JP2001173689A - 締結構造 - Google Patents

締結構造

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JP2001173689A
JP2001173689A JP2000352683A JP2000352683A JP2001173689A JP 2001173689 A JP2001173689 A JP 2001173689A JP 2000352683 A JP2000352683 A JP 2000352683A JP 2000352683 A JP2000352683 A JP 2000352683A JP 2001173689 A JP2001173689 A JP 2001173689A
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康裕 宮田
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Tomohiro Ishii
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フランジにボルトのセレーションを圧入した
ときに、フランジ面の平坦度が悪化することを防止でき
る締結構造を提供する。 【解決手段】 この締結構造は、取付け部材1のフラン
ジ部2に形成されたボルト孔3に、外周面6の軸方向の
一部にセレーション7が形成されたボルト5が圧入され
ている。フランジ部2のボルト孔3は、フランジ部2の
座面に向けてテーパ形状で拡大している第1拡大部と、
中央小径部と、上記ブレーキディスク側に向けてテーパ
形状で拡大している第2拡大部からなり、ボルト5のセ
レーション7は、フランジ部2のボルト孔3の中央小径
部と係合している。また、ボルト5のセレーション7の
全ては、フランジ部2のボルト孔3の中央小径部と係合
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ボルトのセレー
ションをフランジのボルト孔に圧入してボルトをフラン
ジに締結する締結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の締結構造を採用したもの
として、図4に示すものがある。この構造は、ボルト1
01によって内輪部材105のフランジ102にブレー
キディスク103とホイール部材110を締結する構造
である。
【0003】この締結構造では、上記ボルト101に形
成されたセレーション106をフランジ102のボルト
孔107に圧入することによって、ボルト101をフラ
ンジ102に固定している。そして、このボルト101
にブレーキディスク103,ホイール部材110を外嵌
して、ナット111で締め付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
締結構造では、図3に示すように、フランジ102にボ
ルト101を圧入したときに、フランジ102のボルト
孔107の内周面107Aがセレーション106に押圧
されて、フランジ102が弾性変形する。この弾性変形
により、ボルト頭部側のフランジ面102Aが凸形状
に、その反対側のフランジ面102Bが凹形状に変形す
る。
【0005】このように、フランジ面102A,102
Bの平坦度が悪化すると、フランジ面102Bに対して
ブレーキディスク103が平行に取り付けられず、ブレ
ーキディスク103の片当たりを招き、振動,異音が発
生するという問題がある。
【0006】そこで、この発明の目的は、フランジにボ
ルトのセレーションを圧入したときに、フランジ面の平
坦度が悪化することを防止できる締結構造を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の締結構造は、頭部と、軸方向に延
びる大径部と、上記大径部の外周面に設けられたセレー
ションと、軸方向に延びると共にネジ部が設けられた小
径部とを有するボルトと、ボルト孔が形成されると共
に、ブレーキディスクが上記フランジ部のボルト孔及び
上記ブレーキディスクの孔を貫通する上記ボルトによっ
て固定されるフランジ部を有する取付部材とを備え、上
記頭部の当接面が上記取付部材のフランジ部の座面に当
接している締結構造において、上記フランジ部のボルト
孔は、上記フランジ部の座面に向けてテーパ形状で拡大
している第1拡大部と、中央小径部と、上記ブレーキデ
ィスク側の第2拡大部からなり、上記ボルトのセレーシ
ョンは、上記フランジ部のボルト孔の中央小径部と係合
していることを特徴としている。この請求項1の発明に
よれば、フランジにボルトのセレーションを圧入したと
きに、フランジ面の平坦度が悪化することを防止でき
る。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ボルトのセレーションの全て
は、上記フランジ部のボルト孔の中央小径部と係合して
いることを特徴としている。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ブレーキディスク側のボルト
孔の第2拡大部は、上記ブレーキディスク側に向けてテ
ーパ形状に拡大していることを特徴としている。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ボルト孔の第1、第2拡大部
の少なくとも一方は、上記フランジ部の上記軸方向の厚
さの13%を超える上記ボルトの上記軸方向の長さを有
することを特徴としている。
【0011】また、請求項5の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ボルトのセレーションの上記
軸方向の長さは、上記フランジ部の上記軸方向の厚さの
74%を超えないことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。
【0013】図1に、この発明の締結構造の実施の形態
を示す。この実施の形態は、取付部材1のフランジ部2
に形成されたボルト孔3に、ボルト5が圧入されてい
る。このボルト5の外周面6の軸方向の一部にセレーシ
ョン7が形成されている。
【0014】このセレーション7の一方の軸方向端部7
Aと、上記フランジ部2のボルト頭部8側の端面2Aと
の間の第1距離Dは、フランジ部2の軸方向の厚さAの
18%である。また、セレーション7の他方の軸方向端
部7Bと、フランジ部2のもう一方の端面2Bとの間の
第2距離Cは、上記厚さAの30%である。
【0015】そして、このセレーション7の軸方向の中
央部10を上記フランジ部2の厚さ方向の中央部11に
実質的に一致させた。
【0016】上記構成の締結構造によれば、セレーショ
ン7がフランジ部2の両端面2A,2Bから第1,第2距
離D,Cだけ離れており、この第1,第2距離D,Cが
フランジ部2の厚さAの13%を越えている。このこと
によって、フランジ部2にボルト5を圧入したときに、
上記フランジ部2の両端面2A,2Bから遠い領域(厚
さAの13%よりも深い領域F)においてだけ、セレー
ション7がボルト孔内周面13を押圧し、フランジ部2
の両端面2A,2Bに近い領域(厚さの13%よりも浅
い領域G,H)では、セレーション7がボルト孔内周面
13を押圧しない。
【0017】このように、ボルト5のセレーション7が
ボルト孔内周面13を押圧する領域をフランジ部2の両
端面2A,2Bから遠い領域に限ることによって、セレ
ーション7をフランジ部2に圧入したときにフランジ面
2A,2Bの平坦度が悪化することを防止できる。した
がって、平坦なフランジ面2Bに、たとえば、ブレーキ
ディスク21等を取り付けることができ、ブレーキディ
スク21等の片当たりを防止でき、振動や異音の発生を
防止できる。
【0018】このことを、具体的な実験例に基づいて説
明する。この実験例では、フランジ部2の厚さAに対す
る第2距離Cの割合(%)を、0%から30%の範囲内の
所定値に設定した複数の締結構造サンプルについてフラ
ンジ平坦度を測定した。この測定結果を図2(B)に示
す。図2(B)に示すように、(C/A)×100%が13
%以下になると、フランジ端面2Bの平坦度が急激に悪
化する。一方、(C/A)×100%が、13%を越えて
30%までの領域では、フランジ端面2Bの平坦度は良
好であり、略一定値を保っている。このように、セレー
ション7の軸方向端部7Bをフランジ端面2Bから厚さ
Aの13%の寸法よりも深くに位置させることで、フラ
ンジ端面2Bの平坦度を良好にして、この平坦なフラン
ジ端面2Bに、ブレーキディスク21等を取り付けるこ
とができる。したがって、ブレーキディスク等の片当た
りを防止でき、振動や異音の発生を防止できる。
【0019】また、図2(A)には、フランジ部2の厚さ
Aに対するセレーション7の中央部10とフランジ面2
Aとの間の距離Bの割合(%)を、30%から70%の範
囲内の所定値に設定した複数の締結構造サンプルについ
てフランジ平坦度を測定した結果を示す。図2(A)に示
すように、(B/A)×100%が50%のときに、フラ
ンジ平坦度が最も良く、(B/A)×100%が43%か
ら57%の範囲ではフランジ平坦度は略一定の良好な値
を示した。一方、(B/A)×100%が43%を下回る
場合や、57%を上回る場合には、フランジ平坦度は急
激に悪化する結果となった。
【0020】また、この実施の形態では、上記セレーシ
ョン7の軸方向の中央部10を上記フランジ部2の厚さ
方向の中央部11に実質的に一致させた。したがって、
セレーション7の両端部7A,7Bとフランジ部2の両
端面2A,2Bとの第1,第2距離D,Cを略均等にでき
るので、フランジ平坦度を良好にできる。また、上記中
央部10が中央部11からずれている場合に比べて、軸
方向寸法の大きなセレーションを深領域Fに配置でき、
スリップトルクを増大できる。
【0021】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の締結構造は、頭部と、軸方向に延びる大径部と、上
記大径部の外周面に設けられたセレーションと、軸方向
に延びると共にネジ部が設けられた小径部とを有するボ
ルトと、ボルト孔が形成されると共に、ブレーキディス
クが上記フランジ部のボルト孔及び上記ブレーキディス
クの孔を貫通する上記ボルトによって固定されるフラン
ジ部を有する取付部材とを備え、上記頭部の当接面が上
記取付部材のフランジ部の座面に当接している締結構造
において、上記フランジ部のボルト孔は、上記フランジ
部の座面に向けてテーパ形状で拡大している第1拡大部
と、中央小径部と、上記ブレーキディスク側の第2拡大
部からなり、上記ボルトのセレーションは、上記フラン
ジ部のボルト孔の中央小径部と係合している。この請求
項1の発明によれば、フランジにボルトのセレーション
を圧入したときに、フランジ面の平坦度が悪化すること
を防止できる。
【0022】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ボルトのセレーションの全て
は、上記フランジ部のボルト孔の中央小径部と係合して
いる。
【0023】また、請求項3の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ブレーキディスク側のボルト
孔の第2拡大部は、上記ブレーキディスク側に向けてテ
ーパ形状に拡大している。
【0024】また、請求項4の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ボルト孔の第1、第2拡大部
の少なくとも一方は、上記フランジ部の上記軸方向の厚
さの13%を超える上記ボルトの上記軸方向の長さを有
している。
【0025】また、請求項5の発明は、請求項1に記載
の締結構造において、上記ボルトのセレーションの上記
軸方向の長さは、上記フランジ部の上記軸方向の厚さの
74%を超えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の締結構造の実施形態を示す断面図
である。
【図2】 図2(A)は上記実施形態でセレーション中央
位置を変えた場合のフランジ平坦度の変化を示す特性図
であり、図2(B)は上記実施形態でセレーション端位置
を変えた場合のフランジ平坦度の変化を示す特性図であ
る。
【図3】 従来の締結構造を示す断面図である。
【図4】 従来の締結構造を有する自動車のホイール用
軸受の断面図である。
【符号の説明】
1…取付部材、2…フランジ部、2A,2B…端面、3
…ボルト孔、5…ボルト、6…外周面、7…セレーショ
ン、7A,7B…軸方向端部、8…ボルト頭部、10…
セレーションの中央部、11…フランジ部の中央部、1
3…ボルト孔内周面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬尾 信之 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 石井 知博 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頭部と、軸方向に延びる大径部と、上記
    大径部の外周面に設けられたセレーションと、軸方向に
    延びると共にネジ部が設けられた小径部とを有するボル
    トと、ボルト孔が形成されると共に、ブレーキディスク
    が上記フランジ部のボルト孔及び上記ブレーキディスク
    の孔を貫通する上記ボルトによって固定されるフランジ
    部を有する取付部材とを備え、上記頭部の当接面が上記
    取付部材のフランジ部の座面に当接している締結構造に
    おいて、 上記フランジ部のボルト孔は、上記フランジ部の座面に
    向けてテーパ形状で拡大している第1拡大部と、中央小
    径部と、上記ブレーキディスク側の第2拡大部からな
    り、 上記ボルトのセレーションは、上記フランジ部のボルト
    孔の中央小径部と係合していることを特徴とする締結構
    造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の締結構造において、 上記ボルトのセレーションの全ては、上記フランジ部の
    ボルト孔の中央小径部と係合していることを特徴とする
    締結構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の締結構造において、 上記ブレーキディスク側のボルト孔の第2拡大部は、上
    記ブレーキディスク側に向けてテーパ形状に拡大してい
    ることを特徴とする締結構造。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の締結構造において、 上記ボルト孔の第1、第2拡大部の少なくとも一方は、
    上記フランジ部の上記軸方向の厚さの13%を超える上
    記ボルトの上記軸方向の長さを有することを特徴とする
    締結構造。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の締結構造において、上
    記ボルトのセレーションの上記軸方向の長さは、上記フ
    ランジ部の上記軸方向の厚さの74%を超えないことを
    特徴とする締結構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10321796A1 (de) * 2003-05-14 2004-12-16 Daimlerchrysler Ag Bremsscheibe mit Reibring und Bremsscheibentopf
US7341243B2 (en) 2002-11-29 2008-03-11 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Liquid-sealed vibration control device

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