JP2001179811A - 中間層に赤外線吸収剤含有樹脂を用いた多層中空成形体用プリフォーム、多層中空成形体およびその製造方法 - Google Patents

中間層に赤外線吸収剤含有樹脂を用いた多層中空成形体用プリフォーム、多層中空成形体およびその製造方法

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JP2001179811A
JP2001179811A JP37177899A JP37177899A JP2001179811A JP 2001179811 A JP2001179811 A JP 2001179811A JP 37177899 A JP37177899 A JP 37177899A JP 37177899 A JP37177899 A JP 37177899A JP 2001179811 A JP2001179811 A JP 2001179811A
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molding
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Tatsuya Kiyomiya
宮 達 也 清
Susumu Hataho
歩 進 幡
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係る多層中空成形体用プリフォ
ームは、多層中空成形体をブロー成形するための多層中
空成形体用プリフォームであって、前記プリフォーム
が、多層構造を有する有底筒体であって、その中間層が
赤外線吸収剤を含んだ熱可塑性樹脂組成物から形成され
ていることを特徴としている。また、本発明に係る多層
中空成形体は、前記多層中空成形体用プリフォームをブ
ロー成形してなることを特徴としている。本発明に係る
多層中空成形体の製造方法は、中間層が赤外線吸収剤を
含んだ熱可塑性樹脂組成物からなる有底筒状多層プリフ
ォームを、赤外線ヒーターで加熱した後、ブロー成形し
て多層中空成形体を得ることを特徴としている。 【効果】 本発明によれば、多層構造を有するプリフォ
ームの中間層が、熱吸収能を高めた熱可塑性組成物から
なるため、該多層プリフォームを加熱した際、多層中空
成形体の成形サイクル時間を短縮することがる。しか
も、赤外線吸収剤が多層中空成形体の中間層に含有され
ているので、この赤外線吸収剤により中空成形体の内容
物のにおい、味、色相などが悪化することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層中空成形体用
の多層プリフォーム、該多層プリフォームより製造され
た多層中空成形体、およびその製造方法に関する。さら
に詳しくは、中間層に、赤外線吸収剤を含有する熱可塑
性樹脂組成物を用いた多層中空成形体用の多層プリフォ
ーム、該多層プリフォームより製造された多層中空成形
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般にペットボトルなどのポリエ
ステル樹脂製中空成形体は、その優れた機械物性、水分
およびガスの遮断性、耐薬品性、保香性、透明性、衛生
性を有していることから、食品、医薬品、化粧品等の容
器として、近年広く使用されている。
【0003】通常、ポリエステル樹脂製中空成形体の多
くは、いわゆるコールドパリソン法によって成形され
る。コールドパリソン法は2つの成形工程からなり、第
一工程においてプリフォームと呼ばれる試験管状の中空
予備成形体を射出成形し中空成形体を製造する。そして
第二工程において該プリフォームを高圧エアーにて金型
内でブロー成形し行う。この第二の工程において、プリ
フォームはブロー成形に先立ち、延伸適性温度まで加熱
される(たとえば、ポリエチレンテレフタレート樹脂で
約100℃)。この第二工程の加熱は、赤外線ヒーター
を用いて行われることが一般的である。そして近年は、
成形サイクルの向上のため、1000nm〜2000nmに
最大の発光波長を有する近赤外線ヒーターが多く用いら
れている。
【0004】しかしながら、ポリエステル樹脂は、近赤
外線である700nm〜2000nmの領域の電磁波に対す
る吸収能が低いため、加熱時間が全成形サイクルの律速
段階となっており、加熱時間を短縮する方法の出現が望
まれていた。
【0005】このため、たとえば、特公平5−2193
8号公報には、カーボンブラックを樹脂に添加すること
により赤外線吸収能の向上を目指した発明が記載されて
いる。特開平3−230933号公報には、金属粒子を
樹脂に含有させることにより、加熱時間の短縮を目指し
た発明が記載されている。また、特開平11−2364
40号公報には、四三酸化鉄を添加することにより、近
赤外線吸収効率の向上を図ることが記載されている。し
かしながら、いずれの場合も、中空成形体の内容物が中
空成形体の内面に接触することから、添加した赤外線吸
収剤が中空成形体の内容物のにおい、味、色相などを悪
化させることがあるという問題点がある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術にかん
がみてなされたものであって、中空成形体の内容物のに
おい、味、色相などを悪化させないため、多層構造の中
間層に近赤外線吸収能が向上した熱可塑性樹脂組成物を
含む多層中空成形体用プリフォームを提供することを目
的としている。
【0007】また、本発明は上記のような中間層に赤外
線吸収剤含有樹脂を用いた多層中空成形体用プリフォー
ムから製造された多層中空成形体およびその製造方法を
提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る多層中空成形体用プリフォ
ームは、多層中空成形体をブロー成形するための多層中
空成形体用プリフォームであって、前記プリフォーム
が、多層構造を有する有底筒体であって、その中間層が
赤外線吸収剤を含んだ熱可塑性樹脂組成物から形成され
ていることを特徴としている。前記赤外線吸収剤として
は、有機色材、金属粒子、カーボンブラックまたは酸化
鉄であることが好ましい。また、前記熱可塑性樹脂組成
物としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエ
チレンナフタレート樹脂、または共重合ポリエステル樹
脂であることが好ましい。
【0009】本発明に係る多層中空成形体は、前記多層
中空成形体用プリフォームをブロー成形してなることを
特徴としている。本発明に係る多層中空成形体の製造方
法は、中間層が赤外線吸収剤を含んだ熱可塑性樹脂組成
物からなる有底筒状多層プリフォームを、赤外線ヒータ
ーで加熱した後、ブロー成形して多層中空成形体を得る
ことを特徴としている。前記赤外線吸収剤としては、有
機色材、金属粒子、カーボンブラックまたは酸化鉄であ
ることが好ましく、前記熱可塑性樹脂組成物としては、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタ
レート樹脂、または共重合ポリエステル樹脂からなるこ
とが好ましい。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る多層中空成形
体用プリフォーム、多層中空成形体およびその製造方法
について具体的に説明する。
【0011】本発明に係る多層中空成形体用プリフォー
ムは、中空成形体をブロー成形するための多層中空成形
体用プリフォームであって、前記プリフォームが、有底
筒状であって、その中間層が赤外線吸収剤を含んだ熱可
塑性樹脂から構成されている。熱可塑性樹脂 本発明では、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ルおよびポリアセタール等の結晶性熱可塑性樹脂;ポリ
スチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共
重合体(ABS)、ポリカーボネート、ポリフェニレン
オキサイド等の非結晶性熱可塑性樹脂が好ましく用いら
れる。
【0012】これらの熱可塑性樹脂のうち、本発明では
ポリエステル樹脂を用いることが特に好ましい。このよ
うなポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはその
エステル形成性誘導体とからエステル化反応により低次
縮合物(エステル低重合体)を形成し、次いで重縮合触
媒の存在下にこの低次縮合物を脱グリコール反応(液相
重縮合)させて、高分子量化し、場合によっては固相重
縮合を行うことにより製造することができる。
【0013】ポリエステル樹脂の製造に用いられる芳香
族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族
ジカルボン酸が挙げられる。
【0014】脂肪族ジオールとしては、エチレングリコ
ール、トリメチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ヘキサンメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コールなどの脂肪族グリコールが挙げられる。
【0015】また、ポリエステル樹脂の製造には、芳香
族ジカルボン酸とともに、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカル
ボン酸などを原料として使用することができ、脂肪族ジ
オールとともに、シクロヘキサンジメタノールなどの脂
環族グリコール、ビスフェノール、ハイドロキノン、2,
2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、
1,3-ビス(2-ジヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳
香族ジオールなどを原料として使用することができる。
【0016】さらにトリメシン酸、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、
ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料とし
て使用することができる。
【0017】本発明では、ポリエステル樹脂としては、
特に、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体
と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導
体と、必要に応じてテレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸(たとえば、イソフタル酸)とから製造されるポリ
エチレンテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸また
はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールま
たはそのエステル形成性誘導体と、必要に応じてナフタ
レンジカルボン酸以外の芳香族ジカルボン酸とから製造
されるポリエチレンナフタレート、テレフタル酸成分単
位、2,6-ナフタレンジカルボン酸成分単位、イソフタル
酸成分単位、アジピン酸成分単位のうち1種または2種
以上を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコー
ル成分単位、ジエチレングリコール成分単位、ネオペン
チルグリコール成分単位、シクロヘキサンジメタノール
成分単位のうち1種または2種以上を含むジヒドロキシ
化合物構成単位とから形成される共重合ポリエステル樹
脂を用いることが好ましい。
【0018】上記のような熱可塑性樹脂は、単独で用い
てもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。赤外線吸収剤 本発明で用いる赤外線吸収剤は特に限定されないが、熱
可塑性樹脂の合成温度および多層中空成形体用プリフォ
ームの成形温度で分解しないものが好ましく、また、多
層中空成形体に透明性を必要とする用途では、可視領域
での電磁波の吸収が少ないものが好ましい。
【0019】本発明で好ましく用いられる赤外線吸収剤
としては、たとえば、有機色材、金属粒子、カーボンブ
ラック、酸化鉄などが挙げられ、これらは単独であるい
は混合して用いられる。このうち、中空成形体の色を変
えない点で有機色材が特に好ましく用いられる。
【0020】本発明で用いられる熱可塑性樹脂組成物
は、上記熱可塑性樹脂と、このような赤外線吸収剤とか
らなり、赤外線吸収剤を合計で、好ましくは通常0.0
1〜1000ppm、さらに好ましくは0.1〜100
ppm、特に好ましくは0.5〜50ppmの量で含有
していることが望ましい。
【0021】赤外線吸収剤の含有量が上記範囲にある
と、熱吸収機能に優れた樹脂組成物が得られる。有機色材 本発明で用いられる有機色材は、好ましくは、下記一般
式(1)で示されるフタロシアニン化合物、下記一般式
(2)で示されるナフタロシアニン化合物および下記一
般式(3)で示されるアントラキノン化合物から選ばれ
る少なくとも一種であることが望ましい。
【0022】まず、フタロシアニン化合物(1)および
ナフタロシアニン化合物について説明する。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】上記一般式(1)および(2)中、Mは、
2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換原子
またはオキシ金属を示す。2価の金属原子としては、た
とえばCu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(I
I)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(I
I)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(I
I)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(I
I)、Hg(II)、Pb(II)、Sn(II)などが挙げ
られる。
【0026】3価の置換金属原子としては、たとえばA
lCl、AlBr、AlF、AlI、GaCl、Ga
F、GaI、GaBr、InCl、InBr、InI、
InF、TlCl、TlBr、TlI、TlF、FeC
l、RuCl、Al-C6 5、Al-C6 4 (C
3 )、In-C6 5 、In-C6 4 (CH3 )、In-
65 、Mn(OH)、Mn(OC6 5 )、Mn〔O
Si(CH3 )3 〕などの1置換の3価金属原子が挙げら
れる。
【0027】4価の置換原子としては、たとえばCrC
2 、SiCl2 、SiBr2 、SiF2 、SiI2
ZrCl2 、GeCl2 、GeBr2 、GeI2 、Ge
2、 SnCl2 、SnBr2 、SnF2 、TiC
2 、TiBr2 、TiF2 、Si(OH)2 、Ge(O
H)2 、Zr(OH)2 、Mn(OH)2 、Sn(OH)2
TiR2 、CrR2 、SiR2 、SnR2 、GeR
2 (但し、Rは、アルキル基、フェニル基、ナフチル
基、およびその誘導体を示す。)、Si(OR')2 、S
n(OR')2 、Ge(OR')2 、Ti(OR')2 、Cr(O
R')2 (但し、R'は、アルキル基、フェニル基、ナフチ
ル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシ
リル基またはこれらの誘導体を示す。)、Sn(SR'')
2 、Ge(SR'')2(但し、R''は、アルキル基、フェ
ニル基、ナフチル基またはこれらの誘導体を示す。)な
どの2置換の4価原子が挙げられる。
【0028】オキシ金属としては、たとえばVO、Mn
O、TiOなどが挙げられる。これらの中で好ましいM
は、Cu(II)、Pd(II)、Pb(II)、AlCl、
InCl、TiOまたはVOであり、特に好ましいもの
はVOである。
【0029】A1 〜A16およびB1 〜B24は、互いに同
一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置
換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有して
もよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール
チオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換
基を有してもよいアリールアミノ基などを示す。
【0030】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。置換基を有してもよいアルキ
ル基としては、たとえばメチル、エチル、n-プロピル、
iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、n-
ペンチル、iso-ペンチル、1,2-ジメチル-プロピル、n-
ヘキシル、1,3-ジメチル-ブチル、1,2-ジメチルブチ
ル、n-ヘプチル、1,4-ジメチルペンチル、1-エチル-3-
メチルブチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニ
ル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシ
ル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシ
ル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシル、
n-エイコシル、ベンジル、sec-フェニ ルエチル、2-メ
チルベンジル、3-メチルベンジル、4-メチルベンジル、
2-フェニルエチル、3-ジメチルアミノプロピル、2-ジメ
チルアミノエチル、2-ジイソプロピルアミノエチル、2-
ジエチルアミノエチル、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフ
ルオロメチル)エチル、2-(1-ピペリジニル)エチル、3-
(1-ピペリジニル)プロピル、3-(4-モルフォリニル)プロ
ピル、3-(4-モルフォリニル)エチル、2-(1-ピロリジニ
ル)エチル、2-ピリジルメチルなどの炭素原子数1〜2
0、好ましくは1〜10の直鎖状または分岐状アルキル
基、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、
アダマンチルなどの炭素原子数3〜20、好ましくは3
〜10のシクロアルキル基などが挙げられる。
【0031】置換基を有してもよいアリール基として
は、たとえばフェニル、トリル、ジメチルフェニル、ト
リメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニ
ル、ビフェニリル、2-メルカプトフェニル、3-メルカプ
トフェニル、4-メルカプトフェニル、2-メチルフェニ
ル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、ナフチル、
メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭
素原子数6〜20、好ましくは6〜12のアリール基が
挙げられる。
【0032】置換基を有してもよいアルコキシ基として
は、たとえばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-
プロポキシ、n-ブトキシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキ
シ、n-ペントキシ、iso-ペントキシ、n-ヘキシルオキ
シ、シクロヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、n-オク
チルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、n-ノニルオキ
シ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、エトキシエ
トキシエトキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ、ジエチ
ルアミノエトキシ、アミノエトキシ、n-ブチルアミノエ
トキシ、ベンジルアミノエトキシ、メチルカルボニルア
ミノエトキシ、フェニルカルボニルアミノエトキシ、ベ
ンジルオキシなどの炭素原子数1〜20、好ましくは1
〜10のアルコキシ基が挙げられる。
【0033】置換基を有してもよいアリールオキシ基と
しては、たとえばフェノキシ、2-メチルフェノキシ、3-
メチルフェノキシ、4-メチルフェノキシ、ナフトキシな
どの炭 素原子数6〜20、好ましくは6〜12のアリ
ールオキシ基が挙げられる。
【0034】置換基を有してもよいアルキルチオ基とし
ては、たとえばメチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチ
オ、iso-プロピルチオ、n-ブチルチオ、iso-ブチルチ
オ、sec-ブチルチオ、t-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、
iso-ペンチルチオ、neo-ペンチルチオ、1,2-ジメチル-
プロピルチオ、n-ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、
n-ヘプチルチオ、2-エチルヘキシルチオ、n-オクチルチ
オ、n-ノニルチオ、メトキシエチルチオ、エトキシエチ
ルチオ、プロポキシエチルチオ、ブトキシエチルチオ、
アミノエチルチオ、n-ブチルアミノエチルチオ、ベンジ
ルアミノエチルチオ、メチルカルボニルアミノエチルチ
オ、フェニルカルボニルアミノエチルチオ、メチルスル
ホニルアミノエチルチオ、フェニルスルホニルアミノエ
チルチオ、ジメチルアミノエチルチオ、ジエチルアミノ
エチルチオなど炭素原子数1〜20、好ましくは1〜1
0のアルキルチオ基が挙げられる。
【0035】置換基を有してもよいアリールチオ基とし
ては、たとえばフェニルチオ、ナフチルチオ、4-メチル
フェニルチオ、4-エチルフェニルチオ、4-プロピルフェ
ニルチオ、4-t-ブチルフェニルチオ、4-メトキシフェニ
ルチオ、4-エトキシフェニルチオ、4-アミノフェニルチ
オ、4-アルキルアミノフェニルチオ、4-ジアルキルアミ
ノフェニルチオ、4-フェニルアミノフェニルチオ、4-ジ
フェニルアミノフェニルチオ、4-ヒドロキシフェニルチ
オ、4-クロロフェニルチオ、4-ブロモフェニルチオ、2-
メチルフェニルチオ、2-エチルフェニルチオ、2-プロピ
ルフェニルチオ、2-t-ブチルフェニルチオ、2-メトキシ
フェニルチオ、2-エトキシフェニルチオ、2-アミノフェ
ニルチオ、2-アルキルアミノフェニルチオ、2-ジアルキ
ルアミノフェニルチオ、2-フェニルアミノフェニルチ
オ、2-ジフェニルアミノフェニルチオ、2-ヒドロキシフ
ェニルチオ、4-ジメチルアミノフェニルチオ、4-メチル
アミノフェニルチオ、4-メチルカルボニルアミノフェニ
ルチオ、4-フェニルカルボニルアミノフェニルチオ、4-
メチルスルホニルアミノフェニルチオ、4-フェニルスル
ホニルアミノフェニルチオなどの炭素原子数6〜20、
好ましくは6〜12のアリールチオ基が挙げられる。
【0036】置換基を有してもよいアルキルアミノ基と
しては、たとえばメチルアミノ、エチルアミノ、n-プロ
ピルアミノ、iso-プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペン
チルアミノ、ジペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプ
チルアミノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、ベンジル
アミノなどの炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10
のアルキルアミノ基が挙げられる。
【0037】置換基を有してもよいアリールアミノ基と
しては、たとえばフェニルアミノ、4-メチルフェニルア
ミノ、4-メトキシフェニルアミノ、ヒドロキシフェニル
アミノ、ナフチルアミノなどの炭素原子数6〜20、好
ましくは6〜12のアリールアミノ基が挙げられる。
【0038】A1 〜A16で示される基のうち隣り合う2
個の基は、連結してそれぞれが結合する炭素原子ととも
に5員環または6員環を形成してもよく、B1 〜B24
示される基のうち隣り合う2個の基は、連結してそれぞ
れが結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形
成してもよい。
【0039】このようなA1 〜A16またはB1 〜B24
示される基のうち隣り合う2個の基が連結してそれぞれ
が結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成
した基としては、下記に示すようなものが挙げられる。
【0040】
【化3】
【0041】上記置換基を有してもよいアルキル基、置
換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい
アルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ
基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有
してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアル
キルアミノ基および置換基を有してもよいアリールアミ
ノ基、ならびA1 〜A16またはB1 〜B24で示される基
のうち隣り合う2個の基が連結してそれぞれが結合する
炭素原子とともに5員環または6員環を形成した基は、
さらに置換基を有してもよく、このような置換基として
は、たとえば、上記と同様のハロゲン原子、置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置
換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有して
もよいアリールアミノ基などが挙げられる。
【0042】また置換基としては、アセチル基(メチル
カルボニル基)、プロピオニル、ブチリル、iso-ブチリ
ル、バレリル、iso-バレリル、トリメチルアセチル、ヘ
キサノイル、t-ブチルアセチル、ヘプタノイル、オクタ
ノイル、2-エチルヘキサノイル、ノナノイル、デカノイ
ル、ウンデカノイル、ラウロイル、トリデカノイル、テ
トラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイ
ル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、オレオイ
ル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボ
ニル、6-クロロヘキサノイル、6-ブロモヘキサノイル、
トリフルオロアセチル、ペンタフルオロプロピオニル、
パーフルオロオクタノイル、2,2,4,4,5,5,7,7,7-ノナフ
ルオロ−3,6-ジオキサヘプタノイル、メトキシアセチ
ル、3,6-ジオキサヘプタノイルアリールカルボニルなど
のアルキルカルボニル基;ベンゾイル、o-クロロベンゾ
イル、m-クロロベンゾイル、p-クロロベンゾイル、o-フ
ルオロベンゾイル、m-フルオロベンゾイル、p-フルオロ
ベンゾイル、o-アセチルベンゾイル、m-アセチルベンゾ
イル、p-アセチルベンゾイル、o-メトキシベンゾイル、
m-メトキシベンゾイル、p-メトキシベンゾイル、o-メチ
ルベンゾイル、m-メチルベンゾイル、p-メチルベンゾイ
ル、ペンタフルオロベンゾイル、4-(トリフルオロメチ
ル)ベンゾイルなどのアリールカルボニル基が挙げられ
る。
【0043】さらに置換基としては、ヘテロ環式化合物
残基;エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシ
ル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、
カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミ
ノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ
基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、
シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基
がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボラ
ンジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホ
ウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエ
ステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシ
ル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソ
チアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンア
ミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、
スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニ
ル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル
基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基な
どが挙げられる。
【0044】A1 〜A16およびB1 〜B24としては、水
素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルコキ
シ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基
を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよい
アリールアミノ基などが好ましい。
【0045】前記アントラキノン化合物(3)は、下記
一般式(3)
【0046】
【化4】
【0047】[式中、ベンゼン環A、B、C、Dは同一
またはそれぞれ独立に、炭素原子数が1〜20の直鎖ま
たは分枝のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数
が1〜20の直鎖または分枝のアルコキシ基、トリフル
オロメチル基、またはハロゲン原子で置換されていても
よい]で表される。
【0048】上記一般式(3)中、炭素原子数が1〜2
0の直鎖または分枝のアルキル基としては、たとえば、
メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチ
ル、iso-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチ
ル、1,2-ジメチル-プロピル、n-ヘキシル、1,3-ジメチ
ル-ブチル、1,2-ジメチルブチル、n-ヘプチル、1,4-ジ
メチルペンチル、1-エチル-3-メチルブチル、n-オクチ
ル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデ
シル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-
ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オ
クタデシル、n-ノナデシル、n-エイコシル、ベンジル、
sec-フェニ ルエチル、2-メチルベンジル、3-メチルベ
ンジル、4-メチルベンジル、2-フェニルエチル、3-ジメ
チルアミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、2-ジイ
ソプロピルアミノエチル、2-ジエチルアミノエチル、2,
2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル、2-
(1-ピペリジニル)エチル、3-(1-ピペリジニル)プロピ
ル、3-(4-モルフォリニル)プロピル、3-(4-モルフォリ
ニル)エチル、2-(1-ピロリジニル)エチル、2-ピリジル
メチルなどの炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10
の直鎖状または分岐状アルキル基が挙げられる。
【0049】前記シクロアルキル基としては、たとえ
ば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、
アダマンチルなどの炭素原子数3〜20、好ましくは3
〜10のシクロアルキル基などが挙げられる。
【0050】前記炭素原子数が1〜20の直鎖または分
枝のアルコキシ基としては、たとえばメトキシ、エトキ
シ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、iso-
ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、iso-ペントキ
シ、n-ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、n-ヘプ
チルオキシ、n-オクチルオキシ、2-エチルヘキシルオキ
シ、n-ノニルオキシ、メトキシエトキシ、エトキシエト
キシ、エトキシエトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ
エトキシ、ジエチルアミノエトキシ、アミノエトキシ、
n-ブチルアミノエトキシ、ベンジルアミノエトキシ、メ
チルカルボニルアミノエトキシ、フェニルカルボニルア
ミノエトキシ、ベンジルオキシなどの炭素原子数1〜2
0、好ましくは1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
【0051】前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素が挙げられる。本発明で用いられる有
機色材は、上記一般式(1)で示されるフタロシアニン
化合物、上記一般式(2)で示されるナフタロシアニン
化合物および上記一般式(3)で示されるアントラキノ
ン化合物から選ばれる少なくとも一種であって、赤外線
の極大吸収ピークを示す波長が700〜2000nm、
好ましくは750〜2000nmの範囲にある。このよ
うな範囲に赤外線の極大吸収ピークを示す波長がある
と、有機色材は近赤外線の吸収性に優れる。
【0052】本発明では、有機色材の赤外線の極大吸収
ピークは、以下のようにして測定する。成形に使用する
ポリエステルに有機色材を添加し、射出成形機にて、成
形温度280℃、金型温度10℃の条件で4mm厚みの
板状成形体を作製し、その板状成形体を用いて(株)島
津製作所製分光光度計UV-3100で測定する。
【0053】本発明で用いられる有機色材は、可視領域
の電磁波の吸収が少ないものが好ましく、ポリエステル
樹脂の合成温度およびプリフォームの成形温度、たとえ
ば260〜320℃で分解しないものが好ましい。金属粒子、カーボンブラック、酸化鉄 本発明で好ましく用いられる金属粒子としては、たとえ
ば、特開平3−230933号公報に記載されている金
属粒子が挙げられる。具体的には、アンチモン、錫、
銅、銀、金、砒素、カドミウム、水銀、鉛、パラジウ
ム、白金またはこれらの2種以上の混合物であることが
好ましく、さらに好ましくは、アンチモン、錫、銅また
はこれらの2種以上の混合物であり、特に好ましくはア
ンチモンであることが望ましい。また、たとえば金属化
合物の微粒子を還元剤とともに前記樹脂中に混合して金
属化合物を還元し、所望の金属粒子とすることもでき
る。
【0054】金属粒子は、肉眼では見分けられない程度
に充分に細かいことが望ましく、金属粒子の粒径は、好
ましくは5nm〜500nm、さらに好ましくは10n
m〜100nmであることが望ましい。
【0055】本発明で好ましく用いられるカーボンブラ
ックとしては、一般に知られたカーボンブラックが使用
することができ、特に限定されないが、たとえば、特公
平5−21938号公報あるいは特開平5−27809
9号公報に記載されるカーボンブラックを使用すること
ができる。具体的には、活性ブラック、硬質ブラックな
どのチャンネル・ブラック、ファーネス・ブラックなど
を好ましく用いることができる。このようなカーボンブ
ラックの平均粒径としては、好ましくは10〜500n
m、特に好ましくは10〜100nmであり、さらに好
ましくは15〜30nmであることが望ましい。
【0056】本発明で好ましく用いられる酸化鉄として
は、一般に知られる酸化第二鉄(Fe23)を使用する
ことができ、特に限定されないが、たとえば、特開昭5
5−50055号公報、特開昭56−15546号公
報、特開平2−281070号公報、特開平11−23
6440号公報などに記載される酸化鉄が使用できる。
具体的には、Fe23、Fe23・xH2Oの組成の酸
化鉄あるいはヘマタイト構造の球状酸化鉄などを用いる
ことができる。
【0057】本発明で用いられる上記酸化鉄の平均粒径
は、好ましくは10〜500nm、特に好ましくは10
〜100nmであり、さらに好ましくは15〜40nm
であることが望ましい。熱可塑性樹脂組成物 熱可塑性樹脂組成物の調製方法は、従来公知の方法をい
ずれも採用することができ、熱可塑性樹脂の製造時、た
とえば、ポリエステル樹脂のエステル化工程または重縮
合工程で赤外線吸収剤を添加する方法、熱可塑性樹脂と
赤外線吸収剤とを混合し加熱溶融混練する方法などがあ
る。
【0058】なお、熱可塑性樹脂組成物には、通常熱可
塑性樹脂に添加される色相調節剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、離型剤等の添加剤が含有されてい
てもよい。多層中空成形体用プリフォーム 本発明に係る多層中空成形体用プリフォームは、有底の
筒状であって、その壁部が多層に形成されている。本発
明に係る多層中空成形体用プリフォームの中間層は、上
記のような赤外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂から形
成されている。
【0059】なお、本明細書において中間層とは、プリ
フォームの壁部の内壁面を構成する最内層と、プリフォ
ームの壁部の外壁面を構成する最外層との間に挟まれた
層を意味する。
【0060】前記熱可塑性樹脂組成物を用いて本発明に
係る多層中空成形体用プリフォームは、従来公知の方法
により形成することができる。たとえば、中間層に赤外
線吸収剤含有樹脂を含む多層中空成形体用プリフォーム
の形成方法としては、前記赤外線吸収剤を含む熱可塑性
樹脂を用いて、中間層部分となるプリフォーム用のペレ
ットを調製するとともに、プリフォームの内層および外
層(スキン層)用のペレットを調製し、多層形成用射出
成形機を用いてこれらを射出成形することにより、多層
中空成形体用プリフォームを得ることができる。
【0061】多層中空成形体用プリフォーム成形時の熱
可塑性樹脂の加熱温度は、使用する熱可塑性樹脂により
異なるが、たとえばポリエステル樹脂がポリエチレンテ
レフタレートである場合は270〜300℃であること
が好ましく、ポリエチレンナフタレートである場合は2
80〜320℃であることが好ましい。
【0062】また、このような前記多層中空成形体用プ
リフォームの全肉厚に対する中間層の厚みの割合は、成
形工程上可能であれば、1〜99%の範囲で取ることが
でき、添加する赤外線吸収剤の効果、添加量、中空成形
体の色相、延伸倍率などの必要とされる物性により、目
的と合致する厚みの範囲を選択することができる。
【0063】このようにして得られる多層中空成形体用
プリフォームは、中間層が前記のような赤外線吸収剤を
含有する前記熱可塑性樹脂組成物から形成されているの
で、1000〜2000nmに最大の発光波長を有する
近赤外線ヒーターが照射する赤外線に対する吸収能に優
れており、従来より短時間で内層が延伸適正温度まで昇
温する。多層中空成形体 本発明に係る多層中空成形体は、中間層が特定の赤外線
吸収剤を含有する熱可塑性樹脂組成物であり、たとえ
ば、コールドパリソン法により製造された中空成形体で
ある。
【0064】このような多層中空成形体は、前記多層中
空成形体用プリフォームを延伸適性温度まで加熱し、次
いで前記多層中空成形体用プリフォームを所望形状の金
型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装すること
により製造することができる。
【0065】より具体的には、前記多層中空成形体用プ
リフォームを近赤外線ヒーターを用いて延伸適正温度ま
で加熱し、ブロー成形する。ブロー成形時の加熱温度
は、使用する熱可塑性樹脂により異なるが、たとえば熱
可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレートである場合
は、通常90〜125℃、特に100〜120℃である
ことが好ましく、ポリエチレンナフタレートである場合
は115〜150℃、好ましくは120〜140℃であ
ることが望ましい。
【0066】このような多層中空成形体は、中間層に前
記特定の赤外線吸収剤が含有されているので、この前記
赤外線吸収外により中空成形体内容物のにおい、味、色
相などが悪化することがない。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、多層構造を有するプリ
フォームの中間層が、熱吸収能を高めた熱可塑性組成物
からなるため、該多層プリフォームを加熱した際、多層
中空成形体の成形サイクル時間を短縮することがる。
【0068】また、本発明に係る多層中空成形体は、特
定の赤外線吸収剤が多層中空成形体の中間層に含有され
ているので、この赤外線吸収剤により中空成形体の内容
物のにおい、味、色相などが悪化することがない。
【0069】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0070】
【実施例1〜16、比較例1】(プリフォームの成形)
予め凍結粉砕したパウダー状の固有粘度0.83のポリ
エチレンテレフタレートを150℃で10時間真空乾燥
した。該ポリエチレンテレフタレート99.9重量部に
対して、表1に挙げる赤外線吸収色材を0.1重量部混
合し、モダンマシナリー社製スクリュー径40mmの単軸押
出機を使用し、押出し温度260℃にてPET樹脂を押出して
ストランドにし、それをカッティングし赤外線吸収色材
入りのマスターバッチペレットを製造した。
【0071】中間層用として上記で使用した固有粘度
0.83のポリエチレンテレフタレートペレットと、上
記で製造した赤外線吸収色材入りのマスターバッチペレ
ットを、表2に記載の赤外線吸収色材の濃度になるよう
に混合し、150℃で10時間真空乾燥した。スキン層
用として上記で使用した固有粘度0.83のポリエチレ
ンテレフタレートペレットを150℃で10時間真空乾
燥した。
【0072】スキン層および中間層(コア層)用の2つ
の加熱筒を有する名機製作所M―100射出成形機を使
用し、成形温度280℃、金型温度10℃にて、全厚み3.
8mm、中間層(コア層)の厚み2.8mm、重量55gの1.
5リットル用のプリフォームを作成した。連続して10
0ショット成形したが、何らの問題なく成形することが
できた。得られたプリフォームは層の剥離、コゲや異物
も見られなかった。 (ボトルの成形)上記の方法で作成したプリフォームを
コーポプラスト社製二軸延伸ブロー成形機を使用して、
赤外線ヒーターにて加熱して二軸延伸ブロー成形し、
1.5リットルのボトルを100本作成を試みた。結果
を表2に示す。
【0073】なお、ボトルの外観は以下の基準・方法に
よって判断した。該混合ペレットを延伸不良…延伸途中
で割れたり、部分的しか延伸せず、ボトル形状には成形
できなかったものを延伸不良とした。
【0074】透明性…目視で判断。100本とも白化が
見られなかった場合を透明性良好とした。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00 C08L 67:02 C08L 67:02 B65D 1/00 B Fターム(参考) 3E033 BA14 BA17 BA18 BA21 BA22 BA23 BA26 BB04 BB08 CA09 CA11 CA16 CA18 FA03 GA03 4F071 AA43X AA45 AA46 AB03 AB06 AB18 AC19 AD02 AE22 AH05 BA01 BB05 BB07 BC04 BC05 4F201 AA24 AB07 AB16 AB18 AB19 AG03 AG07 AK05 BA03 BC01 BC02 BC12 BC21 BD04 BM05 BM13 4F208 AA24 AB07 AB16 AB18 AB19 AG03 AG07 AK05 LA02 LB22 LG06 LG28 LH06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層中空成形体をブロー成形するための
    多層中空成形体用プリフォームであって、 前記プリフォームが、多層構造を有する有底筒体であっ
    て、その中間層が赤外線吸収剤を含んだ熱可塑性樹脂組
    成物から形成されていることを特徴とする多層中空成形
    体用プリフォーム。
  2. 【請求項2】 前記赤外線吸収剤が、有機色材、金属粒
    子、カーボンブラックまたは酸化鉄であることを特徴と
    する請求項1に記載の多層中空成形体用プリフォーム。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリエチレ
    ンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹
    脂、または共重合ポリエステル樹脂からなることを特徴
    とする請求項1または2に記載の多層中空成形体用プリ
    フォーム。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の多層
    中空成形体用プリフォームをブロー成形してなる多層中
    空成形体。
  5. 【請求項5】 中間層が赤外線吸収剤を含んだ熱可塑性
    樹脂組成物からなる有底筒状多層プリフォームを、赤外
    線ヒーターで加熱した後、ブロー成形して多層中空成形
    体を得ることを特徴とする多層中空成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記赤外線吸収剤が、有機色材、金属粒
    子、カーボンブラックまたは酸化鉄であることを特徴と
    する請求項5に記載の多層中空成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリエチレ
    ンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹
    脂、または共重合ポリエステル樹脂からなることを特徴
    とする請求項5または6に記載の多層中空成形体の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509862A (ja) * 2004-08-18 2008-04-03 バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ 改良された赤外線昇温速度を有する透明なポリプロピレン系延伸ブロー成形容器を製造する方法
JP2013108060A (ja) * 2011-10-26 2013-06-06 Yamada Chem Co Ltd フタロシアニン化合物、近赤外吸収色素及び近赤外吸収材
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JPWO2014115692A1 (ja) * 2013-01-22 2017-01-26 山田化学工業株式会社 フタロシアニン化合物、近赤外線吸収色素及び近赤外線吸収材料

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