JPH10206865A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

Info

Publication number
JPH10206865A
JPH10206865A JP1212297A JP1212297A JPH10206865A JP H10206865 A JPH10206865 A JP H10206865A JP 1212297 A JP1212297 A JP 1212297A JP 1212297 A JP1212297 A JP 1212297A JP H10206865 A JPH10206865 A JP H10206865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
optical modulation
effective optical
electrode
modulation area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP1212297A
Other languages
English (en)
Inventor
Sunao Mori
直 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP1212297A priority Critical patent/JPH10206865A/ja
Publication of JPH10206865A publication Critical patent/JPH10206865A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶注入工程において汚染された液晶に起因
して発生する液晶素子の駆動特性の劣化を防止する。 【解決手段】 透明電極12a,12bと少なくとも有
効光学変調領域20内に配向制御膜13a,13bとを
有する一対の基板11a,11b間に、液晶17を挟持
してなる液晶素子において、有効光学変調領域外に、有
効光学変調領域外の液晶を駆動する電極21が設けれら
ていることを特徴する。 【効果】 電極21に適当な電界を印加することによ
り、有効光学変調領域外の汚染された液晶が有効光学変
調領域内に進入することを抑制でき、駆動特性の劣化の
少ない耐久性に富んだ液晶素子が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンタ
ー等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子に
関し、詳しくは駆動時における液晶の駆動不良を制御す
る構造に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶素子は、その有効光学変調領域(表
示素子においては表示領域)を外部環境と分離する為に
素子周辺を樹脂等の材料により封止されている。この封
止工程の前段階における空セルへの液晶の充填方法とし
て、封止される素子周囲の少なくとも1ケ所以上は封止
を行わず、封止されていない場所からセル内に液晶の充
填を行っている(以下、この液晶を充填するセルの場所
を「注入口」とする。)。
【0003】様々な液晶材料が用いられている液晶素子
の中で、単純マトリクス方式で駆動出来る液晶の中に、
カイラルスメクチック液晶がある。このカイラルスメク
チック液晶分子の屈折率異方性を利用して偏光素子との
組み合わせにより透過光線を制御する型の表示素子がク
ラーク(Clark)及びラガーウォル(Lagerw
all)により提案されている(特開昭56−1072
16号公報、米国特開第4367942号明細書等)。
このカイラルスメクチック液晶は、一般に特定の温度域
において、非螺旋構造のカイラルスメクチックC相(S
mC* )またはカイラルスメクチックH相(SmH*
を有し、この状態において、加えられる電界に対応して
第1の光学的安定状態及び第2の光学的安定状態のいず
れかを取り、且つ電界の印加のない時はその状態を維持
する性質、すなわち双安定性を有し、また電界の変化に
対する応答も速やかであり、高速ならびに記憶型表示素
子として広い利用が期待されている。
【0004】このカイラルスメクチック液晶は、良好な
スイッチング特性を得るためには、液晶層の厚みを、一
般的に液晶相の一つであるコレステリック相で生じる液
晶分子の螺旋状態のピッチ以下にする必要性がある。こ
のピッチは一般的に数十〜サブμm程度である。この厚
みで液晶表示素子を大画面化していくと、全表示領域を
均一表示させるためには表示領域全面に渡り均一な液晶
層厚、つまり均一なギャップに素子を作成することの重
要性が増してくる。この液晶素子の面内均一表示を可能
にするために均一径のスペーサを素子内に散布する方法
が一般的になされている。
【0005】さらに、液晶表示素子を大画面化するに伴
い素子周辺で上下基板を保持させるだけでは、素子中央
付近でのギャップを均一に保つことが困難になってくる
という問題が生じる。これを解決する手法として液晶表
示素子内に上下基板間で密着しスペーサ径以上にギャッ
プを広げないよう粒子状接着性樹脂を散布する。これと
スペーサを合わせ使用することにより、均一ギャップに
保持する方法が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の技術
に基づいて、前述した注入口より液晶の充填を行うと、
充填される液晶が液晶素子の配向膜表面、前述スペーサ
及び粒子状接着性樹脂に接触しながら、液晶素子内に充
填されていく。その結果、特に注入口から遠く離れた反
対側の端部に上記のような様々なものに接触し、汚染さ
れた液晶が充填される。汚染物の同定は微量であり困難
であるが、注入口と反対側の端部の汚染された液晶に
は、液晶の基礎物性、例えば相転移温度、駆動閾値等の
変化が見られる。
【0007】また、液晶素子はその素子構成、駆動条
件、駆動環境等によっては、素子駆動に伴って液晶が移
動することが確認されている。本発明者らも、対角15
インチサイズのカイラルスメクチック液晶を用いた液晶
素子において、液晶の移動を確認している。この際、特
定の表示パターンを液晶素子に書き続けることで、特に
注入口に対して反対側の端部から駆動特性の異なる汚染
された液晶が表示領域内に進入し、著しく表示素子とし
ての寿命を短命化してしまった。
【0008】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、注入
の際に汚染された液晶の有効光学変調領域内への進入を
防止し、液晶素子の駆動特性及び耐久特性の向上を図る
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明は、透明電極と少なくとも有効光学変調領
域内に一軸性配向処理を施した配向制御膜とを有する一
対の基板間に、液晶を挟持してなる液晶素子において、
前記基板の有効光学変調領域外には、有効光学変調領域
外の液晶が有効光学変調領域内に進入することを防止す
る為に、有効光学変調領域外の液晶を駆動する電極が設
けれらていることを特徴する液晶素子にある。
【0010】本発明の液晶素子は、液晶がカイラルスメ
クチック液晶であって、そのプレチルト角をα、コーン
角を2Θ、見かけのチルト角をθa、スメクチック層の
傾き角をδとしたときに、Θ<α+δ、及びΘ>θa>
Θ/2、の関係を満足する配向状態を有することが好ま
しい。また、前記有効光学変調領域外の少なくとも一部
において前記液晶が垂直乃至略垂直配向となっているこ
とも好ましい。
【0011】本発明の液晶素子によれば、従来確立され
ている素子作成法を極端に変えることなく、且つ歩留ま
りも従来技術で達成されているレベルを確保しつつ、そ
の駆動特性及び耐久特性の向上が実現される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
液晶素子の形態について詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の液晶素子の一例を示す模式
平面図であり、図2(a)は図1中のA−A線に沿った
部分拡大断面図、図2(b)は図1中のB−B線に沿っ
た部分拡大断面図である。
【0014】同図中、11a及び11bは一対の基板で
あり、例えば厚さ400Å〜2000Å程度の透明電極
12a及び12bを備えている。
【0015】透明電極12a,12b上には、厚さ10
Å〜1000Å程度の高分子有機膜(例えば、ポリイミ
ド、ポリアミド、PVA樹脂等)で形成した配向制御膜
13a,13bが形成されている。なお、透明電極12
a,12bと配向制御膜13a,13bとの間には、例
えば厚さ100Å〜2000Å程度のSiO2 等の絶縁
膜を配置しても良い。
【0016】基板11a,11bの間隙(液晶セルギャ
ップ)は、一般に0.1μm〜10μmのシリカビーズ
等からなるスペーサ粒子14により一定に保持される。
更に、液晶内には粒子部材15が分散配置されている。
かかる粒子部材15は、外的な応力による両基板間隙の
変化防止の為に用いられるもので、例えばエポキシ樹脂
等の粒子状樹脂が用いられる。
【0017】基板11a,11bの外周は、液晶の注入
口18を残して例えばエポキシ系接着剤等のシール材1
6により封止される。そして、注入口18より液晶17
を注入した後、注入口18をエポキシ樹脂等で封口す
る。尚、一対の基板11a,11b及びシール材パター
ン16に囲まれたセル内のうち周縁部を除く領域20
が、最終的に得られる液晶素子における液晶による光学
変調を行う有効光学変調領域、特に素子が表示素子に適
用される場合では表示領域に相当する。
【0018】本発明の液晶素子における最大の特徴は、
図2(b)に示されるように、有効光学変調領域20外
の領域で、特に好ましくは注入口18とは反対側の領域
21に、透明電極12a,12bとは別の領域21内の
液晶に電圧を印加するための電極22を配置した点にあ
る。かかる電極22は、領域21内の液晶が有効光学変
調領域20内に進入することを防止する作用をもたらす
ものである。
【0019】上記電極22による作用を説明する前に、
液晶の配向状態と駆動に関して、カイラルスメクチック
液晶を例に若干の補足をしておく。
【0020】カイラルスメクチック液晶の配向状態に
は、大別してC1とC2の2種がある。かかる2種の配
向状態について、図3に示すスメクチック相のシェブロ
ン層構造の違いで説明する。
【0021】図3の中の符号31はスメクチック相のシ
ェブロン層を、符号32はC1配向領域を、符号33は
C2配向領域をそれぞれ示している。スメクチック液晶
は、一般に層構造を持つが、SmA相からSmC相また
はSmC* 相に移転すると層間隔が縮むので、図3に示
すように層が上下基板(30a,30b)の中央付近で
折れ曲がった構造(シェブロン構造)をとる。ここで、
折れ曲がる方向(配向状態)は、図3に示すようにC1
とC2の2つ有り得るが、よく知られているように一軸
性配向によって基板界面の液晶分子は基板に対して角度
をなし(プレチルト)、その方向はラビング方向に向か
って液晶分子が頭をもたげる(先端が浮いた格好にな
る)向きである。このプレチルトのためにC1配向とC
2配向とは弾性エネルギー的に等価でなく、温度変化や
機械的な歪みで転移が起ることがある。図3の層構造を
平面的に見ると、ラビング方向に向かって、C1配向か
らC2配向に移る時の境界34はジグザクの稲妻状でラ
イトニング欠陥と呼ばれ、C2配向からC1配向に移る
時の境界35は幅の広い穏やかな曲線状で、ヘアピン欠
陥と呼ばれる。
【0022】ここで、カイラルスメクチック液晶を配向
させるために一軸性配向処理が施された一対の基板を備
え、該一対の基板を、一軸性配向処理方向が相互にほぼ
平行で同一方向になるように対向配置した液晶素子にお
いて、カイラルスメクチック液晶のプレチルト角をαと
し、チルト角(コーン角の1/2)をΘとし、SmC*
相の層傾斜角をδとしたときに、Θ<α+δ、の関係を
満足する配向状態を有するようにすると、C1配向状態
に於てシェブロン構造を有する4つの状態が存在する。
【0023】この4つのC1配向状態は、従来のC1配
向状態とは異なっており、なかでも4つのC1配向状態
のうち2つの状態は、双安定状態(ユニフォーム状態)
を形成している。ここで、無電界時の見かけのチルト角
をθaとすれば、C1配向状態の4つの状態のうち、Θ
>θa>Θ/2、の関係を示す状態をユニフォーム状態
という。
【0024】ユニフォーム状態においては、その光学的
性質からみて液晶分子(ダイレクタ)が上下基板間で捩
じれていないと考えられる。図4(a)はC1配向の各
状態でのダイレクタ配置を示す模式図である。図中51
〜54は各状態においてのダイレクタをコーンの底面に
投影し、これを底面方向から見た様子を示しており、C
ダイレクタと言われる。この図で、符号51及び52が
スプレイ状態、符号53及び54はユニフォーム状態と
考えられるCダイレクタの配置である。同図から分かる
とおり、ユニフォームの2状態(53と54)において
は、上下いずれかの基板界面の液晶分子の位置がスプレ
イ状態の位置と入れ替わっている。図4(b)はC2配
向を示しており、界面のスイッチングはなく内部のスイ
ッチングで2状態(55と56)がある。このC1配向
のユニフォーム状態は従来用いられていたC2配向にお
ける双安定状態より大きな見かけのチルト角θaを生
じ、輝度が大きく、しかもコントラストも高い。
【0025】上述した双安定状態を呈するユニフォーム
状態を用いたカイラルスメクチック液晶素子の駆動特性
として、第一の安定状態(U1)から他方の安定状態
(U2)へは或る一定以上の電界印加により達成され
る。さらに、元の安定状態に戻すには印加電界の極性を
反転させればよい。この2状態間を行き来する最低の電
界強度から印加する電界を上げていくと、ある電界強度
以上になると一度書き込んだ分子位置から元の分子位置
に戻ってしまう現象が本発明者等により確認されてい
る。これにより、表示素子として情報を伝達し得る駆動
条件は上記の2つの電界強度間の電界幅になる。
【0026】カイラルスメクチック液晶素子の駆動によ
る液晶分子の移動について、図5を用いて簡単に説明す
る。図5(a)に示すように、第一の安定状態(U1)
にある液晶分子を第二の安定状態(U2)になるように
駆動すると、液晶分子はラビング方向に対して対称な位
置(図中の矢印方向)へ移動する。これとは逆に図5
(b)に示すように、第二の安定状態(U2)にある液
晶分子を第一の安定状態(U1)になるように駆動する
と、液晶分子はラビング方向に対して対称な位置(図中
の矢印方向)へ移動する。
【0027】例えば、図6に示す方向にラビング処理を
施した液晶素子において、図5(a)に示したような駆
動を続けると、注入口18に対して反対側の端部から汚
染された液晶が有効光学変調領域20内に進入してく
る。その結果、汚染によって駆動特性のずれた液晶によ
り、有効光学変調領域20内の駆動特性の均一性が乱
れ、有効光学変調領域20内を均一に駆動できなくな
る。
【0028】そこで、本発明においては、図2(b)の
断面図に示すように、有効光学変調領域20外(特に、
注入口18に対して反対側の領域21)に、有効光学変
調領域20外の液晶が有効光学変調領域20内に進入す
ることを防止する為の電極22を設けたものである。す
なわち電極22には、有効光学変調領域20外の汚染さ
れた液晶分子を、有効光学変調領域20内に進入出来な
い方向に駆動するための電界が印加される。具体的に
は、例えば図6に示したようなラビング方向の液晶素子
に対しては、電極22上の液晶分子を図5(b)となる
ように駆動する、すなわち有効光学変調領域20外の液
晶分子が有効光学変調領域20とは反対の方向に移動す
るように駆動することで、汚染された液晶が有効光学変
調領域20内へ進入するのを防止することができる。こ
れにより、有効光学変調領域20内の均一駆動に対する
耐久性を著しく向上させることができる。
【0029】本発明に係る液晶素子におけるチルト角
Θ、見かけのチルト角θa、液晶層の傾斜角δ、及びプ
レチルト角αは、以下のようにして測定することができ
る。
【0030】[チルト角Θの測定]±30〜±50V、
1〜100HzのAC(交流)を液晶素子の上下基板間
に電極を介して印加しながら、直交クロスニコル下、そ
の間に配置された液晶素子を偏光板を平行に回転させる
と同時に、フォトマル(浜松フォトニクス(株)製)で
光学応答を検知しながら、第1の消光位(透過率が最も
低くなる位置)及び第2の消光位を求める。そしてこの
時の第1の消光位から第2の消光位までの角度の1/2
をチルト角Θとする。
【0031】[見かけのチルト角θaの測定]液晶の閾
値の単発パルスを印加した後、無電界下、且つ直交クロ
スニコル下において、その間に配置された液晶素子を偏
光板と平行に回転させ、第1の消光位を求める。次に、
上記の単発パルスと逆極性のパルスを印加した後、無電
界下、第2の消光位を求める。この時の第1の消光位か
ら第2の消光位までの角度の1/2を見かけのチルト角
θaとする。
【0032】[液晶層の傾斜角δの測定]基本的には、
クラークやラガーウォルによって行われた方法(Jap
an Display ’86,Sep.30〜Oc
t.2,1986,456〜458)、或いは、大内ら
の方法(J.J.A.P.27(5)(1988)72
5〜728)と同様の方法により測定した。測定装置
は、回転陰極方式X線回折装置(MACサイエンス製)
を用い、液晶セルのガラス基板へのX線の吸収を低減さ
せるため、基板にはコーニング社製のマイクロシート
(80μm)を用いた。
【0033】[プレチルト角αの測定]プレチルト角α
の測定は、クリスタルローテーション法(Jpa.J.
Appl.Phys.Vo1.19(1980)No.
10,Short Notes2013)により求め
た。またプレチルト角αの測定用液晶としては、強誘電
性液晶(チッソ社製CS−1014)に下記の構造式で
示される化合物を重量比で20%混合したものを標準液
晶として注入して測定した。
【0034】
【化1】 尚、この混合した液晶組成物は10〜55℃でSmA相
を示した。
【0035】測定手順は、液晶パネルを上下基板に垂直
且つ配向処理軸(ラビング軸)を含む面で回転させなが
ら、回転軸と45°の角度をなす偏光面を持つヘリウム
・ネオンレーザー光を回転軸に垂直な方向から照射し
て、その反対側で入射偏光面と平行な透過軸を持つ偏光
板を通して、フォトダイオードで透過光強度を測定し
た。そして、干渉によってできた透過光強度のスペクト
ルに対し、理論曲線と下記に示す式とフィッティングを
行なうシミュレーションによりプレチルト角αを求め
た。
【0036】
【数1】
【0037】
【実施例】
(実施例1)本実施例に係る液晶素子の概略平面及び断
面図は、夫々図1及び図2に示したようなものである。
【0038】本実施例では、厚さ1.1mmの2枚のガ
ラス基板11a,11b上に厚さ約1500Åのストラ
イプ状ITO透明電極12a,12bをスパッタ法によ
り形成した。更に、遅延の緩和のための補助金属電極1
9として、Alをスパッタ法により形成し、フォトレジ
ストを用いパターニングを行った。また、注入口から遠
く離れた反対側の領域21に、電極22としてストライ
プ状ITO透明電極を両基板に設けた。
【0039】さらに、これらの電極12a,12及び電
極22上に絶縁層を配置した。絶縁層はPZT−6(触
媒化成社製)を用い、展色坂を用いた印刷法によりIT
Oが形成されている基板上に印刷し、80℃で3分間予
備乾燥後、300℃で本焼成を行い形成した。その上に
日立化成社製ポリアミド酸LQ1802の1%NMP溶
液をスピナーで塗布後、270℃で60分焼成して配向
制御膜13a,13bを形成した。
【0040】以上のようにして電極及び配向制御膜等を
形成した2枚の基板に、ラビング法により一軸配向処理
を施した。具体的には、ナイロン66を材質とする毛足
の長さが4mmのものを巻き付けた直径15cmのステ
ンレス製ローラを用い、これを回転数1000rpmの
条件でラビングを行った。ラビング方向は液晶素子の設
置方向及び視野角特性を考慮して決定し、図6に示すよ
うな方向(注入口18を右において使用する際に水平方
向から約60°下の方向)で、且つストライプ電極12
aと12bが直交するように両基板を組み合わせた時
に、両基板のラビング方向が略平行となるようにした。
このラビング方向では液晶の分子位置がU1である場
合、駆動によって液晶分子は同図中の矢印方向に移動す
る。
【0041】次に、ギャップ保持のためのスペーサ粒子
14及び接着性粒子状樹脂15を基板上に散布、両基板
を圧着、基板周辺を注入口18を残してシール材で封止
後、注入口18より液晶17を注入した。
【0042】本実施例では、液晶としてカイラルスメク
チック液晶(ピリミジン系混合液晶A)を用いた。以下
に本実施例で用いたカイラルスメクチック液晶の相転移
温度及び物性値を示す。
【0043】
【化2】 チルト角Θ : 14°(30℃) 層の傾斜角δ : 11°(30℃) 見かけのチルト角θa: 11°(30℃)
【0044】上記注入工程においては、特に注入口18
から遠く離れた反対側の領域(電極22を配置した領域
21)に汚染された液晶が充填される。最後に、注入口
18を封止し液晶素子を完成した。本液晶素子の画素サ
イズは200μm×200μm、画素間隔は10μmで
ある。尚、本実施例のセルに前述のプレチルト角測定用
液晶を充填してプレチルト角αの測定したところ、プレ
チルト角αは17°であった。
【0045】次に、本実施例の液晶素子の駆動特性及び
耐久特性について実験した。
【0046】まず、注入口18と反対端面に設けた電極
22を無電界状態のまま、有効光学変調領域内の液晶を
図6のU1の位置から図中の矢印方向に連続駆動したと
ころ、電極22部分にある注入時に汚染された液晶が有
効光学変調領域内に進入し、有効光学変調領域内を均一
に表示できる駆動電圧幅が徐々に減少していった。さら
に駆動を続けたところ、有効光学変調領域内を均一に表
示出来なくなった。
【0047】これに対して、液晶分子が図5(b)に示
すようにU2の位置から図中の矢印方向に移動するよう
に電極22に電界を印加した状態で、上記と同様に有効
光学変調領域内の液晶を連続駆動したところ、有効光学
変調領域外の汚染された液晶の有効光学変調領域内への
進入は確認されず、有効光学変調領域内の駆動特性はほ
ぼ一定に保持され、耐久性の向上が達成された。
【0048】(実施例2)本発明に係る液晶素子におい
ては、駆動による液晶移動の起りやすい状況が連続的に
持続する場合、例えば有効光学変調領域(表示領域)内
の表示が全面にわたり黒又は白を表示するような場合、
最も液晶の移動が起りやすい。この場合、使用環境にも
依存するが実施例1の素子構成で、電極22に実施例1
記載のように電界を印加し表示駆動し続けると、電極2
2と表示領域との境界において液晶充填が分断され液晶
の存在しない領域(空隙)が発生することがある。
【0049】この連続駆動表示による空隙の発生を抑制
し、且つ汚染された液晶の表示領域内への進入を抑制し
液晶素子の耐久性向上を達成するために、本実施例では
実施例1の素子構成に更に図7に示すように表示領域周
辺に垂直配向領域23を設けた。具体的には、基板上の
垂直配向領域23とする部分にメタルマスクを密着させ
た状態でラビングして、垂直配向領域23を形成した。
かかる垂直配向領域23は、特開平5−203962号
公報にも記載されているように、表示領域内の液晶移動
を吸収緩和する効果を奏するものである。
【0050】実施例1と同様のラビング条件で、且つ同
じ液晶を用いて作製した本実施例の液晶素子の駆動特性
及び耐久特性について、実施例1と同様にして実験し
た。
【0051】先ず、電極22を無電界状態のまま表示領
域内を連続駆動したところ、電極22部分にある注入時
に汚染された液晶が表示領域内に進入し、表示領域内の
均一駆動表示ができなくなり表示素子の耐久性が決定さ
れた。
【0052】これに対して、液晶分子が図5(b)に示
すようにU2の位置から図中の矢印方向に移動するよう
に電極22に電界を印加した状態で、表示領域内を連続
駆動したところ、表示領域外外の汚染された液晶の表示
領域内への進入は確認されず、表示領域内の駆動特性は
ほぼ一定に保持され、耐久性の向上が達成された。ま
た、更に表示駆動し続けても、電極22と表示領域との
境界に空隙の発生は見られなかった。
【0053】このように本実施例では、電極22の駆動
により注入時に汚染された液晶の移動を抑制しつつ、表
示領域内での液晶移動を表示領域周辺に設けた垂直配向
領域23で緩和、吸収し空隙も発生せず、更なる耐久性
の向上が実現された。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶素子
によれば、注入時にセル内の不純物を取り込みながら有
効光学変調領域外(特に注入口とは反対側の領域)に充
填され、有効光学変調領域内の液晶とは駆動特性の異な
る汚染された液晶が、有効光学変調領域内の液晶駆動に
よる液晶移動現象で有効光学変調領域内に進入すること
を抑制でき、駆動特性の劣化の少ない耐久性に富んだ液
晶素子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一例を模式的に示した平面
図である。
【図2】本発明の液晶素子の一例を模式的に示した部分
断面図である。
【図3】スメクチック層の配向モデルを示す図である。
【図4】基板間の各位置でのダイレクタの配置を示す模
式図である。
【図5】ラビング方向と液晶分子位置に対する液晶分子
移動方向との関係を説明するための図である。
【図6】実施例1に係る液晶素子を模式的に示した平面
図である。
【図7】実施例2に係る液晶素子を模式的に示した平面
図である。
【符号の説明】
11a,11b ガラス基板 12a,12b 透明電極 13a,13b 配向制御膜 14 スペーサ粒子 15 接着性粒子部材 16 シール材 17 液晶 18 注入口 19 補助金属電極 20 有効光学変調領域 21 有効光学変調領域外の領域 22 電極 23 垂直配向領域 30a,30b 基板 31 スメクチック層 32 C1配向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極と少なくとも有効光学変調領域
    内に一軸性配向処理を施した配向制御膜とを有する一対
    の基板間に、液晶を挟持してなる液晶素子において、 前記基板の有効光学変調領域外には、有効光学変調領域
    外の液晶が有効光学変調領域内に進入することを防止す
    る為に、有効光学変調領域外の液晶を駆動する電極が設
    けれらていることを特徴する液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記液晶がカイラルスメクチック液晶で
    あって、そのプレチルト角をα、コーン角を2Θ、見か
    けのチルト角をθa、スメクチック層の傾き角をδとし
    たときに、 Θ<α+δ、及びΘ>θa>Θ/2 を満足する配向状態を有することを特徴とする請求項1
    に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記有効光学変調領域外の少なくとも一
    部において前記液晶が垂直乃至略垂直配向となっている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
JP1212297A 1997-01-27 1997-01-27 液晶素子 Withdrawn JPH10206865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1212297A JPH10206865A (ja) 1997-01-27 1997-01-27 液晶素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1212297A JPH10206865A (ja) 1997-01-27 1997-01-27 液晶素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10206865A true JPH10206865A (ja) 1998-08-07

Family

ID=11796748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1212297A Withdrawn JPH10206865A (ja) 1997-01-27 1997-01-27 液晶素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10206865A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013003287A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Seiko Epson Corp 液晶装置および電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013003287A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Seiko Epson Corp 液晶装置および電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7038750B2 (en) Liquid crystal display element, optically anisotropic film, and production methods of the same
JPH10268318A (ja) 光学装置および液晶表示装置ならびに光学装置の製造方法
JPH09160042A (ja) 液晶表示素子
JP2008171006A (ja) 液晶表示装置
JP2567404B2 (ja) 液晶デバイスとその製造法
JP4546586B2 (ja) 液晶表示素子とその製造方法
US5568295A (en) Chiral smetic LCD with small pretilt angle, substrate rubbed in two opposing directions, and no cholesteric phase or tilt angle > the pretilt plus inclination angles
US6271907B1 (en) Color liquid crystal device having injection port parallel to the stripe electrodes on the substrate with color filter and flattening film and the other substrate free from color filter and flattening film protruded
JP2003005223A (ja) 高コントラスト比非対称電気光学特性液晶表示素子の製造方法
JPH10206865A (ja) 液晶素子
JPH08136935A (ja) 液晶表示装置
JPH06331948A (ja) 液晶電気光学装置作製方法
JP2000298266A (ja) 高分子分散型液晶表示パネル及びその製造方法
JPH09197407A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP4519256B2 (ja) 液晶表示装置
JP2983724B2 (ja) 強誘電性液晶素子の配向処理法
JP2753206B2 (ja) ゲストホスト型液晶表示素子
JP2002244138A (ja) 高コントラスト比液晶表示素子の製造方法
JP2614347B2 (ja) 液晶素子及び液晶表示装置
JPH01140126A (ja) 液晶表示装置
JPH06337418A (ja) 液晶電気光学装置
JP2567820B2 (ja) 液晶表示装置
JPH07181495A (ja) 強誘電性液晶素子
JPH11174451A (ja) 液晶表示装置
JP2000105379A (ja) 液晶素子とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040406