JP2001173892A - フロート式ドレントラップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 多量の低圧ドレンを素早く排出できるフロー
ト式ドレントラップを提供する。 【解決手段】 弁室３の下部側壁に弁室３と出口６を連
通する開口７と常開のオリフィス１６を設ける。開口７
及びオリフィス１６の出口６側に、弁室３と出口６を連
通する弁孔９を設けると共に絞り部材１７を設けた弁座
１０を進退可能に配置する。弁座１０の背面に弁室３か
ら連通路１１を介して入口４側の流体を導入する入口室
１２を形成し、入口室１２にばね１３を配置する。ばね
１３は、その両側を夫々弁座１０とプラグ１４に連結
し、弁座１０が開口７を開くと共にオリフィス１６の通
過面積を大きくする開弁力として作用する。弁座１０は
低圧時にプラグ１４側に変位して開口７を開くと共にオ
リフィス１６の通過面積を大きくし、高圧時に弁室３側
に変位して開口７を閉じると共にオリフィス１６の通過
面積を絞る。弁室３内に中空球形のフロート１５を自由
状態で配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、気体と液体の比重
差を利用して開放又は密閉のフロートで弁手段を駆動し
て弁孔を開閉することにより、蒸気や圧縮空気及びガス
配管系に発生する復水や凝縮水等のドレンを自動的に排
出するフロート式ドレントラップに関し、特にドレン排
出容量を大きくしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】ドレン排出容量を大きくしたフロート式
ドレントラップは、例えば特開平１０−１４１５９３号
公報に示されている。当該公報から理解されるように、
入口と出口を有するケーシング内に弁室を形成し、弁室
と出口を連通する弁孔を開けた弁座を弁室下部に設け、
弁室内に配置したフロートで弁部材を駆動して弁孔を開
閉するものにおいて、弁室と出口を連通する常開のオリ
フィスを弁室下部に設けたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のフロート式
ドレントラップは、ドレン排出容量を大きくでき優れた
ものであるが、オリフィスの通過面積が一定であるため
に、特に配管系の初期立ち上げ時のように入口側の流体
圧力が低圧で多量のドレンが発生する場合にドレン排出
に時間が掛かると言う問題点があった。

【０００４】従って、本発明の技術的課題は、多量の低
圧ドレンを素早く排出できるフロート式ドレントラップ
を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための技術的手段】上記の技術的課題
を解決するために講じた本発明の技術的手段は、入口と
出口を有するケーシング内に弁室を形成し、弁室と出口
を連通する開口及びオリフィスを弁室下部に設け、入口
側の流体圧力による閉弁力とばねによる開弁力によって
低圧時に開口を開くと共にオリフィスの通過面積を大き
くし高圧時に開口を閉じると共にオリフィスの通過面積
を絞るように開口及びオリフィスに対面して変位可能に
弁座を配置し、弁室と出口を連通する弁孔を弁座に設
け、弁孔を開閉するフロートを弁室内に配置したことを
特徴とするフロート式ドレントラップにある。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明のフロート式ドレントラッ
プは、入口側の流体圧力が低圧であるときは、ばねによ
る開弁力が入口側の流体圧力による閉弁力に打ち勝って
弁座が開口を開くと共にオリフィスの通過面積を大きく
している。これにより、多量の低圧ドレンを通過面積の
大きなオリフィス及び開口から素早く排出する。入口側
の流体圧力が高圧であるときは、入口側の流体圧力によ
る閉弁力がばねによる開弁力に打ち勝って弁座が開口を
閉じると共にオリフィスの通過面積を絞っている。そし
て、フロートがその浮上降下によって弁孔を開閉する。
これにより、ドレンを通過面積の絞られたオリフィスと
開かれた弁孔から排出する。このように、低圧時には通
過面積の大きなオリフィス及び開口からドレンを排出す
るので、多量の低圧ドレンを素早く排出できる。

【０００７】

【実施例】図１に本発明のフロート式ドレントラップの
実施例の断面図を示す。本実施例はフリーフロート式ス
チームトラップに適用したものである。フリーフロート
式スチームトラップのケーシングは本体１とこの本体１
に締結した蓋体２とで形成し、内部に弁室３を有する。
本体１は入口４と出口通路５と出口６を有し、入口４は
弁室３の上部に連通する。

【０００８】弁室３の下部側壁に弁室３と出口６を連通
する開口７を設けると共に弁室３と出口６を連通する常
開のオリフィス１６を設ける。開口７及びオリフィス１
６の出口６側に、弁室３と出口６を連通する弁孔９を設
けると共に絞り部材１７を設けた弁座１０を進退可能に
配置する。弁座１０の背面に弁室３から連通路１１を介
して入口４側の流体を導入する入口室１２を形成し、入
口室１２にばね１３を配置する。ばね１３は、その両側
を夫々弁座１０とプラグ１４に連結し、弁座１０が開口
７を開くと共にオリフィス１６の通過面積を大きくする
開弁力として作用する。弁座１０は低圧時にプラグ１４
側に変位して開口７を開けると共に絞り部材１７でオリ
フィス１６の通過面積を大きくし、高圧時に弁室３側に
変位して開口７を閉じると共に絞り部材１７でオリフィ
ス１６の通過面積を絞る。

【０００９】弁室３内に中空球形のフロート１５を自由
状態で配置する。フロート１５は、弁座１０が開口７を
閉じると共にオリフィス１６の通過面積を絞った高圧時
に弁孔９を開閉する。弁室３の下部は低圧時に通過面積
の大きなオリフィス１６及び開口７から出口通路５を介
して出口６に連通し、高圧時に通過面積の絞られたオリ
フィス１６及び開かれた弁孔９から出口通路５を介して
出口６に連通する。

【００１０】上記実施例のフリーフロート式スチームト
ラップの動作は下記の通りである。入口４側の流体圧力
が低圧であるときは、ばね１３による開弁力が入口４側
の流体圧力による閉弁力に打ち勝って弁座１０をプラグ
１４側に変位させ、開口７を開くと共にオリフィス１６
の通過面積を大きくしている。これにより、多量の低圧
ドレンを通過面積の大きなオリフィス１６及び開口７か
ら出口６に素早く排出する。入口４側の流体圧力が高圧
であるときは、入口４側の流体圧力による閉弁力がばね
１３による開弁力に打ち勝って弁座１０を弁室３側に変
位させ、開口７を閉じると共にオリフィス１６の通過面
積を絞っている。そして、フロート１５の浮上降下によ
って弁孔９を開閉する。これにより、ドレンを通過面積
の絞られたオリフィス１６と開かれた弁孔９から出口６
に排出する。このように、低圧時には通過面積の大きな
オリフィス１６及び開口７からドレンを排出するので、
多量の低圧ドレンを素早く排出できる。

【００１１】上記実施例では、本発明をフリーフロート
式スチームトラップに適用したが、レバーフロート式ス
チームトラップにも適用することができる。またフロー
ト式スチームトラップだけでなく、フロート式エアート
ラップやフロート式ガストラップにも適用することがで
きる。

【００１２】

【発明の効果】上記のように本発明は、入口側の流体圧
力が低圧であるときは、ばねによる開弁力が入口側の流
体圧力による閉弁力に打ち勝って弁座が開口を開くと共
にオリフィスの通過面積を大きくするものであるので、
多量の低圧ドレンを通過面積の大きなオリフィス及び開
口から素早く排出することができると言う優れた効果を
生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のフロート式ドレントラップをフリーフ
ロート式スチームトラップに適用した実施例の断面図。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 蓋体 ３ 弁室 ４ 入口 ６ 出口 ７ 開口 ９ 弁孔 １０ 弁座 １３ ばね １５ フロート １６ オリフィス １７ 絞り部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入口と出口を有するケーシング内に弁室
   を形成し、弁室と出口を連通する開口及びオリフィスを
   弁室下部に設け、入口側の流体圧力による閉弁力とばね
   による開弁力によって低圧時に開口を開くと共にオリフ
   ィスの通過面積を大きくし高圧時に開口を閉じると共に
   オリフィスの通過面積を絞るように開口及びオリフィス
   に対面して変位可能に弁座を配置し、弁室と出口を連通
   する弁孔を弁座に設け、弁孔を開閉するフロートを弁室
   内に配置したことを特徴とするフロート式ドレントラッ
   プ。