JP2001174582A - 原子炉用気水分離器 - Google Patents

原子炉用気水分離器

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JP2001174582A
JP2001174582A JP35826799A JP35826799A JP2001174582A JP 2001174582 A JP2001174582 A JP 2001174582A JP 35826799 A JP35826799 A JP 35826799A JP 35826799 A JP35826799 A JP 35826799A JP 2001174582 A JP2001174582 A JP 2001174582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同じ流量を流した時に低圧損となる原子炉用気
水分離器を提供する。 【解決手段】外筒20内に旋回筒19を設け、この旋回筒19
の下端部に旋回羽根17を取付ける。旋回羽根17を包囲し
て下方に延びるスタンドパイプ7を接続し、スタンドパ
イプ7に複数の小孔27を設ける。この小孔27により、液
膜が早い段階で排除し、この部分から下流の流量が減る
ので、圧損が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば沸騰水型原子
炉の原子炉圧力容器内に設置され、炉心から流出する冷
却水と蒸気の混合二相流を水と蒸気に分離するための原
子炉用気水分離器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の沸騰水型原子炉においては、原子
炉圧力容器内に多数の燃料集合体を装荷した炉心を有
し、この炉心の上方に、炉心からの冷却材の気液二相流
を水と蒸気に分離するための複数の気水分離器を設置
し、これらの気水分離器の上方に水分が除去された蒸気
を乾燥させるための複数の蒸気乾燥器が設置されてい
る。乾燥された蒸気はタービンへ送られ発電機の駆動に
寄与する。
【0003】図6により改良型沸騰水型原子炉(ABW
R)の概略を説明する。原子炉圧力容器1の中央部より
やや下部にシュラウド2によって包囲された多数体の燃
料集合体を具備する炉心3が配置されている。この炉心
3の下方には多数の制御棒案内管4が設けられ、炉心3
を包囲するシュラウド2の上端開口はシュラウドヘッド
5で閉塞されている。シュラウドヘッド5には気水分離
器6のスタンドパイプ7が立設され、気水分離器6上に
は矩形平型の蒸気乾燥器8が多数設置されている。
【0004】原子炉圧力容器1の下部には制御棒案内管
4の内面をガイドとして炉心3内の十字型の制御棒を駆
動する制御棒駆動機構9が設けられている。原子炉圧力
容器1の内側とシュラウド2の外側との間の底部には複
数台のインターナルポンプ10が設置されている。
【0005】炉心3は多数体の燃料集合体の下部が炉心
支持板11により、上部が上部格子板12によりそれぞれ支
持され、全体がシュラウド2により包囲されている。原
子炉圧力容器1には、蒸気乾燥器8で乾燥された蒸気を
タービンへと送る主蒸気管13が接続している。
【0006】また、原子炉圧力容器1には給水管14が接
続しており、給水管14により原子炉圧力容器1内に流入
した冷却材はダウンカマ15を流れ、インターナルポンプ
10により強制循環される。なお、図7中符号16は原子炉
圧力容器1内に冷却水を散布するための給水スパージャ
である。
【0007】次に気水分離器6について図7(a),
(b)及び図8を参照して説明する。図7(a)は図6
に示した気水分離器6を拡大して示す縦断面図、図7
(b)は図7(a)における気水分離器の旋回羽根の拡
大断面図、図8は図7(a)に示す気水分離器内の冷却
材の気液二相流の流れを模式的に示す図である。
【0008】図7(a)に示すように、気水分離器6
は、原子炉圧力容器1内の炉心3の直上に位置し、炉心
3からの冷却材とボイドの気液二相流を上方へと通すス
タンドパイプ7(ライザ管ともいう)と、このスタンド
パイプ7の上方に設けられ気液二相流に旋回作用を与え
る旋回手段である旋回羽根17と、この旋回羽根17の上方
に設けられ気液二相流の気水分離を行う気水分離手段と
して設けられた軸方向に通常は3段に連なる気水分離ス
テージ18a,18b,18cとからなっている。
【0009】旋回羽根17は、図9に示すように、逆円錐
型の中心ハブ17aの周りに複数、例えば8枚の螺旋状の
傾斜翼17bを有するものである。また、気水分離ステー
ジ18a,18b,18cは、それぞれ旋回筒19a,19b,19
cと、これら旋回筒19a,19b,19cの外側に位置する
外筒20a,20b,20cと、この外筒20a,20b,20cに
連なり旋回筒19a,19b,19cの内側に位置するよう外
筒に形成された鉤型のピックオフリング21a,21b,21
c(キャッチリングともいう)とを有するものである。
【0010】この鉤型のピックオフリング21a,21b,
21cは、旋回筒19a,19b,19cの内壁面に形成される
冷却材の液膜を捕捉し、旋回筒19a,19b,19cと外筒
20a,20b,20cの間隙に確実に導けるようになってい
る。また、通常これらの気水分離ステージ18a,18b,
18cは、下段に位置するものほど旋回筒及び外筒が軸方
向に長く設計されているが、ピックオフリング21a,21
b,21cはほぼ同じ長さである。外筒20aの内面には旋
回羽根17の上面位置近傍にブレイクダウンリング22が形
成されている。
【0011】次にこの気水分離器6の作用について説明
する。沸騰水型原子炉においては、冷却材は、核分裂反
応の熱により沸騰し、通常水と気体の混合した気液二相
流となって、炉心3の上方に設けられた上部プレナム
(図示せず)内で十分に混合される。この混合された気
液二相流は、原子炉圧力容器1内に複数配置された気水
分離器6に流量配分されて、スタンドパイプ7内を上昇
する。
【0012】図8に示すように、スタンドパイプ7内で
冷却材は環状流と呼ばれる流動状態になっている。すな
わち、スタンドパイプ7の内壁面を液膜が覆い、この液
膜の内部は液滴と蒸気の気泡23が混合した流れになって
いる。
【0013】スタンドパイプ7を上昇した水と蒸気の気
液二相流は、スタンドパイプ7の直上の旋回羽根17の回
転によって強制的に遠心力を付与されて、図7(b)に
拡大して模式的に示したように、矢印方向に旋回する旋
回流となる。このとき、沸騰水型原子炉の通常の運転圧
力下において、冷却材の気液の密度比はおよそ1:21で
あるから、旋回作用を受ける気液二相流の気相と液相に
かかる遠心力には有為な差が生じる。
【0014】また、図8に示したように、低密度の蒸気
は最下段の気水分離ステージ18aの中心側に位置し、高
密度の液体は最下段の気水分離ステージ18aの旋回筒19
aの内壁面に沿って液膜24を形成して、ともに旋回しな
がら上昇する。旋回筒19aの軸近傍では液滴25と蒸気26
が混在している。
【0015】液膜24は気水分離ステージ18aの上部に位
置するピックオフリング21aで捕捉され、旋回筒19aと
外筒20bの間隙を通り、オリフィスとしてのブレイクダ
ウンリング22を経て、炉心の上部に位置するダウンカマ
部15(図6参照)へと放出される。一方、最下段の気水
分離ステージ18aにおいて捕捉されなかった液相は、大
半がその上段の気水分離ステージ18b,18cにおいてピ
ックオフリング21b,21cにより捕捉される。
【0016】なお、この気水分離器6を通過する蒸気中
から気水分離器6によって取り除かれる湿分のうち、約
9割は最下段の気水分離ステージ18aにおいて除去され
るように設計されている。また、気水分離器6の出口に
おいては、気液二相流のうち水の質量分率を10%以下に
抑えるように設計されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】例えば沸騰水型原子炉
では発電のために炉心からの蒸気をタービンに直接供給
するが、この蒸気に対しての気体中の水の質量分率を一
定値以下にする、すなわち気水分離器6におけるキャリ
ーオーバーを低減する必要がある。
【0018】しかし、実際には、旋回羽根17による気液
二相流の旋回力は上部に行くほど弱まるので、図8に示
す気水分離器6の気水分離手段、特に上段の気水分離ス
テージ18cにおいて、液膜24の表面が波立ち蒸気流によ
って液膜24が引きちぎられて、液滴25が発生する。
【0019】ここで発生した液滴25は、旋回筒19b,19
cの中央部を流れる蒸気26に混入して気水分離器6上部
の蒸気乾燥器8へと運ばれることになり、キャリーオー
バーが増大する。
【0020】気水分離器6に流入した冷却材の液相はそ
のほとんどが最下段の気水分離ステージ18aで除去され
る。この部分での液膜除去を確実にするため、ピックオ
フリング21aと旋回筒19aの内壁面の間隔に想定される
液膜厚さより大きくしている。このため、流れの阻害が
過大となっており、圧力損失の大きな要因となってい
る。
【0021】気水分離器6の旋回筒中心部を流れる蒸気
は、ピックオフリング21a,21b,21cに捕捉されずに
上部へ向かうが、各気水分離ステージを通過する際、ピ
ックオフリング上部において渦を形成する。この渦によ
って、各気水分離ステージの上部において圧力損失が増
大する。
【0022】気水分離器6の各気水分離ステージにおい
て旋回筒の内壁面に生ずる液膜24による摩擦抵抗も、こ
うした圧力損失増大の主要因となる。旋回羽根17とその
近傍では、中心ハブ17aの存在により冷却材の流路面積
が減少するため、旋回羽根17を冷却材が通過する際の圧
力損失も大きい。
【0023】特に、この中心ハブ17aの上部において、
旋回羽根17から流出する気液二相流の流れが乱れ渦が発
生することにより圧力損失が増大する。実際、気水分離
器の全圧力損失のうち約3割がこの旋回羽根17により生
じている。
【0024】このような圧力損失が許容範囲を越えて増
大すると、原子炉圧力容器からタービンへと蒸気を円滑
に送り出す上での妨げとなる。特に原子炉内の冷却材を
循環させるポンプにかかる負荷が大きくなるので、原子
炉の健全な運転にはふさわしくない。また自然対流によ
る冷却材の循環流量が大きく変動することも考えられ
る。
【0025】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、原子炉圧力容器内に設置された気水分離器を
通過する気液二相流のうち液相を効率よく除去し、圧力
損失を低減した気水分離器を提供することを目的とす
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、原子
炉圧力容器内に配置された炉心からの冷却材とボイドの
気液二相流を上方へと流通させるスタンドパイプと、こ
のスタンドパイプの上方に設けられた旋回羽根と、この
旋回羽根の上方に設けられた旋回筒と、この旋回筒の外
側に設けられた外筒と、この外筒に設けられたピックオ
フリングとを有する複数の気水分離ステージとを具備し
た原子炉内気水分離器において、前記スタンドパイプに
複数の小孔を設けてなることを特徴とする。
【0027】請求項1の発明によれば、複数の小孔をス
タンドパイプの全長にわたり設けると、旋回羽根入口で
の流速が低下してスタンドパイプの管壁から水を除去す
ることができる。これにより、流れの流速が減少し、圧
力損失を小さくできる。
【0028】請求項2の発明は、前記スタンドパイプの
上下両端部を除いた部分に前記複数の小孔を設けてなる
ことを特徴とする。請求項2の発明によれば、気水分離
器の強度が低下することを防止できる。
【0029】請求項3の発明は、前記旋回筒の上流側に
複数の小孔を設けてなることを特徴とする。請求項3の
発明によれば、ピックオフリング部分での液膜流量を減
少させることができ、ピックオフリングの内径を小さく
することができ、投影面積が小さくなって圧力損失が減
少する。
【0030】請求項4の発明は、前記旋回羽根後流の前
記旋回筒に部分的に複数の小孔を設けてなることを特徴
とする。請求項4の発明によれば、旋回羽根近傍の旋回
筒の強度上の課題を解消できる。また、下端部を除去し
て小孔を設けた場合には、旋回筒壁から水を除去できる
ので、流れの影響も小さく、これによる圧力損失への影
響は小さくなる。
【0031】請求項5の発明は、前記旋回筒に部分的に
複数の小孔を設けるとともに、この複数の小孔が位置す
る部分には前記外筒を設けないで露出状態とすることを
特徴とする。請求項5の発明によれば、小孔を設けた部
分の外筒を削除することにより、液膜が外部へ流出する
効率がよりすぐれることになる。
【0032】請求項6の発明は、前記複数の小孔の孔径
は1mm以下であることを特徴とする。請求項6の発明に
よれば、小孔の孔径を1mm以下とすることにより、液膜
に混入した気泡を流出することなく、水を外部に流出
し、圧力損失を防止できる。
【0033】請求項7の発明は、前記外筒の上端部に設
けられるピックオフリングは上方に突出する略円弧状の
曲率面を形成してなることを特徴とする。請求項7の発
明によれば、ピックオフリングに角部がなく曲面状に形
成しているため、分離された液体を内部の旋回筒から放
出流路に滑らかに案内する。これにより外筒内に蒸気が
スムーズに流れ、キャリーオーバーが減少し、圧力損失
を減少できる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1および図2により本発明に係
る原子炉用気水分離器の第1の実施の形態を説明する。
【0035】図1(a),(b)に示される場合を本実
施の形態の第1の例とし、各図中、図7(a)と同一部
分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略す
る。本実施の形態の第1の例が図7に示した従来例と異
なる点は、図1(a),(b)に示したように、旋回羽
根の上流に設置されたスタンドパイプ7の管壁に複数の
小孔27を管壁の全面にわたり開けたことにある。圧力損
失を低減する手段としては、流れに衝突する物体の投影
面積を小さくすることと、流れの流速を減少させること
である。
【0036】
【数1】
【0037】上式に圧力損失を計算する式を示す。流れ
の流速は圧力損失に2乗で影響するためできる限り早い
段階で液体を除去することが有効である。気水分離器で
の流体は水と蒸気の二相流ではあるが、圧力損失の大部
分は水で生じるので、水を何らかの形で少なくすること
が圧力損失を低減する決め手である。しかしながら、流
れに可能な限り影響しないような形で水を除去すること
が有効である。
【0038】本実施の形態における第1の例では、図1
(b)に拡大して示すようにスタンドパイプ7の管壁全
長にわたり小孔27を複数設けると、スタンドパイプ7で
は図2に示すような環状流となって、スタンドパイプ7
の管壁上に生じた液膜24が小孔27を通過し外部に抽出さ
れる。
【0039】そして、上部に向かうにつれて水の流れ、
つまり流速が次第に減少し、従来の気水分離器に比較し
て第1の例では旋回羽根17の入口での流速は約半分以下
になっている。よって、第1の例によれば、スタンドパ
イプ7の管壁から水を除去することができるので、流れ
への影響も小さく、これによる圧力損失への影響を小さ
くできる。
【0040】図1(c)は図1(b)の第1の例に準じ
た第2の例を示したもので、図1(b)と比較して図1
(c)に示したように、スタンドパイプ7の上下両端部
を除いて中央部と、その上下近傍に複数の小孔27を設け
たことにある。
【0041】スタンドパイプ7は上端は旋回羽根17と下
端はシュラウドヘッド5に溶接されているため、この部
分に複数の小孔27を設けると気水分離器としての強度上
の問題が生じる。この第2の例によれば、第1の例の作
用の効果のほかに、前述した気水分離器の強度低下の問
題を解消できる効果がある。
【0042】次に図3により本発明に係る気水分離器の
第2の実施の形態を説明する。図3(a)に示される場
合を本実施の形態の第1の例とする。本実施の形態の第
1の例が第1の実施の形態と異なる点は、図1(a)に
示したピックオフリング21(21a,21b,21c)上流の
旋回筒19(19a,19b,19c)の全長にわたり、図3
(a)に示すように複数の小孔27を設けたことにある。
なお、その他の部分は第1の実施の形態と同様なので、
重複する部分の説明は省略する。
【0043】上記第1の例によれば、ピックオフリング
21部分での液膜流量を減少させることができる。液膜流
量が減少するということは、液膜厚さを薄くすることが
でき、従って、ピックオフリング21の内径を小さくする
ことができる。
【0044】式(1) において、液膜流量減少に伴い流速
が減り、圧力損失が減少する。加えて、ピックオフリン
グ21の内径を小さくすることにより、投影面積が小さく
なり圧力損失が減少する効果がある。
【0045】図3(b)は図3(a)の第1の例に準じ
た第2の例を示したものである。すなわち、この他の例
は図3(b)に示したように旋回筒19の上端部と下端部
および中央部を除いた下部分に複数の小孔27を設けたこ
とにある。
【0046】下部の旋回筒19aの下端は旋回羽根17と溶
接されているため、この部分に小孔27を設けると気水分
離器の強度上の問題が生じるが、この第2の例によれ
ば、この強度上の課題を解消することができる。
【0047】以上説明した本実施の形態の第1の例およ
び第2の例では、旋回筒19に小孔を設ける構成としてい
る。この場合、複数段のうち一部の旋回筒のみに小孔27
を設ける場合と、複数段の旋回筒19a,19b,19cに対
してともに小孔27を設ける場合とが考えられる。前者の
場合、特に、気水分離作用の大きい最下段の気水分離ス
テージ18aにおける旋回筒19aに設けるのが好適であ
る。
【0048】また、後者の場合、第1の旋回筒19aのみ
でなく、第2、第3の旋回筒19b,19cについても小孔
27を設けることにより、第2、第3の旋回筒において
は、図2に示すような環状流が構成され、旋回筒の管壁
に生じた液膜が、小孔を通過し外部に抽出される。
【0049】上部へ向かうにつれて流体の流れ、つま
り、液体の流速が次第に減少し、従来の気水分離器に比
較して、ピックオフリング21では液膜24の流速は約半分
以下になっているものと考えられる。これによって、こ
の場合、旋回筒壁から水を除去する構成により、この流
れへの影響も小さく、これによる圧力損失の影響を小さ
くすることができる。
【0050】次に本発明に係る原子炉用気水分離器の第
3の実施の形態を説明する。第1および第2の実施の形
態においてはスタンドパイプ7および旋回筒19に複数の
小孔27を設けたが、本実施の形態は、小孔27を設けた部
分の外筒20を削除して小孔27を露出させた構成としてい
る。
【0051】小孔27を設けると、分離水は旋回筒19aか
ら流出し、外筒20と旋回筒19の間の通路を通過し流出す
るので、外筒20が流出の抵抗になる。本実施の形態によ
れば、小孔27を設けた部分の外筒20を削除することによ
り、液膜が外部へ流出する効率がよりよくなる効果があ
る。
【0052】次に本発明に係る原子炉用気水分離器の第
4の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1および
第2の実施の形態において、小孔27の径に関することに
ある。すなわち、旋回筒19を流れる液膜24内には小さな
気泡23が混入しており、小孔27の径を大きくすると、こ
の小孔27から外筒20の外部に液滴25と一緒に気泡23が流
出してしまう。この気泡23がダウンカマ15へ流れてしま
うと、循環ポンプのキャビテーションなどの問題が生じ
ることになる。
【0053】そこで、本実施の形態では、小孔27の径を
液膜24に混入する気泡23の径よりも小さくして、気泡23
の流出を防止することにある。そのために、この気水分
離器の圧力での気泡径が約1mmが大半であることから、
小孔27の孔径を1mm以下に選定する。本実施の形態によ
れば、液膜24に混入した気泡23を外部に流出することな
く水(液体)を外部に流出し、圧力損失を防止すること
ができる。
【0054】次に図4により本発明に係る原子炉用気水
分離器の第5の実施の形態を説明する。第4の実施の形
態で説明したように液膜24内には小さな気泡23が混入し
ており、小孔27の孔径を大きくすると、この小孔27から
気水分離器外部に液体と一緒に気泡23が流出する。この
気泡23がダウンカマ15へ流れてしまうと、循環ポンプの
キャビテーションなどの問題が生じてしまう。
【0055】そこで、本実施の形態は、図4に示すよう
に旋回筒19に複数の傾斜孔38を設けたことにある。傾斜
孔38は旋回筒19内を流れる気液流の流れとは逆の方向に
傾斜させて設けている。
【0056】液膜24は、流れの力により傾斜孔38から水
は外部へ流出するが、流出する水の流速が小さいので、
気泡23が方向を曲げて傾斜孔38に流入し難くできる。本
実施の形態によれば、液膜24に混入した気泡23を外部に
流出することなく液体を外部に流出し、圧力損失を防止
することができる。
【0057】次に図5により本発明に係る原子炉用気水
分離器の第6の実施の形態を説明する。本実施の形態
は、ピックオフリング21部分の形状を除いて全体として
気水分離器と同様の構造を有しているが、従来例と異な
る点は、ピックオフリング21の内縁部を、従来の鈎板状
構成に代えて、断面が略円弧状となるように曲面29を形
成するとともに、曲面29の他端に垂直板30を取付け、ピ
ックオフリング21の外周部と接続する外筒20aの上端部
も曲面に形成し、全体として滑らかな曲面を形成したこ
とにある。
【0058】本実施の形態による気水分離器では、旋回
筒19(19a,19b,19c)の内側に形成された液膜24は
旋回筒19の内面に沿って上昇しピックオフリング21aに
取付けた垂直板30に衝突する。衝突した液膜24は、外筒
20と垂直板30との間に形成される略円弧状の曲面29に沿
ってスムーズに反転して旋回筒19と外筒20の間の放出流
路に案内される。
【0059】本実施の形態によれば、従来の角部を有す
る鈎板に代えて、曲面状に形成したことにより、気液流
をスムーズに流すことができる。これにより、蒸気の乱
れによる液体の飛散も少なくなってキャリオーバーが減
少し、圧力損失も減少する効果がある。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、気水分離ステージにお
いて、気液二相流のうち液相を効率よく除去し、キャリ
ーオーバー量を低減させることができる。また、冷却材
の気液二相流により生じる圧力損失増大幅を縮小し、タ
ービンやポンプにかかる負荷を低減させることができ
る。これらによって、原子炉の健全性の維持に寄与する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る原子炉用気水分離器の第
1の実施の形態を示す縦断面図、(b)は(a)におけ
るスタンドパイプを示す立面図、(c)は(b)の他の
例を示す立面図。
【図2】図1(a)における気水分離器の流れの様相を
説明するための横断面図。
【図3】(a)は本発明に係る原子炉用気水分離器の第
2の実施の形態の要部を示す立面図、(b)は(a)の
他の例を示す立面図。
【図4】本発明に係る原子炉用気水分離器の第5の実施
の形態を説明するための要部を示す縦断面図。
【図5】本発明に係る原子炉用気水分離器の第6の実施
の形態を説明するための要部を示す縦断面図。
【図6】従来の気水分離器を組み込んだ一般的な改良型
沸騰水型原子炉(ABWR)を概略的に示す縦断面図。
【図7】(a)は図8における気水分離器を拡大して示
す縦断面図、(b)は(a)における旋回羽根近傍を拡
大して示す縦断面図。
【図8】図7における気水分離器を流れる冷却材と気泡
を模式的に示す縦断面図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…シュラウド、3…炉心、4…
制御棒案内管、5…シュラウドヘッド、6…気水分離
器、7…スタンドパイプ、8…蒸気乾燥器、9…制御棒
駆動機構、10…インターナルポンプ、11…炉心支持板、
12…上部格子板、13…主蒸気管、14…給水管、15…ダウ
ンカマ、17…旋回羽根、17a…中心ハブ、17b…傾斜
翼、18(18a,18b,18c)…気水分離ステージ、19
(19a,19b,19c)…旋回筒、20(20a,20b,20
c)…外筒、21(21a,21b,21c)…ピックオフリン
グ、22…ブレイクダウンリング、23…気泡、24…液膜、
25…液滴、26…蒸気、27…小孔、28…傾斜孔、29…曲
面、30…垂直板。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉圧力容器内に配置された炉心から
    の冷却材とボイドの気液二相流を上方へと流通させるス
    タンドパイプと、このスタンドパイプの上方に設けられ
    た旋回羽根と、この旋回羽根の上方に設けられた旋回筒
    と、この旋回筒の外側に設けられた外筒と、この外筒に
    設けられたピックオフリングとを有する複数の気水分離
    ステージとを具備した原子炉内気水分離器において、前
    記スタンドパイプに複数の小孔を設けてなることを特徴
    とする原子炉用気水分離器。
  2. 【請求項2】 前記スタンドパイプの上下両端部を除い
    た部分に前記複数の小孔を設けてなることを特徴とする
    請求項1記載の原子炉用気水分離器。
  3. 【請求項3】 前記旋回筒の上流側に複数の小孔を設け
    てなることを特徴とする請求項1または2記載の原子炉
    用気水分離器。
  4. 【請求項4】 前記旋回羽根後流の前記旋回筒に部分的
    に複数の小孔を設けてなることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の原子炉用気水分離器。
  5. 【請求項5】 前記旋回筒に部分的に複数の小孔を設け
    るとともに、この複数の小孔が位置する部分には前記外
    筒を設けないで露出状態とすることを特徴とする請求項
    1ないし4記載の原子炉用気水分離器。
  6. 【請求項6】 前記複数の小孔の孔径は1mm以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし5記載の原子炉用気水
    分離器。
  7. 【請求項7】 前記外筒の上端部に設けられるピックオ
    フリングは上方に突出する略円弧状の曲率面を形成して
    なることを特徴とする請求項1ないし6記載の原子炉用
    気水分離器。
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