に5分間浸漬
(触媒付与)、濾過、エタノール洗浄した後、常温(2
0℃)の非水系無電解ニッケルめっき液(硝酸ニッケル
/ジメチルアミンボラン/エタノール=100/50/
850、比重0.85)中に投入し撹拌しながら10分
間めっきした。めっき中及びめっき後の非水系無電解ニ
ッケルめっき液は、分解することなく安定であった。
【0041】めっき後のビーズは、めっき密着性が高
く、ニッケル色及び導電性を有していて、アクリル塗料
やエポキシ接着剤中に分散することで、導電性塗料や導
電性接着剤として使用することができた。
【0042】尚、分散時のめっき皮膜の脱落や分散後の
沈降は見られず導電性も長期安定していた。
【0043】
【実施例2】実施例1の非水系無電解ニッケルめっき液
を非水系無電解銅めっき液(銅アセチルアセトナト/ジ
メチルアミンボラン/メタノール=10/5/985、
比重0.80)に代える以外は実施例1同様にめっきし
た。めっき中及びめっき後の非水系無電解銅めっき液
は、分解することなく安定であった。
【0044】めっきビーズは、めっき密着性が高く、銅
色及び高い導電性を有していて、異方導電フィルム用の
導電フィラーとして使用することができた。
【0045】
【実施例3】ポリイミド系基板上に、めっき触媒(還元
パラジウム粒子)を分散したネガ型感光性ポリイミド溶
液(東レ(株)製「フォトニース」)を塗布、プリベー
ク、次にプリント配線板用フォトマスクを密着させ紫外
線照射(露光)、更に専用現像液にて現像、ポストベー
クして黄色透明のメッシュ状パターンを形成後、常温
(20℃)の非水系無電解ニッケルめっき液(硝酸ニッ
ケル/ジメチルアミンボラン/N−メチルピロリドン/
メタノール=100/50/250/600)にて1分
間処理した後、水系無電解銅めっき液(奥野製薬工業
(株)製「OPCカッパーH」50℃)で30分間めっ
きしてプリント配線板を作製した。
【0046】銅めっき開始時のめっき析出性は極めて良
好で、銅めっき後のめっき密着性は極めて高かった。こ
のプリント配線板は、導体(銅めっき)の密着性及び導
体間の絶縁性が高く信頼性の高いものであった。
【0047】
【実施例4】実施例3のポリイミド系基板をガラス基板
に、又プリント配線板用フォトマスクをメッシュ状とは
逆パターンのフォトマスクに代えて、実施例3同様に非
水系無電解ニッケルめっき液にて前処理後水系無電解銅
めっき液にて10分間めっきしてメッシュ状銅パターン
を有する透視性電磁波シールド材を作製した。
【0048】めっき析出性及びめっき密着性は、実施例
3と同等であった。又めっき面は銅光沢であったが、ガ
ラス基板側からみるとメッシュ状パターンは濃黒色を呈
していた。これは、塗膜中で銅めっきされたためであ
る。
【0049】この電磁波シールド材は、シールド性能、
透視性(光透過率)、視認性(パターンの黒化度)とも
に良好であった。
【0050】
【実施例5】濾紙を実施例1と同じ非水系めっき触媒液
中に5分間浸漬(触媒付与)、エタノール洗浄後、常温
(20℃)の非水系無電解コバルトめっき液(硝酸コバ
ルト/ジメチルアミンボラン/エタノール=100/5
0/850)中に10分間浸漬しめっきした。濾紙は、
触媒付与及びめっき時に形状・強度を保持していて容易
に取扱うことができた。又、濾紙の片面に対して非水系
めっき触媒液を吹付けた後、エタノール洗浄して上記非
水系無電解コバルトめっき液中に浸漬したら片面だけが
めっきされた。
【0051】めっき濾紙は、磁気フィルターとして使用
することができた。
【0052】
【比較例1】粒径10μmのポリスチレン(比重1.0
0)ビーズを水系パラジウムコロイドめっき触媒液(奥
野製薬工業(株)製「OPC−80 キャタリスト
M」、比重1.02)中に分散させようとしたが、浮遊
したため強制的に撹拌して5分間分散させた。
【0053】これを濾過、水洗した後、水系無電解ニッ
ケルめっき液(日本カニゼン(株)製「シューマーS−
680」60℃、比重1.05)中に分散させようとし
たが、浮遊したため強制的に撹拌しながら10分間分散
させてめっきした。
【0054】わずかにニッケルめっきが析出したが、め
っき皮膜はめっき後の水洗時にすべて脱落した。
【0055】
【比較例2】比較例1の水系無電解ニッケルめっき液を
水系無電解銅めっき液(奥野製薬工業(株)製「OPC
カッパーH」50℃、比重1.04)に代えてめっきし
たが、比較例1同様の結果であった。
【0056】
【比較例3】実施例3の非水系無電解ニッケルめっき液
による前処理を除いて実施例3同様にめっきした。銅め
っき開始時のめっき析出性及び銅めっき後のめっき密着
性は実施例3より著しく劣っていた。
【0057】このめっき品は、導体(銅めっき)の密着
性が低くプリント配線板として使うには不適当であっ
た。
【0058】
【比較例4】実施例4の非水系無電解ニッケルめっき液
による前処理を除いて実施例4同様にめっきした。銅め
っき開始時のめっき析出性及び銅めっき後のめっき密着
性は実施例4より著しく劣っていた。又ガラス基板側か
ら見たメッシュ状パターンは、ポストベーク後と同じ黄
色透明を呈していた。
【0059】このめっき品は、視認性が悪く(パターン
の黒化度が低く)、透視性電磁波シールド材として使う
には不適当であった。
【0060】
【比較例5】濾紙を比較例1と同じ水系めっき触媒液中
に5分間浸漬(触媒付与)後水洗したが、形状変化及び
強度低下が著しく取扱いが困難であった(破れた)。又
濾紙の片面に対して、水系めっき触媒液を吹付けた後水
洗した場合も同様であった。
【0061】ちなみに、破れた濾紙を水系無電解コバル
トめっき液(奥野製薬工業(株)製「ディスクラッド6
01」77℃)中に浸漬しめっきしたら、水洗しきれな
かった触媒が脱落し、めっき液はたちまち分解した。
【0062】
【比較例6】比較例1の水系無電解ニッケルめっき液の
代りに、非水系無電解ニッケルめっき液(塩化ニッケル
/次亜リン酸ナトリウム(還元剤)/クエン酸ナトリウ
ム(錯化剤)/エチレングリコール=100/50/5
/845、比重1.26)を用いてポリスチレンビーズ
をめっき(80℃)しようと試みたが、比較例1同様の
結果であった。
【0063】尚、ここで用いた非水系無電解ニッケルめ
っき液は、めっき途中に分解した。
【0064】一方、めっきに用いなかった同組成の非水
系無電解ニッケルめっき液は、7時間後に析出物がみら
れた(実施例1の非水系無電解ニッケルめっき液に比
べ、著しく不安定であった)。
【0065】ちなみに、錯化剤のクエン酸ナトリウムを
除いた組成の非水系無電解ニッケルめっき液は1時間後
には析出物がみられた。
【0066】
【発明の効果】本発明の非水系無電解めっき液は、次の
効果を有する。 低比重の有機溶媒を使用すれば、水系無電解めっき液
ではめっきが困難であった低比重(及び疎水性)の粒子
(粉体)等が容易にめっきできる。めっき粒子は、低比
重であり導電性塗料中での分散性が長期的に安定であ
る。 被めっき物の親水化や粗化処理が不要であり、工程数
(及びコスト)の削減が図れる。 めっき触媒含有樹脂塗膜をめっき下地として水系無電
解めっきする際の、前処理液として非水系無電解めっき
液を使用すれば、めっき析出性・密着性の著しい向上及
び塗膜の黒色化が図れる。このため、信頼性の高い(導
体密着性が高い等)プリント配線板や視認性(パターン
の黒化度)が良好な透視性電磁波シールド材を作製する
上で利用価値が極めて高い。
【0067】ちなみに、黒色化は樹脂塗膜中へ水系無電
解めっき液が浸透しめっき金属が十分量析出することに
より起こるが、これは非水系無電解めっき液で前処理す
る(即ち樹脂塗膜中に金属を若干量析出させる)ことに
より塗膜中の高分子間隙が広がり、水系無電解めっき液
の浸透性が著しく向上するためである。
【0068】水系処理時に形状・強度の保持が困難な
非耐水性基材(紙類等)が容易にめっきできる。めっき
紙は、広範な用途(電磁波シールド紙、面状発熱体、ア
ース包装材、磁気フィルター等)で使用される。 非水(有機溶剤)系であるため、回収・再利用が容易
である。又、連続液管理も可能であるため、結果的にめ
っきコストは安い。
【0069】このように、本発明の効果は顕著である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属の塩又は錯体、及び還元剤を有機溶剤
    に溶解したものであることを特徴とする非水系無電解め
    っき液。
  2. 【請求項2】比重が1.00未満であることを特徴とす
    る請求項1記載の非水系無電解めっき液。
  3. 【請求項3】被めっき物を必要に応じて非水系めっき触
    媒液で触媒付与後、上記非水系無電解めっき液でめっき
    することを特徴とするめっき方法。
  4. 【請求項4】被めっき物が疎水性及び/又は比重が
    1.00以下の樹脂粒子めっき触媒含有樹脂塗膜を形
    成した透明基材水系処理時に形状・強度の保持が困難
    な非耐水性基材、のいずれかであることを特徴とする請
    求項3記載のめっき方法。
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