JP2001176637A - スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法及びそれに使用する研削部材 - Google Patents

スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法及びそれに使用する研削部材

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JP2001176637A
JP2001176637A JP35885299A JP35885299A JP2001176637A JP 2001176637 A JP2001176637 A JP 2001176637A JP 35885299 A JP35885299 A JP 35885299A JP 35885299 A JP35885299 A JP 35885299A JP 2001176637 A JP2001176637 A JP 2001176637A
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insulator
grinding
spark plug
peripheral surface
grinding member
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Osamu Fukushima
治 福島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミナを主体とする原料粉末を用いてスパ
ークプラグ用絶縁碍子を製造するにあたって、上記原料
粉末にて構成される成形体を絶縁碍子形状に研削する効
率を高めることができると共に、スパークプラグ用絶縁
碍子の製造効率の向上を図ることができるスパークプラ
グ用絶縁碍子の製造方法と、それに使用される研削部材
とを提供する。 【構成】 研削部材70の周面71は絶縁碍子の外形に
対応した形状に形成されており、周面71にはダイヤモ
ンド砥粒層72が固着されている。そして、ピン60、
61によって保持された成形体20aを矢印F3で示す
方向へ前進させ、矢印F1で示す方向に回転する研削部
材70の周面71に押し付けて接触させる。すると、成
形体20aの外面20bは、研削部材70の周面71に
固着されたダイヤモンド砥粒層72によって、周面71
に対応する形状、つまり絶縁碍子の外形に対応する形状
に研削される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スパークプラグ、た
とえば内燃機関の点火に使用されるスパークプラグであ
って、そのスパークプラグを構成するスパークプラグ用
絶縁碍子の製造方法及びそれに使用する研削部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関用スパークプラグ(以
下、単にスパークプラグともいう)として、たとえば、
図3に示すものが知られている。図3は、スパークプラ
グを部分的な断面図を含んで示す部分断面図である。な
お、以下の説明では、図3における図面下方を先端側と
し、図面上方を後端側として説明する。スパークプラグ
10においては、耐熱性及び耐電圧特性に優れたアルミ
ナを主体として形成されたスパークプラグ用絶縁碍子
(以下、単に絶縁碍子という)20が備えられている。
この絶縁碍子20には、中心部に自身の中心軸線に沿っ
た軸孔26が貫通形成されている。また、絶縁碍子20
は、後端側にコルゲーション部22と、軸方向中間に周
方向外向きに突出するフランジ状の大径部21と、大径
部21よりも先端側にこれよりも細形の中胴部23と、
中胴部23よりも先端側にこれより細形の脚長部24と
が形成されている。そして、軸孔26の内部の後端側に
は、端子電極13が収容されており、その端子電極13
の後端は、コルゲーション部22の後端から突出してい
る。軸孔26の内部の先端側には、ガラス抵抗体11を
介して中心電極12が収容されている。中心電極12
は、ニッケルを主体とする合金によって棒状に形成され
ており、中心電極12の先端は、脚長部24の先端から
突出している。
【0003】絶縁碍子20のうち、大径部21、中胴部
23、脚長部24を含む先端側は、筒状に形成された主
体金具30の内部に収容されており、主体金具30の先
端部の外周面には、エンジンヘッドに形成された雌ねじ
部にねじ込むための雄ねじ部31が形成されている。主
体金具30の先端端面37には、J字形の接地電極16
が溶接されており、接地電極16の先端の放電面16a
と中心電極12の先端との間には火花放電ギャップ17
が形成されている。雄ねじ部31の後端側の外周面に
は、座部35が形成されており、雄ねじ部31後端のね
じ首36には、リング状のガスケット40が嵌め込まれ
ている。主体金具30の後端側には、外周面が六角ナッ
トの外周面形状に形成された六角部33が形成されてい
る。六角部33は、雄ねじ部31をエンジンヘッドの雌
ねじ部にねじ込む際にプラグレンチなどの工具をあてが
う部分である。
【0004】ここで、絶縁碍子20は、原料粉末から成
形された成形体を焼成することにより製造されるもので
ある。より詳細には、アルミナを主体とする原料粉末を
成形することにより、軸孔26となるべき孔を有する成
形体を成形し、得られた成形体の外面を、上述したよう
な所定の絶縁碍子形状となるように研削した後に、これ
を焼成することにより製造されるものである。ここで、
上述した成形体の研削加工については、従来より、以下
に図4を参照して説明するような方法にて行われてい
る。なお、図4(A)は、研削加工前の様子を示す説明
図であり、図4(B)は、研削加工後の様子を示す説明
図である。
【0005】成形体20aを研削する研削部材(砥石)
50としては、アルミナ質の砥粒を樹脂で固めたレジノ
イド砥石、または、磁器質で固めたビドリファイド砥石
が代表的なものとして用いられている。このような砥石
50は筒状に形成されており、その周面51が、絶縁碍
子20の外形に対応した形状に研削加工にて形成されて
おり、図示しない回転機構により矢印F1で示す方向に
回転するようにされている。また、図4(A)に示すよ
うに、成形体20aは、上述したようにアルミナを主体
とする原料粉末を成形することで筒状に成形されてお
り、軸孔26となるべき孔の一端から支持ピンPを挿入
した形で保持されている。そして、成形体20aを矢印
F3で示す方向に移動させ、回転する砥石50の周面5
1に接触させることにより、図4(B)に示すように、
成形体20aを絶縁碍子20の外形に対応する形状に研
削加工している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
らの研削部材(砥石)はアルミナ質の砥粒により構成さ
れるものであって、その砥石により研削される成形体自
体もアルミナを主体とする材質にて構成されている。つ
まり、成形体とほぼ同硬度の材質にて構成された砥石に
より研削加工がなされているのである。そのために、複
数の成形体の研削加工が繰り返されるに伴って、アルミ
ナ質の砥粒の摩耗(即ち、砥石の周面の摩耗)が起こり
易く、また、コルゲーション部、大径部、中胴部、脚長
部といった複雑形状の絶縁碍子の外形に対応して形成さ
れる周面において目詰まりが発生することがあり、1つ
の砥石により研削加工できる成形体の個数を大きく伸ば
すのは困難であった。そこで、1つの砥石による成形体
の研削加工数を伸ばすために、摩耗や目詰まりが生じた
場合に、砥石の周面に対して所定の治具(たとえば、ド
レッサ等)を用いた再加工を施し、新しい周面を露出さ
せることも考えられるが、その再加工には大きな手間が
かかるといった問題があった。
【0007】そこで、この発明は、アルミナを主体とす
る原料粉末を用いてスパークプラグ用絶縁碍子を製造す
るにあたって、上記原料粉末にて構成される成形体を絶
縁碍子形状に研削する効率を高めることができると共
に、スパークプラグ用絶縁碍子の製造効率の向上を図る
ことができるスパークプラグ用絶縁碍子の製造方法と、
それに使用される研削部材とを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用および効果】この発
明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明
では、中心電極及び端子電極を挿入するための軸孔が形
成されたスパークプラグ用絶縁碍子の製造方法であっ
て、アルミナを主体とする原料粉末を前記軸孔となるべ
き孔を有する成形体に成形する成形工程と、得られた成
形体の外面を所定の絶縁碍子形状に研削するための研削
工程を施した後に、これを焼成する工程とを含み、前記
研削工程では、周面が前記絶縁碍子の外形に対応した形
状に形成されており、かつ、前記周面にダイヤモンド砥
粒が固着された研削部材を回転させる一方、その研削部
材の前記周面と前記成形体の外面とを接触させることに
より、該成形体の外面の研削加工を行うことを特徴とす
るスパークプラグ用絶縁碍子の製造方法という技術的手
段を用いる。
【0009】また、スパークプラグ用絶縁碍子の製造に
て使用されるこの発明の研削部材は、請求項3に記載の
ように、中心電極及び端子電極を挿入するための軸孔が
形成されたスパークプラグ用絶縁碍子の製造に使用され
る研削部材であって、前記絶縁碍子を構成するためのア
ルミナを主体とする原料粉末によって成形されると共
に、前記軸孔となるべき孔を有する成形体の外面と接触
するための周面を有し、その周面が前記絶縁碍子の外形
に対応した形状に形成されており、更に、前記周面にダ
イヤモンド砥粒が固着されていることを特徴とする研削
部材という技術的手段を用いる。
【0010】つまり、この発明では、絶縁碍子を製造す
るにあたって、アルミナを主体とする原料粉末にて成形
された成形体の外面と接触する研削部材の周面が、絶縁
碍子の外形に対応した形状に形成されていると共に、そ
の周面においてダイヤモンド砥粒が固着されている点が
注目すべき点である。
【0011】かかる点によれば、研削部材の周面におい
て、研削対象である成形体を焼成してなるアルミナを主
体とする材質よりも硬度の高いダイヤモンド砥粒が固着
されていることから、アルミナ質の砥粒が固着されてい
た従来のものと比較して、周面自体の耐摩耗性を向上さ
せることができる。また、ダイヤモンド砥粒がアルミナ
を主体とする材質よりも硬度が高いことにより、研削精
度が従来のものと比較して高くなり、それにより成形体
からの目こぼれを少なくすることができるので、複雑形
状の絶縁碍子の外形に対応して形成された周面での目詰
まりの発生を抑制することが可能となる。それらの結
果、研削部材の周面に再加工を施すことなく1つの研削
部材により成形体の研削加工数を増大させることが可能
となり、成形体の効率を高め、ひいてはスパークプラグ
用絶縁碍子の製造効率を高めることができる。
【0012】ところで、近年にあっては、内燃機関の高
出力化に伴う燃焼室内における吸気及び排気バルブの占
有面積の拡大等により、スパークプラグが小型化される
傾向にある。そのために、絶縁碍子についても厚みを薄
くすることが要求され、より一層の耐熱性、耐電圧特性
が要求されている。そこで、絶縁碍子の原料粉末として
は、従来より上述したように耐熱性、耐電圧特性を考慮
してアルミナを主体とするものが用いられているわけだ
が、上記要求に応えるために、アルミナの含有量をAl
成分を酸化物換算した重量にて90.0重量%以上、場
合によっては95.0重量%にまで増加させた絶縁碍子
も提案されてきている。
【0013】しかしながら、このようにアルミナの含有
量が高い原料粉末を用いて成形された成形体に対し研削
加工を施す場合に、従来からのアルミナ質の砥粒により
形成された研削部材を用いたのでは、成形体自身の硬度
自体も高くなることに起因して、アルミナ質の砥粒の摩
耗(即ち、砥石の周面の摩耗)が早期に進行し易いとい
う問題がある。
【0014】そのことから、アルミナの含有量が高い原
料粉末を用いて、より具体的には請求項2に記載のよう
に、Al成分を酸化物換算した重量にて90.0重量%
〜99.7重量%の範囲で含有する原料粉末を用いて成
形された成形体の研削加工を行うにあたっては、アルミ
ナの材質よりも高硬度であるダイヤモンド砥粒が固着さ
れたこの発明の研削部材を用いることがとりわけ有効な
ものとなる。その結果、アルミナの含有量の高い原料粉
末から製造される絶縁碍子の製造効率の向上を図ること
が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図を参照して説明する。まず、この発明のスパーク
プラグ用絶縁碍子の製造方法により得られるスパークプ
ラグ用絶縁碍子20は、上述にて説明した図3に示すよ
うな内燃機関用スパークプラグに備えられるものであ
る。そして、このような絶縁碍子20は、中心部には自
身の軸線方向に沿って中心電極12及び端子電極13を
嵌め込むための軸孔26が形成されている。一方、絶縁
碍子20の外形においては、中心電極12の先端に向か
う側(図面下方)を前方側として、その前方側から順
に、脚長部24、中胴部23、大径部21、コルゲーシ
ョン部22がそれぞれ形成されている。なお、絶縁碍子
20はアルミナを主体とする原料粉末にて構成されてい
る。
【0016】また、絶縁碍子20の軸孔26は、中心電
極12を挿通させる略円筒状の第一部分26aと、その
第一部分26aの後方側(図中上方側)においてこれよ
りも大径に形成される略円筒状の第二部分26bとを有
する。図3に示すように、端子電極13とガラス抵抗体
26は第二部分26b内に収容され、中心電極12は第
一部分26a内に挿通される。中心電極12の後端部に
は、その外周面から外向きに突出して電極固定用凸状部
12bが形成されている。そして、この軸孔26の第一
部分26aと第二部分26bとは、中胴部23内におい
て互いに接続しており、その接続位置には、中心電極1
2の電極固定用凸状部12bを受けるための凸状部受け
面26cがテーパ面あるいはR面状に形成されている。
【0017】ついで、このような絶縁碍子20について
は、たとえば下記のような方法で製造される。まず、原
料粉末としては、主成分をなすアルミナ粉末に対して、
焼結助剤として機能する添加元素系原料を配合する。そ
して、得られた原料粉末に、親水性結合剤と溶媒として
の水を添加・混合して成形用素地スラリーを調整する。
なお、原料粉末を構成するアルミナ粉末は、80.0重
量%〜99.7重量%の範囲内となるように、より好ま
しくは90.0重量%〜99.7重量%の範囲内となる
ように適宜調整することが、良好な耐熱性及び耐電圧特
性を得る上で好ましい。
【0018】上記添加元素系原料としては、Si成分、
Ca成分、Mg成分、Ba成分、B成分から選ばれる1
種または2種以上から構成されているとよい。また、上
述の各成分から構成される添加元素系原料の含有量とし
ては、各成分の酸化物換算した重量での合計含有量(以
下、W1と記す)にて0.03〜10重量%の範囲内で
配合されるとよい。それによって、焼成時に添加元素系
原料が溶融して液相を生じ易く、絶縁碍子の緻密化を促
進する焼結助剤として機能し易くなる。なお、W1が
0.03重量%未満になると、絶縁碍子を緻密化させて
得ることが困難となり、強度及び耐電圧特性が却って不
足してしまう。一方、W1が5重量%を超えると、焼成
して得られる絶縁碍子のアルミナの含有量が高い状態と
して得られなくなる。
【0019】さらに、上記各添加元素系原料としては、
たとえばSi成分はSiO2 粉末、Ca成分はCaCO
3 粉末、Mg成分はMgCO3 粉末、Ba成分はBaC
3粉末、B成分がB23粉末(或いは水溶液でもよ
い)の形で配合することができる。また、添加元素系原
料におけるSi、Ca、Mg及びBaの各成分について
は、酸化物の他、水酸化物、炭酸塩、塩化物、硫酸塩、
硝酸塩、リン酸塩等の各種無機原料粉末を使用すること
もできる。なお、これら無機系原料粉末は、いずれも焼
成により酸化物に転化できるものを使用する必要があ
る。さらに、B成分については、B23をはじめとする
各種ホウ酸類、さらには絶縁碍子の主体元素たるAl
や、Ca、Mg、Ba等とのホウ酸塩等を使用すること
もできる。
【0020】成形用素地スラリーを調整する際の溶媒と
しての水には特に制限がなく、従来の絶縁碍子を製造す
る場合と同様の水を使用することができる。また、バイ
ンダーには、たとえば親水性有機化合物を使用すること
ができ、たとえばポリビニルアルコール(PVA)、水
溶性アクリル樹脂、アラビアゴム、デキストリン等を挙
げることができる。これの中でもPVAが最も好まし
い。また、成形用素地スラリーを調整する方法には、特
に制限がなく、原料粉末、バインダー及び水を混合して
成形用素地スラリーを形成することができればどのよう
な混合方法であってもよい。バインダー及び水の配合量
は、原料粉末を100重量部とした場合に、バインダー
は0.1〜5重量部、特に0.5〜3重量部の割合で、
水は40〜120重量部、特に50〜100重量部の割
合で配合される。
【0021】そして、成形用素地スラリーは、スプレー
ドライ法等により噴霧乾燥されて、形状の成形用素地造
粒物に調整される。この造粒物の平均粒径としては、3
0〜200μmがよく、特に好ましくは50〜150μ
mである。そして、得られた成形用素地造粒物をラバー
プレス成形することにより、絶縁碍子の原形をなす筒状
の成形体を作る。なお、このラバープレス成形時におい
て、中心電極12及び端子電極13が挿入される軸孔2
6となるべき孔、詳細には、第一部分26a、それより
も大径の第二部分26b、中心電極12の電極固定用凸
状部12bを受けるための凸状部受け面26cとなるべ
き部分(図3参照)についても成形される。
【0022】ついで、得られた成形体に対して研削加工
を施す。ここで、成形体を研削加工する様子を図1を参
照して説明する。なお、図1(A)(B)では、成形体
の研削加工時の様子を分かり易くするため、研削加工に
使用される研削部材の縦断面図の半分を省略して示して
いる。また、図1(A)では、成形体についても縦断面
図にして示している。
【0023】研削部材70は、縦断面がほぼT字形状に
形成されており、図示しないモータの駆動により、回転
軸P1を中心に矢印F1で示す方向に回転する。この実
施の形態では、研削部材70は、Fe、Al、Mgなど
からなる合金等の金属本体部70aにより構成され、そ
の回転部材70の周面71が、図3に示すような絶縁碍
子20の外形に対応した形状に形成されている。さら
に、周面71上においては、ダイヤモンド砥粒がニッケ
ルメッキなどの手法により電着されて固着されており、
ダイヤモンド砥粒層72を形成している。
【0024】また、成形体20は、図1(A)に示すよ
うに、軸孔26となるべき孔の一端から図示しない保持
装置に備えられた支持ピンPを挿入した形で、矢印F2
で示す方向に回転可能に保持されている。そして、成形
体20aは、図示しない保持装置により矢印F3で示す
方向へ前進し、また、矢印F4の方向へ後退可能になっ
ている。なお、成形体20aの軸孔26となるべき孔の
一端から挿入される支持ピンPは、絶縁碍子20の完成
時に第一部分26a、それよりも大径の第二部分26
b、中心電極12の電極固定用凸状部12bを受けるた
めの凸状部受け面26cとなるべき部分(図3参照)の
形状に略対応する形状を有しており、凸状部受け面26
cとなるべき部分で容易に位置決めすることが可能であ
ると共に、成形体20aを安定して保持することが可能
である。また、成形体20aの軸孔26となるべき孔に
おける支持ピンPが挿入される一端の端部に、押えゴム
Gを配することによって、研削加工時等に支持ピンPが
成形体20aから抜け出てしまうことを防止している。
【0025】そして、モータが駆動されると、研削部材
70が矢印F1で示す方向に回転させることになる。つ
いで、支持ピンPによって保持された成形体20aを矢
印F3で示す方向へ前進させ、その外面20bを回転す
る研削部材70の周面71(ダイヤモンド砥粒層72)
に押し付けて接触させる。すると、成形体20aの外面
20bは、研削部材70の周面71に固着されたダイヤ
モンド砥粒層72によって、周面71に対応する形状
に、つまり図3に示すような絶縁碍子20の外形に対応
する形状に研削されることになる。そして、成形体20
aを矢印F4で示す方向へ後退させ、支持ピンPを抜き
取り、その状態の成形体20aを次の焼結工程へ送る。
【0026】なお、研削部材70の回転速度(周速度)
としては、周速度2000〜3000m/分の範囲内に
調整することが好ましい。研削部材70の周速度が20
00m/分以下であると研削加工能率が悪くなり、また
所定形状への研削加工が施されない場合がある。他方、
研削部材70の周速度が3000m/分を超えると、研
削対象である成形体20aにマイクロクラックや割れ等
の不具合が発生する場合がある。
【0027】焼成工程においては、研削加工後に得られ
た成形体を、大気雰囲気下にて焼成温度1450℃〜1
700℃の範囲内で、かつ、1〜24時間の焼成時間に
より行われる。そして、焼成後に釉薬をかけて仕上焼成
を行い、図3に示すような絶縁碍子20が完成する。
【0028】
【実施例】この発明の効果を確認するために、以下の実
験を行った。まず、原料粉末として、主成分であるアル
ミナ粉末に対して、SiO2 粉末、CaCO3 粉末、M
gCO3 粉末、BaCO3 粉末、B23粉末を所定比率
にて配合するとともに、この配合した粉末総量を100
重量部として、親水性バインダーとしてのPVAを2重
量部と、溶媒としての水を70重量部とを加えて湿式混
合することにより、成形用素地スラリーを作成した。
【0029】ついで、この成形用素地スラリーをスプレ
ードライ法にて噴霧乾燥して球状の成形用素地造粒物を
調整し、ふるいにより粒径10〜355μmに整粒す
る。そして、得られた成形用素地造粒物をラバープレス
型内に投入し、軸孔26となるべき孔を形成するための
プレスピンを挿入しつつ約100MPaの圧力にてラバ
ープレス成形を行い、図5に示す成形体20aを得た。
なお、各部の寸法は以下の通りである:L1=85m
m、r1=20mm、r2=13mm、r3=20m
m、δ1=5mm、δ2=3mm。
【0030】そして、上記のように得られた成形体20
aを用いてこの発明者は、下記2点の実験を行った。
この発明(この実施の形態)にて使用される上述した研
削部材を用いて成形体を研削加工した場合の研削可能な
成形体の個数と、従来のアルミナ質の砥粒を用いて成形
体を研削加工した場合の研削可能な成形体の個数とを比
較する実験を行った。なお、この実験は、この発明を用
いた場合と、従来の場合とでそれぞれ5回ずつ行った。
実験結果については、図2(A)に示した。
【0031】その結果、図2(A)に示すように、この
発明を用いた場合の研削可能な成形体の個数は、約39
0,000〜450,000個で平均420,000個
であり、従来の場合の研削可能な成形体の個数は、約6
0,000〜75,000個で平均68,000個であ
った。つまり、この発明を用いることにより、研削可能
な成形体の個数は、従来の約6.1倍と飛躍的に増加し
ていることが分かった。
【0032】この発明(この実施の形態)にて使用さ
れる上述した研削部材を用いて成形体を研削加工を施し
た後に、電気炉にて焼成条件1550℃×1時間にて焼
成した絶縁碍子の外表面における表面粗さと、従来のア
ルミナ質の砥粒を用いて成形体の外表面を研削加工を施
した後に、上述と同条件にて焼成した絶縁碍子の表面粗
さとを比較する実験を行った。なお、この実験は、この
発明を用いた場合と、従来の場合とで、それぞれ3つず
つの成形体(絶縁碍子)による測定を行った。また、表
面粗さの測定については、JIS R 0601に準
じ、算術平均粗さを求めた。実験結果については、図2
(B)に示した。
【0033】その結果、図2(B)に示すように、この
発明を用いた場合の絶縁碍子の外表面における算術平均
粗さRaは3つの平均にて1.98μmであったのに対
し、従来の場合の上記同様の算術平均粗さRaは3つの
平均にて3.01μmであった。つまり、この発明を用
いることによって、研削される成形体の外表面における
研削加工精度が高いことが分かり、また、成形体からの
目こぼれが従来の場合と比較して少ないことが推測され
る。
【0034】以上のように、この発明を用いれば、即ち
ダイヤモンド砥粒が絶縁碍子の外形の形状に対応して形
成された周面に固着されてなる研削部材を用いて、成形
体の研削を行うことによって、研削可能な成形体の個数
を飛躍的に増加させることができる。その結果、アルミ
ナを主体とする原料粉末にて構成される成形体を所定の
絶縁碍子形状に研削する効率を高め、ひいてはスパーク
プラグ用絶縁碍子の製造効率を高めることができるので
ある。なお、上記実施形態では、この発明を適用する絶
縁碍子として図3に示した外形のものを例に挙げたが、
他の外形形状を有する絶縁体の研削加工にもこの発明を
適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施形態の研削部材を用いて
成形体を研削加工する様子を示す説明図である。図1
(A)は研削加工前の様子を示す説明図であり、図1
(B)は研削加工後の様子を示す説明図である。
【図2】実施例における各実験結果を示す図表である。
【図3】内燃機関用スパークプラグを部分的な断面図を
含んで示す部分断面図である。
【図4】図4は従来の研削部材を用いて成形体を研削加
工する様子を示す説明図である。図4(A)は研削加工
前の様子を示す説明図であり、図4(B)は研削加工後
の様子を示す説明図である。
【図5】実施例で作製した研削加工前の成形体の外形を
示す斜視図である。
【符号の説明】
10 スパークプラグ 12 中心電極 13 端子電極 16 接地電極 20 絶縁碍子 20a 成形体 20b 外面 22 コルゲーション部 26 軸孔 30 主体金具 70 研削部材 71 周面 72 ダイヤモンド砥粒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01T 21/02 H01T 21/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心電極及び端子電極を挿入するための
    軸孔が形成されたスパークプラグ用絶縁碍子の製造方法
    であって、 アルミナを主体とする原料粉末を前記軸孔となるべき孔
    を有する成形体に成形する成形工程と、得られた成形体
    の外面を所定の絶縁碍子形状に研削するための研削工程
    を施した後に、これを焼成する工程とを含み、 前記研削工程では、周面が前記絶縁碍子の外形に対応し
    た形状に形成されており、かつ、前記周面にダイヤモン
    ド砥粒が固着された研削部材を回転させる一方、その研
    削部材の前記周面と前記成形体の外面とを接触させるこ
    とにより、該成形体の外面の研削加工を行うことを特徴
    とするスパークプラグ用絶縁碍子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記原料粉末は、Al成分を酸化物換算
    した重量にて90.0〜99.7重量%の範囲で含有す
    るものが使用される請求項1に記載のスパークプラグ用
    絶縁碍子の製造方法。
  3. 【請求項3】 中心電極及び端子電極を挿入するための
    軸孔が形成されたスパークプラグ用絶縁碍子の製造に使
    用される研削部材であって、 前記絶縁碍子を構成するためのアルミナを主体とする原
    料粉末によって成形されると共に、前記軸孔となるべき
    孔を有する成形体の外面と接触するための周面を有し、
    その周面が前記絶縁碍子の外形に対応した形状に形成さ
    れており、更に、前記周面にダイヤモンド砥粒が固着さ
    れていることを特徴とする研削部材。
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