JP2001173702A - ロータリダンパ - Google Patents

ロータリダンパ

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JP2001173702A
JP2001173702A JP35815699A JP35815699A JP2001173702A JP 2001173702 A JP2001173702 A JP 2001173702A JP 35815699 A JP35815699 A JP 35815699A JP 35815699 A JP35815699 A JP 35815699A JP 2001173702 A JP2001173702 A JP 2001173702A
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JP
Japan
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spring
rotary damper
circumferential direction
peripheral surface
shaft member
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JP35815699A
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English (en)
Inventor
Sukeyuki Kamei
資之 亀井
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Nakagawa Electric Ind Co Ltd
Original Assignee
Nakagawa Electric Ind Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力される回転力に対して制動作用を発揮する
ロータリダンパにおいて、構造が簡単であると共に、コ
ンパクトなサイズで有効な制動力を得ることの出来る新
規な構造のロータリダンパを提供することを目的とす
る。 【解決手段】円筒形の摺接内周面23を有するケース部
材12の内部に、回転可能な軸部材14を配設すると共
に、該軸部材14とケース部材12の摺接内周面23と
の対向面間に、該軸部材14の回転に伴って一体的に回
転する円弧状の拡開ばね38を収容した。そこにおい
て、軸部材14の回転作動の際に、該拡開ばね38とケ
ース部材12の摺接内周面23との間で摺動抵抗を発生
させることにより、軸部材14を介して伝動される回転
力を有効に制動し得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、入力される回転力に対して制動
作用を発揮するロータリダンパに係り、例えば、自動車
の灰皿やグラブボックス、ステレオ装置の開閉扉等のよ
うに付勢手段で開作動せしめられる開閉部材に装着され
て、該開閉部材における急激な作動を抑えることにより
滑らかな開作動を実現するロータリダンパに関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車の灰皿等の開閉部材に装
着されて、付勢手段による急激な開作動を抑えるための
ロータリダンパとしては、独国特許第3320069号
公報や独国特許第3605185号公報等に記載されて
いるように、オイルが充填されたハウジング内に回転軸
に固設された羽根を収容配置せしめて、オイルの粘性抵
抗を利用して回転軸に制動力を及ぼすオイル式ダンパが
知られている。しかしながら、このようなオイル式ダン
パでは、オイルを流体密に封入する必要があるために製
造が面倒で高コスト化が避けられないことに加えて、温
度変化に伴ってオイルの粘性抵抗が大幅に変化するため
に安定した回転制動力、ひいては開閉部材の円滑な操作
感が得られ難いという問題があった。
【0003】また、このような問題に対処するために、
実公平1−41940号公報や特開平8−233011
号公報等には、ハウジングの底面に重ね合わせられる摺
接円板を回転軸に固設すると共に、該摺接円板をハウジ
ング底面に向かって軸方向に押しつけるばね部材をハウ
ジング内に組み込むことによって、摺接円板とハウジン
グ底面の摺動抵抗を利用して回転軸に制動力を及ぼす摩
擦式ダンパが、提案されている。
【0004】ところが、かかる摩擦式ダンパにおいて
も、ハウジングの内部に摺接円板とばね部材をそれぞれ
組み込む必要があるために、部品点数の増加と、それに
伴う製作性の低下等は避けられないという問題があっ
た。しかも、摺接円板の内周部分は、ハウジング底面に
対する摺接面積が小さいために余り有効な制動力を得る
ことが出来ず、大きな制動力が要求される場合には、ハ
ウジングひいては摩擦式ダンパの径方向寸法の大形化が
避けられないという不具合もあったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、構造が簡単であると共に、コンパクトなサ
イズで有効な制動力を得ることの出来る、新規な構造の
ロータリダンパを提供することにある。
【0006】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0007】本発明の第一の態様は、円筒形の摺接内周
面を備えたケース部材の内部に、軸部材を中心軸回りに
回転可能に配設すると共に、それら軸部材とケース部材
の径方向対向面間に環状の収容領域を形成すると共に、
該収容領域に周方向に延びる円弧状の拡開ばねを収容配
置せしめて、該拡開ばねの外周面を、その弾性によって
該ケース部材の摺接内周面に摺動可能に圧接すると共
に、該拡開ばねの周方向の少なくとも一端部を該軸部材
に係止したロータリダンパを、特徴とする。
【0008】このような本態様に従う構造とされたロー
タリダンパにおいては、軸部材がケース部材に対して回
転させられると、それに伴って、端部を軸部材に係止さ
れた拡開ばねが周方向に引張られることとなり、拡開ば
ねも軸部材と一体的に回転せしめられる。そこにおい
て、該拡開ばねの外周面とケース部材の摺接内周面との
間には、摺動抵抗(摩擦抵抗)が発生するため、その摺
動抵抗によって、軸部材の回転作動が制動されることと
なり、その結果、軸部材を介して入力される回転力に対
して制動作用が発揮される。
【0009】また、かかるロータリダンパにおいては、
該拡開ばねによって、ケース部材の内周面に対して摺接
せしめられる摺接部材としての機能と、該摺接部材をケ
ース内周面に押し付ける付勢部材としての機能との両方
の機能が発揮されることから、各別体の摺接部材や付勢
部材が必要とされず、部品点数の削減や構造の簡略化が
実現出来ると共に、製造の容易化が図られ得る。また、
ロータリダンパにおいて最も外周部分に位置するケース
部材の内周面を利用して摺接面が構成されていることか
ら、拡開ばねとケース部材との摺接面積を有利に確保す
ることが出来る。それ故、大きな制動力が要求される場
合でも、拡開ばねの軸方向寸法を大きくすることによっ
て容易に対応可能とされているのであり、ロータリダン
パの外径寸法の大形化を回避しつつ、大きな制動力を得
ることが出来るのである。
【0010】本発明の第二の態様は、前記第一の態様に
従う構造とされたロータリダンパにおいて、前記拡開ば
ねが、前記収容領域において周方向で半周以上の長さを
有していることを、特徴とする。このような本態様に従
う構造とされたロータリダンパにおいては、拡開ばねの
周方向長さを半周以上としたことにより、単体の拡開ば
ねを用いて、ケース部材における摺接内周面への拡開ば
ねの当接面積を有利に確保することが可能となると共
に、該摺接内周面における拡開ばねの当接圧を容易に且
つ安定して得ることが出来る。
【0011】本発明の第三の態様は、前記第一又は第二
の態様に従う構造とされたロータリダンパにおいて、前
記拡開ばねの周方向両端部を、それぞれ内周側に曲げ
て、前記摺接内周面から径方向内方に離間して位置せし
めたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造
とされたロータリダンパにおいては、拡開ばねの周方向
両端部分とケース部材の摺接内周面との当接が回避され
得ることから、拡開ばねの回転作動時にも、該拡開ばね
の周方向両端部による摺接内周面への引掛かりが防止さ
れることとなり、制動作動の安定性が向上されると共
に、摺接内周面の傷付き等が防止される。
【0012】本発明の第四の態様は、前記第三の態様に
従う構造とされたロータリダンパであって、前記軸部材
において外周面に開口して周方向に所定幅で広がる係止
凹部を設けて、該係止凹部に対して、前記拡開ばねの周
方向両端部を入り込ませて係止したことを、特徴とす
る。このような本態様に従う構造とされたロータリダン
パにおいては、係止凹部を利用して、拡開ばねの周方向
両端部を共に軸部材に対して有利に係止させることが出
来る。従って、軸部材が何れの周方向に回転する際に
も、該軸部材に設けられた係止凹部が拡開ばねの回転方
向の前端部を周方向に引張ることにより、拡開ばねを回
転変位させることが出来るのであり、拡開ばねの周方向
端部を回転方向の後端部側から押すことにより該拡開ば
ねを回転変位させる場合に比して、拡開ばねがよりスム
ーズに回転作動せしめられることから、摺動抵抗の更な
る安定化が図られ得るのである。
【0013】本発明の第五の態様は、前記第四の態様に
従う構造とされたロータリダンパにおいて、前記係止凹
部の周方向両端内面を径方向内方に行くに従って周方向
に離間せしめて、該係止凹部の周方向幅を開口部に行く
に従って狭くすることにより、前記拡開ばねの周方向両
端縁部を、該係止凹部内において内周面から離間して位
置せしめたことを、特徴とする。このような本態様に従
う構造とされたロータリダンパにおいては、拡開ばねの
周方向両端縁部と係止凹部の内周面との当接が回避され
ることから、軸部材および拡開ばねが回転作動させられ
る際にも、拡開ばねの周方向両端縁部と係止凹部内周面
との擦れが有利に防止され得る。それによって、擦れに
よる粉体の発生が回避されることから、粉体がケース部
材と拡開ばねの摺接面間に入り込むこと等に起因するロ
ータリダンパの制動力の低下や不安定化を有効に防止す
ることが出来る。
【0014】本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五
の何れかの態様に従う構造とされたロータリダンパにお
いて、前記ケース部材が有底円筒状部を備えており、該
有底円筒状部の筒壁部内周面によって前記摺接内周面が
構成されている一方、前記軸部材の軸方向一端部に、該
ケース部材の底壁中央を貫通して外部に突出する入力軸
が一体形成されていると共に、該軸部材の軸方向他端部
に、軸直角方向に広がって前記ケース部材の開口部を覆
蓋する蓋体が一体形成されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされたロータリダンパに
おいては、単一の軸部材に対して、回転力の入力軸と、
ケース部材の蓋体という両方の機能を付与することが出
来る。また、ケース部材の開口を蓋体で覆うことによ
り、拡開ばねのケース部材からの抜け出しが防止され
て、該拡開ばねを収容領域内に安定して保持することが
出来ると共に、外部からケース部材内への塵芥等の侵入
が有効に防止され得る。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の具体的な実施例を、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0016】先ず、図1〜2には、本発明に従う構造と
されたロータリダンパ10が示されている。このロータ
リダンパ10は、ケース部材としてのハウジング12に
対して、軸部材としての回転軸14が回転可能に組み付
けられており、ハウジング12の内部に構成された摺動
機構によって、回転軸14の回転に際して制動力が発揮
されるようになっている。
【0017】より詳細には、ハウジング12は、全体と
して浅底の有底円筒形状を有しており、例えば、ABS
樹脂やポリアセタール、ナイロン等の合成樹脂材の一体
成形品によって形成されている。そして、このハウジン
グ12の底壁部16の中央部分には、該底壁部16を軸
方向に貫通する円形の挿通孔18が形成されていると共
に、該挿通孔18の開口周縁部が内方に向かって僅かに
突出させられることにより、環状嵌合部20が一体形成
されている。また、ハウジング12の外周壁部22は、
円筒形状を有しており、その内周面が滑らかな摺接面2
3とされている。更に、外周壁部22の開口側端縁部に
は、径方向一方向で対向位置する部分において、径方向
外方に向かって突出する一対の取付片24,24が一体
的に設けられている。本実施形態では、これらの取付片
24,24が、略一定の板幅寸法を有する矩形板形状と
されていると共に、各取付片24には、それぞれ取付孔
26が形成されており、それらの取付孔26,26に挿
通されるボルトやピン等によって、ロータリダンパ10
が、図示しない基台に対して取付可能とされている。
【0018】また一方、回転軸14は、例えば、ハウジ
ング12と同様な合成樹脂材の一体成形品によって形成
されており、中実の円形ロッド形状を有している。ま
た、本実施形態では、回転軸14の軸方向一方の端部
に、ピニオン嵌合部28が一体的に形成されていると共
に、他方の端部には、回転円板30が一体的に形成され
ている。このピニオン嵌合部28は、図3に示されてい
るように、二面幅を有する中実の略円形ロッド形状を有
しており、ハウジング12の底壁部16に形成された挿
通孔18を通じて軸方向外方へ突出させられている。そ
して、このピニオン嵌合部28に対して、ピニオン34
の挿通孔42が嵌合されるようになっている。
【0019】一方、回転円板30は、回転軸14よりも
大きな外径寸法を有する厚肉の円板形状をもって形成さ
れており、回転軸14と略同一の中心軸を有している。
また、回転円板30は、外周部分の一部が切り欠かれて
おり、それによって、周方向に所定幅をもって広がる係
止凹部としての係合凹所32が設けられている。特に、
本実施形態では、係合凹所32の内周面を形成する周方
向両端面が、回転円板30の径方向内方に向かうにつれ
て周方向で大きく離間させられており、径方向外方に向
かうにつれて係合凹所32の開口幅が次第に狭くされて
いる。
【0020】また、回転円板30の軸方向外側端部に
は、蓋体31が一体形成されている。この蓋体31は、
回転円板30よりも外径寸法が大きい薄肉の円板形状を
有しており、回転円板30の軸方向端部において径方向
外方に向かって鍔状に突出せしめられている。なお、図
1〜2から明らかなように、回転円板30と蓋体31の
何れも、その外径寸法が、ハウジング12の外周壁部の
内径寸法よりも小さくされている。
【0021】そして、このような回転軸14は、ハウジ
ング12の開口部側から組み付けられており、ピニオン
嵌合部28が挿通孔18に挿通されていると共に、回転
円板30と蓋体31がハウジング12内に収容されてい
る。また、ハウジング12の底壁部16から外部に突出
させられたピニオン嵌合部28には、ピニオン34が外
挿されており、ピニオン嵌合部28の先端部を加熱変形
で潰してリベッティングすることにより離脱不能に取り
付けられている。このピニオン34は、その中央部分に
設けられた挿通孔42の内周面が、ピニオン嵌合部28
の外周面に対応する二面幅形状とされており、回転軸1
4と一体的に回転せしめられるようになっている。一
方、ハウジング12の開口部は、蓋体31により覆蓋さ
れており、それによって、ハウジング12の内周面と回
転円板30の外周面との対向面間に、周方向に連続して
延びる環状の収容空所36が形成されているのであり、
この収容空所36に、拡開ばねとしてのばね材38が収
容配置されていることにより、摺動機構が構成されてい
る。なお、ばね材38の収容凹所36からの抜け出し
は、蓋体31によって防止されるようになっている。
【0022】かかるばね材38は、ばね鋼によって形成
された金属ばねであり、略一定の板幅および板厚寸法を
有し、全体として円弧形状の板状ばねとされていると共
に、その曲率半径が、ハウジング12の摺接面23の曲
率半径より大きい拡開ばねとされている。また、特に、
本実施形態においては、該ばね材38は、ハウジング1
2の内周面上において半周以上の周方向長さ(略一周近
くの長さ)をもって形成されていると共に、その周方向
両側で対称形状とされている。このようなばね材38
は、例えば、ばね鋼板をプレス加工で打ち抜き、その
後、曲げ加工すること等によって、容易に製造可能であ
る。また、本実施形態のばね材38においては、その周
方向両端部が径方向内方に屈曲されることにより、一対
の係止部40,40が一体形成されている。
【0023】そして、このばね材38は、それらの各係
止部40,40が回転円板30に形成された係合凹所3
2に嵌め込まれることにより、周方向両端部を回転円板
30に係止された状態で、回転軸14に対して外挿され
て組み付けられている。なお、本実施形態においては、
ばね材38が、ハウジング12内に収容された状態下
で、該ばね材38の係止部40,40間の周方向寸法
が、回転円板30の係合凹所32の開口幅寸法よりも小
さくなるように設定されており、係止部40,40の係
合凹所32内への嵌め込みが容易化されている。
【0024】このような組付状態下において、ばね材3
8は、径方向内方(縮径方向)に圧縮変形された状態で
ハウジング12内の収容空所36に収容配置されている
と共に、ばね材38自体の有する弾性により、該ばね材
38の外周面がハウジング12の摺接面23に対して周
方向に摺動可能な状態で圧接されている。なお、本実施
形態では、ばね材38の外周面が略全周に亘ってハウジ
ング12の摺接面23に接触せしめられている。
【0025】従って、このような構造とされたロータリ
ダンパ10においては、ピニオン34に回転力が及ぼさ
れると、回転軸14が回転せしめられる。その際、回転
軸14の回転作動に伴って、ばね材38も一体的に回転
させられることとなり、回転不能に支持されたハウジン
グ12に対してばね材38が相対回転されることによっ
て、ばね材38の外周面とハウジング12の摺接面23
との間に摺動抵抗(摩擦抵抗)が発生せしめられるので
あり、その結果、ピニオン34の回転作動に対して、ロ
ータリダンパ10が制動力を発揮するのである。
【0026】それ故、このようなロータリダンパ10
を、例えば、図4に示されているようにカセットデッキ
の取出窓44の開閉機構に組み込んだ場合には、取出窓
44の開く速度をロータリダンパ10を用いて制動する
ことにより、取出窓44の滑らかな開作動を実現するこ
とが出来る。具体的には、この取出窓44には、予めス
プリングバネ46等の付勢手段が設けてあり、ロックを
解除することによって、取出窓44が、スプリングバネ
46の弾性によって自動的に開方向に突出させられて、
開口させられるようになっている。また、開示しないデ
ッキフレームには、ロータリダンパ10が、ハウジング
12を固定されることによって装着されており、このロ
ータリダンパ10のピニオン34が、取出窓44に固設
されたラック48に対して、噛合されている。これによ
り、取出窓44の開閉作動に伴って、ラック48が軸方
向に変位させられると共に、該ラック48の軸方向変位
がピニオン34によって回転力に変換され、該ピニオン
34の回転力がピニオン嵌合部28(回転軸14)を介
してロータリダンパ10に入力されるようになってい
る。このように、ロータリダンパ10に回転力が入力さ
れると、上述の如く、ハウジング12内に収容されたば
ね材38と、ハウジング12の摺接面23との間に発生
する摺動抵抗(摩擦抵抗)によって、回転軸14の回転
作動が制動されることとなり、その結果、ロータリダン
パ10が取出窓44の開作動に対して制動力を発揮する
こととなる。換言すれば、突出方向に付勢力を与えられ
た取出窓44の開作動に際して、ロータリダンパ10を
用いて該取出窓44の急作動を妨げる抵抗手段を設けた
ことにより、該取出窓44の急激な突出作動が有効に防
止され、それによって、取出窓44の円滑な作動性が実
現され得るのである。
【0027】このように、本実施形態におけるロータリ
ダンパ10によれば、それ自体が弾性を有するばね材3
8を摺動部材として利用して、ばね材38とハウジング
12との摺動抵抗(摩擦抵抗)に基づいて制動力を得る
ようにしたことから、発揮される制動力が温度変化に殆
ど依存することがなく、有効な制動効果を安定して得る
ことが出来る。また、金属製のばね材38を利用したこ
とによってばね材のへたり等による制動効果の減少や不
安定化も殆ど問題となることがなく、耐久性にも優れて
いる。
【0028】また、このようなロータリダンパ10にお
いては、摺動面23に付勢力(圧接力)を及ぼすばね材
38自体によって摺動部材が構成されることから、少な
い部品点数と簡単な構造をもって目的とするロータリダ
ンパを得ることが出来、コスト性にも優れているのであ
る。
【0029】さらに、上述の如きロータリダンパ10に
おいては、ハウジング12の収容空所36の最外周部分
である外周壁部22の内面によって摺動面23が構成さ
れることから、摺動面積を効率的に確保することが出来
るのであり、また、ハウジング12の外径寸法を大きく
しなくても、軸方向長さを大きくすることで摺動面積を
有利に得ることが可能となる。それ故、大きな制動力を
発揮するロータリダンパ10を、コンパクトなサイズで
実現することが可能となるのである。
【0030】また、本実施形態のロータリダンパ10に
おいては、回転軸14の回転作動時に、ばね材38の回
転方向前方側端部が回転軸14に係止されて、ばね材3
8に対して引張方向の変位力が及ぼされるようになって
いることから、略一定の摺動抵抗が安定して発揮される
のである。特に本実施形態では、ばね材38の周方向両
端部が係合凹所32に挿入されることにより、回転軸1
4の何れの側への回転作動時にも、ばね材38に対して
引張方向の変位力が及ぼされて、安定した作動性が発揮
されるようになっている。
【0031】更にまた、本実施形態のロータリダンパ1
0においては、ばね材38の周方向両端部が径方向内方
に屈曲されてハウジング12の摺接面23から離間され
ていることから、ばね材38の引掛かり等に起因する摺
接面23の損傷が防止されて、安定した制動効果が発揮
されるのであり、特に、ばね材38の周方向端部に製造
加工によるバリ等がある場合にも、摺接面23の傷付き
が回避されて安定した作動が実現され得る。
【0032】加えて、本実施形態では、径方向内方に屈
曲されたばね材38の周方向端部が、回転軸14の係合
凹所32の内面からも離間せしめられており、ばね材3
8の周方向端部の回転軸14に対する擦れも回避される
ようになっていることから、ばね材38の周方向端部の
回転軸14に対する擦れに起因する削れ粉体等の発生も
防止されることとなる。それ故、ばね材38の回転軸1
4への擦れによって発生する粉体が摺動面に入り込むこ
とに起因する制動性能の変化も防止されるのであり、初
期の制動性能をより長期間に亘って安定して得ることが
出来るのである。
【0033】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的記載によって、何等、限定
的に解釈されるものではない。
【0034】例えば、本発明に従う構造とされたロータ
リダンパは、上述の如きカセットデッキの取出窓以外に
も、自動車室内の灰皿、グラブボックス、小物入れ等の
各種の収納装置等、その他、回転力を制動することを目
的とする用途に適宜に採用可能である。
【0035】また、前述の実施形態においては、ハウジ
ング12の半周以上の長さで形成された単体の拡開ばね
が採用されていたが、その形状は、特に限定されるもの
ではなく、半周以下の周方向寸法に形成された拡開ばね
を複数個用いることも可能である。更にまた、拡開ばね
は、必ずしも周方向で対称形状とする必要もない。
【0036】なお、拡開ばねは、必ずしもその両端部を
軸部材に係止する必要はなく、その一端部のみを軸部材
に係止することにより、該拡開ばねが、周方向の一方向
では、軸部材から及ぼされる引張力により回転せしめら
れる一方、他方向では、軸部材から及ぼされる押圧力
(押力)により回転せしめられるようにしても良い。
【0037】さらに、ばね材の軸部材に対する係止構造
は、前述の如き係合凹所32への係合構造に限られるも
のではなく、拡開ばねの端部を有効に係止し得る構造が
適当に採用される。例えば、軸部材に切込みを入れるこ
とにより拡開ばねの端部を差し込んで係止固定したり、
拡開ばねを軸部材に対して外周側から一体的に埋め込む
構造とすること等も可能である。
【0038】また、ケース部材の具体的な形状は、限定
されるものではなく、例えば、ケース部材の内周面に対
して、周方向に延びる溝等を設けて摺接内周面のばね材
への当接面積を変更することによって、拡開ばねとケー
ス部材の摺接面との間に発生する摺動抵抗(摩擦力)の
大きさを適宜に調節することも可能である。更にまた、
このようなケース部材の内周面に対して、軸方向に段差
部を形成して、ケース部材内における拡開ばねの軸方向
の移動を制限することにより、ばね材をより安定して位
置決めするようにしても良い。
【0039】更にまた、軸部材やケース部材は、必ずし
も一体成形品を用いる必要はなく、複数の別体の部材を
組み合わせて利用することにより、実質的に一体的に構
成することも可能である。
【0040】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたロータリダンパにおいては、拡開ば
ねの外周面とケース部材の摺接内周面との間で発生する
摺動抵抗(摩擦抵抗)を利用して、軸部材の回転作動に
対して制動作用を発揮させるようにしたことから、簡単
な構造で、しかもコンパクトな寸法形状をもって、優れ
た制動作用を安定して得ることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのロータリダンパを
示す縦断面図であって、図2におけるI−I断面に相当
する図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたロータリダンパを示す分解斜視
図である。
【図4】図1に示されたロータリダンパの具体的な装着
例を示す一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
10 ロータリダンパ 12 ハウジング 14 回転軸 28 ピニオン嵌合部 30 蓋体 32 係合凹所 34 ピニオン 36 収容空所 38 ばね材 40 係止部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形の摺接内周面を備えたケース部材
    の内部に、軸部材を中心軸回りに回転可能に配設して、
    それら軸部材とケース部材の径方向対向面間に環状の収
    容領域を形成すると共に、該収容領域に周方向に延びる
    円弧状の拡開ばねを収容配置せしめて、該拡開ばねの外
    周面を、その弾性によって該ケース部材の摺接内周面に
    摺動可能に圧接すると共に、該拡開ばねの周方向の少な
    くとも一端部を該軸部材に係止したことを特徴とするロ
    ータリダンパ。
  2. 【請求項2】 前記拡開ばねが、前記収容領域において
    周方向で半周以上の長さを有している請求項1に記載の
    ロータリダンパ。
  3. 【請求項3】 前記拡開ばねの周方向両端部を、それぞ
    れ内周側に曲げて、前記摺接内周面から径方向内方に離
    間して位置せしめた請求項1又は2に記載のロータリダ
    ンパ。
  4. 【請求項4】 前記軸部材において外周面に開口して周
    方向に所定幅で広がる係止凹部を設けて、該係止凹部に
    対して、前記拡開ばねの周方向両端部を入り込ませて係
    止した請求項3に記載のロータリダンパ。
  5. 【請求項5】 前記係止凹部の周方向両端内面を径方向
    内方に行くに従って周方向に離間せしめて、該係止凹部
    の周方向幅を開口部に行くに従って狭くすることによ
    り、前記拡開ばねの周方向両端縁部を、該係止凹部内に
    おいて内周面から離間して位置せしめた請求項4に記載
    のロータリダンパ。
  6. 【請求項6】 前記ケース部材が有底円筒状部を備えて
    おり、該有底円筒状部の筒壁部内周面によって前記摺接
    内周面が構成されている一方、前記軸部材の軸方向一端
    部に、該ケース部材の底壁中央を貫通して外部に突出す
    る入力軸が一体的に形成されていると共に、該軸部材の
    軸方向他端部に、軸直角方向に広がって前記ケース部材
    の開口部を覆蓋する蓋体が一体的に形成されている請求
    項1乃至5の何れかに記載のロータリダンパ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100668886B1 (ko) * 2005-11-02 2007-01-12 현대자동차주식회사 차량용 글로브 박스의 힌지구조
CN102720787A (zh) * 2012-06-12 2012-10-10 中国科学院工程热物理研究所 一种多层叠片式阻尼减振器
JP2013103697A (ja) * 2011-11-16 2013-05-30 Nihon Iac Kk 自動車用内装品
JP7237129B1 (ja) 2021-11-24 2023-03-10 株式会社オリジン トルク調整部材と機械式ロータリーダンパーとの組み合わせ

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