JP2001179058A - スパイラル型膜エレメントおよびスパイラル型膜モジュールの運転方法ならびにスパイラル型膜モジュール - Google Patents

スパイラル型膜エレメントおよびスパイラル型膜モジュールの運転方法ならびにスパイラル型膜モジュール

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JP2001179058A
JP2001179058A JP36736099A JP36736099A JP2001179058A JP 2001179058 A JP2001179058 A JP 2001179058A JP 36736099 A JP36736099 A JP 36736099A JP 36736099 A JP36736099 A JP 36736099A JP 2001179058 A JP2001179058 A JP 2001179058A
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Masaaki Ando
雅明 安藤
Toshiyuki Kawashima
敏行 川島
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたって高い透過流束を維持しつつ
安定した濾過運転を行うことが可能なスパイラル型膜モ
ジュールおよびその運転方法を提供することである。 【解決手段】 スパイラル型膜モジュール100は、
0.05〜0.3MPaの背圧で逆流洗浄が可能な分離
膜を有するスパイラル型膜エレメントを備える。運転時
には、自動制御装置250により、原水流量計210が
一定値を示すように加圧ポンプ201の出力が制御さ
れ、全量濾過が行われる。一方、洗浄時には、自動制御
装置251により、原水入口側圧力計220の値の変化
の程度に応じて加圧ポンプ202の出力が制御され、逆
流洗浄が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆浸透膜分離装
置、限外濾過膜分離装置、精密濾過膜分離装置等の膜分
離装置に用いられるスパイラル型膜エレメントおよびス
パイラル型膜モジュールの運転方法ならびにスパイラル
型膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、浄水処理および排水処理への膜分
離技術の適用が広がり、従来困難であった液質への膜分
離技術の応用がなされている。特に、膜分離技術を用い
た産業排水の回収および再利用が強く求められている。
【0003】このような膜分離に使用される膜エレメン
トの形態としては、単位体積当たりの膜面積(体積効
率)の点から中空糸型膜エレメントが多く使用されてい
る。しかし、中空糸型膜エレメントは、膜が折れやす
く、膜が折れると、原水が透過水に混ざり、分離性能が
低下するという欠点を有している。
【0004】そこで、中空糸型膜エレメントに代えて、
スパイラル型膜エレメントを適用することが提案されて
いる。このスパイラル型膜エレメントは、中空糸型膜エ
レメントと同様に単位体積当たりの膜面積を大きくと
れ、しかも分離性能を維持でき、信頼性が高いという利
点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】排水は多くの懸濁物
質、コロイド性物質または溶存性物質を含むため、この
ような排水に膜分離を行うと、これらの懸濁物質、コロ
イド性物質または溶存性物質が汚染物質として膜面に堆
積し、水の透過速度の低下を引き起こす。
【0006】膜面に堆積した汚染物質は例えば逆流洗浄
により取り除かれる。逆流洗浄は、中空糸型膜エレメン
トでは一般的に行われている。
【0007】スパイラル型膜エレメントへの逆流洗浄の
適用は、例えば特公平6−98276号公報に提案され
ている。しかし、従来のスパイラル型膜エレメントの分
離膜は、背圧強度が低いため、逆流洗浄において分離膜
に背圧が加わると、分離膜が破損するおそれがある。そ
のため、上記の公報によると、スパイラル型膜エレメン
トに0.1〜0.5kg/cm2 (0.01〜0.05
MPa)という低い背圧で逆流洗浄を行うことが好まし
いとされている。
【0008】しかし、本発明者の実験によると、スパイ
ラル型膜エレメントにおいてこのような背圧で逆流洗浄
を行った場合、汚染物質の除去を充分に行うことが困難
であり、長時間にわたって高い透過流束を維持すること
はできなかった。
【0009】一方、本発明者は、特開平10−2256
26号公報に背圧強度が2kgf/cm2 以上の分離膜
の構造および製造方法を提案している。しかしながら、
このような背圧強度を有する分離膜を用いてスパイラル
型膜エレメントを作製した場合に、実際にどのような背
圧で逆流洗浄を行うことが可能となるか、また、どのよ
うな範囲の背圧で逆流洗浄を行った場合に長期間にわた
って高い透過流束を維持できるかについては十分に検証
されていなかった。さらに、上記のような背圧強度の高
い分離膜を有するスパイラル型膜エレメントの運転方法
およびこのようなスパイラル型膜エレメントを備えたス
パイラル型膜モジュールの運転方法については検証され
ていなかった。
【0010】このような背圧強度の高い分離膜を用いた
場合でも、最適な洗浄条件および洗浄方法を適用しかつ
最適な運転方法により濾過運転を行わなければ、スパイ
ラル型膜エレメントおよびスパイラル型膜モジュールに
おいて長期間にわたって透過流束の低下を生じることな
く安定した濾過運転を続けることができない。
【0011】本発明の目的は、長期間にわたって高い透
過流束を維持しつつ安定した濾過運転を行うことができ
るスパイラル型膜エレメントの運転方法を提供すること
である。
【0012】本発明の他の目的は、長期間にわたって高
い透過流束を維持しつつ安定した濾過運転を行うことが
できるスパイラル型膜モジュールおよびその運転方法を
提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係るスパイラル型膜エレメントの運転方法は、有
孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻回されてなるスパ
イラル型膜エレメントの運転方法であって、分離膜は、
0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆
流洗浄可能な背圧強度を有し、スパイラル型膜エレメン
ト内へ一定の流量で原液を供給し有孔中空管の少なくと
も一方の開口端から透過液を取り出して濾過を行うもの
である。
【0014】本発明に係るスパイラル型膜エレメントの
運転方法においては、濾過時に、スパイラル型膜エレメ
ント内へ一定の流量で原液を供給し、有孔中空管の少な
くとも一方の開口端から透過液を取り出す。一方、洗浄
時には、洗浄液が有孔中空管の少なくとも一方の開口端
から導入される。その洗浄液は、有孔中空管の外周面か
ら袋状の分離膜の内部に導出され、その分離膜を濾過時
と逆方向に透過する。それにより、分離膜が逆流洗浄さ
れ、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が分離膜から剥離
される。
【0015】この場合、分離膜が高い背圧強度を有する
ため、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背
圧で分離膜を逆流洗浄することができる。それにより、
短時間に必要量の洗浄液を流すことができ、分離膜の膜
面に堆積した汚染物質を効果的に除去することができ
る。その結果、濾過時における透過流束の低下が抑制さ
れ、長期間にわたって高い透過流束を維持しつつ濾過運
転を行うことができる。
【0016】以上のように、上記のスパイラル型膜エレ
メントの運転方法においては透過流束の低下を抑制する
ことができるため、長期間にわたって濾過時に原液を一
定の流量で供給することが可能となる。したがって、安
定した濾過運転を長期間実施することが可能なシステム
が実現される。
【0017】第2の発明に係るスパイラル型膜エレメン
トの運転方法は、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
巻回されてなるスパイラル型膜エレメントの運転方法で
あって、分離膜は、0.05MPaよりも高く0.3M
Pa以下の背圧で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、スパ
イラル型膜エレメント内へ原液を供給し有孔中空管の少
なくとも一方の開口端から一定の流量で透過液を取り出
して濾過を行うものである。
【0018】本発明に係るスパイラル型膜エレメントの
運転方法においては、濾過時に、スパイラル型膜エレメ
ント内へ原液を供給し有孔中空管の少なくとも一方の開
口端から一定の流量で透過液を取り出す。一方、洗浄時
には、洗浄液が有孔中空管の少なくとも一方の開口端か
ら導入される。その洗浄液は、有孔中空管の外周面から
袋状の分離膜の内部に導出され、その分離膜を濾過時と
逆方向に透過する。それにより、分離膜が逆流洗浄さ
れ、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が分離膜から剥離
される。
【0019】この場合、分離膜が高い背圧強度を有する
ため、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背
圧で分離膜を逆流洗浄することができる。それにより、
短時間に必要量の洗浄液を流すことができ、分離膜の膜
面に堆積した汚染物質を効果的に除去することができ
る。その結果、濾過時における透過流束の低下が抑制さ
れ、長期間にわたって高い透過流束を維持しつつ濾過運
転を行うことができる。
【0020】以上のように、上記のスパイラル型膜エレ
メントの運転方法においては透過流束の低下を抑制する
ことができるため、長期間にわたって濾過時に透過液を
一定の流量で取り出すことが可能となる。したがって、
安定した濾過運転を長期間実施することが可能なシステ
ムが実現される。
【0021】第1または第2の発明に係るスパイラル型
膜エレメントの運転方法において、濾過時におけるスパ
イラル型膜エレメントの原液供給側の圧力の変化または
原液供給側と透過液取り出し側との差圧の変化に応じて
洗浄時の洗浄条件を変化させてもよい。
【0022】上記のスパイラル型膜エレメントの濾過時
においては、分離膜の膜面への汚染物質の付着に伴って
原液供給側の圧力と透過液取り出し側の圧力との差が大
きくなる。このことから、濾過時におけるこのような原
液供給側の圧力の変化または原液供給側と透過液取り出
し側との差圧の変化に応じて洗浄時の洗浄条件を変化さ
せる。それにより、分離膜の汚染の程度に応じて効率よ
く効果的に洗浄を行うことが可能となり、原液性状変化
に対して効率のよい運転を安定して行うことが可能とな
る。また、分離膜にかかる負荷を低減することができる
ため、分離膜の耐久性が向上し、信頼性の高い運転を安
定して行うことが可能となる。
【0023】第3の発明に係るスパイラル型膜エレメン
トの運転方法は、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
巻回されてなるスパイラル型膜エレメントの運転方法で
あって、分離膜は、0.05MPaよりも高く0.3M
Pa以下の背圧で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、濾過
時に、スパイラル型膜エレメント内へ一定圧力で原液を
供給し有孔中空管の少なくとも一方の開口端から透過液
を取り出し、洗浄時に、有孔中空管の少なくとも一方の
開口端から洗浄液を導入してスパイラル型膜エレメント
の少なくとも一端部から洗浄液を排出させることにより
分離膜を逆流洗浄し、濾過時における透過液の流量の変
化に応じて洗浄時の洗浄条件を変化させるものである。
【0024】本発明に係るスパイラル型膜エレメントの
運転方法においては、濾過時に、スパイラル型膜エレメ
ント内へ一定圧力で原液を供給し有孔中空管の少なくと
も一方の開口端から透過液を取り出す。一方、洗浄時に
は、洗浄液が有孔中空管の少なくとも一方の開口端から
導入される。その洗浄液は、有孔中空管の外周面から袋
状の分離膜の内部に導出され、その分離膜を濾過時と逆
方向に透過する。それにより、分離膜が逆流洗浄され、
分離膜の膜面に堆積した汚染物質が分離膜から剥離され
る。
【0025】ここで、スパイラル型膜エレメントの濾過
時においては、分離膜の膜面への汚染物質の付着に伴っ
て得られる透過液の流量が低下する。このことから、上
記のスパイラル型膜エレメントの運転方法においては、
このような濾過時の透過液の流量の変化に応じて洗浄時
の洗浄条件を変化させる。それにより、スパイラル型膜
エレメントの分離膜の汚染の程度に応じて効率よく効果
的に洗浄を行うことが可能となり、効率のよい運転を行
うことが可能となる。また、分離膜にかかる負荷を低減
することができるため、分離膜の耐久性が向上し、信頼
性の高い運転を行うことが可能となる。
【0026】特に、この場合においては分離膜が高い背
圧強度を有するため、0.05MPaよりも高く0.3
MPa以下の背圧で分離膜を逆流洗浄することができ
る。それにより、短時間に必要量の洗浄液を流すことが
でき、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が多い場合にお
いても汚染物質を効果的に除去することができる。その
結果、濾過時における透過流束の低下が抑制され、長期
間にわたって高い透過流束を維持しつつ濾過運転を行う
ことができる。
【0027】以上のように、上記のスパイラル型膜エレ
メントの運転方法においては透過流束の低下を抑制する
ことができるため、長期間にわたって濾過時に一定圧力
で原液を供給することが可能となる。したがって、安定
した濾過運転を長期間実施することが可能なシステムが
実現される。
【0028】第4の発明に係るスパイラル型膜エレメン
トの運転方法は、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
巻回されてなるスパイラル型膜エレメントの運転方法で
あって、分離膜は、0.05MPaよりも高く0.3M
Pa以下の背圧で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、有孔
中空管の少なくとも一方の開口端から洗浄液を導入して
スパイラル型膜エレメントの少なくとも一端部から洗浄
液を排出させることにより分離膜を逆流洗浄し、排出さ
れる洗浄液の流量の変化に応じて洗浄条件を変化させる
ものである。
【0029】本発明に係るスパイラル型膜エレメントの
運転方法においては、洗浄時に、洗浄液が有孔中空管の
少なくとも一方の開口端から導入される。その洗浄液
は、有孔中空管の外周面から袋状の分離膜の内部に導出
され、その分離膜を濾過時と逆方向に透過する。それに
より、分離膜が逆流洗浄され、分離膜の膜面に堆積した
汚染物質が分離膜から剥離される。
【0030】ここで、上記のスパイラル型膜エレメント
においては、分離膜の膜面への汚染物質の付着に伴って
スパイラル型膜エレメントから排出される洗浄液の流量
が低下する。このことから、上記のスパイラル型膜エレ
メントの運転方法においては、このような洗浄液の流量
の変化に応じて洗浄条件を変化させる。それにより、ス
パイラル型膜エレメントの分離膜の汚染の程度に応じて
効率よく効果的に洗浄を行うことが可能となり、効率の
よい運転を行うことが可能となる。また、分離膜の負荷
を低減することができるため、分離膜の耐久性が向上
し、信頼性の高い運転を安定して行うことが可能とな
る。
【0031】特に、この場合においては分離膜が高い背
圧強度を有するため、0.05MPaよりも高く0.3
MPa以下の背圧で分離膜を逆流洗浄することができ
る。それにより、短時間に必要量の洗浄液を流すことが
でき、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が多い場合にお
いても汚染物質を効果的に除去することができる。その
結果、濾過時における透過流束の低下が抑制され、長期
間にわたって高い透過流束を維持しつつ安定した濾過運
転を行うことができる。
【0032】第1から第4の発明のいずれかに係るスパ
イラル型膜エレメントの運転方法において、洗浄条件
は、有孔中空管に導入する洗浄液の供給流量、有孔中空
管に導入する洗浄液の供給圧力、洗浄を行う時間間隔お
よび洗浄の時間の少なくとも1つである。これらの洗浄
条件のうちの少なくとも1つをスパイラル型膜エレメン
トの分離膜の汚染の程度に合わせて変化させることによ
り、効率よく効果的に分離膜の洗浄を行うことが可能と
なる。
【0033】また、分離膜は多孔性シート材の一面に透
過性膜体が接合されてなり、透過性膜体は多孔性シート
材の一面に投錨状態で接合されてもよい。このような分
離膜においては、多孔性シート材と透過性膜体との接合
が強化されているので分離膜の背圧強度が向上する。し
たがって、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下
の背圧で逆流洗浄を行った場合においても分離膜が破損
を生じることはなく、十分な洗浄が行われる。
【0034】特に、分離膜の背圧強度は0.2MPa以
上であることが好ましい。これにより、高い背圧での逆
流洗浄が可能となり、膜洗浄を十分に行うことによって
長期間安定した膜分離処理を行うことができる。
【0035】特に、多孔性シート材は合成樹脂からなる
織布、不織布、メッシュ状ネットまたは発泡焼結シート
からなることが好ましい。
【0036】さらに、多孔性シート材は、厚みが0.0
8mm以上0.15mm以下でかつ密度が0.5g/c
3 以上0.8g/cm3 以下の不織布からなることが
好ましい。
【0037】これにより、0.2MPa以上の背圧強度
を得るとともに、補強シートとしての強度を確保しつ
つ、透過抵抗の増大および透過性膜体の剥離を防止する
ことができる。
【0038】第5の発明に係るスパイラル型膜モジュー
ルの運転方法は、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
イラル型膜モジュールの運転方法であって、分離膜は、
0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆
流洗浄可能な背圧強度を有し、圧力容器の原液入口を通
して一定の流量で原液をスパイラル型膜エレメント内へ
供給し有孔中空管の少なくとも一方の開口端から透過液
を取り出して濾過を行うものである。
【0039】本発明に係るスパイラル型膜モジュールの
運転方法においては、濾過時に、圧力容器の原液入口を
通して一定の流量で原液をスパイラル型膜エレメント内
へ供給し、有孔中空管の少なくとも一方の開口端から透
過液を取り出す。一方、洗浄時には、洗浄液が有孔中空
管の少なくとも一方の開口端から導入される。その洗浄
液は、有孔中空管の外周面から袋状の分離膜の内部に導
出され、その分離膜を濾過時と逆方向に透過する。それ
により、分離膜が逆流洗浄され、分離膜の膜面に堆積し
た汚染物質が分離膜から剥離される。
【0040】この場合、分離膜が高い背圧強度を有する
ため、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背
圧で分離膜を逆流洗浄することができる。それにより、
短時間に必要量の洗浄液を流すことができ、分離膜の膜
面に堆積した汚染物質を効果的に除去することができ
る。その結果、濾過時における透過流束の低下が抑制さ
れ、長期間にわたって高い透過流束を維持しつつ濾過運
転を行うことができる。
【0041】以上のように、上記のスパイラル型膜モジ
ュールの運転方法においては透過流束の低下を抑制する
ことができるため、長期間にわたって濾過時に原液を一
定の流量で供給することが可能となる。したがって、安
定した濾過運転を長期間実施することが可能なシステム
が実現される。
【0042】ここで、原液の供給圧力を制御することに
より原液の流量を一定に制御してもよい。また、スパイ
ラル型膜モジュールの原液供給側に加圧ポンプを設け、
加圧ポンプの出力を制御することにより原液の流量を一
定に制御してもよい。それにより、原液を一定の流量で
供給することができるため、安定した濾過運転を行うこ
とができる。
【0043】第6の発明に係るスパイラル型膜モジュー
ルの運転方法は、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
イラル型膜モジュールの運転方法であって、分離膜は、
0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆
流洗浄可能な背圧強度を有し、圧力容器の原液入口を通
してスパイラル型膜エレメント内へ原液を供給し有孔中
空管の少なくとも一方の開口端から一定の流量で透過液
を取り出して濾過を行うものである。
【0044】本発明に係るスパイラル型膜モジュールの
運転方法においては、濾過時に、圧力容器の原液入口を
通してスパイラル型膜エレメント内へ原液を供給し、有
孔中空管の少なくとも一方の開口端から一定の流量で透
過液を取り出す。一方、洗浄時には、洗浄液が有孔中空
管の少なくとも一方の開口端から導入される。その洗浄
液は、有孔中空管の外周面から袋状の分離膜の内部に導
出され、その分離膜を濾過時と逆方向に透過する。それ
により、分離膜が逆流洗浄され、分離膜の膜面に堆積し
た汚染物質が分離膜から剥離される。
【0045】この場合、分離膜が高い背圧強度を有する
ため、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背
圧で分離膜を逆流洗浄することができる。それにより、
短時間に必要量の洗浄液を流すことができ、分離膜の膜
面に堆積した汚染物質を効果的に除去することができ
る。その結果、濾過時における透過流束の低下が抑制さ
れ、長期間にわたって高い透過流束を維持しつつ濾過運
転を行うことができる。
【0046】以上のように、上記のスパイラル型膜エレ
メントの運転方法においては透過流束の低下を抑制する
ことができるため、長期間にわたって濾過時に透過液を
一定の流量で取り出すことが可能となる。したがって、
安定した濾過運転を長期間実施することが可能なシステ
ムが実現される。
【0047】ここで、原液の供給圧力または供給流量を
制御することにより透過液の流量を一定に制御してもよ
い。また、スパイラル型膜モジュールの原液供給側に加
圧ポンプを設け、加圧ポンプの出力を制御することによ
り透過液の流量を一定に制御してもよい。それにより、
透過液を一定の流量で取り出すことができるため、安定
した濾過運転を行うことができる。
【0048】第5または第6の発明に係るスパイラル型
膜モジュールの運転方法において、濾過時におけるスパ
イラル型膜モジュールの原液供給側の圧力の変化または
原液供給側と透過液取り出し側との差圧の変化に応じて
洗浄時の洗浄条件を変化させてもよい。
【0049】上記のスパイラル型膜モジュールの濾過時
においては、分離膜の膜面への汚染物質の付着に伴って
原液供給側の圧力が透過液取り出し側の圧力に比べて大
きくなる。このことから、濾過時におけるこのような原
液供給側の圧力の変化または原液供給側と透過液取り出
し側との差圧の変化に応じて洗浄時の洗浄条件を変化さ
せる。それにより、分離膜の汚染の程度に応じて効率よ
く効果的に洗浄を行うことが可能となり、効率のよい運
転を安定して行うことが可能となる。また、分離膜にか
かる負荷を低減することができるため、分離膜の耐久性
が向上し、信頼性の高い運転を安定して行うことが可能
となる。
【0050】第7の発明に係るスパイラル型膜モジュー
ルの運転方法は、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
イラル型膜モジュールの運転方法であって、分離膜は、
0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆
流洗浄可能な背圧強度を有し、濾過時に、圧力容器の原
液入口を通して一定圧力で原液をスパイラル型膜エレメ
ント内へ供給し有孔中空管の少なくとも一方の開口端か
ら透過液を取り出し、洗浄時に、有孔中空管の少なくと
も一方の開口端から洗浄液を導入してスパイラル型膜エ
レメントの少なくとも一端部から洗浄液を排出させて圧
力容器の外部に取り出すことにより分離膜を逆流洗浄
し、濾過時における透過液の流量の変化に応じて洗浄時
の洗浄条件を変化させるものである。
【0051】本発明に係るスパイラル型膜モジュールの
運転方法においては、濾過時に、圧力容器の原液入口を
通して一定圧力で原液をスパイラル型膜エレメント内へ
供給し、有孔中空管の少なくとも一方の開口端から透過
液を取り出す。一方、洗浄時には、洗浄液が有孔中空管
の少なくとも一方の開口端から導入される。その洗浄液
は、有孔中空管の外周面から袋状の分離膜の内部に導出
され、その分離膜を濾過時と逆方向に透過する。それに
より、分離膜が逆流洗浄され、分離膜の膜面に堆積した
汚染物質が分離膜から剥離される。
【0052】ここで、上記のスパイラル型膜モジュール
の濾過時においては、分離膜の膜面への汚染物質の付着
に伴って、得られる透過液の流量が低下する。このこと
から、上記のスパイラル型膜モジュールの運転方法にお
いては、このような濾過時の透過液の流量の変化に応じ
て洗浄時の洗浄条件を変化させる。それにより、分離膜
の汚染の程度に応じて効率よく効果的に洗浄を行うこと
が可能となり、効率のよい運転を行うことが可能とな
る。また、分離膜にかかる負荷を低減することができる
ため、分離膜の耐久性が向上し、信頼性の高い運転を行
うことが可能となる。
【0053】特に、この場合においては分離膜が高い背
圧強度を有するため、0.05MPaよりも高く0.3
MPa以下の背圧で分離膜を逆流洗浄することができ
る。それにより、短時間に必要量の洗浄液を流すことが
でき、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が多い場合にお
いても汚染物質を効果的に除去することができる。その
結果、濾過時における透過流束の低下が抑制され、長期
間にわたって高い透過流束を維持しつつ濾過運転を行う
ことができる。
【0054】以上のように上記のスパイラル型膜モジュ
ールの運転方法においては透過流束の低下を抑制するこ
とができるため、長期間にわたって濾過時に一定圧力で
原液を供給することが可能となる。したがって、安定し
た濾過運転を長期間実施することが可能なシステムが実
現される。
【0055】第8の発明に係るスパイラル型膜モジュー
ルの運転方法は、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
イラル型膜モジュールの運転方法であって、分離膜は、
0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆
流洗浄可能な背圧強度を有し、有孔中空管の少なくとも
一方の開口端から洗浄液を導入してスパイラル型膜エレ
メントの少なくとも一端部から洗浄液を排出させて圧力
容器の外部に取り出すことにより分離膜を逆流洗浄し、
圧力容器の外部へ取り出される洗浄液の流量の変化に応
じて洗浄条件を変化させるものである。
【0056】本発明に係るスパイラル型膜モジュールの
運転方法においては、洗浄時に、洗浄液が有孔中空管の
少なくとも一方の開口端から導入される。その洗浄液
は、有孔中空管の外周面から袋状の分離膜の内部に導出
され、その分離膜を濾過時と逆方向に透過する。それに
より、分離膜が逆流洗浄され、分離膜の膜面に堆積した
汚染物質が分離膜から剥離される。
【0057】ここで、上記のスパイラル型膜モジュール
においては、分離膜の膜面への汚染物質の付着に伴って
スパイラル型膜モジュールの外部に取り出される洗浄液
の流量が低下する。このことから、上記のスパイラル型
膜モジュールにおいては、このような洗浄時の流量の変
化に応じて洗浄条件を変化させる。それにより、分離膜
の汚染の程度に応じて効率よく効果的に洗浄を行うこと
が可能となり、効率のよい運転を行うことが可能とな
る。また、分離膜の負荷を低減することができるため分
離膜の耐久性が向上し、信頼性の高い運転を安定して行
うことが可能となる。
【0058】特に、この場合においては分離膜が高い背
圧強度を有するため、0.05MPaよりも高く0.3
MPa以下の背圧で分離膜を逆流洗浄することができ
る。それにより、短時間に必要量の洗浄液を流すことが
でき、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が多い場合にお
いても汚染物質を効果的に除去することができる。その
結果、濾過時における透過流束の低下が抑制され、長期
間にわたって高い透過流束を維持しつつ安定して濾過運
転を行うことができる。
【0059】第5から第7の発明のいずれかに係るスパ
イラル型膜モジュールの運転方法において、圧力容器は
原液出口をさらに有し、常時または間欠的に原液出口か
ら原液の一部を圧力容器の外部に取り出し、取り出した
原液の少なくとも一部を再び供給側へ戻してもよい。こ
の場合、スパイラル型膜エレメント内部において、常時
または間欠的に、スパイラル型膜エレメントの一端部か
ら他端部に向かう軸方向の原液の流れが形成される。そ
れにより、原液中の汚染物質が分離膜の膜面に付着する
のを抑制することが可能となる。したがって、より安定
した運転を長期間にわたって実施することが可能とな
る。この場合、取り出した原液の少なくとも一部を再び
供給側へ戻すため、高い回収率で透過液を得ることが可
能となる。
【0060】第9の発明に係るスパイラル型膜モジュー
ルは、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻回されて
なるスパイラル型膜エレメントが原液入口を有する圧力
容器内に1または複数本収容されてなるスパイラル型膜
モジュールであって、分離膜は0.05MPaよりも高
く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能な背圧強度
を有し、圧力容器の原液入口を通して原液をスパイラル
型膜エレメント内へ供給する原液供給系と、有孔中空管
の少なくとも一方の開口端から透過液を取り出す透過液
取り出し系と、原液供給系により圧力容器の原液入口を
通して供給される原液の流量を一定に制御する制御系と
が設けられたものである。
【0061】本発明に係るスパイラル型膜モジュールに
おいては、濾過時に、原液供給系により圧力容器の原液
入口を通して原液がスパイラル型膜エレメント内へ供給
され、透過液取り出し系により有孔中空管の少なくとも
一方の開口端から透過液が取り出される。この場合、供
給される原液の流量が一定になるように制御系により制
御が行われる。一方、洗浄時には、分離膜が逆流洗浄さ
れ、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が分離膜から剥離
される。
【0062】この場合、分離膜が高い背圧強度を有する
ため、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背
圧で分離膜を逆流洗浄することができる。それにより、
短時間に必要量の洗浄液を流すことができ、分離膜の膜
面に堆積した汚染物質を効果的に除去することができ
る。その結果、スパイラル型膜モジュールの濾過時にお
いて透過流束の低下が抑制され、長期間にわたって高い
透過流束を維持しつつ濾過運転を行うことができる。
【0063】以上のように、上記のスパイラル型膜モジ
ュールにおいては透過流束の低下を抑制することができ
るため、長期間にわたって原液を一定の流量で供給して
濾過運転を行うことが可能となる。したがって、上記の
スパイラル型膜モジュールにおいては、安定した濾過運
転を長期間実施することが可能となる。
【0064】第10の発明に係るスパイラル型膜モジュ
ールは、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻回され
てなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を有する圧
力容器内に1または複数本収容されてなるスパイラル型
膜モジュールであって、分離膜は0.05MPaよりも
高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能な背圧強
度を有し、圧力容器の原液入口を通して原液をスパイラ
ル型膜エレメント内へ供給する原液供給系と、有孔中空
管の少なくとも一方の開口端から透過液を取り出す透過
液取り出し系と、透過液取り出し系により有孔中空管の
少なくとも一方の開口端から取り出される透過液の流量
を一定に制御する制御系とが設けられたものである。
【0065】本発明に係るスパイラル型膜モジュールに
おいては、濾過時に、原液供給系により圧力容器の原液
入口を通して原液のスパイラル型膜エレメント内へ供給
され、透過液取り出し系により有孔中空管の少なくとも
一方の開口端から透過液が取り出される。この場合、取
り出される透過液の流量が一定になるように制御系によ
り制御が行われる。一方、洗浄時には、分離膜が逆流洗
浄され、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が分離膜から
剥離される。
【0066】この場合、分離膜が高い背圧強度を有する
ため、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背
圧で分離膜を逆流洗浄することができる。それにより、
短時間に必要量の洗浄液を流すことができ、分離膜の膜
面に堆積した汚染物質を効果的に除去することができ
る。その結果、スパイラル型膜モジュールの濾過時にお
いて透過流束の低下が抑制され、長期間にわたって高い
透過流束を維持しつつ濾過運転を行うことができる。
【0067】以上のように、上記のスパイラル型膜モジ
ュールにおいては透過流束の低下を抑制することができ
るため、長期間にわたって透過液を一定の流量で取り出
して濾過運転を行うことが可能となる。したがって、上
記のスパイラル型膜モジュールにおいては、安定した濾
過運転を長期間実施することが可能となる。
【0068】ここで、第9または第10の発明に係るス
パイラル型膜モジュールにおいて、洗浄時に有孔中空管
の少なくとも一方の開口端から洗浄液を導入する洗浄液
導入系と、洗浄時にスパイラル型膜エレメントの少なく
とも一端部から排出される洗浄液を圧力容器の外部へ取
り出す洗浄液取り出し系とがさらに設けられ、制御系
は、濾過時におけるスパイラル型膜モジュールの原液供
給側の圧力の変化または原液供給側と透過液取り出し側
との差圧の変化に応じて洗浄条件を制御してもよい。
【0069】この場合、洗浄液導入系により洗浄液が有
孔中空管の少なくとも一方の開口端から導入される。そ
の洗浄液は、有孔中空管の外周面から袋状の分離膜の内
部に導出され、その分離膜を濾過時と逆方向に透過した
後に洗浄液取り出し系により外部に取り出される。それ
により、分離膜が逆流洗浄され、分離膜の膜面に堆積し
た汚染物質が分離膜から剥離される。
【0070】ここで、上記のスパイラル型膜モジュール
においては、濾過運転に伴って分離膜の膜面に汚染物質
が付着するため、原液供給側の圧力が透過液取り出し側
の圧力に比べて大きくなる。このことから、スパイラル
型膜モジュールの洗浄時においては、濾過時におけるこ
のような原液供給側の圧力の変化または原液供給側と透
過液取り出し側との差圧の変化に応じて制御系により洗
浄条件を制御する。それにより、分離膜の汚染の程度に
応じて効率よく効果的に洗浄を行うことが可能となり、
スパイラル型膜モジュールにおいて効率のよい運転を安
定して行うことが可能となる。また、分離膜にかかる負
荷を低減することができるため、分離膜の耐久性が向上
し、信頼性の高い運転を安定して行うことが可能とな
る。
【0071】第11の発明に係るスパイラル型膜モジュ
ールは、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻回され
てなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を有する圧
力容器内に1または複数本収容されてなるスパイラル型
膜モジュールであって、分離膜は0.05MPaよりも
高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能な背圧強
度を有し、濾過時に圧力容器の原液入口を通して原液を
スパイラル型膜エレメント内へ供給する原液供給系と、
濾過時に有孔中空管の少なくとも一方の開口端から透過
液を取り出す透過液取り出し系と、洗浄時に有孔中空管
の少なくとも一方の開口端から洗浄液を導入する洗浄液
導入系と、洗浄時にスパイラル型膜エレメントの少なく
とも一端部から排出される洗浄液を圧力容器の外部へ取
り出す洗浄液取り出し系と、濾過時に原液供給系により
圧力容器の原液入口に供給される原液の圧力を一定に制
御するとともに濾過時における透過液の流量の変化に応
じて洗浄時の洗浄条件を制御する制御系とが設けられた
ものである。
【0072】本発明に係るスパイラル型膜モジュールに
おいては、濾過時に、原液供給系により圧力容器の原液
入口を通して原液がスパイラル型膜エレメント内へ供給
され、透過液取り出し系により有孔中空管の少なくとも
一方の開口端から透過液が取り出される。この場合、供
給される原液の圧力が一定になるように制御系により制
御が行われる。一方、洗浄時には、洗浄液導入系により
洗浄液が有孔中空管の少なくとも一方の開口端から導入
される。その洗浄液は、有孔中空管の外周面から袋状の
分離膜の内部に導出され、その分離膜を濾過時と逆方向
に透過した後に洗浄液取り出し系により外部に取り出さ
れる。それにより、分離膜が逆流洗浄され、分離膜の膜
面に堆積した汚染物質が分離膜から剥離される。
【0073】ここで、上記のスパイラル型膜モジュール
においては、濾過運転に伴って分離膜の膜面に汚染物質
が付着し、得られる透過液の流量が低下する。このこと
から、スパイラル型膜モジュールの洗浄時においては、
このような濾過時の透過液の流量の変化に応じて制御系
により洗浄時の洗浄条件を制御する。それにより、分離
膜の汚染の程度に応じて効率よく効果的に洗浄を行うこ
とが可能となり、スパイラル型膜モジュールにおいて効
率のよい運転を行うことが可能となる。また、分離膜に
かかる負荷を低減することができるため分離膜の耐久性
が向上し、信頼性の高い運転を行うことが可能となる。
【0074】特に、この場合においては分離膜が高い背
圧強度を有するため、0.05MPaよりも高く0.3
MPa以下の背圧で分離膜を逆流洗浄することができ
る。それにより、短時間に必要量の洗浄液を流すことが
でき、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が多い場合にお
いても汚染物質を効果的に除去することができる。その
結果、スパイラル型膜モジュールの濾過時において透過
流束の低下が抑制され、長期間にわたって高い透過流束
を維持しつつ濾過運転を行うことができる。
【0075】以上のように上記のスパイラル型膜モジュ
ールにおいては透過流束の低下を抑制することができる
ため、長期間にわたって一定圧力で原液を供給して濾過
運転を行うことが可能となる。したがって、上記のスパ
イラル型膜モジュールにおいては、安定した濾過運転を
長期間実施することが可能となる。
【0076】第12の発明に係るスパイラル型膜モジュ
ールは、有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻回され
てなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を有する圧
力容器内に1または複数本収容されてなるスパイラル型
膜モジュールであって、分離膜は0.05MPaよりも
高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能な背圧強
度を有し、濾過時に圧力容器の原液入口を通して原液を
スパイラル型膜エレメント内へ供給する原液供給系と、
濾過時に有孔中空管の少なくとも一方の開口端から透過
液を取り出す透過液取り出し系と、洗浄時に有孔中空管
の少なくとも一方の開口端から洗浄液を導入する洗浄液
導入系と、洗浄時にスパイラル型膜エレメントの少なく
とも一端部から排出される洗浄液を圧力容器の外部へ取
り出す洗浄液取り出し系と、洗浄時に洗浄液取り出し系
により圧力容器の外部へ取り出される洗浄液の流量の変
化に応じて洗浄時の洗浄条件を制御する制御系とが設け
られたものである。
【0077】本発明に係るスパイラル型膜モジュールに
おいては、濾過時に、原液供給系により圧力容器の原液
入口を通して原液がスパイラル型膜エレメント内へ供給
され、透過液取り出し系により有孔中空管の少なくとも
一方の開口端から透過液が取り出される。一方、洗浄時
には、洗浄液導入系により洗浄液が有孔中空管の少なく
とも一方の開口端から導入される。その洗浄液は、有孔
中空管の外周面から袋状の分離膜の内部に導出され、そ
の分離膜を濾過時と逆方向に透過した後に洗浄液取り出
し系により外部に取り出される。それにより、分離膜が
逆流洗浄され、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が分離
膜から剥離される。
【0078】ここで、上記のスパイラル型膜モジュール
においては、濾過運転に伴って分離膜の膜面に汚染物質
が付着し、洗浄液取り出し系により外部に取り出される
洗浄液の流量が低下する。このことから、スパイラル型
膜モジュールの洗浄時においては、このような洗浄時の
洗浄液の流量の変化に応じて制御系により洗浄条件を制
御する。それにより、分離膜の汚染の程度に応じて効率
よく効果的に洗浄を行うことが可能となり、スパイラル
型膜モジュールにおいて効率のよい運転を行うことが可
能となる。また、分離膜の負荷を低減することができる
ため、分離膜の耐久性が向上し、信頼性の高い運転を安
定して行うことが可能となる。
【0079】特に、この場合においては分離膜が高い背
圧強度を有するため、0.05MPaよりも高く0.3
MPa以下の背圧で分離膜を逆流洗浄することができ
る。それにより、短時間に必要量の洗浄液を流すことが
でき、分離膜の膜面に堆積した汚染物質が多い場合にお
いても汚染物質を効果的に除去することができる。その
結果、スパイラル型膜モジュールの濾過時における透過
流束の低下が抑制され、長期間にわたって高い透過流束
を維持しつつ安定して濾過運転を行うことができる。
【0080】第9から第12のいずれかの発明に係るス
パイラル型膜モジュールにおいて、制御系は、洗浄液導
入系により有孔中空管に導入される洗浄液の供給流量、
洗浄液導入系により有孔中空管に導入される洗浄液の供
給圧力、洗浄を行う時間間隔および洗浄の時間の少なく
とも1つを制御してもよい。これらの洗浄条件のうちの
少なくとも1つを分離膜の汚染の程度に合わせて制御す
ることにより、効率よく効果的に分離膜の洗浄を行うこ
とが可能となる。
【0081】また、圧力容器は原液出口をさらに有し、
常時または間欠的に原液出口から原液の一部を圧力容器
の外部に取り出しかつ取り出した原液の少なくとも一部
を再び供給側に戻す循環系がさらに設けられてもよい。
この場合、循環系を通して原液の一部を取り出すことに
より、スパイラル型膜エレメント内部において、常時ま
たは間欠的にスパイラル型膜エレメントの一端部から他
端部に向かう軸方向の原液の流れが形成される。それに
より、原液中の汚染物質が分離膜の膜面に付着するのを
抑制することが可能となる。したがって、スパイラル型
膜モジュールにおいてより安定した運転を長期間にわた
って実施することが可能となる。この場合、取り出した
原液の少なくとも一部を再び供給側へ戻すため、高い回
収率で透過液を得ることが可能となる。
【0082】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るスパイラル型
膜モジュールの運転方法を示す模式的な構成図である。
【0083】図1に示すように、スパイラル型膜モジュ
ール100の原水入口には原水供給配管19が接続され
ており、原水供給配管19には、さらに洗浄水取り出し
配管20が接続されている。原水供給配管19および洗
浄水取り出し配管20には、それぞれバルブ18a,1
8bが設けられている。スパイラル型膜モジュール10
0の原水出口には原水取り出し配管17が接続され、原
水取り出し配管17にはフラッシング配管17aが接続
されている。原水取り出し配管17にはバルブ18cが
設けられており、このバルブ18cと並列にフラッシン
グ配管17aにバルブ18fが設けられている。また、
スパイラル型膜モジュール100の透過水出口には透過
水取り出し配管21が接続され、透過水取り出し配管2
1にはさらに洗浄水供給配管21aが接続されている。
透過水取り出し配管21および洗浄水供給配管21aに
は、それぞれバルブ18d,18eが設けられている。
各配管19,20,21,21a,17,17aのバル
ブ18a,18b,18d,18e,18c,18fの
開閉はタイマ(図示せず)により制御され、所定の時間
間隔ごとに所定時間開くように各々設定されている。
【0084】スパイラル型膜モジュール100の原水入
口は、原水供給配管19を介して加圧ポンプ201に接
続され、さらに原水タンク200に接続されている。加
圧ポンプ201は自動制御装置250により制御され
る。この原水供給配管19には、原水流量計210およ
び原水入口側圧力計220が設けられている。また、原
水供給配管19に接続された洗浄水取り出し配管20に
は、洗浄水流量計213が設けられている。一方、スパ
イラル型膜モジュール100の原水出口に接続された原
水取り出し配管17には、原水出口側圧力計222およ
び原水出口側流量計212が設けられている。さらに、
スパイラル型膜モジュール100の透過水出口に接続さ
れた透過水取り出し配管21には、透過水側圧力計22
1および透過水流量計211が設けられている。また、
透過水取り出し配管21に接続された洗浄水供給配管2
1aには、洗浄水圧力計223が設けられ、さらに加圧
ポンプ202が接続されている。加圧ポンプ202は自
動制御装置251により制御される。
【0085】なお、本例においては、原水供給配管1
9、バルブ18aおよび加圧ポンプ201が原液供給系
に相当し、透過水取り出し配管21およびバルブ18d
が透過液取り出し系に相当する。また、洗浄水供給配管
21a、バルブ18eおよび加圧ポンプ202が洗浄液
導入系に相当し、洗浄水取り出し配管20およびバルブ
18bが洗浄液取り出し系に相当する。さらに、各バル
ブ18a〜18fを制御するタイマ(図示せず)および
加圧ポンプ201,202を制御する自動制御装置25
0,251が制御系に相当する。
【0086】図2は図1のスパイラル型膜モジュールの
一例を示す模式的な断面図である。図2に示すように、
本例のスパイラル型膜モジュール100は、圧力容器
(耐圧容器)10内に、後述する図4のスパイラル型膜
エレメント1を収容してなる。圧力容器10は、筒形ケ
ース11および1対の端板12a,12bにより構成さ
れる。一方の端板12aには原水入口13が形成され、
他方の端板12bには原水出口15が形成されている。
また、端板12bの中央部には透過水出口14が設けら
れている。
【0087】スパイラル型膜エレメント1が筒形ケース
11内に収納され、筒形ケース11の両方の開口端がそ
れぞれ端板12a,12bで封止される。集水管5の一
方の端部は端板12bの透過水出口14に嵌合され、他
方の端板にはエンドキャップ16が装着される。スパイ
ラル型膜エレメント1の外周面の一端部近傍にはパッキ
ン30が取り付けられている。このパッキン30により
圧力容器10の内部空間が原水入口13に連通する液室
35と原水出口15に連通する液室36とに分離され
る。原水入口13に原水供給配管19が接続され、原水
出口15に原水取り出し配管17が接続され、透過水出
口14に透過水取り出し配管21が接続される。
【0088】図3は図1のスパイラル型膜モジュールの
他の例を示す模式的な断面図である。図3に示すよう
に、本例のスパイラル型膜モジュール100は、圧力容
器10内に複数のスパイラル型膜エレメント1を収容し
てなる。なお、スパイラル型膜エレメント1としては、
図2の例と同様、図4のスパイラル型膜エレメントを用
いている。本例においては、筒形ケース11の底部に原
水入口13が形成され、筒形ケース11の上部に原水出
口15が形成されている。このように本例の圧力容器1
0はサイドエントリ形状を有する。なお、原水出口15
はエアー抜きにも用いられる。また、本例においては端
板12a,12bの中央部に透過水出口14が設けられ
ている。
【0089】インターコネクタ32により集水管5が直
列に連結された複数のスパイラル型膜エレメント1が筒
形ケース11内に収容され、筒形ケース11の両方の開
口端がそれぞれ端板12a,12bで封止される。両端
部のスパイラル型膜エレメント1の集水管5の一端部
が、アダプタ31を介してそれぞれ端板12a,12b
の透過水出口14に嵌合される。各スパイラル型膜エレ
メント1の外周面の一端部近傍にはパッキン30が取り
付けられており、このパッキン30により、圧力容器1
0の内部空間が、原水入口13に連通する液室35、原
水出口15に連通する液室36、および液室35と液室
36との間に存在する複数の液室37に分離される。原
水入口13に原水供給配管19が接続され、原水出口1
5に原水取り出し配管17が接続され、両端部の透過水
出口14に透過水取り出し配管21が接続される。
【0090】図4は、図2および図3のスパイラル型膜
モジュールに用いられるスパイラル型膜エレメントの一
部切欠き斜視図である。図4に示すように、スパイラル
型膜エレメント1は、合成樹脂のネットからなる透過水
スペーサ3の両面に分離膜2を重ね合わせて3辺を接着
することにより封筒状膜(袋状膜)4を形成し、その封
筒状膜4の開口部を集水管5に取り付け、合成樹脂のネ
ットからなる原水スペーサ6とともに集水管5の外周面
にスパイラル状に巻回することにより構成される。スパ
イラル型膜エレメント1の外周面は外装材で被覆され
る。
【0091】このスパイラル型膜エレメント1において
は、後述する構造を有する分離膜2を用いることによ
り、0.05〜0.3MPaの背圧で逆流洗浄を行うこ
とが可能となる。
【0092】図1に示すように、スパイラル型膜モジュ
ール100の濾過時には、原水供給配管19のバルブ1
8aおよび透過水取り出し配管21のバルブ18dを開
き、それ以外の配管20,21a,17,17aのバル
ブ18b,18e,18c,18fを閉じる。原水タン
ク200から取水された原水7は、加圧ポンプ201に
より加圧され、原水供給配管19を通してスパイラル型
膜モジュール100に供給される。スパイラル型膜モジ
ュール100においては、図2および図3に示すように
原水7が圧力容器10の原水入口13から圧力容器10
の液室35に導入され、さらにスパイラル型膜エレメン
ト1の一端部からスパイラル型膜エレメント1の内部に
供給される。
【0093】図4に示すように、スパイラル型膜エレメ
ント1において、一方の端面側から供給された原水7
は、原水スペーサ6に沿って集水管5と平行な方向(軸
方向)に他方の端面側に向かって直線状に流れる。原水
7が原水スペーサ6に沿って流れる過程で、原水側と透
過水側の圧力差によって原水7の一部が分離膜2を透過
する。この透過水8aが透過水スペーサ3に沿って集水
管5の内部に流れ込み、集水管5の開口端から排出され
る。一方、分離膜2を透過しなかった残りの原水7a
は、スパイラル型膜エレメント1の他方の端面側から排
出される。
【0094】ここで、スパイラル型膜モジュール100
として図2のスパイラル型膜モジュールを用いた場合、
透過水8aは集水管5の一端部から排出され、透過水出
口14から透過水取り出し配管21を通して系外へ取り
出される。また、スパイラル型膜エレメント1の他方の
端面側から排出された原水7aは液室36に導出され
る。この場合、原水出口15に接続された原水取り出し
配管17のバルブ18cおよびフラッシング配管17a
のバルブ18bを閉じているため、スパイラル型膜エレ
メント1において分離膜2の透過が促進され、全量濾過
が行われる。
【0095】一方、スパイラル型膜モジュール100と
して図3のスパイラル型膜モジュールを用いた場合、原
水入口13側端部のスパイラル型膜エレメント1の他方
の端面側から排出された原水7aは液室37に導入さ
れ、さらに連結された後段のスパイラル型膜エレメント
1の一端部からこのスパイラル型膜エレメント1の内部
に導入される。後段のスパイラル型膜エレメント1にお
いて、原水7aは前述と同様にしてさらに分離膜2を透
過した透過水8aと分離膜2を透過しなかった原水7a
とに分離される。この分離膜2を透過しなかった原水7
aは、さらに後段のスパイラル型膜エレメント1に供給
される。このように、直列に連結された複数のスパイラ
ル型膜エレメント1の各々において、順次、膜分離が行
われる。原水出口15側端部のスパイラル型膜エレメン
ト1の他方の端面側から排出された原水7aは、液室3
6に導出される。この場合、原水出口15に接続された
原水取り出し配管17のバルブ18cおよびフラッシン
グ配管17aのバルブ18dを閉じているため、各スパ
イラル型膜エレメント1において分離膜2の透過が促進
され、全量濾過が行われる。一方、各スパイラル型膜エ
レメント1の透過水8aは集水管5の両端部から排出さ
れ、圧力容器10の両端部に設けられた透過水出口14
から透過水取り出し配管21を通して系外へ取り出され
る。
【0096】なお、本例においてはスパイラル型膜モジ
ュール100において全量濾過を行っているが、スパイ
ラル型膜モジュール100の濾過時に、原水取り出し配
管17のバルブ18cを常時または間欠的に開いて原水
出口15から一部の原水7aを取り出してもよい。この
場合、所定量の原水7aを取り出すことができるように
バルブ18cを所定の大きさに開く。このようなバルブ
18cの調整は、例えば原水出口側流量計212または
原水出口側圧力計222を用いて行う。このようにし
て、常時または間欠的に一部の原水7aを原水取り出し
配管17から取り出すことにより、スパイラル型膜エレ
メント1の内部において一端部から他端部へ向かう軸方
向の原水の流れを形成することができる。それにより、
原水中の汚染物質の沈降を抑制しつつ、汚染物質の一部
を原水7aとともに原水取り出し配管17を通して圧力
容器10の外部に取り出すことができる。また、スパイ
ラル型膜エレメント1の外周面と圧力容器10の内周面
との間の空隙における液の滞溜を抑制することが可能と
なる。
【0097】また、このように原水7aを取り出す場
合、外部に取り出した原水7aの少なくとも一部を再び
原水タンク200に戻してもよい。例えば、原水取り出
し配管17を原水タンク200に接続し、原水取り出し
配管17を通して取り出された原水7aの少なくとも一
部を原水タンク200に戻してもよい。この場合、原水
取り出し配管17が循環系に相当する。このように、原
水7aを循環させて再び原水7として供給することによ
り、高い回収率で透過水8aが得られる。
【0098】上記のスパイラル型膜モジュール100の
濾過運転は、温度等による影響を受ける。また、濾過運
転に伴ってスパイラル型膜エレメント1の分離膜2の膜
面に堆積する原水中の濁質物質、コロイド性物質、溶存
性物質等の汚染物質の影響も受ける。
【0099】例えば、スパイラル型膜エレメント1の分
離膜2の膜面に汚染物質が堆積すると、分離膜2におけ
る透過が抑制される。それにより、透過水取り出し配管
21を通して得られる透過水8aの流量が減少するとと
もに、原水供給配管19を通して供給される原水7の流
量が減少する。特に、上記のように濾過運転時に全量濾
過を行う場合においては、膜面に汚染物質が堆積しやす
いため、透過水8aまたは原水7の流量の減少が顕著で
ある。このような透過水8aまたは原水7の流量の減少
を抑制して常に安定した運転を行うため、スパイラル型
膜モジュール100の濾過運転においては、透過水8a
の流量または原水7の流量が常に一定に保たれるように
制御が行われる。以下において、濾過運転の制御方法に
ついて説明する。
【0100】図1のスパイラル型膜モジュール100に
おいて、透過水8aの流量が常に一定になるように濾過
運転を制御する場合、透過水取り出し配管21に設けら
れた透過水流量計211により透過水8aの流量を計測
する。この場合、スパイラル型膜エレメント1の分離膜
2の膜面へ汚染物質が堆積すると透過水8aの流量が減
少する。このような透過水8aの流量の変化が透過水流
量計211において観測されると、透過水流量計211
から自動制御装置250に信号が送られる。この信号に
基づいて加圧ポンプ201の出力(回転数)が制御さ
れ、原水7の供給圧力および供給流量が調整される。こ
のようにして、透過水8aの流量が回復し、透過水8a
の流量が常に一定に保たれる。それにより、常に一定量
の透過水8aが得られるシステムが実現される。
【0101】一方、スパイラル型膜モジュール100に
おいて、供給される原水7の流量が常に一定になるよう
に濾過運転を制御する場合、原水供給配管19に設けら
れた原水流量計210により原水7の流量を計測する。
この場合、スパイラル型膜エレメント1の分離膜2の膜
面へ汚染物質が堆積すると原水7の流量が減少する。こ
のような原水7の流量の変化が原水流量計210におい
て観測されると、原水流量計210から自動制御装置2
50に信号が送られる。このような信号に基づいて加圧
ポンプ201の出力(回転数)が制御され、原水7の供
給圧力が調整される。このようにして、原水7の流量が
回復し、原水7の流量が常に一定に保たれる。それによ
り、常に取水量を一定とするシステムが実現される。
【0102】なお、本例ではスパイラル型膜モジュール
100において全量濾過が行われるため、理論上、原水
7の流量と透過水8aの流量とが等しく、原水7の流量
を一定に保つことと透過水8aの流量を一定に保つこと
とは同義である。
【0103】以上のように、スパイラル型膜モジュール
100の濾過運転時においては、原水7の流量または透
過水8aの流量が一定になるように制御が行われるた
め、常に安定した濾過運転を行うことが可能となる。
【0104】なお、上記においては、濾過時に原水7ま
たは透過水8aの流量が一定になるようにスパイラル型
膜モジュール100の濾過運転を制御する、いわゆる定
量運転について説明したが、これ以外に、濾過時にスパ
イラル型膜モジュール100の運転圧力が一定になるよ
うに濾過運転を制御する、いわゆる定圧運転を行っても
よい。このような定圧運転においては、例えば、原水入
口13側の圧力が一定になるように濾過運転を制御す
る。この場合について、以下で説明する。
【0105】図1のスパイラル型膜モジュール100に
おいて、原水入口13側の圧力が常に一定になるように
濾過運転を制御する場合、原水供給配管19に設けられ
た原水入口側圧力計220により原水入口13側の圧力
を計測する。この場合、スパイラル型膜エレメント1の
分離膜2の膜面へ汚染物質が堆積すると、原水入口13
側の圧力が高くなる。このような原水入口13側の圧力
の変化が原水入口側圧力計220において観測される
と、原水入口側圧力計220から自動制御装置250に
信号が送られる。この信号に基づいて加圧ポンプ201
の出力(回転数)が制御され、原水7の供給流量が調整
される。このようにして、原水入口13側の圧力の増加
が抑制され、原水入口13側の圧力が常に一定に保たれ
る。それにより、原水入口13側の圧力が常に一定とな
るシステムが実現される。
【0106】以上のように、原水入口13側の圧力が一
定になるように制御を行う定圧運転の場合においても、
前述の定量運転と同様、常に安定した濾過運転を行うこ
とが可能となる。
【0107】上記の濾過運転を所定時間行った後、スパ
イラル型膜モジュール100の洗浄運転を行う。スパイ
ラル型膜モジュール100の洗浄時には、まず透過側か
ら洗浄水8bによる逆流洗浄を行う。この場合、洗浄水
8bとして例えば透過水を用いている。図1に示すよう
に、逆流洗浄時には、原水供給配管19のバルブ18
a、フラッシング配管17aのバルブ18f、透過水取
り出し配管21のバルブ18dおよび原水取り出し配管
17のバルブ18cを閉じ、洗浄水供給配管21aのバ
ルブ18eおよび洗浄水取り出し配管20のバルブ18
bを開く。
【0108】なお、本例においては、洗浄水8bがスパ
イラル型膜エレメント1の一端部から排出されて原水入
口13から外部に取り出されるように透過水出口14側
および原水入口13側の圧力を設定する。
【0109】加圧ポンプ202により加圧された洗浄水
8bが洗浄水供給配管21aおよび透過水取り出し配管
21を通してスパイラル型膜モジュール100の透過水
出口14から集水管5の内部に導入される。なお、スパ
イラル型膜モジュール100として図2のスパイラル型
膜モジュールを用いた場合、集水管5の一端部から洗浄
水8bが導入されてスパイラル型膜エレメント1の逆流
洗浄が行われる。一方、図3のスパイラル型膜モジュー
ルを用いた場合、集水管5の両端部から洗浄水8bが導
入され、各スパイラル型膜エレメント1において逆流洗
浄が行われる。以下に、スパイラル型膜エレメント1の
逆流洗浄動作について説明する。
【0110】スパイラル型膜エレメント1において、集
水管5の内部に導入された洗浄水8bは、集水管5の外
周面から分離膜2の内部へ導出され、濾過時と逆方向に
分離膜2を透過する。この際に、分離膜2の膜面に堆積
した汚染物質が分離膜2から剥離する。スパイラル型膜
エレメント1の外周面は外装材で被覆されているので、
分離膜2を透過した洗浄水8bは、原水スペーサ6に沿
ってスパイラル型膜エレメント1の内部を軸方向に流れ
る。この場合、バルブ18cおよびバルブ18fを閉じ
て原水出口15を閉じるとともに、洗浄水8bがスパイ
ラル型膜エレメント1の一端部から排出されて原水入口
13から外部に取り出されるように透過水出口14側お
よび原水入口13側の圧力を設定しているため、洗浄水
8bはスパイラル型膜エレメント1の一端部から排出さ
れ、液室35に導出される。その後、洗浄水8bは原水
入口13から洗浄水取り出し配管20を通して外部へ取
り出される。
【0111】なお、本例においては原水入口13から取
り出された洗浄水8bの全量を排水として系外へ排出し
ているが、この洗浄水8bの一部を排水として系外へ排
出するとともに、一部を原水タンク200に戻し原水7
として再利用してもよい。
【0112】また、本例においては、バルブ18cおよ
びバルブ18fを閉じて原水出口15を閉じるととも
に、洗浄水8bがスパイラル型膜エレメント1の一端部
から排出されて原水入口13から外部に取り出されるよ
うに透過水出口14側および原水入口13側の圧力を設
定しているが、洗浄水8bがスパイラル型膜エレメント
1の両端部から排出されて原水入口13および原水出口
15から外部へ取り出されるように原水入口13側、透
過水出口14側および原水出口15側の圧力を設定して
もよい。あるいは、バルブ18bを閉じて原水入口13
を閉じるとともに、洗浄水8bがスパイラル型膜エレメ
ント1の他端部から排出されて原水出口15から外部に
取り出されるように透過水出口14側および原水出口1
5側の圧力を設定してもよい。また、原水出口15から
洗浄水8bを取り出す場合、取り出された洗浄水8bの
全量を排水として系外へ排出してもよく、あるいは取り
出された洗浄水8bの一部を原水タンク200に戻し原
水7として再利用してもよい。
【0113】ここで、スパイラル型膜モジュール100
においては、スパイラル型膜エレメント1の分離膜2の
膜面における汚染物質の付着の程度が、濾過運転時の原
水入口13側の圧力の変化の程度または膜間差圧の変化
の程度、濾過運転時の透過水8aの流量の変化の程度、
または逆流洗浄時に外部に排出される洗浄水8bの流量
の変化の程度に反映される。したがって、スパイラル型
膜モジュール100の逆流洗浄においては、濾過運転時
の原水入口13側の圧力の変化または膜間差圧の変化、
濾過運転時の透過水8aの流量の変化、または逆流洗浄
時に排出される洗浄水8bの流量の変化の程度に応じ
て、逆流洗浄の条件、すなわち逆流洗浄に用いる洗浄水
8bの供給圧力、洗浄水8bの供給流量、逆流洗浄を行
う時間間隔または逆流洗浄の時間を調整する。この場
合、自動制御装置251により加圧ポンプ202の出力
(回転数)を制御し、スパイラル型膜エレメント1の汚
染の程度に応じて、逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給
流量または供給圧力を制御する。また、各配管19,2
0,21,21a,17,17aのバルブ18a,18
b,18d,18e,18c,18fの開閉をタイマ
(図示せず)により制御し、スパイラル型膜エレメント
1の汚染の程度に応じて、所定の時間間隔ごとに所定の
時間ずつバルブ18a〜18fが自動的に開くように制
御する。以下において、逆流洗浄時における運転の制御
方法について説明する。
【0114】例えば、スパイラル型膜モジュール100
の濾過運転時に前述のような透過水8aの流量または原
水7の流量を一定に制御する定量運転が行われる場合、
スパイラル型膜エレメント1の分離膜2の膜面への汚染
物質の堆積に伴って、分離膜2における透過が抑制さ
れ、運転開始時に比べて原水入口13側の圧力が透過水
出口14側の圧力に比べて大きくなる。汚染物質がさら
に堆積すると、原水入口13側の圧力と透過水出口14
側の圧力との差(膜間差圧)がさらに大きくなる。この
ように、原水入口13側の圧力の変化の程度または膜間
差圧の変化の程度がスパイラル型膜エレメント1の汚染
の程度を反映することから、図1に示すように、原水供
給配管19に設けられた原水入口側圧力計220、また
はこの原水入口側圧力計220と透過水取り出し配管2
1に設けられた透過水出口側圧力計221とを用いて原
水入口13側の圧力または膜間差圧を計測し、原水入口
13側の圧力の変化の程度または膜間差圧の変化の程度
に応じて、逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量およ
び供給圧力を調整するとともに、逆流洗浄を行う時間間
隔および逆流洗浄の時間を調整する。
【0115】すなわち、原水入口13側の圧力の変化ま
たは膜間差圧の変化が小さい場合は、スパイラル型膜エ
レメント1の膜面に堆積した汚染物質が少ないので、自
動制御装置251により加圧ポンプ202の出力(回転
数)を低く設定し、逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給
流量および供給圧力を小さくする。また、タイマにより
各バルブ18a〜18fの開閉を制御し、逆流洗浄を行
う時間間隔を長くするとともに、逆流洗浄の時間を短く
する。
【0116】例えばこの場合、分離膜2に0.05〜
0.3MPaの背圧が加わるように原水入口13側およ
び透過水出口14側の圧力を設定する。それにより、分
離膜2の負荷を低減しつつ汚染物質を除去することが可
能となる。
【0117】一方、原水入口13側の圧力の変化または
膜間差圧の変化が大きい場合は、スパイラル型膜エレメ
ント1の膜面に堆積した汚染物質が多いので、自動制御
装置251により加圧ポンプ202の出力(回転数)を
高く設定し、逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量お
よび供給圧力を大きくする。また、タイマによりバルブ
18a〜18fの開閉を制御し、逆流洗浄を行う時間間
隔を短くするとともに、逆流洗浄の時間を長くする。
【0118】例えばこの場合、分離膜2に0.05〜
0.3MPaの背圧が加わるように原水入口13側およ
び透過水出口14側の圧力を設定する。それにより、短
時間に必要量の洗浄水8bを流すことができ、分離膜2
の膜面に堆積した多量の汚染物質を効果的に剥離させる
ことができる。また、剥離した汚染物質がスパイラル型
膜エレメント1の端部から排出されるまでの間に原水ス
ペーサ6に捕捉されるのを抑制し、汚染物質を効果的に
除去することができる。
【0119】以上のように、濾過時に定量運転が行われ
るスパイラル型膜モジュール100においては、原水入
口13側の圧力の変化または膜間差圧の変化の程度に応
じて、逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量および供
給圧力、また、逆流洗浄を行う時間間隔および逆流洗浄
時間を制御する。それにより、汚染物質を効率よく容易
にかつ確実に除去し、原水入口13側の圧力または膜間
差圧の増加を抑制することが可能となる。
【0120】この場合、スパイラル型膜モジュール10
0は背圧強度の高い分離膜2を有するため、0.05〜
0.3MPaの高い背圧で分離膜2を逆流洗浄すること
が可能である。したがって、膜面に多量の汚染物質が堆
積した場合においても、汚染物質を充分に除去すること
が可能となる。それにより、膜面に汚染物質が堆積しや
すい全量濾過においても、長期間にわたって透過流束の
低下を生じることなく安定して濾過運転を行うことが可
能となる。
【0121】一方、スパイラル型膜モジュール100の
濾過運転時に前述のような原水入口13側の圧力を一定
に制御する定圧運転が行われる場合、スパイラル型膜エ
レメント1の分離膜2の膜面への汚染物質の堆積に伴っ
て分離膜2における透過が抑制され、透過水8aの流量
が低下する。このように、透過水8aの流量の変化の程
度がスパイラル型膜エレメント1の汚染の程度を反映す
ることから、図1に示すように、透過水取り出し配管2
1に設けられた透過水流量計211を用いて透過水8a
の流量を計測し、透過水8aの流量の変化の程度に応じ
て、逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量および供給
圧力を調整するとともに、逆流洗浄を行う時間間隔およ
び逆流洗浄の時間を調整する。
【0122】すなわち、濾過運転時の透過水8aの流量
の変化が小さい場合は、スパイラル型膜エレメント1の
膜面に堆積した汚染物質が少ないので、上記の定量運転
の場合において前述したように、自動制御装置251に
より加圧ポンプ202を制御し、逆流洗浄に用いる洗浄
水8bの供給圧力および供給流量を抑制する。また、タ
イマによりバルブ18a〜18fの開閉を制御し、逆流
洗浄を行う時間間隔を長くするとともに、逆流洗浄の時
間を短くする。
【0123】例えばこの場合、分離膜2に0.05〜
0.3MPaの背圧が加わるように原水入口13側およ
び透過水出口14側の圧力を設定する。それにより、分
離膜2の負荷を低減しつつ汚染物質を除去することが可
能となる。
【0124】一方、濾過運転時の透過水8aの流量の変
化が大きい場合は、スパイラル型膜エレメント1の膜面
に堆積した汚染物質が多いので、加圧ポンプ202を制
御して逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量および供
給圧力を増加させる。また、バルブ18a〜18fの開
閉を制御し、逆流洗浄を行う時間間隔を短くするととも
に、逆流洗浄の時間を長くする。
【0125】例えばこの場合、分離膜2に0.05〜
0.3MPaの背圧が加わるように原水入口13側およ
び透過水出口14側の圧力を設定する。それにより、短
時間に必要量の洗浄水8bを流すことができ、分離膜2
の膜面に堆積した多量の汚染物質を効果的に剥離させる
ことができる。また、剥離した汚染物質がスパイラル型
膜エレメント1の端部から排出されるまでの間に原水ス
ペーサ6に捕捉されるのを抑制し、汚染物質を効果的に
除去することができる。
【0126】以上のように、濾過運転時に定量運転が行
われるスパイラル型膜モジュール100においては、濾
過運転時の透過水8aの流量の変化の程度に応じて、逆
流洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量および供給圧力、
また、逆流洗浄を行う時間間隔および逆流洗浄の時間を
制御する。それにより、汚染物質を効率よく容易にかつ
確実に除去し、濾過運転時の透過水8aの流量の低下を
抑制することが可能となる。
【0127】この場合、スパイラル型膜モジュール10
0は背圧強度の高い分離膜2を有するため、0.05〜
0.3MPaの高い背圧で分離膜2を逆流洗浄すること
が可能である。したがって、膜面に多量の汚染物質が堆
積した場合においても、汚染物質を充分に除去すること
が可能となる。それにより、膜面に汚染物質が堆積しや
すい全量濾過においても、長期間にわたって透過流束の
低下を生じることなく安定して濾過運転を行うことが可
能となる。
【0128】あるいは、逆流洗浄時に排出される洗浄水
8bの流量の低下の程度に応じて、逆流洗浄に用いる洗
浄水8bの供給流量および供給圧力を制御するととも
に、逆流洗浄を行う時間間隔および逆流洗浄の時間を変
化させてもよい。スパイラル型膜エレメント1の分離膜
2の膜面に汚染物質が堆積すると、洗浄時に供給された
洗浄水8bが分離膜2を透過しにくくなるため、洗浄水
取り出し配管20から排出される洗浄水8bの流量が低
下する。このように、排出される透過水8bの流量の変
化がスパイラル型膜エレメント1の汚染の程度を反映す
ることから、透過水取り出し配管20に設けられた洗浄
水流量計213により、排出される洗浄水8bの流量を
計測し、この洗浄水8bの流量の変化の程度に応じて、
逆流洗浄に用いる洗浄水8bの供給圧力および供給流量
を調整するとともに、逆流洗浄を行う時間間隔および逆
流洗浄の時間を調整する。
【0129】すなわち、透過水取り出し配管20から排
出される洗浄水8bの流量の変化が小さい場合は、スパ
イラル型膜エレメント1の膜面に堆積した汚染物質が少
ないので、自動制御装置251により加圧ポンプ202
の出力(回転数)を制御し、逆流洗浄に用いる洗浄水8
bの供給流量および供給圧力を抑制する。また、タイマ
によりバルブ18a〜18fの開閉を制御し、逆流洗浄
を行う時間間隔を長くするとともに、逆流洗浄の時間を
短くする。
【0130】例えばこの場合、分離膜2に0.05〜
0.3MPaの背圧が加わるように原水入口13側およ
び透過水出口14側の圧力を設定する。それにより、分
離膜2の負荷を低減しつつ汚染物質を除去することが可
能となる。
【0131】一方、排出される洗浄水8bの流量の変化
が大きい場合は、スパイラル型膜エレメント1の膜面に
堆積した汚染物質が多いので、自動制御装置251によ
り加圧ポンプ202の出力(回転数)を増加させ、逆流
洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量および供給圧力を増
加させる。また、タイマによりバルブ18a〜18fの
開閉を制御し、逆流洗浄を行う時間間隔を短くするとと
もに、逆流洗浄の時間を長くする。
【0132】例えばこの場合、分離膜2に0.05〜
0.3MPaの背圧が加わるように原水入口13側およ
び透過水出口14側の圧力を設定する。それにより、短
時間に必要量の洗浄水8bを流すことができ、分離膜2
の膜面に堆積した多量の汚染物質を効果的に剥離させる
ことができる。また、剥離した汚染物質がスパイラル型
膜エレメント1の端部から排出されるまでの間に原水ス
ペーサ6に捕捉されるのを抑制し、汚染物質を効果的に
除去することができる。
【0133】以上のように、逆流洗浄に用いられた後に
排出される洗浄水8bの流量の変化の程度に応じて、逆
流洗浄に用いる洗浄水8bの供給流量および供給圧力、
また、逆流洗浄を行う時間間隔および逆流洗浄時間を制
御する方法によれば、汚染物質を効率よく容易にかつ確
実に除去し、排出される洗浄水8bの流量の低下を抑制
することが可能になる。
【0134】この場合、スパイラル型膜モジュール10
0は背圧強度の高い分離膜2を有するため、0.05〜
0.3MPaの高い背圧で分離膜2を逆流洗浄すること
が可能である。したがって、膜面に多量の汚染物質が堆
積した場合においても、汚染物質を充分に除去すること
が可能となる。それにより、膜面に汚染物質が堆積しや
すい全量濾過においても、長期間にわたって透過流束の
低下を生じることなく安定して濾過運転を行うことが可
能となる。
【0135】以上のような方法により堆積汚染物質の程
度に応じて逆流洗浄を行った後、原水7bによるフラッ
シングを行う。すなわち、図1に示すように、原水供給
配管19のバルブ18aおよびフラッシング配管17a
のバルブ18fを開き、洗浄水取り出し配管20のバル
ブ18bおよび洗浄水供給配管21aのバルブ18eを
閉じた状態で、原水供給配管19を通して原水入口13
から原水7bを供給する。
【0136】図2および図3に示すように、スパイラル
型膜モジュール100に供給された原水7bは液室35
に導入され、さらにスパイラル型膜エレメント1の一端
部から内部に供給される。この原水7bは、原水スペー
サ6に沿ってスパイラル型膜エレメント1の内部を軸方
向に流れた後、スパイラル型膜エレメント1の他端部か
ら排出される。それにより、逆流洗浄により分離膜2か
ら剥離した汚染物質が原水7bとともにスパイラル型膜
エレメント1の一端部から他端部へ押し流され、スパイ
ラル型膜エレメント1の内部に残存する洗浄水8bとと
もにスパイラル型膜エレメント1の他端部から排出され
る。
【0137】ここで、スパイラル型膜モジュール100
として図2のスパイラル型膜モジュールを用いた場合に
おいては、スパイラル型膜エレメント1の他端部から排
出された原水7bは液室36に導出され、その後、原水
出口15からフラッシング配管17aを通して系外へ取
り出される。一方、スパイラル型膜モジュール100と
して図3のスパイラル型膜モジュールを用いた場合にお
いては、原水入口13側端部のスパイラル型膜エレメン
ト1の他端部から排出された原水7bは後段のスパイラ
ル型膜エレメント1に順次供給され、各スパイラル型膜
エレメント1の内部を軸方向に流れる。原水出口15側
端部のスパイラル型膜エレメント1の他端部から排出さ
れた原水7bは液室36に導出され、その後、原水出口
15からフラッシング配管17aを通して系外へ取り出
される。
【0138】このように、逆流洗浄後に濾過時の原水の
供給方向と同方向に原水7bを流してフラッシングを行
うことにより、スパイラル型膜エレメント1内で分離膜
2から剥離した汚染物質を系外に速やかに排出すること
ができる。それにより、分離膜2から剥離した汚染物質
が再び分離膜2に付着することを防止することができ
る。
【0139】なお、本例においては原水出口15から取
り出された原水7bの全量を排水として系外へ排出して
いるが、原水7bの一部を排水として系外へ排出すると
ともに、一部を原水タンク200に戻し原水7として再
利用してもよい。
【0140】また、本例においては逆流洗浄後に原水7
bを軸方向に流してフラッシングを行っているが、逆流
洗浄と並行して原水7bを軸方向に流しフラッシングを
行ってもよい。この場合、上記のように逆流洗浄後にフ
ラッシングを行う場合に得られる効果と同様の効果が得
られる。
【0141】さらに、本例においては原水7bを原水入
口13から供給して原水出口15から取り出すことによ
りフラッシングを行っているが、原水出口15から原水
を供給して原水入口13から取り出すことによりフラッ
シングを行ってもよい。この場合、スパイラル型膜エレ
メント1の内部において、濾過時の原水の供給方向と逆
方向に原水が流れ、上記のように濾過時の原水の供給方
向と同方向に原水7bを流してフラッシングを行う場合
に得られる効果と同様の効果が得られる。あるいは、濾
過時の原水の供給方向と同方向および濾過時の原水の供
給方向と逆方向に順に原水を流してフラッシングを行っ
てもよい。
【0142】上記のような洗浄時の運転方法によれば、
スパイラル型膜エレメント1の分離膜2の膜面に堆積し
た汚染物質を効率良く除去することができる。特にこの
場合、分離膜2の背圧強度が高いことから、従来の逆流
洗浄に比べて高い背圧で逆流洗浄を行うことが可能であ
り、汚染物質の除去をより効果的かつ確実に行うことが
できる。したがって、膜面に汚染物質が堆積しやすい全
量濾過においても、長期間にわたって透過流束の低下を
抑制し、高い透過流束を維持することが可能となる。こ
のようなスパイラル型膜モジュールにおいては、濾過時
において、長期間にわたって前述のような定量運転また
は低圧運転を容易に行うことができるため長期間にわた
って安定して濾過を行うことが可能となる。この場合、
全量濾過が行われるため、効率良く透過水8aを得るこ
とが可能となる。また、原水7を供給するポンプに大き
なものを用いる必要がないため、システムコストが低減
される。
【0143】なお、上記においては、本発明に係るスパ
イラル型膜モジュールを用いて全量濾過を行う場合につ
いて説明したが、全量濾過以外にも、本発明に係るスパ
イラル型膜モジュールを用いてクロスフロー濾過を行っ
てもよい。
【0144】図5は、図4のスパイラル型膜エレメント
に用いられる分離膜の断面図である。分離膜2は、多孔
性補強シート(多孔性シート材)2aの表面に実質的な
分離機能を有する透過性膜体2bが密着一体化されて形
成されている。
【0145】透過性膜体2bは、1種類のポリスルホン
系樹脂、あるいは2種類以上のポリスルホン系樹脂の混
合物、さらにはポリスルホン系樹脂とポリイミド、フッ
素含有ポリイミド樹脂等のポリマーとの共重合体、もし
くは混合物から形成される。
【0146】多孔性補強シート2aは、ポリエステル、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等を素材と
する織布、不織布、メッシュ状ネット、発泡焼結シート
等から形成されており、製膜性およびコストの面から不
織布が好ましい。
【0147】多孔性補強シート2aおよび透過性膜体2
bは、透過性膜体2bを構成する樹脂成分の一部が多孔
性補強シート2aの孔の内部に充填された投錨状態で接
合されている。
【0148】このように多孔性補強シート2aに裏打ち
された分離膜2の背圧強度は、0.2MPaを超え、
0.4〜0.5MPa程度に向上した。なお、背圧強度
は直径47mmの膜を背圧強度ホルダー(有孔直径23
mm)にセットし、多孔性補強シート2a側より水圧を
徐々に加え、透過性膜体2bが多孔性補強シート2aか
ら剥離するかまたは透過性膜体2bと多孔性補強シート
2aとが同時に破裂するときの圧力で規定される。
【0149】このように、上記の分離膜2は背圧強度が
高いため、この分離膜2を備えたスパイラル型膜エレメ
ント1においては0.05〜0.3MPaの背圧で逆流
洗浄を行っても分離膜2の破損が生じることが防止され
る。
【0150】なお、多孔性補強シート2aとして不織布
を用いて背圧強度を0.2MPa以上得るためには、不
織布の厚みが0.08〜0.15mmであり、かつ密度
が0.5〜0.8g/cm3 であることが好ましい。厚
みが0.08mmより薄い場合または密度が0.5g/
cm3 より小さい場合には、補強シートとしての強度が
得られず、分離膜2の背圧強度を0.2MPa以上確保
することが困難である。一方、厚みが0.15mmより
厚くあるいは密度が0.8g/cm3 より大きい場合に
は、多孔性補強シート2aの濾過抵抗が大きくなった
り、不織布(多孔性補強シート2a)への投錨効果が小
さくなって透過性膜体2bと不織布との界面で剥離が起
こりやすくなる。
【0151】次に、上記の分離膜2の製造方法について
説明する。まず、ポリスルホンに溶媒、非溶媒および膨
潤剤を加えて加熱溶解し、均一な製膜溶液を調製する。
ここで、ポリスルホン系樹脂は、下記の構造式(化1)
に示すように、分子構造内に少なくとも1つの(−SO
2 −)部位を有するものであれば特に限定されない。
【0152】
【化1】
【0153】ただし、Rは2価の芳香族、脂環族もしく
は脂肪族炭化水素基、またはこれらの炭化水素基が2価
の有機結合基で結合された2価の有機基を示す。
【0154】好ましくは、下記の構造式(化2)〜(化
4)で示されるポリスルホンが用いられる。
【0155】
【化2】
【0156】
【化3】
【0157】
【化4】
【0158】また、ポリスルホンの溶媒としては、N−
メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を用いるこ
とが好ましい。さらに、非溶媒としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン等の脂肪族多
価アルコール、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等の低級脂肪族アルコール、メチルエチルケ
トン等の低級脂肪族ケトンなどを用いることが好まし
い。
【0159】溶媒と非溶媒の混合溶媒中の非溶媒の含有
量は、得られる混合溶媒が均一である限り特に制限され
ないが、通常5〜50重量%、好ましくは20〜45重
量%である。
【0160】多孔質構造の形成を促進し、または制御す
るために用いられる膨潤剤としては、塩化リチウム、塩
化ナトリウム、硝酸リチウム等の金属塩、ポリエチレン
グリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリル酸等の水溶性高分子またはその金属
塩、ホルムアミド等が用いられる。混合溶媒中の膨潤剤
の含有量は、製膜溶液が均一である限り特に制限されな
いが、通常1〜50重量%である。
【0161】製膜溶液中のポリスルホンの濃度は、通常
10〜30重量%が好ましい。30重量%を超えるとき
は、得られる多孔質分離膜の透水性が実用性に乏しくな
り、10重量%より少ないときは、得られる多孔質分離
膜の機械的強度が乏しくなり、充分な背圧強度を得るこ
とができない。
【0162】次に、上記の製膜溶液を不織布支持体上に
製膜する。すなわち、連続製膜装置を使用し、不織布等
の支持体シートを順次送り出し、その表面に製膜溶液を
塗布する。塗布方法としてはナイフコータやロールコー
タ等のギャップコータを用いて製膜溶液を不織布支持体
上に塗布する。例えば、ロールコータを使用する場合
は、2本のロールの間に製膜溶液を溜め、不織布支持体
上に製膜溶液を塗布すると同時に不織布の内部に充分含
浸させ、その後低湿度雰囲気を通過させ、雰囲気中の微
量水分を不織布上に塗布した液膜表面に吸収させ、液膜
の表面層にミクロ相分離を起こさせる。その後、凝固水
槽に浸漬し、液膜全体を相分離および凝固させ、さらに
水洗槽で溶媒を洗浄除去する。これにより、分離膜2が
形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスパイラル型膜モジュールの運転
方法の例を示す模式的な構成図である。
【図2】図1のスパイラル型膜モジュールの例を示す模
式的な断面図である。
【図3】図1のスパイラル型膜モジュールの他の例を示
す模式的な断面図である。
【図4】図2および図3のスパイラル型膜モジュールに
用いられるスパイラル型膜エレメントを示す一部切欠き
斜視図である。
【図5】図4のスパイラル型膜エレメントが用いられる
分離膜の断面図である。
【符号の説明】
1 スパイラル型膜エレメント 2 分離膜 3 透過水スペーサ 4 封筒状膜 5 集水管 6 原水スペーサ 7 原水 8a 透過水 8b 洗浄水 10 圧力容器 13 原水入口 14 透過水出口 15 原水出口

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻
    回されてなるスパイラル型膜エレメントの運転方法であ
    って、前記分離膜は、0.05MPaよりも高く0.3
    MPa以下の背圧で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、前
    記スパイラル型膜エレメント内へ一定の流量で原液を供
    給し前記有孔中空管の少なくとも一方の開口端から透過
    液を取り出して濾過を行うことを特徴とするスパイラル
    型膜エレメントの運転方法。
  2. 【請求項2】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻
    回されてなるスパイラル型膜エレメントの運転方法であ
    って、前記分離膜は、0.05MPaよりも高く0.3
    MPa以下の背圧で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、前
    記スパイラル型膜エレメント内へ原液を供給し前記有孔
    中空管の少なくとも一方の開口端から一定の流量で透過
    液を取り出して濾過を行うことを特徴とするスパイラル
    型膜エレメントの運転方法。
  3. 【請求項3】 前記有孔中空管の少なくとも一方の開口
    端から洗浄液を導入して前記スパイラル型膜エレメント
    の少なくとも一端部から洗浄液を排出させることにより
    前記分離膜を逆流洗浄し、濾過時における前記スパイラ
    ル型膜エレメントの原液供給側の圧力の変化または原液
    供給側と透過液取り出し側との差圧の変化に応じて洗浄
    時の洗浄条件を変化させることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のスパイラル型膜エレメントの運転方法。
  4. 【請求項4】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻
    回されてなるスパイラル型膜エレメントの運転方法であ
    って、前記分離膜は、0.05MPaよりも高く0.3
    MPa以下の背圧で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、濾
    過時に、前記スパイラル型膜エレメント内へ一定圧力で
    原液を供給し前記有孔中空管の少なくとも一方の開口端
    から透過液を取り出し、洗浄時に、前記有孔中空管の少
    なくとも一方の開口端から洗浄液を導入して前記スパイ
    ラル型膜エレメントの少なくとも一端部から洗浄液を排
    出させることにより前記分離膜を逆流洗浄し、前記濾過
    時における透過液の流量の変化に応じて前記洗浄時の洗
    浄条件を変化させることを特徴とするスパイラル型膜エ
    レメントの運転方法。
  5. 【請求項5】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻
    回されてなるスパイラル型膜エレメントの運転方法であ
    って、前記分離膜は、0.05MPaよりも高く0.3
    MPa以下の背圧で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、前
    記有孔中空管の少なくとも一方の開口端から洗浄液を導
    入して前記スパイラル型膜エレメントの少なくとも一端
    部から洗浄液を排出させることにより前記分離膜を逆流
    洗浄し、前記排出される洗浄液の流量の変化に応じて洗
    浄条件を変化させることを特徴とするスパイラル型膜エ
    レメントの運転方法。
  6. 【請求項6】 前記洗浄条件は、前記有孔中空管に導入
    する洗浄液の供給流量、前記有孔中空管に導入する洗浄
    液の供給圧力、前記洗浄を行う時間間隔および前記洗浄
    の時間の少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    3〜5のいずれかに記載のスパイラル型膜エレメントの
    運転方法。
  7. 【請求項7】 前記分離膜は多孔性シート材の一面に透
    過性膜体が接合されてなり、前記透過性膜体は前記多孔
    性シート材の一面に投錨状態で接合されたことを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載のスパイラル型膜エ
    レメントの運転方法。
  8. 【請求項8】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が巻
    回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を有
    する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパイ
    ラル型膜モジュールの運転方法であって、前記分離膜
    は、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧
    で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、前記圧力容器の前記
    原液入口を通して一定の流量で原液を前記スパイラル型
    膜エレメント内へ供給し前記有孔中空管の少なくとも一
    方の開口端から透過液を取り出して濾過を行うことを特
    徴とするスパイラル型膜モジュールの運転方法。
  9. 【請求項9】 前記原液の供給圧力を制御することによ
    り原液の流量を一定に制御することを特徴とする請求項
    8記載のスパイラル型膜モジュールの運転方法。
  10. 【請求項10】 前記スパイラル型膜モジュールの原液
    供給側に加圧ポンプを設け、前記加圧ポンプの出力を制
    御することにより原液の流量を一定に制御することを特
    徴とする請求項8記載のスパイラル型膜モジュールの運
    転方法。
  11. 【請求項11】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
    巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
    有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
    イラル型膜モジュールの運転方法であって、前記分離膜
    は、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧
    で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、前記圧力容器の前記
    原液入口を通して前記スパイラル型膜エレメント内へ原
    液を供給し前記有孔中空管の少なくとも一方の開口端か
    ら一定の流量で透過液を取り出して濾過を行うことを特
    徴とするスパイラル型膜モジュールの運転方法。
  12. 【請求項12】 前記原液の供給圧力または供給流量を
    制御することにより透過液の流量を一定に制御すること
    を特徴とする請求項11記載のスパイラル型膜モジュー
    ルの運転方法。
  13. 【請求項13】 前記スパイラル型膜モジュールの原液
    供給側に加圧ポンプを設け、前記加圧ポンプの出力を制
    御することにより透過液の流量を一定に制御することを
    特徴とする請求項11記載のスパイラル型膜モジュール
    の運転方法。
  14. 【請求項14】 前記有孔中空管の少なくとも一方の開
    口端から洗浄液を導入して前記スパイラル型膜エレメン
    トの少なくとも一端部から洗浄液を排出させて前記圧力
    容器の外部に取り出すことにより前記分離膜を逆流洗浄
    し、濾過時における前記スパイラル型膜モジュールの原
    液供給側の圧力の変化または原液供給側と透過液取り出
    し側との差圧の変化に応じて洗浄時の洗浄条件を変化さ
    せることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載
    のスパイラル型膜モジュールの運転方法。
  15. 【請求項15】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
    巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
    有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
    イラル型膜モジュールの運転方法であって、前記分離膜
    は、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧
    で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、濾過時に、前記圧力
    容器の前記原液入口を通して一定圧力で原液を前記スパ
    イラル型膜エレメント内へ供給し前記有孔中空管の少な
    くとも一方の開口端から透過液を取り出し、洗浄時に、
    前記有孔中空管の少なくとも一方の開口端から洗浄液を
    導入して前記スパイラル型膜エレメントの少なくとも一
    端部から洗浄液を排出させて前記圧力容器の外部に取り
    出すことにより前記分離膜を逆流洗浄し、前記濾過時に
    おける透過液の流量の変化に応じて前記洗浄時の洗浄条
    件を変化させることを特徴とするスパイラル型膜モジュ
    ールの運転方法。
  16. 【請求項16】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
    巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
    有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
    イラル型膜モジュールの運転方法であって、前記分離膜
    は、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧
    で逆流洗浄可能な背圧強度を有し、前記有孔中空管の少
    なくとも一方の開口端から洗浄液を導入して前記スパイ
    ラル型膜エレメントの少なくとも一端部から洗浄液を排
    出させて前記圧力容器の外部に取り出すことにより前記
    分離膜を逆流洗浄し、前記圧力容器の外部へ取り出され
    る洗浄液の流量の変化に応じて洗浄条件を変化させるこ
    とを特徴とするスパイラル型膜モジュールの運転方法。
  17. 【請求項17】 前記圧力容器は原液出口をさらに有
    し、常時または間欠的に前記原液出口から原液の一部を
    前記圧力容器の外部に取り出し、取り出した原液の少な
    くとも一部を再び供給側へ戻すことを特徴とする請求項
    8〜15のいずれかに記載のスパイラル型膜モジュール
    の運転方法。
  18. 【請求項18】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
    巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
    有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
    イラル型膜モジュールであって、前記分離膜は0.05
    MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が
    可能な背圧強度を有し、前記圧力容器の前記原液入口を
    通して原液を前記スパイラル型膜エレメント内へ供給す
    る原液供給系と、前記有孔中空管の少なくとも一方の開
    口端から透過液を取り出す透過液取り出し系と、前記原
    液供給系により前記圧力容器の前記原液入口を通して供
    給される原液の流量を一定に制御する制御系とが設けら
    れたことを特徴とするスパイラル型膜モジュール。
  19. 【請求項19】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
    巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
    有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
    イラル型膜モジュールであって、前記分離膜は0.05
    MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が
    可能な背圧強度を有し、前記圧力容器の前記原液入口を
    通して原液を前記スパイラル型膜エレメント内へ供給す
    る原液供給系と、前記有孔中空管の少なくとも一方の開
    口端から透過液を取り出す透過液取り出し系と、前記透
    過液取り出し系により前記有孔中空管の少なくとも一方
    の開口端から取り出される透過液の流量を一定に制御す
    る制御系とが設けられたことを特徴とするスパイラル型
    膜モジュール。
  20. 【請求項20】 前記有孔中空管の少なくとも一方の開
    口端から洗浄液を導入する洗浄液導入系と、前記スパイ
    ラル型膜エレメントの少なくとも一端部から排出される
    洗浄液を前記圧力容器の外部へ取り出す洗浄液取り出し
    系とがさらに設けられ、前記制御系は、濾過時における
    前記スパイラル型膜モジュールの原液供給側の圧力の変
    化または原液供給側と透過液取り出し側との差圧の変化
    に応じて洗浄条件を制御することを特徴とする請求項1
    8または19記載のスパイラル型膜モジュール。
  21. 【請求項21】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
    巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
    有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
    イラル型膜モジュールであって、前記分離膜は0.05
    MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が
    可能な背圧強度を有し、濾過時に前記圧力容器の前記原
    液入口を通して原液を前記スパイラル型膜エレメント内
    へ供給する原液供給系と、前記濾過時に前記有孔中空管
    の少なくとも一方の開口端から透過液を取り出す透過液
    取り出し系と、洗浄時に前記有孔中空管の少なくとも一
    方の開口端から洗浄液を導入する洗浄液導入系と、前記
    洗浄時に前記スパイラル型膜エレメントの少なくとも一
    端部から排出される洗浄液を前記圧力容器の外部へ取り
    出す洗浄液取り出し系と、前記濾過時に前記原液供給系
    により前記圧力容器の前記原液入口に供給される原液の
    圧力を一定に制御するとともに前記濾過時における前記
    透過液の流量の変化に応じて前記洗浄時の洗浄条件を制
    御する制御系とが設けられたことを特徴とするスパイラ
    ル型膜モジュール。
  22. 【請求項22】 有孔中空管の外周面に袋状の分離膜が
    巻回されてなるスパイラル型膜エレメントが原液入口を
    有する圧力容器内に1または複数本収容されてなるスパ
    イラル型膜モジュールであって、前記分離膜は0.05
    MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が
    可能な背圧強度を有し、濾過時に前記圧力容器の前記原
    液入口を通して原液を前記スパイラル型膜エレメント内
    へ供給する原液供給系と、前記濾過時に前記有孔中空管
    の少なくとも一方の開口端から透過液を取り出す透過液
    取り出し系と、洗浄時に前記有孔中空管の少なくとも一
    方の開口端から洗浄液を導入する洗浄液導入系と、前記
    洗浄時に前記スパイラル型膜エレメントの少なくとも一
    端部から排出される洗浄液を前記圧力容器の外部へ取り
    出す洗浄液取り出し系と、前記洗浄時に前記洗浄液取り
    出し系により前記圧力容器の外部へ取り出される洗浄液
    の流量の変化に応じて前記洗浄時の洗浄条件を制御する
    制御系とが設けられたことを特徴とするスパイラル型膜
    モジュール。
  23. 【請求項23】 前記制御系は、前記洗浄液導入系によ
    り前記有孔中空管に導入される洗浄液の供給流量、前記
    洗浄液導入系により前記有孔中空管に導入される洗浄液
    の供給圧力、前記洗浄を行う時間間隔および前記洗浄の
    時間の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求
    項20〜22のいずれかに記載のスパイラル型膜モジュ
    ール。
  24. 【請求項24】 前記圧力容器は原液出口をさらに有
    し、常時または間欠的に前記原液出口から原液の一部を
    前記圧力容器の外部に取り出しかつ取り出した原液の少
    なくとも一部を再び供給側に戻す循環系がさらに設けら
    れたことを特徴とする請求項18〜23のいずれかに記
    載のスパイラル型膜モジュール。
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