JP4215991B2 - 膜モジュールおよびその運転方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の膜エレメントを直列に装填可能なベッセルを用いた膜モジュールおよびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパイラル型膜エレメントまたはキャピラリー型膜エレメントは、超純水の製造プロセス、食品や薬品などの製造プロセスまたは工業液体の処理プロセス等の分野において、懸濁物質、微生物および分子量レベルの不純物の除去や有価物の回収などを目的として広く用いられている。
【0003】
スパイラル型膜エレメントまたはキャピラリー型膜エレメントを複数直列使用する場合、ベッセル(圧力容器)が必要である。ここで、複数の膜エレメントを直列に装填可能なベッセル(以下直列ベッセルと呼ぶ)は、例えば以下に示す構造を有する。
【0004】
図10は、従来の直列ベッセルを用いた膜モジュールの構造を示す模式的断面図である。図10において、膜モジュール800は、直列ベッセル880およびスパイラル型膜エレメント850a,850b,850cにより構成される。
【0005】
直列ベッセル880は、筒状ケーシング810の両端を端板811,812により封止した構造を有する。なお、筒状ケーシング810の一端部近傍に原水入口821が設けられ、他端部近傍に濃縮水出口822が設けられている。また、端板811の中央部に透過水出入口823が設けられ、端板812の中央部に透過水出入口824が設けられている。
【0006】
直列ベッセル880内部には、スパイラル型膜エレメント850a,850b,850cが直列に装填されており、スパイラル型膜エレメント850a,850b,850cの集水管840はコネクタ841により直列に連結されている。さらに、両側のスパイラル型膜エレメント850a,850cの集水管840端部は、端板811,812に設けられた透過水出入口823,824にそれぞれ嵌合されている。また、3つのスパイラル型膜エレメント850a,850b,850cと筒状ケーシング810との間には、それぞれパッキン830が設けられている。これにより、直列ベッセル880の内部は第1の液室80a、第2の液室80b、第3の液室80cおよび第4の液室80dに分割される。
【0007】
ここで、上述の原水入口821は第1の液室80aと外部とを連通させ、濃縮水出口822は第4の液室80dと外部とを連通させるように設けられている。
【0008】
図10に示すように、膜モジュール800の濾過時において、原水81は原水入口821から直列ベッセル880内部の第1の液室80aに供給され、スパイラル型膜エレメント850aの一方の端面からスパイラル型膜エレメント850a内部に流入し、原水流路を通過してスパイラル型膜エレメント850aの他方の端面から第2の液室80bに流出する。
【0009】
スパイラル型膜エレメント850aから流出した原水81は、同様にスパイラル型膜エレメント850bおよび第3の液室80cを通過し、さらにスパイラル型膜エレメント850cを通過して第4の液室80dに流入する。第4の液室80dに流入した原水81は濃縮水82として濃縮水出口822から排出される。この過程で、スパイラル型膜エレメント850a,850b,850cの分離膜を透過した水は集水管840を通り直列ベッセル880の両端に設けられた透過水出入口823,824から透過水83として排出される。
【0010】
上述の濾過時においては、長期間にわたる連続運転または原水の水質などによりスパイラル型膜エレメント850a,850b,850cに汚染物が付着または堆積する。これらの汚れは濾過速度の低下を引き起こすため、膜モジュール800においては定期的に各種洗浄が行われる。
【0011】
以下に代表的な洗浄方法である逆流洗浄時の直列ベッセル880内部の流体の流れについて説明する。
【0012】
直列ベッセル880内部のスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの逆流洗浄時において、ポンプなどにより昇圧された洗浄水84は、透過水出入口823,824から集水管840に導入される。これにより、洗浄水84はスパイラル型膜エレメント850a,850b,850cの分離膜を濾過時と逆方向に透過し、第1〜第4の液室80a,80b,80c,80dに流出する。その後、各液室に流出した洗浄水84は、濾過時における原水81の流れと逆の経路をたどり、原水入口821より洗浄排水85として排出される。
【0013】
第1の液室80aに流出した洗浄水84は、原水入口821より洗浄排水85として外部へ排出され、第2の液室80bに流出した洗浄水84は、スパイラル型膜エレメント850aの原水流路、第1の液室80aおよび原水入口821を通して外部へ排出される。第3の液室80cに流出した洗浄水84は、スパイラル型膜エレメント850bの原水流路を通して第2の液室80bに流入し、その後第2の液室80bに流出した洗浄水84と同様の経路をたどり外部へ排出される。第4の液室80dに流出した洗浄水84は、スパイラル型膜エレメント850cの原水流路を通して第3の液室80cに流入し、その後第3の液室80cに流出した洗浄水84と同様の経路をたどり外部へ排出される。
【0014】
なお、逆流洗浄時において、濃縮水出口822はその外部で液体流路がバルブなどにより閉鎖されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述の濾過処理時においては、原水1の供給口および濃縮水の排出口がそれぞれ一箇所であり、直列ベッセル880内部での流体の流れは上述の通りである。この場合、原水1がスパイラル型膜エレメント850a,850b,850cおよび第1〜第4の液室80a,80b,80c,80dを通過するときの圧力損失が大きく、直列ベッセル880内部への原水供給時に高圧力が必要とされる。
【0016】
逆流洗浄時においては、スパイラル型膜エレメントの分離膜内部の圧力分布にばらつきが生じる。この場合、昇圧された洗浄水84が外部に排出されるまでに受ける圧力損失は、洗浄水84が流出する液室により異なる。例えば、第1の液室に流出した洗浄水84は、直接的に原水入口821へ流れるため圧力損失が低い。これに対し、第4の液室に流出した洗浄水84は、複数のスパイラル型膜エレメントおよび液室を通過するため、各スパイラル型膜エレメント850a,850b,850cおよび第1〜第4の液室80a,80b,80c,80dの通過時における圧力損失が高い。このような圧力損失の差異は、第2の液室80bおよび第3の液室80cに流出した洗浄水84についても同様である。
【0017】
以上に示す圧力損失の差異によれば、個々のスパイラル型膜エレメント850a,850b,850cの分離膜に対し、均一な背圧を与えることが困難となる。さらに、1つのスパイラル型膜エレメント内部においても、原水流路での圧力損失により、膜面にかかる背圧は長手方向に不均一となっている。
【0018】
不均一な背圧による洗浄は、スパイラル型膜エレメントの分離膜の膜面への汚染物質の堆積や透過流束の低下という問題を生じる場合がある。このような場合、逆流洗浄を短期の間隔で定期的に行うことにより透過流束の低下を防ぐ必要がある。また、透過流束の低下が大きい場合には、薬品洗浄を行うことにより透過流束の維持させる必要がある。
【0019】
しかしながら、頻繁な逆流洗浄は、洗浄排水の増加および回収率の低下の原因となる。また、薬品洗浄は、薬品洗浄排水の処理および薬品コストなどの問題を抱えており好ましくない。
【0020】
本発明の目的は、複数の膜エレメントの濾過処理時および逆流洗浄時に、運転条件を均一化することにより効果的な洗浄が可能であり、長期間にわたり高い透過流束と安定した透過液質を維持しつつ安定した濾過運転を行うことが可能な複数の膜エレメントを直列に装填可能なベッセルを備えた膜モジュールおよびその運転方法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0028】
本発明に係る膜モジュールは、液が流入および流出可能な両端面をそれぞれ有しかつ集水管をそれぞれ有する複数の膜エレメントと、複数の膜エレメントが直列に装填されるベッセルとを備え、複数の膜エレメントの集水管は直列に連結され、各膜エレメントの外周面とベッセルの内周面との間にパッキンが設けられることによりベッセル内に互いに分離された複数の液室が形成され、ベッセルは、複数の液室のうち複数の膜エレメントの一方の端面側の液室にそれぞれ連通する複数の第1の液出入口を有するとともに、複数の膜エレメントの集水管内に導出される透過液を取り出すための第2の液出入口を有し、複数の第1の液出入口にそれぞれ並列に接続される複数の第1の配管部分と、被処理液を貯留する被処理液貯槽と、濾過運転時に、被処理液貯槽に貯留された被処理液を複数の第1の配管部分を通して複数の第1の液出入口から複数の液室に並列に供給する濾過用ポンプと、第2の液出入口に接続される第2の配管部分と、濾過運転時に、第2の液出入口から第2の配管部分を通して取り出される透過液を貯留する透過液貯槽とをさらに備えたものである。
【0029】
本発明に係る膜モジュールにおいては、複数の膜エレメントがベッセルに直列に装填され、各膜エレメントの外周面とベッセルの内周面との間にパッキンが設けられることによりベッセル内に互いに分離された複数の液室が形成される。ベッセルは、複数の液室のうち複数の膜エレメントの一方の端面側の液室にそれぞれ連通する複数の第1の液出入口を有するとともに、複数の膜エレメントの集水管内に導出される透過液を取り出すための第2の液出入口を有する。
濾過運転時に、濾過用ポンプにより被処理液貯槽に貯留された被処理液が複数の第1の配管部分を通して複数の第1の液出入口から複数の液室に並列に供給され、複数の膜エレメントにそれぞれ供給される。複数の膜エレメントの集水管内に導出される透過液は、第2の液出入口から第2の配管部分を通して取り出され、透過液貯槽に貯留される。
【0030】
この場合、濾過運転時に、液体の移動に伴う圧力損失が低減されるので、安定して長期にわたる濾過運転が行われる。
【0033】
膜モジュールは、第2の配管部分に合流するように接続される第3の配管部分と、洗浄処理時に、透過液貯槽に貯留された透過液を第3の配管部分および第2の配管部分を通して第2の液出入口から複数の膜エレメントの集水管に供給する洗浄用ポンプと、洗浄処理時に、複数の第1の液出入口から複数の第1の配管部分を通して取り出された洗浄液を排出する第4の配管部分とをさらに備えてもよい。
【0034】
この場合、洗浄処理時に、透過液貯槽に貯留された洗浄液が第3の配管部分および第2の配管部分を通して第2の液出入口からベッセル内の複数の膜エレメントの集水管内に供給され、複数の第1の液出入口から複数の第1の配管部分を通して取り出された洗浄液が第4の配管部分を通して排出される。
【0035】
これにより、洗浄処理時に液体の移動に伴う圧力損失が低減され、逆流洗浄が効果的に行われる。
【0036】
膜モジュールは、洗浄処理時に、第2の配管部分に気体を供給する第5の配管部分をさらに備えてもよい。
【0037】
この場合、洗浄処理時に、気体が第5の配管部分および第2の配管部分を通して第2の液出入口からベッセル内の複数の膜エレメントの集水管内に供給される。これにより、膜エレメントの膜面に堆積した汚れが気体により持ち上げられ、複数の第1の液出入口から排出されることにより効果的な洗浄処理が行われる。
【0038】
ベッセルは、濾過運転時において最も下流側の膜エレメントから濃縮液が導出される液室に連通する第3の液出入口をさらに有してもよい。
【0039】
この場合、濾過運転時において最も下流側の膜エレメントから液室に導出される濃縮液は第3の液出入口によりベッセルから取り出される。これにより、濾過運転時において、クロスフロー濾過が可能となり、ベッセル内部の膜エレメントに対しフラッシング洗浄を行うことも可能となる。また、膜エレメントを透過しない液体の流れを作ることができるので、全量濾過運転時に比べ被処理液による膜エレメントへの汚れの堆積が低減される。
【0043】
本発明に係る膜モジュールの運転方法は、液が流入および流出可能な両端面をそれぞれ有しかつ集水管をそれぞれ有する複数の膜エレメントと、複数の膜エレメントが直列に装填されるベッセルとを備える膜エレメントの運転方法であって、複数の膜エレメントの集水管は直列に連結され、各膜エレメントの外周面とベッセルの内周面との間にパッキンが設けられることによりベッセル内に互いに分離された複数の液室が形成され、ベッセルは、複数の液室のうち複数の膜エレメントの一方の端面側の液室にそれぞれ連通する複数の第1の液出入口を有するとともに、複数の膜エレメントの集水管内に導出される透過液を取り出すための第2の液出入口を有し、濾過運転時に、被処理液を複数の第1の液出入口から複数の液室に並列に供給するとともに、複数の膜エレメントの集水管内に導出される透過液を第2の液出入口から取り出すものである。
【0044】
本発明に係る膜モジュールの運転方法においては、ベッセルに複数の膜エレメントが直列に装填され、各膜エレメントの外周面とベッセルの内周面との間にパッキンが設けられることによりベッセル内に互いに分離された複数の液室が形成される。ベッセルは、複数の液室のうち複数の膜エレメントの一方の端面側の液室にそれぞれ連通する複数の第1の液出入口を有するとともに、複数の膜エレメントの集水管内に導出される透過液を取り出すための第2の液出入口を有する。
濾過運転時に、被処理液が複数の第1の液出入口から複数の液室に並列に供給され、複数の膜エレメントにそれぞれ供給される。複数の膜エレメントの集水管内に導出される透過液は、第2の液出入口から取り出される。
【0045】
この場合、濾過運転時に、液体の移動に伴う圧力損失が低減されるので、安定して長期にわたる濾過運転が行われる。
【0046】
洗浄処理時に、第2の液出入口から複数の膜エレメントの集水管内に洗浄液を供給し、複数の膜エレメントから複数の液室に導出された洗浄液を複数の第1の液出入口からそれぞれ取り出してもよい。
【0047】
この場合、洗浄処理時に、洗浄液が第2の液出入口からベッセル内の複数の膜エレメントの集水管内に供給され、複数の膜エレメントから複数の液室に導出された洗浄液が複数の第1の液出入口からそれぞれ取り出される。これより、液体の移動に伴う圧力損失が低減されるので、逆流洗浄が効果的に行われる。
【0048】
洗浄処理時に、第2の液出入口から複数の膜エレメントの集水管内に気体を供給してもよい。
【0049】
この場合、洗浄処理時に、気体が第2の液出入口からベッセル内の複数の膜エレメントの集水管内に供給される。これにより、膜エレメントの膜面に堆積した汚れが気体により持ち上げられ、複数の第1の液出入口から排出されることにより効果的な洗浄処理が行われる。
【0050】
ベッセルは、濾過運転時において最も下流側の膜エレメントから濃縮液が導出される液室に連通する第3の液出入口を有し、洗浄処理時に、複数の第1の液出入口から洗浄液をそれぞれ供給し、複数の膜エレメントの膜面を平行に流れた洗浄液を第3の液出入口から取り出してもよい。
【0051】
この場合、濾過運転時において最も下流側の膜エレメントから液室に導出される濃縮液は第3の液出入口によりベッセルから取り出され、洗浄液は複数の第1の液出入口から供給され、複数の膜エレメントの膜面を平行に流れた洗浄液は第3の液出入口から取り出される。
【0052】
これにより、濾過運転時において、クロスフロー濾過が可能となり、膜エレメントを透過しない液体の流れを作ることができるので、全量濾過運転時に比べ被処理液による膜エレメントへの汚れの堆積が低減される。
【0053】
また、フラッシング洗浄時において、膜エレメントの膜面の洗浄時において、複数の膜エレメントの膜面に堆積した汚れが、膜面を平行に流れる洗浄液と膜面とのせん断力により分離される。ここで、当該動作前に気体を気体供給系により第2の液出入口からベッセル内の複数の膜エレメントに供給した場合、更なる洗浄効果が得られる。
【0054】
複数の膜エレメントは、集水管の外周面に袋状の分離膜が巻回されてなりかつ0.05MPaより高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能なスパイラル型膜エレメントであってもよい。
【0055】
これにより、スパイラル型膜エレメントの膜面の洗浄時においては0.05MPaより高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能であるため、必要量の洗浄が効率よく、短時間に行われる。
【0056】
洗浄処理時に、第2の液出入口から複数の膜エレメントの集水管内に0.05MPaより高く0.3MPa以下の圧力で洗浄液を供給し、複数の膜エレメントから複数の液室に導出された洗浄液を複数の第1の液出入口からそれぞれ取り出されてもよい。
【0057】
この場合、洗浄処理時に洗浄液は第2の液出入口からベッセル内の複数の膜エレメントの集水管内に0.05MPaより高く0.3MPa以下の圧力で供給され、複数の膜エレメントから複数の液室に導出された洗浄液は複数の第1の液出入口からそれぞれ取り出される。
【0058】
これにより、スパイラル型膜エレメントの膜面の洗浄時においては0.05MPaより高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能であるため、必要量の洗浄が効率よく、短時間に行われる。そのうえ、洗浄処理については複数の膜エレメントから複数の液室に導出された洗浄液が複数の第1の液出入口から取り出されるため、液体の移動に伴う圧力損失が低減される。そして、圧力損失の低減により洗浄処理が効果的に行われ、安定して長期にわたる濾過運転が行われる。
【0059】
洗浄処理時に、第2の液出入口から複数の膜エレメントの集水管内に0.05MPaより高く0.3MPa以下の圧力で気体を供給してもよい。
【0060】
この場合、気体は、第2の液出入口からベッセル内の複数の膜エレメントの集水管内に0.05MPaより高く0.3MPa以下の圧力で供給される。
【0061】
これにより、膜エレメントの膜面に堆積した汚れが気体により持ち上げられ、これを流すことにより効果的な洗浄処理が行われる。そして、安定して長期にわたる濾過運転が行われる。
【0062】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態に係る直列ベッセルを用いた膜モジュールの構造を示す模式的断面図である。
【0063】
図1において、膜モジュール100は、直列ベッセル180およびスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cにより構成される。直列ベッセル180は、筒状ケーシング10の両端を端板11,12により封止した構造を有する。なお、筒状ケーシング10には一端部側から所定間隔で複数の原水入口21a,21b,21cが設けられ、他端部近傍に濃縮水出口22が設けられている。また、端板11の中央部には透過水出入口23が設けられ、端板12の中央部には透過水出入口24が設けられている。
【0064】
直列ベッセル180内部には、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cが装填されており、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの集水管40はコネクタ41により直列に連結されている。さらに、両側のスパイラル型膜エレメント50a,50cの集水管40端部は、端板11,12に設けられた透過水出入口23,24にそれぞれ嵌合されている。また、3つのスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cと筒状ケーシング10との間には、それぞれパッキン30が設けられている。これにより、直列ベッセル180の内部は第1の液室10a、第2の液室10b、第3の液室10cおよび第4の液室10dに分割される。
【0065】
スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの各々は、後述するように、0.05MPaより高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能な背圧強度を有する。
【0066】
ここで、上述の原水入口21aは第1の液室10aと外部とを連通させ、原水入口21bは第1の液室10bと外部とを連通させ、原水入口21cは第1の液室10cと外部とを連通させ、濃縮水出口22は第4の液室10dと外部とを連通させるように設けられている。
【0067】
図1に示すように、膜モジュール100の濾過時において、原水1は原水入口21a,21b,21cから直列ベッセル180内部の第1〜第3の液室10a,10b,10cにそれぞれ供給される。
【0068】
原水入口21aを通して第1の液室10aに供給された原水1は、スパイラル型膜エレメント50aの一方の端面からスパイラル型膜エレメント50a内部に流入し、原水流路を通過してスパイラル型膜エレメント50aの他方の端面から第2の液室10bに流出する。その後、第2の液室10bに流入した原水1は同様にスパイラル型膜エレメント50bおよび第3の液室10cを通過し、さらにスパイラル型膜エレメント50cを通過して第4の液室10dに流入する。第4の液室10dに流入した原水1は濃縮水2として濃縮水出口22から排出される。
【0069】
原水入口21bを通して第2の液室10bに供給された原水1は、スパイラル型膜エレメント50bの一方の端面からスパイラル型膜エレメント50b内部に流入し、原水流路を通過してスパイラル型膜エレメント50bの他方の端面から第3の液室10cに流出する。その後、第3の液室10cに流入した原水1は同様にスパイラル型膜エレメント50cを通過して第4の液室10dに流入し、第4の液室10dに流入した原水1は濃縮水2として濃縮水出口22から排出される。
【0070】
原水入口21cを通して第3の液室10cに供給された原水1は、スパイラル型膜エレメント50cの一方の端面からスパイラル型膜エレメント50c内部に流入し、原水流路を通過してスパイラル型膜エレメント50cの他方の端面から第4の液室10dに流出する。第4の液室10dに流入した原水1は濃縮水2として濃縮水出口22から排出される。
【0071】
これらの過程で、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの分離膜を透過した水は集水管40を通り直列ベッセル180の両端に設けられた透過水出入口23,24から透過水3として排出される。上記において、原水1の全量濾過を行う場合は、濃縮水出口22はなくてもよい。
【0072】
ここで、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの構造および濾過時の動作についてスパイラル型膜エレメント50aを例に挙げて、図1および図2に基づき説明する。
【0073】
図2(a)は、スパイラル型膜エレメントの構造および濾過時におけるスパイラル型膜エレメントの動作を示す切欠き斜視図である。
【0074】
図2(a)に示すように、スパイラル型膜エレメント50aは、合成樹脂のネットからなる透過水スペーサ43の両面に分離膜42を重ね合わせて3辺を接着することにより封筒状膜(袋状膜)44を形成し、その封筒状膜44の開口部を集水管40に取り付け、合成樹脂のネットからなる原水スペーサ45とともに集水管40の外周面にスパイラル状に巻回することにより構成される。スパイラル型膜エレメント50aの外周面は外装材で被覆される。なお、分離膜42の構造については後述する。
【0075】
スパイラル型膜エレメント50aの濾過時には、図2(a)に示すように、原水入口21a(図1)を通して供給された原水1が筒状ケーシング10(図1)内部の第1の液室10a(図1)に導入される。そして、原水1はスパイラル型膜エレメント50aの一方の端面からスパイラル型膜エレメント50aの内部に供給される。この原水1は原水スペーサ45に沿って集水管40と平行な方向に直線状に流れ、スパイラル型膜エレメント50aの他方の端面から第2の液室10b(図1)に排出される。
【0076】
ここで、他のスパイラル型膜エレメント50b,50cは、いずれも上述のスパイラル型膜エレメント50aと同様の構造を有する。なお、スパイラル型膜エレメント50bは原水入口21bより得られる原水1を濾過し、、スパイラル型膜エレメント50cは原水入口21cより得られる原水1を濾過する。
【0077】
このような、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの濾過処理により、原水1に含まれる汚染物質が除去される。
【0078】
本発明に係る直列ベッセル180を用いた膜モジュール100によれば、原水1の濾過処理時に、原水が複数の液室10a,10b,10cへ同時に供給されるため、複数の液室10a,10b,10c,10dを通過することにより発生する過大な圧力損失が抑制される。そして、直列ベッセル180内部へ原水1を供給するために高圧力ポンプなどの高圧力供給手段が必要とされない。
【0079】
また、原水が複数の液室10a,10b,10cへ同時に供給されることにより、それぞれのスパイラル型膜エレメント50a,50b,50c間で膜面に堆積する汚染物質の堆積量がほぼ均一となる。
【0080】
上記に示す膜モジュール100の濾過時には、原水1中に含まれる懸濁物質、コロイド性物質または溶存性物質は、汚染物質としてスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの分離膜42の膜面に堆積する。膜面の汚れは、透過流束を低下させ、濾過処理の効率を低下させる。これに対し、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの分離膜42の膜面に付着した汚れを回収するため、各種洗浄が行われる。以下に、直列ベッセル180内部のスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの各種洗浄時について説明する。
【0081】
直列ベッセル180の内部のスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの逆流洗浄時においては、ポンプなどにより昇圧された洗浄水4は、透過水出入口23,24から集水管40に導入される。これにより、集水管40に供給された洗浄水4は、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cのそれぞれの分離膜を濾過時と逆方向に透過し、第1〜第4の液室10a,10b,10c,10dに流出する。
【0082】
第1〜第4の液室10a,10b,10c,10dに流出した洗浄水4は、洗浄排水5としてそれぞれ原水入口21a,21b,21cから外部へ排出される。
【0083】
第1の液室10aに流出した洗浄水4は原水入口21aより洗浄排水5として外部へ排出され、第2の液室10bに流出した洗浄水4は原水入口21bより洗浄排水5として外部へ排出され、第3の液室10cに流出した洗浄水4は原水入口21cより洗浄排水85として外部へ排出される。第4の液室10dに流出した洗浄水4は、スパイラル型膜エレメント50cの一方の端面からスパイラル型膜エレメント50c内部に流入し、原水流路を通過してスパイラル型膜エレメント50cの他方の端面から第3の液室10cに流入し、原水入口21cを通して洗浄排水5として排出される。
【0084】
また、逆流洗浄時において、濃縮水出口22はその外部でバルブなどにより閉塞されている。
【0085】
ここで、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの逆流洗浄時の動作についてスパイラル型膜エレメント50aを例に挙げて図1および図2に基づき説明する。
【0086】
図2(b)は、スパイラル型膜エレメントの構造および逆流洗浄時におけるスパイラル型膜エレメントの動作を示す切欠き斜視図である。スパイラル型膜エレメント50aの構造は上述の通りであり、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cについても同様である。
【0087】
スパイラル型膜エレメント50aの逆流洗浄時には、図2(b)に示すように、透過水出入口23,24(図1)より集水管40を通して供給された洗浄水4が封筒状膜(袋状膜)44内部に導入される。封筒状膜44内部に導入された洗浄水4は、分離膜42を濾過時と逆方向に透過し原水流路へと流出する。このとき、原水流路側の膜面に堆積した汚染物質が押し出される。流出した洗浄水4は押し出された汚染物質とともに原水スペーサ45に沿って集水管40と平行な方向に直線状に流れ、スパイラル型膜エレメント50aの端面から第1の液室10a(図1)または、第2の液室10b(図1)に排出される。排出された洗浄液は、上述の通り原水入口21a,21bより外部へ排出される。
【0088】
ここで、他のスパイラル型膜エレメント50b,50cは、いずれも上述のスパイラル型膜エレメント50aと同様な動作を行う。
【0089】
このような、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの逆流洗浄により、濾過時にスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの膜面に堆積した汚染物質が流し出される。
【0090】
以上において、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cに設けられた分離膜42(図2)は、逆流洗浄時に0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄ができるため、短時間に必要量の洗浄水4を流すことが可能である。
【0091】
本発明に係る直列ベッセル180の構造によれば、逆流洗浄時に複数のスパイラル型膜エレメントにおいて膜面を透過した洗浄水が、それぞれのスパイラル型膜エレメント50a,50b,50c近傍に設けられた複数の原水入口21a,21b,21cより排出するため洗浄水4が複数の液室10a,10b,10c,10dを通過する必要がない。これにより、複数の液室10a,10b,10c,10dの通過や複数のスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの原水流路の通過により発生する過大な圧力損失が防止でき、集水管40内部へ洗浄水4を供給するために高圧力ポンプなどの高圧力供給手段が必要とされない。
【0092】
さらに、各液室10a,10b,10c,10d内部での圧力がほぼ均一となるため、個々のスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの分離膜42の膜面に対し均一な背圧を与えることが可能となる。そして、不均一な圧力分布により生じる部分的な膜面の不洗浄が防止できる。
【0093】
上記に示す逆流洗浄時においては、洗浄水4を透過水出入口23,24から集水管40へ供給する際に、透過水出入口23または透過水出入口24のいずれかより、0.3MPa以下の空気7を注入し、封筒状膜44内部より分離膜42全面に有効な背圧を与えることができる。これにより、膜面に堆積した汚染物質を膜面から浮き上がらせて剥離することができる。なお、膜面を通過した空気7は、第1〜第4の液室より逆流洗浄時の洗浄水4と同一の経路をたどり、原水入口21a,21b,21cから外部へ放出される。なお、膜面を通過した空気7は濃縮水出口22より外部に放出されてもよい。
【0094】
この場合、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cに設けられた分離膜42(図2)は、0.05MPaよりも高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄ができるため、0.3MPa以下の空気7の注入は、封筒状膜44に対し、透過水スペーサ43と分離膜42との接着部の剥離または分離膜42の細孔の拡大などの損傷を与えることはない。
【0095】
その後、洗浄水4による逆流洗浄または、原水1によるフラッシング洗浄を行うことにより、剥離された汚染物質が系外に排出される。なお、洗浄水4による逆流洗浄は、空気7による膜面への背圧操作前に行ってもよい。
【0096】
直列ベッセル180のフラッシング洗浄時においては、昇圧された原水1が、原水入口21a,21b,21cから筒状ケーシング10内部の第1〜第3の液室10a,10b,10cに供給される。その後、筒状ケーシング10内部の第1〜第3の液室10a,10b,10cに流入した原水1は、濾過時と同様に第4の液室10dに流入し、洗浄排水6として濃縮水出口22より排出される。
【0097】
分離膜42の膜面に存在する汚れは、昇圧された原水1の高線速の流束により分離膜42と原水1との間に生ずるせん断力により流される。
【0098】
このように、本発明に係る直列ベッセルを用いた膜モジュールおよびその運転方法によれば、確実で効率的な膜面の洗浄が行われ、長期間にわたって高い透過流束を維持しつつ安定した濾過運転が行われる。
【0099】
なお、以上に示す膜モジュール100においては、スパイラル型膜エレメント50a,50b,50cに代えてキャピラリー型膜エレメントが用いられてもよい。ただし、この場合、逆流洗浄時の分離膜への背圧などの洗浄条件や運転条件について考慮する必要がある。
【0100】
図3は、上述のスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの分離膜42の断面図である。
【0101】
図3に示すように、分離膜42は、多孔性補強シート(多孔性シート材)42aの表面に実質的な分離機能を有する透過性膜体42bが密着一体化されて形成されている。
【0102】
透過性膜体42bは、1種類のポリスルホン系樹脂、あるいは2種類以上のポリスルホン系樹脂の混合物、さらにはポリスルホン系樹脂とポリイミド、フッ素含有ポリイミド樹脂等のポリマーとの共重合体、もしくは混合物から形成される。
【0103】
多孔性補強シート42aは、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等を素材とする織布、不織布、メッシュ状ネット、発泡焼結シート等から形成されており、製膜性およびコストの面から不織布が好ましい。
【0104】
多孔性補強シート42aおよび透過性膜体42bは、透過性膜体42bを構成する樹脂成分の一部が多孔性補強シート42aの孔の内部に充填された投錨状態で接合されている。
【0105】
多孔性補強シート42aに裏打ちされた分離膜42の背圧強度は、0.2MPaを超え、0.4〜0.5MPa程度に向上した。なお、背圧強度の規定方法については後述する。
【0106】
多孔性補強シート42aとして不織布を用いて背圧強度を0.2MPa以上得るためには、不織布の厚みが0.08〜0.15mmであり、かつ密度が0.5〜0.8g/cm3 であることが好ましい。厚みが0.08mmより薄い場合または密度が0.5g/cm3 より小さい場合には、補強シートとしての強度が得られず、分離膜42の背圧強度を0.2MPa以上確保することが困難である。一方、厚みが0.15mmより厚くあるいは密度が0.8g/cm3 より大きい場合には、多孔性補強シート42aの濾過抵抗が大きくなったり、不織布(多孔性補強シート42a)への投錨効果が小さくなって透過性膜体42bと不織布との界面で剥離が起こりやすくなる。
【0107】
次に、上記の分離膜42の製造方法について説明する。まず、ポリスルホンに溶媒、非溶媒および膨潤剤を加えて加熱溶解し、均一な製膜溶液を調製する。ここで、ポリスルホン系樹脂は、下記の構造式(化1)に示すように、分子構造内に少なくとも1つの(−SO2 −)部位を有するものであれば特に限定されない。
【0108】
【化1】
Figure 0004215991
【0109】
ただし、Rは2価の芳香族、脂環族もしくは脂肪族炭化水素基、またはこれらの炭化水素基が2価の有機結合基で結合された2価の有機基を示す。
【0110】
好ましくは、下記の構造式(化2)〜(化4)で示されるポリスルホンが用いられる。
【0111】
【化2】
Figure 0004215991
【0112】
【化3】
Figure 0004215991
【0113】
【化4】
Figure 0004215991
【0114】
また、ポリスルホンの溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を用いることが好ましい。さらに、非溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級脂肪族アルコール、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトンなどを用いることが好ましい。
【0115】
溶媒と非溶媒の混合溶媒中の非溶媒の含有量は、得られる混合溶媒が均一である限り特に制限されないが、通常5〜50重量%、好ましくは20〜45重量%である。
【0116】
多孔質構造の形成を促進し、または制御するために用いられる膨潤剤としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、硝酸リチウム等の金属塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性高分子またはその金属塩、ホルムアミド等が用いられる。混合溶媒中の膨潤剤の含有量は、製膜溶液が均一である限り特に制限されないが、通常1〜50重量%である。
【0117】
製膜溶液中のポリスルホンの濃度は、通常10〜30重量%が好ましい。30重量%を超えるときは、得られる多孔質分離膜の透水性が実用性に乏しくなり、10重量%より少ないときは、得られる多孔質分離膜の機械的強度が乏しくなり、充分な背圧強度を得ることができない。
【0118】
次に、上記の製膜溶液を不織布支持体上に製膜する。すなわち、連続製膜装置を使用し、不織布等の支持体シートを順次送り出し、その表面に製膜溶液を塗布する。塗布方法としてはナイフコータやロールコータ等のギャップコータを用いて製膜溶液を不織布支持体上に塗布する。例えば、ロールコータを使用する場合は、2本のロールの間に製膜溶液を溜め、不織布支持体上に製膜溶液を塗布すると同時に不織布の内部に充分含浸させ、その後低湿度雰囲気を通過させ、雰囲気中の微量水分を不織布上に塗布した液膜表面に吸収させ、液膜の表面層にミクロ相分離を起こさせる。その後、凝固水槽に浸漬し、液膜全体を相分離および凝固させ、さらに水洗槽で溶媒を洗浄除去する。これにより、分離膜42が形成される。
【0119】
このように、上記の分離膜42は背圧強度が高いため、本実施の形態に係るスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cにこの分離膜42を用いた場合、0.05〜0.3MPaの背圧でスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの逆流洗浄を行っても分離膜42の破損が生じることが防止される。
【0120】
【実施例】
以下に示す実施例1,2および比較例1,2では、表1に示す原水を用いて濾過試験を行った。
【0121】
【表1】
Figure 0004215991
【0122】
[実施例1]
本実施例1では、図4に示す処理システムを用いて濾過試験を行った。
【0123】
図4は、図1の膜モジュールを用いた処理システムを示す模式的構成図である。
【0124】
図4に示す処理システム300は、図1の膜モジュール100、原水1を貯留する貯槽101、および膜モジュール100により得られる透過水3を貯留する貯槽102を備えている。
【0125】
膜モジュール100の濾過時には、配管111のバルブ120および配管113のバルブ124を開くとともに、配管117のバルブ122、配管118のバルブ121、配管116のバルブ123および配管114のバルブ125を閉じる。また、供給ポンプ103を駆動させ、供給ポンプ104を停止する。
【0126】
配管110を通して貯槽101に貯溜された河川水等の原水1は、配管111を通して供給ポンプ103に与えられ、供給ポンプ103により昇圧されて膜モジュール100へ供給される。濾過時における膜モジュール100内部の動作は、上述の通りである。
【0127】
本実施例1においては、以上に示す処理システム300を用いて濾過試験を行い、有効濾過圧力を測定した。有効濾過圧力は、図4に示すように配管111に設けられた圧力計PI1により測定された内部流体の圧力値と配管112に設けられた圧力計PI2により測定した内部流体の圧力値とを減算することにより算出される。なお、本実施例1における濾過運転は全量濾過により行い、濾過流量は120L/minであった。
【0128】
ここで、本実施例1において用いたスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの仕様を表2に示す。
【0129】
【表2】
Figure 0004215991
【0130】
以上に基づき濾過試験を行った結果、有効濾過圧力の測定値は0.14MPaであった。
【0131】
[比較例1]
本比較例1では、図7に示す処理システムを用いて濾過試験を行った。
【0132】
図7は、図10の膜モジュールを用いた処理システムを示す模式的構成図である。
【0133】
図7に示す処理システム600は、膜モジュール800を除き図4の処理システム300と同様の構成を有する。
【0134】
処理システム600の膜モジュール800の濾過時の動作は、膜モジュール800の動作を除き、上述の実施例1に係る処理システム300と同様である。
【0135】
本比較例1においては、以上に示す処理システム600を用いて実施例1と同様の濾過試験を行った。有効濾過圧力は、図7に示すように配管111に設けられた圧力計PI1により測定された内部流体の圧力値と配管112に設けられた圧力計PI2により測定された内部流体の圧力値とを減算することにより算出される。なお、本比較例1における濾過運転は全量濾過により行い、濾過流量は120L/minであった。
【0136】
ここで、本比較例1において用いたスパイラル型膜エレメント850a,850b,850cの仕様は実施例1と同様に表2に示す通りである。
【0137】
以上に基づき濾過試験を行った結果、有効濾過圧力の測定値は0.29MPaであった。
【0138】
[実施例2]
本実施例2では、実施例1と同様に、図4に示す処理システムを用いて連続通水濾過試験を行った。
【0139】
膜モジュール100の濾過時には、配管111のバルブ120および配管113のバルブ124を開くとともに、配管117のバルブ122、配管118のバルブ121、配管116のバルブ123および配管114のバルブ125を閉じる。また、供給ポンプ103を駆動させ、供給ポンプ104を停止する。
【0140】
配管110を通して貯槽101に貯溜された河川水等の原水1は、配管111を通して供給ポンプ103に与えられ、供給ポンプ103により昇圧されて膜モジュール100へ供給される。濾過時における膜モジュール100内部の動作は、上述の通りである。
【0141】
膜モジュール100により得られた透過水3は、配管112を通して貯槽102に供給される。
【0142】
膜モジュール100の逆流洗浄時には、配管118のバルブ121および配管114のバルブ125を開くとともに、配管111のバルブ120、配管117のバルブ122、配管116のバルブ123および配管113のバルブ124を閉じる。また、供給ポンプ104を駆動させ、供給ポンプ103を停止する。
【0143】
濾過時に貯槽102に貯溜された透過水3は、洗浄水4として配管114を通して供給ポンプ104へ与えられ、供給ポンプ104により昇圧されて配管114,113,112を通して膜モジュール100へ供給される。逆流洗浄時における膜モジュール100内部の動作は上述の通りである。膜モジュール100より排出される洗浄排水5は、配管118を通して系外に排出される。
【0144】
ここで、本実施例2においては、膜モジュール100の逆流洗浄時に、配管116,113,112を通して膜モジュール100に空気7が供給される。この場合、膜モジュール100内部の空気7の流れは上述の通りである。膜モジュール100から放出された空気7は、配管118を通して系外に排出される。
【0145】
膜モジュール100のフラッシング洗浄時には、配管111のバルブ120、配管117のバルブ122および配管113のバルブ124を開くとともに、配管118のバルブ121、配管116のバルブ123および配管114のバルブ125を閉じる。また、供給ポンプ103を駆動させ、供給ポンプ104を停止する。
【0146】
配管110を通して貯槽101に貯溜された河川水等の原水1は、配管111を通して供給ポンプ103に与えられ、供給ポンプ103により昇圧されて膜モジュール100へ供給される。フラッシング洗浄時における膜モジュール100内部の動作は、上述の通りである。
【0147】
本実施例2においては、以上に示す処理システム300を用いて連続通水濾過試験を行い、1000時間の連続運転に伴う有効濾過圧力および透過流束の時間的変化を測定した。有効濾過圧力は、図4に示すように配管111に設けられた圧力計PI1により測定された内部流体の圧力値と配管112に設けられた圧力計PI2により測定した内部流体の圧力値とを減算することにより算出される。
【0148】
連続通水濾過試験の開始時に、上記処理システム300において一定時間の定量濾過運転を行い、その後、透過流束の回復手段として次の手順により上記の各種洗浄を行った。
【0149】
濾過運転停止後に膜モジュール100に対して配管116および配管112を通して空気7を注入した。空気7の注入による洗浄動作は上述の通りである。その後、透過水4による逆流洗浄を行い、最後にフラッシング洗浄を行った。
【0150】
ここで、本実施例2において用いたスパイラル型膜エレメント50a,50b,50cの仕様を表3に示し、運転条件を表4に示す。
【0151】
【表3】
Figure 0004215991
【0152】
【表4】
Figure 0004215991
【0153】
以上に基づき連続通水濾過試験を行った結果、1000時間にわたり90%の回収率で安定した運転が可能であった。図5は実施例2における濾過運転時間とスパイラル型膜エレメントの分離膜を透過する流体の透過流束との関係を示し、図6は実施例2における濾過運転時間と有効濾過圧力との関係を示す。
【0154】
[比較例2]
本比較例2では、比較例1と同様に、図7に示す処理システムを用いて連続通水濾過試験を行った。
【0155】
膜モジュール800の濾過時、逆流洗浄時およびフラッシング洗浄時の動作は、膜モジュール800の動作を除き、上述の実施例2に係る処理システム300と同様である。
【0156】
本比較例2においては、以上に示す処理システム600を用いて実施例2と同様の連続通水濾過試験を行った。有効濾過圧力は、図7に示すように配管111に設けられた圧力計PI1により測定された内部流体の圧力値と配管112に設けられた圧力計PI2により測定された内部流体の圧力値とを減算することにより算出される。
【0157】
連続通水濾過試験の開始時に、上記処理システム600において一定時間の定量濾過運転を行い、その後、透過流束の回復手段として実施例2と同様に、空気7の注入による洗浄動作、逆流洗浄およびフラッシング洗浄を行った。
【0158】
運転条件は実施例2と同様に表4に示した通りである。なお、スパイラル型膜エレメント850a,850b,850cの仕様は実施例2と同様に表3に示す通りである。
【0159】
以上に基づき連続通水濾過試験を行った結果を図8および図9に示す。
図8は比較例2における濾過運転時間とスパイラル型膜エレメントの分離膜を透過する流体の透過流束との関係を示し、図9は比較例2における濾過運転時間と有効濾過圧力との関係を示す。
【0160】
[評価]
上述の実施例1および比較例1において、同一の条件により濾過試験が行われた結果、実施例1による有効濾過圧力の測定値は0.14MPaであり、比較例1による有効濾過圧力の測定値は0.29MPaであった。
【0161】
全量濾過時においては、膜モジュールを構成するベッセルの構成の差異により有効濾過圧力が大きく変化し、本発明に係る直列ベッセル180を用いた膜モジュール100によれば有効濾過圧力を低減することができた。
【0162】
上述の実施例2および比較例2では、同一の条件により連続通水濾過試験が行われており、いずれも90%の回収率で1000時間の連続運転が行われている。
【0163】
ここで、実施例2および比較例2における濾過運転時間と透過流束との関係を図5および図8に基づき比較する。
【0164】
実施例2では、図5に示すように、処理システム300の試験開始時の透過流束は約3.4(m/日/(0.1MPa)at25℃)であり、時間の経過とともに透過流束がなだらかに低下している。そして、1000時間経過後の試験終了時においては透過流束は約1.7(m/日/(0.1MPa)at25℃)となっている。
【0165】
これに対し、比較例2では図8において、処理システム600の試験開始時の透過流束は約2.5(m/日/(0.1MPa)at25℃)であり、時間の経過とともに透過流束が低下している。そして、1000時間経過後の試験終了時においては透過流束は約1.3(m/日/(0.1MPa)at25℃)となっている。
【0166】
このように、連続運転時において、処理システム300は処理システム600と比較して常に高い透過流束を維持していることがわかる。
【0167】
次に、実施例2および比較例2における濾過運転時間と有効濾過圧力との関係を図6および図9に基づき比較する。
【0168】
実施例2では、図6に示すように、処理システム300の試験開始時の有効濾過圧力は約0.07(MPa)であり、時間の経過とともに有効濾過圧力がなだらかに低下している。そして、1000時間経過後の試験終了時においては有効濾過圧力は約0.1(MPa)となっている。
【0169】
これに対し、比較例2では図9に示すように、処理システム600の試験開始時の有効濾過圧力は約0.08(MPa)であり、時間の経過とともに有効濾過圧力が低下している。そして、1000時間経過後の試験終了時においては有効濾過圧力が約0.23(MPa)となっている。
【0170】
このように、連続運転時において、処理システム300は処理システム600と比較して常に低く安定した有効濾過圧力を維持していることがわかる。
【0171】
以上に示す通り、図4の処理システム300は連続運転時に、高い透過流束および低く安定した有効透過圧力を維持することが可能である。これは処理システム300の膜モジュール100に用いられる直列ベッセル180と処理システム600の膜モジュール800に用いられる直列ベッセル880との構造の違いによるものと考えられる。つまり、上述の通り直列ベッセル880は1個しか有さない原水入口のため濾過時に大きな圧力損失を生じるが、直列ベッセル180は3個の原水入口を有するため圧力損失が小さい。このため、洗浄時においても、直列ベッセル180を用いた場合には、直列ベッセル880を用いた場合と比較して良好な洗浄が行われる。
【0172】
また、実施例2では、空気を膜モジュール100内部へ注入することにより分離膜全体に有効な背圧をかけて膜面上に堆積した汚染物質を浮き上がらせ、直列ベッセル180の複数の原水入口21a,21b,21cから排出することにより、洗浄排出性が向上しているものと考えられる。その結果、処理システム300では、連続運転で高い透過流束を維持することができる。
【0173】
以上より、処理システム300を用いて上述の運転方法を行うことにより、長期にわたり安定して良好な濾過運転が可能となる。
【0174】
以上に示す実施の形態および実施例においては、原水入口21a,21b,21cが第1の液出入口に相当し、透過水出入口23,24が第2の液出入口に相当し、濃縮水出口22が第3の液出入口に相当する。また、配管111の分岐した複数の部分が複数の第1の配管部分に相当し、貯槽101が被処理液貯槽に相当し、供給ポンプ101が濾過用ポンプに相当し、配管112,113が第2の配管部分に相当し、貯槽102が透過液貯槽に相当し、配管114が第3の配管部分に相当し、供給ポンプ104が洗浄用ポンプに相当し、配管118が第4の配管部分に相当し、配管116が第5の配管部分に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る直列ベッセルを用いた膜モジュールの構造を示す模式的断面図である。
【図2】スパイラル型膜エレメントの構造および濾過時ならびに逆流洗浄時の動作を示す切欠き斜視図である。
【図3】スパイラル型膜エレメントの分離膜の断面図である。
【図4】実施例1,2に係る膜モジュールを用いた処理システムを示す模式的構成図である。
【図5】実施例2における濾過運転時間とスパイラル型膜エレメントの分離膜を透過する流体の透過流束との関係を示す図である。
【図6】実施例2における濾過運転時間と有効濾過圧力との関係を示す図である。
【図7】比較例1,2に係る膜モジュールを用いた処理システムを示す模式的構成図である。
【図8】比較例2における濾過運転時間とスパイラル型膜エレメントの分離膜を透過する流体の透過流束との関係を示す図である。
【図9】比較例2における濾過運転時間と有効濾過圧力との関係を示す図である。
【図10】従来の直列ベッセルを用いた膜モジュールの構造を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 原水
2 濃縮水
3 透過水
4 洗浄水
5,6 洗浄排水
7 空気
10 筒状ケーシング
11,12 端板
22 濃縮水出口
23,24 透過水出入口
30 パッキン
40 集水管
41 コネクタ
42 分離膜
43 透過水スペーサ
44 封筒状膜
45 原水スペーサ
100,800 膜モジュール
180,880 直列ベッセル
101,102 貯槽
103,104 供給ポンプ
110,111,112,113,114,116,117,118 配管
120,121,122,123,124,125 バルブ
300,600 処理システム
50a,50b,50c,850a,850b,850c スパイラル型膜エレメント
10a,10b,10c,10d 液室
21a,21b,21c 原水入口
42a 多孔性補強シート
42b 透過性膜体
PI1,PI2 圧力計

Claims (11)

  1. 液が流入および流出可能な両端面をそれぞれ有しかつ集水管をそれぞれ有する複数の膜エレメントと、
    前記複数の膜エレメントが直列に装填されるベッセルとを備え、
    前記複数の膜エレメントの集水管は直列に連結され、各膜エレメントの外周面と前記ベッセルの内周面との間にパッキンが設けられることにより前記ベッセル内に互いに分離された複数の液室が形成され、
    前記ベッセルは、前記複数の液室のうち前記複数の膜エレメントの一方の端面側の液室にそれぞれ連通する複数の第1の液出入口を有するとともに、前記複数の膜エレメントの前記集水管内に導出される透過液を取り出すための第2の液出入口を有し、
    前記複数の第1の液出入口にそれぞれ並列に接続される複数の第1の配管部分と、
    被処理液を貯留する被処理液貯槽と、
    濾過運転時に、前記被処理液貯槽に貯留された被処理液を前記複数の第1の配管部分を通して前記複数の第1の液出入口から前記複数の液室に並列に供給する濾過用ポンプと、
    前記第2の液出入口に接続される第2の配管部分と、
    前記濾過運転時に、前記第2の液出入口から前記第2の配管部分を通して取り出される透過液を貯留する透過液貯槽とをさらに備えたことを特徴とする膜モジュール。
  2. 前記第2の配管部分に合流するように接続される第3の配管部分と、
    洗浄処理時に、前記透過液貯槽に貯留された透過液を前記第3の配管部分および前記第2の配管部分を通して前記第2の液出入口から前記複数の膜エレメントの前記集水管に供給する洗浄用ポンプと、
    洗浄処理時に、前記複数の第1の液出入口から前記複数の第1の配管部分を通して取り出された洗浄液を排出する第4の配管部分とをさらに備えたことを特徴とする請求項記載の膜モジュール。
  3. 洗浄処理時に、前記第2の配管部分に気体を供給する第5の配管部分をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の膜モジュール。
  4. 前記ベッセルは、濾過運転時において最も下流側の膜エレメントから濃縮液が導出される液室に連通する第3の液出入口をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜モジュール。
  5. 液が流入および流出可能な両端面をそれぞれ有しかつ集水管をそれぞれ有する複数の膜エレメントと、前記複数の膜エレメントが直列に装填されるベッセルとを備える膜エレメントの運転方法であって、
    前記複数の膜エレメントの集水管は直列に連結され、各膜エレメントの外周面と前記ベッセルの内周面との間にパッキンが設けられることにより前記ベッセル内に互いに分離された複数の液室が形成され、
    前記ベッセルは、前記複数の液室のうち前記複数の膜エレメントの一方の端面側の液室にそれぞれ連通する複数の第1の液出入口を有するとともに、前記複数の膜エレメントの前記集水管内に導出される透過液を取り出すための第2の液出入口を有し、
    濾過運転時に、被処理液を前記複数の第1の液出入口から前記複数の液室に並列に供給するとともに、前記複数の膜エレメントの前記集水管内に導出される透過液を前記第2の液出入口から取り出すことを特徴とする膜モジュールの運転方法。
  6. 洗浄処理時に、前記第2の液出入口から前記複数の膜エレメントの前記集水管内に洗浄液を供給し、前記複数の膜エレメントから前記複数の液室に導出された洗浄液を前記複数の第1の液出入口からそれぞれ取り出すことを特徴とする請求項記載の膜モジュールの運転方法。
  7. 洗浄処理時に、前記第2の液出入口から前記複数の膜エレメントの前記集水管内に気体を供給することを特徴とする請求項5または6記載の膜モジュールの運転方法。
  8. 前記ベッセルは、濾過運転時において最も下流側の膜エレメントから濃縮液が導出される液室に連通する第3の液出入口を有し、
    洗浄処理時に、前記複数の第1の液出入口から洗浄液をそれぞれ供給し、前記複数の膜エレメントの膜面を平行に流れた洗浄液を前記第3の液出入口から取り出すことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の膜モジュールの運転方法。
  9. 前記複数の膜エレメントは、前記集水管の外周面に袋状の分離膜が巻回されてなりかつ0.05MPaより高く0.3MPa以下の背圧で逆流洗浄が可能なスパイラル型膜エレメントであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の膜モジュールの運転方法。
  10. 洗浄処理時に、前記第2の液出入口から前記複数の膜エレメントの前記集水管内に0.05MPaより高く0.3MPa以下の圧力で洗浄液を供給し、前記複数の膜エレメントから前記複数の液室に導出された洗浄液を前記複数の第1の液出入口からそれぞれ取り出すことを特徴とする請求項記載の膜モジュールの運転方法。
  11. 洗浄処理時に、前記第2の液出入口から前記複数の膜エレメントの前記集水管内に0.05MPaより高く0.3MPa以下の圧力で気体を供給することを特徴とする請求項9または10記載の膜モジュールの運転方法。
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