JP2001177063A - 半導体装置及び増幅回路並びにアクティブフィルタ - Google Patents

半導体装置及び増幅回路並びにアクティブフィルタ

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JP2001177063A
JP2001177063A JP35812299A JP35812299A JP2001177063A JP 2001177063 A JP2001177063 A JP 2001177063A JP 35812299 A JP35812299 A JP 35812299A JP 35812299 A JP35812299 A JP 35812299A JP 2001177063 A JP2001177063 A JP 2001177063A
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Tomoki Oda
知己 織田
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Mitsumi Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗素子の抵抗値を温度によらず一定にする
と共に、回路構成を簡略化することのできる半導体装置
及び増幅回路並びにアクティブフィルタを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 2次バイクワッドフィルタ回路100
は、差動増幅器A1とトランスコンダクタンスアンプg
m5、gm6とバッファB1、B2と抵抗R1、R2、
R3とで構成され、トランスコンダクタンスアンプgm
5は、抵抗17、18、RX1、RY1とトランジスタ
31、32、33、34と電流源IS3で構成される。
ここで、負の温度特性を持つ抵抗RX1と正の温度特性
を持つRY1は直列に接続することで、トランスコンダ
クタンスアンプgm5、gm6のコンダクタンスを温度
によらず一定にすることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置及び増幅
回路並びにアクティブフィルタに係り、特に異なる温度
特性を持つ複数の抵抗を有する回路が設けられた半導体
装置及び増幅回路並びにアクティブフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、公知のように、アクティブフィル
タ回路はIC(IntegretedCircuit)
化される場合、外付け部品を削減するためトランスコン
ダクタンスアンプが使用される。このトランスコンダク
タンスアンプを有するアクティブフィルタ回路の周波数
特性はトランスコンダクタンスアンプ内の抵抗により変
化する。
【0003】図5に、従来のアクティブフィルタ回路の
一例である2次バイクワッドフィルタのブロック図を示
す。図5において、2次バイクワッドフィルタ回路10
は、差動増幅器A1とトランスコンダクタンスアンプg
m1、gm2とバッファB1、B2と入力抵抗R1、帰
還抵抗R2、R3、R4基準電圧源11とで構成されて
いる。2次バイクワッドフィルタ回路10は、入力信号
Viが差動増幅器A1とトランスコンダクタンスアンプ
gm1、gm2とバッファB1、B2及び入力抵抗R
1、帰還抵抗R2、R3、R4を介して出力電圧Vou
tを出力する。特に、差動増幅器A1、帰還抵抗R1、
R2は反転増幅回路を構成する。
【0004】入力信号Viは抵抗R1を介して、差動増
幅器A1の反転入力端子−に印加される。また、差動増
幅器A1の非反転入力端子+には、基準電圧11から基
準電圧が印加される。差動増幅器A1は、入力信号Vi
を反転増幅する。差動増幅器A1の出力は、トランスコ
ンダクタンスアンプgm1の非反転増幅端子+に印加さ
れる。なお、抵抗R2は差動増幅器A1の反転入力端子
に供給される。
【0005】トランスコンダクタンスアンプgm1は、
反転入力端子−に所定の電圧が印加され、入力信号に応
じた電流を出力する。トランスコンタクタンスアンプg
m1の出力電流は、コンデンサC1に供給される。コン
デンサC1は、トランスコンダクタクタンスアンプgm
1の出力電流により充放電される。コンデンサC1の充
放電電圧はバッファB1を介してトランスコンダクタン
スアンプgm2の非反転入力端子+に供給される。
【0006】トランスコンダクタンスアンプgm2も上
記と同様に、反転入力端子−に所定の電圧が印加され、
入力信号に応じた電流を出力する。トランスコンタクタ
ンスアンプgm2の出力電流は、コンデンサC2に供給
される。コンデンサC2は、トランスコンダクタクタン
スアンプgm2の出力電流により充放電される。コンデ
ンサC1の充放電電圧はバッファB2を介して出力電圧
Voutが出力される。
【0007】このように、入力信号Viはトランジス
タ、抵抗、電流源を有するトランスコンダクタンスアン
プ等を介して出力電圧Voutを出力することで、入力
信号を調節し、最適な出力信号を得る。上記2次バイク
ワッドフィルタ回路10の詳細を以下に説明する。図6
は、従来の2次バイクワッドフィルタ回路の一例を示す
図である。
【0008】図6において、2次バイクワッドフィルタ
回路10は図5で示した構成と同様であり、差動増幅器
A1とトランスコンダクタンスアンプgm1、gm2と
バッファB1、B2と抵抗R1、R2、R3、R4とで
構成される。差動増幅器A1は、電流源IS1、IS2
とトランジスタ25〜30とで構成されている。トラン
スコンダクタンスアンプgm1は、抵抗17、18、R
5とトランジスタ31、32、33、34と電流源IS
3、IS3’で構成される。ここで、抵抗R5はトラン
ジスタ33と電流源IS3との間とトランジスタ34と
電流源IS3’との間に接続されている。このトランス
コンダクタンスアンプgm1は、コンデンサC1に電流
を供給する。コンデンサC1の電圧はバッファB1を介
してトランスコンダクタンスアンプgm2に印加され
る。
【0009】バッファB1は、トランジスタ35と電流
源IS4と抵抗19で構成されている。バッファB1と
接続されているトランスコンダクタンスアンプgm2は
上記のトランスコンダクタンスアンプgm1と同一構成
であり、抵抗R6、20、21とトランジスタ36、3
7、38、39と電流源IS5、IS5’とで構成され
る。また、抵抗R6はトランジスタ38と電流源IS5
との間とトランジスタ39と電流源IS5’との間に接
続されている。このトランスコンダクタンスアンプgm
2は、バッファB1の出力に応じてコンデンサC2に電
流を供給する。コンデンサC2の電圧はバッファB2に
供給される。バッファB2は、トランジスタ40と電流
源IS6と抵抗22で構成されている。バッファB2を
介してコンデンサの電圧が出力信号Voutとして出力
される。
【0010】このような2次バイクワッドフィルタ回路
のトランスコンダクタンスアンプgm1、gm2は抵抗
R5、R6の温度係数によって周波数特性が変化する。
図7は、2次バイクワッドフィルタ回路の周波数特性を
示す図である。図7において、縦軸は利得、横軸は周波
数を示す。図7には温度をパラメータとして3つの周波
数特性が示されている。周波数特性41は回路上の温度
が75℃の場合の周波数特性であり、周波数特性42は
回路上の温度が25℃の場合の周波数特性であり、周波
数特性43は回路上の温度が−25℃の場合の周波数特
性である。図7に示すように、ある特定の周波数を超え
た場合、温度特性の相違によって周波数特性も異なる。
よって温度の影響により、一定の周波数特性を得ること
ができない。
【0011】そのため、周波数特性を一定にするために
図8に示す回路を使用していた。図8は、従来の2次バ
イクワッドフィルタ回路の一例を示す図である。図8に
おいて、2次バイクワッドフィルタ回路は、差動増幅器
A1とトランスコンダクタンスアンプgm3、gm4と
バッファB1、B2と抵抗R1、R2、R3、R4とで
構成されている。図8の2次バイクワッドフィルタ回路
は、図6の2次バイクワッドフィルタ回路とトランスコ
ンダクタンスアンプの構成が異なり、この他の構成につ
いては同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
【0012】トランスコンダクタンスアンプgm3は、
電流源IS9、IS9’、IX1と抵抗R5、52、5
3、54とトランジスタ55、56、57、58、5
9、60、61、62で構成されている。また、電流源
IS9、IS9’には電流is9が、電流源IX1は電
流ix1が流れる。同様に、トランスコンダクタンスア
ンプgm4は、電流源IS12、IS12’、IX2と
抵抗R6、66、67、68とトランジスタ69、7
0、71、72、73、74、75、76で構成されて
いる。また、電流源IS12、IS12’には電流is
12が、電流源IX2は電流ix2が流れる。
【0013】これらの差動増幅器A1とトランスコンダ
クタンスアンプgm3、gm4とコンデンサC1、C2
とバッファB1、B2とを有する2次バイクワッドフィ
ルタ回路の伝達関数は以下の式で表される。
【0014】
【数1】
【0015】上記の式(1)の中でQはクォリティファ
クタ、ω0は共振角周波数であり、以下の式で表され
る。
【0016】
【数2】
【0017】ここで、上記の式(2)、(3)の中でト
ランスコンダクタンスアンプのコンダクタンスG3、G
4は以下の式で表す。
【0018】
【数3】
【0019】上記の式(4)、(5)の中で、Tは絶対
温度、qは電荷、kはボルツマン定数である。上式よ
り、伝達関数の温度係数を0とするために、トランスコ
ンダクタンスアンプgm3、gm4の温度係数が0とな
るように電流源の電流is,ixを設定する。
【0020】以上によりトランスコンダクタンスアンプ
gm3、gm4のコンダクタンスG3、G4を温度によ
らず一定にすることができ、よって、2次バイクワッド
フィルタ回路50の周波数特性を温度によらず一定にで
きる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、フィル
タ回路の抵抗素子を含めてIC化する場合、抵抗素子を
半導体素子で構成しなければならない。抵抗素子を半導
体素子で構成すると温度に応じて変動してしまう。抵抗
素子が温度に応じて変動するとフィルタ回路の周波数特
性が温度に応じて変動する等の問題点があった。
【0022】また、フィルタ回路の周波数特性を温度に
よらず一定にするためには図8に示すような回路構成に
する必要がある。即ち、温度によらずフィルタ回路の周
波数特性を一定にするためには、回路構成を複雑にしな
ければならなかった。よって、本発明は上記の問題点を
解決し、抵抗素子の抵抗値を温度によらず一定にすると
共に、回路構成を簡略化することのできる半導体装置及
び増幅回路並びにアクティブフィルタを提供することを
目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、抵抗素子(RX1、RY1)が設けられた半導体装
置において、抵抗素子(RX1、RY1)は、正の温度
特性を持つ正特性抵抗(RX1)と、負の温度特性を持
つ負特性抵抗(RY1)と組合せて構成されることを特
徴とする。
【0024】請求項1に記載の発明によれば、抵抗素子
(RX1、RY1)が、正の温度特性を持つ正特性抵抗
(RX1)と、負の温度特性を持つ負特性抵抗(RY
1)とを組合せて構成されることにより、抵抗素子(R
X1、RY1)の抵抗値を温度によらず一定とすること
が可能となる。請求項2に記載の発明は、正特性抵抗
(RX1)は、イオン打込み抵抗又は拡散抵抗であり、
負特性抵抗(RY1)は、ポリシリコン抵抗であること
を特徴とする。
【0025】請求項2に記載の発明によれば、正特性抵
抗(RX1)にイオン打込み抵抗又は拡散抵抗を用い、
負特性抵抗(RY1)にポリシリコン抵抗を用いること
により、抵抗素子(RX1、RY1)の抵抗値を温度に
よらず一定にすることが可能となる。また、回路構成の
簡略化を図ることができる。請求項3に記載の発明は、
抵抗素子(RX1、RY1)を有する増幅回路におい
て、抵抗素子(RX1、RY1)は、正の温度特性を持
つ正特性抵抗(RX1)と、負の温度特性を持つ負特性
抵抗(RY1)とを組合せて構成されることを特徴とす
る。
【0026】請求項3に記載の発明によれば、抵抗素子
(RX1、RY1)が、正の温度特性を持つ正特性抵抗
(RX1)と、負の温度特性を持つ負特性抵抗(RY
1)とを組合せて構成されることにより、増幅回路の抵
抗素子(RX1、RY1)の抵抗値を温度によらず一定
とし、周波数特性を一定にすることができる。請求項4
に記載の発明は、正特性抵抗(RX1)は、イオン打込
み抵抗又は拡散抵抗であり、負特性抵抗(RY1)は、
ポリシリコン抵抗であることを特徴とする。
【0027】請求項4に記載の発明によれば、正特性抵
抗(RX1)にイオン打込み抵抗又は拡散抵抗を用い、
負特性抵抗(RY1)にポリシリコン抵抗を用いること
により、抵抗素子(RX1、RY1)の抵抗値を温度に
よらず一定にすることが可能となる。また、構成回路の
簡略化を図ることができる。請求項5に記載の発明は、
抵抗素子(RX1、RY1)を有するアクティブフィル
タにおいて、抵抗素子(RX1、RY1)は、正の温度
特性を持つ正特性抵抗(RX1)と、負の温度特性を持
つ負特性抵抗(RY1)とを組合せて構成されることを
特徴とする。
【0028】請求項5に記載の発明によれば、抵抗素子
(RX1、RY1)が、正の温度特性を持つ正特性抵抗
(RX1)と、負の温度特性を持つ負特性抵抗(RY
1)とを組合せて構成されることにより、抵抗値を温度
によらず一定にすることが可能となる。請求項6に記載
の発明は、正特性抵抗(RX1)は、イオン打込み抵抗
又は拡散抵抗であり、負特性抵抗(RY1)は、ポリシ
リコン抵抗であることを特徴とする。
【0029】請求項6に記載の発明によれば、正特性抵
抗(RX1)にイオン打込み抵抗又は拡散抵抗を用い、
負特性抵抗(RY1)にポリシリコン抵抗を用いること
により、抵抗素子(RX1、RY1)の抵抗値を温度に
よらず一定にすることが可能となる。また、構成回路の
簡略化を図ることができる。尚、上記の括弧内の参照符
号は本発明の理解を容易にするために付したものであ
り、一例に過ぎず、図示の態様に限定されるものではな
い。
【0030】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の一実施例である
2次バイクワッドフィルタのブロック図を示す。図1に
おいて、2次バイクワッドフィルタ回路100は、差動
増幅器A1とトランスコンダクタンスアンプgm5、g
m6とバッファB1、B2と抵抗R1、R2、R3、R
4、基準電圧源11とで構成されている。2次バイクワ
ッドフィルタ回路100では、入力信号Viが差動増幅
器A1とトランスコンダクタンスアンプgm5、gm6
とバッファB1、B2及び抵抗R1、R2、R3、R4
を介して出力電圧Voutを出力する。特に、差動増幅
器A1、帰還抵抗R1、R2は反転増幅回路を構成す
る。
【0031】入力信号Viは抵抗R1を介して、差動増
幅器A1の反転入力端子−に印加される。また、差動増
幅器A1の非反転入力端子+には、基準電圧源11から
基準電圧が印加される。差動増幅器A1は、入力信号V
iを反転増幅させる。差動増幅器A1からの出力は、ト
ランスコンダクタンスアンプgm5の非反転増幅端子+
に印加される。
【0032】トランスコンダクタンスアンプgm5は、
反転入力端子−に所定の電圧が印加され、入力信号に応
じた電流を出力する。増幅された電流はコンデンサC3
に供給される。コンデンサC3は、トランスコンダクタ
クタンスアンプgm5の出力電流により充放電される。
コンデンサC3の充放電電圧はバッファB1を介してト
ランスコンダクタンスアンプgm6の非反転入力端子+
に供給される。
【0033】トランスコンダクタンスアンプgm6も上
記と同様に、反転入力端子+に所定の電圧が印加され、
入力信号の電流が増幅される。増幅された電流はコンデ
ンサC4に供給される。コンデンサC4は、トランスコ
ンダクタクタンスアンプgm6から供給された電流によ
り充放電される。コンデンサC3の充放電電圧はバッフ
ァB2を介して出力電圧Voutが出力される。
【0034】このように、入力信号Viがトランジス
タ、抵抗、電流源を有するトランスコンダクタンスアン
プ等を介して出力電圧Voutが出力される。よって、
入力信号から余分な信号が除かれ、かつ、回路の温度特
性に影響されることなく最適な出力信号を得ることがで
きる。上記、2次バイクワッドフィルタ回路100の詳
細を以下に説明する。
【0035】図2は、本発明の一実施例の2次バイクワ
ッドフィルタ回路を示す図である。図2において、2次
バイクワッドフィルタ回路100は、差動増幅器A1と
トランスコンダクタンスアンプgm5、gm6とバッフ
ァB1、B2と抵抗R1、R2、R3、R4とで構成さ
れ、各構成の内部の回路が詳細に示されている。差動増
幅器A1は、電流源IS1、IS2とトランジスタ25
〜30とで構成されている。トランスコンダクタンスア
ンプgm5は、抵抗17、18、RX1、RY1とトラ
ンジスタ31、32、33、34と電流源IS3、IS
3で構成される。ここで、抵抗RX1、RY1は直列に
接続され、この2つの抵抗は、トランジスタ33と電流
源IS3との間とトランジスタ34と電流源IS3’と
の間に接続されている。このトランスコンダクタンスア
ンプgm5は、接続されたコンデンサC3に電流を供給
する。コンデンサC3の電圧はバッファB1を介してト
ランスコンダクタンスアンプgm6に供給される。
【0036】バッファB1は、トランジスタ35と電流
源IS4と抵抗19で構成されている。バッファB1と
接続されているトランスコンダクタンスアンプgm6は
上記のトランスコンダクタンスアンプgm5と同一構成
であり、抵抗20、21、RX2、RY2とトランジス
タ36、37、38、39と電流源IS5、IS5’と
で構成される。また、抵抗RX2、RY2は直列に接続
され、この2つの抵抗は、トランジスタ38と電流源I
S5との間とトランジスタ39と電流源IS5’との間
に接続されている。このトランスコンダクタンスアンプ
gm6は、接続されたコンデンサC4に電流を供給す
る。
【0037】これらの差動増幅器A1とトランスコンダ
クタンスアンプgm5、gm6とコンデンサC3,C4
とバッファB1、B2を有する2次バイクワッドフィル
タ回路の伝達関数は以下の式で表される。
【0038】
【数4】
【0039】上記の式(6)の中でQはクォリティファ
クタ、ω0は共振角周波数であり、以下の式で表され
る。
【0040】
【数5】
【0041】ここで、上記の式(7)、(8)の中でト
ランスコンダクタンスアンプgm5、gm6のコンダク
タンスG5,G6は以下の式で表される。
【0042】
【数6】
【0043】上式より、伝達関数の温度特性は、トラン
スコンダクタンスアンプgmの温度特性である。つま
り、トランスコンダクタンスアンプgmの回路上の抵抗
RX、RYの温度特性によりトランスコンタクタンスア
ンプgmの温度特性が決定される。抵抗RX、RYの各
々が正と負の温度特性を有することにより、トランスコ
ンダクタンスアンプgmの出力を温度によらず一定にす
ることができる。また、上記の式(8)に示されるω0
の温度特性を抑えるため、コンデンサC3、C4には温
度係数が0の容量を使用する。
【0044】このようにして求められた周波数特性は、
トランスコンダクタンスアンプgm5、gm6の温度係
数により一定にすることが可能となる。図3は、抵抗の
温度特性の関係を示す図である。図3において、縦軸を
抵抗、横軸を温度として抵抗の温度特性が示されてい
る。ここでは、図2に示すトランスコンダクタンスアン
プgm5、gm6の各回路内の抵抗RXと抵抗RYの温
度特性が示されている。ICに内蔵する抵抗には、イオ
ン打込み抵抗、拡散抵抗、ポリシリコン抵抗等が存在す
る。一般的に、イオン打込み抵抗、拡散抵抗は正の温度
係数を有し、ポリシリコン抵抗は負の温度係数を有す
る。抵抗RXは、イオン打込み抵抗、拡散抵抗を用い、
抵抗RYは、ポリシリコン抵抗を用いている。負の温度
係数を持つ抵抗RYの温度特性80は、図3のように温
度が高くなるにつれて抵抗値が下がる特性を持つ。正の
温度係数を持つ抵抗RXの温度特性81は、温度が高く
なるにつれて抵抗値が上がる特性を持つ。このような正
・負の温度係数を持つ抵抗を直列に接続することにより
トランスコンダクタンスアンプgmの温度係数を0に近
づけることが可能となる。
【0045】上記のように、正・負の温度係数を持つ抵
抗を用いることで、周波数特性の変動をなくすことがで
きる。図4は、本発明の周波数特性を示す図である。図
4において、縦軸を利得、横軸を周波数として周波数特
性が示されている。図3と同様に、温度の異なる状態で
の周波数特性を示している。図4に示すように、正・負
の抵抗を用いることで温度特性による伝達関数のズレが
発生せず、一定の周波数特性を得ることができる。
【0046】尚、本発明は上記2次バイクワッドフィル
タ回路のトランスコンダクタンスアンプに限らず、温度
特性及び周波数特性を調整するために、他の回路に対し
ても適応可能である。また、正・負の温度係数を持つ一
対の抵抗の組合せだけでなく、それぞれ複数の抵抗を組
合せて温度特性を調節することが可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明の半導体装置によれば、抵抗素子
が、正の温度特性を持つ正特性抵抗と、負の温度特性を
持つ負特性抵抗とを有することにより、抵抗素子の温度
特性を温度によらず一定にすることが可能となる。ま
た、正特性抵抗にイオン打込み抵抗又は拡散抵抗を用
い、負特性抵抗にポリシリコン抵抗を用いることによ
り、抵抗素子の温度特性を温度によらず一定にすること
が可能となり、機能性の向上を図ることができる。
【0048】また、本発明の増幅回路によれば、抵抗素
子が、正の温度特性を持つ正特性抵抗と、負の温度特性
を持つ負特性抵抗とを有することにより、抵抗素子の温
度特性を一定にすることが可能となる。また、正特性抵
抗にイオン打込み抵抗又は拡散抵抗を用い、負特性抵抗
にポリシリコン抵抗を用いることにより、抵抗素子の温
度特性を温度によらず一定にすることができる。よっ
て、周波数特性を一定に保つことが可能となる。それと
共に、他の複雑な回路を利用する必要が無いため、回路
の簡素化を図ることができる。
【0049】また、本発明のアクティブフィルタによれ
ば、抵抗素子が、正の温度特性を持つ正特性抵抗と、負
の温度特性を持つ負特性抵抗とを有することにより、抵
抗素子の温度特性を温度によらず一定にすることが可能
となる。また、正特性抵抗にイオン打込み抵抗又は拡散
抵抗を用い、負特性抵抗にポリシリコン抵抗を用いるこ
とにより、抵抗素子の温度特性を温度によらず一定にす
ることが可能となると共に、他の複雑な回路を利用する
必要が無いため、回路の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である2次バイクワッドフィ
ルタのブロック図を示す。
【図2】本発明の一実施例の2次バイクワッドフィルタ
回路を示す図である。
【図3】抵抗の温度特性の関係を示す図である。
【図4】本発明の周波数特性を示す図である。
【図5】従来のアクティブフィルタ回路の一例である2
次バイクワッドフィルタのブロック図を示す。
【図6】従来の2次バイクワッドフィルタ回路一例を示
す図である。
【図7】従来の周波数特性を示す図である。
【図8】従来の2次バイクワッドフィルタ回路の一例を
示す図である。
【符号の説明】
10、50、100 2次バイクワッドフィルタ回路 11、12、13 電源電圧 R1〜R6、17〜22、52〜54、66〜68、R
X1、RX2、RY1、 RY2 抵抗 25〜40 トランジスタ A1 増幅器 B1、B2 バッファ C1〜C4 コンデンサ gm1〜gm6 トランスコンダクタンスアンプ IS1〜IS8 電流源
フロントページの続き Fターム(参考) 5F038 AR01 AR09 AR23 AR28 BB05 DF01 EZ12 EZ13 5J090 AA01 AA12 CA02 CN01 FA08 FA17 FN10 FN12 HA01 HA25 HN16 KA02 KA41 MA13 MN04 SA13 TA01 TA02 5J098 AA02 AA11 AA14 AB03 AB12 AB13 AD06 CA02 CB10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗素子が設けられた半導体装置におい
    て、 前記抵抗素子は、正の温度特性を持つ正特性抵抗と、負
    の温度特性を持つ負特性抵抗とを組合せて構成されるこ
    とを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記正特性抵抗は、イオン打込み抵抗又
    は拡散抵抗であり、 前記負特性抵抗は、ポリシリコン抵抗であることを特徴
    とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 抵抗素子を有する増幅回路において、 前記抵抗素子は正の温度特性を持つ正特性抵抗と、負の
    温度特性を持つ負特性抵抗とを組合せて構成されること
    を特徴とする増幅回路。
  4. 【請求項4】 前記正特性抵抗は、イオン打込み抵抗又
    は拡散抵抗であり、 前記負特性抵抗は、ポリシリコン抵抗であることを特徴
    とする請求項3記載の増幅回路。
  5. 【請求項5】 抵抗素子を有するアクティブフィルタに
    おいて、 前記抵抗素子は正の温度特性を持つ正特性抵抗と、負の
    温度特性を持つ負特性抵抗とを組合せて構成されること
    を特徴とするアクティブフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記正特性抵抗は、イオン打込み抵抗又
    は拡散抵抗であり、 前記負特性抵抗は、ポリシリコン抵抗であることを特徴
    とする請求項5記載のアクティブフィルタ。
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