JP2001174022A - 空気調和装置、空気調和方法 - Google Patents

空気調和装置、空気調和方法

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JP2001174022A
JP2001174022A JP36091499A JP36091499A JP2001174022A JP 2001174022 A JP2001174022 A JP 2001174022A JP 36091499 A JP36091499 A JP 36091499A JP 36091499 A JP36091499 A JP 36091499A JP 2001174022 A JP2001174022 A JP 2001174022A
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air
room
person
indoor
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Mariko Nakano
真理子 中野
Takuya Suganami
拓也 菅波
Fumio Matsuoka
文雄 松岡
Hitoshi Iijima
等 飯島
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の空気調和装置を制御するのは室内機本
体近傍の上部空間の空気温度で、人がいる位置での温度
より高いため人がいる位置空間での快適性は確保され
ず、大きな冷房能力で運転し無駄なエネルギーを使って
いた。 【解決手段】 吸込口に吸込まれる空気の吸込み温度ま
たは室内空気の温度、および吹出口から吹出される空気
の吹出温度または負荷側熱交換器の温度を検出する複数
の温度検出手段の検出した温度により室内の人のいる位
置空間の温度を算出し、算出された温度が目標値となる
ように人のいる位置空間へ送風する運転を行い、目標値
に到達後は人のいない位置空間への送風に前記風向変更
手段を切り替え、速やかに人がいる位置に快適な空調を
行うとともに、人のいない位置にも必要な空調が行える
ので室内を少ないエネルギーで快適に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば室内機に
熱交換器、送風機、吸込口、吹出口を有し、熱源から冷
熱や温熱を熱交換器に供給して冷房や暖房を行うような
空気調和に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気調和装置の使用目的は、健康的で快
適に活動できる室内環境を制御形成することである。そ
のため室内温度は、使用者の好みの温度や人体に悪影響
しない温度に制御される必要がある。しかし、従来の空
気調和装置では、室内の空調負荷を除去することを主目
的としており、空気調和装置稼働時からの使用者の快適
性向上等は検討されてこなかった。
【0003】この課題を解決するための技術が、例えば
特公昭62―194158号公報に示されている。図2
3はこの従来技術にかかわる空気調和装置の構成図、図
24は従来技術にかかわる空気調和装置の制御ブロック
図である。
【0004】図23では、室内ユニットに設けられた室
内熱交換器2、室外ユニットには室外熱交換器13とと
もに冷凍サイクルを構成する回転数可変型圧縮機10を
設け、室内ユニットには送風機3、前記送風機3を回転
動作させる回転数可変型ファンモータ3a、とともに、
この室内ユニットには室内熱交換器を通過した空気を吹
き出す吹出口と、この吹出口から吹き出される空気を上
下方向に偏向する上下偏向羽根と、前記吹出口の左右に
独立して設けられかつ前記吹出口から吹き出される空気
を左右に分岐して偏向する左右偏向羽根と、回転数可変
型圧縮機10と回転数可変型ファンモータ3aの回転数
および上下偏向羽根と左右偏向羽根の駆動とを制御する
制御装置を設けている。図24に示すように、この制御
装置には上下偏向羽根と左右偏向羽根をそれぞれ往復駆
動する駆動手段104と、回転数可変型圧縮機10と回
転数可変型ファンモータ3aの回転数を切換える回転数
可変手段106と、室温を検出する温度検出手段101
と、あらかじめ設定した温度を記憶する設定温度記憶手
段102を有し、室温が設定値に到着する以前は、左右
偏向羽根および上下偏向羽根を、吹出方向が下方でかつ
中央に集中するように駆動発生手段103にて発生した
信号に基づきそれぞれ駆動し、さらに回転数可変型圧縮
機10と回転数可変型ファンモータ3aは回転数可変信
号発生手段105の発生する信号に基づき高速回転とし、
室温が設定値に到達したときに、左右偏向羽根および上
下偏向羽根を、吹出方向が水平方向もしくは上方向でか
つ左右に分岐するようにそれぞれ駆動するとともに回転
数可変型圧縮機10およびファンモータ3aの回転数を
低くするものである。
【0005】これにより、冷房運転開始時には下方集中
吹き出しと圧縮機の高速回転により快適な冷房を行い、
室温が設定温度に到達した後は水平分流吹き出しとし回
転数を下げて経済的、且つ、マイルドな冷房を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、空気
調和装置を制御するのは空気調和装置本体近傍の空気温
度であり、一般に空気調和装置は被空調空間上部に設置
されているため、特に空気調和装置の稼働時で空気調和
装置使用者のいる居住空間の温度より高温である場合が
多く、空気調和装置使用者の快適性は必ずしも確保でき
ないし、さらに空気調和装置使用者の存在する空間が十
分に冷却された場合不要に大きな冷房能力で空気調和装
置が稼働し続け、部屋全体としては丁度良いまたは暑い
状態でも使用者は寒く不快で体の冷えにつながる不健康
な環境にさらされるるという問題点があった。また、単
に設定温度だけで室内空気の温度や風向きを制御する場
合、快適性を重要視すれば冷房の場合ともすれば冷えす
ぎとなり経済性が悪くなるし、環境対策などから設定温
度を上げて経済性を重要視すれば冷房しても冷えないと
いう快適性に問題が生ずる。しかもこの快適性は個人差
があり快適と思い設定する温度にも問題があり、冷えす
ぎないなどの健康と個人差の有る快適性と環境対策等の
省エネルギーを調和させる実用的な装置が得られないと
いう問題があった。
【0007】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたもので、空気調和装置使用者の存在する位置空間の
温度を推論し、得られた推論値から空気調和装置使用者
の快適性と健康を確保するものである。かつ吸込空気温
度の高温化から空気調和装置が処理すべき外界から侵入
する冷房負荷が低減し、吹出空気温度の高温化により冷
凍サイクルの効率向上によってCOPが向上することで
省エネルギー性を向上できる空気調和装置および方法を
得ることを目的とする。本発明は簡単な装置および方法
で快適性と省エネルギーを両立させる装置および方法を
得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に関るこの発明
の空気調和装置は、温熱または冷熱を発生させる熱源サ
イクルから循環される冷媒と室内空気との間で熱を交換
させる負荷側熱交換器と、負荷側熱交換器に室内から吸
込み口を通して吸い込んだ室内空気を送風する室内送風
機と、室内送風機にて送風され熱交換された空気を室内
へ吹出す吹出口と、吹出口から吹き出された空気の室内
への吹出方向を変更可能とする風向変更手段と、吸込口
に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気の温度、お
よび吹出口から吹出される空気の吹出温度または負荷側
熱交換器の温度を検出する複数の温度検出手段と、複数
の温度検出手段の検出した温度により室内の人のいる位
置空間の温度を算出する対人位置温度算出手段と、対人
位置温度算出手段にて室内の人のいる位置空間の算出さ
れた温度が目標値となるように人のいる位置空間へ送風
する運転を行い、目標値に到達後は人のいない位置空間
への送風に前記風向変更手段を切り替える制御手段と、
を備えたものである。
【0009】請求項2に関るこの発明の空気調和装置
は、温熱または冷熱を発生させる熱源サイクルから循環
される冷媒と室内空気との間で熱を交換させる負荷側熱
交換器と、負荷側熱交換器に室内から吸込口を通して吸
い込んだ室内空気を送風する室内送風機と、室内送風機
にて送風され熱交換された空気を室内へ吹出す吹出口
と、吹出口から吹き出された空気の室内への吹出方向を
変更可能とする風向変更手段と、吸込口に吸込まれる空
気の吸込温度または室内空気の温度、および前記吹出口
から吹出される空気の吹出温度または負荷側熱交換器の
温度を検出する複数の温度検出手段と、複数の温度検出
手段の検出した温度により室内の人のいる位置の温度を
算出する対人位置温度算出手段と、対人位置温度算出手
段にて室内の人のいる位置の算出された温度が目標の温
度幅となるように人のいる位置空間と人のいない位置空
間へ風向変更手段を交互に切り替える制御手段と、を備
えたものである。
【0010】請求項3に関るこの発明の空気調和装置
は、温熱または冷熱を発生させる熱源サイクルから循環
される冷媒と室内空気との間で熱を交換させる負荷側熱
交換器と、負荷側熱交換器に室内から吸込口を通して吸
い込んだ室内空気を送風する室内送風機と、室内送風機
にて送風され熱交換された空気を室内へ吹出す吹出口
と、吹出口から吹き出された空気の室内への吹出方向を
変更可能とする風向変更手段と、吸込口に吸込まれる空
気の吸込温度または室内空気の温度、および前記吹出口
から吹出される空気の吹出温度または負荷側熱交換器の
温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出し
た温度により室内の人のいる位置の温度を算出する対人
位置温度算出手段と、対人位置温度にたいし第1の目標
値である温度を設定する第1の温度設定手段と、温度検
出手段により検出される温度にたいし第2の目標値を設
定する第2の温度設定手段と、第1および第2の温度設定
手段の目標値に到達するように、風向変更手段を切り替
える制御手段と、を備え、装置起動時または設定温度を
変更した際に第1の目標値を第2の目標値より優先させる
ものである。
【0011】請求項4に関るこの発明の空気調和装置
は、吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
の温度があらかじめ設定された第2の目標値に到達する
までは、対人位置温度算出手段にて室内の人のいる位置
の算出された温度が目標値となるように運転するもので
ある。
【0012】請求項5に関るこの発明の空気調和装置
は、吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
の温度があらかじめ設定された第2の目標値に到達する
までは、圧縮機の回転数または送風機の回転数を変化さ
せて対人位置温度算出手段にて室内の人のいる位置の算
出された温度が目標値となるように運転するものであ
る。
【0013】請求項6に関るこの発明の空気調和装置
は、吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
の温度を検出する温度検出手段を室内の上部に設け、対
人位置温度算出手段の室内の人のいる位置の目標値の温
度と第2の目標値の温度は一定値の差が有るもので有
る。
【0014】請求項7に関るこの発明の空気調和装置
は、対人位置温度算出手段の室内の人のいる位置の目標
値は、人が環境に対して暑さ寒さを感じる温冷感を評価
する指標として、第2の目標値の設定された温度とは別
個に設定されるものである。
【0015】請求項8に関るこの発明の空気調和装置
は、室内の人のいる位置の温度の目標値は、対人位置と
吹出口との距離または前記対人位置に存在する人の状態
を推測して変化させるものである。
【0016】請求項9に関るこの発明の空気調和装置
は、冷房時に吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または
室内空気の温度を検出する検出手段の検出する温度に対
する目標値は28度近傍に設定されているものである。
【0017】請求項10に関るこの発明の空気調和装置
は、室内の人のいる位置の温度に対する第1の目標値、
および吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空
気の温度を検出する検出手段の検出する温度に対する第
2の目標値に対して、設定変更可能とするものである。
【0018】請求項11に関るこの発明の空気調和装置
は、熱交換器にて空調された空気を送風する送風機と、
吸込口、吹出口を有し、前記送風機にて送風され前記吹
出口から吹き出される空気の方向を変える風向変更手段
とを有する室内機と、吸込口近傍の室内の空気温度、お
よび吹出口の空気温度または熱交換器温度を検出して人
のいる位置の空間の温度を算出する対人位置温度算出手
段と、対人位置温度算出手段で算出された温度により風
向きと吹出口の温度を変えて冷房を行う制御手段と、を
備え、前記対人位置温度算出手段は前記吸込口に吸込ま
れる空気の吸込温度または室内空気の温度と吹出口の空
気温度または熱交換器の温度との差と、人のいる位置の
空間の温度と吹出口から吹出される空気の温度または熱
交換器の温度との差と、の比が一定となるように算出し
たものである。
【0019】請求項12に関るこの発明の空気調和装置
は、個々に送風機にて送風され吹出口から吹き出される
空気の方向を変える風向変更手段とを有する複数の室内
機と、各室内機個々または特定の数の室内機をまとめた
室内ブロック毎に対応して設けられ個々の室内機または
室内ブロックの運転状態または目標値を送受信可能な情
報送受信手段と、前記情報送受信手段との間で情報を送
受信して個々の室内機または室内ブロックの運転状態ま
たは目標値を設定可能な集中コントローラと、を備えた
ものである。
【0020】請求項13に関るこの発明の空気調和方法
は、冷房運転を起動または設定温度を変化させた際に、
人のいる位置の空間に送風機からの気流を向けて低い温
度の空気を吹出すステップと、人のいる位置の空間の温
度を室内の高温部の空気温度と吹出口の空気温度から推
定するステップと、人のいる位置の空間の温度が目標値
に到達したと判断した場合、温熱または冷熱を発生させ
る熱源サイクルの運転状態を制御して吹出す空気の温度
を変えるステップと、を備えたものである。
【0021】請求項14に関るこの発明の空気調和方法
は、室内の高温部の空気温度と吹出口の空気温度の差
と、人のいる位置の空間の温度と吹出口の空気温度との
差と、の比が一定となるように算出するステップと、を
備えたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1にかかわる空気調和装置の構成図、図2
はこの発明の実施の形態1にかかわる空気調和装置の上
下風向制御手段の制御ブロック図、図3はこの発明の実
施の形態1にかかわる空気調和装置の送風量制御手段の
制御ブロック図、図4はこの発明の実施の形態1にかか
わる空気調和装置の蒸発温度・吹出温度制御手段の制御
ブロック図で有る。
【0023】図1乃至図4において、1は空調を行う室
内30の壁面31に取り付けられた室内ユニットを構成す
る室内機本体、2は冷凍サイクルを構成する冷媒配管33
を介して循環する冷媒と室内空気との間で熱交換する負
荷側に設けられた熱交換器である室内熱交換器、3は室
内熱交換器に空気を送風する室内送風機、4は室内機本
体に設けられ室内の空気を吸込む吸込口、5は送風機3
から送風される空気を室内へ吹出す吹出口、6は吹出し
口5に設けられ例えばルーバーとルーバーを駆動するモ
ーターで構成された前記吹出口から吹き出された空気を
上下方向に分岐または偏向して本体1から吹出す気流の
方向を変える上下風向制御手段、7は吹出し口の近傍に
設けられ例えばサーミスタからなる吹出空気温度検出手
段、8は吸込み口の近傍に設けられ例えばサーミスタか
らなる室内空気温度検出手段で有る。
【0024】9は屋外などに設置され室内の空調を行う
本体1へ所定の圧力と温度の冷媒を供給する熱源側サイ
クルを構成する室外機本体、10は冷媒を加圧して吐出
し冷凍サイクル内を循環させる圧縮機、11は冷媒の圧
力を変化させる膨張弁、12は冷媒の流れる方向を変え
て暖房と冷房を切り替える四方弁、13は室内から吸熱
した冷熱または温熱を室外に放出する室外熱交換器、1
4は室外熱交換器13へ送風する室外送風機、15は例え
ばマイコンからなり、同様にマイコンなどからなる室内
制御器34と接続されて温度情報や記憶された情報を基
に圧縮機10や室内送風機3などの制御を行う室外機制御
器、16はマイコン内に設けられ例えば室内送風機のフ
ァン回転数を検出し風量とする送風量検出手段、17は
マイコン内に設けられ送風量検出手段16により検出さ
れた室内送風機3の送風量から対人位置気流速度を算出
する対人位置気流速度算出手段、18はマイコン内に設
けられ室内空気温度検出手段8により検出された室内空
気温度と吹出温度検出手段7により検出された吹出温度
から対人位置温度を算出する対人位置温度算出手段、1
9はリモコンで変更可能に設定されたりあるいは事前に
マイコンに入力されてあらかじめ設定された温度を第1
の設定温度として記憶する第1の設定温度記憶装置、2
0は同様にリモコンで変更可能に設定されたり事前に入
力されている空気調和装置制御のために設定された温度
を第2の設定温度として記憶する第2の設定温度記憶装
置、21はマイコン内に設けられ第1の設定温度で人が
暑くも寒くもない快適性となる着衣量を算出する着衣量
算出手段、22はマイコン内に設けられ対人位置温度算
出手段18で算出された対人位置温度と対人位置気流速
度算出手段17で算出された対人位置気流速度から例え
ば温冷感の予測値PMVである快適性を算出する快適性
算出手段、23は例えばPMVが−1すなわち、やや涼
しい(slightly cool)、である人が寒く感じる快適性
を第1の快適性、例えばPMVが0すなわち、どちらで
もない(neutral)、である人が暑くも寒くもない快適
性を第2の快適性として記憶する快適性記憶装置、24
は例えば室内送風機3のファン回転数を制御する送風量
制御手段、25は例えば圧縮機10の周波数を制御する
蒸発温度・吹出温度制御手段、28は室内熱交換器の温
度を計測する熱交換器温度検出手段で吹出温度検出手段
7を設けないときはこの温度を代りに使用する。
【0025】上記で説明した予測値PMV(Predicted
Mean Vote)について説明する。人間が快適に感じた
り疲れたと感ずる人間感覚は人を取り巻く温熱環境、例
えば温度、湿度、気流、輻射など、や照度などの視環
境、音圧等の音環境等物理環境要因から構成され、これ
ら環境要因の組み合わせである複合環境は、その中にい
る人の快適性や疲労感に影響を与える。この中で温熱環
境の快適性を温冷感として数値で直接評価する指標とし
てPMV(Predicted Mean Vote)値があり、これは
空気温度だけでなく輻射温度、湿度、気流の空気環境側
の要素と人間の活動量、着衣量、平均皮膚温度などの人
体側の要素による人体に関する熱平衡式が国際規格化さ
れている。これらの要素のデータを式に代入して求めら
れたPMV(Predicted Mean Vote)値が+3は暑い(h
ot)、+2は暖かい(warm)、+1はやや暖かい(slightly w
arm)、0はどちらでもない(neutral )、−1はやや涼し
い(slightly cool)、-2は涼しい(cool)、−3は寒い(col
d)を示すと言う約束である。
【0026】環境側要素と人体側要素に対する各データ
を実験により求め、室内で人間がいる付近、動く範囲な
どの対人位置における空間に対する物理データによりP
MV値が計算できる。図5、図6は実験の条件を説明する
実験説明図である。図5は実験した室内の様子を上から
見た図であり、リビングからダイニングキッチンへ向け
て送風が行われる。図に記載されているように風向や風
速の変更が可能であり、各状態で計測タイムステップ毎
の温度などのデータを求めた。図6(a)に吹出気流の室内
機本体1からの距離に応じた気流速度や温度の計測位置
を示す。吹出口から計測位置までの距離は図6(b)に示す
ように0.3メートルから3.5メートルの範囲で行ってい
る。PMV値を計算するために先ず気流の条件を述べ
る。風速は風量を9.6立方メートル/分と多くした、す
なわち室内送風機3の回転数を上げ圧力と風速を高くし
た状態と、風量を5.4立方メートル/分と少なくし
た、すなわち室内送風機3の回転数を下げ圧力と風速を
低くした状態で行い、この時の吹出気流計測位置NO1-NO
6の各点での吹出気流風速は図6(c)に示す。図5に示す
室温計測位置すなわち吹出気流の直接当たらない位置35
では静穏気流として0.15m/秒としている。PMV
値を得る空気温度は計測値、放射温度は等価と見なす、
相対湿度については絶対湿度が室内で均一とみなし室温
計測位置35の床上1.2mで実測した温湿度より絶対湿
度を算出し各吹出気流計測位置No1−No6毎の空気
温度を基に算出している。また、活動量については、着
席してリラックスを1.0met、立居で軽作業を1.6m
et、立居で中程度の作業を2.0metとしている。また
着衣量は0.6cloで、これは薄手の靴下0.03clo、
ブリーフ0.05clo、薄手の半袖シャツ0.2clo、薄
手のズボン0.26cloを想定している。図6(c)の計測
結果から距離に対応したPMV評価指数の演算が可能に
なり、すなわちどの位置でも対人温度を算出できる。
【0027】図1および図5の構成で圧縮機10から吐
出された高温高圧の冷媒は室外熱交換器13で凝縮され
膨張弁で減圧されて低温低圧の冷媒として室内熱交換器
2へ送られ、圧縮機10に戻される。この室内熱交換器
により室内空気の温熱を吸熱して室内空気を冷却し、す
なわち室内を冷房する。この冷却された空気は室内送風
機3により吹出口5から下方である室内の人が居ると考
えられる空間へ気流を発生させる。この時、吹出口5に
設けられた上下風向制御板6や図示していない左右風向
制御板の制御は、図2に示すように、吸込口4に設けら
れた室内空気温度検出手段8と吹出口5に設けられた吹
出温度検出手段7とから後で説明するように人が居る筈
の空間である対人位置の温度が算出される。次に総風量
検出手段、すなわち室内送風機の回転数、あるいは風速
切替えスイッチ、例えば静、弱、強等によりあらかじめ
この検出量と総風量の関係が制御器15、34に設けた
マイコンに設定されており、この検出された風量に基づ
き、人のいる位置での気流速度の検出が可能になる。対
人位置気流速度算出手段17では吹出口との距離におけ
る気流速度が風量毎に図6(c)のように求められマイコン
に設定されている。吹出口から対人位置までの距離は標
準として2mに設定されている。第1の設定温度記憶装
置19における第1の設定温度は人がやや涼しいまたは
快適と感ずるPMV=−1または0を標準とし、この場合着
衣量は0.6cloとする。
【0028】なお当然ながら標準値と異なる場合にも対
応できる。エアコンの装置能力が大きい時は一定の大き
さの室内ならば例えば距離を1mを標準としてあらかじ
め記憶させる。第1の設定温度に対し作業環境として涼
しい方が望ましい場合にはPMV=−1をリモコンにより設
定としても良いし、女性の様に寒い方向を嫌う場合には
PMV=+1を設定しても良い。この時着衣量も大きくした
り小さくするようにPMV値に応じてあらかじめ記憶させ
ておく。この様に対人位置での温度、気流速度、着衣量
等を使用して先に述べたPMV値評価式を用いた快適性算
出手段22にて快適性を算出し、快適性記憶装置23に
記憶させる。次に第1の設定温度とは無関係に、すなわ
ち一般のエアコンにも設けられ使用者が希望温度を設定
できる様にも、あるいは自動運転として設定されている
室内の温度を空気調和しようとする温度に設定する第2
の温度設定手段20がある。これはリモコンや本体のマ
イコンに設けられており人が手で変えたりあるいは自動
運転のためあらかじめ設定されている。例えば人が暑い
と感じた時などはこのスイッチにより温度を下げる指示
が可能である。しかしながらこの実施の形態の例では室
内の温度が高いところ、例えばエアコン室内機の吸込口
の吸込温度などを対象に目標として第2の設定温度とし
ている。この第2の設定温度と第2の設定温度で有る記
憶された快適性により吹出口5に設けた風向変更手段を
変更する。
【0029】図3のごとく室内送風機3の回転数の制御
は制御器内のマイコンに設けた送風量制御手段24にて
行われるが、これには第1の設定温度記憶装置19から
設定された設定温度と、第2の設定温度記憶装置20か
ら設定された設定温度と、対人位置温度算出手段18か
ら算出された対人位置の算出温度にて総風量が制御され
る。
【0030】図4のごとく圧縮機の回転数などを変えて
蒸発温度・吹出温度制御手段25による室内熱交換器2
の温度等の制御は同様に制御器内のマイコンに設けた装
置で行われるが、これには第1の設定温度記憶装置19
から着衣量算出手段21にて先に述べたように着衣量を
算出し、同様に対人位置の温度と対人位置の気流速度に
より快適性を算出し、この快適性に基づき蒸発温度・吹
出温度を得るように圧縮機等を運転する。
【0031】次に図7の起動からの運転動作説明図によ
り本発明の制御によって空気調和装置の総風量、風向、
圧縮機周波数の時間による変化とそれに伴う吹出温度、
吸込温度、対人位置温度の時間的な変化を説明する。図
7は横軸に時間を取り、縦軸に温度や風量などを示して
いる。図は先ず冷房時の運転スイッチを入れた起動状態
は暑いと感じるから急速に対人位置空間へ冷却風を送
り、その位置の温度を下げる第1のモードである対人位
置冷却モードの状態となる。吹出温度は急速に下がりほ
ぼ室内熱交換器の温度と同じ程度まで下がる。これに応
じて対人位置、すなわち吹出口から2m離れた位置では
冷たい気流により空気の温度が同様に急速に下がってい
くが吸込温度である室内温度は部屋全体の熱量、例えば
壁からの熱量や天井付近の熱い空気の影響により徐々に
低下する。この時室内送風機3の風量は強の状態Hi、圧
縮機周波数、すなわち回転数は最大fmax、風向は人の居
ると考えられる空間に向けられる。この様に暑く不快な
エアコン起動時から気流を吹き付けて人の快適性を早く
得る運転により空調装置の制御を行うので無駄なく最短
の時間で快適な状態が得られる。なおこの領域では室温
は設定された温度に比べ非常に高く、空間全体の空調負
荷も大きいので装置はフルに運転される。
【0032】対人位置温度算出手段18で算出された温
度が第1の目標値である、第1の設定温度Ts1−ΔTLに
達した時に、人の存在しないと考えられる空間の冷却と
人のいる位置の空間の温度を快適に維持する冷却の両方
を行う第2のモードに移る。この第1の目標値は例えば
第1の設定温度Ts1がPMV=0の温度とするとこの第1の
目標値Ts1−ΔTLは冷房ではこの設定温度Ts1より低い、
すなわち涼しい方向の評価値であるPMV=−1とする。第
2のモードでは室内送風機や圧縮機は第1のモードの運
転を継続し室内の冷却を行うが、先ず風向は人に向かう
のではなく人のいない例えば上を向いて天井や壁の方向
を冷却する。吹出気流を吹き付け続けると快適性が寒く
不快になるので人のいない空間へ送風して部屋全体を下
げる運転を行う。その後人のいる位置の空間と人のいな
い位置の空間の両方を冷却するように風向変更を繰り返
し、熱い空気の固まりが人のいる空間へ動いてきた場合
でも周期的に人のいる空間に吹き付けて快適性を維持で
きるようにする。ここでは快適性を維持したまま被空調
空間全体の冷房を行うことになるので、吹出気流を外す
と快適性が維持できる場合は、すなわち算出された対人
位置温度TBが第1の設定温度Ts1を超えて暖かい方向に
動かなければ気流は人のいる空間へ向けることはない。
言い換えればやや涼しい状態(slightly cool)と暑くも
寒くも無い状態(neutral)の間で風向変更がおこなわれ
部屋全体の温度も下げられるので不快感を避けることが
出来る。この状態では吹出温度は低い状態を維持し室温
は更に徐々に低下する。対人位置の算出された温度TBは
直接冷却された気流が連続して送風されないため、周囲
の温度の影響で徐々に上昇しながら時間が経つと第1の
設定値Ts1で有る対人位置温度PMV=0に収束して到
達する。この様な状態の時8において室温は第2の設定
温度Ts2に到達する。この領域でも空調する空間の負荷
は大きく装置をフル活動させれば早く空間を冷却でき
る。
【0033】第2の設定温度Ts2、すなわち部屋の中の
温度の目標である冷房を行うリモコンなどで設定した第
2の設定温度Ts2に到達した後は部屋の中の温度を維持
するマイルドな冷房を行う運転、第3のモードで制御す
る。このモードでは送風機の風量と圧縮機の回転数は徐
々に下げていく運転が行われる。風向は人に向けられる
のではなく水平方向や上向きに変更される。人のいる位
置の空間では寒くも無く暑くも無い状態(neutral)で人
が発生する熱負荷も小さい。室温も部屋全体の目標値で
ある設定された温度に近く空調負荷は小さい。
【0034】図8は制御内容説明図を示す。(a)は第1
モードの状態、(b)は第2モードの状態、(c)は第3モー
ドの状態である。第1モードでは暑くて不快を急速に低
減するため風向を人のいる方向、すなわちエアコンの室
内機のように壁の上の方に設置されている場合は人に向
けるため下向きに吹出させることが確定された条件であ
る。其の他の対人位置の確認としては対象空間を常に人
がいるところ、例えば室内の中央部の約1mの高さ位置
ぐらいにに固定させても良いし、赤外線で検出して人を
検知するセンサーを室内機に設け人体との距離や方向を
算出し制御に使用しても良い。また被空調空間冷房負荷
処理は空調能力最大で行うと良い。また人体検知センサ
ーにより距離が計測でき、2mを大きく超える場合は対
人位置温度算出のための基準値を大きくしたり、風速算
出式を変更して風速を小さくするなどが出来る。
【0035】図8(b)の第2モードでは、人が寒すぎず
暑すぎない様に人がいる筈の空間、または人体を検出し
てその位置の温度を一定の温度範囲に維持するように風
向を変化させる。この場合圧縮機の周波数は人のいる位
置に向かう場合は減少させ人のいない位置に向かう場合
は増加させて人の位置に対してはあまり冷たい風を送ら
ないように、人が居ない位置に対しては出来るだけ早く
冷却するような動作で制御する。また対人、対空間と
も、室内の温度状態によっては室内熱交換器に並列のパ
スを設け、冷媒の流れをコントロールできる冷凍サイク
ルでは、同様に人のいる位置へ向かう場合は面積を減少
させることでも良いし、場合によっては室内熱交換器に
直列のパスを設け、間に減圧弁を設け冷媒の流れをコン
トロールできる冷凍サイクルでは、同様に人のいる位置
へ向かう場合は室内熱交換器に蒸発と凝縮の両方を発生
させて温度を上げても良い。第3モードでは人に対して
も空間に対しても低い冷房負荷処理能力でエネルギーの
もっとも少ない運転を行う。もし快適性の確保のため冷
房能力を上げる必要があれば圧縮機の周波数を変えれば
良いし、室内熱交換器に流れる冷媒の量や圧力により冷
房能力を増加させれば良い。
【0036】図8、(c)の第3モードでは人のいる位置
は暑くも寒くもない状態を維持していると判断し気流の
方向は人のいないと考えられる方向を向かせる。また被
空調空間、すなわち人の居ない筈の空間には圧縮機周波
数を下げていくというような低い冷房負荷とした空調能
力で対応する。本発明は、冷房立ち上げ時に人から発生
する熱を急速に除く運転を快適性を判断しながら行うの
で、低温の強風を対人位置の空間に送り込む運転を行
う。この図7の第1モードの運転はエアコンを起動して
立ち上げるときだけでなく、リモコンで第1モード選択
の指令を与えても良いことは当然である。部屋の中がマ
イルド冷房などの状態でも外出から帰り暑い状態で入っ
てきた人の場合リモコン操作で、例えば5分間この状態
としても良い。これは特別なスイッチで5分間処理しそ
の後この発明の通常の制御動作に復帰させる。また図
7、図8の説明では風量や圧縮機の周波数を各モードで
最大などのように固定して行う説明をしたがこれにとら
われるものではなく周囲環境や装置の能力など条件によ
って変えても良いことは当然である。例えば、圧縮機回
転数が同等で室内熱交換器が処理する負荷が同等であれ
ば風量が少ないほど処理された負荷に対し温度の低下は
大きくなる。従って、第1モードの風量は強の設定でな
く弱の設定の方が良好な効果が得られる。
【0037】実施の形態2.図7に記載してあるごと
く、第1のモードでは快適性がやや涼しい(slightlycoo
l)と言う領域までフル運転を行い直接人から熱を除くよ
うに気流を向ける。やや涼しい(slightly cool)と判断
された時から第2モードになりほぼフル運転ではある
が、気流の方向をどちらでもない状態まで人がいる位置
と居ない位置へ変動させる。室温があらかじめリモコン
などで設定された室温設定温度に到達すると第3モード
となり吹出温度を上げるとともに、快適性をどちらでも
ない状態に保つ。この運転内容を図9のフローチャート
に示す。図9において起動S01後、対人産熱負荷対応
冷却S02のためフル運転を行う。快適性がやや涼しい
に到達するまでS03か、別のスイッチ、例えば人が感
覚として良いと考えてリモコンマイルドモードONS0
4が設定されると、対空間冷却S05に移る。吸込温度
が、すなわち部屋の温度が設定値28度より下がった場
合S06には、安価な省エネを重視して冷凍サイクルの
蒸発温度を上げるS07方法がある。但しこの方法では
湿度が高い場合は快適性を損なうケースがあるので、冷
凍サイクルの運転条件が冷えた状態を維持する場合には
減圧弁による再熱除湿S08を行いエネルギー削減を重
視するとともに快適性も得ることができる。
【0038】この第3モードでは快適性制御を対人用周
波数制御S09で行いマイルド冷房運転を継続する。こ
の周波数制御の内容は図9のS09に記載してあるよう
に、吸込口近傍の室内の空気温度および吹出口の空気温
度を検出して人のいる位置の空間の温度を算出し、この
算出された温度により風向きと吹出口の温度を変えて冷
房を行うもので、人のいる位置の空間の温度、T人=3
/4*T吸込+1/4*Teとして算出する。なお、T
eは熱交換器の蒸発温度であって、ほぼ吹出温度と同じ
である。従って、吹出口で温度を計っても室内熱交換器
の温度を直接測っても良く、どちらかの温度を計測すれ
ば良いことになる。この式の基準値であるx=3/4は
次のように部屋の目標温度を28度ぐらいにして冷えす
ぎの無いようにして出来るだけエネルギーを使わずに、
且つ、部屋の中の人のいる位置では快適性を保つ温度と
して、実験結果を基にして妥当な数値として決めている
が、室内の負荷状態や部屋の温度をどのくらいの目標の
値にするかにより0から1の間で決めれば良いことは当
然である。この人のいる位置の空間の温度の推論のため
に室内の高温部の温度かあるいは室内機の吸込温度の計
測が必要である。すなわち室温か吸込温度、および吹出
温度か室内熱交換器温度の複数の温度を計測すれば良
い。
【0039】次に実験結果より基準値x=3/4を決め
た経過を説明する。吸込空気温度28度一定で風量強の
状態で室内機からの吹出す温度16度に対し2m離れた
対人位置での温度25度の差9度、吸込温度と吹出温度
の差は12度であった。これを風量弱にすると、吸込温
度28度、2mの位置での気流温度は24度、吹出温度
は12度であることを確認した。この吹出温度や人の位
置での温度が低すぎるのでマイルドな冷房にするため、
風向の変更をして吹出気流が当たらなくなるので対人位
置での温度が26度になる。すなわち蒸発温度を上げて
エネルギーを少なくするように調整すると吸込温度28
度、2mの位置での気流温度は26度、吹出空気温度は
20度であることを確認した。この3ケースの温度差の
比率は吹出温度と吸込温度の温度差を4とすると、吹出
空気の温度と2mの位置での温度差が3の割合となる。
この結果温度差の比はx=3/4と仮定された。なお上
記温度は実験値の概算を示すものであるが、分母が2の
倍数で推論できるため8ビットマイコン等2進法を使用
した場合圧縮機の周波数や風向を変化させるプログラム
および演算処理が非常に簡単になる。
【0040】この様に吸込温度は部屋の中での最高温度
を示すとみなされ、28度以上ではフル運転するが起動
時にはPMV=−1になる対人位置温度25度ぐらいま
で急速に下げ、その後はPMV=0をねらう運転にな
る。室内送風機の風量だけを下げると気流温度や吹出温
度が下がることになる。エネルギーを減らすためにも圧
縮機の回転数を減少させ蒸発温度、すなわち熱交換器の
温度を20度に上げる。この様に部屋の温度を28度に
設定するとこの推論式では吹出温度に応じて人の位置で
の温度が変化する。人の位置の空間での温度を快適性か
ら得られる目標値と推論式から算出された人の位置の温
度との差に対し圧縮機の回転数と室内送風機の回転数の
低下の量が算出され、冷凍サイクルの特性と室内の負荷
特性により吸込温度と蒸発温度が変化する。部屋の温度
設定値28度にするため必然的に蒸発温度が決められ
る。あるいは、通常のマイルド冷房であればすなわち第
3モードになった時に部屋の中の高温部での温度設定値
28度で蒸発温度が20度になるように固定にしておけ
ば推論式により簡単に人の位置での温度は26度となり
暑くも寒くもない状態(neutral)に収まることになり、
快適性を維持したままエネルギーの少ない冷房が可能に
なる。
【0041】図10、図11、図12、図13は実験結
果を説明する図で、図10は室温の設定温度を26度と
した場合の時間経過に伴う温度変化の実測値で(a)は
対人位置温度が、(b)は気流静穏位置35の温度が示
されている。次に、動作について説明する。まず、空気
調和装置運転開始である起動直後は、第1のモードであ
る急速対人冷却モードになる。第1のモードでは、上下
風向制御手段6を下向きすなわち対人位置に吹出気流が
直接当たる方向に向ける。次に、室内空気温度検出手段
8で検出された室内空気温度Taと吹出温度検出手段7
で検出された吹出温度Tfから対人位置温度Tmを算出
する。なお対人位置温度とは空調機の使用者が居るとみ
なせる空間位置の温度であって、使用者が意識しようと
あるいはしまいと存在し、活動する範囲を指す。
【0042】対人位置温度Tmの算出方法は上記の通り
以下の実験結果より定める。冷房定格2.8[kW]の
空気調和装置を16畳間に設置し、吹出気流を下向きに
して冷房実験を行った。設定温度は26℃で吹出気流の
流れ方向に沿って吹出口から2m離れた場所を対人位置
とする。図10における吹出温度、対人位置温度、吸込
温度の関係は、f(Tf,Tm、Ta)=3/4となり、
対人位置温度Tmは先に説明したように次の式により算
出できる。Tm=(3Ta+Tf)/4。図10の実験
において、対人位置温度と空気調和装置の室内機本体に
設置された室温サーミスタにより検出された室内空気温
度との差は約2℃である。従って、第2の設定温度は例
えば第1の設定温度+2[deg]とも設定できる。
【0043】図10(b)が示すように、気流静穏位置
35の温度は約30分過ぎぐらいまで室内温度より低い
がそれを過ぎるとほとんど同じになる。図11は実験結
果を説明する図で、図11(a)は空調装置が運転開始
した時から約60分後の吹出し温度が低い時の吹出口よ
り離れた各位置と気流静穏位置35での温度の違いを比
較したデータである。吹出口と対人位置での温度差は、
2m離れた位置で、風速強で約10度、風速静で約13
度で有る。1m離れた位置で、風速強で約8度、風速静
で約10度で、3m離れた位置で、風速強で約8度、風
速静で約10度で有る。また吹出気流が当たらない位置
と吹出口との温度差は風速強で約15度、風速静で約1
7度であった。風速静の方が強よりも吹出口の温度が低
い。
【0044】図11(b)は空気調和装置が運転開始し
た時から約120分後の吹出口より離れた各位置と気流
静穏位置35での温度の違いを比較したデータである。
吹出口と対人位置での温度差は、2m離れた位置で、風
速強で約5−8度、風速静で約8度で有る。1m離れた
位置で、風速強で約4−7度、風速静で約7度で、3m
離れた位置で、風速強で約6−9度、風速静で約10度
で有る。また吹出気流が当たらない位置と吹出口との温
度差は風速強で約8−12度、風速静で約12度であっ
た。時間が経過した場合ばらつきはあるが距離により吹
出口と各位置との顕著な温度の違いは見られない。図1
1(c)は空調装置が運転開始した時から約60分後の
吹出口と吸込口の空気の温度差を比較したデータであ
る。風速強で約15度、風速静で約17度で有る。図1
1(d)は空気調和装置が運転開始した時から約120
分後の吹出口と吸込口の空気の温度差を比較したデータ
である。風速強で約8−12度、風速静で約13度で有
る。
【0045】図7の運転において、上記説明では温度が
目標値に達した時に運転を切り替えて、快適性と省エネ
ルギーを達成することが出来る。この温度は実際の温度
を計測する方法で述べてきたが、個々の人の快適性の受
け止め方や建物の状態によって変化するので、快適性に
ついてはリモコンなどで設定を変えられるようにすれ
ば、実験結果で示したような温度の時間による変化の傾
向は装置の能力と建物による影響が大きい。従って、建
物の状態をランク分けしておけば、例えば外部から進入
する熱の量が異なる札幌と東京のように都市や地域での
区分け、季節による区分けなどにより温度目標到達の代
りに、時間により各モードの運転を切り替えることが出
来る。起動直後から10分間は第1モード、30分まで
は第2モード、後は第3モードと言うごとく、実験結果
により、図7のパターンどおりの運転動作を想定して、
すなわち温度を各区分け毎に時間に置き換えて記憶させ
て運転を行うことでも良い。すなわち起動直後から第1
の設定時間までは人のいる位置へ風を向けるとともに、
熱源サイクルをフル稼動させる冷房運転を行い、第1の
設定時間からは対空間冷却と対人位置への気流を交互に
切り替える運転を行い、第2の設定時間からはマイルド
冷房として気流は対空間とする運転である。これによ
り、空調装置のマイコン演算は非常に簡単になる。更に
この設定時間をリモコンなどで設定できるようにしてお
くと現場での調整により一層使用状態や周囲の環境に即
した装置とすることが出来る。
【0046】図12(a)は対人位置および(b)は気
流静穏位置35でのPMV指標値の時間変化を示す図で
ある。このデータを図13に示す。指標がやや涼しい(s
lightly cool)と言う評価指数PMV=−1に到達する
には、図12(a)と図13により周囲の状況や距離に
より異なるが、部屋の負荷処理を考えて風速強の状態で
5−20分程度かかる事が分かる。図12(b)のよう
に気流静穏位置ではなかなか指標0のどちらでもない状
態(neutral)へ到達しない。図13が示すように風速が
小さい状態で遠い場所や気流が存在しない場所では指標
−1で有るやや涼しい状態(slightly cool)にはならな
い。この結果、空調装置の能力と室内の広さがバランス
しない場合、すなわち空調する部屋の大きさに比べ、風
量風圧の小さいファンを使用する場合は、快適性の評価
を事前に評価式の各入力数値を仮定して算出し目標であ
る評価値、すなわち人がいる位置の空間における目標値
を0のようにずらして決定する。
【0047】室内の空気を空調する負荷側熱交換器が室
内送風機から離れた位置にあり、ダクトで送風機と熱交
換器の間を接続し室内に面して送風機が取り付けられて
いる場合は風量や風圧の高い大型のファンを取り付ける
ことにより広い面積の室内であっても、あるいは高い位
置に取り付けたファンによっても人のいる位置の空間で
の快適性を確保できることになる。このようなダクト通
風を利用する構成では室内に面した天井にダクトに接続
された循環送風ファンを設け、ダクトの他の位置に熱交
換器を設けると、1つの熱交換器で冷房や暖房用に空調
された空気を複数の位置から吹出すことが出来る。この
複数の位置とは一つの室内で複数の位置も良いし、複数
の部屋へ同時に送風することも出来、各部屋の送風ファ
ンの運転を別々に制御すれば空調が必要な部屋だけを冷
房や暖房を行うことが出来、住宅全体を空調できること
になる。
【0048】次に総風量検出手段で検出された送風量V
fから対人位置気流速度Vmを算出する。対人位置気流
速度Vmの算出は図6(c)の実験結果より定める。風
量Hiおよび風量Loで、吹出気流の流れ方向に沿って吹出
口から2m離れた場所を対人位置として気流速度を計測
した。測定結果をもとに得られた次の式で対人位置気流
速度Vmを算出する。Vm=0.12×Vf+0.1
1。
【0049】図12、図13で評価している評価指数は
この発明の実施の形態1にかかわる制御ロジックの根拠
となる実測値より算出したPMVである。この評価指数
の目標値である第1の設定温度Ts1で人が暑くも寒くも
ない(neutlal)快適性PMV=0となる着衣量Cloを
次の式からなる着衣量算出手段21で算出する。Clo
=f(Ts1)。
【0050】次に対人位置温度算出手段18で算出され
た対人位置温度Tmと対人位置気流速度算出手段17で
算出された対人位置気流速度Vmと対人位置空気温度と
等価と見なされた放射温度Trと着衣量算出手段21で
算出された着衣量Cloとあらかじめ記憶された対人位
置相対湿度Raと活動量Metを入力として快適性算出
手段22でPMVを算出する。PMV=f(Tm,T
r,Vm,Ra,Met,Clo)。この評価指数に応
じて運転が行われる。
【0051】実験において、図12に示すように、第2
のモードに移行した直後、対人位置で人は寒く感じて
も、吹出気流の当たらない気流静穏位置では人は暑く感
じる。従って、第2のモードでは上下風向制御手段6を
上下または左右に周期的に動かし、吹出気流を対人位置
に周期的に当てることで快適性算出手段22で算出され
るPMVが−1<PMV<0の範囲にあるように制御す
る。なお、PMV=0は快適性が中立で暑くも寒くもな
い状態(neutral)である。
【0052】ここで、室内空気温度検出手段8で検出さ
れた室内空気温度が第2の設定温度記憶装置20に記憶
された設定温度以下になった場合に第3のモードである
マイルド冷房モードに移行するが、周囲状態や活動量な
どの条件から室温目標値に到達しない場合は移行に時間
が掛かることになる。
【0053】第3のモードでは、蒸発温度または吹出温
度を上げ、上下風向制御手段6を水平または上向きにし
てあるいは人が居ないと考えられる方向にして、対人位
置に吹出気流が直接当たらないように制御する。さらに
第1の設定温度記憶装置19に記憶された設定温度と対
人位置温度算出手段18により算出された対人位置温度
の温度差から蒸発温度・吹出温度制御手段25で圧縮機
周波数を温度差に応じて制御する。さらに第1の設定温
度記憶装置19に記憶された設定温度と対人位置温度算
出手段18により算出された対人位置温度の温度差から
送風量制御手段24で室内送風機のファン回転数を温度
差に応じて制御する。これらの制御を行うことで、空気
調和装置使用者の快適性を確保し、かつ吸込空気温度の
高温化から空気調和装置が処理すべき外界から侵入する
冷房負荷熱が低減し、吹出空気温度の高温化により冷凍
サイクルの効率向上によってCOPが向上することで省
エネルギー性を向上できる空気調和装置を得ることがで
きる。
【0054】本発明において、以下の手段を用いること
でより有効な制御を行うことができる。上記までは第1
から第3のモードで風向は上下風向制御手段6で制御す
る構造を示しているが、左右風向制御手段を設け、第1
のモードで水平方向気流を対人位置を中心とした方向に
向け、第2のモードでは水平方向気流を対人位置を中心
とした方向に向けるまたは左右に周期的に動かし、第3
のモードでは、部屋全体に気流が循環するように、水平
方向に最大角度例えば120°で気流を吹き出すように
制御してもよい。この場合、対人位置への吹出気流の集
中、対空間への吹出気流の拡散のより効果的な制御が可
能である。
【0055】また、第3のモードで、第1の設定温度記
憶装置19に記憶された設定温度と対人位置温度算出手
段18により算出された対人位置温度の温度差から蒸発
温度・吹出温度制御手段25で圧縮機周波数を温度差に
応じて制御しているが、室内熱交換器2で、冷媒の循環
する熱交換面積を低減するまたは吹出口近傍にヒーター
を組み込んで吹出空気温度を高温化するように制御して
もよい。この場合、冷媒の循環する熱交換器の温度をさ
らに低下させることができるので、より効率的な除湿が
可能である。
【0056】また、快適性算出手段22でPMVを算出
する際に、あらかじめ記憶された対人位置相対湿度Ra
をリモコンなどに設置した例えば相対湿度センサからな
る人体位置湿度検出手段で検出したり、室内空気温度検
出手段近傍の空気湿度を例えば相対湿度センサからなる
室内空気湿度検出手段で検出し、以下の式から算出して
得た値を用いて算出してもよい。
【0057】対人位置空気温度Tmの飽和絶対湿度Xm
100を算出し、室内空気温度Taと室内相対湿度Raか
ら室内絶対湿度Xaを算出し、室内絶対湿度Xaは空間
内で均一であるものとして対人位置相対湿度Rmを求め
る。Rm=100×Xa/Xm100=100×f(Ta,
Ra)/f(Tm,100)。この場合、快適性は実際の対
人位置の湿度の時間変化に追随して変動するので、より
正確に対人位置の快適性を求めることができる。なお絶
対湿度をセンサーにより直接計測しても良いことは当然
である。
【0058】また、対人位置における放射温度Trを対
人位置温度算出手段18で算出された対人位置温度Tm
と同等と見なすのではなく、例えば赤外線センサからな
る放射温度検出手段で検出してもよい。この場合、快適
性は実際の対人位置の放射温度の時間変化に追随して変
動するので、より正確に対人位置の快適性を求めること
ができる。
【0059】また、対人位置をあらかじめ設定するので
はなく、例えば人工網膜チップすなわち画像認識し現画
像とメモリ画像との差分から人の存在と非存在を検知す
るARセンサにより人の存在と位置を検出することによ
り、例えば人が存在しない時には急速対人冷却を行わな
いでエネルギーの少ない冷房を行える。またリモコンの
指示に基づいて吹出口からの空気調和装置使用者までの
距離を求めることで対人位置を検出してもよい。この場
合、対人位置温度および対人位置気流速度を、実際に空
気調和装置を設置した環境に即して求めることができる
ので、より正確に対人位置の快適性を求めることができ
る。
【0060】リモコンにマイルド冷房のような通常の冷
房運転中でも第1モード運転が可能な対人スイッチを設
けることにより、急に体温が高い状態で部屋の中に入っ
てきても対人産熱負荷対応運転に入れる。またリモコン
に例えばマイルドモードという特定の名称を付記したボ
タンをつけ、このボタンを押すことで第2のモードであ
る対人+対空間冷却モードや第3の対空間冷却に移行し
てもよい。この場合、空気調和装置使用者の要求により
即した制御を行うことができる。
【0061】また、暖房時には冷房時のように人体に向
かう気流や1m程度の高さをねらう気流の代りに、気流
を対人位置の床面に向かって吹出気流を吹きつける。こ
の場合、人体頭部付近よりも足元の方が急速に暖まるの
で、快適性が向上する。本発明は、室内機に室内熱交換
器、室内送風機、吸込口、吹出口、前記吹出口から吹き
出された空気を分岐または偏向する風向制御手段、室内
空気温度検出手段、吹出温度検出手段、室内送風量検出
手段と、室外機に圧縮機、膨張弁、冷房の流れを切り替
えて冷房から暖房運転を可能にする四方弁、室外熱交換
器、室外送風機、制御器と、対人位置温度算出手段と、
対人位置温度を基に暖房起動時は対人暖房、人が十分に
暖められた後は対空間暖房に移る制御手段を有するもの
である。
【0062】また、室内機に室内熱交換器、室内送風
機、吸込口、吹出口、前記吹出口から吹き出された空気
を分岐または偏向する風向制御手段、室内空気温度検出
手段、吹出温度検出手段、室内送風量検出手段と、室外
機に圧縮機、膨張弁、四方弁、室外熱交換器、室外送風
機、制御器と、対人位置温度算出手段と、対人位置温度
を基に対人暖房や対人冷却を行う制御手段を有するもの
である。
【0063】また、室内機に室内熱交換器、室内送風
機、吸込口、吹出口、前記吹出口から吹き出された空気
を上下方向に分岐または偏向する上下風向制御手段、室
内空気温度検出手段、吹出温度検出手段、室内送風量検
出手段と、室外機に圧縮機、膨張弁、暖房や冷房あるい
は設定された温度により自動的に運転モードに応じてき
り変えられ冷媒の流れを変える四方弁、室外熱交換器、
室外送風機、制御器と、室内送風機の送風量から対人位
置気流速度を算出する対人位置気流速度算出手段と、室
内空気温度と吹出温度から対人位置温度を算出する対人
位置温度算出手段と、あらかじめ設定された温度を第1
の設定温度として記憶する第1の設定温度記憶装置と、
空気調和装置制御のために設定された温度を第2の設定
温度として記憶する第2の設定温度記憶装置と、第1の
設定温度で人が暑くも寒くもない快適性となる着衣量を
算出する着衣量算出手段と、対人位置温度と対人位置気
流速度と着衣量から快適性を算出する快適性算出手段
と、人が暑く感じる快適性を第1の快適性として、人が
暑くも寒くもない快適性を第2の快適性として記憶する
快適性記憶装置と、前記吹出口からの送風が対人方向に
固定された状態で前記快適性算出手段で算出された快適
性が第1の快適性になったことを検出し、快適性が第1
の快適性を上限とし第2の快適性を下限とする快適性範
囲にあるように左右風向制御手段を往復駆動させ、室内
空気温度が第2の設定温度になったことを検出し、左右
風向制御手段を左または右または左右2方向に固定する
位置に駆動させ、前記室内送風機および圧縮機周波数を
制御して、凝縮温度または吹出温度を低温化できる制御
手段を有するものである。なお暖房の場合対人位置に吹
出すのでなく、対人位置の床面に吹出す様にすると人に
与える気流感がなくなり、より快適な暖房効果が得られ
る。
【0064】実施の形態3.図14はこの発明の実施の
形態1にかかわる制御ロジックに基づく空気調和装置の
送風量、風向、圧縮機周波数の経時変化とそれに伴う吹
出空気温度、吸込空気温度、対人位置温度の経時変化を
説明する図、図15はこの発明の空気調和装置の蒸発温
度・吹出温度制御手段の制御ブロック図である。空気調
和装置の構成図は図1を、制御ロジックの根拠となる実
測値は図10を流用する。なお、実施の形態1と同一ま
たは相当部分に同じ符号を付し説明を省略する。
【0065】次に動作について説明する。空気調和装置
の上下風向制御手段6は空気調和装置稼働時は常に下向
きすなわち対人位置に吹出気流が直接当たる方向に向け
る。図10のように、空気調和装置起動直後は、第1の
モードである急速対人冷却モードになる。室内空気温度
検出手段8で検出された室内空気温度Taと吹出温度検
出手段7で検出された吹出温度Tfから対人位置温度T
mを算出する。対人位置温度Tmの算出方法は実施の形
態1と同じである。
【0066】次に、設定温度Tsで人が暑くも寒くもな
い快適性となる着衣量Cloを図2で説明した様に着衣
量算出手段21で算出する。着衣量Cloの算出方法は
実施の形態1と同じである。次に対人位置温度算出手段
18で算出された対人位置温度Tmと対人位置気流速度
算出手段17で算出された対人位置気流速度Vmと着衣
量算出手段21で算出された着衣量Cloと対人位置空
気温度と等価と見なされた放射温度Trとあらかじめ記
憶された対人位置相対湿度Raと活動量Metおよびを
入力として快適性算出手段22でPMVを算出する。P
MVの算出方法は実施の形態1と同じである。
【0067】ここで、PMV<―1すなわち快適性が、
やや涼しい(slightly cool)、になれば図14に示すよ
うに第2のモードであるマイルド冷房モードに移行す
る。第2のモードでは、蒸発温度・吹出温度制御手段2
5で圧縮機周波数を最小周波数、例えば15[Hz]ま
で低減し、快適性算出手段22で算出されるPMVがP
MV=0になるように蒸発温度・吹出温度制御手段25
により制御する。
【0068】これらの制御を行うことで、空気調和装置
使用者の快適性を確保し、かつ吸込温度の高温化から空
気調和装置が処理すべき外界から侵入する冷房負荷が低
減し、吹出温度の高温化により冷凍サイクルの効率向上
によってCOPが向上することで省エネルギー性を向上
できる空気調和装置を得ることができる。すなわち実施
の形態1の動作よりはるかに単純な運転、急速対人冷却
により目標、例えばやや涼しい状態(slightly cool)に
達した後は吹出風量や風向は変えずにもっともエネルギ
ーの大きな圧縮機周波数を最低まで落とすことによりも
っともエネルギーの小さい状態で人の快適性を維持しよ
うと言うものである。これにより室内や作業場、ホール
などの様々な空間の中の特定の空間、例えば常にその位
置で人が仕事をするような空間に対し集中的な快適な空
調を行うことが出来る。
【0069】本発明において、以下の手段を用いること
でより有効な制御を行うことができる。風向は上下風向
制御手段6のみで制御する説明をしてきたが、左右風向
制御手段を設け、水平方向気流を対人位置を中心とした
方向に向けるように制御してもよい。この場合、対人位
置への吹出気流の集中のより効果的な制御が可能であ
る。
【0070】また、第2のモードで、設定温度記憶装置
20に記憶された設定温度と対人位置温度算出手段18
により算出された対人位置温度の温度差から蒸発温度・
吹出温度制御手段25で圧縮機周波数を温度差に応じて
制御しているが、吹出口近傍にヒーターを組み込んで吹
出空気温度を高温化するように制御してもよい。この場
合、冷媒の循環する熱交換器の温度をさらに低下させる
ことができるので、より効率的な除湿が可能である。
【0071】また、第2のモードで、設定温度記憶装置
19に記憶された設定温度と対人位置温度算出手段18
により算出された対人位置温度の温度差から蒸発温度・
吹出温度制御手段25で圧縮機周波数を温度差に応じて
制御しているが、設定温度記憶装置19に記憶された設
定温度と対人位置温度算出手段18により算出された対
人位置温度の温度差から送風量制御手段24で送風量を
制御してもよい。この場合、対人位置温度の低下に伴い
対人位置気流速度が低下するので、より効果的に快適性
を維持できる。図14のように急速対人冷却とマイルド
運転のように2つのモードで運転することにより最もエ
ネルギーの少ない状態で人の快適性を維持することが出
来る。しかも、吹出風量と風向を変更せず簡単な制御、
例えば電力を多く使う圧縮機周波数を最低まで落とすだ
けで快適性を維持できる。このような空調は、人のいる
位置が限定されるような、狭い室内空間や、大空間では
あるが特定の位置へ空調すれば良いようなスポット空調
にとって有効な装置となる。
【0072】また、快適性算出手段22でPMVを算出
する際に、あらかじめ記憶された対人位置相対湿度Ra
をリモコンなどに設置した例えば相対湿度センサからな
る人体位置湿度検出手段で検出したり、室内空気温度検
出手段近傍の空気湿度を例えば相対湿度センサからなる
室内空気湿度検出手段で検出し、以下の式から算出して
得た値を用いて算出してもよい。対人位置空気温度Tm
の飽和絶対湿度Xm10 0を算出し、室内空気温度Taと
室内相対湿度Raから室内絶対湿度Xaを算出し、室内
絶対湿度Xaは空間内で均一であるものとして対人位置
相対湿度Rmを求める。Rm=100×Xa/Xm100
=100×f(Ta,Ra)/f(Tm,100)。この場
合、快適性は実際の対人位置の湿度の時間変化に追随し
て変動するので、より正確に対人位置の快適性を求める
ことができる。
【0073】また、対人位置における放射温度Trを対
人位置温度算出手段18で算出された対人位置温度Tm
と同等と見なすのではなく、例えば赤外線センサからな
る放射温度検出手段で検出してもよい。この場合、快適
性は実際の対人位置の放射温度の時間変化に追随して変
動するので、より正確に対人位置の快適性を求めること
ができる。すなわち対人位置での快適性を算出する指標
を演算する際に対人位置における空気温度や放射温度を
時々刻々変化する計測した温度で行うことにより正確な
快適性をえることができる。
【0074】また、対人位置をあらかじめ設定するので
はなく、例えば人工網膜チップを使用したセンサーであ
るARセンサからなる対人位置検出装置を用いてまたは
リモコンの指示に基づいて吹出口からの空気調和装置使
用者までの距離を求めることで対人位置を検出してもよ
い。この場合、対人位置温度および対人位置気流速度
を、実際に空気調和装置を設置した環境に即して求める
ことができるので、より正確に対人位置の快適性を求め
ることができる。
【0075】また、リモコンに例えば、マイルドモー
ド、という名称を付記したボタンをつけ、このボタンを
押すことで第2のモードであるマイルド冷却モードに移
行してもよい。この場合、空気調和装置使用者の要求に
より即した、すなわち要求に応じいつでも必要な制御を
行うことができる。暖房時には対人位置の床面に向かっ
て吹出気流を吹きつける。この場合、人体頭部付近より
も足元の方が急速に暖まるので、快適性が向上する。
【0076】実施の形態4.図16、17に距離や活動
量などの変化に応じて快適性の指標がどのように求めら
れるかの説明を記載する。図16のようにLは室内機本
体1と人間との距離、49は人間が操作するリモコン、
40は外気温検出手段、Tremはリモコン設定温度で
有る。人がリモコン49によりリモコン設定温度Tre
mをボタンを押して設定すると制御機34の中のマイコ
ンが設定温度を設定する。快適性の評価指数であるPM
Vは人の温冷感を+3乃至−3の間の数字で示すもの
で、対人位置における空気温度で有るT人l(゜C)、
対人位置における空気の相対湿度Φ人(%)、部屋の周
囲から人にあたる放射温度T輻(゜C)、人にあたる気
流速V人1(m/s)、人の着衣量Clo、人の活動量
metによって決まる。図16の室内にいる人の位置で
の快適性の評価指数であるPMVの算出は図17のフロ
ーチャートで行われる。図17でTh吸は吸込温度、T
h吹は吹出温度、44は人の着衣量であるClo値を推
論するモード、45はPMV値計算モードである。人の
着衣量であるClo値を推論するモード44は、例えば
空気調和装置使用者がリモコンで設定した温度Trem
でPMV=0となる着衣量Cloを6要素の相関から推
論するフローである。また45は連続運転中のPMV値
を計算して第1設定温度PMV=−1となる目標温度を
決定するフローである。この様に吸込温度検出手段と吹
出温度検出手段、但しセンサーとしては吹出温度を直接
測る方法と熱交換器の管温度を直接測る方法がある、と
リモコン設定温度から快適評価指数を算出するが、評価
指数を算出する6変数のうち、 あらかじめ3変数は、
すなわち相対湿度Φ人は60%、T輻はT人と同じ、人
の活動量metは1.0として固定しておく。但し、人
の活動量と着衣量は相互に関係しているので一方を変化
させれば良い。
【0077】S11は制御器34に設けられたマイコン
の記憶手段および演算手段で推論および計算をスタート
させるステップ、S12は対人位置における空気の相対
湿度Φ人と人の活動量metをあらかじめ設定された定
数として取り込むステップ、S13はエアコンを起動し
た時や人がリモコン設定温度Tremを変化させた時か
どうかを判断するステップ、ステップ13で起動時また
はリモコン設定値が変化していると判断されればS14
ではリモコン設定温度Trem、すなわちユーザー設定
値を読み込むステップ、S15は室内送風機の風量の設
定値である強Hi,弱Mi,静Loを読み込むステッ
プ、S16はマイコンの記憶手段に記憶されている距離
と風量の特性を読みだしステップ15で読み込まれた風
量の設定値と固定値である2mの位置の風速、すなわち
人のいる位置の気流の速度V人lを演算するステップ、
S17はリモコン設定温度Tremを人のいる位置の空
気の温度T人とするステップ、S18は人のいる位置の
空気の温度T人を部屋周囲から人にあたる放射温度T輻
とするステップ、S19は人のいる位置の温度と評価指
数に基づく着衣量の関係をあらかじめ実験などで求め記
憶されたデータから、人の着衣量Cloを推論するステ
ップで有る。このステップ19ではリモコン設定温度に
基づきPMV=0の時の人の着衣量を算出するが、この
演算ではステップ16で求めた人のいる位置での気流速
度に応じて人の着衣量を算出する記憶されたデータは変
化する。なおフローチャートのS14からS19までの
処理44は着衣量を推論し仮に学習させているモード
で、PMV=0となる温度を人がリモコンで設定すると
PMVの6変数から着衣量を逆に推論している。
【0078】ステップ14からステップ19まではリモ
コン設定温度を人のいる位置の空気温度と仮定し、更に
距離を2mと設定した上で人の着衣量を仮に推論してい
る。この推論を基に、あるいは起動時でなくリモコン設
定温度を変化させないと判断した時にはステップ20へ
行く。起動時でなくリモコン設定温度を変化させないと
判断した時とは連続運転中であり、あるいは人の着衣量
は既に分かっている状態である。S20は吸込温度を検
出し読み込むステップ、S21は吹出温度を検出し読み
込むステップ、S22は室内送風機の風量設定、強H
i,弱Mi,静Loを読み込むステップ、S23はマイ
コンの記憶手段に記憶されている距離と風量の特性を読
みだしステップ22で読み込まれた風量の設定値と固定
値である2mの位置の風速、すなわち人のいる位置の気
流の速度V人lを演算するステップ、S24は人のいる
位置での空気温度を既に述べてきた基準値X=3/4を
使用して推論するステップである。但しこの場合も距離
2mを仮定している。S25は人のいる位置の空気の温
度T人を部屋周囲から人にあたる放射温度T輻とするス
テップ、S26はステップ24で求めた人のいる位置の
空気の温度T人1とステップ23で求めた気流速度から
評価指数PMV値を計算するステップ、S27はステッ
プ26の演算に仕様したデータより目標温度T1で有る
Ts1−ΔTLを評価指数PMV=−1から逆に求める
ステップである。
【0079】ステップ20からステップ27にいたるフ
ロー45は目標温度T人1を決定するループで、連続運
転中の評価指数PMV=0で有る第1の設定温度Ts1
を求めるとともに、PMV=−1の目標温度を求めるこ
とが出来る。これにより計測した温度値が各評価指数に
達した時の温度に相当する時は前に述べたような動作を
行うことが出来る。ステップ27からステップ12への
繰り返しが運転中行われており、時間毎に必要な制御内
容が判断される。更にまた、上記フローの説明では距離
を2mに固定した運転が行われてきたが、計測された温
度と推論された快適性指数の温度との差があらかじめ設
定された時間を経過しても大幅に異なったり、到達しな
い場合は計測値に推論値を近づける様に、すなわちステ
ップ27にて妥当な数値が得られるように、ステップ4
4で着衣量Cloを変えてこのフローでの演算が行われ
る。また更に距離を変更して推論値に近づけることが出
来る。
【0080】図18、図19は目標温度としてあらかじ
め設定された時間を使用する場合の設定の方法を説明す
る図である。図18は急速対人冷却を行う第1のモード
から第2のモードへ切り替わる温度としての時間を外気
温度検出手段40で計測された温度とリモコンで設定さ
れた温度との温度差により変化させることを示してい
る。すなわち起動時の温度差が4度、例えば外気温度が
30度に対しリモコンで設定された温度が26度の場合
であれば急速対人冷却モードの期間を10分とする。更
にまた、第1または第2モードからマイルド冷房である
モードへの切替えは図19のように吸込温度の時間変化
率(min/゜C)により行うことが出来る。これらに
より先に述べた実験結果に対し運転時の条件で補正でき
るのでより好ましい快適性を得る運転が可能になる。
【0081】図20は今まで説明してきた対空間冷却+
対人快適維持モードやマイルド冷房モードあるいは暖房
時の急速暖房モード以外の運転に対し、圧縮機や室内送
風機の運転を温度に応じて変化させる制御内容を説明す
る図である。図20のごとく対人位置温度とリモコンに
よる設定温度との差を検出して圧縮機周波数とファンの
風量、すなわち回転数を変化させる。これにより温度に
応じて精度の良い制御が可能になる。
【0082】この発明は、室内機に室内熱交換器、室内
送風機、吸込口、吹出口、吹出口から吹き出された空気
を上下方向に分岐または偏向する上下風向制御手段、室
内空気温度検出手段、吹出温度検出手段、室内送風量検
出手段と、室外機に圧縮機、膨張弁、四方弁、室外熱交
換器、室外送風機、制御器と、室内送風機の送風量から
対人位置気流速度を算出する対人位置気流速度算出手段
と、室内空気温度と吹出温度から対人位置温度を算出す
る対人位置温度算出手段と、あらかじめ設定した温度を
記憶する設定温度記憶装置と、あらかじめ設定した温度
で人が暑くも寒くもない快適性となる着衣量を算出する
着衣量算出手段と、対人位置温度と対人位置気流速度と
着衣量から快適性を算出する快適性算出手段と、人が寒
く感じる快適性を記憶する快適性記憶装置と、吹出口か
らの送風が対人方向に固定された状態で、快適性算出手
段で算出された快適性が快適性記憶装置に記憶された快
適性になったことを検出し、圧縮機周波数を制御して蒸
発温度または吹出温度を高温化できる制御手段を有する
ものである。
【0083】以上の発明から明らかなように、本発明に
係わる空気調和装置は、室内機に室内熱交換器、室内送
風機、吸込口、吹出口、前記吹出口から吹き出された空
気を分岐または偏向する風向制御手段、室内空気温度検
出手段、吹出温度検出手段、室内送風量検出手段と、室
外機に圧縮機、膨張弁、四方弁、室外熱交換器、室外送
風機、制御器と、対人位置温度算出手段と、対人位置温
度を基に冷房起動時は対人冷却、人が十分に冷却された
後は対空間冷却に移る制御手段を有するものである。こ
の結果、空気調和装置使用者の快適性を確保し、かつ吸
込温度の高温化から空気調和装置が処理すべき外界から
侵入する冷房負荷が低減し、吹出温度の高温化により冷
凍サイクルの効率向上によってCOPが向上することで
省エネルギー性を向上できる空気調和装置を得ることが
できる。
【0084】また、室内機に室内熱交換器、室内送風
機、吸込口、吹出口、前記吹出口から吹き出された空気
を分岐または偏向する風向制御手段、室内空気温度検出
手段、吹出温度検出手段、室内送風量検出手段と、室外
機に圧縮機、膨張弁、四方弁、室外熱交換器、室外送風
機、制御器と、対人位置温度算出手段と、対人位置温度
を基に対人冷却を行う制御手段を有するものである。こ
の結果、空気調和装置使用者の快適性を確保し、かつ吸
込温度の高温化から空気調和装置が処理すべき外界から
侵入する冷房負荷が低減し、吹出空気温度の高温化によ
り冷凍サイクルの効率向上によってCOPが向上するこ
とで省エネルギー性を向上できる空気調和装置を得るこ
とができる。
【0085】また、室内機に室内熱交換器、室内送風
機、吸込口、吹出口、前記吹出口から吹き出された空気
を上下方向に分岐または偏向する上下風向制御手段、室
内空気温度検出手段、吹出温度検出手段、室内送風量検
出手段と、室外機に圧縮機、膨張弁、四方弁、室外熱交
換器、室外送風機、制御器と、室内送風機の送風量から
対人位置気流速度を算出する対人位置気流速度算出手段
と、室内空気温度と吹出温度から対人位置温度を算出す
る対人位置温度算出手段と、あらかじめ設定された温度
を第1の設定温度として記憶する第1の設定温度記憶装
置と、空気調和装置制御のために設定された温度を第2
の設定温度として記憶する第2の設定温度記憶装置と、
第1の設定温度で人が暑くも寒くもない快適性となる着
衣量を算出する着衣量算出手段と、対人位置温度と対人
位置気流速度と着衣量から快適性を算出する快適性算出
手段と、人が寒く感じる快適性を第1の快適性として、
人が暑くも寒くもない快適性を第2の快適性として記憶
する快適性記憶装置と、前記吹出口からの送風が対人方
向に固定された状態で前記快適性算出手段で算出された
快適性が第1の快適性になったことを検出し、快適性が
第1の快適性を下限とし第2の快適性を上限とする快適
性範囲にあるように前記上下風向制御手段を往復駆動さ
せ、室内空気温度が第2の設定温度になったことを検出
し、前記上下風向制御手段を水平または上向き方向に固
定する位置に駆動させ、前記室内送風機および圧縮機周
波数を制御して、蒸発温度または吹出温度を高温化でき
る制御手段を有するものである。この結果、空気調和装
置使用者の快適性を確保し、かつ吸込温度の高温化から
空気調和装置が処理すべき外界から侵入する冷房負荷が
低減し、吹出温度の高温化により冷凍サイクルの効率向
上によってCOPが向上することで省エネルギー性を向
上できる空気調和装置を得ることができる。
【0086】また、室内機に室内熱交換器、室内送風
機、吸込口、吹出口、前記吹出口から吹き出された空気
を上下方向に分岐または偏向する上下風向制御手段、室
内空気温度検出手段、吹出温度検出手段、室内送風量検
出手段と、室外機に圧縮機、膨張弁、四方弁、室外熱交
換器、室外送風機、制御器と、室内送風機の送風量から
対人位置気流速度を算出する対人位置気流速度算出手段
と、室内空気温度と吹出温度から対人位置温度を算出す
る対人位置温度算出手段と、あらかじめ設定した温度を
記憶する設定温度記憶装置と、あらかじめ設定した温度
で人が暑くも寒くもない快適性となる着衣量を算出する
着衣量算出手段と、対人位置温度と対人位置気流速度と
着衣量から快適性を算出する快適性算出手段と、人が寒
く感じる快適性を記憶する快適性記憶装置と、前記吹出
口からの送風が対人方向に固定された状態で、前記快適
性算出手段で算出された快適性が前記快適性記憶装置に
記憶された快適性になったことを検出し、圧縮機周波数
を制御して蒸発温度または吹出温度を高温化できる制御
手段を有するものである。この結果、空気調和装置使用
者の快適性を確保し、かつ吸込温度の高温化から空気調
和装置が処理すべき外界から侵入する冷房負荷が低減
し、吹出温度の高温化により冷凍サイクルの効率向上に
よってCOPが向上することで省エネルギー性を向上で
きる空気調和装置を得ることができる。
【0087】実施の形態5.上記説明では、圧縮機によ
り冷媒を循環させる冷凍サイクルの熱源を使用する構成
を示したが、このような冷凍サイクルでなくとも良く、
吸収式他のような熱源であっても良いことは当然であ
る。また冷媒として、R134a、R32等のハイドロ
フルオロカーボンを主成分とする冷媒や自然冷媒である
炭化水素系など、あるいは、炭酸ガスやアンモニア、空
気、水などまたは各種冷媒の組み合わせを使用し室内熱
交換器へ温熱や冷熱を供給することによりファンにより
循環する室内空気の温度や湿度を調整することが出来
る。熱源サイクルの異なる2次ループを使用した例を図
21に示す。図21にて図1と同一符号は同一のものを
示す。26は室外機本体9に配置され熱源である圧縮機
を駆動源とする冷凍サイクルの発生する温冷熱を熱交換
する1次2次熱交換器、27は室外機に収められ1次回
路の熱源媒体であるフロンを冷媒として循環させた冷凍
サイクルの熱を負荷のある室内に設置された室内機本体
に循環する水を配管29を介して2次回路に循環させる
水ポンプ、28は室内機本体1に収納された室内熱交換
器2の蒸発温度である管温を計測する管温センサーであ
る。
【0088】室内機、すなわち負荷側の動作は今までの
実施の形態の例と同一であり説明を省略する。図21で
は圧縮機10が高温高圧の冷媒を吐出し、凝縮器である
室外熱交換器13で室外送風機14で冷却した冷媒を膨
張弁11で圧力を下げて低温にして圧縮機10へ戻す。
この1次回路から1次2次熱交換器26にて2次回路へ
冷熱を伝える。水ポンプ27は1次2次熱交換器で伝熱
された冷熱を配管29の中を流れる冷媒の水により制御
器15の指令により運転して室内機へ循環させる。この
方式では熱源サイクルと負荷側サイクルが分離して運転
できるのでフレキシブルな動作が可能になり、例えば、
1台の熱源サイクルに複数の負荷側サイクルを使うこと
等も出来る。
【0089】実施の形態6.図22は本発明の実施の形
態6の一例を示す通信手段を表す回路図である。ここで
は図16に示すリモコン49で指示するリモコン設定温
度Tremを住居外、例えば自宅から遠く離れたオフィ
ス等から設定する例を示す。図22にて、56は通信手
段53と変復調手段54と電灯線57と結合する結合手
段55とを含み、制御手段52と電灯線57との間の信
号を処理する電灯線通信インターフェースである。58
は電灯線に重畳された信号と外部の音声信号とを相互に
変換する手段、電灯線通信インターフェース59、マイ
コン61、モデム62を内蔵したコントローラである。
63は音声信号を伝達する電話局、64は携帯電話、6
0は電話回線ではなく無線を使用する場合に使用する無
線通信インターフエースで有る。室内機本体1の中の室
内制御器34には制御手段であるマイコンが設けられて
いる。このマイコンにより各機能の制御51が行われ、
設定温度記憶装置の設定された温度を変更することが出
来る。
【0090】通信手段53はコントローラ58より発振
された自分当ての受信電文を選別して内容をマイコン5
2へ伝える。また逆にマイコン52の指示により送信電
文を組み立てコントローラ58へ送信する。電文は例え
ば発信元アドレス、送信先アドレス、内容、例えば設定
温度などで構成される。変復調手段54はディジタル信
号をアナログ信号へ、また逆にアナログ信号をディジタ
ル信号へ決められた変調方式によりデータを変調する変
調回路である。変調方式としては振幅変調あるいは位相
変調が用いられ、電灯線の交流電力へ重畳される信号の
周波数帯は電波法に基づく50−450KHzを使用し
ている。結合手段55は電灯線との間で絶縁を行ってい
る。電灯線に伝わった信号は屋内または屋外に設けられ
た通信インターフェース59を備えたコントローラ58
によりモデム62、電話局などを介して電話回線や衛星
回線等により携帯電話64や、場合によっては空調装置
の集中管理をしているサービスセンターなどへ電文が伝
送される。また逆にサービスセンターなどから電文が各
指定された装置へ送信される。
【0091】これにより各装置に対し特別な通信用の配
線など使用しなくとも既存の電灯線に信号を乗せて通信
が行える。この様に外出先から空調装置の運転の状態や
設定温度を見ることが出来、スイッチの切れ忘れの処理
や、帰宅前に運転状態を設定できるなど有用な使用方法
が可能になる。また、R32や炭化水素などの可燃性冷
媒を使用した冷凍サイクルで、冷媒漏れ検出センサーを
付けて監視しているようなケースでは、サービスセンタ
ーで、常時、すなわち、電源に接続されている空調装置
の異常監視を行うことが出来る。この例では通信手段に
電灯線を使用した構成を説明したが既存の電話回線を直
接室内機本体に取り付けたり、ISDN回線などによる
インターネットや電子メール、無線通信、赤外線通信な
どによっても良いことは当然である。これらの外部との
相互通信により、空調装置の信頼性の向上や多様な使い
方が可能になるなど魅力的な商品を提供できる。
【0092】
【発明の効果】請求項1に関るこの発明の空気調和装置
は、温熱または冷熱を発生させる熱源サイクルから循環
される冷媒と室内空気との間で熱を交換させる負荷側熱
交換器と、負荷側熱交換器に室内から吸込口を通して吸
い込んだ室内空気を送風する室内送風機と、室内送風機
にて送風され熱交換された空気を室内へ吹出す吹出口
と、吹出口から吹き出された空気の室内への吹出方向を
変更可能とする風向変更手段と、吸込口に吸込まれる空
気の吸込温度または室内空気の温度、および吹出口から
吹出される空気の吹出温度または負荷側熱交換器の温度
を検出する複数の温度検出手段と、複数の温度検出手段
の検出した温度により室内の人のいる位置空間の温度を
算出する対人位置温度算出手段と、対人位置温度算出手
段にて室内の人のいる位置空間の算出された温度が目標
値となるように人のいる位置空間へ送風する運転を行
い、目標値に到達後は人のいない位置空間への送風に前
記風向変更手段を切り替える制御手段と、を備えたの
で、速やかに人がいる位置に快適な空調を行うととも
に、人のいない位置にも必要な空調が行えるので室内を
快適に保つことが出来る。
【0093】請求項2に関るこの発明の空気調和装置
は、温熱または冷熱を発生させる熱源サイクルから循環
される冷媒と室内空気との間で熱を交換させる負荷側熱
交換器と、負荷側熱交換器に室内から吸込口を通して吸
い込んだ室内空気を送風する室内送風機と、室内送風機
にて送風され熱交換された空気を室内へ吹出す吹出口
と、吹出口から吹き出された空気の室内への吹出方向を
変更可能とする風向変更手段と、吸込口に吸込まれる空
気の吸込み温度または室内空気の温度、および前記吹出
口から吹出される空気の吹出温度または負荷側熱交換器
の温度を検出する複数の温度検出手段と、複数の温度検
出手段の検出した温度により室内の人のいる位置の温度
を算出する対人位置温度算出手段と、対人位置温度算出
手段にて室内の人のいる位置の算出された温度が目標の
温度幅となるように人のいる位置空間と人のいない位置
空間へ風向変更手段を交互に切り替える制御手段と、を
備えたので、人のいる位置での快適性を速やかに得ると
ともに周囲の空調を行い人の快適性を保つことが出来
る。
【0094】請求項3に関るこの発明の空気調和装置
は、温熱または冷熱を発生させる熱源サイクルから循環
される冷媒と室内空気との間で熱を交換させる負荷側熱
交換器と、負荷側熱交換器に室内から吸込口を通して吸
い込んだ室内空気を送風する室内送風機と、室内送風機
にて送風され熱交換された空気を室内へ吹出す吹出口
と、吹出口から吹き出された空気の室内への吹出方向を
変更可能とする風向変更手段と、吸込口に吸込まれる空
気の吸込温度または室内空気の温度、および吹出口から
吹出される空気の吹出温度および負荷側熱交換器の温度
を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出した温
度により室内の人のいる位置の温度を算出する対人位置
温度算出手段と、対人位置温度にたいし第1の目標値で
ある温度を設定する第1の温度設定手段と、温度検出手
段により検出される温度にたいし第2の目標値を設定す
る第2の温度設定手段と、第1および第2の温度設定手段
の目標値に到達するように、風向変更手段を切り替える
制御手段と、を備え、装置起動時または設定温度を変更
した際に第1の目標値を第2の目標値より優先させるの
で、いつでも望ましい空調状態をえることができる。
【0095】請求項4に関るこの発明の空気調和装置
は、吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
の温度があらかじめ設定された第2の目標値に到達する
までは、対人位置温度算出手段にて室内の人のいる位置
の算出された温度が目標値となるように運転するので、
望みの空調状態を必要な間得ることができる。
【0096】請求項5に関るこの発明の空気調和装置
は、吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
の温度があらかじめ設定された第2の目標値に到達する
までは、熱源サイクルの運転状態または室内送風機の回
転数を変化させて対人位置温度算出手段にて室内の人の
いる位置の算出された温度が目標値となるように運転す
るので、人のいる位置での快適性の空調状態を時間変化
に伴った状態で少ないエネルギーで良い環境を得ること
ができる。
【0097】請求項6に関るこの発明の空気調和装置
は、吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
の温度を検出する温度検出手段を室内の上部に設け、対
人位置温度算出手段の室内の人のいる位置の目標値の温
度と第2の目標値の温度は一定値の差が有るので、無駄
な空調負荷の処理をしなくて済、経済的な装置が得られ
る。
【0098】請求項7に関るこの発明の空気調和装置
は、対人位置温度算出手段の室内の人のいる位置の目標
値は、人が環境に対して暑さ寒さを感じる温冷感を評価
する指標とし、第2の目標値の設定された温度とは別個
に設定されるので、大抵の人は常に快適に生活できる。
【0099】請求項8に関るこの発明の空気調和装置
は、室内の人がいる位置の温度の目標値は、対人位置と
吹出口との距離または対人位置に存在する人の状態を推
測して変化させるので、実際に空気調和装置が設置され
た環境の人の行動や状態に応じた空調状態を提供でき
る。
【0100】請求項9に関るこの発明の空気調和装置
は、冷房時に吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または
室内空気の温度を検出する検出手段の検出する温度に対
する目標値は28度近傍に設定されているので、壁の外か
らの進入熱量が減り経済的な装置が得られる。
【0101】請求項10に関るこの発明の空気調和装置
は、室内の人のいる位置の温度に対する第1の目標値、
および吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空
気の温度を検出する温度に対する第2の目標値にたいし
て設定変更可能とするので、実際に空気調和装置が設置
された環境に応じて使用者が妥当と考えられる快適性と
経済性を提供できる。
【0102】請求項11に関るこの発明の空気調和装置
は、熱交換器にて空調された空気を送風する送風機と、
吸込口、吹出口を有し、送風機にて送風され吹出口から
吹き出される空気の方向を変える風向変更手段とを有す
る室内機と、吸込口近傍の室内の空気温度、および吹出
口の空気温度または熱交換器の温度を検出して人のいる
位置の空間の温度を算出する対人位置温度算出手段と、
対人位置温度算出手段で算出された温度により風向また
は吹出口の温度を変えて冷房を行う制御手段と、を備
え、対人位置温度算出手段は吸込口に吸込まれる空気の
吸込温度または室内空気の温度と吹出口の空気温度また
は熱交換器の温度との差と、人のいる位置の空間の温度
と吹出口から吹出される空気の温度または熱交換器の温
度との差と、の比が一定となるように算出したので、簡
単に人のいる空間の温度を推論できる。
【0103】請求項12に関るこの発明の空気調和装置
は、個々にに送風機にて送風され吹出口から吹き出され
る空気の方向を変える風向変更手段とを有する複数の室
内機と、各室内機個々または特定の数の室内機をまとめ
た室内ブロック毎に対応して設けられ個々の室内機また
は室内ブロックの運転状態または目標値を送受信可能な
情報送受信手段と、情報送受信手段との間で情報を送受
信して個々の室内機または室内ブロックの運転状態また
は目標値を設定可能な集中コントローラと、を備えたの
で、使用者に望ましい空調状態を提供できる。
【0104】請求項13に関るこの発明の空気調和方法
は、冷房運転を起動または設定温度を変化させた際に、
人のいる位置の空間に気流を向けて低い温度の空気を送
風するステップと、人のいる位置の空間の温度を、室内
の高温部の空気温度と吹出口の空気温度から推定するス
テップと、人のいる位置の空間の温度が目標値に到達し
たと判断した場合、温熱または冷熱を発生させる熱源サ
イクルの運転状態を制御して吹出す空気の温度を変える
ステップと、を備えたので簡単な方法で快適性と経済性
を両立できる。
【0105】請求項14に関るこの発明の空気調和方法
は、室内の高温部の空気温度と吹出口の空気温度の差
と、人のいる位置の空間の温度と吹出口の空気温度との
差と、の比が一定となるように算出するステップと、を
備えたので、簡単に人のいる位置の空間の温度を求める
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態による空気調和装置
を示す構成図である。
【図2】 この発明の一実施の形態による制御ブロック
図である。
【図3】 この発明の一実施の形態による制御ブロック
図である。
【図4】 この発明の一実施の形態による制御ブロック
図である。
【図5】 この発明の一実施の形態による空気調和装置
を使用した実験構成説明図である。
【図6】 この発明の一実施の形態による空気調和装置
の気流計測説明図である。
【図7】 この発明の一実施の形態による空気調和装置
の特性説明図である。
【図8】 この発明の一実施の形態による空気調和装置
の制御方法説明図である。
【図9】 この発明の他の実施の形態による空気調和装
置の制御フローチャートである。
【図10】 この発明の他の実施の形態の空気温度実測
説明図である。
【図11】 この発明の他の実施の形態の空気温度実測
説明図である。
【図12】 この発明の他の実施の形態の温冷感変化実
測説明図である。
【図13】 この発明の他の実施の形態の温冷感変化実
測説明図である。
【図14】 この発明の他の実施の形態による空気調和
装置の特性説明図である。
【図15】 この発明の他の実施の形態にかかわる制御
ロジックの説明図である。
【図16】 この発明の他の実施の形態による空気調和
装置の運転方法説明図である。
【図17】 この発明の他の実施の形態による空気調和
装置の制御フローチャートである。
【図18】 この発明の他の実施の形態の時間設定方法
説明図である。
【図19】 この発明の他の実施の形態の時間設定方法
説明図である。
【図20】 この発明の他の実施の形態の圧縮機および
送風機の運転状態設定説明図である。
【図21】 この発明の他の実施の形態の空気調和装置
の構成図である。
【図22】 この発明の他の実施の形態による通信手段
を表す回路図である。
【図23】 従来の空気調和装置の構成図である。
【図24】 従来の空気調和装置の制御ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1:室内機本体 2:室内熱交換器 3:室内送風機
4:吸込口 5:吹出口6:上下風向制御手段 7:吹
出温度検出手段 8:室内空気温度検出手段 9:室外
機本体 10:圧縮機 11:膨張弁 12:四方弁
13:室外熱交換器 14:室外送風機 15:制御器
16:送風量検出手段 17:対人位置気流速度算出
手段 18:対人位置温度算出手段 19:第1の設定
温度記憶装置 20:第2の設定温度記憶装置 21:
着衣量算出手段 22:快適性算出手段 23:快適性
記憶装置 24:送風量制御手段 25:蒸発温度・吹
出温度制御手段 30:室内 31:壁面 32:天井
面 33:冷媒配管 34:室内制御器 35:室温制
御位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 文雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 飯島 等 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3L060 AA03 AA06 CC01 CC02 CC04 CC11 DD02 DD08 EE04 EE05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温熱または冷熱を発生させる熱源サイク
    ルから循環される冷媒と室内空気との間で熱を交換させ
    る負荷側熱交換器と、前記負荷側熱交換器に室内から吸
    込口を通して吸い込んだ室内空気を送風する室内送風機
    と、前記室内送風機にて送風され熱交換された空気を室
    内へ吹出す吹出口と、前記吹出口から吹き出された空気
    の室内への吹出し方向を変更可能とする風向変更手段
    と、前記吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内
    空気の温度、および前記吹出口から吹出される空気の吹
    出温度または負荷側熱交換器の温度を検出する複数の温
    度検出手段と、前記複数の温度検出手段の検出した温度
    により室内の人のいる位置空間の温度を算出する対人位
    置温度算出手段と、前記対人位置温度算出手段にて室内
    の人のいる位置空間の算出された温度が目標値となるよ
    うに人のいる位置空間へ送風する運転を行い、前記目標
    値に到達後は人のいない位置空間への送風に前記風向変
    更手段を切り替える制御手段と、を備えたことを特徴と
    する空気調和装置。
  2. 【請求項2】 温熱または冷熱を発生させる熱源サイク
    ルから循環される冷媒と室内空気との間で熱を交換させ
    る負荷側熱交換器と、前記負荷側熱交換器に室内から吸
    込口を通して吸い込んだ室内空気を送風する室内送風機
    と、前記室内送風機にて送風され熱交換された空気を室
    内へ吹出す吹出口と、前記吹出口から吹き出された空気
    の室内への吹出方向を変更可能とする風向変更手段と、
    前記吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
    の温度、および前記吹出口から吹出される空気の吹出温
    度または負荷側熱交換器の温度を検出する複数の温度検
    出手段と、前記複数の温度検出手段の検出した温度によ
    り室内の人のいる位置の温度を算出する対人位置温度算
    出手段と、前記対人位置温度算出手段にて室内の人のい
    る位置の算出された温度が目標の温度幅となるように人
    のいる位置空間と人のいない位置空間へ前記風向変更手
    段を交互に切り替える制御手段と、を備えたことを特徴
    とする空気調和装置。
  3. 【請求項3】 温熱または冷熱を発生させる熱源サイク
    ルから循環される冷媒と室内空気との間で熱を交換させ
    る負荷側熱交換器と、前記負荷側熱交換器に室内から吸
    込口を通して吸い込んだ室内空気を送風する室内送風機
    と、前記室内送風機にて送風され熱交換された空気を室
    内へ吹出す吹出口と、前記吹出口から吹き出された空気
    の室内への吹出方向を変更可能とする風向変更手段と、
    前記吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気
    の温度、および前記吹出口から吹出される空気の吹出温
    度または負荷側熱交換器の温度を検出する温度検出手段
    と、前記温度検出手段の検出した温度により室内の人の
    いる位置の温度を算出する対人位置温度算出手段と、前
    記対人位置温度にたいし第1の目標値である温度を設定
    する第1の温度設定手段と、前記温度検出手段により検
    出される温度に対し第2の目標値を設定する第2の温度
    設定手段と、前記第1および第2の温度設定手段の目標値
    に到達するように、前記風向変更手段を切り替える制御
    手段と、を備え、装置起動時または設定温度を変更した
    際に第1の目標値を第2の目標値より優先させることを特
    徴とする空気調和装置。
  4. 【請求項4】 吸込口に吸込まれる空気の吸込温度また
    は室内空気の温度があらかじめ設定された第2の目標値
    に到達するまでは、対人位置温度算出手段にて室内の人
    のいる位置の算出された温度が目標値となるように運転
    することを特徴とする請求項1または2または3記載の空
    気調和装置。
  5. 【請求項5】 吸込口に吸込まれる空気の吸込温度また
    は室内空気の温度があらかじめ設定された第2の目標値
    に到達するまでは、熱源サイクルの運転状態または室内
    送風機の回転数を変化させて対人位置温度算出手段にて
    室内の人のいる位置の算出された温度が目標値となるよ
    うに運転することを特徴とする請求項1または2または3
    記載の空気調和装置。
  6. 【請求項6】 吸込口に吸込まれる空気の吸込温度また
    は室内空気の温度を検出する温度検出手段を室内の上部
    に設け、対人位置温度算出手段の室内の人のいる位置の
    目標値の温度と第2の目標値の温度は一定値差が有るこ
    とを特徴とする請求項3または4または5記載の空気調
    和装置。
  7. 【請求項7】 対人位置温度算出手段の室内の人のいる
    位置の目標値は、人が環境に対して暑さ寒さを感じる温
    冷感を評価する指標として、第2の目標値の設定された
    温度とは別個に設定されることを特徴とすること請求項
    3または4または5または6記載の空気調和装置。
  8. 【請求項8】 室内の人のいる位置の温度の目標値は、
    対人位置と吹出口との距離または前記対人位置に存在す
    る人の状態を推測して変化させることを特徴とする請求
    項3乃至7の内の少なくとも1記載の空気調和装置。
  9. 【請求項9】 冷房時に吸込口に吸込まれる空気の吸込
    温度または室内空気の温度を検出する検出手段の検出す
    る温度に対する目標値は28度近傍に設定されていること
    を特徴とする請求項3乃至8のうちの少なくとも1記載
    の空気調和装置。
  10. 【請求項10】 室内の人のいる位置の温度に対する第
    1の目標値、および吸込口に吸込まれる空気の吸込温度
    または室内空気の温度を検出する検出手段の検出する温
    度に対する第2の目標値に対して、設定変更可能とする
    ことを特徴とする請求項1乃至7の内の少なくとも1記
    載の空気調和装置。
  11. 【請求項11】 熱交換器にて空調された空気を送風す
    る送風機と、吸込口、吹出口を有し、前記送風機にて送
    風され前記吹出口から吹き出される空気の方向を変える
    風向変更手段とを有する室内機と、吸込口近傍の室内の
    空気温度、および吹出口の空気温度または熱交換器温度
    を検出して人のいる位置の空間の温度を算出する対人位
    置温度算出手段と、対人位置温度算出手段で算出された
    温度により風向または吹出口の温度を変えて冷房を行う
    制御手段と、を備え、前記対人位置温度算出手段は前記
    吸込口に吸込まれる空気の吸込温度または室内空気の温
    度と吹出口の空気温度または熱交換器の温度との差と、
    人のいる位置の空間の温度と吹出口から吹出される空気
    の温度または熱交換器の温度との差と、の比が一定とな
    るように算出したことを特徴とする空気調和装置。
  12. 【請求項12】 個々に送風機にて送風され吹出口から
    吹き出される空気の方向を変える風向変更手段とを有す
    る複数の室内機と、各室内機個々または特定の数の室内
    機をまとめた室内ブロック毎に対応して設けられ個々の
    室内機または室内ブロックの運転状態または目標値を送
    受信可能な情報送受信手段と、前記情報送受信手段との
    間で情報を送受信して個々の室内機または室内ブロック
    の運転状態または目標値を設定可能な集中コントローラ
    と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至11の内の
    少なくとも1記載の空気調和装置。
  13. 【請求項13】 冷房運転を起動または設定温度を変化
    させた際に、人のいる位置の空間に送風機からの気流を
    向けて低い温度の空気を吹出すステップと、人のいる位
    置の空間の温度を室内の高温部の空気温度と吹出口の空
    気温度から推定するステップと、人のいる位置の空間の
    温度が目標値に到達したと判断した場合、温熱または冷
    熱を発生させる熱源サイクルの運転状態を制御して吹出
    す空気の温度を変えるステップと、を備えたことを特徴
    とする空気調和方法。
  14. 【請求項14】 室内の高温部の空気温度と吹出口の空
    気温度の差と、人のいる位置の空間の温度と吹出口の空
    気温度との差と、の比が一定となるように算出するステ
    ップと、を備えたことを特徴とする請求項12記載の空
    気調和方法。
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