JP2001177114A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
の温度特性が正でスイッチング速度が速い半導体装置を
提供する。 【解決手段】150Ω−cmの比抵抗のn- ベース層3
の一方の面にpアノード層1がボロンドーズ量が3.0
×1013cm-2で1150ど、5時間の熱処理で形成さ
れ、他方の面にnカソード層2が形成され、pアノード
1表面にアノード電極5が形成され、裏面にはカソード
電極6が形成され、ライフタイムコントロールのため
に、18Mradの電子線照射を行い、357℃の熱処
理を行う。この場合、捕獲準位が+0.15eVとな
る。このようにして製作した素子のオン電圧の温度特性
は正となる。
Description
子として用いられる半導体装置に関する。
ラトランジスタ)の進歩は目覚ましく、低オン電圧、高
速スイッチング特性を実現しており、理論限界に近づい
ている。一方、IGBTモジュールの中でIGBTと同
時に使用されるダイオードの特性は、IGBTと比べる
と特性的に不十分であり、開発ターゲットとして、ダイ
オードが注目を集めている。
低オン電圧、高速スイッチング特性などがあるが、なか
でも近年注目されているのが、オン電圧の温度依存性で
ある。近年、IGBTモジュールの大容量化が急激に進
み、IGBTモジュール内に組み込まれ、並列接続され
て使用されるダイオードチップの数が益々増加してきて
いる。
力変換装置が、負荷短絡などの事故を起こすと、このI
GBTモジュールには大電流が流れる。もし、ダイオー
ドのオン電圧の温度特性が負、すなわち温度上昇に伴い
オン電圧が低下する特性を有している場合、ダイオード
に流れる電流は益々流れるようになる。例えば、複数個
のダイオードが並列接続されている場合には、このダイ
オードの内で1番オン電圧の低い素子に電流が集中し、
破壊することになる。
2端子素子である。また、そのスイッチング速度を向上
させるために、ライフタイムコントロールをしているの
が通常である。半導体物理から、温度が上昇するにつれ
てpn接合間の拡散電位差は小さくなり、またライフタ
イムキラーの効果が効きにくくなる。これらのことは、
すべて高温において、オン電圧が低下するように働いて
しまう。ショットキーダイオードは、少数キャリアの注
入を伴わないために、オン電圧の温度特性は正となり、
またスイッチング速度も速いが、オン電圧そのものが高
いという問題がある。
は、p+ アノード層の濃度を小さくし、且つ、拡散深さ
を浅くする構造で、オン電圧の温度特性を正とする試み
が、A.Prost et al,"Improvement of the diode charac
teristics using emitter-controlled principles(EMIC
ON-DIODE)",in Proc.of IEEE ISPSD'97, pp.213-216,19
97の論文で開示されている。また、ショットキーダイオ
ードとpnダイオードをひとつのセル内で並列接続した
素子構造とすることで、p+ アノード層からの少数キャ
リアの注入を少なくし、オン電圧の温度特性を正に保ち
ながら、オン電圧自身を小さくし、且つスイッチング速
度を速くするという特性向上を図る試みが、M.Mori et
al,"A novel soft and fast recovery diode(SFD)with
thin p-layer formed by Al-Si electrode",in Proc.of
IEEE ISPSD'91,pp.113-117,1991の論文で開示されてい
る。
イオードでは、p+ アノード層の濃度を低くし、深さを
浅くしたものは、逆方向電圧を印加した際にp+ アノー
ド層がパンチスルーしてしまい、十分な耐圧が出ないと
いう問題がある。また、ショットキーダイオードとpn
接合ダイオードをひとつのセル内で並列接続した素子構
造においては、ショットキー部の形成に非常に浅く、且
つ濃度の小さなp層を利用することから、ショットキー
障壁の高さの制御が困難で、オン電圧特性にばらつきが
生じ、また、ショットキー障壁に逆耐圧が印加された場
合に漏れ電流がpn接合に逆耐圧が印加された場合より
も大きくなるという問題点がある。
て、耐圧特性が良好で、オン電圧が低く、オン電圧の温
度特性が正でスイッチング速度が速い半導体装置を提供
することにある。
めに、高抵抗の第1導電形ベース層と、該第1導電形ベ
ース層の表面に形成された第2導電形アノード層と、該
第2導電形アノード層の表面に形成されたアノード電極
と、前記第1導電形ベース層の反対の表面に形成された
第1導電形カソード層と、該第1導電形カソード層の表
面に形成されたカソード電極とを具備する半導体装置に
おいて、該半導体装置内に存在する捕獲準位が、前記半
導体装置を形成する半導体材料のバンドギャップの中央
から±0.18eV以内にあるようにする。
い。前記捕獲準位が、電子線照射と該電子線照射した後
の熱処理で形成されるとよい。前記第2導電形アノード
層が、4.0×1012cm-2以上で、5.0×1014c
m-2以下のドーズ量の不純物原子をイオン注入して形成
されると効果的である。
にライフタイムキラーの捕獲準位がくることで、高温に
おいても、電子および正孔の再結合する確率を大きくで
きる。その結果、高温での抵抗が大きくなり、オン電圧
の温度特性を正とすることができる。また、第2導電形
アノード層を形成するときの不純物原子のドーズ量を
4.0×1012cm-2以上で、5.0×1014cm-2以
下となるように、第2導電形アノード層の不純物濃度を
設定し、前記のようにライフタイムキラーの捕獲準位を
定めることで、オン電圧の温度特性を、一層、正とする
ことができる。
明の実施例を説明する。以下の実施例では、第1導電型
をn型、第2導電形をp型として説明するが、これを逆
にしてもよい。図1は、この発明の第1実施例の半導体
装置の要部断面図である。この半導体装置は、高比抵抗
のn- ベース層3の一方の面にpアノード層1が形成さ
れ、他方の面にnカソード層2が形成されている。pア
ノード1表面にアノード電極5が形成される。裏面には
カソード電極6が形成される。
素子は、比抵抗が150Ω−cmで350μmのn型シ
リコン基板に、150μmの深さのn+ 拡散層が形成さ
れたn型DWウエハ(拡散済シリコンウエハ)を用いて
製作する。このn+ 拡散層がnカソード層2となり、こ
のn+ 拡散層が拡散されない層がn- ベース層3とな
る。従ってn- ベース層3の比抵抗は150Ω−cmと
なり、nカソード層の拡散深さは、後述の熱処理前で、
150μmになる。このn型DWウエハのn+ 拡散層と
は反対側の表面層に、pアノード層1をボロンのイオン
注入と熱拡散で形成した。イオン注入の条件は、ドーズ
量3.0×1013cm-2で、熱処理条件は、1150℃
で5時間である。このようにして製作した素子に、ター
ンオフ時間短縮化のためのライフタイムコントロール
(ライフタイムキラーの導入量の制御)を電子線照射で
行い、その後、アニール(熱処理)する。この電子線照
射とアニールの条件は18Mradで357℃である。
尚、この素子の逆耐圧は2200Vである。
し、また、本発明素子を3個並列接続して遮断試験で
は、最大遮断電流は6000Aとなり、1素子当たり、
2000Aで、従来素子の5倍大きいことが分かった。
また、逆回復特性も従来素子に比べて良好であり、スイ
ッチング時間の高速性とソフトリカバリー特性が優れて
いることが分かった。
バンドギャップ内に形成される捕獲準位のエネルギレベ
ルに依存する。捕獲準位がバンドギャップの中央から離
れて、伝導帯や価電子帯に近づくと、捕獲準位が電子と
正孔を再結合させる働きが弱くなり、温度が高くなるに
従ってその働きが一層弱まる。例えば、伝導帯に近づく
と捕獲準位は電子を捕獲し易くなるが、この捕獲された
電子が価電子帯の正孔と再結合する確率が小さくなり、
一方、価電子帯に近づくと、捕獲準位が電子を捕獲する
確率が小さくなる。この確率は温度が上昇するとさらに
小さくなる。そのため、捕獲準位がバンドギャップの中
央付近に存在すると、温度上昇しても、再結合の確率の
低下が抑制されて、温度特性は正となる。
圧の比と捕獲準位の関係をシミュレーションした結果を
示す図である。この比が1を超えた場合に、温度特性は
正となる。このシミュレーション結果から、捕獲準位
が、バンドギャップの中央から+0.18eV以内にあ
るとオン電圧の温度特性が正であることが分かる。ま
た、このシミュレーション結果から、前記の電子線照射
とアニール条件が18Mradで357℃の場合は、捕
獲準位が+0.15eVである。
電圧の温度特性に対する影響を調査したので、つぎに説
明する。表1は、電子線照射とアニール条件を変化させ
て、25℃と125℃のオン電圧との関係を比較実験し
た結果を示す。
流としては150Aである。従って、オン電圧は、定格
電流である150A通電したときのアノード・カソード
間の電圧降下である。試作した素子は、室温でのオン電
圧VF が1.9V±0.1Vになるように電子線照射量
とアニール温度を共に変えている。具体的には、表1に
示すように、電子線照射量とアニール温度の組み合わせ
は、(4Mrad、310℃)、(6Mrad、322
℃)、(10Mrad、336℃)、(14Mrad、
348℃)、(18Mrad、357℃)の5種類にで
ある。(10Mrad、336℃)の組み合わせが、従
来相当素子であり、(18Mrad、357℃)の組み
合わせが本発明素子である。
ると、125℃でのオン電圧が上昇していることが分か
る。さらに、表1から、電子線照射量を18Mrad
で、アニール温度を357℃とすると、125℃のオン
電圧が、25℃のオン電圧よりも高くなることが分か
る。また、図3に従来相当素子と本発明素子のI−V特
性波形を示す。同図(a)は従来相当素子で、同図
(b)は本発明素子である。従来相当素子(10Mra
d、336℃)では25℃に比べて125℃のオン電圧
が電流が大きい領域においても低くなっている。一方、
本発明素子(18Mrad、357℃)は、電流が大き
い領域では、25℃のオン電圧より125℃のオン電圧
が高くなり、定格電流では、オン電圧の温度特性は正と
なっている。
Mrad、357℃)で、オン電圧の温度特性は正を示
し、その他の組み合わせでは負を示す。また、シミュレ
ーション結果によると、オン電圧の温度特性が、捕獲準
位のエネルギーレベルで変化する。一方、電子線照射量
とアニール温度の組み合わせを変化させることで、オン
電圧の温度特性が変化する。このことから、電子線照射
量とアニール温度の組み合わせと、捕獲準位のエネルギ
ーレベルとが関係することが分かる。(18Mrad、
357℃)の組み合わせでは、捕獲準位は、バンドギャ
ップの中央から+0.15eVであることが判明した。
また、(10Mrad、336℃)の組み合わせでは、
+0.25eVであり、(4Mrad、310℃)の組
み合わせでは、+0.32eVであることが分かる。
測定すると、バンドギャップの中央から+0.15eV
の捕獲準位に、多くの捕獲中心が存在する。このDLT
Sで得られた+0.15eVの捕獲準位はつぎのように
考えられる。電子線照射によるライフタイムキラーの捕
獲準位は、Baliga et al,"Comparision of gold,platin
um,and electron irradiation for controlling lifeti
me in power rectifiers",IEEE Trans.Electron Device
s,ED24,pp.685-688(1977) の論文で報告されており、そ
れによれば、捕獲準位はバンドギャップの中央から、+
0.16eV、+0.33eV、−0.29eVの3種
類ある。
0.15eVの値は、DLTSで測定して得られた、多
くの捕獲中心が存在する捕獲準位と一致する。シミュレ
ーションで得られた捕獲準位およびDLTSで得られた
捕獲準位は、前記論文の3種類の捕獲準位を捕獲中心密
度で加重平均したものと考えられる。従って、本発明素
子の捕獲準位である+0.18eVの値は、前記論文の
+0.16eVの捕獲準位にある捕獲中心の密度が他の
捕獲準位にある捕獲中心の密度に比べて圧倒的に多く、
つぎに多い捕獲順位は−0,29であり、+0.33e
Vの捕獲順位は極めて少ないことを意味する。
逆回復ピーク電流Irpを示す。
ー回路で行った。この回路のLに蓄積したエネルギー
(LI2 )で、DUT(ダイオード)に還流電流を流
し、この還流電流が流れている間にIGBTをオンさせ
る。IGBTがオンすると、DUTに還流電流を打ち消
す逆電流が流れて、DUTは逆回復過程に入り、DUT
に逆電流が流れる。尚、図中のEは電源、DUTは供試
素子で試作したダイオード、Lはインダクタンスで1m
H、IGBTは補助素子、Rは抵抗で25Ω、Vgはゲ
ート駆動電源である。測定条件は、印加電圧が900
V、順方向電流(IF )が150A、順電流減衰率(−
di/dt)が1000A/μsである。
の素子に比べて良好な逆回復特性を示し、特に、本発明
素子はソフトリカバリー特性が優れている(trr2/trr1
≧1)。図5は、この発明の第2実施例の半導体装置の
要部断面図である。素子構成は図1と同じであり、高比
抵抗のn- ベース層8の一方の面にpアノード層6が形
成され、他方の面にnカソード層7が形成されている。
pアノード層6表面にアノード電極9が形成される。裏
面にはカソード電極10が形成される。
素子は、比抵抗が120Ω−cmで300μmのn型シ
リコン基板に、180μmの深さのn+ 拡散層が形成さ
れたn型DWウエハ(拡散済シリコンウエハ)を用いて
製作する。このn+ 拡散層がnカソード層7となり、こ
のn+ 拡散層が拡散されない層がn- ベース層8とな
る。従ってn- ベース層8の比抵抗は120Ω−cmと
なり、nカソード層7の拡散深さは、後述の熱処理前
で、180μmになる。このn型DWウエハのn+拡散
層とは反対側の表面層に、pアノード層9をボロンのイ
オン注入と熱拡散で形成した。イオン注入の条件は、ド
ーズ量3.0×1013cm-2で、熱処理条件は、115
0℃で5時間である。この素子の逆耐圧は2000Vで
ある。このようにして製作した素子に、ターンオフ時間
短縮化のためのライフタイムキラーを電子線照射によっ
て導入し、その後アニールした。この電子線照射とアニ
ール条件は、18Mradで357℃である。
示す。DLTSで測定すると、バンドギャップの中央か
ら+0.16eVの捕獲準位に、多くの捕獲中心が存在
している。これは、前記のBarigaらの論文で示された−
0.29eVの捕獲準位に存在する捕獲中心の割合が、
前記の第1実施例の素子に比べて多少少ないためと考え
られる。
の最大遮断電流は5800Aとなり、1素子当たり、1
600Aで、従来相当素子(10Mrad、336℃)
の5倍強大きいことが分かった。また、後述するよう
に、逆回復特性も従来素子に比べて良好であり、ソフト
リカバリー特性も優れている。前記の電子線照射とアニ
ール条件の、オン電圧の温度特性に対する影響を調査し
たので、つぎに説明する。
させて、25℃と125℃のオン電圧との関係を比較実
験した結果を示す。
流としては150Aである。従って、オン電圧は、定格
電流である150A通電したときのアノード・カソード
間の電圧降下である。試作した素子は、室温でのオン電
圧VF が1.9V±0.1Vになるように電子線照射量
とアニール温度を共に変えている。具体的には、表3に
示すように、電子線照射量とアニール温度の組み合わせ
は(4Mrad、310℃)、(6Mrad、322
℃)、(10Mrad、336℃)、(14Mrad、
348℃)、(18Mrad、357℃)の5種類に設
定した。この(10Mrad、336℃)の組み合わせ
が従来相当素子であり、(18Mrad、357℃)が
本発明素子である。
高く設定することで、高温でのオン電圧が上昇している
ことが分かる。表3から、従来相当素子では25℃に比
べて125℃のオン電圧が電流が大きい領域においても
低くなっているが、本発明素子は、電流が大きい領域で
は、25℃のオン電圧より125℃のオン電圧が高くな
り、定格電流では、オン電圧の温度特性は正となってい
る。
および逆回復ピーク電流Irpを示す。
は、印加電圧が900V、順方向電流(IF )が150
A、順電流減衰率(−di/dt)が1000A/μs
である。
素子に比べて良好な逆回復特性を示し、ソフトリカバリ
ー特性が優れている。図6は、この発明の第3実施例の
半導体装置の要部断面図である。素子構成は、図1およ
び図5と同じであり、高比抵抗のn- ベース層13の一
方の面にpアノード層11が形成され、他方の面にnカ
ソード層12が形成されている。pアノード11層の表
面にアノード電極14が形成される。裏面にはカソード
電極15が形成される。
素子は、比抵抗が120Ω−cmで300μmのn型シ
リコン基板に、180μmの深さのn+ 拡散層が形成さ
れたn型DWウエハ(拡散済シリコンウエハ)を用いて
製作する。このn+ 拡散層がnカソード層12となり、
このn+ 拡散層が拡散されない層がn- ベース層13と
なる。従ってn- ベース層13の比抵抗は120Ω−c
mとなり、nカソード層12の拡散深さは、後述の熱処
理前で、180μmになる。このn型DWウエハのn+
拡散層とは反対側の表面層に、pアノード層11をボロ
ンのイオン注入と熱拡散で形成した。イオン注入の条件
は、ドーズ量4.0×1012cm-2ないし5.0×10
14cm-2の範囲で選定し、熱処理条件は、1150℃で
5時間である。このようにして製作した素子に、ターン
オフ時間短縮化のためのライフタイムキラーを電子線照
射によって導入した。また前記のように、電子線照射後
のアニール温度を変化させることで、ライフタイムキラ
ーの捕獲準位をバンドギャップのどのレベルに残すかを
制御する。本実施例でも、前記と同様に、電子線照射と
アニール条件は、18Mradで357℃とする。この
条件では、後述するように、オン電圧の温度特性が正
で、且つ、素子耐圧は2000Vを確保できる。後述す
るように、このボロンドーズ量が5.0×1014cm-2
を超えると、オン電圧の温度特性は負となる。これは、
ボロンドーズ量を上げることで、pアノード層からの少
数キャリアの注入効率が大きくなり、温度上昇によっ
て、この効果がより顕著になるためである。また、4.
0×1012cm-2未満では、素子耐圧が2000Vから
1200Vに急激に低下する。これは、ボロンドーズ量
を下げすぎると逆耐圧印加時に空乏層がpアノード層全
体に拡がり、アノード電極に空乏層が達する、所謂、パ
ンチスルー現象が起こるためである。
の温度特性および耐圧特性に対する影響を調査したので
説明する。図7は、第3実施例の素子構造で、25℃と
125℃のオン電圧比および耐圧とボロンドーズ量の関
係を示す図である。ボロンドーズ量は1.0×1012c
m -2から5.0×1014cm-2の範囲で変えて素子を製
作し、素子の大きさは1cm角で、定格電流は150A
である。オン電圧の測定は150A通電した時の値であ
る。また、電子線照射とアニール条件は18Mradで
357℃である。ボロンドーズ量が5×1014cm-2を
超えると、オン電圧比は1を切るようになる。つまり、
オン電圧の温度特性が負となる。一方、耐圧は4.0×
1012cm-2未満になると急速に低下し、1.0×10
12cm-2では1200Vとなる。尚、イオン注入する元
素はボロン以外のIII 族元素にしても構わない。
容をまとめると、捕獲準位がバンドギャップの中央から
0.18eV以内となるように、電子線照射量とアニー
ル温度の組み合わせを選定し、且つ、pアノード層形成
のためのボロンドーズ量を4.0×1012cm-2ないし
5.0×1014cm-2の範囲に選定することで、オン電
圧の温度特性を正となるようにできて、且つ、低オン電
圧、高速スイッチング特性、高破壊耐量およびソフトリ
カバリー化を実現することができる。
捕獲準位をバンドギャップの中央から±0.18eV以
内に設定することで、オン電圧の温度特性を正とするこ
とができる。また、ライフタイムキラーの捕獲準位をバ
ンドギャップの中央から0.18eV以内に設定し、p
アノード層を形成するボロンドーズ量を4.0×1012
cm-2ないし5.0×1014cm-2の間に設定すること
で、オン電圧の温度特性を正とすることができる。
流集中を防止し、素子破壊耐量の向上を図ることができ
る。また、低オン電圧化、スイッチング特性の高速化お
よびソフトリカバリー化を図ることができる。
図
準位の関係をシミュレーションした結果を示す図
(a)は従来相当素子、(b)は本発明素子のI−V特
性波形図
図
図
オン電圧比および耐圧とボロンドーズ量の関係を示す図
Claims (4)
- 【請求項1】高抵抗の第1導電形ベース層と、該第1導
電形ベース層の表面に形成された第2導電形アノード層
と、該第2導電形アノード層の表面に形成されたアノー
ド電極と、前記第1導電形ベース層の反対の表面に形成
された第1導電形カソード層と、該第1導電形カソード
層の表面に形成されたカソード電極とを具備する半導体
装置において、 前記半導体装置内に存在する捕獲準位が、前記半導体装
置を形成する半導体材料のバンドギャップの中央から±
0.18eV以内にあることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】前記半導体材料が、シリコンであることを
特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項3】前記捕獲準位が、電子線照射と該電子線照
射した後の熱処理で形成されることを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。 - 【請求項4】前記第2導電形アノード層が、4.0×1
012cm-2以上で、5.0×1014cm-2以下のドーズ
量の不純物原子をイオン注入して形成されることを特徴
とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装
置。
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JP (1) | JP2001177114A (ja) |
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