JP2001179384A - 内燃機関用バルブおよびその製造方法 - Google Patents

内燃機関用バルブおよびその製造方法

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JP2001179384A
JP2001179384A JP36973999A JP36973999A JP2001179384A JP 2001179384 A JP2001179384 A JP 2001179384A JP 36973999 A JP36973999 A JP 36973999A JP 36973999 A JP36973999 A JP 36973999A JP 2001179384 A JP2001179384 A JP 2001179384A
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upsetting
umbrella
round bar
combustion engine
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JP36973999A
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English (en)
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Kiyoshi Okawachi
潔 大川内
Hirotsugu Hosobuchi
洋次 細渕
Fumitaka Suzuki
文孝 鈴木
Eiji Takeda
英士 武田
Isao Sawahata
勲 澤畑
Seiko Morita
誠広 森田
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Daido Steel Co Ltd
Nittan Corp
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Nittan Valve Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】傘部の機械的強度に優れた耐熱鋼または耐熱超
合金製内燃機関用バルブの製造方法の提供。 【構成】 ステム部12と傘部14が一体に形成された
バルブ10を製造する方法であって、傘部14の背面側
には、首部13と、内燃機関のバルブシートと当接する
フェイス部15が形成されている。製造方法では、ま
ず、インダクションヒータにより、耐熱鋼または耐熱超
合金製丸棒材Wの傘部形成領域W1だけを加熱し、成形
型21とパンチ23とを用いた据え込み多段成形により
傘部形成領域W1を鍛造して、結晶粒度7〜9の傘部1
4を短時間で成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関用バル
ブおよび同バルブの製造方法に係わり、特に、傘部の機
械的強度に優れた内燃機関用バルブおよび同バルブの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のバルブは、ステム部の一端に傘
部が一体に形成された構造で、傘部フェイスがバルブシ
ートと接触して燃焼室を開閉するべく動作するため、バ
ルブには、十分な機械的強度が要求される。
【0003】そして、従来のバルブの主な製造方法とし
ては、図11に示すような、軸延ばし熱間鍛造方法と、
図12に示すような、電気据え込み機を使用した熱間鍛
造方法とが知られている。
【0004】前者は、重油炉等の加熱手段によって加熱
処理した比較的太い丸棒材W1を、図11(a),
(b)に示すように、軸周りに回転させつつ油圧プレ
ス,スクリュープレス,ボードハンマなどの鍛造手段2
によって軸部を鍛造し、図11(c)に示すように、丸
棒材のステム部領域w1を軸方向に徐々に延ばす。な
お、図11(b)は、図11(a)の線XI−XIに沿
う断面図である。次いで、重油炉等の加熱手段によって
再度加熱処理した後、図11(d)に示すように、成形
型3パンチ4を用いて、傘部w2を成形する。
【0005】後者は、図12(a)に示すように、電気
据え込み機5を用いて、抵抗体である丸棒材W2に電極
6a,6bを介して通電することで丸棒材W2を加熱す
るとともに、アンビル7で加圧し、図12(b)に示す
ように、膨出部w3を成形する。次に、電気据え込み機
6から取り出した成形品を重油炉などの加熱手段で再度
加熱した後、図12(c)に示すように、成形型8とパ
ンチ9を用いて膨出部w3に傘部w4を成形する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来
方法では、以下のような問題があった。
【0007】すなわち、前者の方法では、鍛造手段の鍛
造面2aの形状が異なる多くの部材を必要とし、さらに
ステム部領域w1を軸方向に延ばす工程に時間がかかる
上に、少なくとも2〜3回成形品を再加熱することが必
要で、それだけ製造工程時間が長くなる。また、丸棒材
全体を加熱するため、それだけ多くの熱エネルギーも必
要となる。
【0008】一方、後者の方法では、前者の方法ほどは
時間がかからないものの、丸棒材W2に通電して、これ
を加熱するため、抵抗体となる丸棒材W2の表面粗度が
悪いと、通電性が悪く、丸棒材を均一に加熱できず、図
13(a),(b)に示すように、成形された傘部w4
および傘部w4と軸部間の首部における結晶粒度は不均
一で、しかも結晶粒度6以下となって、十分な機械的強
度を確保できない。さらに、丸棒材W2をチャックする
電極6a,6bの損傷度や据え込み中の電圧変動も通電
性に影響を与え、成形された傘部の機械的強度を低下さ
せる原因となる。なお、図13は、後者の方法で製造さ
れた耐熱超合金(NCF80A)製バルブの金属組織の
拡大(100倍)写真で、(a)は傘部の拡大写真、
(b)は軸部における首部の拡大写真を示す。
【0009】また、前者と後者のいずれの方法において
も再加熱を必要とするが、再加熱される成形品は均一径
でないため、成形品全体が均一に加熱されず、動作時
に、応力集中する首部において特に折損し易い等、一定
品質のバルブを製造できない。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、その目的は、機械的強度の高い傘部
を備えた内燃機関用バルブおよび同バルブの製造方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、請求項1に係る内燃機関用バルブにおい
ては、耐熱鋼または耐熱超合金製の丸棒材の傘部形成領
域だけを所定温度に加熱する加熱工程と、パンチと成形
型を使った据え込み鍛造により、前記丸棒材の加熱され
た領域に膨出部を成形し、次いで膨出部に傘部を成形す
る傘部据え込み成形工程と、を経て製造された、ステム
部の1端部に傘部が一体に形成された内燃機関用バルブ
であって、前記丸棒材をインダクションヒータによって
所定温度に加熱した後は再加熱することなく、成形面形
状が徐変する複数の成形型を用いた多段据え込みによ
り、膨出部の成形から傘部の成形までを行って、傘部の
結晶粒度を7〜9にするように構成した。 (作用)丸棒材の傘部形成全体が、インダクションヒー
タにより所定温度(例えば、1200℃)に均一にしか
も短時間(数分)のうちに加熱される。そして、熱間据
え込み鍛造により成形される傘部は、例えば10秒〜2
0秒という短時間で成形され、鍛造の際の素材の温度は
結晶粒度を粗くしない1150±50℃の範囲に保持さ
れて、傘部では均一な結晶粒度7〜9が確保される。一
方、ステム部は、加熱されず、しかも一切の加工(鍛
造)が施されないので、丸棒材(耐熱鋼または耐熱超合
金)の機械的強度(例えば、結晶粒度7以上)がそのま
ま保持される。請求項2においては、耐熱鋼または耐熱
超合金製の丸棒材の傘部形成領域だけを所定温度に加熱
する加熱工程と、パンチと成形型を使った据え込み鍛造
により、前記丸棒材の加熱された領域に膨出部を成形
し、次いで膨出部に傘部を成形する傘部据え込み成形工
程と、を備えた内燃機関用バルブの製造方法であって、
前記丸棒材をインダクションヒータによって所定温度に
加熱した後は再加熱することなく、成形面形状が徐変す
る複数の成形型を用いた多段据え込みにより、膨出部の
成形から傘部の成形までを行うように構成した。 (作用)加熱処理は一回だけであるため、複数回にわた
って加熱処理を必要とする従来方法に比べて温度管理が
容易で、傘部形成領域全体を均一に加熱できる。耐熱鋼
または耐熱超合金は鍛造しにくいが、加熱された丸棒材
を徐々に塑性変形させる熱間多段据え込みにより、膨出
部の成形および傘部の成形をスムーズに行うことができ
る。また丸棒材の加熱手段はインダクションヒータであ
り、丸棒材の所定領域(傘部形成領域)だけを均一にし
かも短時間(数分)で所定温度にまで高めることができ
る。請求項3においては、請求項2に記載の内燃機関用
バルブの製造方法において、前記丸棒材の鍛造温度を1
150±50℃の範囲に調整するよう構成した。 (作用)丸棒材の鍛造温度が1200℃を超えると、延
性が高くなりすぎて、鍛造された傘部の結晶粒度が7未
満となり、傘部の機械的強度が不十分となる。逆に丸棒
材の鍛造温度が1100℃未満であると、素材の延性が
極度に低下して、加工(鍛造)しにくい。従って、丸棒
材の鍛造温度は、素材の加工性と傘部における機械的強
度の双方の面から1150±50℃の範囲に保持される
ことが望ましい。請求項4においては、請求項2または
3に記載の内燃機関用バルブの製造方法において、前記
多段据え込み成形における1工程当たりの据え込み比l
/dは、2以下で、成型品のサイズが大きい場合は、
l.5以下とするように構成した。 (作用)粗成形工程における素材の変形長さは、据え込
み比l/d(据え込み長さl、素材軸径d)に関係し、
粗成形工程である据え込み鍛造成形工程において、素材
である丸棒材Wが挫屈しないように、据え込み比l/d
は、2以下に設定されている。また、丸棒材Wの軸径が
大きいほど、変形量が大きくなるため、変形の伝播を考
慮して、据え込み比が小さく(1.5以下に)設定され
ている。請求項5においては、請求項2または3に記載
の内燃機関用バルブの製造方法において、前記多段据え
込み成形最終工程における据え込み比l/dを2.5以
下とするように構成した。多段据え込みにおける最終工
程では、被加工部である傘部の口径が大きくなっている
分、据え込み比を大きくとれるが、挫屈や傷が生じない
据え込み比の限度は2.5である。請求項6において
は、請求項2〜5のいずれかに記載の内燃機関用バルブ
の製造方法において、前記丸棒材の軸径は、完成軸径+
1〜10mmで、前記傘部の据え込み成形は、バルブの
大きさに対応させた4〜7段で構成するようにした。 (作用)バルブの大きさが大きければ、一般に据え込み
比も大きく加工しにくくなるため、それだけ成形型の段
数が多くなって、装置構造も大型化し、かつ複雑とな
る。さらに、多段にすればするほど、成形型が多く必要
で、据え込み工程に要す時間も長くなり、被成形品の温
度管理の困難性にもつながるため、段数は少ない方が好
ましい。したがって、比較的軸径(完成軸径15〜30
mm)の小さい丸棒材の据え込み鍛造では、素材の大き
さと加工性(硬さ)とを考慮して、丸棒材の軸径は、完
成軸径+1〜10mmの成形型で構成することが望まし
い。また、据え込み鍛造成形の工程数は、最終成形品の
形状(傘部)から成形部の体積を計算し、据え込み成形
工程における据え込み長さLが決定され、そして、据え
込み成形工程全体の総据え込み長さLと1工程当たり据
え込み長さlから、工程数(L/l=4〜7段)が決定
されている。請求項7においては、請求項2〜6のいず
れかに記載の内燃機関用バルブの製造方法において、前
記据え込み成形用の成形型は、半径方向複数個に分割可
能に構成するようにした。 (作用)傘部据え込み成形工程では、複数の成形型間に
おいて、上流側の成形型から成形品を取り出すととも
に、下流側の成形型内に収容する必要があるが、成形型
を半径方向に分割することで、成形品の出し入れがスム
ーズとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の好適な実施例につい
て、添附図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発
明に係わる内燃機関用バルブの側面図、図2〜図10
は、同バルブの製造方法の一実施例を示し、図2は加熱
工程における丸棒材の側面図、図3は第1段の据え込み
機構による成形工程の断面図、図4は第2段の据え込み
機構による成形工程の断面図、図5は第3段の据え込み
機構による成形工程の断面図、図6は第4段の据え込み
機構による成形工程の断面図、図7は据え込み機構の縦
断面図(図3に示す線VII-VIIに沿う断面図)、図8
(a),(b)は据え込み成形工程における膨出部の形
状の変化を示す図、図9は多段据え込み成形の各工程に
おける膨出部先端拡径定数を示す図、図10は成形され
たバルブの金属(NCF80A)組織を100倍に拡大
して示す図(写真)を示し、(a)は傘部の金属組織を
示す図(写真)、(b)はステム部における首部の金属
組織を示す図(写真)である。
【0013】図1において、符号10は、ステム部12
の先端側に傘部14が一体に形成された、JISB49
01,NCF80A,NCF751、等の耐熱超合金で
構成されたバルブで、傘部14の背面側には、バルブシ
ートと接触するテーパ形状のフェイス部15が設けら
れ、首部13を経てストレートなステム部12に連なっ
ている。
【0014】傘部14は、インダクションヒータ(高周
波ヒータ)によって所定温度に加熱されたNCF80A
等の耐熱超合金製の丸棒材Wの端部が、多段成形機を用
いた据え込み鍛造によって、所定形状に成形されたもの
で、まず丸棒材Wの一端に膨出部が形成され、次いで、
この膨出部が徐々に塑性変形されて傘部14となる。そ
して、傘部14の結晶粒度は、7〜9の範囲内にあっ
て、機械的強度に優れたものとなっている。
【0015】即ち、バルブ10の傘部14の金属組織
は、結晶粒度が7〜9で、図10(a)に示されるよう
に、各組織が細かく均一の大きさに揃っている。
【0016】一方、ステム部12は、インダクションヒ
ータによって加熱されることもなく、また、多段成形機
によって挟持されることはあっても、鍛造されることが
ないので、丸棒材を構成する耐熱超合金(JISB49
01,NCF80A等)本来(素材のままの)の結晶粒
度7以上をもち、機械的強度に優れたものとなってい
る。
【0017】即ち、バルブ10のステム部12の金属組
織は、傘部14との境界である首部13も含めて、結晶
粒度が7以上で、図10(b)に示されるように、各組
織が細かく均一の大きさに揃っている。
【0018】次に、図1に示すバルブ10の製造工程
を、図2〜6を参照して説明する。
【0019】まず、図2に示すように、耐熱超合金製の
丸棒材Wを用意する。このとき丸棒材Wの素材として
は、JISB4901,NCF80A,NCF751等
がある。そして、インダクションションヒータによって
丸棒材Wの傘部形成領域W1だけを熱間鍛造に最適な所
定温度に加熱する。
【0020】加熱温度(鍛造温度)としては、1150
±50℃の範囲に調整されている。即ち、丸棒材Wの鍛
造温度が1200℃を超えると、素材(耐熱超合金)の
温度が高くなりすぎて、鍛造された傘部14の結晶粒度
が7未満となり、傘部14の機械的強度が不十分とな
る。逆に丸棒材Wの鍛造温度が1100℃未満である
と、素材(耐熱超合金)の延性が極度に低下して、加工
(鍛造)しにくい。従って、丸棒材Wの鍛造温度は、素
材の加工性と鍛造された傘部における機械的強度の双方
の面から1150±50℃の範囲に保持されることが望
ましい。
【0021】なお、インダクションションヒータによっ
て丸棒材Wを加熱するため、短時間(たとえば、2分以
内)で、丸棒材Wを所定の温度(1200℃)にまで高
めることができるし、丸棒材Wの所定の傘部形成領域W
1だけを均一に加熱することができる。また、丸棒材W
を加熱する際には、丸棒材Wを並列に配置して、同時に
複数本の丸棒材Wを加熱できる。
【0022】次に、図3〜6に示すように、成形型21
(21A,21B、21C、21D)と対応するパンチ
23(23A,23B、23C、23D)とから構成さ
れた4段の据え込み機構20(20A,20B、20
C、20D)を用いて据え込み成形(鍛造)を行う。
【0023】最終成形工程に用いられる第4段目の成形
型21Dの成形面22Dは、傘部14背面側のフェース
部15および首部13に対応する形状に形成されるとと
もに、各段の成形工程にそれぞれ用いられる成形型21
A,21B、21Cの成形面22A,22B、22C
は、徐々に成形型21Dの成形面22Dに近づく形状に
形成されている。
【0024】従って、図3に示す第1段目の据え込み機
構20Aでは、丸棒材Wの傘部形成領域W1(図2参
照)がパンチ23Aにより軸方向にプレス(塑性変形)
されることで、丸棒材Wの先端側(パンチでプレスされ
る側)に、先端部の口径が基端部の口径に比べて小さい
烏帽子形状の膨出部W3が成形される。そして、膨出部
W3が成形された丸棒材Wは、成形型21Aから取り出
されて、図4に示す下流側の第2段目の据え込み機構2
0Bの成形型21B内に移載される。
【0025】第2段目の据え込み機構20Bでは、パン
チ23Bにより膨出部W3がさらに軸方向にプレス(塑
性変形)されることで、図4に示すように、円錐台形状
の膨出部W4が成形される。さらに、図5に示す第3段
目の据え込み機構20Cの成形型21C内に移載され、
ここでは、パンチ23Cにより膨出部W4がさらに軸方
向にプレス(塑性変形)されることで、前端側が丸みを
帯びた形状の膨出部W5が成形される。
【0026】そして、最後に、図6に示す第4段目の据
え込み機構20Dの成形型21D内に移載され、ここで
は、パンチ23Dにより膨出部W5が軸方向にプレス
(塑性変形)されることで、成形面22Dに対応する傘
部14が成形される。
【0027】また、第1〜第4段目の据え込み機構20
(20A,20B、20C、20D)のそれぞれの成形
型21(21A,21B、21C、21D)は、図7に
示すように、軸方向に縦割りされた一対の分割型12
1,121で構成されており、必要に応じて左右方向
(半径方向)に2分割できるようになっている。そし
て、それぞれの据え込み機構20A,20B、20C、
20Dにおいて、据え込み成形が終了する度に、図7仮
想線で示すように、成形型21を構成する分割型12
1,121を左右方向に型開きして、成形された成型品
を成形型21(121,121)から取り出すととも
に、次段の成形型21(121,121)内に収容し、
型締めすることで、次段の据え込み成形(鍛造)を行
う。
【0028】また、図8に示すように、粗成形工程にお
ける素材の変形長さは、据え込み比l/d(据え込み長
さl、素材軸径d)に関係し、本実施例では、粗成形工
程である据え込み鍛造成形工程において、素材である丸
棒材Wが挫屈しないように、据え込み比l/dは、2以
上に設定されている。また、丸棒材Wの軸径が大きいほ
ど、変形量が大きくなるため、変形の伝播を考慮して、
据え込み比(l/dm)が小さく(1.5以下に)設定
されている。
【0029】また、据え込み鍛造成形の工程数は、最終
成形品の形状(傘部14)から成形部の体積を計算し、
全据え込み成形工程における据え込み長さLを決定す
る。そして、据え込み総長さLと1工程当たり据え込み
長さlから、工程数(L/l=4段)が決定されてい
る。但し、最終工程の据え込み比(l/Dm、Dmは傘
部の平均径を示す)は、2.5以下に設定されている。
【0030】即ち、最終工程では、膨出部W5の外径が
最も大きくなって、据え込み比(l/d)を大きくでき
るが、据え込み比(l/d)が2.5を越えると、挫屈
が生じるので、2.5以下とすることが望ましい。
【0031】さらに、据え込み成形の第1段から第4段
の各工程における膨出部の先端部径dnは、素材径また
は前工程の膨出部の先端部径dn−1に定数kを乗じた
もの(dn=kn×dn−1)に設定されている。そし
て、この定数kは、各工程において異なり、図9に示す
ように設定されている。第1段〜第4段の各工程におけ
る定数kは、後の工程程、膨出部の外径が大きくなりそ
れだけ挫屈しにくくなるため、後の工程程、定数kが大
きく設定されている。
【0032】なお、前記した実施例では、耐熱超合金製
のバルブおよびその製造方法について説明したが、本発
明は耐熱超合金製のバルブに限定されるものではなく、
SG4311,SUH3,SUH31,SUH35、S
UH37等の耐熱鋼製のバルブおよびその製造方法につ
いても同様に適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
請求項1に係わる内燃機関用バルブによれば、傘部では
結晶粒度7〜9が確保されるとともに、首部を含めたス
テム部では、素材本来の機械的強度(結晶粒度7以上)
が維持されるので、運転開始時の室温から400℃程度
の比較的低い温度下での運転等の高負荷運転にも十分耐
え得る等、従来のバルブに比べて機械的強度に優れた内
燃機関用バルブが得られる。請求項2に係わる内燃機関
用バルブの製造方法よれば、丸棒材の傘部形成領域全体
を均一に短時間で加熱できるとともに、傘部の成形(鍛
造)が短時間で行われるので、傘部全体の結晶粒度が均
一となって、傘部全体の機械的強度を一定に確保でき、
傘部の耐久性に優れたバルブを製造できる。また、耐熱
鋼または耐熱超合金製のバルブをスムーズかつ短時間で
製造できるので、量産に最適である。また、素材である
丸棒材としては、ピーリングしたものでも未ピーリング
状態のものでも使用できる、という利点がある。。請求
項3によれば、適切な温度管理下で短時間のうちに鍛造
が遂行されるので、傘部における十分な機械的強度が確
保される。請求項4によれば、素材を挫屈させることな
く、短時間で鍛造できる。請求項5によれば、最終工程
において設定できる据え込み比の限界がわかるので、そ
れだけ他の工程における据え込みを設定し易い。請求項
6によれば、4〜7段の多段据え込み成形により傘部を
徐々に成形するので、複雑な鍛造機構を用いることな
く、しかも短時間で傘部を成形することができる。請求
項7によれば、傘部据え込み成形工程の成形型間におけ
る成形品の移載がスムーズに遂行されるので、傘部据え
込み成形工程に要す時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関用バルブの側
面図
【図2】加熱工程における丸棒材の側面図
【図3】第1段の据え込み機構による成形工程の断面図
【図4】第2段の据え込み機構による成形工程の断面図
【図5】第3段の据え込み機構による成形工程の断面図
【図6】第4段の据え込み機構による成形工程の断面図
【図7】据え込み機構の縦断面図(図3に示す線VII-VI
Iに沿う断面図)
【図8】据え込み成形工程における膨出部の形状の変化
を示す図
【図9】多段据え込み成形の各工程における膨出部先端
拡径定数を示す図
【図10】成形されたバルブの金属(NCF80A)組
織を100倍に拡大して示す図(写真)を示し、(a)
は傘部の金属組織を示す図(写真) (b)はステム部における首部の金属組織を示す図(写
真)
【図11】従来のバルブの第1の製造方法を示す図
【図12】従来のバルブの第2の製造方法を示す図
【図13】第2の製造方法で製造した従来のバルブの金
属(NCF80A)組織の拡大(100倍)図(写真)
で、(a)は傘部の金属組織の図(写真) (b)はステム部における首部の金属組織の図(写真)
【符号の説明】
10 バルブ 12 ステム部 13 首部 14 傘部 15 フェース部 20(20A,20B,20C,20D) 据え込み機
構 21(21A,21B,21C,21D) 成形型 22(22A,22B,22C,22D) 成形面 23(23A,23B,23C,23D) パンチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細渕 洋次 神奈川県秦野市曽屋518 日鍛バルブ株式 会社技術研究所内 (72)発明者 鈴木 文孝 神奈川県秦野市曽屋518 日鍛バルブ株式 会社技術研究所内 (72)発明者 武田 英士 愛知県知多市にしの台3丁目10番3 (72)発明者 澤畑 勲 愛知県知多郡東浦町大字森岡字飯喰場7− 23 (72)発明者 森田 誠広 愛知県知多市八幡字下内橋45−3 Fターム(参考) 4E087 AA10 BA02 CA31 CA33 CB01 CB04 CC01 DA05 DB15 EC11 EC12 EC22 EC37 FB06 HA67 HA69

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱鋼または耐熱超合金製の丸棒材の傘
    部形成領域だけを所定温度に加熱する加熱工程と、パン
    チと成形型を使った据え込み鍛造により、前記丸棒材の
    加熱された領域に膨出部を成形し、次いで膨出部に傘部
    を成形する傘部据え込み成形工程と、を経て製造され
    た、ステム部の1端部に傘部が一体に形成された内燃機
    関用バルブであって、前記丸棒材はインダクションヒー
    タによって所定温度に加熱された後は再加熱されること
    なく、成形面形状が徐変する複数の成形型を用いた多段
    据え込みにより、膨出部の成形から傘部の成形までが行
    われて、傘部の結晶粒度が7〜9に構成されたことを特
    徴とする内燃機関用バルブ。
  2. 【請求項2】 耐熱鋼または耐熱超合金製の丸棒材の傘
    部形成領域だけを所定温度に加熱する加熱工程と、パン
    チと成形型を使った据え込み鍛造により、前記丸棒材の
    加熱された領域に膨出部を成形し、次いで膨出部に傘部
    を成形する傘部据え込み成形工程と、を備えた内燃機関
    用バルブの製造方法であって、前記丸棒材をインダクシ
    ョンヒータによって所定温度に加熱した後は再加熱する
    ことなく、成形面形状が徐変する複数の成形型を用いた
    多段据え込みにより、膨出部の成形から傘部の成形まで
    を行うことを特徴とする内燃機関用バルブの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記丸棒材の鍛造温度が1150±50
    ℃の範囲に調整されたことを特徴とする請求項2に記載
    の内燃機関用バルブの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多段据え込み成形における1工程当
    たりの据え込み比l/dは、2以下で、成型品のサイズ
    が大きい場合は、l.5以下であることを特徴とする請
    求項2または3に記載の内燃機関用バルブの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記多段据え込み成形最終工程における
    据え込み比l/dは、2.5以下であることを特徴とす
    る請求項2または3に記載の内燃機関用バルブの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記丸棒材の軸径は、完成軸径+1〜1
    0mmで、前記傘部の据え込み成形は、バルブの大きさ
    に対応させた4〜7段で構成されたことを特徴とする請
    求項2〜5のいずれかに記載の内燃機関用バルブの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記据え込み成形用の成形型は、半径方
    向複数個に分割可能に構成されたことを特徴とする請求
    項2〜6のいずれかに記載の内燃機関用バルブの製造方
    法。
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