JP4897898B2 - スパークプラグ用絶縁体及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents
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Description
前記貫通孔を形成するために用いられ、自己の外周面を螺旋状に回るリブ状のピン側螺旋部が第2位置に形成されたプレスピンと、キャビティを有する成形型とを用意する用意工程と、
該キャビティ内に原料粉末を充填する粉末充填工程と、
該粉末充填工程の前、途中又は後で、該プレスピンをその先端側を前記軸線方向に前進させることによって該キャビティ内に配置するプレスピン配置工程と、
該プレスピン配置工程後、該キャビティ内の該原料粉末を該プレスピンとともに加圧し、該ピン側螺旋部が転写された成形体側螺旋部が形成された成形体を得る加圧成形工程と、
該加圧成形工程後、該プレスピンとともに該成形体を該キャビティから脱型する脱型工程と、
該脱型工程後、該成形体に対して該プレスピンを軸線回りに回転させながら後退させ、該成形体から該プレスピンを抜き取るプレスピン除去工程とを備え、
前記ピン側螺旋部の外径は、該ピン側螺旋部より後端側の外周面の外径よりも小さく、
前記第2位置は、前記成形体側螺旋部が前記厚肉部内に位置するように設定されていることを特徴とする(請求項1)。
参考例1の製造方法は、図1に示すように、スパークプラグ用絶縁体の具体的態様である絶縁体2を製造する方法である。絶縁体2は、スパークプラグ100を構成するものであるので、まずスパークプラグ100の全体構成について説明する。
用意工程では、プレスピン50と、成形型80とを用意する。
粉末充填工程では、図3に示すように、キャビティ83の開口89から、キャビティ83内に原料粉末GPを投入して充填する。
プレスピン配置工程では、図4に示すように、雌ねじ部57に回転軸87の先端が螺合されるとともに、頭部56の外側に上ホルダ部86が嵌め込まれた状態のプレスピン50を、その先端側を軸線方向に前進させることによってキャビティ83内に配置する。この際、上ホルダ部86が一体化されたプレスピン50の後端側を開口89を嵌め込むことにより開口89を塞ぎ、キャビティ83内を密封状態とする。
加圧成形工程では、図5に示すように、キャビティ83内の原料粉末GPをプレスピン50とともに加圧し、成形体PC1を得る。
脱型工程では、図6に示すように、プレスピン50とともに成形体PC1をキャビティ83から脱型する。より詳しくは、液圧FPの付与を解除すると、外ゴム型81及び内ゴム型82が弾性復帰して原形状に戻り、縮小していたキャビティ83も原形状に戻る。これにより、圧縮成形された成形体PC1の外周面とキャビティ83の内周面とが離反して、双方の間に空間が形成される。そして、回転軸87及び上ホルダ部86と一体とされたプレスピン50を外ゴム型81及び内ゴム型82に対し軸線方向後端側に引き上げることにより、プレスピン50は、成形体PC1がついた状態でキャビティ83から引き抜かれる。
プレスピン除去工程では、図7に示すように、成形体PC1からプレスピン50を抜き取る。より詳しくは、ピン側螺旋部54が形成されたプレスピン50を用いて成形を行うと、ピン側螺旋部54に対面する成形体PC1の内筒面の前端側には、ピン側螺旋部54を反転した形状の(すなわち溝状の)成形体側螺旋部20aが形成される。
不要部分除去工程では、図7及び図8に示すように、成形体PC1から不要部分Uを除去する。ここで、参考例1において不要部分Uとは、成形体PC1の先端側において、破線より先端側の部位であり、成形体側螺旋部20aを含んでいる。なお、本参考例では、成形体PC1を従来よりも先端側に延長することにより、成形体側螺旋部20aを含むようにしている。そして、グラインダ等の切削工具等により不要部分Uを除去すると、上記従来の製造方法とは異なり、成形体PC1の内筒面に成形体側螺旋部20aが残留しない。このように、プレスピン50においてピン側螺旋部54が形成されている位置である第1位置P1は、成形体側螺旋部20aが成形体PC1の先端側の不要部分Uに位置するように設定されている。
参考例2の製造方法は、参考例1の製造方法と同様に、図1に示す絶縁体2を製造する方法である。参考例2の製造方法では、参考例1に係るプレスピン50の代わりに、図9に示すプレスピン350を採用している。また、図10及び図11に示すように、加圧成形工程において、参考例1に係る成形体PC1とは異なる成形体PC3を得るとともに、不要部分除去工程において成形体PC3から不要部分U、U3を除去している。その他の構成は参考例1の製造方法と同様である。このため、参考例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。また、参考例1の製造方法との相違点を重点的に説明し、参考例1の各工程と同様な工程については、説明を省略又は簡略する。
用意工程では、プレスピン350と、成形型80とを用意する。なお、成形型80は、参考例1と同様であるので説明を省く。
粉末充填工程から脱型工程までは、プレスピン50がプレスピン350に置き換わる点以外は参考例1と同様であるので説明を省略する。粉末充填工程から脱型工程までを参考例1と同様に実施すると、図10に示すように、プレスピン350と一体になった成形体PC3が得られる。
プレスピン除去工程では、図10に示すように、成形体PC3からプレスピン350を抜き取る。より詳しくは、ピン側螺旋部354が形成されたプレスピン350を用いて成形を行うと、ピン側螺旋部354に対面する成形体PC3の内筒面の後端側には、ピン側螺旋部354を反転した形状の(すなわち溝状の)成形体側螺旋部320aが形成される。
不要部分除去工程では、図10及び図11に示すように、成形体PC3から不要部分U2、U3を除去する。ここで、参考例2において不要部分U2とは、成形体PC3の先端側において、破線H1よりさらに先端側の部位である。また、不要部分U3とは、成形体PC3の後端側において、破線H2よりさらに後端側の部位である。なお、本参考例では、成形体PC3を従来よりも後端側に延長することにより、成形体側螺旋部320aを含むようにしている。そして、グラインダ等の切削工具等により不要部分U2、U3を除去すると、上記従来の製造方法とは異なり、成形体PC3の内筒面に成形体側螺旋部320aが残留しない。このように、プレスピン350においてピン側螺旋部354が形成されている位置である第1位置P1Bは、成形体側螺旋部320aが成形体PC3の後端側の不要部分U3に位置するように設定されている。
実施例の製造方法は、図12に示すように、スパークプラグ用絶縁体の具体的態様である絶縁体202を製造する方法である。絶縁体202は、参考例1の絶縁体2の貫通孔6の代わりに、厚肉部202aに成形体側螺旋部220aが形成された貫通孔206を採用しているが、その他の構成は絶縁体2と同様である。そして、絶縁体202も、絶縁体2と同様にスパークプラグ100を構成するものである。このため、参考例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。また、参考例1の製造方法との相違点を重点的に説明し、参考例1の各工程と同様な工程については、説明を省略又は簡略する。
用意工程では、プレスピン250と、成形型80とを用意する。なお、成形型80は、参考例1と同様であるので説明を省く。
粉末充填工程から脱型工程までは、プレスピン50がプレスピン250に置き換わる点以外は参考例1と同様であるので説明を省略する。粉末充填工程から脱型工程までを参考例1と同様に実施すると、図14に示すように、プレスピン250と一体になった成形体PC2が得られる。
プレスピン除去工程では、図14に示すように、成形体PC2からプレスピン250を抜き取る。より詳しくは、ピン側螺旋部254が形成されたプレスピン250を用いて成形を行うと、ピン側螺旋部254に対面する成形体PC2の内筒面の厚肉部202aには、ピン側螺旋部254を反転した形状の(すなわち溝状の)成形体側螺旋部220aが形成される。このように、プレスピン250においてピン側螺旋部254が形成されている位置である第2位置P2は、成形体側螺旋部220aが成形体PC2の厚肉部202aに位置するように設定されている。この厚肉部202aは、成形体PC2が焼成されて最終的に絶縁体202になっても、そのまま残留するものである。また、第2位置P1は、図12に示すように、成形体側螺旋部220aが成形体15に接しないように、貫通孔206内において成形体15が配置される位置よりも後端側にずらして設定されている。
2a、202a…厚肉部
3…中心電極
6、206…貫通孔
13…端子電極
15…抵抗体
20a、320a、220a…成形体側螺旋部
50、350、250…プレスピン
54、354、254…ピン側螺旋部
80…成形型
83…キャビティ
100…スパークプラグ
GP…原料粉末
PC1、PC3、PC2…成形体
U、U2、U3…不要部分
D1、D3…ピン側螺旋部より後端側の外周面の外径
D2、D4、D5…ピン側螺旋部の外径
P1、P1B…第1位置
P2…第2位置
Claims (3)
- 中心電極及び端子電極を挿入するための貫通孔が軸線方向に形成され、かつ該貫通孔と外周面との間の肉厚が、前記軸線方向における他の部位よりも厚い厚肉部が形成されたスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記貫通孔を形成するために用いられ、自己の外周面を螺旋状に回るリブ状のピン側螺旋部が第2位置に形成されたプレスピンと、キャビティを有する成形型とを用意する用意工程と、
該キャビティ内に原料粉末を充填する粉末充填工程と、
該粉末充填工程の前、途中又は後で、該プレスピンをその先端側を前記軸線方向に前進させることによって該キャビティ内に配置するプレスピン配置工程と、
該プレスピン配置工程後、該キャビティ内の該原料粉末を該プレスピンとともに加圧し、該ピン側螺旋部が転写された成形体側螺旋部が形成された成形体を得る加圧成形工程と、
該加圧成形工程後、該プレスピンとともに該成形体を該キャビティから脱型する脱型工程と、
該脱型工程後、該成形体に対して該プレスピンを軸線回りに回転させながら後退させ、該成形体から該プレスピンを抜き取るプレスピン除去工程とを備え、
前記ピン側螺旋部の外径は、該ピン側螺旋部より後端側の外周面の外径よりも小さく、
前記第2位置は、前記成形体側螺旋部が前記厚肉部内に位置するように設定されていることを特徴とするスパークプラグ用絶縁体の製造方法。 - 前記第2位置は、前記中心電極と前記端子電極との間に設けられる抵抗体が前記成形体側螺旋部に接しないように設定されている請求項1記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法。
- 請求項1又は2記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法によりスパークプラグ用絶縁体を製造する工程と、
製造された前記スパークプラグ用絶縁体と他の構成部材とを組み付ける工程とを備えるスパークプラグの製造方法。
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