JP2001174836A - 液晶表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示パネル及びその製造方法

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JP2001174836A
JP2001174836A JP2000262505A JP2000262505A JP2001174836A JP 2001174836 A JP2001174836 A JP 2001174836A JP 2000262505 A JP2000262505 A JP 2000262505A JP 2000262505 A JP2000262505 A JP 2000262505A JP 2001174836 A JP2001174836 A JP 2001174836A
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Naoko Takebe
尚子 武部
Tadashi Otake
忠 大竹
Yukio Nomura
幸生 野村
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流動配向を低減した液晶表示パネル及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】配向膜1及び配向膜2に於ける各々の配向
処理方向と、液晶注入方向とがほぼ平行となる様に液晶
注入口を設けることにより、流動配向の発生を低減でき
ると共に、空セル内に液晶材料を注入する際の注入速度
を一定にすることができる。また、電極の延在方向と、
液晶注入方向とがほぼ平行となるように液晶注入口を設
けることにより、流動配向の発生を低減し、コントラス
ト等の表示品位に優れた液晶表示パネルを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョンやコ
ンピュータ画像を表示するフラットパネルディスプレイ
に用いられる液晶表示パネル及びその製造方法に関し、
特に配向膜のラビング方向に対して液晶の注入方向を最
適化した液晶表示パネルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば空セル内部に液晶を注入す
る際の液晶注入法としては、真空注入法等が一般的に行
われている。即ち、液晶注入口部分を残して形成された
シール材により貼り合わせた空セル内部を真空状態にし
た後、液晶注入口を液晶に接触させる。その後、空セル
を大気圧下に戻すことにより液晶を空セル内部に注入す
る方法である。
【0003】ところで、液晶を空セルに導入したときの
流動配向パターンが、液晶分子の配向に影響を及ぼすこ
とが知られている。即ち、液晶分子は、その長軸方向が
液晶の流動方向とほぼ一致するという特性、及び液晶の
集団性等の内在的要因と、液晶の注入方向等に関係する
外在的要因とに起因して種々の液晶の流動配向が生じ、
一種の配向乱れを生じていた。この流動配向を除去する
手段として、液晶の熱平衡状態をネマティック相から等
方相(等方性液体)に相変化させることが行われてい
る。具体的には、ネマティック−アイソトロピック相転
移温度(N−I相転移温度TNI)以上となるように加熱
処理を行って相転移させることにより、配向秩序を消滅
する。この結果、特定の流動配向パターンにて秩序性を
有していた液晶は、無秩序な等方性液体となり流動配向
を消滅させることができる。相変化が温度に対して可逆
的な場合には、加熱処理後冷却させると再びネマティッ
ク相に相変化して配向秩序が出現するが、このとき液晶
は配向膜の配向処理方向に規制されることとなり、該配
向処理方向に則した配向秩序にて配向させることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような流動配向パターンは、液晶の巨視的な異方性が
もつポテンシャルエネルギーの作用の結果、相転移温度
以上で加熱処理を行っても流動配向が残存するという問
題点を有している。
【0005】又、前記の様に配向膜の配向処理方向と液
晶の注入方向との相関関係を考慮しない結果、注入方向
が異なる場合には、液晶の注入速度にばらつきが生じる
という問題点も有している。これは以下に述べる理由に
よる。前記した如く、液晶分子は、その長軸方向が液晶
の流動方向とほぼ一致するという特性を有している。
又、配向膜は、液晶を特定の方向に配向させる為にその
表面が配向処理されており、この結果配向処理方向に液
晶を配列させるべく、配向規制力を作用させる。このこ
とが配向膜の表面状態にあって、特定の方向に流動する
流体(液晶)に対して作用する一種の抵抗のようなもの
となる。よって、液晶の流動方向と配向処理方向とが大
きく異なれば、配向規制力による抵抗を大きく受ける一
方、両者の相違が小さければ該配向規制力による抵抗は
小さくなる。この結果、液晶の注入方向によりその注入
速度に差が生じるものと思われる。
【0006】一方、流動配向は、液晶を注入する際の液
晶流動を妨げる障害が存在する場合にも発生する。例え
ば、IPSモードの場合では、複数の曲折点を有し、か
つ曲折点毎に交互に異なる方向に曲折しながら所定の方
向に延びた、平面形状が連続するV字のつながる状態の
電極(いわゆるくの字電極)や、カラーフィルターに於
けるブラックマトリクス等の様な膜厚の大きい構成要素
が流動抵抗となる。即ち、電極の延在方向に対して平行
な関係にある基板辺に液晶注入口を設け、この液晶注入
口から液晶を注入した場合、液晶の流動方向は電極の延
在方向と直角となる。この為、電極は流動している液晶
の大きな流動抵抗となり、流動配向やディスクリネーシ
ョンが発生する。よって、横電界を発生させる一対の電
極間の領域を、曲折点毎に区画して複数の領域に分割
し、隣接する領域同士を比較した場合、両者の初期配向
が一致しないという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】一群の本発明は、前記従
来の問題を解決すべくなされたものであり、その目的
は、液晶の注入速度を一定化させると共に、流動配向が
完全に除去された液晶表示パネル及びその製造方法を提
供することにある。
【0008】尚、一群の本発明は、同一ないし類似した
着想に基づくものである。しかし、それぞれの発明は異
なる実施例により具現化されるものであるので、本明細
書では、これらの一群の本発明を密接に関連した発明毎
に第1発明群、及び第2発明群として区分する。そし
て、以下では、発明群毎にその内容を順次説明する。
【0009】[第1発明群]本願発明者等は、前記従来の
問題点を解決すべく、液晶表示パネル及びその製造方法
について鋭意検討した。その結果、配向膜上で配向する
液晶の配向方向に対して液晶の注入方向の最適化を行う
ことにより、液晶を空セルに注入する際に生じる流動配
向を除去することができると共に、注入速度のばらつき
を低減できることを見出して、本発明を完成させるに至
った。
【0010】(1)前記の課題を解決する為に、本発明
の第1の態様に係る液晶表示パネルは、第1配向処理方
向に配向処理された第1配向膜を備える第1基板と、前
記第1基板に対向配置され、かつ第2配向処理方向に配
向処理された第2配向膜を備える第2基板と、前記第1
基板及び第2基板間に設けられ、初期配向状態が捻れ配
向構造を有する液晶層であって、該液晶層を形成する為
に液晶材料を注入する液晶注入方向が、前記第1配向処
理方向と第2配向処理方向とのなす交差角の二等分方向
又は略二等分方向と平行となるようにして形成された液
晶層とを有することを特徴とする。
【0011】前記構成とすることにより、液晶が注入さ
れる際に発生する流動配向の発生を除去又は抑制するこ
とができる。しかも、該液晶を注入する際の注入速度の
ばらつきを抑えることも可能となる。これは以下に述べ
る理由による。即ち、液晶がある方向に流動している
と、液晶分子の長軸方向は流動方向とほぼ一致してい
る。従って、液晶を注入する場合、液晶分子はその長軸
方向が注入方向と平行となるように配向しているものと
考えられる。つまり流動配向の状態にある。ところで、
第1及び第2基板の内側面には各々所定の方向に配向処
理された第1及び第2配向膜が形成されているので、注
入された液晶は各配向膜に於ける配向規制力の影響を受
ける。これにより、各配向膜近傍の液晶分子がそれぞれ
第1及び第2配向処理方向に配向しようとする結果、第
1及び第2配向処理方向を相対的に有限の角度回転させ
た捻れ構造になろうとする。このとき、前記した液晶注
入方向と配向処理方向とのズレが小さいほど、液晶が配
向処理方向に配向し易いことは、エネルギー的にみて明
らかである。従って前記構成のように、第1配向膜に於
ける第1配向処理方向と、第2配向膜に於ける第2配向
処理方向とのなす交差角の二等分方向又は略二等分方向
に平行な方向から液晶を注入することにより、液晶注入
方向と配向処理方向とのズレを小さくし、エネルギー的
に所望の配向構造に配向し易いようにしている。よっ
て、配向規制力の小さい配向膜を用いても、十分に液晶
を所望の方向に配向させることが可能となり、流動配向
を除去し又はその発生を抑制した液晶表示パネルを提供
することができる。
【0012】(2)前記の課題を解決する為に、第1発
明群の第2の態様に係る液晶表示パネルは、第1配向処
理方向に配向処理された第1配向膜を備える第1基板
と、前記第1基板に対向配置され、かつ第2配向処理方
向に配向処理された第2配向膜を備える第2基板と、前
記第1基板及び第2基板間に設けられ、初期配向状態が
捻れ配向構造を有する液晶層であって、該液晶層を形成
する為に液晶材料を注入する液晶注入方向が、前記第1
配向処理方向と第2配向処理方向とのなす交差角の二等
分方向又は略二等分方向と直角となるようにして形成さ
れた液晶層とを有することを特徴とする。
【0013】前記の構成によれば、前記(1)に記載し
たと同様に、液晶の注入方向と配向処理方向とのズレを
小さくすることができ、流動配向を除去し、又はその発
生を抑制した液晶表示パネルが得られる。
【0014】(3)前記の課題を解決する為に、第1発
明群の第3の態様に係る液晶表示パネルは、第1配向処
理方向に配向処理された第1配向膜を備える第1基板
と、前記第1基板に対向配置され、かつ前記第1配向処
理方向と平行となるように第2配向処理方向に配向処理
された第2配向膜を備える第2基板と、前記第1基板及
び第2基板間に設けられ、初期配向状態がホモジニアス
配向構造を有する液晶層であって、該液晶層を形成する
為に液晶材料を注入する液晶注入方向が、前記第1配向
処理方向及び第2配向処理方向と平行となるようにして
形成された液晶層とを有することを特徴とする。
【0015】注入直後の液晶の流動配向方向と、配向処
理方向との間にズレが存在する場合、流動配向の状態を
維持しようとする液晶の集団性に起因したエネルギー
が、配向膜の配向規制力を上回ることにより流動配向の
発生を招来するが、前記の構成によれば、流動配向(即
ち、液晶注入方向)と第1及び第2配向処理方向とを一
致させることにより、流動配向の根本的原因である注入
直後の液晶分子の配向方向と配向処理方向とのズレを解
消している。よって、流動配向が殆ど発生しない液晶表
示パネルを提供することができる。
【0016】前記第1〜第3の態様に係る液晶表示パネ
ルにおいては、更に以下に述べる構成要素を付加するこ
とができる。
【0017】即ち、前記第1配向膜及び第2配向膜は、
ラビング処理によって液晶配向能が付与された膜とする
ことができる。
【0018】前記の構成に於いて、ラビング処理にて配
向処理された第1及び第2配向膜は、他の方法にて配向
処理された配向膜と比較して、その配向規制力を大きく
することができる。よって、液晶注入方向と配向処理方
向との角度差が大きくなっても、液晶を所定の配向処理
方向に配向させることが可能となり、流動配向を発生さ
せない液晶注入方向の方向性に幅を持たせることができ
る。
【0019】前記の構成に於いて、前記第1配向膜及び
第2配向膜は、感光性基を有する膜構成分子を含んで構
成され、光配向処理法によって液晶配向能を付与された
感光性配向膜とすることができる。
【0020】前記の光配向処理法により配向処理された
第1配向膜及び第2配向膜に於いては、その配向規制力
が小さい為、流動配向が最も生じやすい状態にあるが、
このような場合であっても流動配向の発生を抑制して、
所定の方向に一様に配向した液晶表示パネルが得られ
る。
【0021】更に前記の構成に於いて、前記第1配向膜
及び第2配向膜がポリイミド系樹脂膜からなるものとす
ることができる。
【0022】又、前記の構成に於いて、前記の構成に於
いて、第1配向膜及び第2配向膜は、直鎖状炭素鎖を含
む膜構成分子の集合群がシロキサン結合を介して前記基
板表面に於ける結合・固定された膜からなるものとする
ことができる。
【0023】更に、前記の構成に於いて、前記第1配向
膜及び第2配向膜が、単分子吸着膜又はポリマー吸着膜
からなる膜とすることができる。
【0024】(4)前記第1の態様に対応する、本発明
の液晶表示パネルの製造方法は、第1基板上に第1配向
膜を形成し、かつ該第1基板と対をなす第2基板上に第
2配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記第1配向膜
を第1配向処理方向に配向処理する一方、第2配向膜を
第2配向処理方向に配向処理する配向処理工程と、前記
第1基板及び第2基板のうち何れか一方に、液晶注入口
の部分を欠いた枠状のシール材を形成するシール材形成
工程と、前記第1配向膜及び第2配向膜が対向し、かつ
第1配向処理方向と第2配向処理方向とが相対的に有限
の角度回転させた関係となるように、前記一対の基板を
所定の間隙を有して貼り合わせる貼り合わせ工程と、前
記液晶注入口から液晶材料を注入して、初期配向状態が
捻れ配向構造を有する液晶層を形成する液晶注入工程と
を備え、前記シール材形成工程に於ける前記液晶注入口
の開口方向は、前記第1配向処理方向と第2配向処理方
向とのなす交差角の二等分方向又は略二等分方向と平行
となる関係にあり、前記液晶注入工程にて該液晶注入口
から液晶材料を注入する際の液晶注入方向を、前記第1
配向処理方向と第2配向処理方向とのなす交差角の二等
分方向又は略二等分方向と平行とすることを特徴とす
る。
【0025】(5)前記第2の態様に対応する、本発明
の液晶表示パネルの製造方法は、第1基板上に第1配向
膜を形成し、かつ該第1基板と対をなす第2基板上に第
2配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記第1配向膜
を第1配向処理方向に配向処理する一方、第2配向膜を
第2配向処理方向に配向処理する配向処理工程と、前記
第1基板及び第2基板のうち何れか一方に、液晶注入口
の部分を欠いた枠状のシール材を形成するシール材形成
工程と、前記第1配向膜及び第2配向膜が対向し、かつ
前記第1配向処理方向及び第2配向処理方向が相対的に
有限の角度回転させた関係となるように、前記一対の基
板を所定の間隙を有して貼り合わせる貼り合わせ工程
と、前記液晶注入口から液晶材料を注入して、初期配向
状態が捻れ配向構造を有する液晶層を形成する液晶注入
工程とを備え、前記シール材形成工程に於ける前記液晶
注入口の開口方向は、前記第1配向処理方向と第2配向
処理方向とのなす交差角の二等分方向又は略二等分方向
と直角となる関係にあり、前記液晶注入工程にて該液晶
注入口から液晶材料を注入する際の液晶注入方向を、前
記第1配向処理方向と第2配向処理方向とのなす交差角
の二等分方向又は略二等分方向と直角とすることを特徴
とする。(6)前記第1の態様に対応する、本発明の液
晶表示パネルの製造方法は、第1基板上に第1配向膜を
形成し、かつ該第1基板と対をなす第2基板上に第2配
向膜を形成する配向膜形成工程と、前記第1配向膜を第
1配向処理方向に配向処理する一方、第2配向膜を第2
配向処理方向に配向処理する配向処理工程と、前記第1
基板及び第2基板のうち何れか一方に、液晶注入口の部
分を欠いた枠状のシール材を形成するシール材形成工程
と、前記第1配向膜及び第2配向膜が対向し、かつ前記
第1配向処理方向及び第2配向処理方向が互いに平行又
は略平行となるように、前記一対の基板を所定の間隙を
有して貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶注入口
から液晶材料を注入して、初期配向状態がホモジニアス
配向構造を有する液晶層を形成する液晶注入工程とを備
え、前記シール材形成工程に於ける前記液晶注入口の開
口方向は、前記第1配向処理方向及び第2配向処理方向
と平行となる関係にあり、前記液晶注入工程にて該液晶
注入口から液晶材料を注入する際の液晶注入方向を、前
記第1配向処理方向及び第2配向処理方向と平行とする
ことを特徴とする。
【0026】前記(4)、(5)又は(6)に記載の発
明によれば、流動配向が発生しないように液晶注入方向
を最適化し、かつ設定することにより、液晶を注入する
際の注入速度のバラつきを抑制して製造することがで
き、流動配向のない均一に配向した液晶表示パネルを効
率よく製造することができる。
【0027】第1〜第3の態様に対応する、前記
(4)、(5)又は(6)に記載の液晶表示パネルの製
造方法においては、更に以下に述べる構成要素を付加す
ることができる。
【0028】前記の構成に於いて、前記配向処理工程
は、ラビング処理を行うことができる。
【0029】前記の方法によれば、第1配向膜及び第2
配向膜をラビング処理することにより、配向規制力の大
きい配向膜とすることができ、一層流動配向の発生しな
い液晶表示パネルを製造することが可能となる。
【0030】前記の構成に於いて、前記第1配向膜及び
第2配向膜として感光性配向膜を使用し、前記配向処理
工程にて、所定の方向に偏光した光を照射することによ
り配向処理する光配向処理を行うことができる。
【0031】一般に、感光性配向膜に光配向処理を施す
と、配向規制力の小さい配向膜が形成されるが、このよ
うな場合であっても液晶注入方向と第1及び第2配向処
理方向との関係を最適化することにより、流動配向の発
生を抑制した液晶表示パネルを製造することができる。
【0032】[第2発明群]又、本願発明者等は、前記従
来の問題点を解決すべく、液晶表示パネル及びその製造
方法について鋭意検討した。その結果、液晶流動に対し
て流動抵抗となる構成要素が、液晶注入の際に最も流動
抵抗を抑制できる方向から液晶を注入することにより、
立体的な障害物に起因して発生する流動配向等を除去で
きることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0033】(1)前記の課題を解決する為に、一対の
基板にシール材を介在させて構成される空セルの周縁部
に、少なくとも1つの液晶注入口を設け、前記液晶注入
口から前記空セル内部に液晶を注入することにより構成
された液晶セルを有する液晶表示パネルであって、前記
液晶注入口は、前記液晶層の内部にある構成要素群のう
ち、前記一対の基板間を所定間隔に保持する支持部材を
除いた構成要素群を、基板面に平行な方向から見て一平
面上に表した投影面に於いて、全体から構成要素群の投
影面積を差し引いた空間部分を表す領域の面積が最大と
なる方向と、液晶注入方向とが実質的に一致する様に、
設けられていることを特徴とする。
【0034】前記構成に於いて、液晶セルを構成する構
成要素群を基板面に平行な方向から見て一平面上に投影
し、全体から構成要素群の投影面積を差し引いた空間部
分を表す領域の面積が最大となる方向は、液晶が流動し
ていく上で最も流動抵抗が小さく、かつ最も流路が確保
された方向である。従って、この様な方向と、液晶注入
方向とが実質的に一致する様に液晶注入口を設けた、前
記構成の液晶表示パネルであると、流動配向やディスク
リネーション等の発生が抑制され、表示品位に優れたも
のとすることができる。
【0035】又、前記構成に於いて、前記一対の基板の
内側には配向膜がそれぞれ設けられており、前記配向膜
の配向処理方向は、前記空間部分を表す領域の面積が最
大となる方向及び前記液晶注方向と実質的に一致した構
成とすることができる。
【0036】(2)前記の課題を解決する為に、一対の
基板にシール材を介在させて構成される空セルの周縁部
に、少なくとも1つの液晶注入口を設け、前記液晶注入
口から前記空セル内部に液晶を注入することにより構成
された液晶セルを有する液晶表示パネルであって、前記
液晶層の内部にある構成要素群のうち、前記一対の基板
間を所定間隔に保持する支持部材を除いた構成要素群
を、基板面に平行な方向から見て一平面上に表した投影
面に於いて、全体から構成要素群の投影面積を差し引い
た空間部分を表す領域の面積が最大となる方向が複数あ
る場合に、前記液晶注入口は、液晶の流路が最も確保さ
れている方向と、液晶注入方向とが実質的に一致する様
に設けられていることを特徴とする。
【0037】前記構成の様に、全体から構成要素群の投
影面積を差し引いた空間部分を表す領域の面積が最大と
なる方向が複数ある場合には、液晶の流路が最も確保さ
れている方向に液晶を流動させることにより、流動抵抗
の影響を最小限に抑制することができる。よって、前記
構成の様に、液晶注入方向が液晶の流路が最も確保され
ている方向と実質的に一致する様に液晶注入口を設ける
ことにより、流動配向やディスクリネーション等の発生
が抑制され、表示品位に優れた液晶表示パネルを提供で
きる。
【0038】(3)前記の課題を解決する為に、一対の
基板にシール材を介在させて構成される空セルの周縁部
に、少なくとも1つの液晶注入口を設け、前記液晶注入
口から液晶を注入することにより構成された液晶セルを
備え、前記基板に対して平行となる方向に発生させた横
電界成分によって前記液晶セルに透過する光を変調し画
像を表示する液晶表示パネルであって、前記一対の基板
のうち一方の基板上には、一対の電極が設けられてお
り、前記液晶注入口は、前記液晶を注入する際の液晶注
入方向が前記電極の延在方向と実質的に一致する様に、
設けられていることを特徴とする。
【0039】前記の構成に於いて、電極の延在方向と液
晶注入方向とを一致させることにより、液晶の流動に対
して流動抵抗として作用する電極の影響を抑制すること
ができる。この結果、流動配向やディスクリネーション
等の発生を低減することができる。
【0040】(4)前記の課題を解決する為に、一対の
基板にシール材を介在させて構成される空セルの周縁部
に、少なくとも1つの液晶注入口を設け、前記液晶注入
口から液晶を注入することにより構成された液晶セルを
備え、前記基板に対して平行となる方向に発生させた横
電界成分によって前記液晶セルに透過する光を変調し画
像を表示する液晶表示パネルであって、前記一対の基板
のうち一方の基板上には一対の電極が設けられると共
に、他方の基板の内側には、赤色、緑色及び青色のパタ
ーンと、各色パターンの間に設けられた遮光膜とを備え
たカラーフィルターが設けられており、前記液晶注入口
は、前記液晶を注入する際の液晶注入方向が前記遮光膜
の厚みが最も厚い部分の延在方向と実質的に一致する様
に、設けられていることを特徴とする。
【0041】前記構成に於いて、流動配向発生の原因と
なるのは、流動抵抗として液晶の流動に最も作用する遮
光膜である。この遮光膜の厚みが最も厚い部分の延在方
向と、液晶注入方向とを実質的に一致させることによ
り、流動抵抗である遮光膜の影響を最も抑制し、この結
果流動配向等の発生を低減させることができる。
【0042】又、前記(3)及び(4)に記載の液晶表
示パネルに於いて、前記一対の基板の内側には配向膜が
それぞれ設けられており、該配向膜の配向処理方向は前
記電極の延在方向及び前記液晶注入口の開口方向と実質
的に一致した構成とすることができる。液晶分子は、流
動方向に長軸を一致させて流動するので、配向膜の配向
処理方向を液晶注入方向と一致させると、液晶が配向膜
の配向規制力に規制され易くできる。この結果、液晶の
注入後であっても所望の初期配向状態にすることがで
き、流動配向の発生を一層低減できる。
【0043】前記(3)及び(4)に記載の液晶表示パ
ネルに於いて、前記配向膜が、ラビング処理により配向
処理された膜とすることができる。
【0044】更に、前記配向膜が、ポリイミド系樹脂か
らなる構成とすることができる。
【0045】又、前記(3)及び(4)に記載の液晶表
示パネルに於いて、前記配向膜が、光配向処理により配
向処理された膜とすることができる。
【0046】又、前記配向膜は、これを構成する膜構成
分子の集合群が前記基板表面に結合・固定してなる単分
子吸着膜又はポリマー吸着膜からなる膜とすることがで
きる。
【0047】又、前記(3)及び(4)に記載の液晶表
示パネルに於いて、前記電極は、複数の曲折点を有し、
かつ曲折点毎に交互に異なる方向に曲折しながら、全体
として所定の方向に延在した形状の電極とすることがで
きる。又、前記(3)及び(4)に記載の液晶表示パネ
ルに於いて、前記一対の電極は、ストライプ状の平行電
極対とすることができる。
【0048】又、前記(3)及び(4)に記載の液晶表
示パネルに於いて、前記一対の電極は、両端部が相互に
異なる方向に鉤型となった電極部分であって、任意の角
度を有する長辺部と短辺部とからなる電極部分を備えた
電極対とすることができる。
【0049】(5)前記の課題を解決する為に、一対の
基板にシール材を介在させて構成される空セルの周縁部
に、少なくとも1つの液晶注入口を設け、前記液晶注入
口から液晶を注入することにより構成された液晶セルを
有する液晶表示パネルの製造方法であって、前記一対の
基板のうち何れか一方に、液晶注入口の部分を少なくと
も1箇所欠いた枠状のシール材を形成するシール材形成
工程と、前記一対の基板のうち何れか一方に支持部材を
設け、該一対の基板を所定の間隙を有して貼り合わせ、
空セルを形成する貼り合わせ工程と、前記液晶注入口か
ら液晶を注入して液晶セルを形成する液晶注入工程とを
有し、前記シール材形成工程は、前記液晶を注入する際
の液晶注入方向と、前記空セルの内部にあり、かつ前記
一対の基板間を所定間隔に保持する支持部材を除いた構
成要素群のうち、液晶流動に障害となる構成要素による
流動抵抗が最も小さい方向とが実質的に一致する様に、
前記シール材を形成する工程であることを特徴とする
【0050】前記シール材形成工程に於いて、基板上に
形成するシール材は、一対の基板を接着して空セルを作
製する為のものである。シール材の形成に際しては、液
晶注入に必要となる液晶注入口の形成位置及び開口方向
を考慮する必要がある。
【0051】ここで、流動配向は、液晶を空セル内に注
入する際に、液晶流動の障害となる構成要素、即ち流動
抵抗の影響が大きい場合に発生する。よって、液晶の流
動していく方向と、流動抵抗の影響が最も小さい方向と
がほぼ一致していれば、流動配向の発生を低減できる。
この為、前記シール材形成工程に於いては、液晶注入方
向と、流動抵抗の影響が最も小さい方向とが一致する様
に、シール材の一部を欠落させて当該シール材を形成
し、液晶注入口を設けている。よって、前記方法によれ
ば、流動配向等の発生を低減し、コントラスト等の表示
品位に優れた液晶表示パネルを作製することができる。
【0052】(6)前記の課題を解決する為に、一対の
基板にシール材を介在させて構成される空セルの周縁部
に、少なくとも1つの液晶注入口を設け、前記液晶注入
口から液晶を注入することにより構成された液晶セルを
有する液晶表示パネルの製造方法であって、前記一対の
基板のうち何れか一方に、一対の電極を形成する電極形
成工程と、前記一対の基板のうち何れか一方に、液晶注
入口の部分を少なくとも1箇所欠いた枠状のシール材を
形成するシール材形成工程と、前記一対の基板のうち何
れか一方に支持部材を設け、該一対の基板を所定の間隙
を有して貼り合わせ、空セルを形成する貼り合わせ工程
と、前記液晶注入口から液晶を注入して液晶セルを形成
する液晶注入工程とを有し、前記シール材形成工程は、
前記液晶を注入する際の液晶注入方向と前記電極の延在
方向とが実質的に一致する様に、前記シール材を形成す
る工程であることを特徴とする。
【0053】電極は液晶流動の障害となる構成要素であ
り、従って液晶注入工程を行う際には、電極の流動抵抗
が最も小さい方向に液晶を流動させれば流動配向の発生
を低減できる。従って、前記方法の様に、液晶注入方向
と前記電極の延在方向とが実質的に一致する様に、前記
シール材を形成して液晶注入口を設けることにより、流
動抵抗の発生を低減し、コントラスト等の表示品位に優
れた液晶表示パネルを製造することができる。
【0054】前記の方法に於いて、前記一対の基板上に
配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜を配向
処理する配向処理工程とを含み、前記シール材形成工程
は、前記配向処理工程に於ける配向処理方向が、前記液
晶注入方向と実質的に一致する様に、前記液晶注入口を
形成する構成とすることができる。
【0055】(7)前記の課題を解決する為に、一対の
基板にシール材を介在させて構成される空セルの周縁部
に、少なくとも1つの液晶注入口を設け、前記液晶注入
口から液晶を注入することにより構成された液晶セルを
有する液晶表示パネルの製造方法であって、前記一対の
基板のうち何れか一方の基板に、R(赤色)・G(緑
色)・B(青色)の色パターンと、これらの色パターン
を色分離する遮光膜とからなるカラーフィルターを形成
するカラーフィルター形成工程と、前記一対の基板のう
ち何れか一方に、一対の電極を形成する電極形成工程
と、前記一対の基板のうち何れか一方に、液晶注入口の
部分を少なくとも1箇所欠いた枠状のシール材を形成す
るシール材形成工程と、前記一対の基板のうち何れか一
方に支持部材を設け、該一対の基板を所定の間隙を有し
て貼り合わせ、空セルを形成する貼り合わせ工程と、前
記液晶注入口から液晶を注入して液晶セルを形成する液
晶注入工程とを有し、前記シール材形成工程は、前記液
晶を注入する際の液晶注入方向と前記遮光膜の高さの最
も高い部分の延在方向とが実質的に一致する様に、前記
シール材を形成する工程であることを特徴とする。
【0056】カラーフィルターに於ける遮光膜及び電極
は、液晶流動の障害となる構成要素であり、両者を比較
した場合、流動抵抗が大きいのは遮光膜である。従っ
て、前記の方法に於いて、液晶注入方向と遮光膜の高さ
の最も高い部分の延在方向とが実質的に一致する様に、
シール材を形成して液晶注入口を設ければ、流動抵抗の
発生を低減し、コントラスト等の表示品位に優れた液晶
表示パネルを作製することができる。
【0057】前記の方法に於いて、前記一対の基板上に
配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜を配向
処理する配向処理工程とを含み、前記シール材形成工程
は、前記配向処理工程に於ける配向処理方向が、前記液
晶注入方向と実質的に一致する様に、前記シール材を形
成して液晶注入口を設ける構成とすることができる。
【0058】前記方法に於いて、前記一対の基板のうち
他方の基板上に、一対の電極を形成する電極形成工程を
含み、前記シール材形成工程は、前記液晶注入方向が前
記電極の延在方向と実質的に一致する様に、前記シール
材を形成して液晶注入口を設ける工程である構成とする
ことができる。
【0059】又、前記方法に於いて、前記一対の基板上
に配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜に配
向処理する配向処理工程とを含み、前記シール材形成工
程は、前記液晶注入方向が前記電極の延在方向及び前記
配向処理工程に於ける配向処理方向と実質的に一致する
様に、前記シール材を形成して液晶注入口を設ける工程
である構成とすることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本実施の形態1
は、第1発明群に対応する。本実施の形態1について、
以下に図面に基づき説明する。
【0061】本発明の実施の形態について、図1ないし
図3に基づいて説明する。但し、これらの図は本発明に
関連する部分のみを示しており、一部の構成要素を省略
している。又、説明を容易にする為に拡大或いは縮小等
して図示した部分がある。
【0062】本発明の技術的思想は、配向膜に於ける配
向処理方向に鑑みて、液晶を注入する際の注入方向を最
適化することにより、流動配向の発生を除去又は抑制す
ることにある。
【0063】以下に、液晶の配向構造が平行配向構造の
場合と、捻れ配向構造の場合とについて、それぞれ液晶
注入方向を最適化する具体的態様を説明する。
【0064】先ず、それぞれ配向膜を備え、対向配置さ
れた一対の基板の間に、平行配向構造の液晶層が設けら
れた液晶表示パネルについて述べる。この場合、液晶注
入方向は、一対の配向膜に於ける互いに平行な配向処理
方向とほぼ平行となるように設定する。
【0065】図1は平行配向構造(ホモジニアス配向)
を有した液晶に於いて、配向膜に於ける配向処理方向と
液晶注入方向との関係を模式的に示した斜視図である。
図2は、液晶を空セルに注入する際の流動方向を概念的
に示した平面図である。図1に示すように、上下に設け
られた配向膜1(第1配向膜)及び配向膜2(第2配向
膜)は、共に図中の矢印Aで示す方向に配向処理されて
いる(第1及び第2配向処理方向)。このように配向処
理された配向膜1・2を有する空セル内部に、液晶注入
口5から液晶を注入すると、図2(a)に示すように、
液晶はその流動方向が該液晶注入口5を起点として等方
的となるように広がっていく。やがて一部の液晶が両側
縁部に達すると、液晶の流動方向は全体として、液晶注
入方向と同一方向となる(図2(b)参照)。
【0066】ところで、液晶がある方向に流動している
場合、液晶分子はその長軸が流動方向に平行となるよう
な状態にある。ここで、注入直後の液晶分子の配向方向
と配向処理方向との両者にズレがある場合、配向膜1・
2は配向規制力を作用させることにより、液晶を配向処
理方向に配向させようとする。一方、液晶は分子集団と
しての挙動を示す為、流動配向状態を維持しようとす
る。つまり、液晶表示パネルに於いて流動配向が発生す
る決定因子とは、流動配向の状態を維持しようとする液
晶の集団性に起因したエネルギーと、配向膜の配向規制
力との大小関係にあると考えられる。
【0067】しかしながら、本発明に於いては、図1に
示すように、液晶の注入方向を配向処理方向とほぼ平行
な方向であるA方向及び/又はA’方向とすることによ
り、液晶が液晶注入方向から配向処理方向に再配向させ
る必要をなくしている。つまり、流動配向と配向処理方
向とを一致させることにより、該液晶注入方向と配向処
理方向とのズレという、流動配向の発生の根本的原因を
取り除き、流動配向の発生の余地を排除している。
【0068】尚、前記したように液晶が平行配向構造で
ある場合、液晶を注入する為の液晶注入口は、A方向及
びA’方向に直角な基板辺に設けられている必要があ
る。又、その開口方向は配向処理方向とほぼ平行となる
ように形成されている必要がある。
【0069】次に、上下の配向膜の配向処理方向を相対
的に有限の角度回転させた捻れ構造(例えば、TNやS
TN配向モード等)を有する液晶表示パネルの場合につ
いて述べる。この場合、以下に述べる2通りの注入方向
から液晶を注入することにより流動配向の除去又はその
発生の抑制が可能となる。
【0070】先ず第1の注入方法としては、一方の配向
膜に於ける配向処理方向と、他方の配向膜に於ける配向
処理方向とのなす交差角の二等分方向又は略二等分方向
に平行となるように液晶の注入方向を設定する。
【0071】以下に、液晶分子長軸が上下の基板間で9
0度連続的に捻れたTN液晶の場合を例にして説明す
る。図3は、ツイスト角が90度の捻れ構造を有するT
N液晶に於いて、配向膜に於ける配向処理方向と液晶注
入方向との関係を模式的に示した斜視図である。図4
は、空セルに注入された液晶が、配向膜1・2に於ける
配向規制力の作用により配向処理方向に再配向する状態
を示した概念図である。
【0072】図3及び図4(a)に示すように、配向膜
1に於ける配向処理方向は、矢印A方向に平行となるよ
うに配向処理されている(第1配向処理方向)。その一
方、配向膜2に於ける配向処理方向は矢印B方向に平行
となるように配向処理されている(第2配向処理方
向)。又、配向処理方向A・Bの交差角はθ(=90
°)で表されている。このような構成を有するTN液晶
の場合、第1の注入方法では矢印C方向又はC’方向か
ら液晶を注入する。例えば図4(a)に示すように、矢
印C方向から液晶が注入された場合、配向膜1近傍の液
晶分子11は該配向膜1の配向規制力に規制される結
果、基板に平行な面内に於いて角度φLC1だけ回転し
て矢印A方向に配向しようとする。その一方、配向膜2
近傍の液晶分子12も、該配向膜2により角度φLC2
だけ回転して矢印B方向に配向しようとする。更に、液
晶層の中央部分に於ける液晶分子は、注入された状態に
於いて既に配向処理方向に配向している為、その配向状
態は殆ど変化しない。尚、前記φLC1及びφLC2は、
より詳細には、基板に平行な面内に於いて0°≦φLC
1≦45°、かつ−45°≦φLC2≦0°の範囲内で変
化する。
【0073】前記したように、流動配向の発生は、流動
配向の状態を維持しようとする液晶の集団性に起因した
エネルギーと、配向膜の配向規制力との大小関係により
決まる。よって、流動配向を発生させずに所望の方向に
液晶を配向させるには、ある一定程度の大きさの配向規
制力が必要となる。前記した液晶の注入方向はこの点を
勘案して、配向膜1・2に於ける配向処理方向の交差角
の2等分方向と、液晶注入方向とを平行としているので
ある。つまり、液晶注入方向と配向処理方向とのズレを
小さくすることにより、配向規制力が流動配向を維持し
ようとするエネルギーを上回るように、前記液晶注入方
向を最適化しているのである。しかも、液晶の配向構造
は捻れ構造である為、配向膜1・2によってその配向方
向を大きく変える液晶分子はごく一部である。又、一部
の液晶分子はその配向方向が注入方向と一致している
為、これらの液晶分子については初期状態のままであ
る。これらのことから、配向規制力の小さい配向膜を用
いても、十分に液晶を所望の方向に配向させることが可
能となり、流動配向の発生を除去又は抑制することがで
きる。
【0074】次に、第2の注入方法としては、一方の配
向膜に於ける配向処理方向と、他方の配向膜に於ける配
向処理方向とのなす交差角の二等分方向又は略二等分方
向に、直角となるように液晶の注入方向を設定する。
【0075】液晶の配向構造がTN液晶モードの場合、
図3に示すように、液晶の注入方向は矢印D又はD’方
向から液晶を注入すればよい。より詳細には、例えば矢
印D方向から液晶が注入された場合、図4(b)に示す
ように、配向膜1近傍の液晶分子11は該配向膜1の配
向規制力に規制される結果、角度φLC3(≒45度)
だけ回転して矢印A方向に配向しようとする。又、配向
膜2近傍の液晶分子12も、該配向膜2により角度φL
4(≒−45度)だけ回転して矢印B方向に配向しよ
うとする。
【0076】以上のように、液晶注入方向が交差角の2
等分方向に対して直角である為、配向膜1・2近傍の液
晶分子11・12を所望の方向に配向させることが、該
配向膜1・2に於ける配向規制力によって十分に可能と
なる。よって、流動配向の発生を除去又は抑制した液晶
表示パネルを得ることができる。
【0077】尚、以上の説明では主にTN配向モードを
例にして述べたが、STN配向モードについても同様の
原理にて流動配向の発生を抑制することができる。つま
り、TN液晶モードの場合とほぼ同様の方向から液晶を
注入することにより、流動配向の発生を抑制すると共に
注入速度のばらつきもなくすことができる。更に、前記
したように液晶が捻れ配向構造の場合、液晶を注入する
為の液晶注入口は、その開口方向が配向膜1・2に於け
る配向処理方向の交差角の2等分方向とほぼ平行又は直
角となるように形成されている必要がある。又、捻れ角
180度のSTN配向モードの場合、液晶注入方向は、
配向処理方向と直角となる方向に平行とすればよい。こ
の場合、配向膜近傍の液晶分子はそれぞれ90度だけ回
転して、それぞれの配向処理方向に配向しようとする。
又、配向処理方向と液晶注入方向とを平行とする場合も
考えられる。この場合には、一方の配向膜に於ける配向
処理方向と該液晶注入方向との方向性が一致することに
より、一方の配向膜近傍の液晶分子は配向状態を変化さ
せることがないので、一見有効と思われる。しかし、他
方の配向処理方向と液晶注入方向とは方向性に於いて正
反対であり、かつ液晶分子自身も方向性を有しているこ
とから、他方の配向膜近傍の液晶分子は、180度回転
して配向しようとする。このため、流動配向が残存する
ことになる。
【0078】本発明に係る配向膜1・2としては、特に
限定されるものではなく、従来公知の種々のものが採用
できる。具体的には、例えば直鎖状の炭素鎖を含む膜構
成分子で構成された配向膜であって、直鎖状の炭素鎖の
一端がシロキサン結合(Si−O−)を介して基板上に
直接又は間接的に化学吸着しているシラン系被膜や、ポ
リイミド系樹脂膜等が挙げられる。前記シラン系被膜は
膜厚が薄い為に、流動配向により膜構成分子の配向方向
が変化する等流動配向の影響を受けやすく、又ポリイミ
ド系樹脂膜等に比較して配向規制力が小さい為、流動配
向も発生しやすい。特に単分子膜状に形成されている場
合には、流動配向の影響が顕著に現れる。しかしなが
ら、本発明に於いては、配向膜に於ける配向処理方向と
液晶注入方向との関係を考慮し、前記したような最適な
方向から液晶を注入することにより、流動配向の影響を
最小限に抑えることが可能となる。又、ポリイミド系樹
脂膜であっても、その膜構成分子の主鎖又は側鎖の一部
に感光性基、具体的にはシンナメート基、カルコン基等
が存在する感光性配向膜の場合、これらの感光性基は液
晶の流動方向に配向する等液晶の流動の影響を受けやす
く、該感光性配向膜の表面構造が物理的に変化させられ
ることもある。ところがこのような場合であっても、本
発明に於いては流動配向の影響を最小限に抑えることが
可能となる。尚、シラン系被膜を構成する膜構成分子に
感光性基が含まれている場合も前記と同様に流動配向の
影響を除去できる。
【0079】以上のように、本発明に於いては、配向膜
に於ける配向処理方向と、液晶を注入する際の注入方向
とを最適化することにより、流動配向の発生を除去し又
は抑制することが可能となるが、液晶材料の注入時又は
注入後に所定の温度にて加熱処理を行えば、より一層所
望の方向に均一に配向した配向構造とすることができ
る。つまり、N−I相転移温度以上となるように前記加
熱処理を行うことにより、液晶の熱平衡状態をネマティ
ック相から等方相(等方性液体)に相変化させるのであ
る。この結果、液晶を無秩序な等方性液体とすることに
より、僅かに残存していた流動配向を消滅させることが
できる。
【0080】又、液晶注入口は1つであってもよく、或
いは複数設けられていてもよい。
【0081】(実施の形態2)本実施の形態2は第2発
明群に対応する。本実施の形態について、以下に図面を
参照しながら説明する。
【0082】第2発明群に係る液晶表示パネルは、液晶
セルの内部にある構成要素群のうち、液晶を注入する際
に障害となり得る少なくとも1つの構成要素の存在状態
を考慮して、液晶を注入する際の注入方向を最適化する
ことにより、流動配向の発生を除去又は抑制するもので
ある。ここで、液晶セルの内部には、セルギャップを一
定に保持するためのスペーサ(支持部材)が設けられて
いるが、本発明に於いては液晶の流動に対するスペーサ
の影響は考慮しない。スペーサは通常、約200〜30
0個/mm2程度散布され、しかも平面視すれば点状に
存在しているので、液晶の流動を妨げ、かつ流動配向の
発生原因とはならないからである。
【0083】以下に、IPSモードを例にとり、カラー
フィルターを有する場合とそうでない場合とに分けて液
晶注入方向を最適化した具体的態様を説明する。
【0084】[カラーフィルターを有さない場合]図9
は、前記IPSモードの液晶表示パネルを概略的に示す
断面図である。図10は、画素電極体及び対向電極体か
らなる一対の電極を概略的に示す平面図である。図11
は、空セル内部に液晶を注入する際の液晶注入方向と液
晶の流動方向とを模式的に示した平面図である。
【0085】液晶表示パネルは、図9に示すように、下
基板21と、これに対向する上基板22と、下基板21
及び上基板22間に設けられた液晶層23とを有する。
下基板21及び上基板22は、シール材29を介して貼
り合わされており、例えばガラス基板等からなる。
【0086】前記下基板21の内側表面には、一対の電
極としての画素電極体24及び対向電極体25と、液晶
の駆動に必要な信号を伝達するための配線群28とが設
けられている。更に、画素電極体24及び対向電極体2
5を有する下基板21上には、近傍の液晶分子を同一方
向に配向させる配向膜26が設けられている。その一
方、上基板22の内側面には、近傍の液晶分子を同一方
向に配向させる配向膜27が設けられている。
【0087】前記画素電極体24は、図10に示すよう
に、複数の画素電極部分24a…と連結電極部分24b
とを有している。各画素電極部分24a…は、複数の曲
折点を有し、かつ曲折点毎に交互に異なる方向に曲折し
ながら、全体として矢印Yで示す方向に延在した形状の
くの字型の電極である。又、前記対向電極体25も、画
素電極体24と同様の形状であり、複数の対向電極部分
25a…と連結電極部分25bとを有し、かつ各対向電
極部分25a…はくの字型に配置されている。そして、
これら画素電極体24及び対向電極体25は、画素電極
部分24aと対向電極部分25aとが相互に咬合した状
態に交互配置されている。更に、画素電極部分24a及
び対向電極部分25aの延在方向は、前記配向膜26・
27の配向処理方向と平行となっている。又、前記画素
電極体24及び対向電極体25としては、例えばITO
(インジウム錫酸化物)、又はアルミニウム等からなる
電極が用いられている。以上のような電極構成により、
基板面に対して平行な電界(横電界)を、画素電極部分
24aと対向電極部分25aとの間で印加することがで
きる。
【0088】前記構成のIPSモードの液晶表示パネル
に於いて、液晶を注入する際に、所定の方向に流動して
いく液晶が最も強い抵抗を受け、これにより流動配向を
発生させる最大の要因となるのは、画素電極体24、対
向電極体25及び配線群28である。よって、これら流
動抵抗となる構成要素の影響を極力排除した方向を、液
晶注入方向とすればよい。流動抵抗となる構成要素の影
響を排除した方向とは、液晶が流動していく流路が最も
確保され、空間部分の最も広い方向を意味する。本願発
明に於いては、この液晶注入方向を決定する為、液晶セ
ルの投影により空間部分に対応する面積比率を比較し、
この面積比率が最も広い方向を液晶注入方向とする。
【0089】例えば図11(a)に示すように、画素電
極部分24a(又は対向電極部分25a)の延在方向に
平行な方向から見て一平面に投影した投影面では、空間
部分が投影面に現れる領域(同図(a)に示す網目状領
域)の面積比率は次の様になる。即ち、画素電極部分2
4a及び対向電極部分25aの高さ(膜厚)をh1
0.6μm、電極幅をw1=1.0μmとし、配線群2
8の高さ(膜厚)をh2=0.6μm、電極幅をw2
1.0μmとすると、この場合1画素分に於ける空間部
分の面積比率は90%となる。一方、同図(b)に示す
ように、画素電極部分24aに直角な方向から見て一平
面に投影した投影面では、空間部分が投影面に現れる領
域(同図(b)に示す網目状領域)の面積比率は、80
%となる。これらのことから、液晶注入方向としては、
画素電極部分24a(又は対向電極部分25a)の延在
方向に平行な方向を採用するのが好ましいことは明らか
である。尚、セルギャップは3μmとしている。
【0090】前記の評価結果から、例えば前記構成の液
晶表示パネルの場合では、空セルの周縁部に於いて、画
素電極部分24a(又は対向電極部分25a)が延在す
る方向と直角となる一辺に、液晶注入口30を設けてい
る(図12参照)。尚、前記したh1、w1及び面積比率
等の値は単に例示的に示したものである。
【0091】これにより、長手部分32aの延在方向
と、液晶注入方向とを実質的に一致させることができ、
障害となり得る電極対の影響を最小限に抑制する。よっ
て、流動配向の発生を低減できる。
【0092】[カラーフィルターを有する場合]図13
は、カラーフィルターを備えたIPSモードの液晶表示
パネルを概略的に示す断面図である。図14はカラーフ
ィルターを示す説明図であって、図14(a)はカラー
フィルターに於けるR(赤色)・G(緑色)・B(青
色)の各色パターンを示す部分平面図であり、図14
(b)は前記図14(a)におけるa−a’線矢視断面
図であり、図14(c)は前記図14(a)におけるb
−b’線矢視断面図である。
【0093】カラー表示が可能なIPSモードの液晶表
示パネルは、前記白黒表示の液晶表示パネルの構成と比
較して、図13に示すように、上基板22の内側面にカ
ラーフィルター31が設けられている点が異なる。
【0094】前記カラーフィルター31は、図14
(a)に示すように、ストライプ状のR・G・Bの色パ
ターンと、各色パターンを光学的に色分離させて色混じ
りの防止を図るブラックマトリクス(遮光膜)32とか
らなる。
【0095】図14(b)から分かるように、ブラック
マトリクス32は長手部分32a…と短手部分32b…
とからなり、長手部分32aの高さ(厚み)h3と、R
・G・Bの高さh4とは、h3>h4の関係にある。さら
に図14(c)から分かるように、長手部分32aの高
さh3と短手部分32bの高さh5とは、h3>h5の関係
にある。その一方、図13から分かるように、画素電極
部分24a(対向電極部分25a)の高さh1と、配線
群28の高さh2と、ブラックマトリクス32の長手部
分32aの高さh3とは、h3>h1=h2の関係にある。
【0096】前記の様な構成のカラーフィルター31を
備えたIPSモードの液晶表示パネルに於いて、液晶を
注入する際に、ある方向に流動していく液晶が最も強い
抵抗を受け、これにより流動配向を発生させる最大の要
因となるのは、ブラックマトリクス32である。このこ
とは、長手部分32aの高さh3が、画素電極部分24
a(若しくは対向電極部分25a)の高さh1(又は配
線群28の高さh2)と比較して高いことから明らかで
ある。カラーフィルター31が設けられていない液晶表
示パネルの場合、電極は、これに平行でない方向に流動
していく液晶に対して流動抵抗となる。この為、流動配
向等の発生要因となり得る。しかしながら、上基板22
側にカラーフィルター31を設けた場合には、ブラック
マトリクス32は電極よりも膜厚が大きい為、流動配向
発生の第1原因となる。よって、ブラックマトリクス3
2の影響を極力排除した方向を、液晶注入方向とすれば
よい。
【0097】例えば図15(a)に示すように、ブラッ
クマトリクス32の長手部分32aに平行な方向から見
て一平面に投影した投影面では、空間部分が投影面に現
れる領域(同図(a)に示す網目状領域)の面積比率は
次の様になる。即ち、h3−h4=0.8μm、w3
1.2μmとすると、1画素分に於ける空間部分の面積
比率は83.2%となる。一方、同図15(b)に示す
ように、短手部分32bに平行な方向から見て一平面に
投影した投影面では、空間部分が投影面に現れる領域
(同図(b)に示す網目状領域)の面積比率は、53.
3%となる。これらのことから、液晶注入方向として
は、長手部分32aに平行な方向を採用する方が好まし
いことは明らかである。よって、カラーフィルター31
を有する液晶表示パネルの場合に於いては、空セルの周
縁部の、ブラックマトリクス32に於ける長手部分32
aが延在する方向と直角となる一辺に、液晶注入口33
を設けている(図16参照)。尚、ブラックマトリクス
32に於ける長手部分32aの膜厚h1と短手部分32
bの膜厚h2とが、h1>h2の関係にある点を考慮すれ
ば、長手部分32aに平行な方向から液晶を注入するの
が有利であることは容易に理解される。又、前記したh
3、h4、w3及び面積比率等の値は、単に例示的に示し
たものである。
【0098】これにより、長手部分32aの延在方向
と、液晶注入方向とを実質的に一致させることができ、
障害となり得る電極対の影響を最小限に抑制する。よっ
て、流動配向の発生を低減できる。
【0099】尚、カラーフィルター31上には、更に保
護膜や配向膜27等が設けられるが、これら各種の薄膜
が設けられていても、前記ブラックマトリクス32に起
因して流動抵抗となる凹凸が生じている。
【0100】(その他の事項)尚、通常のIPSモード
の液晶表示パネルに於いて電極の高さ(膜厚)は、TF
T(Thin Film Transistor、図示しない)の高さとほぼ
同じであるが、TFTが基板面に占める占有面積と、電
極が占める占有面積とを比較すれば、TFTは平面視に
於いて点状に存在するものであるから、液晶の流動に最
も影響を及ぼすのが電極であることは明らかである。よ
って、TFTは、液晶がある方向に流動していく場合
に、流動配向等を発生させる障害とはならないので、液
晶注入口の配置位置及び開口方向を決定する上でTFT
は考慮しなくてもよい。
【0101】更に、前記実施の形態に於いては、電極の
延在方向及び/又はブラックマトリクスの長手部分と、
配向膜26・27の配向処理方向とが平行になっている
場合を例にして述べた。しかし、配向膜26・27の配
向処理方向は必ずしも電極の延在方向及び/又はブラッ
クマトリクスの長手部分と一致していなくてもよい。こ
れは、液晶注入方向と電極の延在方向及び/又はブラッ
クマトリクスの長手部分とを少なくとも平行とすること
により、流動配向発生の抑制効果を発揮するからであ
る。流動配向を抑制できるのは、液晶流動に対して流動
抵抗となる構成要素が液晶セル内に存在する場合、液晶
注入方向と配向処理方向とのズレよりも、前記流動抵抗
となる構成要素の存在の方が流動配向の発生に大きな影
響を及ぼす為である。
【0102】又、液晶注入は、室温常圧下、加温常圧
下、室温減圧下又は加温減圧下で行ってもよい。特に加
温減圧下で液晶注入を行えば、加温により液晶の流動性
を高めることができると共に、減圧下で行うことにより
空セル内部への液晶注入を早めることができる。ここ
で、加温する場合には、液晶材料にもよるが、液晶の相
転移温度(TNI)以上、(TNI+30度)以下の範囲内
であることが好ましい。T NIより低いと、十分な液晶の
流動性が得られず好ましくない。その一方、(TNI+3
0度)より大きいと液晶が劣化するので好ましくない。
【0103】又、前記実施の形態は非限定的な例であ
り、当業者であれば本発明の範囲から逸脱しない種々の
設計事項を加えることができる。例えば、前記実施の形
態に於いては、IPSモードの場合を例にして説明した
が、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、他の
表示モードにも適用可能である。
【0104】但し、前記した空間部分を投影面に表し、
その領域の面積比率が最大となる方向が複数ある場合に
は、液晶が流動する為の流路が最も確保されている方向
を選択すればよい。例えば、図18(a)に示す様に、
縦L、横W(L=3W)、高さHの直方体状の、流動抵
抗となる構成要素35を考える。液晶セル36は正四角
形状とし、かつX方向及びY方向の何れから見ても全体
の面積をSとする。このとき、X方向からみた投影図
(同図(b))に於いては、空間部分が投影面に現れる
領域の面積S1はS1=(S−L×H)となる。その一
方、Y方向からみた投影図(同図(c))に於いては、
空間部分が投影面に現れる領域の面積S2はS2=(S−
3×W×H)となる。ここで、L=3Wの関係を満たす
ので、結局S1=S2となる。よって、この場合には、液
晶注入方向を決定することができない。しかしながら、
同図から明らかな様に、液晶の流路が最も確保されてい
る方向はY方向である。従って、液晶注入方向はY方向
に実質的に平行となる様に液晶注入口を設ければよい。
【0105】更に、液晶注入口は複数個設けてもよい。
例えば、液晶表示パネルのサイズにもよるが、空セル周
縁部の一辺に1〜3箇所設けてもよい。又、空セル周縁
部の一辺とこれに対向する他方の辺とにそれぞれ液晶注
入口を設けてもよい。
【0106】又、前記実施の形態にて述べた配向膜26
・27としては、特に限定されるものではなく、シラン
系の有機薄膜や、ポリイミド膜等であってもよい。更
に、シラン系の有機薄膜としては、単分子吸着膜であっ
てもよく、ポリマー吸着膜であってもよい。尚、ここで
言う単分子吸着膜とは、概ね単分子膜と認識できる程度
の薄膜であればよい。例えば基板に吸着した吸着分子の
上に未吸着の分子が累積した複数分子層となった部分が
あってもよく、基板に吸着分子が吸着していない部分が
ある等、薄膜の一部に欠陥があってもよい。
【0107】又、前記実施の形態に於いて説明した配向
膜26・27は、ラビング処理や偏光紫外線を用いた光
配向処理等の方法により配向処理された膜であることが
好ましい。特に、光配向処理法を行う場合には、偏光紫
外線等の照射により光架橋反応又は光分解反応等の光反
応を起こす、感光性基を備えた化合物からなる配向膜を
用いることができる。
【0108】更に、配向膜26と下基板21との間、及
び/又は配向膜27と上基板22との間には、下地層を
設けることもできる。下地層としては、特に限定される
ものではなく、無機クロロシラン系ポリマー膜、ポリシ
ラザン膜(東燃(株)製)、又は二酸化ケイ素(SiO
2)膜等が例示できる。例えば、絶縁膜としての窒化シ
リコン膜を設けた基板上に、無機クロロシラン系ポリマ
ー膜を設けた場合、基板面を親水化できるので、配向膜
が化学吸着分子の集合群からなる場合には、当該化学吸
着分子を高密度に化学吸着させることができる。この結
果、耐久性等に優れた配向膜を形成できる。又、下地層
の膜厚は、配線間、電極間、又は配線と電極との間にで
きる段差以上であることが好ましく、具体的には150
nm〜5μm以下の範囲内であることが好ましい。これ
により、流動配向等の発生を一層抑制できる。
【0109】又、IPSモードの場合であっても、前記
実施の形態に於いて例示したくの字型の電極に限定され
るものではない。例えば、図18(a)に示すように、
ストライプ状の平行電極対37であってもよい。又、同
図(b)に示すように、両端が相互に異なる方向に鉤型
となった、長辺部38aと短辺部38bとからなる電極
部分が配列した電極対38であってもよい。尚、長辺部
38aと短辺部38bとのなす角は、適宜必要に応じて
変更可能である。
【0110】
【実施例】以下に、図面を参照して、この発明の好適な
実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に
記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対
配置等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の
範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単な
る説明例に過ぎない。
【0111】[第1発明群]初めに、図5を参照しなが
ら、本実施例に使用する液晶セルの基本的構造について
概説する。図5(a)は前記液晶セルの概略示す平面図
であり、図5(b)は該液晶セルに於けるX−X’線矢
視断面図である。同図中に示すように、液晶セルは、第
1基板3と、それに対向する第2基板4と、両基板間に
介在する液晶層9とを有する。第1基板3の内側表面に
は、表示電極としての円形電極6が形成され、該円形電
極6上には、配向膜1が形成されている。その一方、第
2基板4の内側表面には、表示電極としての円形電極7
が形成され、該円形電極7上には、配向膜2が形成され
ている。第1基板3と第2基板4とを貼り合わせる為の
シール材8が、液晶セルの周縁部に液晶注入口5の部分
を欠いた枠状に形成されている。
【0112】前記のような構成を有する液晶セルに関
し、液晶の配向モードがホモジニアス配向とTN配向と
の場合に分けて以下に詳述する。
【0113】[ホモジニアス配向モード]液晶の配向構造
がホモジニアス配向モードの場合、配向膜1・2の配向
処理方向は平行となっている。ここで、ホモジニアス配
向モードの液晶セルは、配向膜1・2に於ける配向処理
方向と、液晶注入方向との相対的な関係により、H−1
〜H−5の各タイプに分けられる。各配向タイプに関
し、液晶注入方向と配向処理方向とのなす角αを図6に
示す。同図中に示した各配向タイプ毎に、配向膜材料や
配向処理方法をパラメーターとして種々の液晶セルを作
製し、液晶注入方向と配向処理方向との関係が流動配向
の発生にどの様な影響を与えるのか、以下に述べる(実
施例1−1)〜(実施例1−4)及び(比較例1−1)
〜(比較例1−16)に於いて検討した。又、各配向タ
イプと、配向膜材料及び配向処理方法との組み合わせを
下記表1に併記する。
【0114】
【表1】
【0115】(実施例1−1)本実施例1−1に係る液
晶セルは、配向膜材料としてポリイミド系樹脂膜からな
り、配向タイプが表1に示すH−1となるようにラビン
グ処理した配向膜を採用した。
【0116】前記液晶セルは以下に述べる方法にて作製
した。即ち、円形電極7を従来公知の方法にて第2基板
4上に形成し、更にポリイミドをN−メチルピロリジノ
ン等の溶媒で溶解させ希釈して、塗布液を調製した。こ
の塗布液をスピンナー等により前記第2基板4及び円形
電極7上に塗布し、乾燥・焼成して、膜厚が50nmの
配向膜2(ポリイミド配向膜)を形成した。
【0117】このようして形成された配向膜2をラビン
グにより配向処理した。具体的には、第2基板4をステ
ージ上に載置し、凹凸のある布を巻き付けた円筒状のロ
ーラーを配向膜2に接触させ、該ローラーを回転させな
がらステージを一方向に移動させることにより行った。
これにより、配向膜2の表面にはローラーの移動方向に
平行な凹凸の筋が形成され、配向膜2表面のポリイミド
分子をローラーの移動方向に傾斜させた。尚、前記ラビ
ング処理に於けるラビング条件としては、例えばラビン
グ回数1回、ローラー押込量0.4mm、第2基板4に
対するローラー表面のこすり速度500m/分、ローラ
材としてナイロン布(繊維径16〜20μm、毛の長さ
3nm)とした。
【0118】又、第1基板3に対しても同様の工程を行
うことによって、第1基板3上に円形電極6及び配向膜
1を形成し、該配向膜1に対してラビングによる配向処
理を行った。
【0119】続いて、シール材8を、第1基板3又は第
2基板4のうち、何れか一方の基板上に、塗布形状が液
晶注入口5の部分を欠いた枠状パターンとなる様に塗布
した。尚、液晶注入口5は、その開口方向が配向処理方
向と平行となるように設けた。
【0120】次に、第1基板3に於ける配向膜1と、第
2基板4における配向膜2とが互いに対向する様に、両
基板を貼り合わせて空セルを形成した。その後、正の誘
電率異方性を有するネマティック液晶を、前記液晶注入
口5から前記空セル内部に真空注入法にて注入し、液晶
層9を形成した。前記真空注入法に於ける注入条件とし
ては、空セル内部の気体を抜き出す際の排気速度として
760→2.0×10 -1Torrを15分間行い、さら
に2.0×10-1→2.0×10-1torrを15分間
行い、真空度を6.0×10-3Torrとし、液晶注入
時のリーク時間を15分間(760Torr)とした。
以上のようにして作製した本実施例1−1に係る液晶セ
ルを、以下液晶セルA1と称する。
【0121】(比較例1−1)〜(比較例1−4) 本比較例1−1〜1−4に係る比較用液晶セルは、前記
実施例1−1に於ける液晶セルの構成と比して、配向タ
イプをH−1からそれぞれH−2〜H−5に代えた点が
異なる。
【0122】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−1と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向処理方向とのなす角αがそれぞ
れ所定の角度となるように行ったことは言うまでもな
い。
【0123】以上のようにして作製した本比較例1−1
〜1−4に係る液晶セルを、以下それぞれ比較用液晶セ
ルB1〜B4と称する。
【0124】(実施例1−2)本実施例1−2に係る液
晶セルは、前記実施例1−1に於ける液晶セルの構成と
比して、ポリイミド樹脂に代えて光重合性のカルコン基
を含んだポリイミド樹脂膜を使用し、又その製造方法に
於いては配向処理方法として光配向処理法を行った点が
異なる。
【0125】本実施例1−2に係る液晶セルは、前記実
施例1−1と同様の方法にて作製した。但し、配向膜の
配向処理方法については、ラビング処理に代えて以下に
述べる光配向処理を行った。即ち、図7に示すように、
配向膜1に、第2基板4に対してδ=45度の角度で矢
印Sで示す方向から、矢印Tで示す方向に偏光された照
射強度が80mW/cm2 の紫外線(波長365nm)
を6秒間照射した。これにより、偏光方向に平行な方向
に於いてカルコン基同士が重合して架橋結合し、かつポ
リイミド分子自身は、配向膜1に於ける偏光紫外線の入
射点Rに対して、その入射側と反対側に傾斜する。よっ
て、配向膜1は入射側と反対側で、偏光方向を該配向膜
1に投影した方向に配向処理されたことになる。又、配
向膜2に対しても同様の工程を行うことによって、前記
と同様の配向処理方向となるように配向処理を行った。
【0126】以上のようにして作製した本実施例1−2
に係る液晶セルを、以下液晶セルA2と称する。
【0127】(比較例1−5)〜(比較例1−8) 本比較例1−5〜1−8に係る比較用液晶セルは、前記
実施例1−2に於ける液晶セルの構成と比して、配向タ
イプをH−1からそれぞれH−2〜H−5に代えた点が
異なる。
【0128】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−2と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向処理方向とのなす角αがそれぞ
れ所定の角度となるように行ったことは言うまでもな
い。
【0129】以上のようにして作製した本比較例1−5
〜1−8に係る液晶セルを、以下それぞれ比較用液晶セ
ルB5〜B8と称する。
【0130】(実施例1−3)本実施例1−3に係る液
晶セルは、前記実施例1−1に於ける液晶セルの構成と
比して、ポリイミド樹脂に代えてシラン系被膜を使用し
た点が異なる。
【0131】本実施例1−3に係る配向膜は以下の様に
して形成した。n−C1021基を有する分子を含むシラ
ン系界面活性剤を、その濃度が0.2重量%程度となる
ように、よく脱水されたクロロホルムからなる非水系有
機溶媒に溶かして、化学吸着溶液を得た。
【0132】続いて、第2基板4を化学吸着溶液に約1
時間浸漬し、前記n−C1021基有する分子を円形電極
7上に化学吸着させて、単分子膜を形成した。このと
き、第2基板4及び円形電極7の表面は親水性で、−O
H基等の活性水素を有する官能基が存在しているので、
Siを有する官能基と、−OH基とが脱塩化水素反応を
起こして、シロキサン結合をする。
【0133】次に、前記化学吸着溶液から第2基板4を
取り出し、よく脱水された非水系の溶媒であるクロロホ
ルムからなる洗浄剤で、前記第2基板4を10分間程度
洗浄した。これにより、未反応のシラン系界面活性剤が
除去された。
【0134】更に、乾燥雰囲気下で第2基板4の一方の
端から上方に引き上げることにより、洗浄剤の液切りを
行った。これにより単分子膜は、引き上げ方向とは反対
側の液切り方向に傾斜する。更に、前記第2基板4を乾
燥させた後、通常雰囲気下に取り出し空気中の水分と反
応させた。これにより、円形電極7上に化学吸着した分
子における未反応のCl基がOH基に置換される。次
に、前記第2基板4を乾燥させることによりOH基を脱
水し、この結果、例えば約5nmの膜厚を有する配向膜
を形成することができた。以上のようにして形成された
配向膜を、前記実施例1−1と同様にしてラビングによ
り配向処理した。
【0135】以上のようにして作製した本実施例1−3
に係る液晶セルを、以下液晶セルA3と称する。
【0136】(比較例1−9)〜(比較例1−12) 本比較例1−9〜1−12に係る比較用液晶セルは、前
記実施例1−3に於ける液晶セルの構成と比して、配向
タイプをH−1からそれぞれH−2〜H−5に代えた点
が異なる。
【0137】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−3と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向処理方向とのなす角αがそれぞ
れ所定の角度となるように行ったことは言うまでもな
い。
【0138】以上のようにして作製した本比較例1−9
〜1−12に係る液晶セルを、以下それぞれ比較用液晶
セルB9〜B12と称する。
【0139】(実施例1−4)本実施例1−4に係る液
晶セルは、前記実施例1−3に於ける液晶セルの構成と
比して、シラン系被膜に代えて光重合性のカルコン基を
有するシラン系被膜を使用し、又その配向処理方法とし
て光配向処理法を行った点が異なる。
【0140】本実施例1−4に係る配向膜は以下の様に
して形成した。カルコン基を備えたC65−CH−CO
−C64−O−(CH2)−O−基を有する分子を含む
シラン系界面活性剤を、その濃度が0.2重量%程度と
なるように、よく脱水されたクロロホルムからなる非水
系有機溶媒に溶かして、化学吸着溶液を得た。この化学
吸着溶液を用いて、前記実施例1−3と同様の方法にて
配向膜を形成した。
【0141】次に、前記のようにして形成した配向膜に
光配向処理を行った。即ち、配向膜に、引き上げ方向と
平行な方向に偏光した偏光紫外線を、第2基板4に対し
て垂直となる方向から照射した。照射条件としては、照
射強度を80mW/cm2 とし、照射時間を6秒間とし
た。これにより、偏光方向に平行な方向に於いてカルコ
ン基同士が重合して架橋結合させることができた。以上
により、紫外線の入射側と反対側で、偏光方向を該配向
膜1に投影した方向に配向処理させることができた。
【0142】更に、第1基板3に対しても同様の工程を
行うことによって、第1基板3に形成された円形電極6
上に配向膜1を形成した。
【0143】以上のようにして作製した本実施例1−4
に係る液晶セルを、以下液晶セルA4と称する。
【0144】(比較例1−13)〜(比較例1−16) 本比較例1−13〜1−16に係る比較用液晶セルは、
前記実施例1−4に於ける液晶セルの構成と比して、配
向タイプをH−1からそれぞれH−2〜H−5に代えた
点が異なる。
【0145】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−4と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向処理方向とのなす角αがそれぞ
れ所定の角度となるように行ったことは言うまでもな
い。
【0146】以上のようにして作製した本比較例1−1
3〜1−16に係る液晶セルを、以下それぞれ比較用液
晶セルB13〜B16と称する。
【0147】(結果)以上のようにして得られた実施例
1−1〜1−4に係る液晶セル、及び比較例1−1〜1
−13に係る液晶セルに対して、それぞれ偏光板を用い
た目視または偏光顕微鏡により表示画面の観察を行った
結果、以下のことが分かった。結果を下記表2に併記す
る。
【0148】
【表2】
【0149】前記表2から明らかな様に、配向膜1・2
に於ける配向処理方向と、液晶注入方向とをほぼ平行と
することにより、流動配向の発生を除去できることが分
かった。
【0150】[TN配向モード]液晶の配向構造がTN配
向モードの場合、配向膜1及び配向膜2に於ける配向処
理方向は相対的に有限の角度回転させた関係にある。こ
こで、TN配向モードの液晶セルは、配向膜1・2に於
ける各配向処理方向と、液晶注入方向との相対的な関係
により、T−1〜T−5の各タイプに分けられる。各配
向タイプに関し、液晶注入方向と配向処理方向とのなす
角βを図8に示す。同図中に示した各配向タイプ毎に、
配向膜材料や配向処理方法をパラメーターとして種々の
液晶セルを作製し、液晶注入方向と配向処理方向との関
係が流動配向の発生にどの様な影響を与えるのか、以下
に述べる(実施例1−5)〜(実施例1−10)及び
(比較例1−17)〜(比較例1−30)に於いて検討
した。尚、以下に述べるTN配向モードでは、配向膜1
及び配向膜2に於ける配向処理方向の交差角を90°に
設定した。又、各配向タイプと、配向膜材料及び配向処
理方法との組み合わせを下記表3に併記する。
【0151】
【表3】
【0152】(実施例1−5)本実施例1−5に係る液
晶セルは、前記実施例1−1に於ける液晶セルの構成と
比して、配向タイプをH−1からT−1に代えた点が異
なる。
【0153】前記液晶セルは前記実施例1−1と同様の
方法にて作製した。但し、シール材8を塗布して第1基
板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入口5
の開口方向と、配向膜1及び配向膜2に於ける配向処理
方向のなす角の2等分線とが平行となるように行ったこ
とは言うまでもない。
【0154】以上のようにして作製した本実施例1−6
に係る液晶セルを、以下液晶セルA5と称する。
【0155】(比較例1−17)、(比較例1−18) 本比較例1−17及び比較例1−18に係る比較用液晶
セルは、前記実施例1−1に於ける液晶セルの構成と比
して、配向タイプをT−1からそれぞれT−2及びT−
4に代えた点が異なる。
【0156】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−1と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向膜1及び配向膜2に於ける配向
処理方向のなす角の2等分線とのなす角βがそれぞれ所
定の角度となるように行ったことは言うまでもない。
【0157】以上のようにして作製した本比較例1−1
7及び比較例1−18に係る液晶セルを、以下それぞれ
比較用液晶セルB17、B18と称する。
【0158】(実施例1−6)、(実施例1−7) 本実施例1−6及び実施例1−7に係る液晶セルは、前
記実施例1−5に於ける液晶セルの構成と比して、配向
タイプをT−1からそれぞれT−3及びT−5に代えた
点が異なる。
【0159】又、前記各液晶セルは、基本的には前記実
施例1−1と同様の工程を行うことにより形成した。但
し、各実施例に於いて、シール材8を塗布して第1基板
3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入口5の
開口方向と、配向膜1及び配向膜2に於ける配向処理方
向のなす角の2等分線とのなす角βがそれぞれ所定の角
度となるように行ったことは言うまでもない。
【0160】以上のようにして作製した本実施例1−6
及び実施例1−7に係る液晶セルを、以下それぞれ液晶
セルA6又は液晶セルA7と称する。
【0161】(実施例1−8)本実施例1−8に係る液
晶セルは、前記実施例1−2に於ける液晶セルの構成と
比して、配向タイプをH−1からT−1に代えた点が異
なる。
【0162】又、前記液晶セルは前記実施例1−2と同
様の方法にて作製した。但し、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向膜1に於ける配向処理方向とが
平行となるように行ったことは言うまでもない。
【0163】以上のようにして作製した本実施例1−8
に係る液晶セルを、以下それぞれ液晶セルA8と称す
る。
【0164】(比較例1−19)〜(比較例1−22) 本比較例1−19〜1−22に係る比較用液晶セルは、
前記実施例1−9に於ける液晶セルの構成と比して、配
向タイプをT−1からそれぞれT−2〜T−5に代えた
点が異なる。
【0165】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−8と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向膜1及び配向膜2に於ける配向
処理方向のなす角の2等分線とのなす角βがそれぞれ所
定の角度となるように行ったことは言うまでもない。
【0166】以上のようにして作製した本比較例1−1
9〜1−22に係る液晶セルを、以下それぞれ比較用液
晶セルB19〜B22と称する。
【0167】(実施例1−9)本実施例1−9に係る液
晶セルは、前記実施例1−3に於ける液晶セルの構成と
比して、配向タイプをH−1からT−1に代えた点が異
なる。
【0168】又、前記液晶セルは前記実施例1−3と同
様の方法にて作製した。但し、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向膜1及び配向膜2に於ける配向
処理方向のなす角の2等分線とのなす角βが平行となる
ように行ったことは言うまでもない。
【0169】以上のようにして作製した本実施例1−9
に係る液晶セルを、以下それぞれ液晶セルA9と称す
る。
【0170】(比較例1−23)〜(比較例1−26) 本比較例1−23〜1−26に係る比較用液晶セルは、
前記実施例1−9に於ける液晶セルの構成と比して、配
向タイプをT−1からそれぞれT−2〜T−5に代えた
点が異なる。
【0171】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−9と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向膜1及び配向膜2に於ける配向
処理方向のなす角の2等分線とのなす角βがそれぞれ所
定の角度となるように行ったことは言うまでもない。
【0172】以上のようにして作製した本比較例1−2
3〜1−26に係る液晶セルを、以下それぞれ比較用液
晶セルB23〜B26と称する。
【0173】(実施例1−10)本実施例1−10に係
る液晶セルは、前記実施例1−4に於ける液晶セルの構
成と比して、配向タイプをH−1からT−1に代えた点
が異なる。
【0174】又、前記液晶セルは前記実施例1−4と同
様の方法にて作製した。但し、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向膜1に於ける配向処理方向とが
平行となるように行ったことは言うまでもない。
【0175】以上のようにして作製した本実施例1−1
0に係る液晶セルを、以下それぞれ液晶セルA10と称
する。
【0176】(比較例1−27)〜(比較例1−30) 本比較例1−27〜1−30に係る比較用液晶セルは、
前記実施例1−10に於ける液晶セルの構成と比して、
配向タイプをT−1からそれぞれT−2〜T−5に代え
た点が異なる。
【0177】又、前記各比較用液晶セルは、基本的には
前記実施例1−9と同様の工程を行うことにより形成し
た。但し、各比較例に於いて、シール材8を塗布して第
1基板3及び第2基板4を貼り合わせる際に、液晶注入
口5の開口方向と、配向膜1及び配向膜2に於ける配向
処理方向のなす角の2等分線とのなす角βがそれぞれ所
定の角度となるように行ったことは言うまでもない。
【0178】以上のようにして作製した本比較例1−2
7〜1−30に係る液晶セルを、以下それぞれ比較用液
晶セルB27〜B30と称する。
【0179】(結果)以上のようにして得られた実施例
1−5〜1−10に係る液晶セルA5〜A10、及び比
較例1−17〜1−30に係る比較用液晶セルB17〜
B30に対して、それぞれ偏光板を用いた目視或いは偏
光顕微鏡により表示画面の観察を行った結果、以下のこ
とが分かった。結果を下記表4に併記する。
【0180】
【表4】
【0181】前記表4から明らかな様に、配向膜1に於
ける配向処理方向と、配向膜2に於ける配向処理方向と
のなす交差角の二等分方向を、液晶注入方向と平行とす
ることにより、流動配向の発生を除去できることが分か
った。又、配向膜1に於ける配向処理方向と、配向膜2
に於ける配向処理方向とのなす交差角の二等分方向を、
液晶注入方向に対してほぼ直角とすることにより、流動
配向の発生を除去できることが分かった。
【0182】[第2発明群]以下に、図面を参照して、こ
の発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但
し、この実施例に記載されている構成要素の寸法、材
質、形状、その相対配置等は、特に限定的な記載がない
限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨の
ものではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0183】[くの字型の電極] (実施例2−1)以下に、この発明の好適な実施例を例
示的に詳しく説明する。まず、本実施例2−1に於いて
使用した一対の基板について説明する。本実施例に於い
て使用した一対の基板はガラスからなり、一方の基板
(電極基板)の内側面には、図19に示すように、アル
ミニウムからなるくの字型の電極41と、配線(図示し
ない)と、電極41を覆う様に形成された膜厚が360
nmのチッ化シリコン膜(絶縁膜)等とが設けられてい
る。前記電極41は、各々の曲折点に於いて交互に異な
る方向に曲折しながら、全体として所定の方向に延在し
た形状となっている。
【0184】次に、カルコン基を有する官能基(C65
−CH=CH−CO−C64−O−CH2−O−)を備
えた分子(下記化学式(1))を含むシラン系界面活性
剤を、濃度が約0.2重量%となる様に、よく脱水され
たクロロホルムからなる非水系の有機溶媒に溶かし、化
学吸着溶液を調製した。
【化1】
【0185】続いて、十分に脱脂・洗浄を施した前記一
対の基板を、前記化学吸着溶液に1時間浸漬させた。こ
の処理により、吸着分子を電極基板及びカラーフィルタ
ー付き基板表面に吸着させることができた。
【0186】次に、無水雰囲気下でクロロホルムなどの
溶媒中に、前記一対の基板を浸漬し、未吸着の前記分子
を洗浄した。尚、この洗浄を通常雰囲気下で行った場合
には、未吸着の前記分子が空気中の水分と反応する等し
て、ポリマー吸着膜を形成させることができる。更に、
基板の一端側から引き上げることにより、基板表面に結
合固定している吸着分子を、引き上げ方向とは反対方向
に傾斜させた。これにより、シロキサン結合を介して基
板表面に共有結合した吸着分子の集合群からなるシロキ
サン系の単分子膜(配向膜)を形成することができた。
ここで電極基板をクロロホルムから引き上げる際には、
引き上げ方向と電極41の延在方向とが実質的に一致す
る様に設定した。
【0187】続いて、光配向処理法により配向膜の配向
処理を行った。この光配向処理法の場合、配向膜を構成
する膜構成分子(吸着分子)が有する感光性基の反応
(分解又は重合)、及び膜構成分子の傾斜方向によっ
て、偏光紫外線の偏光方向に対する膜構成分子の配向方
向が異なる。本実施例に於いては、この様な現象を考慮
して、偏光紫外線の偏光方向を前記引き上げ方向(電極
41の延在方向)と平行となる様にして配向膜表面に偏
光紫外線を照射した。これにより、感光性基としてのカ
ルコン基が偏光方向に平行となる方向に重合反応し、膜
構成分子同士が架橋した構造の配向膜を形成した。
【0188】ここで本実施例では、配向膜の全面に於い
て、配向処理方向が一方向となる様に光配向処理した
が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
1画素を複数の領域に分割した分割配向処理も可能であ
る。この場合、フォトレジストを用いたマスクを介し
て、照射する領域毎に偏光方向の異なる偏光紫外線を照
射すれば、各領域毎に配向処理方向の異ならせることが
できる。
【0189】尚、本実施例に於いては、感光性基を備え
た膜構成分子の集合群からなる単分子膜状の配向膜を用
いたが、ポリイミドからなる配向膜を使用することもで
きる。この場合、製膜後の膜厚が50nmになるよう
に、ポリイミドをn−メチルピロリジノンなどの溶媒で
溶解希釈し、この溶液をスピナーなどで基板に塗布後、
乾燥及び焼成して製膜すればよい。
【0190】次いで、前記に於いて形成した配向膜同士
が対向する様に電極基板とこれに対向する対向基板とを
貼り合わせ、空セルを組み立てた。より詳細には、電極
基板の配向膜が形成された面に、塗布形状が矩形枠状と
なる様にシール材をスクリーン印刷によって形成した。
このとき、矩形枠状の一部を欠落させることにより、開
口部(液晶注入口部分)を形成しておいた。シール材
は、液晶の配向に対する悪影響が少ない無溶剤タイプの
エポキシ樹脂が望ましいが、シリコンオイルを除いたエ
ポキシ樹脂を使用することも可能である。又、開口部の
形成位置は洗浄の際の引き上げ方向と逆方向に位置する
基板辺の中央部分とした。これにより、液晶の注入方向
と配向処理方向とを一致させた。更に、電極基板にスペ
ーサを散布し、セルギャップが約3.1μmとなる様に
して、電極基板と対向基板とを貼り合わせた。このとき
開口部であった所には、液晶注入口が形成された。尚、
電極基板及び対向基板に於けるそれぞれの配向膜は、そ
れらの配向処理方向が互いにアンチパラレルとなる様に
した。その後、空セルを真空パックに入れて真空引きを
し、セルギャップを均一にした。
【0191】次に、空セル内部に液晶を注入した。即
ち、空セルを加熱ヒータ付きの真空チャンバーに液晶注
入口(開口部、シール材開放口)を下にしてセットし、
その垂直下に液晶(商品名;MJ−97254、メルク
社製)を擦り切りまで入れた液晶溜めを配置した。これ
により、液晶注入方向(液晶の流動方向)と、電極41
の延在方向とを実質的に一致させた。続いて、真空チャ
ンバーを真空に引きながら、ヒータにより接着剤(シー
ル材)の硬化温度まで昇温し、15分間程度放置した。
但し、接着剤の種類に応じて熱処理時間は適宜設定する
ことができ、具体的には15〜120分間程度が好まし
く、時間的・作業的効率を考えると15分間程度がより
好ましい。
【0192】その後、液晶のN−I相転移温度まで温度
を下げ、空セルの液晶注入口を液晶溜めに接触させ、リ
ークし、真空を大気中に戻すことによって空セル内部に
液晶を注入した。空セル内に液晶が注入し終えたらヒー
ター電源を切り、液晶セルを自然冷却させた。液晶セル
が室温程度に戻ったら、真空チャンバーから取り出し、
紫外線硬化型接着剤で液晶注入口を封止し、封口部分に
紫外線スポットを照射して紫外線硬化型接着剤を硬化さ
せた。これにより、平行配向構造の液晶層を備えた液晶
セルを作製できた。
【0193】次に、液晶セルの外側面に所定の光学条件
を満たす様にして一対の偏光板を設け、本発明に係る液
晶表示パネルC1を作製し、該液晶表示パネルC1の配
向評価等を行った。尚、前記光学条件としては、具体的
には一対の偏光板のうち何れか一方の偏光板の透過軸が
液晶の配向方向と一致させる一方、他方の偏光板に於け
る透過軸が該配向方向と直交する様に設定した。
【0194】先ず、液晶表示パネルC1の配向評価を行
った。即ち、液晶表示パネルC1の初期配向状態につい
て目視にて観察したところ、液晶注入口付近に流動配向
が若干観測された。更に、液晶表示パネルC1を、液晶
の相転移温度以上の処理温度でアニール処理したとこ
ろ、流動配向を完全に消滅させることができた。又、偏
光顕微鏡により配向の詳細を観察すると、隣り合う領域
42及び領域43の配向方向はほぼ一致し、均一な配向
状態を有するIPSモードの液晶表示パネルC1が得ら
れた。尚、前記領域42及び領域43とは、図19に示
す電極41により囲まれた領域をいう。
【0195】更に、クリスタルローテーション法を用い
たプレチルト角測定装置にて、液晶表示パネルC1のプ
レチルト角(θp)を測定すると0.3°であった。更
に、コントラストの評価は以下の様にして行った。即
ち、空セルに液晶を注入する際に、液晶に黒色色素を混
入した液晶材料を用いて液晶テストセルを作製し、偏光
板1枚を介して明状態及び暗状態のときの輝度をそれぞ
れ測定し、白輝度と黒輝度との比であるコントラスト比
を求めた。その結果、コントラスト比は370であっ
た。
【0196】(比較例2−1)本比較例2−1に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−1に於ける液晶
表示パネルと比較して、電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−1に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルD1と称する。
【0197】さらに前記実施例2−1と同様にして、比
較用液晶表示パネルD1の配向評価を行った。即ち、比
較用液晶表示パネルD1の初期配向について目視にて観
察したところ、液晶注入口付近に流動配向が観測され
た。更に、比較用液晶表示パネルD1を、液晶の相転移
温度以上の処理温度でアニール処理したが、流動配向は
消えなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を観察
すると、隣り合う領域42及び領域43の配向方向は一
致しなかった。
【0198】更に、前記実施例2−1と同様にして、比
較用液晶表示パネルD1のプレチルト角を測定したとこ
ろ0.3°であった。又、前記実施例2−1と同様にし
てコントラストの評価を行ったところ、コントラスト比
180であった。
【0199】(実施例2−2)本実施例2−2に係る液
晶表示パネルは、前記実施例2−1に係る液晶表示パネ
ルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、その製
造方法に於いては前記化学吸着溶液に替えて以下の化学
吸着溶液を使用して作製した点が異なる。即ち、本実施
例に於いては、前記化学吸着溶液に、下記化学式(2)
で表されるn−オクタデシルトリクロロシランを約1重
量%で溶解させた溶液を、混合比が4:1となる様に混
合した。更に、この混合溶液の濃度が約0.2重量%と
なる様に、良く脱水されたクロロホルム(非水系有機溶
媒)に溶かして、本実施例に係る化学吸着溶液を得た。
【化2】
【0200】この化学吸着溶液を使用して作製した本実
施例に係る液晶表示パネルを、液晶表示パネルC2と称
する。
【0201】さらに前記実施例2−1と同様にして、液
晶表示パネルC2の配向評価を行った。即ち、液晶表示
パネルC2の初期配向について目視にて観察したとこ
ろ、液晶注入口付近に流動配向は観測されなかった。
又、偏光顕微鏡により配向の詳細を観察すると、隣り合
う領域42及び領域43の配向方向はほぼ一致してお
り、均一な配向状態を有するIPSモードの液晶表示パ
ネルC1を製造することができた。
【0202】更に、前記実施例2−1と同様にして、液
晶表示パネルC2のプレチルト角を測定したところ0.
5°であった。又、前記実施例2−1と同様にしてコン
トラストの評価を行ったところ、コントラスト比340
であった。
【0203】(比較例2−2)本比較例2−2に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−2に係る液晶表
示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、
その製造方法に於いては電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−2に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルD2と称する。
【0204】さらに前記実施例2−1と同様にして、比
較用液晶表示パネルD2の配向評価を行った。即ち、比
較用液晶表示パネルD2の初期配向について目視にて観
察したところ、液晶注入口付近に流動配向が観測され
た。更に、比較用液晶表示パネルD2を、液晶の相転移
温度以上の処理温度でアニール処理したが、流動配向は
消えなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を観察
すると、隣り合う領域42及び領域43の配向方向は一
致しなかった。
【0205】更に、前記実施例2−1と同様にして、比
較用液晶表示パネルD2のプレチルト角を測定したとこ
ろ0.3°であった。又、前記実施例2−1と同様にし
てコントラストの評価を行ったところ、コントラスト比
155であった。 (実施例2−3)本実施例2−3に係る液晶表示パネル
は、前記実施例2−1に係る液晶表示パネルと比較して
ほぼ同様の構成を有しているが、その製造方法に於いて
は、前記化学吸着溶液に替えて以下の化学吸着溶液を使
用して作製した点が異なる。即ち、本実施例に於いて
は、前記化学吸着溶液に、下記化学式(3)で表される
フェニルトリクロロシランを約1重量%で溶解させた溶
液を、混合比が1:1となる様に混合した。更に、この
混合溶液の濃度が約0.2重量%となる様に、良く脱水
されたクロロホルム(非水系有機溶媒)に溶かして、本
実施例に係る化学吸着溶液を得た。この化学吸着溶液を
使用して作製した本実施例に係る液晶表示パネルを、液
晶表示パネルC3と称する。
【化3】
【0206】さらに前記実施例2−1と同様にして、液
晶表示パネルC3の配向評価を行った。即ち、液晶表示
パネルC3の初期配向について目視にて観察したとこ
ろ、液晶注入口付近に流動配向は観測されなかった。
又、偏光顕微鏡により配向の詳細を観察すると、隣り合
う領域42及び領域43の配向方向はほぼ一致し、均一
な配向状態を有するIPSモードの液晶表示パネルC3
が得られた。
【0207】更に、前記実施例2−1と同様にして、液
晶表示パネルC3のプレチルト角を測定したところ0.
3°であった。又、前記実施例2−1と同様にしてコン
トラストの評価を行ったところ、コントラスト比325
であった。
【0208】(比較例2−3)本比較例2−3に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−3に係る液晶表
示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、
その製造方法に於いては電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−3に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルD3と称する。
【0209】さらに前記実施例2−1と同様にして、比
較用液晶表示パネルD3の配向評価を行った。即ち、比
較用液晶表示パネルD3の初期配向について目視にて観
察したところ、液晶注入口付近に流動配向が観測され
た。更に、比較用液晶表示パネルD3を、液晶の相転移
温度以上の処理温度でアニール処理したが、流動配向は
消えなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を観察
すると、隣り合う領域42及び領域43の配向方向は一
致しなかった。
【0210】更に、前記実施例2−3と同様にして、比
較用液晶表示パネルD3のプレチルト角を測定したとこ
ろ0.3°であった。又、前記実施例2−1と同様にし
てコントラストの評価を行ったところ、コントラスト比
108であった。
【0211】(実施例2−4)本実施例2−4に係る液
晶表示パネルは、前記実施例2−1に係る液晶表示パネ
ルと比較して、SiO2からなる下地層が設けられた基
板上に、配向膜を設けた点が大きく異なる。本実施例に
於いて使用した一対の基板はガラスからなり、一方の基
板(電極基板)の内側面には、アルミニウムからなるく
の字型の電極と、配線とが設けられている。但し、当該
電極基板には、電極を覆うチッ化シリコン膜(絶縁膜)
が形成されていない。
【0212】続いて、無機クロロシラン剤(SiCl3
OSiCl3)をヘキサメチルジシロキサン(非水系の
溶媒、bp.100℃)に溶解させて、濃度が約3重量
%の化学吸着溶液を調製した。ヘキサメチルジシロキサ
ンは予めよく脱水しておいたものを使用した。又、化学
吸着溶液の濃度は、0.1〜50重量%の範囲内である
ことが好ましく、さらに1〜5重量%の範囲内であるこ
とが好ましい。
【0213】更に、十分に脱脂・洗浄を施した前記一対
の基板を、乾燥雰囲気下(相対湿度約5%)で前記化学
吸着溶液に1分間浸漬させた。
【0214】その後、化学吸着溶液から一対の基板を取
り出し、乾燥雰囲気下(湿度5%程度)で溶媒(ヘキサ
メチルジシロキサン)を蒸発させた。これにより、図2
0(a)に示す被膜44を形成することができた。更
に、被膜44が形成された一対の基板を、水分を含む空
気中に暴露すると、空気中の水分とクロロシリル基とが
脱塩酸反応して、多数の水酸基を有する無機シロキサン
系ポリマー膜からなる下地層45を形成することができ
た(図20(b)参照)。尚、本発明に於いては、Si
Cl3OSiCl3に替えて、SiCl4や(SiCl
2O)nSiCl3(nは2又は3の整数である。)で表
すことができる物質の利用も可能であった。特に、(S
iCl2O)nSiCl3は、電極としてITOを用いた
場合に、該ITO表面に水酸基を付与することができ、
親水化の効果が一層大きいことを確認している。
【0215】次に、前記実施例2−1と同様にして、下
地層45上に配向膜を形成した。さらに前記実施例2−
1と同様にして、配向膜同士が対向する様に、電極基板
とこれに対向する対向基板とを貼り合わせ、空セルを組
み立て、真空注入法にて液晶を空セル内部に注入し、液
晶セルを作製した。このようにして作製した本実施例2
−4に係る液晶表示パネルを、以下液晶表示パネルC4
と称する。
【0216】さらに前記実施例2−1と同様にして、液
晶表示パネルC4の配向評価を行った。即ち、液晶表示
パネルC4の初期配向について目視にて観察したとこ
ろ、流動配向は確認されなかった。
【0217】(比較例2−4)本比較例2−4に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−4に於ける液晶
表示パネルと比較して、電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−4に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルD4と称する。
【0218】さらに前記実施例2−4と同様にして、比
較用液晶表示パネルD4の配向評価を行った。即ち、比
較用液晶表示パネルD4の初期配向について目視にて観
察したところ、液晶注入口付近に流動配向が観測され
た。更に、比較用液晶表示パネルD4を、液晶の相転移
温度以上の処理温度でアニール処理したが、流動配向は
消えなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を観察
すると、隣り合う領域42及び領域43の配向方向は一
致しなかった。
【0219】(結果)以上のようにして得られた実施例
2−1〜2−4に係る液晶表示パネルC1〜C4、及び
比較例2−1〜2−3に係る比較用液晶表示パネルD1
〜D4についての配向評価等の結果を下記表5にまとめ
る。
【0220】
【表5】
【0221】前記表5から明らかな様に、電極の延在方
向と液晶注入方向とを平行とすることにより、流動配向
の発生を抑制し又は防止することができ、高コントラス
トの液晶表示パネルが得られることが分かった。
【0222】又、実施例2−1〜2−3から明らかな様
に、カルコン基を有する官能基(C 65−CH=CH−
CO−C64−O−CH2−O−)を備えた分子を含む
シラン系界面活性剤を単独で使用した場合の方が、n−
オクタデシルトリクロロシランと前記シラン系界面活性
剤との混合試薬を用いた場合よりも、高コントラストで
あることが分かった。
【0223】更に、下地層を設けた液晶表示パネルC4
の場合には流動配向が全く発生せず、液晶注入後にアニ
ール処理を行う必要もなかった。これは、下地層を介し
て配向膜を形成することにより、配向膜を構成する膜構
成分子が基板と直接化学吸着する場合よりも、一層高密
度に化学吸着させることができ、液晶の流動の影響を受
けなかったからである。
【0224】(実施例2−5)本実施例2−5に係る液
晶表示パネルは、前記実施例2−1に係る液晶表示パネ
ルと比較して、シロキサン系の単分子膜に替えて、ポリ
イミド樹脂からなるポリマー膜を配向膜として用いた点
が異なる。
【0225】前記ポリイミド樹脂からなる配向膜は、次
のようにして形成した。即ち、ポリイミド系の配向膜材
料(商品名:S−150、日産化学(株)製)を塗布し
て焼成し、配向膜を形成した。更に、この配向膜をラビ
ングにより配向処理した。係るポリマー膜からなる配向
膜を備えた液晶表示パネルを、本実施例に於いては、液
晶表示パネルE1と称する。
【0226】又、前記実施例2−1と同様にして、液晶
表示パネルC5の配向評価を行った。先ず、目視にて観
察することにより液晶表示パネルC5の初期配向状態に
ついて調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向は
観測されなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を
観察すると、均一な配向状態であることが確認された。
【0227】(比較例2−5)本比較例2−5に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−5に係る液晶表
示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、
その製造方法に於いては電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−5に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルD5と称する。
【0228】さらに前記実施例2−5と同様にして、比
較用液晶表示パネルD5の配向評価を行った。先ず、目
視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルD5
の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入口
付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示パ
ネルD5を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニー
ル処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕微
鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は不
均一であることが確認された。
【0229】(実施例2−6)本実施例2−6に係る液
晶表示パネルは、前記実施例2−1に係る液晶表示パネ
ルと比較して、ポリイミド系の配向膜材料(商品名:S
−150、日産化学(株)製)に替えて感光性のポリイ
ミド系配向膜材料(商品名:LPPR502CP、ロリ
ック(株)製)を使用し、かつ配向処理としてラビング
処理に替えて光配向処理を行った点が異なる。本実施例
に係る液晶表示パネルを、液晶表示パネルE2と称す
る。
【0230】又、前記実施例2−1と同様にして、液晶
表示パネルC6の配向評価を行った。先ず、目視にて観
察することにより液晶表示パネルC6の初期配向状態に
ついて調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向は
観測されなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を
観察すると、均一な配向状態であることが確認された。
【0231】(比較例2−6)本比較例2−6に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−6に係る液晶表
示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、
その製造方法に於いては電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−6に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルD6と称する。
【0232】さらに前記実施例2−6と同様にして、比
較用液晶表示パネルD6の配向評価を行った。先ず、目
視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルF1
の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入口
付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示パ
ネルD6を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニー
ル処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕微
鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は不
均一であることが確認された。
【0233】(結果)以上のようにして得られた実施例
2−5、2−6に係る液晶表示パネルC5、C6、及び
比較例2−5、2−6に係る比較用液晶表示パネルD
5、D6についての配向評価等の結果を下記表6にまと
める。
【0234】
【表6】
【0235】前記表6から明らかな様に、ポリマー膜か
らなる配向膜であっても、電極の延在方向と液晶注入方
向とを平行とすることにより、流動配向の発生を抑制し
又は防止することができ、高コントラストの液晶表示パ
ネルが得られることが分かった。
【0236】[ストライプ状の平行電極対] (実施例2−7)本実施例2−7に係る液晶表示パネル
は、前記実施例2−1に係る液晶表示パネルと比較し
て、くの字型の電極に替えてストライプ状の平行電極対
を用いた点が異なる。本実施例に係る液晶表示パネル
を、液晶表示パネルE1と称する。
【0237】又、前記実施例2−1と同様にして、液晶
表示パネルE1の配向評価を行った。先ず、目視にて観
察することにより液晶表示パネルE1の初期配向状態に
ついて調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向は
観測されなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を
観察すると、均一な配向状態であることが確認された。
【0238】(比較例2−7)本比較例2−7に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−7に係る液晶表
示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、
その製造方法に於いては電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−7に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルF1と称する。
【0239】さらに前記実施例2−5と同様にして、比
較用液晶表示パネルF1の配向評価を行った。先ず、目
視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルF1
の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入口
付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示パ
ネルF1を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニー
ル処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕微
鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は不
均一であることが確認された。
【0240】(実施例2−8)本実施例2−8に係る液
晶表示パネルは、前記実施例2−4に係る液晶表示パネ
ルC4と比較して、くの字型の電極に替えてストライプ
状の平行電極対を用いた点が異なる。本実施例に係る液
晶表示パネルを、液晶表示パネルE2と称する。
【0241】又、前記実施例2−1と同様にして、液晶
表示パネルE2の配向評価を行った。先ず、目視にて観
察することにより液晶表示パネルE2の初期配向状態に
ついて調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向は
観測されなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を
観察すると、均一な配向状態であることが確認された。
【0242】(比較例2−8)本比較例2−8に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−8に係る液晶表
示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、
その製造方法に於いては電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−8に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルF2と称する。
【0243】さらに前記実施例2−8と同様にして、比
較用液晶表示パネルF2の配向評価を行った。先ず、目
視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルF2
の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入口
付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示パ
ネルF2を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニー
ル処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕微
鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は不
均一であることが確認された。
【0244】(結果)以上のようにして得られた実施例
2−7、2−8に係る液晶表示パネルE1、E2、及び
比較例2−7〜2−8に係る比較用液晶表示パネルF
1、F2についての配向評価等の結果を下記表7にまと
める。
【0245】
【表7】
【0246】前記表7から明らかな様に、電極の延在方
向と液晶注入方向とを平行とすることにより、流動配向
の発生を抑制した液晶表示パネルを得られることが分か
った。特に、実施例2−7に係る液晶表示パネルE1の
場合のように、下地層を介さないで配向膜を形成した場
合であっても流動配向は発生しなかった。これは、くの
字型の電極と比べて平行電極対の方が流動抵抗が小さい
ことに起因すると考えられる。
【0247】(実施例2−9)本実施例2−9に係る液
晶表示パネルは、前記実施例2−5に係る液晶表示パネ
ルと比較して、シロキサン系の単分子膜に替えて、ポリ
イミド樹脂からなるポリマー膜を配向膜として用いた点
が異なる。前記の様なポリイミド樹脂からなる配向膜を
備えた液晶表示パネルを、本実施例に於いては液晶表示
パネルE3と称する。
【0248】又、前記実施例2−1と同様にして、液晶
表示パネルE3の配向評価を行った。先ず、目視にて観
察することにより液晶表示パネルE3の初期配向状態に
ついて調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向は
観測されなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を
観察すると、均一な配向状態であることが確認された。
【0249】(比較例2−9)本比較例2−9に係る比
較用液晶表示パネルは、前記実施例2−9に係る液晶表
示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有しているが、
その製造方法に於いては電極の延在方向に対して垂直と
なる方向から液晶を注入して作製した点が異なる。この
ようにして作製した本比較例2−9に係る液晶表示パネ
ルを、以下比較用液晶表示パネルF3と称する。
【0250】さらに前記実施例2−9と同様にして、比
較用液晶表示パネルF3の配向評価を行った。先ず、目
視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルF3
の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入口
付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示パ
ネルF3を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニー
ル処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕微
鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は不
均一であることが確認された。
【0251】(実施例2−10)本実施例2−10に係
る液晶表示パネルは、前記実施例2−9に係る液晶表示
パネルと比較して、ポリイミド系の配向膜材料(商品
名:S−150、日産化学(株)製)に替えて感光性の
ポリイミド系配向膜材料(商品名:LPPR502C
P、ロリック(株)製)を使用し、かつ配向処理として
ラビング処理に替えて光配向処理を行った点が異なる。
本実施例に係る液晶表示パネルを、液晶表示パネルE4
と称する。
【0252】又、前記実施例2−9と同様にして、液晶
表示パネルE4の配向評価を行った。先ず、目視にて観
察することにより液晶表示パネルE4の初期配向状態に
ついて調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向は
観測されなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細を
観察すると、均一な配向状態であることが確認された。
【0253】(比較例2−10)本比較例2−10に係
る比較用液晶表示パネルは、前記実施例2−10に係る
液晶表示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有してい
るが、その製造方法に於いては電極の延在方向に対して
垂直となる方向から液晶を注入して作製した点が異な
る。このようにして作製した本比較例2−10に係る液
晶表示パネルを、以下比較用液晶表示パネルF4と称す
る。
【0254】さらに前記実施例2−10と同様にして、
比較用液晶表示パネルF4の配向評価を行った。先ず、
目視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルF
4の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入
口付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示
パネルF4を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニ
ール処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕
微鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は
不均一であることが確認された。
【0255】(結果)以上のようにして得られた実施例
2−9、2−10に係る液晶表示パネルE3、E4、及
び比較例2−9、2−10に係る比較用液晶表示パネル
F3、F4についての配向評価等の結果を下記表8にま
とめる。
【0256】
【表8】
【0257】前記表8から明らかな様に、ポリマー膜か
らなる配向膜であっても、電極の延在方向と液晶注入方
向とを平行とすることにより、流動配向の発生を抑制し
た液晶表示パネルが得られることが分かった。
【0258】[長辺部と短辺部とからなる電極対] (実施例2−11)本実施例2−11に係る液晶表示パ
ネルは、前記実施例2−1に係る液晶表示パネルと比較
して、くの字型の電極に替えて長辺部と短辺部とからな
る鉤型の電極対を用いた点が異なる。本実施例に係る液
晶表示パネルを、液晶表示パネルG1と称する。
【0259】更に、前記実施例2−1と同様にして、液
晶表示パネルG1の配向評価を行った。先ず、目視にて
観察することにより、液晶表示パネルG1の初期配向状
態について調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配
向が観測されたものの、アニール処理を行うことにより
流動配向を取り除くことができた。又、偏光顕微鏡によ
り配向の詳細を観察すると、均一な配向状態であること
が確認された。
【0260】(比較例2−11)本比較例2−11に係
る比較用液晶表示パネルは、前記実施例2−11に係る
液晶表示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有してい
るが、その製造方法に於いては電極の延在方向に対して
垂直となる方向から液晶を注入して作製した点が異な
る。このようにして作製した本比較例2−11に係る液
晶表示パネルを、以下比較用液晶表示パネルH1と称す
る。
【0261】さらに前記実施例2−11と同様にして、
比較用液晶表示パネルH1の配向評価を行った。先ず、
目視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルH
1の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入
口付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示
パネルH1を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニ
ール処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕
微鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は
不均一であることが確認された。
【0262】(実施例2−12)本実施例2−12に係
る液晶表示パネルは、前記実施例2−4に係る液晶表示
パネルと比較して、くの字型の電極に替えて長辺部と短
辺部とからなる鉤型の電極対を用いた点が異なる。本実
施例に係る液晶表示パネルを、液晶表示パネルG2と称
する。
【0263】更に、前記実施例2−1と同様にして、液
晶表示パネルE2の配向評価を行った。先ず、目視にて
観察することにより、液晶表示パネルG2の初期配向状
態について調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配
向が観測されたものの、アニール処理を行うことにより
流動配向を取り除くことができた。又、偏光顕微鏡によ
り配向の詳細を観察すると、均一な配向状態であること
が確認された。
【0264】(比較例2−12)本比較例2−12に係
る比較用液晶表示パネルは、前記実施例2−12に係る
液晶表示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有してい
るが、その製造方法に於いては電極の延在方向に対して
垂直となる方向から液晶を注入して作製した点が異な
る。このようにして作製した本比較例2−6に係る液晶
表示パネルを、以下比較用液晶表示パネルH2と称す
る。
【0265】さらに前記実施例2−6と同様にして、比
較用液晶表示パネルH2の配向評価を行った。先ず、目
視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルH2
の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入口
付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示パ
ネルH2を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニー
ル処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕微
鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は不
均一であることが確認された。
【0266】(結果)以上のようにして得られた実施例
2−11、2−12に係る液晶表示パネルG1、G2、
及び比較例2−11、2−12に係る比較用液晶表示パ
ネルH1、H2についての配向評価等の結果を下記表9
にまとめる。
【0267】
【表9】
【0268】前記表9から明らかな様に、電極の延在方
向と液晶注入方向とを平行とすることにより、流動配向
の発生を抑制した液晶表示パネルを得られることが分か
った。
【0269】(実施例2−13)本実施例2−13に係
る液晶表示パネルは、前記実施例2−11に係る液晶表
示パネルと比較して、シロキサン系の単分子膜に替え
て、ポリイミド樹脂からなるポリマー膜を配向膜として
用いた点が異なる。前記の様なポリイミド樹脂からなる
配向膜を備えた液晶表示パネルを、本実施例に於いて
は、液晶表示パネルG3と称する。
【0270】又、前記実施例2−1と同様にして、液晶
表示パネルG3の配向評価を行った。先ず、目視にて観
察することにより液晶表示パネルG3の初期配向状態に
ついて調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向が
観測されたが、アニール処理を施すことにより流動配向
を取り除くことができた。又、偏光顕微鏡により配向の
詳細を観察すると、均一な配向状態であることが確認さ
れた。
【0271】(比較例2−13)本比較例2−13に係
る比較用液晶表示パネルは、前記実施例2−13に係る
液晶表示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有してい
るが、その製造方法に於いては電極の延在方向に対して
垂直となる方向から液晶を注入して作製した点が異な
る。このようにして作製した本比較例2−13に係る液
晶表示パネルを、以下比較用液晶表示パネルH3と称す
る。
【0272】さらに前記実施例2−13と同様にして、
比較用液晶表示パネルH3の配向評価を行った。先ず、
目視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルH
3の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入
口付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示
パネルH3を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニ
ール処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕
微鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は
不均一であることが確認された。
【0273】(実施例2−14)本実施例2−14に係
る液晶表示パネルは、前記実施例2−13に係る液晶表
示パネルと比較して、ポリイミド系の配向膜材料(商品
名:S−150、日産化学(株)製)に替えて感光性の
ポリイミド系配向膜材料(商品名:LPPR502C
P、ロリック(株)製)を使用し、かつ配向処理として
ラビング処理に替えて光配向処理を行った点が異なる。
本実施例に係る液晶表示パネルを、液晶表示パネルG4
と称する。
【0274】又、前記実施例2−13と同様にして、液
晶表示パネルG4の配向評価を行った。先ず、目視にて
観察することにより液晶表示パネルG4の初期配向状態
について調べた。その結果、液晶注入口付近に流動配向
は観測されなかった。又、偏光顕微鏡により配向の詳細
を観察すると、均一な配向状態であることが確認され
た。
【0275】(比較例2−14)本比較例2−14に係
る比較用液晶表示パネルは、前記実施例2−14に係る
液晶表示パネルと比較して、ほぼ同様の構成を有してい
るが、その製造方法に於いては電極の延在方向に対して
垂直となる方向から液晶を注入して作製した点が異な
る。このようにして作製した本比較例2−14に係る液
晶表示パネルを、以下比較用液晶表示パネルH4と称す
る。
【0276】さらに前記実施例2−14と同様にして、
比較用液晶表示パネルH4の配向評価を行った。先ず、
目視にて観察することにより、比較用液晶表示パネルH
4の初期配向状態について調べた。その結果、液晶注入
口付近に流動配向が観測された。更に、比較用液晶表示
パネルH4を、液晶の相転移温度以上の処理温度でアニ
ール処理したが、流動配向は消えなかった。又、偏光顕
微鏡により配向の詳細を観察すると、液晶の配向状態は
不均一であることが確認された。
【0277】(結果)以上のようにして得られた実施例
2−13、2−14に係る液晶表示パネルG3、G4、
及び比較例2−13、2−14に係る比較用液晶表示パ
ネルH3、H4についての配向評価等の結果を下記表1
0にまとめる。
【0278】
【表10】
【0279】前記表10から明らかな様に、ポリマー膜
からなる配向膜であっても、電極の延在方向と液晶注入
方向とを平行とすることにより、流動配向の発生を抑制
した液晶表示パネルが得られることが分かった。
【0280】(実施例2−15)まず、本実施例2−1
5に於いて使用した一対の基板について説明する。本実
施例に於いて使用した一対の基板のうち、一方の基板は
前記実施例2−1に於いて使用した電極基板を用いた。
又、電極基板に対向する他方の基板としては、カラーフ
ィルター付き基板を用いた。但し、カラーフィルターは
R・G・Bの色配列がストライプ配列のものを使用し
た。又、サブピクセルの画素寸法は長手方向の長さ30
0μm、短手方向の長さ90μmとした。更に、R・G
・B間にはブラックマトリクスを設けられており、当該
ブラックマトリクスに於ける長手方向の部分の高さは
1.3μm、短手方向の部分の高さは1.0μmであっ
た。
【0281】続いて、良く脱水されたクロロホルムから
なる非水系有機溶媒に、濃度が約0.2重量%となる様
にシラン系界面活性剤を溶解させ化学吸着溶液を調製し
た。シラン系界面活性剤としては、カルコン基を有する
官能基(C65−CH=CH−CO−C64−O−CH
2−O−)を備えた分子を含む界面活性剤を使用した。
【0282】次に、十分に脱脂・洗浄を施した前記電極
基板及びカラーフィルター付き基板を、化学吸着溶液に
1時間浸漬させた。この処理により、前記分子を電極基
板及びカラーフィルター付き基板表面に吸着させること
ができた。
【0283】更に、化学吸着溶液から電極基板及びカラ
ーフィルター付き基板を取り出し、乾燥雰囲気下で洗浄
を行った。洗浄剤としては、よく脱水された非水系有機
溶媒であるクロロホルムを用いた。又、洗浄時間は10
分間とした。
【0284】次いで、乾燥雰囲気下で洗浄剤から両基板
を引き上げた。このとき、電極基板では、電極の延在方
向と引き上げ方向とが平行となる様に洗浄剤を液切りし
た。又、カラーフィルター付き基板では、ブラックマト
リクスの長手方向と引き上げ方向とが平行となる様にし
た。更に、洗浄剤を乾燥させた後、通常雰囲気下に両基
板を取り出して、空気中の水分と反応させた。これによ
り、単分子膜状の配向膜を形成した。
【0285】続いて、光配向処理法により配向膜の配向
処理を行った。偏光紫外線の偏光方向が前記引き上げ方
向(電極の延在方向又はブラックマトリクスの長手方
向)と平行となる様にして、配向膜表面に偏光紫外線を
照射した。このとき、照射方向は基板面に対して垂直と
なる方向とした。又、照射条件は、照射強度を80mW
/cm2 とし、照射時間を6秒間とした。これにより、
感光性基としてのカルコン基同士が重合反応し、膜構成
分子相互を架橋させることができた。
【0286】次いで、配向膜同士が対向する様に電極基
板とカラーフィルター付き基板とを貼り合わせ、空セル
を組み立てた。このとき、電極基板に於ける配向膜の配
向処理方向と、カラーフィルター付き基板に於ける配向
処理方向とが平行となる様にした。更に、電極基板の配
向膜が形成された面に、塗布形状が矩形枠状となる様に
シール材をスクリーン印刷によって形成した。又、矩形
枠状の一部を欠落させることにより、開口部(液晶注入
口部分)を形成しておいた。液晶注入口は、開口方向が
ブラックマトリクスの長手方向に平行となる様に、空セ
ル周縁部の一辺に於ける中央部分に設けた。これによ
り、液晶注入方向と、サブピクセルの長手方向(ブラッ
クマトリクスの長手部分の延在方向)、配向膜の配向処
理方向及び電極の延在方向とを一致させた。又、セルギ
ャップは約4.5μmとした。
【0287】次に、誘電率異方性が正の液晶を、真空注
入法により空セル内部に注入し、本実施例2−15に係
る液晶セルIを形成した。
【0288】(比較例2−15)本比較例2−15に係
る液晶セルは、前記実施例2−15に係る液晶セルと比
較して、ほぼ同様の構成を有しているが、その製造方法
に於いては、サブピクセルの短手方向(ブラックマトリ
クスの短手部分の延在方向)に対して平行となる方向か
ら液晶を注入して作製した点が異なる。このようにして
作製した本比較例2−14に係る液晶セルを、以下比較
用液晶表示パネルJと称する。
【0289】(結果)以上のようにして得られた実施例
2−15に係る液晶セルI、及び比較例2−15に係る
比較用液晶セルJについて、配向評価を行った。具体的
には、液晶セルI及び比較用液晶セルJを偏光板を用い
て目視または偏光顕微鏡により表示画面の観察を行っ
た。その結果、以下のことが分かった。結果を下記表1
1に併記する。
【0290】
【表11】
【0291】前記表11から明らかな様に、比較用液晶
セルJと比較して本発明に係る液晶セルIの方が、液晶
注入方向に影響されることなく液晶を配向膜の配向処理
方向に応じて初期配向させることができ、各サブピクセ
ル内にディスクリネーションは殆ど発生しなかった。
又、コントラスト比も本発明に係る液晶セルIの方が高
く、表示品位に優れていることが確認された。
【0292】本発明は、最も現実的で好ましい実施例と
現在考えられているものに関して説明してきたが、本発
明は開示した種々の実施例に限定されるべきものではな
く、逆に添付の請求の範囲の欄に記載した精神及び範囲
に含まれる各種変形及び等価構造を包含することを意図
している。
【0293】
【発明の効果】本発明は、以上のように説明した形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0294】即ち、第1発明群に係る捻れ構造を有した
液晶表示パネルによれば、一方の配向膜に於ける配向処
理方向と、他方の配向膜に於ける配向処理方向とのなす
交差角の二等分方向又は略二等分方向に平行又は直角と
なるように液晶の注入方向を設定することにより、液晶
注入方向と配向処理方向とのズレを小さくし、エネルギ
ー的に所望の配向構造に配向し易いようにしている。こ
の結果、流動配向を除去し又はその発生を抑制した液晶
表示パネルを製造することができるという効果を奏す
る。
【0295】更に、第1発明群に係る平行配向構造を有
した他の液晶表示パネルによれば、一対の配向膜に於け
る配向処理方向に平行となるように液晶の注入方向を設
定することにより、注入直後の液晶分子の配向方向と配
向処理方向とのズレを解消し、流動配向が殆ど発生しな
い液晶表示パネルを提供することができるという効果を
奏する。
【0296】又、第1発明群に係る捻れ構造を有した液
晶表示パネルの製造方法によれば、液晶注入口の開口方
向を、第1配向膜に於ける第1配向処理方向と第2配向
膜に於ける第2配向処理方向とのなす交差角の二等分方
向又は略二等分方向と平行又は直角となるようにシール
材を形成し、該液晶注入口から液晶材料を注入する際の
液晶注入方向を、第1配向処理方向と第2配向処理方向
とのなす交差角の二等分方向又は略二等分方向と平行又
は直角とすることにより、液晶を注入する際の注入速度
を一定とすると共に、流動配向を除去又はその発生を抑
制した液晶表示パネルを製造することができるという効
果を奏する。
【0297】更に、第1発明群に係る平行配向構造を有
した液晶表示パネルの製造方法によれば、液晶注入口の
開口方向を、第1配向膜に於ける第1配向処理方向及び
第2配向膜に於ける第2配向処理方向と平行となるよう
にシール材を形成し、該液晶注入口から液晶材料を注入
する際の液晶注入方向を、第1及び第2配向処理方向と
平行とすることにより、液晶を注入する際の注入速度を
一定とすると共に、流動配向を除去又はその発生を抑制
した液晶表示パネルを製造することができるという効果
を奏する。
【0298】又、第2発明群に係る液晶表示パネルによ
れば、液晶注入口は、前記液晶層の内部にある構成要素
群のうち、前記一対の基板間を所定間隔に保持する支持
部材を除いた構成要素群を、基板面に平行な方向から見
て一平面上に表した投影面に於いて、全体から構成要素
群の投影面積を差し引いた空間部分を表す領域の面積が
最大となる方向と、液晶注入方向とが実質的に一致する
様に、設けられている。よって、流動配向の発生を低減
し、コントラスト等の表示品位に優れた液晶表示パネル
を提供することができる。
【0299】更に、第2発明群に係る他の液晶表示パネ
ルによれば、液晶注入口は、前記液晶を注入する際の液
晶注入方向が前記電極の延在方向と実質的に一致する様
に、設けられているので、液晶の流動に対して流動抵抗
として作用する電極の影響を抑制することができる。こ
の結果、流動配向等の発生を低減し、コントラスト等の
表示品位に優れた液晶表示パネルを提供することができ
る。
【0300】第2発明群に係る更に他の液晶表示パネル
によれば、液晶注入口は、前記液晶を注入する際の液晶
注入方向がカラーフィルターにおける遮光膜の高さの最
も高い部分の延在方向と実質的に一致する様に、設けら
れているので、流動配向発生の原因となる遮光膜の影響
を最も抑制することができる。この結果、流動配向等の
発生を低減しコントラスト等の表示品位に優れた液晶表
示パネルを提供することができる。
【0301】又、第2発明群に係る液晶表示パネルの製
造方法によれば、空セルの内部にあり、かつ前記一対の
基板間を所定間隔に保持する支持部材を除いた構成要素
群のうち、前記支持部材を除いて液晶流動の障害となる
構成要素による流動抵抗が最も小さい方向と、液晶注入
方向とが実質的に一致する様に、液晶注入口を形成する
ので、液晶注入工程の際に、空セル内に液晶流動の障害
を極力排除して液晶を注入することができる。これによ
り、流動抵抗に起因して発生する流動配向の発生を低減
し、コントラスト等の表示品位に優れた液晶表示パネル
を作製することができる。
【0302】更に、第2発明群に係る他の液晶表示パネ
ルの製造方法によれば、液晶を注入する際の液晶注入方
向と前記電極の延在方向とが実質的に一致する様に、液
晶注入口を形成するので、液晶流動の障害となる電極の
影響を極力排除することができる。この結果、電極に起
因して発生する流動配向等の発生を低減し、コントラス
ト等の表示品位に優れた液晶表示パネルを作製すること
ができる。
【0303】その上、第2発明群に係る更に他の液晶表
示パネルによれば、液晶を注入する際の液晶注入方向と
前記遮光膜の高さの最も高い部分の延在方向とが実質的
に一致する様に液晶注入口を形成するので、液晶流動の
障害となる遮光膜の影響を極力排除することができる。
この結果、電極に起因して発生する流動配向等の発生を
低減し、コントラスト等の表示品位に優れた液晶表示パ
ネルを作製することができる。よって、本発明の産業上
の意義は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明群の実施の形態に係るホモジニアス配
向構造を有した液晶表示パネルに於いて、配向膜に於け
る配向処理方向と液晶注入方向との関係を模式的に示し
た斜視図である。
【図2】前記液晶表示パネルに於いて、液晶を空セルに
注入する際の流動方向を概念的に示した平面図である。
【図3】第1発明群の実施の形態に係るTN配向構造を
有した液晶表示パネルに於いて、配向膜に於ける配向処
理方向と液晶注入方向との関係を模式的に示した斜視図
である。
【図4】第1発明群の実施の形態に係る液晶表示パネル
に於いて、空セルに注入された液晶が、配向膜に於ける
配向規制力の作用により配向処理方向に再配向する状態
を説明する為の概念図である。
【図5】第1発明群の実施例に係る液晶セルの概略を示
す説明図であって、図5(a)は該液晶セルの概略を示
す平面図であり、図5(b)は図5(a)に示すX−
X’線矢視断面図である。
【図6】前記液晶セルに於いて、ホモジニアス配向モー
ドの場合における配向膜の配向処理方向と、液晶注入方
向との相対的な関係を示す説明図である。
【図7】前記液晶セルに係る配向膜に於いて、光配向処
理法を概略的に説明する為の斜視図である。
【図8】前記液晶セルに於いて、TN配向モードの場合
における配向膜の配向処理方向と、液晶注入方向との相
対的な関係を示す説明図である。
【図9】第2発明群の実施の形態に係るIPSモードの
液晶表示パネルを概略的に示す断面図である。
【図10】前記液晶表示パネルに於いて、画素電極体及
び対向電極体からなる一対の電極を模式的に示す平面図
である。
【図11】前記液晶表示パネルを構成する構成要素を投
影した投影面であって、図11(a)は画素電極部分及
び対向電極部分の延在方向に平行な方向から見た投影図
であり、図11(b)は画素電極部分及び対向電極部分
の延在方向に垂直な方向から見た投影図である。
【図12】前記液晶表示パネルに於いて、空セル内部に
液晶を注入する際の液晶注入方向と電極の延在方向とを
模式的に示した平面図である。
【図13】第2発明群の実施の形態に係るカラーフィル
ターを備えたIPSモードの液晶表示パネルを概略的に
示す断面図である。
【図14】前記液晶表示パネルに於いて、カラーフィル
ターを示す説明図であって、図14(a)はカラーフィ
ルターに於けるR(赤色)・G(緑色)・B(青色)の
各色パターンを示す部分平面図であり、図14(b)は
前記図14(a)におけるa−a’線矢視断面図であ
り、図14(c)は前記図14(a)におけるb−b’
線矢視断面図である。
【図15】前記液晶表示パネルを構成する構成要素を投
影した投影面であって、図15(a)はブラックマトリ
クスの長手部分の延在方向に平行な方向から見た投影図
であり、図15(b)はブラックマトリクスの短手部分
の延在方向に平行な方向から見た投影図である。
【図16】前記液晶表示パネルに於いて、空セル内部に
液晶を注入する際の液晶注入方向とブラックマトリクス
の長手部分の延在方向とを模式的に示した平面図であ
る。
【図17】空セルの空間部分が投影面に現れる領域の面
積が最大となる方向が複数ある場合を説明する為の説明
図であって、図17(a)は流動抵抗となる構成要素を
概略的に示す平面図であり、図17(b)はX方向から
見た空セルの投影図を表し、図17(b)はY方向から
見た空セルの投影図を表す。
【図18】第2発明群に係る他の一対の電極の概略を示
す平面図であって、図18(a)はストライプ状の平行
電極対を表し、図18(b)は長辺部と短辺部とからな
る電極対を表す。
【図19】第2発明群に係る実施例2−1に於いて、電
極基板上に設けられた電極の平面形状を模式的に表した
平面図である。
【図20】基板表面に化学吸着した吸着分子の存在状態
を表す説明図であって、図20(a)は吸着分子が水分
と反応する前の状態を表し、図20(b)は吸着分子が
水分と反応した直後の状態を表す。
【符号の説明】
1、2 配向膜(第1配向膜、第2配向膜) 3、4 基板(第1基板、第2基板) 5 液晶注入口 6、7 円形電極 8 シール材 9 液晶層 11、12 液晶分子 21 下基板 22 上基板 23 液晶層 24 画素電極体 24a 画素電極部分 24b 連結電極部分 25 対向電極体 25a 対向電極部分 25b 連結電極部分 26、27 配向膜 28 配線群 29 シール材 30 液晶注入口 31 カラーフィルター 32 ブラックマトリクス(遮光膜) 32a 長手部分 32b 短手部分 34 液晶注入口 35 構成要素 36 液晶セル 37 平行電極対 38 電極対 38a 長辺部 38b 短辺部 41 電極 42、43 領域 44 被膜 45 下地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 幸生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H089 LA22 NA25 NA29 QA15 RA05 TA02 TA04 2H090 HB08Y HC12 HC17 KA05 LA01 LA03 MA02 MB01 MB12 5G435 AA01 AA17 BB12 GG12 KK05 LL04

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1配向処理方向に配向処理された第1
    配向膜を備える第1基板と、 前記第1基板に対向配置され、かつ第2配向処理方向に
    配向処理された第2配向膜を備える第2基板と、 前記第1基板及び第2基板間に設けられ、初期配向状態
    が捻れ配向構造を有する液晶層であって、該液晶層を形
    成する為に液晶材料を注入する液晶注入方向が、前記第
    1配向処理方向と第2配向処理方向とのなす交差角の二
    等分方向又は略二等分方向と平行となるようにして形成
    された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示パネ
    ル。
  2. 【請求項2】 第1配向処理方向に配向処理された第1
    配向膜を備える第1基板と、 前記第1基板に対向配置され、かつ第2配向処理方向に
    配向処理された第2配向膜を備える第2基板と、 前記第1基板及び第2基板間に設けられ、初期配向状態
    が捻れ配向構造を有する液晶層であって、該液晶層を形
    成する為に液晶材料を注入する液晶注入方向が、前記第
    1配向処理方向と第2配向処理方向とのなす交差角の二
    等分方向又は略二等分方向と直角となるようにして形成
    された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 第1配向処理方向に配向処理された第1
    配向膜を備える第1基板と、 前記第1基板に対向配置され、かつ前記第1配向処理方
    向と平行となるように第2配向処理方向に配向処理され
    た第2配向膜を備える第2基板と、 前記第1基板及び第2基板間に設けられ、初期配向状態
    がホモジニアス配向構造を有する液晶層であって、該液
    晶層を形成する為に液晶材料を注入する液晶注入方向
    が、前記第1配向処理方向及び第2配向処理方向と平行
    となるようにして形成された液晶層とを有することを特
    徴とする液晶表示パネル。
  4. 【請求項4】 前記第1配向膜及び第2配向膜は、ラビ
    ング処理によって液晶配向能を付与された配向膜である
    ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の何
    れか1項に記載の液晶表示パネル。
  5. 【請求項5】 前記第1配向膜及び第2配向膜は、感光
    性基を有する膜構成分子を含んで構成され、光配向処理
    法によって液晶配向能を付与された感光性配向膜である
    ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の何
    れか1項に記載の液晶表示パネル。
  6. 【請求項6】 前記第1配向膜及び第2配向膜がポリイ
    ミド系樹脂膜からなることを特徴とする請求項4又は請
    求項5に記載の液晶表示パネル。
  7. 【請求項7】 前記第1配向膜及び第2配向膜は、直鎖
    状炭素鎖を含む膜構成分子の集合群がシロキサン結合を
    介して前記基板表面に結合・固定された膜からなること
    を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の液晶表示パ
    ネル。
  8. 【請求項8】 前記第1配向膜及び第2配向膜が、単分
    子吸着膜又はポリマー吸着膜からなることを特徴とする
    請求項7に記載の液晶表示パネル。
  9. 【請求項9】 第1基板上に第1配向膜を形成し、かつ
    該第1基板と対をなす第2基板上に第2配向膜を形成す
    る配向膜形成工程と、 前記第1配向膜を第1配向処理方向に配向処理する一
    方、第2配向膜を第2配向処理方向に配向処理する配向
    処理工程と、 前記第1基板及び第2基板のうち何れか一方に、液晶注
    入口の部分を欠いた枠状のシール材を形成するシール材
    形成工程と、 前記第1配向膜及び第2配向膜が対向し、かつ第1配向
    処理方向と第2配向処理方向とが相対的に有限の角度回
    転させた関係となるように、前記一対の基板を所定の間
    隙を有して貼り合わせる貼り合わせ工程と、 前記液晶注入口から液晶材料を注入して、初期配向状態
    が捻れ配向構造を有する液晶層を形成する液晶注入工程
    とを備え、 前記シール材形成工程に於ける前記液晶注入口の開口方
    向は、前記第1配向処理方向と第2配向処理方向とのな
    す交差角の二等分方向又は略二等分方向と平行となる関
    係にあり、前記液晶注入工程にて該液晶注入口から液晶
    材料を注入する際の液晶注入方向を、前記第1配向処理
    方向と第2配向処理方向とのなす交差角の二等分方向又
    は略二等分方向と平行とすることを特徴とする液晶表示
    パネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 第1基板上に第1配向膜を形成し、か
    つ該第1基板と対をなす第2基板上に第2配向膜を形成
    する配向膜形成工程と、 前記第1配向膜を第1配向処理方向に配向処理する一
    方、第2配向膜を第2配向処理方向に配向処理する配向
    処理工程と、 前記第1基板及び第2基板のうち何れか一方に、液晶注
    入口の部分を欠いた枠状のシール材を形成するシール材
    形成工程と、 前記第1配向膜及び第2配向膜が対向し、かつ前記第1
    配向処理方向及び第2配向処理方向が相対的に有限の角
    度回転させた関係となるように、前記一対の基板を所定
    の間隙を有して貼り合わせる貼り合わせ工程と、 前記液晶注入口から液晶材料を注入して、初期配向状態
    が捻れ配向構造を有する液晶層を形成する液晶注入工程
    とを備え、 前記シール材形成工程に於ける前記液晶注入口の開口方
    向は、前記第1配向処理方向と第2配向処理方向とのな
    す交差角の二等分方向又は略二等分方向と直角となる関
    係にあり、前記液晶注入工程にて該液晶注入口から液晶
    材料を注入する際の液晶注入方向を、前記第1配向処理
    方向と第2配向処理方向とのなす交差角の二等分方向又
    は略二等分方向と直角とすることを特徴とする液晶表示
    パネルの製造方法。
  11. 【請求項11】 第1基板上に第1配向膜を形成し、か
    つ該第1基板と対をなす第2基板上に第2配向膜を形成
    する配向膜形成工程と、 前記第1配向膜を第1配向処理方向に配向処理する一
    方、第2配向膜を第2配向処理方向に配向処理する配向
    処理工程と、 前記第1基板及び第2基板のうち何れか一方に、液晶注
    入口の部分を欠いた枠状のシール材を形成するシール材
    形成工程と、 前記第1基板及び第2配向膜が対向し、かつ前記第1配
    向処理方向及び第2配向処理方向が互いに平行又は略平
    行となるように、前記一対の基板を所定の間隙を有して
    貼り合わせる貼り合わせ工程と、 前記液晶注入口から液晶材料を注入して、初期配向状態
    がホモジニアス配向構造を有する液晶層を形成する液晶
    注入工程とを備え、 前記シール材形成工程に於ける前記液晶注入口の開口方
    向は、前記第1配向処理方向及び第2配向処理方向と平
    行となる関係にあり、前記液晶注入工程にて該液晶注入
    口から液晶材料を注入する際の液晶注入方向を、前記第
    1配向処理方向及び第2配向処理方向と平行とすること
    を特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記配向処理工程は、ラビング処理を
    行うことを特徴とする請求項9、請求項10又は請求項
    11の何れか1項に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第1配向膜及び第2配向膜として
    感光性配向膜を使用し、前記配向処理工程にて、所定の
    方向に偏光した光を照射することにより配向処理する光
    配向処理を行うことを特徴とする請求項9、請求項10
    又は請求項11の何れか1項に記載の液晶表示パネルの
    製造方法。
  14. 【請求項14】 一対の基板にシール材を介在させて構
    成される空セルの周縁部に、少なくとも1つの液晶注入
    口を設け、 前記液晶注入口から前記空セル内部に液晶を注入するこ
    とにより構成された液晶セルを有する液晶表示パネルで
    あって、 前記液晶注入口は、 前記液晶層の内部にある構成要素群のうち、前記一対の
    基板間を所定間隔に保持する支持部材を除いた構成要素
    群を、基板面に平行な方向から見て一平面上に表した投
    影面に於いて、全体から構成要素群の投影面積を差し引
    いた空間部分を表す領域の面積が最大となる方向と、液
    晶注入方向とが実質的に一致する様に、設けられている
    ことを特徴とする液晶表示パネル。
  15. 【請求項15】 前記一対の基板の内側には配向膜がそ
    れぞれ設けられており、 前記配向膜の配向処理方向は、前記空間部分を表す領域
    の面積が最大となる方向及び前記液晶注方向と実質的に
    一致していることを特徴とする請求項14に記載の液晶
    表示パネル。
  16. 【請求項16】 一対の基板にシール材を介在させて構
    成される空セルの周縁部に、少なくとも1つの液晶注入
    口を設け、 前記液晶注入口から前記空セル内部に液晶を注入するこ
    とにより構成された液晶セルを有する液晶表示パネルで
    あって、 前記液晶層の内部にある構成要素群のうち、前記一対の
    基板間を所定間隔に保持する支持部材を除いた構成要素
    群を、基板面に平行な方向から見て一平面上に表した投
    影面に於いて、全体から構成要素群の投影面積を差し引
    いた空間部分を表す領域の面積が最大となる方向が複数
    ある場合に、 前記液晶注入口は、液晶の流路が最も確保されている方
    向と、液晶注入方向とが実質的に一致する様に設けられ
    ていることを特徴とする液晶表示パネル。
  17. 【請求項17】 一対の基板にシール材を介在させて構
    成される空セルの周縁部に、少なくとも1つの液晶注入
    口を設け、 前記液晶注入口から液晶を注入することにより構成され
    た液晶セルを備え、 前記基板に対して平行となる方向に発生させた横電界成
    分によって前記液晶セルに透過する光を変調し画像を表
    示する液晶表示パネルであって、 前記一対の基板のうち一方の基板上には、一対の電極が
    設けられており、 前記液晶注入口は、前記液晶を注入する際の液晶注入方
    向が前記電極の延在方向と実質的に一致する様に、設け
    られていることを特徴とする液晶表示パネル。
  18. 【請求項18】 前記一対の基板の内側には配向膜がそ
    れぞれ設けられており、該配向膜の配向処理方向は前記
    電極の延在方向及び前記液晶注入方向と実質的に一致し
    ていることを特徴とする請求項17に記載の液晶表示パ
    ネル。
  19. 【請求項19】 一対の基板にシール材を介在させて構
    成される空セルの周縁部に、少なくとも1つの液晶注入
    口を設け、 前記液晶注入口から液晶を注入することにより構成され
    た液晶セルを備え、 前記基板に対して平行となる方向に発生させた横電界成
    分によって前記液晶セルに透過する光を変調し画像を表
    示する液晶表示パネルであって、 前記一対の基板のうち一方の基板上には一対の電極が設
    けられると共に、他方の基板の内側には、赤色、緑色及
    び青色のパターンと、各色パターンの間に設けられた遮
    光膜とを備えたカラーフィルターが設けられており、 前記液晶注入口は、液晶を注入する際の液晶注入方向が
    前記遮光膜の厚みが最も厚い部分の延在方向と実質的に
    一致する様に設けられていることを特徴とする液晶表示
    パネル。
  20. 【請求項20】 前記一対の基板の内側には配向膜がそ
    れぞれ設けられており、該配向膜の配向処理方向は前記
    液晶注入方向、及び遮光膜の厚みが最も厚い部分の延在
    方向と実質的に一致していることを特徴とする請求項1
    9に記載の液晶表示パネル。
  21. 【請求項21】 前記電極の延在方向は、前記配向膜の
    配向処理方向、液晶注入方向、及び遮光膜の厚みが最も
    厚い部分の延在方向と実質的に一致していることを特徴
    とする請求項20に記載の液晶表示パネル。
  22. 【請求項22】 前記電極は、複数の曲折点を有し、か
    つ曲折点毎に交互に異なる方向に曲折しながら、全体と
    して所定の方向に延在した形状の電極であることを特徴
    とする請求項17〜請求項21の何れか1項に記載の液
    晶表示パネル。
  23. 【請求項23】 前記一対の電極は、ストライプ状の平
    行電極対であることを特徴とする請求項17〜請求項2
    1の何れか1項に記載の液晶表示パネル。
  24. 【請求項24】 前記一対の電極は、両端部が相互に異
    なる方向に鉤型となった電極部分であって、任意の角度
    を有する長辺部と短辺部とからなる電極部分を備えた電
    極対であることを特徴とする請求項17〜請求項21の
    何れか1項に記載の液晶表示パネル。
  25. 【請求項25】 前記配向膜が、ラビング処理により配
    向処理された膜であることを特徴とする請求項18、請
    求項20又は請求項21の何れか1項に記載の液晶表示
    パネル。
  26. 【請求項26】 前記配向膜が、ポリイミド系樹脂から
    なることを特徴とする請求項18、請求項20又は請求
    項21の何れか1項に記載の液晶表示パネル。
  27. 【請求項27】 前記配向膜が、光配向処理により配向
    処理された膜であることを特徴とする請求項18、請求
    項20又は請求項21の何れか1項に記載の液晶表示パ
    ネル。
  28. 【請求項28】 前記配向膜は、これを構成する膜構成
    分子の集合群が前記基板表面に結合・固定してなる単分
    子吸着膜又はポリマー吸着膜からなることを特徴とする
    請求項18、請求項20又は請求項21の何れか1項に
    記載の液晶表示パネル。
  29. 【請求項29】 一対の基板にシール材を介在させて構
    成される空セルの周縁部に、少なくとも1つの液晶注入
    口を設け、 前記液晶注入口から液晶を注入することにより構成され
    た液晶セルを有する液晶表示パネルの製造方法であっ
    て、 前記一対の基板のうち何れか一方に、液晶注入口の部分
    を少なくとも1箇所欠いた枠状のシール材を形成するシ
    ール材形成工程と、 前記一対の基板のうち何れか一方に支持部材を設け、該
    一対の基板を所定の間隙を有して貼り合わせ、空セルを
    形成する貼り合わせ工程と、 前記液晶注入口から液晶を注入して液晶セルを形成する
    液晶注入工程とを有し、 前記シール材形成工程は、前記液晶を注入する際の液晶
    注入方向と、前記空セルの内部にあり、かつ前記一対の
    基板間を所定間隔に保持する支持部材を除いた構成要素
    群のうち、液晶流動に障害となる構成要素による流動抵
    抗が最も小さい方向とが実質的に一致する様に、前記シ
    ール材を形成する工程であることを特徴とする液晶表示
    パネルの製造方法。
  30. 【請求項30】 一対の基板にシール材を介在させて構
    成される空セルの周縁部に、少なくとも1つの液晶注入
    口を設け、 前記液晶注入口から液晶を注入することにより構成され
    た液晶セルを有する液晶表示パネルの製造方法であっ
    て、 前記一対の基板のうち何れか一方に、一対の電極を形成
    する電極形成工程と、 前記一対の基板のうち何れか一方に、液晶注入口の部分
    を少なくとも1箇所欠いた枠状のシール材を形成するシ
    ール材形成工程と、 前記一対の基板のうち何れか一方に支持部材を設け、該
    一対の基板を所定の間隙を有して貼り合わせ、空セルを
    形成する貼り合わせ工程と、 前記液晶注入口から液晶を注入して液晶セルを形成する
    液晶注入工程とを有し、 前記シール材形成工程は、前記液晶を注入する際の液晶
    注入方向と前記電極の延在方向とが実質的に一致する様
    に、前記シール材を形成する工程であることを特徴とす
    る液晶表示パネルの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記一対の基板上に配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜を配向処理する配向処理工程とを含み、 前記シール材形成工程は、前記配向処理工程に於ける配
    向処理方向が、前記液晶注入方向と実質的に一致する様
    に、前記シール材を形成して液晶注入口を設けることを
    特徴とする請求項30に記載の液晶表示パネルの製造方
    法。
  32. 【請求項32】 一対の基板にシール材を介在させて構
    成される空セルの周縁部に、少なくとも1つの液晶注入
    口を設け、 前記液晶注入口から液晶を注入することにより構成され
    た液晶セルを有する液晶表示パネルの製造方法であっ
    て、 前記一対の基板のうち何れか一方の基板に、R(赤色)
    ・G(緑色)・B(青色)の色パターンと、これらの色
    パターンを色分離する遮光膜とからなるカラーフィルタ
    ーを形成するカラーフィルター形成工程と、 前記一対の基板のうち何れか一方に、液晶注入口の部分
    を少なくとも1箇所欠いた枠状のシール材を形成するシ
    ール材形成工程と、 前記一対の基板のうち何れか一方に支持部材を設け、該
    一対の基板を所定の間隙を有して貼り合わせ、空セルを
    形成する貼り合わせ工程と、 前記液晶注入口から液晶を注入して液晶セルを形成する
    液晶注入工程とを有し、 前記シール材形成工程は、前記液晶を注入する際の液晶
    注入方向と前記遮光膜の高さの最も高い部分の延在方向
    とが実質的に一致する様に、前記シール材を形成する工
    程であることを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記一対の基板のうち他方の基板上
    に、一対の電極を形成する電極形成工程を含み、 前記シール材形成工程は、前記液晶注入方向が前記電極
    の延在方向と実質的に一致する様に、前記シール材を形
    成して液晶注入口を設ける工程であることを特徴とする
    請求項32に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記一対の基板上に配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜に配向処理する配向処理工程とを含み、 前記シール材形成工程は、前記液晶注入方向が前記電極
    の延在方向及び前記配向処理工程に於ける配向処理方向
    と実質的に一致する様に、前記シール材を形成して液晶
    注入口を設ける工程であることを特徴とする請求項33
    に記載の液晶表示パネルの製造方法。
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JP2012163979A (ja) * 2001-08-31 2012-08-30 Sharp Corp 液晶表示装置及びその製造方法
WO2018038209A1 (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 シャープ株式会社 走査アンテナおよび走査アンテナの製造方法

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