JP2001181649A - コークスの製造方法 - Google Patents
コークスの製造方法Info
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- JP2001181649A JP2001181649A JP36946299A JP36946299A JP2001181649A JP 2001181649 A JP2001181649 A JP 2001181649A JP 36946299 A JP36946299 A JP 36946299A JP 36946299 A JP36946299 A JP 36946299A JP 2001181649 A JP2001181649 A JP 2001181649A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 非微粘結炭の配合量を多くし、コークスの強
度の低下やコークスの品質の低下を抑制してコークスの
製造コストを低減することができるコークスの製造方法
を提供する。 【解決手段】 炭化室12に石炭を装入する際に、炭化
室12の上部25に装入する非微粘結炭の配合量に対し
て下部24に装入する非微粘結炭の配合量を多くしてい
る。
度の低下やコークスの品質の低下を抑制してコークスの
製造コストを低減することができるコークスの製造方法
を提供する。 【解決手段】 炭化室12に石炭を装入する際に、炭化
室12の上部25に装入する非微粘結炭の配合量に対し
て下部24に装入する非微粘結炭の配合量を多くしてい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化室の下部に装
入する石炭の非微粘結炭の配合量を多くして、乾留した
コークスの品質を均一にするコークスの製造方法に関す
る。
入する石炭の非微粘結炭の配合量を多くして、乾留した
コークスの品質を均一にするコークスの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、溶銑や鋼の製造に用いられるコー
クスは、燃焼室に挟まれた100〜120個の炭化室に
装入車に貯蔵された石炭をそれぞれ装入し、燃焼室の温
度を高めて密封状態で乾留を行うことにより製造され
る。このコークスの品質は、炭化室に装入する粘結炭の
増配合によって、強度や灰分等の品質を保証することが
できる。しかし、粘結炭の増配合は、コークスの製造コ
ストの上昇を招いており、この製造コストを抑えるため
に、非微粘結炭の配合量を増加させ、強度が高く、且つ
サイズの大きな良品質のコークスを製造することが推進
されている。また、一般的な炭化室の大きさは、高さ4
〜7m、幅400〜450mm、長さ12〜16mであ
り、図3に示すように、炭化室30に石炭を装入した場
合、炭化室30の下部の石炭の嵩密度が必要以上に高く
なり、炭化室30の高さ方向にバラツキが生じる場合が
ある。この石炭を乾留すると、下部のコークス強度が高
くなり、しかも、飽和状態になるため、粘結炭を多く配
合してもそれ以上の強度を備えたコークスが得られず粘
結炭の有効活用を図れないので、コークスの製造コスト
が高くなるという問題がある。この対策として、特開昭
61−188488号公報には、微粉炭に利用価値の低
い劣質炭や非微粘結炭、粉コークス等を混合したものを
加圧成形機を用いて塊状の高密度にしてから炭化室に装
入し、乾留を行ってコークス強度及びコークス組織を均
一に維持しながら、非微粘結炭等の使用増を図り、コー
クスの製造コストを低減することが記載されている。更
に、特開平11−116962号公報に記載するよう
に、複数のホッパから装入口を経て炭化室に落下する石
炭を回転羽根により加速して装入し、炭化室内に装入さ
れた石炭の全体の装入密度を高めてコークス炉の生産性
やコークスの品質を維持することが行われており、この
方法は、非微粘結炭等の使用量を増加させるコークス製
造に適用することができる。また、特開昭56−531
82号公報には、炭化室の下部に通常の石炭より低い強
度となる石炭を装入し、その上部に下部の石炭より高い
強度となる石炭を装入し、乾留を行って上部と下部のコ
ークスの品質を均一にして、コークスの製造コストを低
減することが提案されている。
クスは、燃焼室に挟まれた100〜120個の炭化室に
装入車に貯蔵された石炭をそれぞれ装入し、燃焼室の温
度を高めて密封状態で乾留を行うことにより製造され
る。このコークスの品質は、炭化室に装入する粘結炭の
増配合によって、強度や灰分等の品質を保証することが
できる。しかし、粘結炭の増配合は、コークスの製造コ
ストの上昇を招いており、この製造コストを抑えるため
に、非微粘結炭の配合量を増加させ、強度が高く、且つ
サイズの大きな良品質のコークスを製造することが推進
されている。また、一般的な炭化室の大きさは、高さ4
〜7m、幅400〜450mm、長さ12〜16mであ
り、図3に示すように、炭化室30に石炭を装入した場
合、炭化室30の下部の石炭の嵩密度が必要以上に高く
なり、炭化室30の高さ方向にバラツキが生じる場合が
ある。この石炭を乾留すると、下部のコークス強度が高
くなり、しかも、飽和状態になるため、粘結炭を多く配
合してもそれ以上の強度を備えたコークスが得られず粘
結炭の有効活用を図れないので、コークスの製造コスト
が高くなるという問題がある。この対策として、特開昭
61−188488号公報には、微粉炭に利用価値の低
い劣質炭や非微粘結炭、粉コークス等を混合したものを
加圧成形機を用いて塊状の高密度にしてから炭化室に装
入し、乾留を行ってコークス強度及びコークス組織を均
一に維持しながら、非微粘結炭等の使用増を図り、コー
クスの製造コストを低減することが記載されている。更
に、特開平11−116962号公報に記載するよう
に、複数のホッパから装入口を経て炭化室に落下する石
炭を回転羽根により加速して装入し、炭化室内に装入さ
れた石炭の全体の装入密度を高めてコークス炉の生産性
やコークスの品質を維持することが行われており、この
方法は、非微粘結炭等の使用量を増加させるコークス製
造に適用することができる。また、特開昭56−531
82号公報には、炭化室の下部に通常の石炭より低い強
度となる石炭を装入し、その上部に下部の石炭より高い
強度となる石炭を装入し、乾留を行って上部と下部のコ
ークスの品質を均一にして、コークスの製造コストを低
減することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61−188488号公報では、石炭を塊状に成形する
加圧成形機が必要となり製造コストが上昇する。しか
も、炭化室の高さ方向に生じる装入密度のバラツキを有
効に活用できないため、炭化室の下部に装入する粘結炭
の量を減らし、非微粘結炭等の使用量を増加して、品質
を維持しながらコークスの製造コストを低減することが
できない。更に、特開平11−116962号公報で
は、回転羽根により加速しているため、装入した石炭の
密度が炭化室の下部で高くなり、炭化室の高さ方向に密
度差が生じるのを回避することができないため、炭化室
の下部に装入する非微粘結炭の使用量を増加することが
できず、コークスの製造コストを低減することができな
い。しかも、回転羽根に石炭が付着し易く、加速効率が
低下して装入の密度を向上できず、回転羽根の損耗に伴
う補修等に手間を要する等の問題がある。また、特開昭
56−53182号公報では、通常の配合を行った場合
の石炭に対し、上部の石炭の強度が高くなるように配合
しているため、下部に配合される粘結炭の使用量が多く
なり、しかも、上部にも高い粘結性(粘結炭)の高級品
を用いるため、非微粘結炭等の使用量が制約され、配合
石炭のコスト、コークスの製造コスト等が上昇する等の
問題がある。
61−188488号公報では、石炭を塊状に成形する
加圧成形機が必要となり製造コストが上昇する。しか
も、炭化室の高さ方向に生じる装入密度のバラツキを有
効に活用できないため、炭化室の下部に装入する粘結炭
の量を減らし、非微粘結炭等の使用量を増加して、品質
を維持しながらコークスの製造コストを低減することが
できない。更に、特開平11−116962号公報で
は、回転羽根により加速しているため、装入した石炭の
密度が炭化室の下部で高くなり、炭化室の高さ方向に密
度差が生じるのを回避することができないため、炭化室
の下部に装入する非微粘結炭の使用量を増加することが
できず、コークスの製造コストを低減することができな
い。しかも、回転羽根に石炭が付着し易く、加速効率が
低下して装入の密度を向上できず、回転羽根の損耗に伴
う補修等に手間を要する等の問題がある。また、特開昭
56−53182号公報では、通常の配合を行った場合
の石炭に対し、上部の石炭の強度が高くなるように配合
しているため、下部に配合される粘結炭の使用量が多く
なり、しかも、上部にも高い粘結性(粘結炭)の高級品
を用いるため、非微粘結炭等の使用量が制約され、配合
石炭のコスト、コークスの製造コスト等が上昇する等の
問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、非微粘結炭の配合量を多くし、コークスの強度の低
下やコークスの品質の低下を抑制してコークスの製造コ
ストを低減することができるコークスの製造方法を提供
することを目的とする。
で、非微粘結炭の配合量を多くし、コークスの強度の低
下やコークスの品質の低下を抑制してコークスの製造コ
ストを低減することができるコークスの製造方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明の
コークスの製造方法は、炭化室に石炭を装入する際に、
該炭化室の上部に装入する非微粘結炭の配合量に対して
下部に装入する非微粘結炭の配合量を多くしている。こ
こで、炭化室の下部とは、炭化室の全高さに対し、底か
ら35%以内の範囲であり、35%を超えた部分では、
石炭を装入した際の嵩密度が低下したり、コークス化し
た際のコークス強度が不飽和になり、低級の石炭の活用
効果が減少して、全体のコークス品質の低下やコークス
歩留りの低下等を招く。この理由から、炭化室の下部の
範囲は、底から30%以内にするとより好ましい結果が
得られる。また、非微粘結炭とは、粘結性や膨張性が低
い特性を有し、乾留後のコークス強度が低いものであ
る。更に、非微粘結炭が配合される石炭は、一般にコー
クス製造に用いる石炭であり、高いコークス強度が得ら
れる粘結性と膨張性を備えた粘結炭を用いる。炭化室の
下部に配合する非微粘結炭の量を多く使用するので、コ
ークスの強度の低下を抑制でき、しかも、この非微粘結
炭のコークス化を十分に行ってコークスの製造コストを
低減することができる。
コークスの製造方法は、炭化室に石炭を装入する際に、
該炭化室の上部に装入する非微粘結炭の配合量に対して
下部に装入する非微粘結炭の配合量を多くしている。こ
こで、炭化室の下部とは、炭化室の全高さに対し、底か
ら35%以内の範囲であり、35%を超えた部分では、
石炭を装入した際の嵩密度が低下したり、コークス化し
た際のコークス強度が不飽和になり、低級の石炭の活用
効果が減少して、全体のコークス品質の低下やコークス
歩留りの低下等を招く。この理由から、炭化室の下部の
範囲は、底から30%以内にするとより好ましい結果が
得られる。また、非微粘結炭とは、粘結性や膨張性が低
い特性を有し、乾留後のコークス強度が低いものであ
る。更に、非微粘結炭が配合される石炭は、一般にコー
クス製造に用いる石炭であり、高いコークス強度が得ら
れる粘結性と膨張性を備えた粘結炭を用いる。炭化室の
下部に配合する非微粘結炭の量を多く使用するので、コ
ークスの強度の低下を抑制でき、しかも、この非微粘結
炭のコークス化を十分に行ってコークスの製造コストを
低減することができる。
【0006】ここで、前記石炭は、乾燥した後、粒と微
粉とに分級し、該微粉にバインダーを添加して疑似粒に
して、該疑似粒を前記粒と混合して前記炭化室に装入す
ることが好ましい。これにより、石炭の水分を除去して
いるので、コークス強度の低下を抑制し、少ない然料で
石炭を乾留することができる。
粉とに分級し、該微粉にバインダーを添加して疑似粒に
して、該疑似粒を前記粒と混合して前記炭化室に装入す
ることが好ましい。これにより、石炭の水分を除去して
いるので、コークス強度の低下を抑制し、少ない然料で
石炭を乾留することができる。
【0007】また、前記炭化室に装入する石炭にバイン
ダーを添加しても良い。これにより、石炭の搬送や装入
時の発塵を防止し、乾留の際に石炭が軟化してから炭化
(コークス化)を促進し、コークスの強度を安定するこ
とができる。
ダーを添加しても良い。これにより、石炭の搬送や装入
時の発塵を防止し、乾留の際に石炭が軟化してから炭化
(コークス化)を促進し、コークスの強度を安定するこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
コークスの製造方法に適用されるコークス製造装置の全
体図、図2は同コークス製造装置を用いて乾留されたコ
ークスの強度を表すグラフである。図1に示すように、
本発明の一実施の形態に係るコークスの製造方法に用い
られるコークス製造装置10は、石炭の貯蔵供給装置1
1と、石炭を乾留する炭化室12と、炭化室12に石炭
を装入する装入装置13を有している。貯蔵供給装置1
1は、非微粘結炭を少なく配合した通常の石炭用の貯蔵
ホッパ14、15、16と、非微粘結炭を多く配合した
低級石炭用の貯蔵ホッパ17と、貯蔵ホッパ14、1
5、16及び貯蔵ホッパ17から切り出された石炭を装
入装置13に搬送するベルトコンベア18、19を備え
ている。更に、装入装置13は、貯蔵ホッパ14、1
5、16、17から切り出された石炭を一旦貯留する装
入ホッパ20と、この装入ホッパ20の下部に設けたテ
ーブルフィーダー21を設けており、テーブルフィーダ
ー21を回転させることにより図示しない装入シュート
を介して炭化室12に石炭を装入するようにしている。
なお、符号22、23は、炭化室12を囲む燃焼室であ
る。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
コークスの製造方法に適用されるコークス製造装置の全
体図、図2は同コークス製造装置を用いて乾留されたコ
ークスの強度を表すグラフである。図1に示すように、
本発明の一実施の形態に係るコークスの製造方法に用い
られるコークス製造装置10は、石炭の貯蔵供給装置1
1と、石炭を乾留する炭化室12と、炭化室12に石炭
を装入する装入装置13を有している。貯蔵供給装置1
1は、非微粘結炭を少なく配合した通常の石炭用の貯蔵
ホッパ14、15、16と、非微粘結炭を多く配合した
低級石炭用の貯蔵ホッパ17と、貯蔵ホッパ14、1
5、16及び貯蔵ホッパ17から切り出された石炭を装
入装置13に搬送するベルトコンベア18、19を備え
ている。更に、装入装置13は、貯蔵ホッパ14、1
5、16、17から切り出された石炭を一旦貯留する装
入ホッパ20と、この装入ホッパ20の下部に設けたテ
ーブルフィーダー21を設けており、テーブルフィーダ
ー21を回転させることにより図示しない装入シュート
を介して炭化室12に石炭を装入するようにしている。
なお、符号22、23は、炭化室12を囲む燃焼室であ
る。
【0009】次に、コークス製造装置10を用いて本発
明の一実施の形態に係るコークスの製造方法について説
明する。貯蔵供給装置11の貯蔵ホッパ14、15、1
6には、粘結炭に非微粘結炭を20〜40重量%配合し
た通常の石炭を貯蔵しており、貯蔵ホッパ17には粘結
炭に非微粘結炭を60〜80重量%配合した低級の石炭
を貯蔵した。最初に貯蔵ホッパ17から低級の石炭を切
り出して、ベルトコンベア19により搬送して装入ホッ
パ20に貯留し、更に、貯蔵ホッパ14、(15、1
6)から通常の石炭を切り出し、ベルトコンベア18
(又は19)により搬送して、装入ホッパ20内の低級
の石炭を覆うように貯留した。
明の一実施の形態に係るコークスの製造方法について説
明する。貯蔵供給装置11の貯蔵ホッパ14、15、1
6には、粘結炭に非微粘結炭を20〜40重量%配合し
た通常の石炭を貯蔵しており、貯蔵ホッパ17には粘結
炭に非微粘結炭を60〜80重量%配合した低級の石炭
を貯蔵した。最初に貯蔵ホッパ17から低級の石炭を切
り出して、ベルトコンベア19により搬送して装入ホッ
パ20に貯留し、更に、貯蔵ホッパ14、(15、1
6)から通常の石炭を切り出し、ベルトコンベア18
(又は19)により搬送して、装入ホッパ20内の低級
の石炭を覆うように貯留した。
【0010】そして、炭化室12内部の既に乾留が終了
したコークスを押し出して炭化室12を空にし、この炭
化室12に、装入ホッパ20内に貯蔵した石炭を下部に
取付けたテーブルフィーダー21を回転させて切り出し
て、炭化室12の下部24に低級の石炭を、上部25に
通常の石炭を装入し、炭化室12を囲む燃焼室22、2
3の温度を上げて、約20時間程度の乾留を行ってコー
クスを製造した。その結果、図2に示すように、通常の
石炭を加速して装入する従来の方法と同様に炭化室12
の高さ方向のコークス強度のバラツキを抑えることがで
き、適正範囲にすることができる。即ち、炭化室12の
下部24には、上方から低級の石炭が自重落下により装
入され、しかも、上部25の石炭の重みがかかることに
より、石炭の装入密度も高くなる。その結果、石炭の粒
子間距離が狭くなり、非微粘結性の石炭を増量配合して
も、乾留過程での石炭粒子の接着強度が増して高強度の
コークスが得られる。なお、炭化室12の下部24に配
合する非微粘結炭の量は、60重量%より少ないと、炭
化室12内全体の非微粘結炭の使用量比の増加が図れ
ず、嵩密度やコークス強度の飽和状態を有効に利用でき
ない。一方、炭化室12の下部24に配合する非微粘結
炭の量が80重量%を超えると、非微粘結炭が過剰にな
り、下部24のコークス強度が低下してコークスの品質
が低下する。
したコークスを押し出して炭化室12を空にし、この炭
化室12に、装入ホッパ20内に貯蔵した石炭を下部に
取付けたテーブルフィーダー21を回転させて切り出し
て、炭化室12の下部24に低級の石炭を、上部25に
通常の石炭を装入し、炭化室12を囲む燃焼室22、2
3の温度を上げて、約20時間程度の乾留を行ってコー
クスを製造した。その結果、図2に示すように、通常の
石炭を加速して装入する従来の方法と同様に炭化室12
の高さ方向のコークス強度のバラツキを抑えることがで
き、適正範囲にすることができる。即ち、炭化室12の
下部24には、上方から低級の石炭が自重落下により装
入され、しかも、上部25の石炭の重みがかかることに
より、石炭の装入密度も高くなる。その結果、石炭の粒
子間距離が狭くなり、非微粘結性の石炭を増量配合して
も、乾留過程での石炭粒子の接着強度が増して高強度の
コークスが得られる。なお、炭化室12の下部24に配
合する非微粘結炭の量は、60重量%より少ないと、炭
化室12内全体の非微粘結炭の使用量比の増加が図れ
ず、嵩密度やコークス強度の飽和状態を有効に利用でき
ない。一方、炭化室12の下部24に配合する非微粘結
炭の量が80重量%を超えると、非微粘結炭が過剰にな
り、下部24のコークス強度が低下してコークスの品質
が低下する。
【0011】また、炭化室12に装入する石炭、即ち非
微粘結炭が配合される前の石炭は、ヤード等に積み付け
られたものを乾燥装置を用いて水分を4〜8重量%に調
整し、これを0.3mm以上の粒と0.3mm未満の微
粉に分級し、この微粉にバインダーの一例であるタール
を添加して疑似粒化したものを前記粒と混合したものを
用いることができる。この場合の石炭も、非微粘結炭を
20〜40重量%配合して通常の石炭として貯蔵ホッパ
14、15、16に貯蔵し、非微粘結炭を60〜80重
量%配合して低級の石炭として貯蔵ホッパ17に貯蔵
し、装入ホッパ20の下部に低級の石炭がくるように、
最初に貯蔵ホッパ17から低級の石炭を切り出し、その
後貯蔵ホッパ14(15、16)から通常の石炭を切り
出す。そして、装入ホッパ20内に貯留した石炭を下部
に取付けたテーブルフィーダー21を回転させて切り出
し、炭化室12の下部24に低級の石炭、上部25に通
常の石炭を装入する。微粉にタールを添加して疑似粒に
しているので、炭化室12に装入した際に、石炭の粒子
間距離を狭くし、乾留過程での石炭粒子の接着強度が増
して高強度のコークスを得ることができる。
微粘結炭が配合される前の石炭は、ヤード等に積み付け
られたものを乾燥装置を用いて水分を4〜8重量%に調
整し、これを0.3mm以上の粒と0.3mm未満の微
粉に分級し、この微粉にバインダーの一例であるタール
を添加して疑似粒化したものを前記粒と混合したものを
用いることができる。この場合の石炭も、非微粘結炭を
20〜40重量%配合して通常の石炭として貯蔵ホッパ
14、15、16に貯蔵し、非微粘結炭を60〜80重
量%配合して低級の石炭として貯蔵ホッパ17に貯蔵
し、装入ホッパ20の下部に低級の石炭がくるように、
最初に貯蔵ホッパ17から低級の石炭を切り出し、その
後貯蔵ホッパ14(15、16)から通常の石炭を切り
出す。そして、装入ホッパ20内に貯留した石炭を下部
に取付けたテーブルフィーダー21を回転させて切り出
し、炭化室12の下部24に低級の石炭、上部25に通
常の石炭を装入する。微粉にタールを添加して疑似粒に
しているので、炭化室12に装入した際に、石炭の粒子
間距離を狭くし、乾留過程での石炭粒子の接着強度が増
して高強度のコークスを得ることができる。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係るコークスの製造方法の実
施例について説明する。装入ホッパの下部に非微粘結炭
を70〜80重量%配合した石炭(低級の石炭)を入
れ、この上に非微粘結炭を40重量%配合した石炭(通
常の石炭)を貯蔵し、これをテーブルフィーダーを回転
させて切り出し、炭化室の下部に低級石炭が来るように
装入し、燃焼室の温度を上げて、22時間の乾留を行っ
た。そして、コークスサンプルを取り出して、コークス
強度、従来例のコスト指数を1とした場合のコークス製
造コスト指数、及び総合評価について調査した。その結
果を表1に示す。実施例1は、炭化室の全高さの35%
に当たる下部に非微粘結炭を70重量%配合した石炭を
装入し、他を非微粘結炭を40重量%配合した石炭を装
入した場合であり、コークス強度は、従来と同レベルを
確保でき、コークス製造コスト指数を0.7に低減する
ことができ、総合評価としては良い(○)結果が得られ
た。実施例2は、炭化室の全高さの35%に当たる下部
に非微粘結炭を70重量%配合した石炭を装入し、他を
非微粘結炭を40重量%配合した石炭を装入した場合で
あり、コークス強度は、従来と同レベルを確保でき、コ
ークス製造コスト指数を0.6に低減することができ、
総合評価としては良い(○)結果が得られた。実施例3
は、石炭を乾燥して水分を6重量%にして微粉にタール
を3重量%添加し、炭化室の全高さの30%に当たる下
部に非微粘結炭を80重量%配合した石炭を装入し、他
を非微粘結炭を40重量%配合した石炭を装入した場合
であり、コークス強度は、従来と同レベルを確保でき、
コークス製造コスト指数を0.6に低減することがで
き、総合評価としては良い(○)結果が得られた。
施例について説明する。装入ホッパの下部に非微粘結炭
を70〜80重量%配合した石炭(低級の石炭)を入
れ、この上に非微粘結炭を40重量%配合した石炭(通
常の石炭)を貯蔵し、これをテーブルフィーダーを回転
させて切り出し、炭化室の下部に低級石炭が来るように
装入し、燃焼室の温度を上げて、22時間の乾留を行っ
た。そして、コークスサンプルを取り出して、コークス
強度、従来例のコスト指数を1とした場合のコークス製
造コスト指数、及び総合評価について調査した。その結
果を表1に示す。実施例1は、炭化室の全高さの35%
に当たる下部に非微粘結炭を70重量%配合した石炭を
装入し、他を非微粘結炭を40重量%配合した石炭を装
入した場合であり、コークス強度は、従来と同レベルを
確保でき、コークス製造コスト指数を0.7に低減する
ことができ、総合評価としては良い(○)結果が得られ
た。実施例2は、炭化室の全高さの35%に当たる下部
に非微粘結炭を70重量%配合した石炭を装入し、他を
非微粘結炭を40重量%配合した石炭を装入した場合で
あり、コークス強度は、従来と同レベルを確保でき、コ
ークス製造コスト指数を0.6に低減することができ、
総合評価としては良い(○)結果が得られた。実施例3
は、石炭を乾燥して水分を6重量%にして微粉にタール
を3重量%添加し、炭化室の全高さの30%に当たる下
部に非微粘結炭を80重量%配合した石炭を装入し、他
を非微粘結炭を40重量%配合した石炭を装入した場合
であり、コークス強度は、従来と同レベルを確保でき、
コークス製造コスト指数を0.6に低減することがで
き、総合評価としては良い(○)結果が得られた。
【0013】
【表1】
【0014】これに対し、従来例は、炭化室の全体に非
微粘結炭を40重量%配合した石炭を装入した場合であ
り、コークス強度は良好であったが、コークス製造コス
ト指数が1.0と上昇し、総合評価としては悪い(×)
結果となった。
微粘結炭を40重量%配合した石炭を装入した場合であ
り、コークス強度は良好であったが、コークス製造コス
ト指数が1.0と上昇し、総合評価としては悪い(×)
結果となった。
【0015】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、炭化室の上部に装入する石炭にタールやピ
ッチ等のバインダーを添加してコークス強度の向上を図
ることができる。また、炭化室に装入した石炭をレベラ
ー等を用いて押圧し、炭化室の上部の石炭、あるいは上
部と下部の石炭を圧密してから乾留し、コークス強度の
バラツキを小さくすることができる。
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、炭化室の上部に装入する石炭にタールやピ
ッチ等のバインダーを添加してコークス強度の向上を図
ることができる。また、炭化室に装入した石炭をレベラ
ー等を用いて押圧し、炭化室の上部の石炭、あるいは上
部と下部の石炭を圧密してから乾留し、コークス強度の
バラツキを小さくすることができる。
【0016】
【発明の効果】請求項1〜3記載のコークスの製造方法
は、炭化室に石炭を装入する際に、炭化室の上部に装入
する非微粘結炭の配合量に対して下部に装入する非微粘
結炭の配合量を多くしているので、非微粘結炭の使用量
を多くして、コークスの強度のバラツキを抑制でき、コ
ークスの製造コストを低減することができる。
は、炭化室に石炭を装入する際に、炭化室の上部に装入
する非微粘結炭の配合量に対して下部に装入する非微粘
結炭の配合量を多くしているので、非微粘結炭の使用量
を多くして、コークスの強度のバラツキを抑制でき、コ
ークスの製造コストを低減することができる。
【0017】特に、請求項2記載のコークスの製造方法
は、乾燥した後に粒と微粉とに分級し、微粉にバインダ
ーを添加して疑似粒にしてから粒と混合した石炭を炭化
室に装入するので、乾留熱量を節減でき、炭化室に装入
した際の微粉の粒子間の距離を狭くして強度の良好なコ
ークスにすることができる。
は、乾燥した後に粒と微粉とに分級し、微粉にバインダ
ーを添加して疑似粒にしてから粒と混合した石炭を炭化
室に装入するので、乾留熱量を節減でき、炭化室に装入
した際の微粉の粒子間の距離を狭くして強度の良好なコ
ークスにすることができる。
【0018】請求項3記載のコークスの製造方法は、炭
化室に装入する石炭にバインダーを添加しているので、
非微粘結炭を多く使用し、乾留時の炭化(コークス化)
を促進してコークス強度を向上することができ、石炭の
搬送や装入時の発塵を防止して石炭のロスの防止と作業
環境を改善することができる。
化室に装入する石炭にバインダーを添加しているので、
非微粘結炭を多く使用し、乾留時の炭化(コークス化)
を促進してコークス強度を向上することができ、石炭の
搬送や装入時の発塵を防止して石炭のロスの防止と作業
環境を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコークスの製造方
法に適用されるコークス製造装置の全体図である。
法に適用されるコークス製造装置の全体図である。
【図2】同コークス製造装置を用いて乾留されたコーク
スの強度を表すグラフである。
スの強度を表すグラフである。
【図3】従来のコークスの製造方法による炭化室の高さ
方向の石炭の嵩密度の関係を表すグラフである。
方向の石炭の嵩密度の関係を表すグラフである。
【符号の説明】 10:コークス製造装置、11:貯蔵供給装置、12:
炭化室、13:装入装置、14:貯蔵ホッパ、15:貯
蔵ホッパ、16:貯蔵ホッパ、17:貯蔵ホッパ、1
8:ベルトコンベア、19:ベルトコンベア、20:装
入ホッパ、21:テーブルフィーダー、22:燃焼室、
23:燃焼室、24:炭化室の下部、25:炭化室の上
部
炭化室、13:装入装置、14:貯蔵ホッパ、15:貯
蔵ホッパ、16:貯蔵ホッパ、17:貯蔵ホッパ、1
8:ベルトコンベア、19:ベルトコンベア、20:装
入ホッパ、21:テーブルフィーダー、22:燃焼室、
23:燃焼室、24:炭化室の下部、25:炭化室の上
部
Claims (3)
- 【請求項1】 炭化室に石炭を装入する際に、該炭化室
の上部に装入する非微粘結炭の配合量に対して下部に装
入する非微粘結炭の配合量を多くしていることを特徴と
するコークスの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のコークスの製造方法にお
いて、前記石炭は、乾燥した後、粒と微粉とに分級し、
該微粉にバインダーを添加して疑似粒にして、該疑似粒
を前記粒と混合して前記炭化室に装入することを特徴と
するコークスの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のコークスの製造方
法において、前記炭化室に装入する石炭にバインダーを
添加することを特徴とするコークスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36946299A JP2001181649A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | コークスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36946299A JP2001181649A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | コークスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001181649A true JP2001181649A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18494487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36946299A Withdrawn JP2001181649A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | コークスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001181649A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8517798B2 (en) | 2005-05-18 | 2013-08-27 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Polishing pad, method of producing the same and method of producing semiconductor device by using the same |
JP2021161301A (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-11 | 日本製鉄株式会社 | コークスの製造方法及びコークス製造用原料炭の調整方法 |
JP2021161300A (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-11 | 日本製鉄株式会社 | コークスの製造方法及びコークス製造用原料炭の調整方法 |
-
1999
- 1999-12-27 JP JP36946299A patent/JP2001181649A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8517798B2 (en) | 2005-05-18 | 2013-08-27 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Polishing pad, method of producing the same and method of producing semiconductor device by using the same |
JP2021161301A (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-11 | 日本製鉄株式会社 | コークスの製造方法及びコークス製造用原料炭の調整方法 |
JP2021161300A (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-11 | 日本製鉄株式会社 | コークスの製造方法及びコークス製造用原料炭の調整方法 |
JP7397316B2 (ja) | 2020-04-01 | 2023-12-13 | 日本製鉄株式会社 | コークスの製造方法及びコークス製造用原料炭の調整方法 |
JP7410399B2 (ja) | 2020-04-01 | 2024-01-10 | 日本製鉄株式会社 | コークスの製造方法及びコークス製造用原料炭の調整方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070306 |