JP2001181186A - ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン誘導体を有効成分として含有する肝疾患治療剤 - Google Patents

ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン誘導体を有効成分として含有する肝疾患治療剤

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JP2001181186A
JP2001181186A JP37209099A JP37209099A JP2001181186A JP 2001181186 A JP2001181186 A JP 2001181186A JP 37209099 A JP37209099 A JP 37209099A JP 37209099 A JP37209099 A JP 37209099A JP 2001181186 A JP2001181186 A JP 2001181186A
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naphthyridine
pyrido
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carbon atoms
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JP37209099A
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Toshihiro Okamoto
俊博 岡本
Masao Yamamoto
雅夫 山本
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Nippon Chemiphar Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemiphar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な肝疾患治療剤を提供すること。 【解決手段】1,2,5,10−テトラヒドロ−9−イ
ソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフルオロ
メチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフ
チリジン等のピリド[4,3−b][1,6]ナフチリ
ジン誘導体を肝疾患治療剤の有効成分として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピリド[4,3−
b][1,6]ナフチリジン誘導体を有効成分として含
有する肝疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、本邦で市販されている肝疾患治療
剤としては、インターフェロン(IFN)、ウルソデオ
キシコール酸、グリチルリチン酸・DL−メチオニン、
グリチルリチンなどが知られている。このうちインター
フェロンはC型肝炎に有効であるが、間質性肺炎、重篤
なうつ状態、自殺企図などの重大な副作用が問題となっ
ている。また、グリチルリチンは経口剤では効果は弱
く、服用に不便な注射剤が主として使用されている。
【0003】ところで、特開昭62−230783号公
報には、下記一般式(A)、一般式(B)及び一般式
(C)、
【化4】 (式中、R1は、無置換または置換の芳香族またはヘテ
ロ芳香族環、または縮合芳香族またはヘテロ芳香族環系
であり、R2およびR3は、同一であっても異なっていて
もよく、これらは水素原子、または4までの炭素原子を
含有する直鎖状または分枝状アルキル基である。)
【0004】で表されるピリド[4,3−b][1,
6]ナフチリジン誘導体、その合成方法、並びにこれら
の化合物がカルシウム拮抗剤であり、血管鎮痙作用のた
めに、大脳、心臓あるいは末梢血管疾患の治療剤として
使用される旨の記載がなされている。
【0005】しかしながら、前記公報には、上記一般式
(A)、一般式(B)及び一般式(C)で表されるピリ
ド[4,3−b][1,6]ナフチリジン誘導体が肝疾
患治療剤に使用できる旨の記載はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な肝疾患治療剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式(I)、一般式(II)又は一般式(III)で表さ
れるピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン誘導
体を有効成分として含有する肝疾患治療剤に関する。
【化5】
【化6】
【化7】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ
基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、カルボキシル基、
ハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜6のアルキ
ル基、又はハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜
6のアルコキシ基を表し、R2及びR3は同一又は異なり
水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、そして
4は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表
す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を更に詳細に説明する。上
記一般式(I)、一般式(II)又は一般式(III)で
表されるピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン
誘導体において、R1としては水素原子、塩素原子若し
くはフッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基若しくはブチル基等の
炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基若しくはブトキシ基等
の炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基、メチルチオ
基等の炭素数1〜6のアルキルチオ基、カルボキシル
基、トリフルオロメチル基等のハロゲン原子(塩素原
子、フッ素原子等)が1〜3個置換した炭素数1〜6の
アルキル基、又はジフルオロメトキシ基等のハロゲン原
子(塩素原子、フッ素原子等)が1〜3個置換した炭素
数1〜6のアルコキシ基等が挙げられ、好ましくは、ト
リフルオロメチル基が挙げられる。
【0009】上記一般式(I)、一般式(II)又は一
般式(III)で表されるピリド[4,3−b][1,
6]ナフチリジン誘導体のフェニル基は無置換でもよ
く、また置換基を有する場合は同一又は異なるR1を1
〜5個有していても良く、好ましくは1個有し、またフ
ェニル基におけるR1の置換位置は2位又は3位が好ま
しく、更に好ましくは2位である。
【0010】上記一般式(I)で表されるピリド[4,
3−b][1,6]ナフチリジン誘導体におけるR2
びR3としては同一又は異なり水素原子、又はメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基若しくはブ
チル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、好ま
しくはR2及びR3が共にイソプロピル基である。
【0011】また上記一般式(III)で表されるピリド
[4,3−b][1,6]ナフチリジン誘導体における
4としては水素原子、又はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、若しくはブチル基等の炭素数
1〜6のアルキル基が挙げられ、好ましくはイソプロピ
ル基である。
【0012】本発明の有効成分である一般式(I)、一
般式(II)及び(III)で表されるピリド[4,3
−b][1,6]ナフチリジン誘導体は特開昭62−2
30783号公報記載の方法等により得ることができ
る。例えば、1,2,5,8,9,10−ヘキサヒドロ
−1,9−ジオキソ−10−(2−トリフルオロメチル
フェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジ
ン(式(F))、1,2,5,10−テトラヒドロ−9
−イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフル
オロメチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]
ナフチリジン(式(G))及び5,10−ジヒドロ−
1,9−ジイソプロポキシ−10−(2−トリフルオロ
メチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフ
チリジン(式(H))は下記の合成ルートにより得るこ
とができる。
【化8】
【0013】上記合成ルートで、式(D)及び式(E)
で表される1,6−ナフチリジン誘導体は、例えば特開
昭60−54385号公報,特開昭61−143382
号公報,特開平2−275879号公報、特開平4−1
82483号公報及び特開平4−182484号公報記
載の方法等により得ることができる。
【0014】上記一般式(I)(但し、R2とR3が同一
でない場合)又は一般式(III)で表されるピリド
[4,3−b][1,6]ナフチリジン誘導体は不斉炭
素原子を有するので、ラセミ体またはエナンチオマーが
存在するが、これらも本発明の有効成分として使用でき
る。また、上記一般式(I)、一般式(II)又は一般
式(III)で表されるピリド[4,3−b][1,6]
ナフチリジン誘導体の薬学的に許容される塩も本発明の
有効成分として使用できる。薬学的に許容される塩は、
例えば上記一般式(III)で表されるピリド[4,3−
b][1,6]ナフチリジン誘導体に適当な無機酸又は
有機酸を作用させること等により得ることができる。適
当な酸の例としては塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン
酸等が挙げられる。
【0015】本発明の肝疾患治療剤の有効成分である上
記一般式(I)、一般式(II)又は一般式(III)で
表されるピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン
誘導体の代表化合物例を以下に示す。
【0016】(1)(±)−1,2,5,10−テトラ
ヒドロ−9−イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2
−トリフルオロメチルフェニル)ピリド[4,3−b]
[1,6]ナフチリジン (2)(+)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9−
イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフルオ
ロメチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナ
フチリジン (3)(−)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9−
イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフルオ
ロメチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナ
フチリジン (4)1,2,5,8,9,10−ヘキサヒドロ−1,
9−ジオキソ−10−(2−トリフルオロメチルフェニ
ル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン (5)(±)−5,10−ジヒドロ−1−イソプロポキ
シ−9−メトキシ−10−(2−トリフルオロメチルフ
ェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン (6)5,10−ジヒドロ−1,9−ジイソプロポキシ
−10−(2−トリフルオロメチルフェニル)ピリド
[4,3−b][1,6]ナフチリジン (7)(±)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9−
イソプロポキシ−1−オキソ−10−フェニルピリド
[4,3−b][1,6]ナフチリジン (8)(±)−10−(2−シアノフェニル)−1,
2,5,10−テトラヒドロ−9−イソプロポキシ−1
−オキソピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン
【0017】次に本発明の肝疾患治療剤について、抗F
as抗体により誘発されたマウス肝障害モデルを用いた
ALT上昇抑制作用に関する薬理試験結果を示す。尚、
マウスFas抗原を発現する細胞を免疫化学的に認識し
得るハムスターモノクローナル抗体(抗Fas抗体)が
劇症肝炎の動物モデルの開発に有用であることは特開平
6−327491号公報等に記載がある。後記実施例2
に記載のように本発明の有効成分である(±)−1,
2,5,10−テトラヒドロ−9−イソプロポキシ−1
−オキソ−10−(2−トリフルオロメチルフェニル)
ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジンは100
mg/kgの用量でマウス抗Fas抗体により誘発され
た肝障害を74%抑制した。また、同じく(+)−1,
2,5,10−テトラヒドロ−9−イソプロポキシ−1
−オキソ−10−(2−トリフルオロメチルフェニル)
ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン及び1,
2,5,8,9,10−ヘキサヒドロ−1,9−ジオキ
ソ−10−(2−トリフルオロメチルフェニル)ピリド
[4,3−b][1,6]ナフチリジンもマウス抗Fa
s抗体により誘発された肝障害を有意に抑制した。従っ
て、上記一般式(I)、一般式(II)又は一般式(II
I)で表されるピリド[4,3−b][1,6]ナフチ
リジン誘導体を有効成分として含有する製剤は、肝疾患
治療剤として有用である。
【0018】本発明の肝疾患治療剤はヒトに対して一般
的な経口投与又は非経口投与のような適当な投与方法に
よって投与することができる。製剤化するためには、製
剤の技術分野における通常の方法で錠剤、顆粒剤、散
剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐薬等の剤型に製造
することができる。これらの調製には、通常の賦形剤、
崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素、希釈剤などが用いられ
る。ここで、賦形剤としては、乳糖、D−マンニトー
ル、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤として
は、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム
(CMC−Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン
酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒド
ロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリ
ビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
【0019】投与量は通常成人においては、注射剤で有
効成分である上記一般式(I)、一般式(II)又は一
般式(III)で表されるピリド[4,3−b][1,
6]ナフチリジン誘導体を1日約0.5mg〜100m
g,経口投与で1日5mg〜1000mgであるが、年
齢、症状等により増減することができる。また、本発明
の肝疾患治療剤は、単独投与の他、インターフェロン、
グリチルリチンなどの他の肝疾患治療剤と併用して使用
することもできる。
【0020】
【実施例】次に、参考例、実施例にて本発明を更に詳細
に説明するが本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (参考例1)(±)−1,2,5,8,9,10−ヘキサヒドロ−
1,9−ジオキソ−10−(2−トリフルオロメチルフ
ェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン 60%水素化ナトリウム 45.4g(1.14mo
l)を乾燥ジメチルホルムアミド(454ml)に懸濁
後、氷冷下、ジエチル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジ
メチル−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)ピリ
ジン−3,5−ジカルボキシレート 180g(0.4
53mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド (270
ml)溶液を30分以上かけて滴下し、室温で30分間
撹拌した。次に、1,3,5−トリアジン 129g
(1.59mol)の乾燥ジメチルホルムアミド (5
16ml)溶液を45分以上かけて滴下後、100℃で
18時間加熱撹拌した。放冷後、反応溶液を氷水に注ぎ
込み、30分間撹拌した。析出した結晶を濾過後、水で
洗浄し、減圧下、乾燥(50℃)することにより、標題
化合物 143g(純度 74%)を褐色結晶として得
た。
【0021】1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 5.57(1H,s) 5.84(2H,d,J=7Hz) 7.11(2H,d,J=7Hz) 7.20−7.45(4H,m) 9.37(1H,bs) 10.67(2H,bs)
【0022】(参考例2)(±)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9−イソプ
ロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフルオロメチ
ルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリ
ジン 参考例1で得られた化合物 140g(0.288mo
l)及び炭酸カルシウム 116g(1.16mol)
を乾燥ジメチルホルムアミド (1040ml)に懸濁
後、2−ヨードプロパン 116ml(1.16mo
l)を添加し、100℃で14時間加熱撹拌した。放冷
後、反応溶液を氷水に注ぎ込んだ。次に、酢酸エチルを
加え、20分間攪拌後、セライト濾過した。酢酸エチル
層を分取後、水層を再度、酢酸エチルで抽出した。酢酸
エチル層を合わせて、水及び飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られ
た残渣を中圧液体クロマトグラフィー(メタノール/ク
ロロホルム=1/50〜1/10)で精製することによ
り、標題化合物の粗体 40.2g(純度 85%)を
淡褐色結晶として得た。この粗体 37.8gをアセト
ン(200ml)に懸濁後、氷冷下、2N塩酸(200
ml)を添加し、15分間加熱還流した。放冷後、氷冷
下、20分間攪拌し、結晶を濾過した。得られた結晶を
アセトンで洗浄後、減圧下、乾燥(50℃)することで
標題化合物の塩酸塩の粗体を得た。この粗体を水(34
0ml)に懸濁後、15分間加熱還流した。放冷後、氷
冷下、20分間撹拌し、結晶を濾過した。得られた結晶
を水で洗浄後、減圧下、乾燥(55℃)乾燥することに
より、標題化合物の塩酸塩 27gを淡黄色化合物とし
て得た。この塩酸塩 23.5gをメタノール(235
0ml)に溶解後、28%アンモニア水溶液(10m
l)を添加し、室温で6時間撹拌した。次に、氷水(2
350ml)を加え、更に、2時間撹拌した。析出した
結晶を濾過後、水で洗浄し、減圧下、乾燥(55℃)す
ることにより、標題化合物 21.3gを白色結晶とし
て得た。
【0023】1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 0.81(3H,d,J=6Hz) 1.21(3H,d,J=6Hz) 5.15−5.22(1H,m) 5.72(1H,s) 5.86(1H,d,J=7Hz) 6.47(1H,d,J=5Hz) 7.11−7.39(4H,m) 7.46(1H,d,J=7Hz) 7.75(1H,d,J=5Hz) 9.58(1H,bs) 10.68(1H,bs)
【0024】(参考例3)(±)−5,10−ジヒドロ−1,9−ジイソプロポキ
シ−10−(2−トリフルオロメチルフェニル)ピリド
[4,3−b][1,6]ナフチリジン (±)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9−イソプ
ロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフルオロメチ
ルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリ
ジン 500mg(1.25mmol)及び炭酸カルシ
ウム 626mg(6.25mmol)を乾燥ジメチル
ホルムアミド (10ml)に懸濁後、2−ヨードプロ
パン 0.63ml(6.31mmol)を添加し、1
00℃で16時間加熱撹拌した。放冷後、反応溶液を氷
水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を
水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣を中圧液体クロ
マトグラフィー(メタノール/クロロホルム=1/10
0)で精製することにより、標題化合物 410mgを
白色アモルファスとして得た。このアモルファスをヘキ
サン(20ml)中で30分間撹拌後、濾過し、ヘキサ
ンで洗浄した。得られた結晶を減圧下、乾燥(室温)す
ることにより、標題化合物 313mgを白色結晶とし
て得た。
【0025】mp 198.6−199.4℃1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 0.93(6H,d,J=6Hz) 1.26(6H,d,J=6Hz) 5.23−5.29(2H,m) 5.87(1H,s) 6.50(2H,d,J=6Hz) 7.26−7.52(4H,m) 7.75(2H,d,J=6Hz) 9.79(1H,bs)
【0026】(参考例4)(+)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9−イソプ
ロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフルオロメチ
ルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリ
ジン 窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム 480mg
(12.0mol)を乾燥ジメチルホルムアミド(12
ml)に懸濁後、氷冷下、エチル (+)−1,4−ジ
ヒドロ−5−イソプロポキシ−2−メチル−4−(2−
トリフルオロメチルフェニル)−1,6−ナフチリジン
−3−カルボキシレート 4.21g(10.0mmo
l)の乾燥ジメチルホルムアミド (60ml)溶液を
5分間かけて滴下し、室温で20分間撹拌した。次に、
1,3,5−トリアジン 1.46g(18.0mo
l)の乾燥ジメチルホルムアミド (18ml)溶液を
5分間かけて滴下後、100℃で18時間加熱撹拌し
た。放冷後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣を中圧液
体クロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=1
/10)で精製した。得られた粗体を再結晶[エタノー
ル(50ml)]後、減圧下、乾燥(室温)することに
より、標題化合物(エタノールを5%含有) 910m
gを淡褐色結晶として得た。この化合物 470mgを
水(20ml)に懸濁後、30分間加熱還流した。放冷
後、濾過し、水で洗浄した。減圧下、乾燥(50℃)す
ることにより、標題化合物 411mgを淡褐色結晶と
して得た。
【0027】 [α]D 23+59.9 (c 1.00, MeOH)1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 0.81(3H,d,J=6Hz) 1.21(3H,d,J=6Hz) 5.16−5.22(1H,m) 5.72(1H,s) 5.86(1H,d) 6.47(1H,d,J=5Hz) 7.10−7.39(4H,m) 7.45(1H,d,J=7Hz) 7.76(1H,d,J=5Hz) 9.57(1H,bs) 10.69(1H,bs)
【0028】 (実施例1) (製剤例) 錠 剤 (±)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9−イソプロポキシ−1−オ キソ−10−(2−トリフルオロメチルフェニル)ピリド[4,3−b] [1,6]ナフチリジン 10 mg 乳糖 45 でんぷん 20 結晶セルロース 24.5 ステアリン酸マグネシウム 0.5 これらを加えてよく混合し、打錠機で1錠100mgの
錠剤とする。
【0029】(実施例2)抗Fas抗体により誘発されたマウス肝障害モデルにお
けるALT上昇抑制作用(1) (実験方法)マウス抗Fas抗体(Pharminge
n社(SanDiego,CA.USA)より入手)を
生理食塩水に溶解し、BALB/cマウス(日本チャー
ルス・リバー産の17〜22g雌:日本生物材料センタ
ーから入手)に静脈内投与し(投与量:150μg/k
g、投与液量:100μl)、4時間後に大動脈より採
血し、Karmen法により血清中のalanine
aminotransferase(ALT)を測定し
た。被験薬物は1%メチルセルロースに懸濁し、抗Fa
s抗体投与1時間前に腹腔内投与(投与量:100mg
/kg、投与液量:10ml/kg)した。
【0030】(結果)結果を表1及び表2に示す。
【表1】 *P<0.01、Dunnet test 薬物1:(±)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9
−イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフル
オロメチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]
ナフチリジン
【表2】 *P<0.01、Dunnet test 薬物2:(+)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9
−イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフル
オロメチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]
ナフチリジン 薬物3:1,2,5,8,9,10−ヘキサヒドロ−
1,9−ジオキソ−10−(2−トリフルオロメチルフ
ェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジン 本発明の有効成分である上記の薬物1,2,及び3は1
00mg/kgの用量で抗Fas抗体により誘発された
ALTの上昇(肝障害)を有意に抑制した。
【0031】(実施例3)抗Fas抗体により誘発されたマウス肝障害モデルにお
けるALT上昇抑制作用(2) 有効成分を経口投与したことを除き実施例2と同様な薬
理実験を行った。その結果を表3に示す。
【表3】 薬物4:(+)−1,2,5,10−テトラヒドロ−9
−イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフル
オロメチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]
ナフチリジン 本発明の有効成分である薬物4は経口投与でも用量依存
的に抗Fas抗体により誘発されたALTの上昇(肝障
害)を抑制した。
【0032】(実施例4)毒性試験 マウスに被験薬物((±)−1,2,5,10−テトラ
ヒドロ−9−イソプロポキシ−1−オキソ−10−(2
−トリフルオロメチルフェニル)ピリド[4,3−b]
[1,6]ナフチリジン)を2000mg/kg経口投
与したが、顕著な毒性作用は観察されなかった。さらに
投与後、7日迄観察したが変化がなかった。
【0033】
【発明の効果】上記一般式(I)、一般式(II)又は
一般式(III)で表されるピリド[4,3−b][1,
6]ナフチリジン誘導体を有効成分として含有する製剤
は、肝疾患治療剤として有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)、一般式(II)又は
    一般式(III)で表されるピリド[4,3−b][1,
    6]ナフチリジン誘導体を有効成分として含有する肝疾
    患治療剤。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6
    のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ
    基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、カルボキシル基、
    ハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜6のアルキ
    ル基、又はハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜
    6のアルコキシ基を表し、R2及びR3は同一又は異なり
    水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、そして
    4は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表
    す。)
  2. 【請求項2】1,2,5,10−テトラヒドロ−9−イ
    ソプロポキシ−1−オキソ−10−(2−トリフルオロ
    メチルフェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフ
    チリジンを有効成分として含有する肝疾患治療剤。
  3. 【請求項3】1,2,5,8,9,10−ヘキサヒドロ
    −1,9−ジオキソ−10−(2−トリフルオロメチル
    フェニル)ピリド[4,3−b][1,6]ナフチリジ
    ンを有効成分として含有する肝疾患治療剤。
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