JP2001177197A - 窒化ケイ素配線基板 - Google Patents

窒化ケイ素配線基板

Info

Publication number
JP2001177197A
JP2001177197A JP35453499A JP35453499A JP2001177197A JP 2001177197 A JP2001177197 A JP 2001177197A JP 35453499 A JP35453499 A JP 35453499A JP 35453499 A JP35453499 A JP 35453499A JP 2001177197 A JP2001177197 A JP 2001177197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon nitride
insulating substrate
substrate
thickness
wiring board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35453499A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihisa Makino
晃久 牧野
Tomohide Hasegawa
智英 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP35453499A priority Critical patent/JP2001177197A/ja
Publication of JP2001177197A publication Critical patent/JP2001177197A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】パワー素子の発熱に対して優れた放熱性を有し
つつ且つパワーモジュールに適用した場合の構造を簡略
化し得る窒化ケイ素配線基板を得る。 【解決手段】窒化ケイ素を主成分とするセラミックスか
らなる厚み1mm以下の絶縁基板1表面に、厚みが0.
1mm以上の配線回路層2を活性金属法によって被着形
成されてなる窒化ケイ素配線基板において、セラミック
スの室温での抗折強度が700MPa以上であるととも
に、絶縁基板1に配線基板を他の部材に固定するための
貫通穴8を有し、貫通穴8の直径をAmm、絶縁基板1
の厚みをTmm、絶縁基板1側端面1aから貫通穴8端
部までの最短距離をLmmとしたとき、A/(L×
2)=<50の関係を満足するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化ケイ素を主成
分とするセラミックスからなる絶縁基板の表面に配線回
路層が形成された配線基板に関し、特にその表面にパワ
ー素子が搭載され、また配線回路層に対して大電流が印
加されるパワーモジュールなどに適用される配線基板の
改良に関する。
【0002】
【従来技術】近年、産業機器の分野ではMOSFETや
IGBTなどのパワー系デバイスを用いたパワーモジュ
ールが制御基板に適用されつつある。これらのパワー系
デバイスに使用される電流は数十〜数百Aを超え、非常
に高電力となるため、パワー系デバイスから発生する熱
も大きくなる。これによるデバイスの誤動作あるいは破
壊を防止するために、発生熱をいかに系外に放出するか
が大きな問題になっており、このようなパワー系デバイ
スを搭載する配線基板に対しては、絶縁基板として高い
熱伝導性が要求されている。
【0003】従来から、デバイスから発生した熱を放熱
するための好適な絶縁材料としては、炭化ケイ素、酸化
ベリリウム、窒化アルミニウム等のセラミックスが用い
られてきたが、量産性、安全性などの点から窒化アルミ
ニウム質セラミックスが多くのパワーモジュール用絶縁
基板として用いられている。
【0004】従来のパワーモジュールの構造について概
略断面図を図3に示した。図3のパワーモジュールによ
れば、絶縁基板21の一方の表面には、大電流が印加さ
れる肉厚の大きい銅あるいはアルミニウムなどの配線回
路層22が被着形成されている。そして、配線回路層2
2にはパワー素子23が搭載され、Alのワイヤボンデ
ィング24により、他の配線回路層22やパワー素子2
3あるいは電極25と電気的に接続されている。絶縁基
板21の他方の表面には、パワー素子23の作動によっ
て発生した熱を効率的に放熱するために、Cuなどの高
熱伝導体からなる放熱板26がロウ材等によって取付け
られている。
【0005】そして、パワー素子23を搭載した複数個
の絶縁基板21は、放熱性の高い底板27と、電極25
を具備する絶縁体側板28からなる筐体29へ半田を用
いて固定されてパワーモジュールが形成されている。そ
して、このパワーモジュールは冷却装置30に対して筐
体29を螺子などによって機械的に固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のパワーモジュー
ルには、通常、複数個のパワー素子23が搭載されてい
るが、パワー素子23を搭載するための絶縁基板21と
して、窒化アルミニウム質セラミックスを用いた場合、
窒化アルミニウム質セラミックスの強度が低いために絶
縁基板21自体を大きくすることができないために、図
3に示すように、個々のパワー素子23それぞれが個別
の絶縁基板21に搭載されて、それらパワー素子23が
搭載された複数の絶縁基板21を一枚の放熱板となる底
板27に半田付けされた複雑な構造からなり、その結
果、個々の絶縁基板21の底板27への取付け工程、あ
るいはそれらの取付け位置の精度など組み立て工程やモ
ジュール自体の構造が複雑になるなどの問題があった。
【0007】しかも、窒化アルミニウムセラミックスの
強度が低いために絶縁基板21厚みを薄くすることがで
きず、熱抵抗が高くなるため、セラミックス自体の高熱
伝導化が必要となり、その結果、高温で焼成する必要が
あるために製造コストが高くなるなどの問題があった。
【0008】従って、本発明は、パワー素子の発熱に対
して優れた放熱性を有しつつ且つパワーモジュールに適
用した場合の構造を簡略化し得る窒化ケイ素配線基板を
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に対して検討を重ねた結果、絶縁基板として窒化ケイ素
セラミックスを用いることによって、基板自体の強度を
高くすることによって1つの絶縁基板の表面に複数のパ
ワー素子を搭載することができるとともに、この窒化ケ
イ素絶縁基板の特定箇所に、放熱板や冷却装置などの他
の部材に対して螺子止めなどが可能な固定用の貫通穴を
形成することによって、配線基板のみならずパワーモジ
ュール全体の構造の簡略化を図ることができることを見
いだし本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の窒化ケイ素配線基板は、窒
化ケイ素を主成分とするセラミックスからなる絶縁基板
表面に、配線回路層が被着形成される窒化ケイ素配線基
板において、前記セラミックスの室温での抗折強度が7
00MPa以上であるとともに、前記絶縁基板に該配線
基板を他の部材に固定するための貫通穴を有し、該貫通
穴の直径をAmm、前記絶縁基板の厚みをTmm、前記
絶縁基板側端面から穴端部までの最短距離をLmmとし
たとき、A/(L×T2)=<50の関係を満足するこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、上記の配線基板においては、前記絶
縁基板の表面に2つ以上の半導体素子が搭載される場合
に好適である。
【0012】また、上記の配線基板においては、前記絶
縁基板の厚みが1mm以下であり、前記配線回路層が
0.1mm以上の金属板からなり、該配線回路層が活性
金属を用いて前記絶縁基板に接合されてなることを特徴
とするものであり、さらに、前記絶縁基板の熱伝導率が
40W/m・K以上であること、前記絶縁基板が、窒化
ケイ素を主成分とし、希土類元素及びアルカリ土類金属
を酸化物換算による合量で4〜30モル%、且つ前記希
土類金属(RE)及びアルカリ土類金属(R)の酸化物
換算によるモル比(RE23/RO)が0.1〜15の
割合となる比率で含有するとともに、Alの酸化物換算
による含有量が1.0モル%以下であることが望まし
い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の窒化ケイ素配線基
板について図1の概略断面図をもとに説明する。図1に
示されるように本発明の配線基板は、基本的には、窒化
ケイ素を主成分とするセラミックスからなる絶縁基板1
の表面には、大電流が印加される配線回路層2が被着形
成されており、また基板1表面には、複数のパワー素子
3が配列して搭載されており、それぞれのパワー素子3
はAlのワイヤボンディング4などにより、他の配線回
路層2、他のパワー素子3、あるいは基板1の端部に設
けられた端子電極5などと電気的に接続されている。一
方、絶縁基板1の裏面には、パワー素子3の作動によっ
て発生した熱を効率的に放熱するために、Cuなどの高
熱伝導体からなる放熱板6が取付けられている。そし
て、このような配線基板はさらに放熱性を高めるため
に、冷却装置7へ固定される。
【0014】本発明においては、この絶縁基板1に放熱
板6や冷却装置7などの他の部材に固定するための貫通
穴8を具備することが大きな特徴である。この貫通穴8
は、例えば、図1に示されるように、基板1の裏面に取
り付けられた放熱板7にも貫通穴9を形成し、それらの
穴8,9を冷却装置7に形成された穴10に整合させて
所定の螺子(図示せず)などによって螺子止めすること
ができる。
【0015】また、本発明によれば、そのような貫通穴
8を用いて螺子止めする場合、その締めつけ力によって
基板自体が破損する虞がある。このような破損は、セラ
ミックス自体の強度のみならず、その貫通穴の形成箇所
によってその発生頻度が大きく変化する。
【0016】本発明によれば、かかる観点から、絶縁基
板を構成する窒化ケイ素セラミックスの室温強度が70
0MPa以上であること、また図2に示すように、貫通
穴8の穴径をAmm、絶縁基板1の厚みをTmm、該絶
縁基板1の側端面1aから貫通穴8端部までの最短距離
をLmmとしたとき、A/(L×T2)=<50,特に
A/(L×T2)=<40を満足するように穴径、基板
厚み、穴位置を定めることが重要である。
【0017】なお、上記の室温強度は、JISR160
1の3点曲げ強度試験に基づき、測定し、破壊に至った
時の荷重を断面積で割った値である。また、端面1aか
ら貫通穴8端部までの最短距離は、基板の4つの端面部
のうち、最も貫通穴に近接している側端面からの距離で
ある。
【0018】これは、窒化ケイ素セラミックスの熱伝導
率は窒化アルミニウムセラミックスよりも非常に低いた
めに、その基板の熱抵抗を低減するためには、その厚み
を1mm以下に薄く設定する必要がある。そのために、
窒化ケイ素セラミックスの強度が700MPaよりも低
いと、配線基板自体の絶対強度が低下し、基板自体を複
数のパワー素子を搭載できるほどの大きな面積を有する
基板を作製することが困難であり、しかも配線基板のい
かなる位置にいかなる大きさの穴が開いても、固定の際
に生じる応力により絶縁基板が破壊する確率が非常に大
きくなるためである。
【0019】また、窒化ケイ素セラミックスの強度が大
きくても、A/(L×T2)>50の場合には、螺子止
め固定の際に生じる応力により、特に基板の側端面と穴
端部間において、クラックが発生してしまう。従って、
基板強度が700MPaを超える絶縁基板に対し、A、
T、Lが上式を満足するように貫通穴を設けることによ
り、絶縁基板を破壊させることなく冷却装置に直接固定
することが可能になり、パワーモジュールの構造を簡略
化することが可能になる。
【0020】また、本発明の絶縁基板の厚さは前述の理
由から1mm以下、特に0.7mm以下、さらには0.
4mm以下であることが望ましい。これは、配線基板と
して熱抵抗を小さくするために必要であり、厚さが1m
mよりも厚いと配線基板の熱抵抗が増大する結果、パワ
ー素子の作動により発生する熱を放熱板や冷却装置に対
して効率的に伝達することが困難となるためである。
【0021】また、本発明によれば、絶縁基板1を構成
する窒化ケイ素質セラミックスは、パワー素子の作動に
より発生する熱を放熱板や冷却装置に対して効率的に伝
達する上で、熱伝導率が高いことが望ましく、特に熱伝
導率が40W/m・K以上、特に50W/m・K以上が
望ましい。
【0022】絶縁基板を構成する窒化ケイ素セラミック
スはβ−窒化ケイ素を主体とするものであり、焼結体の
断面における電子顕微鏡写真より求めた平均アスペクト
比が1.5〜5、短軸径が0.1〜1μmの結晶から構
成される。
【0023】そして、この焼結体の粒界相には、焼結助
剤成分として、少なくとも希土類元素(RE)を含有す
るものである。希土類元素(RE)としてはY、La、
Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Luの何れの元素でも好適に用
いる事ができるが、これらの中でもY、Ce、Sm、D
y、Er、Yb、Lu、とりわけY、Erが特性、コス
トの点で望ましい。
【0024】また、本発明によれば、焼結性を高め、且
つ上記特性を具備するためにMgなどのアルカリ土類金
属を含有することが望ましく、前記希土類元素及びアル
カリ土類金属は酸化物換算による合量で4〜30モル
%、特に5〜25モル%の範囲で配合される。但し、前
記希土類元素(RE)とアルカリ土類金属(R)との酸
化物換算によるモル比(RE23/RO)が0.1〜1
5、特に0.5〜13の範囲となることが望ましい。
【0025】これは上記合量が4モル%より少ないと、
焼結体を十分に緻密化させることが難しく、30モル%
を越えると焼結体中での粒界相の占める割合が増加する
為に熱伝導率が低下しやすくなるためである。またRE
23/MgOの比率が15を越えたり、0.1より小さ
くなっても、緻密化は不十分となり、熱伝導率は低下す
る。
【0026】また、Al23などのAl化合物の配合
は、焼結性の向上に大きく寄与するが、Si34結晶中
に固溶してフォノンの伝播を阻害する結果、焼結体の熱
伝導率を著しく低下させるため、高熱伝導化のためには
存在しないことが望ましく、具体的には、Alは酸化物
換算で1.0モル%以下、望ましくは0.5モル%以
下、より望ましくは0.1モル%以下、更には0.01
モル%以下にするのが良い。
【0027】なおこの焼結体中には着色成分としてT
i、Hf、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、など周
期律表第4a、5a、6a属金属のうち少なくとも1種
を酸化物換算で0.05〜1重量%の割合で含んでいて
もよい。
【0028】本発明の窒化ケイ素配線基板を製造するに
は、まず絶縁基板を作製する。この絶縁基板は、窒化ケ
イ素粉末に対して、焼結助剤として、希土類元素化合
物、Mgなどのアルカリ土類金属化合物を前述の比率に
配合する。
【0029】このとき、用いる窒化ケイ素粉末として
は、焼結体表面の荒れや強度の劣化、さらには焼結性を
助長する上で不純物酸素量が0.5〜3.0重量%のも
のが望ましい。また、平均粒径は、0.1〜1.5μm
であり、α率が80%以上であることが望ましい。な
お、焼結助剤となる化合物は、酸化物、炭酸塩、酢酸塩
など焼成によって酸化物を形成しうる化合物であること
が望ましい。
【0030】次に、該混合粉末に有機バインダーと溶媒
とを添加してスラリーを調製し、このスラリーをドクタ
ーブレード法、カレンダーロール法、圧延法、押し出し
成形法等の周知の成形方法により基板状成形体を作製す
る。この基板状成形体は単層でもよいし、薄肉のシート
状成形体を積層したものでもよい。得られた基板状成形
体の所定の位置に金型等を用いて貫通穴を形成する。
【0031】その後、上記成形体を弱酸化性雰囲気中に
て脱バインダー処理した後、窒素などの非酸化性雰囲気
中で、1800℃以下の温度で焼成することにより絶縁
基板を作製することができる。
【0032】次に、得られた絶縁基板に、Cu−Ag−
Ti或いはCu−Au−Tiなどの活性金属を含有する
ロウ材のペーストを塗布し、厚さ0.1mm以上の金属
箔あるいは金属板を積層し、あるいは、同様にして基板
の裏面に上記活性金属を用いて厚さ0.1mm以上の放
熱板を積層し、800〜900℃で加圧しながら焼付け
を行う。焼付け後、金属箔や金属板にレジスト塗布、露
光、現像、エッチング処理、レジスト剥離などの手法に
よって、所定の回路パターンからなる配線回路層を形成
することにより窒化ケイ素配線基板を得る。
【0033】さらに冷却装置や放熱板に固定する場合に
は配線基板に形成した貫通穴を介して任意の螺子などの
固定治具を用いてこの配線基板を固定することができ
る。
【0034】
【実施例】平均粒径が1.2μm、酸素量が1.3重量
%、α率93%の直接窒化法により製造された窒化ケイ
素原料粉末に希土類元素酸化物、MgCO3、場合によ
ってはAl23を表1に示すような成形体組成となるよ
うに添加混合し、その混合粉末に対して成形用バインダ
ーとしてアクリル樹脂バインダーを、溶媒としてトルエ
ンを添加してスラリー化する。そして、そのスラリーを
用いてドクターブレード法により厚さ0.3mmのグリ
ーンシートを得た。かくして得られたグリーンシートを
適宜積層し、直径12mm、厚さ5mmの円板状に、ま
た基板強度測定用に厚さ0.3mm、幅12mm、長さ
60mmの板状に成形した。
【0035】かくして得られた成形体を弱酸化性雰囲気
中、所定温度で脱バインダーした後、常圧窒素雰囲気中
で焼成して窒化ケイ素質セラミックスを作製し、評価用
の試料とした。
【0036】得られた評価用試料を用いて、まずアルキ
メデス法により窒化ケイ素質セラミックスの密度を測定
した。ついでレーザーフラッシュ法により熱伝導率を、
JISR1601の3点曲げ試験機により基板強度をそ
れぞれ室温中で測定した。
【0037】また、上記各組成物を用いて、種々の厚み
の絶縁基板を作製した。この際、成形体に基板外周の所
定の位置に所定の大きさの穴を設けた。この絶縁基板に
12N・mのねじり応力をかけ、絶縁基板の破壊状況を
確認した。
【0038】また、この基板に活性金属法によって厚さ
0.5mmのCu板を接合し、エッチング処理すること
により、Cu板による配線回路層を形成した。その後、
3個のパワー素子を自動実装装置にて半田付けして実装
した。その後100Aの電流を印加し、チップの破壊状
況を確認した。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果によれば、基板厚みを0.32
mm、基板側端面−穴端部距離を4mmに固定して穴径
を徐々に大きくしていった結果、24mmまで大きくし
た試料No.6は、A/(L×T2)が59となり、固
定の際に基板が破壊した。この時の破壊はすべて基板端
面−穴端部の距離が最も短くなる部分で発生した。
【0041】次に、穴径を12mm、基板端面−穴端部
距離を4mmに固定して、基板厚みを薄くした結果、基
板厚みを0.16mmにした試料No.7はA/(L×
2)が117となり、基板はすべて応力付加直後に破
壊した。
【0042】さらに、穴径を12mm、基板厚みを0.
32mmに固定して基板端面−穴端部の距離を短くして
いった結果、2mm以下にした試料No.11、12は
A/(L×T2)がそれぞれ59、117となり、基板
固定の際に破壊が多発した。この時の破壊は穴の近傍の
部分から発生しており、破壊の起点は一貫していなかっ
た。
【0043】以上の結果より、基板を貫通する穴を設け
る際に、A/(L×T2)が50以下の試料はすべて良
好に固定でき、このような位置に設けることにより冷却
装置へ直接固定することが可能であることを確認した。
【0044】また、材料組成について、希土類元素(R
E)及びMgを酸化物換算による合量が4モル%よりも
少ない試料No.13、希土類金属及びMgの酸化物換
算によるモル比(RE23/MgO)が0.1よりも小
さい試料No.18、及び上記モル比が15よりも大き
い試料No.21では、緻密化不足になり強度が700
MPaより低くなり、固定時に破壊が発生し、また熱伝
導率も低いものであった。また、上記合量が30モル%
を超える試料No.17では緻密化されるものの、強度
が700MPa未満となり、また熱伝導率も低下した。
【0045】なお、熱伝導性の観点からはAl量が酸化
物換算で1モル%以下で40W/m・K以上の特性が得
られた。
【0046】以上の結果から、基板強度が700MPa
を下回るものはA/(L×T2)=<50を満足する穴
を設けても、固定時に破壊しており、材料特性として基
板強度700MPa以上が不可欠であることが分かる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明の配線基板
は、絶縁基板として高強度の窒化ケイ素質セラミックス
を用い、且つ特定の条件を満足する箇所に貫通穴を形成
することによって、冷却装置などへ直接固定可能な配線
基板としてパワーモジュール構造を著しく簡略化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化ケイ素配線基板を用いたパワーモ
ジュールの概略断面図である。
【図2】絶縁基板と貫通穴の位置関係を説明するための
図である。
【図3】従来のパワーモジュールの概略断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 配線回路層 3 パワー素子 4 ワイヤ 5 端子電極 6 放熱板 7 冷却装置 8,9 貫通穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G001 BA03 BA08 BA32 BA73 BA81 BB03 BB06 BB08 BB32 BC12 BC13 BC17 BC34 BD03 BD14 BD38 5E338 AA01 AA18 BB02 BB13 BB63 BB75 CC01 EE02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化ケイ素を主成分とするセラミックスか
    らなる絶縁基板表面に、配線回路層が被着形成されてな
    る窒化ケイ素配線基板において、前記セラミックスの室
    温での抗折強度が700MPa以上であるとともに、該
    配線基板を他の部材に固着するための貫通穴が形成され
    ており、該貫通穴の直径をAmm、前記絶縁基板の厚み
    をTmm、前記絶縁基板側端面から穴端部までの最短距
    離をLmmとしたとき、A/(L×T2)=<50の関
    係を満足することを特徴とする窒化ケイ素配線基板。
  2. 【請求項2】前記絶縁基板の表面に2つ以上の半導体素
    子が搭載される請求項1記載の窒化ケイ素配線基板。
  3. 【請求項3】前記絶縁基板の厚みが1mm以下であり、
    前記配線回路層が0.1mm以上の金属板からなり、該
    配線回路層が活性金属を用いて前記絶縁基板に接合され
    てなることを特徴とする請求項1記載の窒化ケイ素配線
    基板。
  4. 【請求項4】前記絶縁基板の熱伝導率が40W/m・K
    以上であることを特徴とする請求項1記載の窒化ケイ素
    配線基板。
  5. 【請求項5】前記絶縁基板が、窒化ケイ素を主成分と
    し、希土類元素及びアルカリ土類金属を酸化物換算によ
    る合量で4〜30モル%、且つ前記希土類金属(RE)
    及びアルカリ土類金属(R)の酸化物換算によるモル比
    (RE23/RO)が0.1〜15の割合となる比率で
    含有するとともに、Alの酸化物換算による含有量が
    1.0モル%以下であることを特徴とする請求項1記載
    の窒化ケイ素配線基板。
JP35453499A 1999-12-14 1999-12-14 窒化ケイ素配線基板 Pending JP2001177197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35453499A JP2001177197A (ja) 1999-12-14 1999-12-14 窒化ケイ素配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35453499A JP2001177197A (ja) 1999-12-14 1999-12-14 窒化ケイ素配線基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001177197A true JP2001177197A (ja) 2001-06-29

Family

ID=18438205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35453499A Pending JP2001177197A (ja) 1999-12-14 1999-12-14 窒化ケイ素配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001177197A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006186050A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Hitachi Metals Ltd セラミックス回路基板およびパワーモジュール
JP2014139655A (ja) * 2012-12-21 2014-07-31 Ricoh Co Ltd 2次元画像表示装置および2次元画像表示装置用の光走査装置及び被走査面素子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006186050A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Hitachi Metals Ltd セラミックス回路基板およびパワーモジュール
JP4640633B2 (ja) * 2004-12-27 2011-03-02 日立金属株式会社 セラミックス回路基板およびパワーモジュール
JP2014139655A (ja) * 2012-12-21 2014-07-31 Ricoh Co Ltd 2次元画像表示装置および2次元画像表示装置用の光走査装置及び被走査面素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1701381B1 (en) Ceramic circuit board
JP5665657B2 (ja) 低温焼成セラミック焼結体およびその製造方法、並びに配線基板
US11964919B2 (en) Method for manufacturing active metal-brazed nitride ceramic substrate with excellent joining strength
US20090283307A1 (en) Silicon nitride substrate, silicon nitride circuit substrate using the same, and its use
JP5667045B2 (ja) 窒化アルミニウム基板、窒化アルミニウム回路基板および半導体装置
JP2003040668A (ja) 低温焼成セラミック焼結体およびその製造方法、並びに配線基板
JP2698780B2 (ja) 窒化けい素回路基板
JPH08195450A (ja) 半導体装置用基板
JP3193305B2 (ja) 複合回路基板
JP2003101217A (ja) 回路基板及びその製造方法
JP2000128654A (ja) 窒化ケイ素複合基板
JPH1093244A (ja) 多層窒化けい素回路基板
JP2001177197A (ja) 窒化ケイ素配線基板
JP2010215465A (ja) 窒化アルミニウム基板およびその製造方法並びに回路基板、半導体装置
JP3652192B2 (ja) 窒化ケイ素配線基板
KR100261793B1 (ko) 고강도 고신뢰성 회로기판 및 그 제조방법
JP2005101624A (ja) パワーモジュール用配線基板
JP2002356376A (ja) 配線基板及びその製造方法
JP2772274B2 (ja) 複合セラミックス基板
JP2000244121A (ja) 窒化珪素質配線基板およびその製造方法
JP3668083B2 (ja) セラミック配線基板
JP5073135B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体、その製造方法及び用途
JP2000114425A (ja) パワーモジュール用配線基板
JP3683067B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体
JPH0997862A (ja) 高強度回路基板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040714

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050111