JP2001180010A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

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JP2001180010A
JP2001180010A JP2000313656A JP2000313656A JP2001180010A JP 2001180010 A JP2001180010 A JP 2001180010A JP 2000313656 A JP2000313656 A JP 2000313656A JP 2000313656 A JP2000313656 A JP 2000313656A JP 2001180010 A JP2001180010 A JP 2001180010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体滴の吐出特性を良好に維持するための増
粘防止動作を、より効率的に行うことができる液体噴射
装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の液体噴射装置は、ノズル開口1
7を有すると共に、1回の主走査方向の移動に対応する
記録データを受信するヘッド部材4を備えている。ヘッ
ド部材4が前記記録データを受信した後に、前記ヘッド
部材は主走査方向に移動される。ノズル開口17部分の
液体の増粘は、回復手段の作動によって回復させられ
る。回復手段の前回の作動終了時からの経過時間の少な
くとも一部が、計測タイマ38によって計測される。制
御手段11が、計測タイマ38により計測される時間に
基づいて、回復手段を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル開口から液
体滴を吐出させるヘッド部材を備えた液体噴射装置に関
し、特に、ノズル開口における液体の増粘を防止するよ
うにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式プリンタやプロッタ等
のインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種)で
は、記録ヘッド(ヘッド部材)を主走査方向に沿って移
動させると共に記録紙(印刷記録媒体の一種)を副走査
方向に沿って移動させ、この移動に連動して記録ヘッド
のノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記
録紙上に画像(文字)を記録する。このインク滴(液体
滴)の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧力発生
室においてインク圧力を変化させることで行われる。
【0003】インク圧力の変化は、圧力発生素子、例え
ば、圧電振動子を利用して行われる。この場合、供給さ
れる駆動パルスに応じて圧電振動子が変形し、これによ
り圧力室の容積が変化し、この容積変化によって圧力室
内のインクに圧力変動が生じて、ノズル開口からインク
滴が吐出する。
【0004】ところで、記録ヘッドのノズル開口部分で
は、インクが空気に曝されているので、インク溶媒(例
えば、水)が徐々に蒸発する。このインク溶媒の蒸発に
よりノズル開口部分のインク粘度が上昇し、記録画像の
画質を悪化させる。即ち、当該部分のインク粘度が上昇
すると、吐出されたインク滴が正規の方向からずれた方
向に飛翔し得る。
【0005】このため、インクジェット式記録装置で
は、ノズル開口部分のインクの増粘を防止する対策がな
されている。この増粘対策として、増粘したインクを記
録領域外で強制的に吐出するフラッシング動作や、メニ
スカスの微振動によるインクの撹拌動作がある。ここ
で、メニスカスとは、ノズル開口にて露出したインクの
自由表面のことである。
【0006】そして、これらのメンテナンス動作の実行
量は、記録ヘッドの待機位置から最も離隔した記録領域
での記録画質を保証すべく、当該記録領域の記録画質を
対象として各種の設定がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、B0判等の
大判の記録紙に対して記録を行う記録装置では、記録ヘ
ッドの主走査方向の移動距離が非常に長い。このため、
メンテナンス動作としてフラッシング動作を行う場合、
記録ヘッドの待機位置から最も離隔した記録領域で最初
のインク滴が吐出されても当該インク滴の吐出が正常に
行われるように、フラッシング動作での吐出インク量が
多く設定されている。同様に、メンテナンス動作として
微振動動作(メニスカスの攪拌動作)を行う場合、圧力
発生素子の作動回数が多く設定されている。
【0008】従って、フラッシング動作を行うこのよう
な記録装置では、フラッシング動作で排出されるインク
量が多いため、相対的に記録に使用できるインク量が少
ないという問題がある。また、フラッシング動作で排出
されたインクを回収するための廃液吸収材も、大きな容
量を有する必要がある。
【0009】一方、微振動動作を行うこのような記録装
置では、圧力発生素子の作動回数が多いので、記録ヘッ
ドの寿命が短いという問題がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、インク滴の吐出特性を良好に維持するた
めの増粘防止動作を、より効率的に行うことができるイ
ンクジェット式記録装置、広くは液体噴射装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノズル開口を
有すると共に、1回の主走査方向の移動に対応する噴射
データを受信するヘッド部材と、ヘッド部材が前記噴射
データを受信した後に、前記ヘッド部材を主走査方向に
移動させるヘッド走査機構と、前記ノズル開口部分の液
体の増粘を回復させる回復手段と、前記回復手段の前回
の作動終了時からの経過時間の少なくとも一部を計測す
る計測タイマと、計測タイマが計測する時間に基づい
て、前記回復手段を制御する制御手段と、を備えたこと
を特徴とする液体噴射装置である。
【0012】本発明によれば、回復手段の前回の作動終
了時からの経過時間の少なくとも一部に基づいて回復手
段が制御されるため、ノズル開口内の液体の状態に応じ
た極めて効率的な無駄のない液体の増粘回復動作が実施
され得る。
【0013】ここで、回復手段の前回の作動終了時から
の経過時間の少なくとも一部とは、例えば、前記回復手
段の前回の作動終了時から前記噴射データの受信終了時
までの時間である。この場合、噴射データの受信終了直
後に、次の回復動作を実施(回復手段を作動)すること
が好ましい。
【0014】あるいは、ヘッド走査機構が、ヘッド部材
が噴射データを受信した後に前記ヘッド部材を待機ポジ
ションから主走査方向に移動させると共に、再び待機ポ
ジションに戻すようになっている場合には、ヘッド部材
が主走査方向に移動して再び待機ポジションに戻った時
から前記噴射データの受信終了時までの時間である。こ
れは、回復手段の前回の作動終了時からの経過時間のう
ち、記録データに依存して大きく異なり得るのは、当該
噴射データの受信時間であることを考慮した態様であ
る。
【0015】好ましくは、制御手段は、さらに前記噴射
データ自体を考慮して、前記回復手段を制御するように
なっている。
【0016】具体的には、ヘッド走査機構が、1回の主
走査方向の移動において、最終の液体滴が吐出された後
の領域についてはヘッド部材を移動させないようになっ
ている場合(走行桁が変化する場合)、制御手段は、次
の主走査方向の移動に対応する噴射データに基づいて、
ヘッド部材の次の主走査方向の移動距離に応じて、前記
回復手段を制御するようになっていることが好ましい。
あるいは、この場合、制御手段は、ヘッド部材の前回の
主走査方向の移動距離に応じて、前記回復手段を制御す
るようになっていることが好ましい。
【0017】あるいは、制御手段は、次の主走査方向の
移動に対応する噴射データに基づいて、ヘッド部材の次
の主走査方向の移動中に最初に液体滴が吐出されるまで
の距離に応じて、前記回復手段を制御するようになって
いることが好ましい。
【0018】あるいは、ヘッド部材が複数のノズル開口
を有しており、回復手段がノズル開口毎にノズル開口部
分の液体の増粘を回復させるようになっている場合、制
御手段は、次の主走査方向の移動に対応する噴射データ
に基づいて、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の次の主走
査方向の移動中に当該ノズル開口から最初に液体滴が吐
出されるまでの距離に応じて、前記回復手段を制御する
ようになっていることが好ましい。
【0019】あるいは、制御手段は、ヘッド部材の前回
の主走査方向の移動中の液体吐出(噴射)割合に応じ
て、前記回復手段を制御するようになっていることが好
ましい。
【0020】あるいは、ヘッド部材が複数のノズル開口
を有しており、回復手段がノズル開口毎にノズル開口部
分の液体の増粘を回復させるようになっている場合、制
御手段は、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の前回の主走
査方向の移動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手段
を制御するようになっていることが好ましい。
【0021】あるいは、制御手段は、次の主走査方向の
移動に対応する噴射データに基づいて、ヘッド部材の次
の主走査方向の移動中の液体吐出割合に応じて、前記回
復手段を制御するようになっていることが好ましい。
【0022】あるいは、ヘッド部材が複数のノズル開口
を有しており、回復手段がノズル開口毎にノズル開口部
分の液体の増粘を回復させるようになっている場合、制
御手段は、次の主走査方向の移動に対応する噴射データ
に基づいて、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の次の主走
査方向の移動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手段
を制御するようになっていることが好ましい。
【0023】また、ヘッド部材がそれぞれ異なる液体が
用いられる複数のノズル開口を有しており、回復手段が
ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増粘を回復させ
るようになっている場合、制御手段は、各ノズル開口毎
に、ノズル開口において用いられる液体の特性に基づい
て、前記回復手段を制御するようになっていることが好
ましい。
【0024】また、使用環境の状態を検出するセンサが
設けられている場合、制御手段は、前記センサの出力に
基づいて、前記回復手段を制御するようになっているこ
とが好ましい。
【0025】さらに、ヘッド部材に対して離間した位置
と当接した位置との間で相対的に移動可能で、ヘッド部
材との当接時にはノズル開口を封止するキャップ部材が
設けられている場合、制御手段は、計測タイマが計測す
る時間に基づいて、前記キャップ部材をヘッド部材に当
接させるようになっていることが好ましい。
【0026】なお、回復手段は、ノズル開口部分の液体
を微振動させる微振動手段であり得る。あるいは、回復
手段は、噴射領域外でヘッド部材から液体を吐出させる
フラッシング手段であり得る。
【0027】以上の各制御手段(制御装置)は、コンピ
ュータシステムによって実現され得る。
【0028】なお、コンピュータシステムに各制御部
(制御装置)を実現させるためのプログラムを記録した
コンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象
である。
【0029】ここで、記録媒体とは、フロッピー(登録
商標)ディスク等の単体として認識できるものの他、各
種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
【0031】図1に示すように、本実施の形態のインク
ジェット式記録装置は、インクジェット式プリンタ1で
あり、インクカートリッジ2を保持可能なカートリッジ
ホルダ部3と記録ヘッド4とを有するキャリッジ5を備
えている。キャリッジ5は、ヘッド走査機構によって、
主走査方向に沿って往復移動されるようになっている。
【0032】ヘッド走査機構は、ハウジングの左右方向
に架設されたガイド部材6と、ハウジングの一方側に設
けられたパルスモータ7と、パルスモータ7の回転軸に
接続されて回転駆動される駆動プーリー8と、ハウジン
グの他方側に取付けられた遊転プーリー9と、駆動プー
リー8及び遊転プーリー9の間に掛け渡されると共にキ
ャリッジ5に結合されたタイミングベルト10と、パル
スモータ7の回転を制御する制御部11(図5参照)
と、から構成されている。これにより、パルスモータ7
を作動させることによって、キャリッジ5、即ち、記録
ヘッド4を、記録紙12の幅方向である主走査方向に往
復移動させることができる。
【0033】また、プリンタ1は、記録紙12等の記録
用媒体を紙送り方向(副走査方向)に送り出す紙送り機
構を有する。この紙送り機構は、紙送りモータ13及び
紙送りローラ14等から構成される。記録紙12等の記
録媒体は、記録動作に連動して、順次送り出される。
【0034】本実施の形態のヘッド走査機構及び紙送り
機構は、B0判程度の大判の記録紙12に対応し得る構
成となっている。また、本実施の形態のプリンタ1は、
記録ヘッド4の往動時に記録動作を実行する(単方向記
録を行う)ようになっている。
【0035】キャリッジ5の移動範囲内であって記録領
域よりも外側の端部領域には、ホームポジションと、記
録ヘッド4(キャリッジ5)の待機ポジションと、が設
定されている。図2(a)に示すように、ホームポジシ
ョンは、記録ヘッド4が移動し得るヘッド移動範囲の一
側(図の右側)端部に設定されている。また、待機ポジ
ションは、ホームポジションに対して記録領域側に略隣
接して設定されている。
【0036】本発明は、後述する第3の実施の形態のよ
うな態様等を除いて、記録ヘッド4の往動時及び復動時
の両方で記録動作を実行する(双方向記録を行う)よう
に構成されたプリンタにも適用可能である。このような
プリンタでは、図2(b)に示すように、ホームポジシ
ョシと略隣接する第1の待機ポジションWP1に加え
て、ホームポジションとは反対側の端部に第2の待機ポ
ジションWP2が設けられ得る。
【0037】ホームポジションは、電源オフ時や長時問
に亘って記録が行われなかった場合に記録ヘッド4が移
動して留まる場所である。記録ヘッド4がホームポジシ
ョンに位置する時には、図3(d)に示すように、キャ
ッピング機構のキャップ部材15がノズルプレート16
(図4参照)に当接してノズル開口17(図4参照)を
封止する。キャップ部材15は、ゴム等の弾性部材を上
面が開放した略四角形トレー状に成型した部材であり、
内部にはフェルト等の保湿材が取り付けられている。記
録ヘッド4がキャップ部材15により封止されること
で、キャップ内部が高湿度に保たれて、ノズル開口17
からのインク溶媒の蒸発が防止される。
【0038】待機ポジションは、記録ヘッド4を走査す
る際の起点となる位置である。即ち、記録ヘッド4は、
通常、この待機ポジションで待機し、記録動作時に待機
ポジションから記録領域側へ走査され、記録動作が終了
すると待機ポジションに戻る。
【0039】双方向記録を行うプリンタの場合、図2
(b)を参照して、記録ヘッド4は、第1の待機ポジシ
ョンWP1で待機している状態から第2の待機ポジショ
ンWP2側へ走査されて往動時の記録動作を行う。この
記録動作が終了すると、第2の待機ポジションWP2で
待機する。次に、記録ヘッド4は、第2の待機ポジショ
ンWP2で待機している状態から第1の待機ポジション
WP1側へ走査されて復動時の記録動作を行う。この記
録動作が終了すると、第1の待機ポジションWP1で待
機する。以後は、往動時の記録動作と復動時の記録動作
とを交互に繰り返し実行する。
【0040】待機ポジションには、フラッシング動作
(メンテナンス動作の一種)によって記録ヘッド4が排
出するインクを回収するためのインク受け部材が設けら
れる。本実施の形態では、上記のキャップ部材15が、
インク受け部材を兼ねている。即ち、キャップ部材15
は、図3(a)に示すように、通常は記録ヘッド4の待
機ポジションの下方位置(ノズルプレート16の下方に
少し離隔した位置)に配置されている。そして、記録ヘ
ッド4のホームポジションヘの移動に伴って、図3
(d)に示すように、斜上方側(ホームポジション側か
つノズルプレート16側)に移動して、ノズル開口17
を封止する。
【0041】双方向記録を行うプリンタの場合には、図
2(b)に示すように、第2の待機ポジションWP2に
もインク受け部材18が配設される。このインク受け部
材18は、例えば、記録ヘッド4との対向面が開放した
箱状のフラッシングボックスによって構成され得る。
【0042】さらに、本実施の形態では、待機ポジショ
ンと記録領域との間に、加速領域が設定されている。加
速領域は、記録ヘッド4の走査速度を所定速度まで加速
させるための領域である。
【0043】次に、記録ヘッド4について説明する。記
録ヘッド4は、図4に示すように、インクカートリッジ
2(図1参照)からのインクが供給されるインク室20
と、複数(例えば64個)のノズル開口17が副走査方
向に列設されたノズルプレート16と、ノズル開口17
のそれぞれに対応して複数設けられた圧力室22と、を
主に備える。圧力室22は、圧電振動子21の変形によ
って膨張・収縮するようになっている。
【0044】インク室20と圧力室22とは、インク供
給口23及び供給側連通孔24を介して連通されてい
る。また、圧力室22とノズル開口17とは、第1ノズ
ル連通孔25及び第2ノズル連通孔26を介して連通さ
れている。即ち、インク室20から圧力室22を通って
ノズル開口17に至る一連のインク流路が、ノズル開口
17毎に形成されている。
【0045】上記の圧電振動子21は、所謂たわみ振動
モードの圧電振動子21である。たわみ振動モードの圧
電振動子21を用いると、充電により圧電振動子21が
電界と直交する方向に縮んで圧力室22が収縮し、充電
された圧電振動子21を放電することにより、圧電振動
子21が電界と直交する方向に伸長して圧力室22が膨
張する。
【0046】すなわち、記録ヘッド4では、圧電振動子
21に対する充放電に伴って、対応する圧力室22の容
量が変化する。このような圧力室22の圧力変動を利用
して、ノズル開口17からインク滴を吐出させたり、メ
ニスカス(ノズル開口17で露出しているインクの自由
表面)を微振動させたりすることができる。
【0047】例えば、インク滴を吐出させる場合には、
基準容積の圧力室22を一旦膨張させた後に急激に収縮
させる。このようにすると、圧力室22の急激な収縮に
伴って圧力室22内におけるインク圧力が急激に上昇
し、ノズル開口17からインク滴が吐出される。また、
メニスカスを微振動させてノズル開口17近傍のインク
を撹絆し、インクの増粘を防止する微振動動作(メンテ
ナンス動作の一種)を行う場合には、インク滴が吐出さ
れない程度に圧力室22を膨張、収縮させる。なお、上
記のたわみ振動モードの圧電振動子21に代えて、いわ
ゆる縦振動モードの圧電振動子を用いることも可能であ
る。縦振動モードの圧電振動子は、充電による変形で圧
力室を膨張させ、放電による変形で圧力室を収縮させる
圧電振動子である。
【0048】記録ヘッド4は、好ましくは、異なる複数
種類の色が記録可能な多色記録ヘッドである。多色記録
ヘッドは、複数のヘッドユニットを備えており、各ヘッ
ドユニット毎に使用するインクの種類が設定される。
【0049】例えば、4つのヘッドユニットを備えた記
録へッドでは、ブラックインクを吐出可能なブラックヘ
ッドユニットと、シアンインクを吐出可能なシアンヘッ
ドユニットと、マゼンタインクを吐出可能なマゼンタヘ
ッドユニットと、イエローインクを吐出可能なイエロー
ヘッドユニットとを備える。
【0050】次に、プリンタ1の電気的構成について説
明する。図5に示すように、このインクジェット式プリ
ンタ1は、プリンタコントローラ30とプリントエンジ
ン31とを備えている。
【0051】プリンタコントローラ30は、外部インタ
ーフェース(外部I/F)32と、各種データを一時的
に記憶するRAM33と、制御プログラム等を記憶した
ROM34と、CPU等を含んで構成された制御部11
と、クロック信号を発生する発振回路35と、記録ヘッ
ド4へ供給するための駆動信号COMを発生する駆動信
号発生回路36と、駆動信号や、印刷データに基づいて
展開されたドットパターンデータ(ビットマップデー
タ)等をプリントエンジン31に送信する内部インター
フェース(内部I/F)37と、計測タイマ38と、を
備えている。
【0052】外部I/F32は、例えば、キャラクタコ
ード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構
成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ
等から受信する。また、ビシー信号(BUSY)やアク
ノレッジ信号(ACK)が、外部I/F32を通じて、
ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0053】RAM33は、受信バッファ、中間バッフ
ァ、出力バッファ及びワークメモリと(図示せず)を有
している。そして、受信バッファは、外部I/F32を
介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バ
ッファは、制御部11により変換された中間コードデー
タを記憶し、出力バッファは、ドットパターンデータを
記憶する。ここで、ドットパターンデータとは、中間コ
ードデータ(例えば、階調データ)をデコード(翻訳)
することにより得られる印字データである。
【0054】ROM34には、各種データ処理を行わせ
るための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォ
ントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。さ
らにROM34は、メンテナンス情報保持手段として、
メンテナンス動作用の設定データをも記憶している。
【0055】制御部11は、ROM34に記憶された制
御プログラムに従って各種の制御を行う。例えば、受信
バッファ内の印刷データを読み出すと共にこの印刷デー
タを変換して中間コードデータとし、当該中間コードデ
ータを中間バッファに記憶させる。また、制御部11
は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解
析し、ROM34に記憶されているフォントデータ及び
グラフィック関数等を参照して、ドットパターンデータ
に展開(デコード)する。そして、制御部11は、必要
な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータを
出力バッファに記憶させる。
【0056】記録ヘッド4の1回の主走査により記録可
能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、
当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファか
ら内部I/F37を通じて順次記録ヘッド4の電気駆動
系39に出力され、キャリッジ5が走査されて1行分の
印刷が行われる。出力バッファから1行分のドットパタ
ーンデータが出力されると、展開済みの中間コードデー
タが中間バッファから消去され、次の中間コードデータ
についての展開処理が行われる。
【0057】さらに、制御部11は、記録ヘッド4によ
る記録動作に先立ってなされるメンテナンス動作(回復
動作)を制御する。
【0058】計測タイマ38は、前回行われたメンテナ
ンス動作の終了時点から1パスの記録動作を経て次に行
う記録動作の印字データの受信の終了時点までの経過時
間(1パス時間)を計測するようになっている。
【0059】プリントエンジン31は、紙送り機構とし
ての紙送りモータ13と、ヘッド走査機構としてのパル
スモータ7と、記録ヘッド4の電気駆動系9と、を含ん
で構成してある。
【0060】次に、記録ヘッド4の電気駆動系39につ
いて説明する。電気駆動系39は、図5に示すように、
順に電気的に接続されたシフトレジスタ回路40、ラッ
チ回路41、レベルシフタ回路42、スイッチ回路43
及び圧電振動子21を備えている。これらのシフトレジ
スタ回路40、ラッチ回路41、レベルシフタ回路4
2、スイッチ回路43及び圧電振動子21は、それぞ
れ、記録ヘッド4の各ノズル開口17毎に設けられてい
る。
【0061】この電気駆動系39では、スイッチ回路4
3に加わる印字データが「1」の場合、スイッチ回路4
3は接続状態となって駆動信号(COM)が圧電振動子
21に直接印加され、各圧電振動子21は駆動信号の信
号波形に応じて変形する。一方、スイッチ回路43に加
わる印字データが「0」の場合、スイッチ回路43は非
接続状態となって圧電振動子21への駆動信号の供給が
遮断される。
【0062】このように、印字データに基づいて、各圧
電振動子21に対して駆動信号を選択的に供給できる。
このため、与えられる印字データ次第で、ノズル開口1
7からインク滴を吐出させたり、メニスカスを微振動さ
せたりすることができる。
【0063】次に、プリンタ1の動作について、図2及
び図3に基づいて説明する。
【0064】電源が投入されると、まず必要な初期化動
作が行われる。その後、記録ヘッド4は待機ポジション
で待機する(図3(a)の状態)。1行分の印字データ
がRAM33の出力バッファから出力されると、記録ヘ
ッド4は、記録動作に先だって、メンテナンス動作(回
復動作)を実施する。
【0065】このメンテナンス動作は、記録ヘッド4の
インク滴の吐出能力を維持するために行われるもので、
例えばフラッシング動作と微振動動作とがあり、適宜に
選択されて実施される。
【0066】具体的には、フラッシング動作は、記録領
域外で、記録ヘッド4からインク受け部材(キャップ部
材15)に向けて強制的にインクを排出させる動作であ
る。フラッシング動作は、待機ポジションで停止してい
る最中に行われる。フラッシング動作を行うと、ノズル
開口17付近の増粘したインクが記録ヘッド4の外に排
出され、良好な状態のインクに置換される。
【0067】微振動動作は、上記したように、インク滴
を吐出させない程度に圧力室22を圧力変動させてメニ
スカスを微振動させる動作であり、本実施の形態では、
記録ヘッド4が待機ポジションで停止している最中及び
加速領域を移動している最中に行われる。
【0068】1パス目の主走査(1回目の記録動作)に
おけるメンテナンス動作の実行量の初期値は、待機ポジ
ションから最も離隔した記録領域の最端部X(図2
(a)参照)においてもインクの吐出特性を良好に維持
できる、すなわち、当該最端部にて印刷される画質を保
証し得るような値となっている。
【0069】例えば、メンテナンス動作としてフラッシ
ング動作を行う場合には、フラッシング動作におけるイ
ンク滴の吐出回数(フラッシングショット数)の初期値
を200回に設定する。同様に、メンテナンス動作とし
て微振動動作を行う場合には、微振動動作における圧電
振動子21の作動回数(微振動回数)の初期値を200
回に設定する。
【0070】記録ヘッド4の移動は、フラッシング動作
が行われる場合には、当該フラッシング動作の後に直ち
に開始され、微振動動作が行われる場合には、印字デー
タの受信の終了後の適宜のタイミングで開始される。
【0071】そして、メンテナンス動作がなされた後
に、印字データに基づく記録動作が記録領域にて行われ
る。
【0072】1パス目(1回目)の記録動作が終了する
と(図3(a)及び図3(b)参照)、記録ヘッド4は
待機ポジションに戻って待機する(図3(c)及び図3
(a)参照)。1パス目の記録動作を終了して待機ポジ
ションに戻った記録ヘッド4は、次の行(パス)の印字
データの受信が終了するまで待機ポジションで待機す
る。そして、プリンタコントローラ30から送信される
次の1行分の印字データを受信した後、2パス目(2回
目)のメンテナンス動作を行う。
【0073】この2パス目のメンテナンス動作の実行量
は、計測タイマ38によって計測された記録ヘッド4の
1パス時間に応じて設定される。
【0074】すなわち、制御部11が、計測タイマ38
が計測した1パス時間、すなわち、1回目に行われたメ
ンテナンス動作の終了時点から記録ヘッド4による1パ
スの記録動作及び待機ポジションへの復帰を経て2パス
目の記録動作の印字データの受信の終了時点までの経過
時間に基づいて、フラッシング動作におけるフラッシン
グショット数や微振動動作における微振動回数を設定す
る。
【0075】この設定は、ROM34に記憶されている
メンテナンス設定データに基づいてなされる。このメン
テナンス設定データは、例えば、図6のグラフに示すよ
うなテーブル情報として与えられる。
【0076】図6のグラフに示すメンテナンス設定デー
タは、1パス時間0〜5秒に対応するメンテナンス実行
量(フラッシングショット数あるいは微振動回数)が1
00回であり、1パス時間25秒に対応するメンテナン
ス実行量が200回である。なお、この場合、1回の記
録動作を終了して待機ポジションに戻って来た記録ヘッ
ド4が直ちに次の記録動作のために移動を開始する場合
の1パス時間は、5秒となっている。すなわち、1パス
時間の変動は、主として、受信する印字データの量に依
存するようになっている。もっとも、印字データに応じ
て記録ヘッド4の走査が1行分全体に亘って行われない
場合、例えば、記録ヘッド4が最終のインク滴吐出後の
領域については走査されない場合には、そのことによっ
ても1パス時間が変動する。
【0077】また、1パス時間が5秒を越えて25秒未
満の範囲におけるメンテナンス実行量については、1パ
ス時間との比例関係が成立するように、1パス時間の増
加に伴って増加させている。
【0078】そして、制御部11は、1パス時間に基づ
いてメンテナンス実行量を設定し、設定した実行量に基
づくメンテナンス動作を実行させる。
【0079】例えば、フラッシング動作を行うプリンタ
1で上記の1パス時間が15秒であった場合には、フラ
ッシングショット数として150回を設定し、フラッシ
ング動作でインク滴を150回吐出させる。また、1パ
ス時間が5秒、つまり、1パス目の記録動作を終了して
待機ポジションに戻って来た記録ヘッド4が直ちに2パ
ス目の記録動作のために移動を開始する場合には、フラ
ッシングショット数として100回を設定し、フラッシ
ング動作でインク滴を100回吐出させる。即ち、この
フラッシング動作では、記録ヘッド4の1パス時間に応
じて排出するインクの量を増減する。
【0080】同様に、微振動動作を行うプリンタ1で1
パス時間が15秒であった場合には微振動回数を150
回に設定し、1パス時間が5秒であった場合には微振動
回数を100回に設定する。即ち、微振動動作では、記
録ヘッド4の1パス時間に応じて微振動回数を増減す
る。
【0081】このように、記録ヘッド4の1パス時間に
応じてメンテナンス動作の実行量を設定するように構成
すると、記録領域の端部での画質を保証しつつも、過度
なメンテナンス動作の実行を回避することができ、メン
テナンス動作を効率的に行うことができる。
【0082】即ち、記録ヘッド4の1パス時間が比較的
短い場合には、メニスカスが外気に曝されている期間も
短く、さらに、前回の記録動作におけるメニスカスの残
留振動も存在し得る。このため、ノズル開口17付近の
インクの粘度の上昇が生じ難い。従って、メンテナンス
動作の実行量を比較的少なく設定しても、記録領域の端
部での画質を保証することができる。
【0083】一方、記録ヘッド4の1パス時間が比較的
長い場合には、メニスカスが外気に曝されている期間が
長いため、インク溶媒の蒸発量が増え、ノズル開口17
付近のインクの粘度が記録に影響するまで上昇しがちで
ある。従って、記録領域の端部での画質を保証するため
に、メンテナンス動作の実行量を多く設定している。
【0084】なお、記録ヘッド4の1パス時間が所定の
キャッピング時間(例えば25秒間)を越えた場合、つ
まり、当該キャッピング時間が経過しても印字データの
受信が終了しなかった場合、制御部11は、キャッピン
グを指示する。キャッピングの指示により、記録ヘッド
4が待機ポジションからホームポジションヘと移動し、
キャップ部材15がノズルプレート16に当接してノズ
ル開口17を封止する(図3(d)の状態)。このよう
なキャッピング状態では、インクを含浸させた保湿材に
よってキャップ内部の湿度が高められるため、ノズル開
口17からのインク溶媒の蒸発が防止される。これによ
り、記録ヘッド4内のインク濃度が過剰に上昇してしま
うことを防止できる。
【0085】このようなキャッピング状態は、例えば、
印字データ(ドットパターンデータ)の受信終了に伴っ
て解除される。キャッピング状態が解除されると、記録
ヘッド4は待機ポジションに移動する。この後のメンテ
ナンス動作の実行量については、1パス目用の初期値が
用いられる。
【0086】本実施の形態において、3パス目(3回
目)以降の動作については、2パス目の記録動作と同様
にして繰り返し実行される。
【0087】以上のように、本実施の形態によれば、メ
ンテナンス動作としてフラッシング動作を行うプリンタ
1では、フラッシング動作で排出されるインクの量が記
録ヘッド4の1パス時間に応じた必要最低限の量で済
む。このため、記録に使用できるインクの量を増やすこ
とができる、すなわち、インクカートリッジ2に充填さ
れた限られた量のインクでより多くの記録を行わせるこ
とができる。
【0088】また、フラッシングにより排出されたイン
クを回収する廃液回収材の容量を、小さくすることもで
きる。
【0089】また、メンテナンス動作として微振動動作
を行うプリンタ1では、微振動動作に伴う圧電振動子2
1の作動回数を必要最低限に減らすことができる。この
ため、記録ヘッド4の寿命を延ばすことができる。
【0090】なお、上記の実施の形態では、記録ヘッド
4が待機ポジションに位置している状態でフラッシング
動作を行う場合について説明したが、これに限らず、加
速領域に対応させてインク受け部材を配設し、記録ヘッ
ド4が加速領域を移動している最中にフラッシング動作
を行わせるように構成してもよい。
【0091】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。本実施の形態のインクジェット式記録装置の
計測タイマ38は、記録ヘッド4が待機ポジションに戻
って来てから印字データの受信終了までのキャリッジ待
機時間を計測するようになっている。
【0092】本実施の形態の制御部11は、計測タイマ
38が計測した待機時間、すなわち、記録動作の終了後
に待機ポジションに戻ってから次の記録動作の印字デー
タの受信の終了時点までの経過時間に基づいて、フラッ
シング動作におけるフラッシングショット数や微振動動
作における微振動回数を設定する。
【0093】この設定は、ROM34に記憶されている
メンテナンス設定データに基づいてなされる。このメン
テナンス設定データは、例えば、図7のグラフに示すよ
うなテーブル情報として与えられる。
【0094】図7のグラフに示すメンテナンス設定デー
タは、待機時間0秒に対応するメンテナンス実行量(フ
ラッシングショット数あるいは微振動回数)が100回
であり、待機時間20秒に対応するメンテナンス実行量
が200回である。
【0095】また、待機時間が0秒を越えて20秒未満
の範囲におけるメンテナンス実行量については、待機時
間との比例関係が成立するように、待機時間の増加に伴
って増加させている。
【0096】その他の構成は、図1乃至図6に示す第1
の実施の形態と略同様の構成である。第2の実施の形態
において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一
の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0097】本実施の形態の制御部11は、待機時間に
基づいてメンテナンス実行量を設定し、設定した実行量
に基づくメンテナンス動作を実行させる。
【0098】例えば、フラッシング動作を行うプリンタ
1で待機時間が10秒であった場合には、フラッシング
ショット数として150回を設定し、フラッシング動作
でインク滴を150回吐出させる。また、待機時間が0
秒、つまり、1パス目の記録動作を終了して待機ポジシ
ョンに戻って来た記録ヘッド4が直ちに2パス目の記録
動作のために移動を開始する場合には、フラッシングシ
ョット数として100回を設定し、フラッシング動作で
インク滴を100回吐出させる。即ち、このフラッシン
グ動作では、記録ヘッド4の待機時間に応じて排出する
インクの量を増減する。
【0099】同様に、微振動動作を行うプリンタ1で待
機時間が10秒であった場合には微振動回数を150回
に設定し、待機時間が0秒であった場合には微振動回数
を100回に設定する。即ち、微振動動作では、記録ヘ
ッド4の待機時間に応じて微振動回数を増減する。
【0100】このように、記録ヘッド4の待機時間に応
じてメンテナンス動作の実行量を設定するように構成し
ても、記録領域の端部での画質を保証しつつ過度なメン
テナンス動作の実行を回避することができ、メンテナン
ス動作を効率的に行うことができる。
【0101】なお、記録ヘッド4の待機時間が所定のキ
ャッピング時間(例えば20秒間)を越えた場合、つま
り、当該キャッピング時間が経過しても印字データの受
信が終了しなかった場合、制御部11は、キャッピング
を指示する。キャッピングの指示により、記録ヘッド4
が待機ポジションからホームポジションヘと移動し、キ
ャップ部材15がノズルプレート16に当接してノズル
開口17を封止する(図3(d)の状態)。このような
キャッピング状態では、インクを含浸させた保湿材によ
ってキャップ内部の湿度が高められるため、ノズル開口
17からのインク溶媒の蒸発が防止される。これによ
り、記録ヘッド4内のインク濃度が過剰に上昇してしま
うことを防止できる。
【0102】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図8は、本実施の形態における、待機時間と
メンテナンス実行量(フラッシングショット数または微
振動回数)の関係、及び、待機時間とキャッピング時間
の関係を示した図である。本実施の形態の制御部11
は、記録動作における印刷桁数、つまり、主走査方向へ
の記録ヘッド4の走査量を加味してメンテナンス実行量
を設定する。
【0103】より具体的には、本実施の形態では、1行
分の印刷データに基づいて、フル桁設定データと、1/
2桁設定データと、1/3桁設定データと、のいずれか
のデータが用いられる。これらの各設定データはデーブ
ルデータであり、メンテナンス設定データとしてROM
34に記録されている。
【0104】フル桁設定データは、メンテナンス動作に
続けて行われる今回記録動作における記録ヘッド4の走
査終了位置が、記録領域の主走査方向略中央(1/2
桁)を越えた位置から待機ポジションより最も離隔した
記録領域の最端部X(末桁)の範囲内であった場合に使
用されるデータである。
【0105】1/2桁設定データは、上記の今回記録動
作における記録ヘッド4の走査終了位置が、記録領域の
主走査方向略1/3の位置(1/3桁)を越えた位置か
ら主走査方向略中央(1/2桁)の範囲内であった場合
に使用されるデータである。
【0106】1/3桁設定データは、今回記録動作にお
ける記録ヘッド4の走査終了位置が、記録領域の主走査
方向略1/3の位置(1/3桁)までの範囲内であった
場合に使用されるデータである。
【0107】なお、記録ヘッド4の走査終了位置は、例
えば、RAM33に展開された印字データに基づいて取
得できる。
【0108】これらの各設定データは、何れも、待機時
間との比例関係が成立するように、待機時間の増加に伴
ってメンテナンス実行量が増加するようになっている。
【0109】そして、フル桁設定データと1/2桁設定
データと1/3桁設定データとを比較すると、待機時間
が同じ場合には、フル桁設定データに対応するメンテナ
ンス実行量が最も多い値に設定され、1/2桁設定デー
タに対応するメンテナンス実行量はフル桁設定データの
メンテナンス実行量よりも少ない値に設定され、1/3
桁設定データに対応するメンテナンス実行量は1/2桁
設定データのメンテナンス実行量よりもさらに少ない値
に設定されている。
【0110】その他の構成は、図7を用いて説明した第
2の実施の形態と略同様の構成である。第3の実施の形
態において、第2の実施の形態と同一の部分には同一の
符号を付して詳細な説明は省略する。
【0111】上記のような設定データに基づいて、制御
部11は、今回記録動作における記録ヘッド4の走査量
が少ない程、待機時間に対するメンテナンス実行量を少
ない値に設定するようになっている。
【0112】即ち、今回記録動作における記録ヘッド4
の走査量が少ない(記録桁が短い)場合、走査範囲にお
いて待機位置から最も離隔した位置で最初のインク滴が
吐出されたとしても記録ヘッド4の空走距離が短い。こ
のため、インク溶媒の蒸発量が少なくて済み、ノズル開
口17付近のインク粘度が記録に影響するまで上昇し難
い。従って、メンテナンス実行量をより少なく設定して
も、走査範囲の端部における画質を保証することができ
る。
【0113】一方、記録ヘッド4の走査量が多い(記録
桁が長い)場合、走査範囲において待機位置から最も離
隔した位置で最初のインク滴が吐出されると、記録ヘッ
ド4の空走距離が長いためにインク溶媒の蒸発量も多
く、ノズル開口17付近のインク粘度が記録に影響する
まで上昇し易い。従って、走査範囲の端部での画質を保
証するために、メンテナンス動作の実行量を多く設定し
ている。
【0114】また、キャッピング時間に関しては、フル
桁記録データが最も短く設定され、1/2桁設定データ
が2番目に短く設定され、1/3桁設定データが最も長
く設定される。
【0115】すなわち、今回記録動作における記録ヘッ
ド4の走査量が多い場合、待機位置から最も離隔した位
置で最初のインク滴が吐出されると、記録ヘッド4の空
走距離が長くなる。このため、インク粘度が過度に上昇
した状態でインク滴が吐出されるおそれが大きい。従っ
て、走査範囲の端部における画質を保証すべく、キャッ
ピング時間を比較的短く設定する。
【0116】一方、記録ヘッド4の走査量が少ない場合
には、走査範囲における待機位置から最も離隔した位置
で最初のインク滴が吐出されても、記録ヘッド4の空走
距離が短い。このため、インク粘度が過度に上昇した状
態でインク滴が吐出されるおそれが小さい。従って、キ
ャッピング時間を比較的長く設定しても、走査範囲の端
部における画質を保証できる。
【0117】なお、本実施の形態において、今回の記録
動作における記録ヘッド4の走査量の代わりに、前回の
記録動作における記録ヘッド4の走査量を加味してメン
テナンス実行量を設定してもよい。
【0118】即ち、前回記録動作における記録ヘッド4
の走査量が少ない場合、記録ヘッド4が走査終了位置か
ら待機ポジションに戻って来るまでの空走距離及び空走
時間が短くて済む。このため、空走に伴うインク溶媒の
蒸発量が少なくて済み、ノズル開口17付近のインク粘
度が記録に影響するまで上昇し難い。従って、メンテナ
ンス実行量をより少なく設定しても、次回記録領域(端
部を含む)の画質を保証することができる。
【0119】一方、記録ヘッド4の走査量が多い(記録
桁が長い)場合、上記の空走距離及び空走時間が長い。
このため、空走に伴うインク溶媒の蒸発量が多く、ノズ
ル開口17付近のインク粘度が記録に影響するまで上昇
しがちである。従って、次回記録領域(端部を含む)の
画質を保証するために、メンテナンス実行量を多く設定
する。
【0120】同様に、キャッピング時間に関しても、前
回の記録動作における記録ヘッド4の走査量を加味して
設定することができる。
【0121】即ち、前回の記録動作で記録ヘッド4の走
査量が多かった場合には、上記のようにノズル開口17
付近でのインク粘度の過度の上昇が生じ易い。従って、
キャッピング時間を比較的短く設定して、ノズル開口1
7付近でのインク粘度の過剰な上昇を防止する。
【0122】一方、前回の記録動作で記録ヘッド4の走
査量が少なかった場合には、上記のようにノズル開口1
7付近のインク粘度が過度に上昇する虞が小さい。従っ
て、キャッピング時間を長く設定しても、次回記録領域
の端部における画質を保証することができる。
【0123】さらに、前回の記録動作における記録ヘッ
ド4の走査量と今回の記録動作における記録ヘッド4の
走査量との両方を加味して、メンテナンス実行量を設定
することも有効である。例えば、前回の記録動作におけ
る記録ヘッド4の走査量と今回の記録動作における記録
ヘッド4の走査量との平均走査量を利用したり、前回の
記録動作における記録ヘッド4の走査量と今回の記録動
作における記録ヘッド4の走査量との長い方を利用した
りすることができる。
【0124】このように、本実施の形態では、記録動作
における記録ヘッド4の走査量を加味してメンテナンス
実行量を設定するので、記録ヘッド4の空走に伴うイン
ク溶媒の蒸発の程度などが考慮でき、メンテナンス動作
をより最適化できる。
【0125】その結果、フラッシング動作を行う場合に
は無駄なインク消費をさらに抑止することができるし、
微振動動作を行う場合には圧電振動子21の一層の延命
化が図れる。
【0126】なお、各設定データの区分けは、上記の例
に限定されるものではなく、任意に設定することができ
る。
【0127】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。図9は、本実施の形態における、待機時間と
メンテナンス実行量(フラッシングショット数または微
振動回数)の関係、及び、待機時間とキャッピング時間
の関係を示した図である。本実施の形態の制御部11
は、記録動作における最初のインク滴(ファーストドッ
ト)が吐出されるまでの走査量を加味して、メンテナン
ス実行量を設定する。
【0128】この場合、制御部11は、今回記録動作に
おいてノズル開口17が最初のインク滴を吐出するまで
の記録ヘッド4の走査量を、印字データやパルスモータ
7へのパルス供給数などに基づいて取得する。そして、
取得した当該走査量を加味して、待機時間に対するメン
テナンス動作の実行量(フラッシング動作におけるイン
ク滴の吐出回数や微振動動作における圧電振動子21の
作動回数)を設定する。
【0129】本実施の形態では、第3の実施の形態と略
同様に、1行分の印刷データに基づいて、フル桁設定デ
ータと、1/2桁設定データと、1/3桁設定データ
と、のいずれかのデータが用いられる。これらの各設定
データはデーブルデータであり、メンテナンス設定デー
タとしてROM34に記録されている。
【0130】フル桁設定データは、メンテナンス動作に
続けて行われる今回記録動作における記録ヘッド4の最
初のインク滴吐出位置が、記録領域の主走査方向略中央
(1/2桁)を越えた位置から待機ポジションより最も
離隔した記録領域の最端部X(末桁)の範囲内であった
場合に使用されるデータである。
【0131】1/2桁設定データは、上記の今回記録動
作における記録ヘッド4の最初のインク滴吐出位置が、
記録領域の主走査方向略1/3の位置(1/3桁)を越
えた位置から主走査方向略中央(1/2桁)の範囲内で
あった場合に使用されるデータである。
【0132】1/3桁設定データは、今回記録動作にお
ける記録ヘッド4の最初のインク滴吐出位置が、記録領
域の主走査方向略1/3の位置(1/3桁)までの範囲
内であった場合に使用されるデータである。
【0133】なお、記録ヘッド4の最初のインク滴吐出
位置は、例えば、RAM33に展開された印字データに
基づいて取得できる。
【0134】これらの各設定データは、何れも、待機時
間との比例関係が成立するように、待機時間の増加に伴
ってメンテナンス実行量が増加するようになっている。
【0135】そして、フル桁設定データと1/2桁設定
データと1/3桁設定データとを比較すると、待機時間
が同じ場合には、フル桁設定データに対応するメンテナ
ンス実行量が最も多い値に設定され、1/2桁設定デー
タに対応するメンテナンス実行量はフル桁設定データの
メンテナンス実行量よりも少ない値に設定され、1/3
桁設定データに対応するメンテナンス実行量は1/2桁
設定データのメンテナンス実行量よりもさらに少ない値
に設定されている。
【0136】その他の構成は、図8を用いて説明した第
3の実施の形態と略同様の構成である。第4の実施の形
態において、第3の実施の形態と同一の部分には同一の
符号を付して詳細な説明は省略する。
【0137】上記のような設定データに基づいて、制御
部11は、今回記録動作において記録ヘッド4が最初の
インク滴を吐出するまでの空走距離及び空走時間が短い
程、待機時間に対するメンテナンス実行量を少ない値に
設定するようになっている。
【0138】即ち、今回記録動作において記録ヘッド4
が最初のインク滴を吐出するまでの空走距離及び空走時
間が短い場合、インク溶媒の蒸発量が少なくて済み、ノ
ズル開口17付近のインク粘度が記録に影響するまで上
昇し難い。従って、メンテナンス実行量をより少なく設
定しても、最初に吐出されるインク滴による画質を保証
することができる。
【0139】一方、記録ヘッド4が最初のインク滴を吐
出するまでの空走距離及び空走時間が長い場合、インク
溶媒の蒸発量も多く、ノズル開口17付近のインク粘度
が記録に影響するまで上昇し易い。従って、最初に吐出
されるインク滴による画質を保証するために、メンテナ
ンス動作の実行量を多く設定している。
【0140】また、キャッピング時間に関しては、フル
桁記録データが最も短く設定され、1/2桁設定データ
が2番目に短く設定され、1/3桁設定データが最も長
く設定される。
【0141】これは、記録ヘッド4の空走距離及び空走
時間が長い場合、インク粘度が過度に上昇した状態で最
初のインク滴が吐出されるおそれが大きいため、キャッ
ピング時間を比較的短く設定する趣旨である。
【0142】一方、記録ヘッド4の空走距離及び空走時
間が短い場合、インク粘度が過度に上昇した状態でイン
ク滴が吐出されるおそれが小さいため、キャッピング時
間を比較的長く設定する趣旨である。
【0143】このように、本実施の形態では、記録動作
において記録ヘッド4が最初のインク滴を吐出する位置
を加味してメンテナンス実行量を設定するので、記録ヘ
ッド4の空走に伴うインク溶媒の蒸発などがより正確に
考慮されて、メンテナンス動作をより最適化できる。
【0144】その結果、フラッシング動作を行う場合に
は無駄なインク消費をさらに抑止することができるし、
微振動動作を行う場合には圧電振動子21の一層の延命
化が図れる。
【0145】なお、各設定データの区分けは、上記の例
に限定されるものではなく、任意に設定することができ
る。
【0146】また、「最初のインク滴」とは、記録ヘッ
ド4にとって(全ノズル開口17について)の最初のイ
ンク滴である他、各ノズル開口毎の最初のインク滴であ
ってもよい。後者の場合、各ノズル開口17毎にメンテ
ナンス動作の実行量が設定され得る。この場合、メンテ
ナンス動作をより一層最適化することが可能である。
【0147】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。図10は、本実施の形態における、待機時間
とメンテナンス実行量(フラッシングショット数または
微振動回数)の関係、及び、待機時間とキャッピング時
間の関係を示した図である。本実施の形態の制御部11
は、記録動作におけるインク吐出割合(印刷デューテ
ィ)を加味してメンテナンス実行量を設定する。ここ
で、印刷デューティとは、ドットの記録割合、すなわ
ち、1回の主走査で記録可能な総ドット数に対して実際
に記録するドット数の割合を意味する。
【0148】より具体的には、本実施の形態では、1行
分の印刷データに基づいて、20%設定データと、20
%〜50%設定データと、50%設定データと、のいず
れかのデータが用いられる。これらの各設定データはテ
ーブルデータであり、メンテナンス設定データとしてR
OM34に記録されている。
【0149】20%設定データは、前回の記録動作にお
ける印刷デューティが20%以下であった場合に使用さ
れるデータである。
【0150】20%〜50%設定データは、前回の記録
動作における印刷デューティが20%を越えて50%未
満の場合に使用されるデータである。
【0151】50%設定データは、前回の記録動作にお
ける印刷デューティが50%以上の場合に使用されるデ
ータである。
【0152】例えば、ノズル列を構成するノズル開口1
7が64個であり、主走査方向のドット数が1000個
であったとすると、上記の総ドット数は64000個
(64×1000)となる。この場合において、実際に
記録したドット数が12800個であったとすると、印
刷デューティは20%となる。同様に、実際に記録した
ドット数が32000個であったとすると、印刷デュー
ティは50%となる。
【0153】なお、実際に記録したドット数は、例え
ば、RAM33に展開された印字データ(ドットパター
ンデータ)に基づいて取得できる。
【0154】これらの各設定データについても、何れ
も、待機時間との比例関係が成立するように、待機時間
の増加に伴ってメンテナンス実行量が増加するようにな
っている。
【0155】そして、20%設定データと20%〜50
%設定データと50%設定データとを比較すると、待機
時間が同じ場合には、20%設定データに対応するメン
テナンス実行量が最も多い値に設定され、20%〜50
%設定データに対応するメンテナンス実行量は20%設
定データのメンテナンス実行量よりも少ない値に設定さ
れ、50%設定データに対応するメンテナンス実行量は
20%〜50%設定データのメンテナンス実行量よりも
さらに少ない値に設定されている。
【0156】その他の構成は、図7を用いて説明した第
2の実施の形態と略同様の構成である。第5の実施の形
態において、第2の実施の形態と同一の部分には同一の
符号を付して詳細な説明は省略する。
【0157】上記のような設定データに基づいて、制御
部11は、前回記録動作におけるドットの記録割合が高
い程、待機時間に対するメンテナンス実行量を少ない値
に設定するようになっている。
【0158】前回記録動作における印刷デューティが高
いことは、各ノズル開口17からのインク滴の吐出頻度
が平均して高かったことを意味する。すなわち、この場
合、ノズル開口17付近のインク粘度が記録に影響する
まで上昇し難い。従って、メンテナンス実行量をより少
なく設定しても、今回記録領域における画質を保証する
ことができる。
【0159】一方、前回記録動作における印刷デューテ
ィが低いことは、各ノズル開口17からのインク滴の吐
出頻度が平均して低かったことを意味する。すなわち、
この場合、ノズル開口17付近のインク粘度が記録に影
響するまで上昇し易い。従って、今回記録領域での画質
を保証するために、メンテナンス動作の実行量を多く設
定している。
【0160】また、キャッピング時間に関しては、20
%設定データが最も短く設定され、20%〜50%設定
データが2番目に短く設定され、50%設定データが最
も長く設定される。
【0161】すなわち、前回記録動作における印刷デュ
ーティが低かった場合、ノズル開口17付近のインク粘
度が記録に影響するまで上昇する時間は比較的短い。従
って、今回記録領域の端部における画質を保証すべく、
キャッピング時間を比較的短く設定する。
【0162】一方、前回記録動作における印刷デューテ
ィが高かった場合、ノズル開口17付近のインク粘度が
記録に影響するまで上昇する時間は比較的長い。従っ
て、キャッピング時間を比較的長く設定しても、今回記
録領域の端部における画質を保証できる。
【0163】なお、本実施の形態において、前回の記録
動作における記録ヘッド4の印刷ディーティの代わり
に、今回の記録動作における記録ヘッド4の印刷デュー
ティを加味してメンテナンス実行量を設定してもよい。
【0164】即ち、今回記録動作における印刷デューテ
ィが高いことは、各ノズル開口17からのインク滴の吐
出頻度が平均して高いことを意味する。すなわち、この
場合、ノズル開口17付近のインク粘度が記録に影響す
るまで上昇し難い。従って、メンテナンス実行量をより
少なく設定しても、今回記録領域における画質を保証す
ることができる。
【0165】一方、今回記録動作における印刷デューテ
ィが低いことは、各ノズル開口17からのインク滴の吐
出頻度が平均して低いことを意味する。すなわち、この
場合、ノズル開口17付近のインク粘度が記録に影響す
るまで上昇し易い。従って、今回記録領域での画質を保
証するために、メンテナンス実行量を多く設定する。
【0166】同様に、キャッピング時間に関しても、今
回の記録動作における印刷デューティを加味して設定す
ることができる。
【0167】すなわち、今回記録動作における印刷デュ
ーティが低い場合、今回記録動作において最初のインク
滴が吐出されるまでの空走距離及び空走時間が長い可能
性が高い。従って、最初に吐出されるインク滴による画
質を保証すべく、キャッピング時間を比較的短く設定す
る。
【0168】一方、今回記録動作における印刷デューテ
ィが高い場合、今回記録動作において最初のインク滴が
吐出されるまでの空走距離及び空走時間が短い可能性が
高い。従って、キャッピング時間を比較的長く設定して
も、最初に吐出されるインク滴による画質を保証でき
る。
【0169】さらに、前回の記録動作における印刷デュ
ーティと今回の記録動作における印刷デューティとの両
方を加味して、メンテナンス実行量を設定することも有
効である。例えば、前回の印刷デューティと今回の印刷
デューティとの平均を利用したり、前回の印刷デューテ
ィと今回の印刷デューティとの小さい方の値を利用した
りすることができる。
【0170】このように、本実施の形態では、記録動作
における印刷デューティを加味してメンテナンス実行量
を設定するので、記録動作におけるインク滴吐出の頻度
を考慮でき、メンテナンス動作をより最適化できる。
【0171】その結果、フラッシング動作を行う場合に
は無駄なインク消費をさらに抑止することができるし、
微振動動作を行う場合には圧電振動子21の一層の延命
化が図れる。
【0172】なお、各設定データの区分けは、上記の例
に限定されるものではなく、任意に設定することができ
る。
【0173】また、本実施の形態では、記録ヘッド4全
体の印刷デューティを考慮するものであるが、各ノズル
開口毎に印刷デューティを考慮してもよい。後者の場
合、各ノズル開口17毎にメンテナンス動作の実行量が
設定され得る。この場合、メンテナンス動作をより一層
最適化することが可能である。
【0174】以上の各実施の形態において、制御部11
は、記録に使用されるインクの種類(特性)を加味して
メンテナンス実行量を設定することができる。これは、
インク溶媒の蒸発による増粘の程度が、インクの種類毎
に異なることを考慮したものである。
【0175】例えば、黒等の暗色系のインクでは、イン
ク溶媒の蒸発に伴うインク粘度の上昇が生じ易い。反対
に、イエロー、ライトマゼンタ、ライトシアン等の明色
(薄色)系のインクでは、インク溶煤の蒸発に伴うイン
ク粘度の上昇が生じ難い。また、顔料系のインクでは、
インク溶媒の蒸発に伴うインク粘度の上昇が生じ易く、
染料系のインクでは、インク溶媒の蒸発に伴うインク粘
度の上昇が生じ難い。
【0176】そこで、暗色系のインクについては、明色
系のインクよりもメンテナンス実行量を多く設定する。
同様に、顔料系のインクについては、染料系のインクよ
りもメンテナンス実行量を多く設定する。これにより、
インクの種類に基づいてインク粘度の上昇し易さが異な
っても、そのインクにとって量適なメンテナンス実行量
を設定できる。
【0177】具体的に説明すると、例えば、イエロー、
ライトマゼンタ及びライトシアン等の明色系インクを使
用するヘッドユニットに対しては、係数を1として、記
録ヘッド4の待機時間等に基づいて設定したメンテナン
ス実行量でメンテナンス動作が行われ得る。
【0178】また、マゼンタやシアン等の有色系インク
を使用するヘッドユニットに対しては、係数を2とし
て、記録ヘッド4の待機時間等に基づいて設定したメン
テナンス実行量を2倍した実行量でメンテナンス動作が
行われ得る。
【0179】さらに、ブラックインクを使用するヘッド
ユニットに対しては、係数を3として、記録ヘッド4の
待機時間等に基づいて設定したメンテナンス実行量を3
倍した実行量でメンテナンス動作が行われ得る。
【0180】このように、インクの種類を加味してメン
テナンス実行量を設定することにより、インクの特性が
考慮されたきめ細かなメンテナンス動作を行わせること
ができる。
【0181】さらに、以上の各実施の形態において、制
御部11は、インクジェット式記録装置1の使用場所に
おける温度や湿度等の環境情報を加味してメンテナンス
実行量を設定することができる。これは、インク溶媒の
蒸発のし易さが温度や湿度によって左右されることを考
慮したものである。
【0182】この場合には、図11に示すように、イン
クジェット式プリンタ装置1の使用環境における温度を
検出する温度センサ51や、当該使用環境における湿度
を検出する湿度センサ52が、環境情報検出手段として
設けられる。温度センサ51が検出したアナログ量の温
度信号や湿度センサ52が検出したアナログ量の湿度信
号は、A/D変換器53,54によってデジタル量に変
換され、センサ用インターフェース55を介して環境情
報としてプリンタコントローラ30に入力される。
【0183】制御部11は、入力された環境情報(温度
情報、湿度情報)を加味して、待機時間に対するメンテ
テンス実行量を設定する。
【0184】例えば、図12に示すように、得られた環
境情報に基づいて、使用環境の状態を低温低湿領域Aと
通常領域Bと高温低湿領域Cとに分類して、各領域毎に
設定された係数を利用する。
【0185】この場合、低温低湿領域Aは、温度10℃
且つ湿度20%の点a、温度10℃且つ湿度35%の点
b、及び、温度15℃且つ湿度20%の点c、の3点を
結ぶ線で区画される三角形状の領域である。
【0186】通常領域Bは、温度10℃且つ湿度35%
の点b、温度10℃且つ湿度80%の点d、温度40℃
且つ湿度80%の点e、温度40℃且つ湿度35%の点
f、温度35℃且つ湿度20%の点g、温度15℃且つ
湿度20%の点c、の6点を結ぶ線で区画される略ホー
ムベース状の領域である。
【0187】高温低湿領域Cは、温度35℃且つ湿度2
0%の点g、温度40℃且つ湿度35%の点f、及び、
温度40℃且つ湿度20%の点h、の3点を結ぶ線で区
画される三角形状の領域である。
【0188】そして、使用環境の状態が通常領域Bの範
囲内にある場合には、インク溶媒の蒸発はそれほど顕著
ではない。このため、この場合、係数を1として、記録
ヘッド4の待機時間等に基づいて設定したメンテナンス
実行量でメンテナンス動作が行われ得る。
【0189】一方、使用環境の状態が低温低湿領域Aま
たは高温低湿領域Cの範囲内にある場合には、ノズル開
口17付近のインク粘度が上昇し易い。なぜなら、湿度
に関しては、低湿になるほどインク溶媒の蒸発が顕著に
なる傾向があり、また、温度に関しては、高温になるほ
どインク溶媒の蒸発が顕著になると共に低温になるほど
インク粘度が増大する傾向があるからである。このた
め、これらの場合、係数を2として、記録ヘッド4の待
機時間等に基づいて設定したメンテナンス実行量を2倍
した実行量でメンテナンス動作が行われ得る。
【0190】このように、使用環境の状態を加味してメ
ンテナンス実行量を設定することにより、インク溶媒の
蒸発のし易さに対応したきめ細かなメンテナンス動作を
実行することができる。
【0191】なお、図11を用いて説明した上記のイン
クジェット式プリンタ装置1は、温度センサ51と湿度
センサ52との両方を備えているが、何れか一方のセン
サのみが設けられてもよい。また、温度センサ51及び
湿度センサ52以外のセンサを用いてもよい。
【0192】さらに、上記の各実施の形態に関し、上述
した本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能
である。
【0193】例えば、圧力室22の容積を変化させる圧
力発生素子は、圧電振動子21に限定されるものではな
い。例えば、磁歪素子を圧力発生素子として用い、この
磁歪素子によって圧力室22を膨張・収縮させて圧力変
動を生じさせるようにしてもよいし、発熱素子を圧力発
生素子として用い、この発熱素子からの熱で膨張・収縮
する気泡によって圧力室22に圧力変動を生じさせるよ
うに構成してもよい。
【0194】なお、前述のように、プリンタコントロー
ラ30はコンピュータシステムによって構成され得る
が、コンピュータシステムに前記各要素を実現させるた
めのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュ
ータ読取り可能な記録媒体201も、本件の保護対象で
ある。
【0195】さらに、前記の各要素が、コンピュータシ
ステム上で動作するOS等のプログラムによって実現さ
れる場合、当該OS等のプログラムを制御する各種命令
を含むプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒
体202も、本件の保護対象である。
【0196】ここで、記録媒体201、202とは、フ
ロッピーディスク等の単体として認識できるものの他、
各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0197】なお、以上の説明はインクジェット式記録
装置についてなされているが、本発明は、広く液体噴射
装置全般を対象としたものである。液体の例としては、
インクの他に、グルー、マニキュア等が用いられ得る。
【0198】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回復手段の前回の作動終了時からの経過時間の少なくと
も一部に基づいて回復手段が制御されるため、ノズル開
口内の液体の状態に応じた極めて効率的な無駄のない液
体の増粘回復動作が実施され得る。
【0199】例えば、増粘回復動作として、記録領域外
でヘッド部材から液体を排出させるフラッシング動作を
行う場合、フラッシング動作で排出される液体量を必要
最低限に抑えることができる。これにより、記録に使用
できる液体の量を増やすことができ、液体を有効に使用
することができる。また、フラッシング動作で排出され
る液体のための回収材の容量を小さくすることもでき
る。
【0200】あるいは、増粘回復動作として、液体滴を
吐出させない程度に圧力室を圧力変動させてメニスカス
を微振動させる微振動動作を行う場合、微振動動作に伴
う圧力発生素子の作動回数を必要最低限に抑えることが
できる。これにより、圧力発生素子の寿命を延ばすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインクジェット式
記録装置の概略斜視図である。
【図2】記録ヘッドの走査範囲を説明する模式図であ
り、(a)は単方向記録を行うプリンタの走査範囲を、
(b)は双方向記録を行うプリンタの走査範囲をそれぞ
れ示す。
【図3】記録ヘッドの動作を説明する模式図であり、
(a)は待機ポジションに位置している状態を、(b)
は待機位置から記録領域側へ移動している状態を、
(c)は記録領域側から待機ポジションに戻ってくる時
の状態を、(d)はホームポジションに位置している状
態を、それぞれ示す。
【図4】記録ヘッドの構成を説明する図である。
【図5】記録ヘッドの電気的構成を示す概略ブロック図
である。
【図6】1パス時間とメンテナンス実行量との関係の一
例を示す図である。
【図7】待機時間とメンテナンス実行量との関係の一例
を示す図である。
【図8】記録ヘッドの走査量を加味した場合の、待機時
間とメンテナンス実行量との関係の一例を示す図であ
る。
【図9】今回記録動作における最初のインク滴吐出位置
を加味した場合の、待機時間とメンテナンス実行量との
関係の一例を示す図である。
【図10】記録動作におけるインク吐出割合を加味した
場合の、待機時間とメンテナンス実行量との関係の一例
を示す図である。
【図11】使用環境の温度センサ及び湿度センサを設け
た場合の、記録ヘッドの電気的構成を示す概略ブロック
図である。
【図12】使用場所の湿度及び温度と係数設定の区分の
一例との関係について説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ 2 インクカートリッジ 3 カートリッジホルダ部 4 記録ヘッド 5 キャリッジ 6 ガイド部材 7 パルスモータ 8 駆動プーリー 9 逆転プーリー 10 タイミングベルト 11 制御部 12 記録紙 13 紙送りモータ 14 紙送りローラ 15 キャップ部材 16 ノズルプレート 17 ノズル開口 18 インク受け部材 20 インク室 21 圧電振動子 22 圧力室 23 インク供給口 24 供給側連通孔 25 第1ノズル連通孔 26 第2ノズル連通孔 30 プリンタコントローラ 31 プリントエンジン 32 外部インターフェース 33 RAM 34 ROM 35 発振回路 36 駆動信号発生回路 37 内部インターフェイス 38 計測タイマ 39 記録ヘッドの電気駆動系 40 シフトレジスタ回路 41 ラッチ回路 42 レベルシフタ回路 43 スイッチ回路 51 温度センサ 52 湿度センサ 53,54 A/D変換器 55 センサ用インターフェース

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル開口を有すると共に、1回の主走査
    方向の移動に対応する噴射データを受信するヘッド部材
    と、 ヘッド部材が前記噴射データを受信した後に、前記ヘッ
    ド部材を主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、 前記ノズル開口部分の液体の増粘を回復させる回復手段
    と、 前記回復手段の前回の作動終了時からの経過時間の少な
    くとも一部を計測する計測タイマと、 計測タイマが計測する時間に基づいて、前記回復手段を
    制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする液体噴
    射装置。
  2. 【請求項2】計測タイマは、前記回復手段の前回の作動
    終了時から前記噴射データの受信終了時までの時間を計
    測するようになっていることを特徴とする請求項1に記
    載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】ヘッド走査機構は、ヘッド部材が噴射デー
    タを受信した後に、前記ヘッド部材を待機ポジションか
    ら主走査方向に移動させると共に、再び待機ポジション
    に戻すようになっており、 計測タイマは、ヘッド部材が主走査方向に移動して再び
    待機ポジションに戻った時から前記噴射データの受信終
    了時までの時間を計測するようになっていることを特徴
    とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】制御手段は、前記噴射データに基づいて、
    前記回復手段を制御するようになっていることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】ヘッド走査機構は、1回の主走査方向の移
    動において、最終の液体滴が吐出された後の領域につい
    てはヘッド部材を移動させないようになっており、 制御手段は、次の主走査方向の移動に対応する噴射デー
    タに基づいて、ヘッド部材の次の主走査方向の移動距離
    に応じて、前記回復手段を制御するようになっているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】ヘッド走査機構は、1回の主走査方向の移
    動において、最終の液体滴が吐出された後の領域につい
    てはヘッド部材を移動させないようになっており、 制御手段は、ヘッド部材の前回の主走査方向の移動距離
    に応じて、前記回復手段を制御するようになっているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  7. 【請求項7】制御手段は、次の主走査方向の移動に対応
    する噴射データに基づいて、ヘッド部材の次の主走査方
    向の移動中に最初に液体滴が吐出されるまでの距離に応
    じて、前記回復手段を制御するようになっていることを
    特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  8. 【請求項8】ヘッド部材は、複数のノズル開口を有して
    おり、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 制御手段は、次の主走査方向の移動に対応する噴射デー
    タに基づいて、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の次の主
    走査方向の移動中に当該ノズル開口から最初に液体滴が
    吐出されるまでの距離に応じて、前記回復手段を制御す
    るようになっていることを特徴とする請求項4に記載の
    液体噴射装置。
  9. 【請求項9】制御手段は、ヘッド部材の前回の主走査方
    向の移動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手段を制
    御するようになっていることを特徴とする請求項4に記
    載の液体噴射装置。
  10. 【請求項10】ヘッド部材は、複数のノズル開口を有し
    ており、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 制御手段は、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の前回の主
    走査方向の移動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手
    段を制御するようになっていることを特徴とする請求項
    4に記載の液体噴射装置。
  11. 【請求項11】制御手段は、次の主走査方向の移動に対
    応する噴射データに基づいて、ヘッド部材の次の主走査
    方向の移動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手段を
    制御するようになっていることを特徴とする請求項4に
    記載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】ヘッド部材は、複数のノズル開口を有し
    ており、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 制御手段は、次の主走査方向の移動に対応する噴射デー
    タに基づいて、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の次の主
    走査方向の移動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手
    段を制御するようになっていることを特徴とする請求項
    4に記載の液体噴射装置。
  13. 【請求項13】ヘッド部材は、それぞれ異なる液体が用
    いられる複数のノズル開口を有しており、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 制御手段は、各ノズル開口毎に、ノズル開口において用
    いられる液体の特性に基づいて、前記回復手段を制御す
    るようになっていることを特徴とする請求項1乃至12
    のいずれかに記載の液体噴射装置。
  14. 【請求項14】使用環境の状態を検出するセンサが設け
    られ、 制御手段は、前記センサの出力に基づいて、前記回復手
    段を制御するようになっていることを特徴とする請求項
    1乃至13のいずれかに記載の液体噴射装置。
  15. 【請求項15】ヘッド部材に対して離間した位置と当接
    した位置との間で相対的に移動可能で、ヘッド部材との
    当接時にはノズル開口を封止するキャップ部材が設けら
    れ、制御手段は、計測タイマが計測する時間に基づい
    て、前記キャップ部材をヘッド部材に当接させるように
    なっている、ことを特徴とする請求項1乃至14のいず
    れかに記載の液体噴射装置。
  16. 【請求項16】回復手段は、ノズル開口部分の液体を微
    振動させる微振動手段であることを特徴とする請求項1
    乃至15のいずれかに記載の液体噴射装置。
  17. 【請求項17】回復手段は、噴射領域外でヘッド部材か
    ら液体を吐出させるフラッシング手段であることを特徴
    とする請求項1乃至15のいずれかに記載の液体噴射装
    置。
  18. 【請求項18】ノズル開口を有すると共に、1回の主走
    査方向の移動に対応する噴射データを受信するヘッド部
    材と、 ヘッド部材が前記噴射データを受信した後に、前記ヘッ
    ド部材を主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、 前記ノズル開口部分の液体の増粘を回復させる回復手段
    と、 前記回復手段の前回の作動終了時からの経過時間の少な
    くとも一部を計測する計測タイマと、を備えた液体噴射
    装置を制御する装置であって、 計測タイマが計測する時間に基づいて、前記回復手段を
    制御することを特徴とする制御装置。
  19. 【請求項19】計測タイマは、前記回復手段の前回の作
    動終了時から前記噴射データの受信終了時までの時間を
    計測するようになっていることを特徴とする請求項18
    に記載の制御装置。
  20. 【請求項20】ヘッド走査機構は、ヘッド部材が噴射デ
    ータを受信した後に、前記ヘッド部材を待機ポジション
    から主走査方向に移動させると共に、再び待機ポジショ
    ンに戻すようになっており、 計測タイマは、ヘッド部材が主走査方向に移動して再び
    待機ポジションに戻った時から前記噴射データの受信終
    了時までの時間を計測するようになっていることを特徴
    とする請求項18に記載の制御装置。
  21. 【請求項21】前記噴射データに基づいて、前記回復手
    段を制御するようになっていることを特徴とする請求項
    18乃至20のいずれかに記載の制御装置。
  22. 【請求項22】ヘッド走査機構は、1回の主走査方向の
    移動において、最終の液体滴が吐出された後の領域につ
    いてはヘッド部材を移動させないようになっており、 次の主走査方向の移動に対応する噴射データに基づい
    て、ヘッド部材の次の主走査方向の移動距離に応じて、
    前記回復手段を制御するようになっていることを特徴と
    する請求項21に記載の制御装置。
  23. 【請求項23】ヘッド走査機構は、1回の主走査方向の
    移動において、最終の液体滴が吐出された後の領域につ
    いてはヘッド部材を移動させないようになっており、 ヘッド部材の前回の主走査方向の移動距離に応じて、前
    記回復手段を制御するようになっていることを特徴とす
    る請求項21に記載の制御装置。
  24. 【請求項24】次の主走査方向の移動に対応する噴射デ
    ータに基づいて、ヘッド部材の次の主走査方向の移動中
    に最初に液体滴が吐出されるまでの距離に応じて、前記
    回復手段を制御するようになっていることを特徴とする
    請求項21に記載の制御装置。
  25. 【請求項25】ヘッド部材は、複数のノズル開口を有し
    ており、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 次の主走査方向の移動に対応する噴射データに基づい
    て、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の次の主走査方向の
    移動中に当該ノズル開口から最初に液体滴が吐出される
    までの距離に応じて、前記回復手段を制御するようにな
    っていることを特徴とする請求項21に記載の制御装
    置。
  26. 【請求項26】ヘッド部材の前回の主走査方向の移動中
    の液体吐出割合に応じて、前記回復手段を制御するよう
    になっていることを特徴とする請求項21に記載の制御
    装置。
  27. 【請求項27】ヘッド部材は、複数のノズル開口を有し
    ており、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 各ノズル開口毎に、ヘッド部材の前回の主走査方向の移
    動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手段を制御する
    ようになっていることを特徴とする請求項21に記載の
    制御装置。
  28. 【請求項28】次の主走査方向の移動に対応する噴射デ
    ータに基づいて、ヘッド部材の次の主走査方向の移動中
    の液体吐出割合に応じて、前記回復手段を制御するよう
    になっていることを特徴とする請求項21に記載の制御
    装置。
  29. 【請求項29】ヘッド部材は、複数のノズル開口を有し
    ており、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 次の主走査方向の移動に対応する噴射データに基づい
    て、各ノズル開口毎に、ヘッド部材の次の主走査方向の
    移動中の液体吐出割合に応じて、前記回復手段を制御す
    るようになっていることを特徴とする請求項21に記載
    の制御装置。
  30. 【請求項30】ヘッド部材は、それぞれ異なる液体が用
    いられる複数のノズル開口を有しており、 回復手段は、ノズル開口毎にノズル開口部分の液体の増
    粘を回復させるようになっており、 各ノズル開口毎に、ノズル開口において用いられる液体
    の特性に基づいて、前記回復手段を制御するようになっ
    ていることを特徴とする請求項18乃至29のいずれか
    に記載の制御装置。
  31. 【請求項31】液体噴射装置には、使用環境の状態を検
    出するセンサが設けられ、 前記センサの出力に基づいて、前記回復手段を制御する
    ようになっていることを特徴とする請求項18乃至30
    のいずれかに記載の制御装置。
  32. 【請求項32】液体噴射装置には、ヘッド部材に対して
    離間した位置と当接した位置との間で相対的に移動可能
    で、ヘッド部材との当接時にはノズル開口を封止するキ
    ャップ部材が設けられ、 計測タイマが計測する時間に基づいて、前記キャップ部
    材をヘッド部材に当接させるようになっていることを特
    徴とする請求項18乃至31のいずれかに記載の制御装
    置。
  33. 【請求項33】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュ
    ータシステムに請求項18乃至32のいずれかに記載の
    制御装置を実現させるプログラムを記録したコンピュー
    タ読取り可能な記録媒体。
  34. 【請求項34】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステム上で動作する第2のプログラムを制
    御する命令が含まれており、 前記コンピュータシステムによって実行されて、前記第
    2のプログラムを制御して、前記コンピュータシステム
    に請求項18乃至32のいずれかに記載の制御装置を実
    現させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能
    な記録媒体。
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