JP3972997B2 - 緩衝装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複写機の蓋体等のような各種の回転体を支持する機構に設けられる緩衝装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、回転体の回転操作時における衝撃を緩和するための緩衝装置として、例えば、特開平3−265727号公報に開示されるようなロータリーダンパが知られている。
そして、この種のロータリーダンパは、一方向(回転体の落下方向)の回転停止時に緩衝作用を発揮させるようにしたものであり、ロータリーダンパは、筒状のケーシング内に一方向クラッチや、各種の軸や筒、さらには弾性部材や粘性材料を同軸上に多層構造で設けることで構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のロータリーダンパでは、緩衝作用が発揮されるものの、上述のようなクラッチ機構、軸、筒、弾性部材、粘性材料を多層構造で配置するため、構造が複雑であり、コスト削減や小型化を図ることが困難である。
そこで本発明の目的は、簡易な構成により、回転体の停止時における緩衝作用を確実に発揮でき、更には、コスト削減や小型化を図れる緩衝装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、回転体が一定の回転角度の範囲で回転可能に支持体の軸支部に軸支され、前記回転体が回転して停止する時の衝撃を緩和する緩衝装置であって、前記回転体の回転軸に対して同軸上で、かつ、前記回転体または前記支持体の一方に一体的に回転するように取り付けられる第1の筒体と、前記回転体の回転軸に対して同軸上で、かつ、前記回転体または前記支持体の他方に一体的に回転するように取り付けられる第2の筒体とを有し、前記第1の筒体には、一定の回転角度の範囲に対応して軸回り方向に延在形成されている傾斜面から成る第1の突き当て部が設けられ、前記第2の筒体には、一定の回転角度の範囲に対応して軸回り方向に延在形成されている傾斜面から成る第2の突き当て部が設けられ、前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とは、回転軸を中心とする互いに同一の半径上に延在形成されており、前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とは、互いに軸方向に当接可能で、かつ、該第1の突き当て部と該第2の突き当て部とが互いに当接した状態で前記第1の筒体と前記第2の筒体とが相対的に回転することで前記第1の筒体と前記第2の筒体とを軸方向に相対的に変位させるように形成されており、前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とが互いに当接する方向に、前記第1の筒体と前記第2の筒体とを相対的に付勢するバネ手段が設けられており、前記第1の突き当て部及び前記第2の突き当て部の半径方向の内側あるいは外側に、互いに当接することで、前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とが当接されていない状態における前記第1の筒体と前記第2の筒体の軸方向における相対位置を決定する第1の段部及び第2の段部が、軸方向と直交する面内に延在形成されていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記第1の筒体の内部に前記第2の筒体が配置され、前記第1の筒体の軸方向両端に、該第1の筒体の半径方向内方に環状に突出する内向きフランジ部がそれぞれ形成され、前記第2の筒体には第1の筒体の内部に位置する部分に、半径方向外方に環状に突出する外向きフランジ部が形成され、前記第1の筒体の一方の内向きフランジ部と、この内向きフランジ部に対向する前記外向きフランジ部に夫々前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記バネ手段が、前記第2の筒体の外周で前記第1の筒体の他方の内向きフランジ部と、この内向きフランジ部に対向する前記外向きフランジ部にわたり巻装された圧縮コイルバネで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記圧縮コイルバネが前記外向きフランジ部に当接する部分にはワッシャが介設されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の筒体は軸方向に分割可能な二つの筒状分割体により構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の緩衝装置において、回転体が回転すると、第1の筒体に設けた第1の突き当て部と第2の筒体に設けた第2の突き当て部とが、互いにバネ手段によって付勢され当接した状態で、軸回り方向に相対的に移動する。
この際、それら突き当て部により回転角度に対応して第1の筒体と第2の筒体とが軸方向に相対的に変位し、バネ手段による付勢力が変化してそれら突き当て部の間の摩擦力が変化する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による緩衝装置の実施の形態例について説明する。
図1は、本発明による緩衝装置の一例を示す断面図である。
この緩衝装置は、例えば複写機の蓋体(図示せず)を回転可能に軸支する軸支部に設けられるものであり、太径の第1の筒体10の内部に細径の第2の筒体30を同軸上に配置した構造を有する。
そして、第1の筒体10を複写機本体の支持体としてのケーシング(図示せず)に固着するとともに、第2の筒体30に複写機の回転体としての蓋体の軸を固着することにより、各筒体10、30の間の摩擦力によって蓋体の回転時の衝撃を緩和するものである。
【0009】
図2〜図4は、第1の筒体10を示す図であり、図2は、第1の筒体10を構成する一方の筒状分割体12の断面図を示し、図3は、一方の筒状分割体12の背面図を示し、図4は、第1の筒体10を構成する他方の筒状分割体14の断面図を示している。
図示のように、第1の筒体10は、軸方向に2分割され、一対の筒状分割体12、14より構成されている。各筒状分割体12、14は、それぞれ合成樹脂の一体成型により形成されたものである。
【0010】
一方の筒状分割体12には、軸回り方向に4つの係合孔12Aが半径方向に貫通して形成されている。また、他方の筒状分割体14には、軸回り方向(周方向)に間隔をおいて半径方向外方に突出する4つの外向き係合フック14Aが設けられている。
そして、各係合フック14Aを係合孔12Aに内側から係合させることにより、各筒状分割体12、14は、軸方向および軸回り方向に位置決めされ嵌合された状態で結合されるようになっている。
なお、各係合フック14Aの軸方向の先端部には、円筒状のガイド部14aが形成され、各筒状分割体12、14の結合操作の容易化が図られている。
なお、各係合孔12Aが半径方向に貫通していることから、この開口より係合フック14Aを半径方向内方に押して係合を解除することで、各筒状分割体12、14が分離される。
【0011】
第1の筒体10(詳細には筒状分割体12)の一方の端部には、半径方向内方に突出する環状の内向きフランジ部16が一体に形成され、このフランジ部16に、第2の筒体30を受け止める第1の突き当て部18と第1の段部20が形成されている。
すなわち、フランジ部16の内周部に第1の段部20が他方の端部に向けて筒状に突出形成され、フランジ部16の外周部に第1の突き当て部18が、第1の筒体10の軸回り方向に約90°にわたって形成されている。
第1の突き当て部18は、第1の筒体10の他方の端部に向け反時計回り方向に漸次せり上がって傾斜面状に形成され、その底部が第1の段部20と同一面状に形成されている。
また、第1の筒体10(詳細には筒状分割体14)の他方の端部には、半径方向内方に突出する環状の内向きフランジ部22が一体に形成されている。
【0012】
図5〜図7は、第2の筒体30を示す図であり、図5は、第2の筒体30の正面図を示し、図6は、第2の筒体30の側面図を示し、図7は、第2の筒体30の斜視図を示している。
この第2の筒体30は、合成樹脂の一体成型により形成されたもので、円筒部30Aの外周に半径方向外方に環状に突出する外向きのフランジ部32が形成されている。
そして、このフランジ部32の内周部には、第1の筒体10のフランジ部16に形成した第1の段部20に対応する第2の段部34が形成され、フランジ部32の外周部には、第1の筒体10のフランジ部16に形成した第1の突き当て部18に対応する第2の突き当て部36が形成されている。
【0013】
この第2の突き当て部36は、第1の筒体10に形成された第1の突き当て部18と同様に、蓋体の回転角度の範囲に対応して、第2の筒体30の軸回り方向に約90°にわたって形成され、反時計回り方向に漸次せり上がって、第1の突き当て部18と係合する傾斜面状に形成されている。
また、第2の突き当て部36ではその頂部が第2の段部34と面一に連続している。
したがって、双方の突き当て部18、36が90°のほぼ全範囲にわたって互いに係合した状態では、各筒体10、30の段部20、34も互いに当接する。
【0014】
また、図1に示すように、各筒体10、30を組み立てた状態で、第1の筒体10の他端側のフランジ部22と第2の筒体30のフランジ部32との間には、ワッシャ40と圧縮コイルバネ42が設けられている。
圧縮コイルバネ42は円筒部30A外周上に巻装され、第2の筒体30のフランジ部32を第1の筒体10のフランジ部16側に押して、第1の段部20と第2の段部34を互いに係合させ、或いは、第1の突き当て部18と第2の突き当て部36を互いに係合させるものである。
また、ワッシャ40は、圧縮コイルバネ42の端部とフランジ部32との間に介在されている。
【0015】
以上のような構成の緩衝装置において、例えば、第2の筒体30が蓋体に、第1の筒体10がケーシング側に連結され、かつ、蓋体が全開した位置では、図8(A)に示すように、第1の突き当て部18と第2の突き当て部36との間に隙間Sが確保された状態で第1の段部20と第2の段部34とが当接し、蓋体が全閉した位置では、図8(C)に示すように、第1の突き当て部18の頂部と第2の突き当て部36の頂部とが係合するように第1の筒体10と第2の筒体30を夫々軸と蓋に取り付けておく。
【0016】
このような状態で蓋体を全開した位置から閉じると、まず、図8(B)に示すように、蓋体の回転に伴って前記隙間Sが塞がって第1の突き当て部18と第2の突き当て部36とが合わさる。
更なる蓋体の回転により、第1の突き当て部18と第2の突き当て部36との係合により第1の段部20と第2の段部34との間が次第に離れていき、蓋体が全閉した状態で、図8(C)に示すように、第1の突き当て部18の頂部と第2の突き当て部36の頂部とが係合し、第1の段部20と第2の段部34との間が最も離れた状態となる。
詳細に説明すると、図8(B)、(C)に示すように、第1の突き当て部18と第2の突き当て部36とが合わさってから、第1の突き当て部18と第2の突き当て部36との係合により、第1の段部20と第2の段部34との間が次第に離れていくにつれて圧縮コイルバネ42が圧縮されていき、その付勢力が増大していく。
これにより、第1の突き当て部18と第2の突き当て部36との間の摩擦力と、ワッシャ40とフランジ部32との間の摩擦力が増大していく。
そして、それら摩擦力が、蓋体の回転動作を抑制する力として作用し、蓋体の全閉時の衝撃が緩和される。
【0017】
従って、本例の緩衝装置では、2つの筒体10、30を同軸上に配置した単純な構成により、蓋体の全閉時の緩衝作用を確実に得ることができる。
また、2つの筒体10、30を同軸上に配置した構造により、コンパクトな装置を得ることができ、この緩衝装置が設けられる各種支持体のケーシング等を大型化することなく、設計上の自由度も増すことができる。
また、本例の緩衝装置は、部品点数が少なく、低コストで製造することが可能である。
更に、上述のように第1の筒体10の分割体12、14を嵌合により結合することで、その内部に第2の筒体30、ワッシャ40、および圧縮コイルバネ42を配置した状態で、容易に組み立てることができ、その点でも製造コストの削減を図ることができる。
【0018】
尚、蓋体の全開時の衝撃を緩和する場合には、全閉した位置から蓋板を開けていくにつれて、第1の突き当て部18と第2の突き当て部36の係合により、第1の段部20と第2の段部34間が次第に離れていき、蓋体を全開した状態で、第1の突き当て部18の頂部と第2の突き当て部36の頂部が係合し、第1の段部20と第2の段部34間が最も離れた状態となるような第1及び第2の突き当て部18、36を有する緩衝装置を設ければよい。
また、蓋体の全閉時の衝撃と全開時の衝撃を緩和する場合には、上述の二つの緩衝装置を設ければよい。
【0019】
なお、本発明は、以上の形態例に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上述の例では、各突き当て部18、36を約90°の傾斜面状に形成したため、回転角度の変位に伴って、各突き当て部18、36の接触面積が変動することとなるが、突き当て部の範囲を拡大することで、蓋体の回転範囲の全域において常に等しい接触面積で突き当て部が摺接するようにしてもよい。これにより、さらに高い緩衝作用を得ることができ、この場合には段部20、34を省略することも可能である。
また、上述の例では、各突き当て部18、36を真直ぐな傾斜面状に形成したが、一方の突き当て部を、例えば一定の曲率を有する傾斜面状にあるいは凸状に形成したり、段階的に角度の異なる傾斜面状に形成することで、圧縮コイルバネの付勢力がより有効に作用するような構成としてもよい。
また、上述の例では、第1の筒体10を支持体に設け、第2の筒体30を回転体に設けたが、その反対であってもよい。
また、本発明は、複写機の蓋体に限らず、他の各種回転体の軸支部に広く適用し得るものである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の緩衝装置では、回転体の回転軸方向に同軸上に配置される一対の筒体を設け、各筒体にバネ手段によって互いに係合する突き当て部を形成し、それら突き当て部により回転体の回転につれてバネ手段による付勢力を変化させ、それら突き当て部の間の摩擦力を変動させるようにして緩衝作用を得るようにした。
そのため、2つの筒体を同軸上に配置した簡易な構成で緩衝作用を確実に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の緩衝装置の一例を示す断面図である。
【図2】 第1の筒体を構成する一方の筒状分割体を示す断面図である。
【図3】 一方の筒状分割体の背面図である。
【図4】 第1の筒体を構成する他方の筒状分割体を示す断面図である。
【図5】 第2の筒体を示す正面図である。
【図6】 第2の筒体の側面図である。
【図7】 第2の筒体の斜視図である。
【図8】 (A)乃至(C)はそれぞれ突き当て部と段部の説明図である。
【符号の説明】
10 第1の筒体
12、14 筒状分割体
12A 係合孔
14A 係合フック
16、22、32 フランジ部
18 第1の突き当て部
36 第2の突き当て部
20 第1の段部
34 第2の段部
30 第2の筒体
40 ワッシャ
42 圧縮コイルバネ
Claims (5)
- 回転体が一定の回転角度の範囲で回転可能に支持体の軸支部に軸支され、前記回転体が回転して停止する時の衝撃を緩和する緩衝装置であって、
前記回転体の回転軸に対して同軸上で、かつ、前記回転体または前記支持体の一方に一体的に回転するように取り付けられる第1の筒体と、
前記回転体の回転軸に対して同軸上で、かつ、前記回転体または前記支持体の他方に一体的に回転するように取り付けられる第2の筒体とを有し、
前記第1の筒体には、一定の回転角度の範囲に対応して軸回り方向に延在形成されている傾斜面から成る第1の突き当て部が設けられ、
前記第2の筒体には、一定の回転角度の範囲に対応して軸回り方向に延在形成されている傾斜面から成る第2の突き当て部が設けられ、
前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とは、回転軸を中心とする互いに同一の半径上に延在形成されており、
前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とは、互いに軸方向に当接可能で、かつ、該第1の突き当て部と該第2の突き当て部とが互いに当接した状態で前記第1の筒体と前記第2の筒体とが相対的に回転することで前記第1の筒体と前記第2の筒体とを軸方向に相対的に変位させるように形成されており、
前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とが互いに当接する方向に、前記第1の筒体と前記第2の筒体とを相対的に付勢するバネ手段が設けられており、
前記第1の突き当て部及び前記第2の突き当て部の半径方向の内側あるいは外側に、互いに当接することで、前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部とが当接されていない状態における前記第1の筒体と前記第2の筒体の軸方向における相対位置を決定する第1の段部及び第2の段部が、軸方向と直交する面内に延在形成されている、
ことを特徴とする緩衝装置。 - 前記第1の筒体の内部に前記第2の筒体が配置され、前記第1の筒体の軸方向両端に、該第1の筒体の半径方向内方に環状に突出する内向きフランジ部がそれぞれ形成され、前記第2の筒体には第1の筒体の内部に位置する部分に、半径方向外方に環状に突出する外向きフランジ部が形成され、前記第1の筒体の一方の内向きフランジ部と、この内向きフランジ部に対向する前記外向きフランジ部に夫々前記第1の突き当て部と前記第2の突き当て部が形成されている請求項1項記載の緩衝装置。
- 前記バネ手段は、前記第2の筒体の外周で前記第1の筒体の他方の内向きフランジ部と、この内向きフランジ部に対向する前記外向きフランジ部にわたり巻装された圧縮コイルバネで構成されている請求項2記載の緩衝装置。
- 前記圧縮コイルバネが前記外向きフランジ部に当接する部分にはワッシャが介設されている請求項3記載の緩衝装置。
- 前記第1の筒体は軸方向に分割可能な二つの筒状分割体により構成されている請求項1〜4のいずれか1項記載の緩衝装置。
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