JP2001173335A - 扉機構付きシャッター装置 - Google Patents

扉機構付きシャッター装置

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JP2001173335A
JP2001173335A JP31310999A JP31310999A JP2001173335A JP 2001173335 A JP2001173335 A JP 2001173335A JP 31310999 A JP31310999 A JP 31310999A JP 31310999 A JP31310999 A JP 31310999A JP 2001173335 A JP2001173335 A JP 2001173335A
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shutter
door mechanism
curtain
shutter device
door
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JP31310999A
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Koji Nakajima
厚二 中島
Shinichi Murayama
伸一 村山
Toshio Shimizu
壽雄 清水
Kensho Iwase
憲昭 岩瀬
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Bunka Shutter Co Ltd
Original Assignee
Bunka Shutter Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の状況、あるいはシャッターカーテンに
設けられた扉機構を利用しようとする者の行動特性や種
別や大小等の各種特性に応じた扉機構の配置を実現でき
る扉機構付きシャッター装置を提供すること。 【解決手段】 シャッターカーテン20に、複数の扉機
構50〜52を配置するに際し、大きな連通部30,3
2を有する扉機構50,52と、これらよりも小さな連
通部31を有する扉機構51とを設けることにより、複
数の扉機構50〜52の中に、それぞれ大きさの異なる
連通部を有する少なくとも二種類の扉機構が含まれるよ
うにした。また、大きな連通部30,32を有する扉機
構50,52は、例えば壁等の誘導手段6,7の近傍に
配置することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扉機構が設けられ
たシャッターカーテンを有する扉機構付きシャッター装
置に係り、例えば、防火や防煙等を行うための防災用シ
ャッター装置等に利用でき、特に、断面幅の大きな空間
を仕切る大開口用シャッター装置等として好適に利用で
きる。
【0002】
【背景技術】一般に、建物の出入口や通路の途中等に
は、シャッターカーテンを上下動させて空間を仕切るた
めの各種の目的のシャッター装置が設けられており、防
火や防煙等を行うための防災用シャッター装置もそのう
ちの一種である。
【0003】従来より、このような防災用シャッター装
置としては、金属製(鉄製)のシャッターカーテンを備
えたものが用いられていた。そして、金属製のシャッタ
ーカーテンを備えた防災用シャッター装置は、建築基準
法施行令第112条第14項第4号に基づく建設省告示
(昭和48年告示2564号)が存在することから、横
幅が5m以下のものが標準仕様とされていた。従って、
防災用シャッター装置を設置すべき建物内の開口(シャ
ッターカーテンにより仕切られるべき空間の断面幅)が
大きい、いわゆる大開口の場合には、通常、開口の中間
位置にガイドレールを設けた中柱を立てることにより、
横幅5m以下の標準仕様の防災用シャッター装置を連設
して対応していた。
【0004】また、防災用シャッター装置には、火災発
生時等の緊急時において建物内にいる人々の避難経路を
確保するために、すなわち火災発生等に伴いシャッター
カーテンが降ろされた後にその防災区画内に取り残され
た人々の逃げ道を確保するために、非常用の出入口を設
けておくことが必要となる。
【0005】従来より、金属製のシャッターカーテンを
備えた防災用シャッター装置では、このような非常用の
出入口をシャッターカーテン自体に設けることは、構造
上比較的困難であるため、シャッター装置とは別途に、
その脇に非常用の出入口専用の袖扉を設けることが多か
った。
【0006】一方、近年、各種材料の開発が進み、耐火
性、遮熱性、遮煙性、防水性等に優れた布製のスクリー
ンが開発され、このような布製のスクリーンにより形成
されたシャッターカーテンを備えた防災用シャッター装
置が、建築基準法第38条の建設大臣の認可を受けて用
いられるようになってきた。
【0007】このような布製のスクリーンは、縫製が可
能であり、また、密閉性も確保し易いことから、シャッ
ターカーテン自体に容易に非常用の出入口を設けること
ができるので、近年では、布製のスクリーンにより形成
されたシャッターカーテン自体に非常用の出入口を設け
た防災用シャッター装置が用いられるようになってき
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シャッ
ターカーテン自体に非常用の出入口を設けるにあたって
は、布製のスクリーンにより形成されたシャッターカー
テンの場合に限らず、金属製のシャッターカーテンの場
合をも含め、次のような種々の考慮すべき問題点があ
る。
【0009】すなわち、先ず、シャッターカーテンは一
定の横幅を備えているが、緊急時における避難の際に
は、避難者はカーテン幅方向の各位置につき一様な割合
で到着するのではなく、建物の状況(例えば、壁や手摺
り、あるいはエレベータやエスカレータの配置状況等)
およびこれに起因する避難者の行動特性(移動特性)に
より、ある位置に集中して到着する等、偏って到着する
ことが多いと考えられる。従って、非常用の出入口の配
置については、防災用シャッター装置を設けるべき開口
の近傍における建物の状況に応じた配置とすることが望
まれる。特に、複数の避難者が同時に一つの防災用シャ
ッター装置の設置箇所を通過しなければならない状況も
発生し得るため、このような場合には、上記の要請が顕
著なものとなる。
【0010】次に、カーテン幅方向について、主として
大人の避難者が通ることが多い位置と、子供の避難者が
通ることが多い位置とが存在する場合があり、また、大
きな荷物を持った避難者が通ることが多い位置と、小さ
な荷物を持った避難者が通ることが多い位置とが存在す
る場合もある。さらに、車椅子に乗った避難者が通るこ
とが多い位置と、健康な避難者が通ることが多い位置と
が存在する場合もある。このような状況は、例えば、販
売や検査等の各種の都合で多数の人が規則的に分類され
て整列または集合している場合、座席に座っている人が
席順に応じて規則性を持っている場合、病院等で車椅子
に乗った患者が通る専用経路が設けられている場合等に
生じ得る。従って、シャッターカーテンを通過する避難
者や物体の特性に応じて、非常用の出入口を配置するこ
とが望まれる。
【0011】以上のような非常用の出入口の配置に関す
る問題点は、シャッター装置を設置すべき開口が大きく
なる程、すなわちシャッターカーテンが幅広になる程、
顕著な問題となるので、特に、次に述べる大開口への対
応問題との関係が深い。また、防災用シャッター装置に
限らず、他の目的を有するシャッター装置の場合であっ
ても、シャッターカーテン自体に出入口等を設ける場合
には同様に生じる問題である。
【0012】また、建物内には、大小様々な空間があ
り、これに伴って防災用シャッター装置を設置すべき開
口の幅も大小様々なものとなる。従って、防災用シャッ
ター装置の設置にあたっては、大開口に対応することも
必要となってくるが、その際には、次のような問題があ
る。
【0013】すなわち、前述した金属製のシャッターカ
ーテンを備えた防災用シャッター装置であって横幅5m
以下の標準仕様のものを複数用意し、これらを連設して
大開口に対応するのでは、ガイドレールを設けた中柱を
開口の中間位置に立てなければならないため、大きな空
間を形成する障害となる等、建築設計上の制約が多くな
り、また、外観上も好ましくないという問題が生じる。
【0014】これに対し、建築基準法第38条により建
設大臣が認める場合には、横幅が5mを超える金属製の
シャッターカーテンを備えた防災用シャッター装置であ
っても使用することができるので、このような幅広の防
災用シャッター装置を一つ設置することにより大開口に
対応することも考えられる。
【0015】しかし、金属製のシャッターカーテンの場
合には、横幅を大きくすると重量が大きくなり、運搬時
や施工時、あるいは製造時における取扱いが困難にな
り、特に標準仕様を超えるような横幅を有するシャッタ
ーカーテンでは、それが顕著である。
【0016】以上のような大開口への対応問題は、防災
用シャッター装置に限らず、他の目的を有するシャッタ
ー装置の場合であっても、断面幅の大きな空間を仕切ら
なければならない場合には同様に生じる問題である。
【0017】本発明の主目的は、建物の状況、あるいは
シャッターカーテンに設けられた扉機構を利用しようと
する者の行動特性や種別や大小等の各種特性に応じた扉
機構の配置を実現できる扉機構付きシャッター装置を提
供するところにある。
【0018】また、本発明の付加的な目的は、運搬時や
施工時における取扱いの容易化、大開口への対応のう
ち、いずれか一つまたは複数を適宜図ることができる扉
機構付きシャッター装置を提供するところにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、空間を仕切る
カーテン本体と、このカーテン本体により仕切られたカ
ーテン表裏の空間を連通する連通部と、この連通部を覆
いかつ連通部とともに扉機構を構成する覆い部とを有す
るシャッターカーテンを備えた扉機構付きシャッター装
置において、シャッターカーテンには、扉機構が複数配
置され、これらの複数の扉機構の中には、それぞれ大き
さの異なる連通部を有する少なくとも二種類の扉機構が
含まれていることを特徴とするものである。
【0020】ここで、連通部には、構造的にみると、正
方形、長方形、三角形、台形、Mブロック断面形、逆ホ
ームベース形、円形、楕円形、半円形等の各種の形状を
有する開口状のもの、あるいはスリット状のものが含ま
れる。また、用途的にみると、火災発生時等の緊急時の
避難の際に用いられる非常用の出入口が主なものとして
挙げられるが、この他に、通常時において人の出入や物
体の通過に用いられる出入口、犬や猫等のペット専用の
出入口、あるいは人の出入や物体の通過を前提としない
単なる覗き窓(シャッターカーテンの向こう側の状況を
確認するためのもの、例えば、防災用シャッター装置の
場合であれば、煙の発生状況や火災の進展状況等をシャ
ッターカーテン越しに確認するためのもの)等も含まれ
る。なお、本願において出入口というときは、双方向か
らの出入や通過が可能な場合だけでなく、一方向のみの
出入や通過しか行えない場合も含まれる。
【0021】また、覆い部は、カーテン本体と別部材で
形成されていてもよく(例えば、後述の図1の場合
等)、あるいはカーテン本体と同一部材により一体的に
形成されていてもよい(例えば、後述の図8の場合
等)。そして、前者のように別部材で形成する場合に
は、覆い部のカーテン本体への取り付け方法は、例え
ば、縫着、接着、リベット、ボルト・ナット、ビス等の
止着具による止着、溶着、ファスナやボタンやマジック
テープを使用した結合等、任意であり、さらには、着脱
可能な取り付けとしてもよく、あるいは上下左右等にス
ライド可能な引き戸タイプの取り付けとしてもよく、要
するに、覆い部やカーテン本体の材質、あるいは気密性
を確保する必要があるか否か等のシャッター装置の設置
目的などに応じた取り付け方法とすればよい。なお、前
者のように別部材で形成する場合および後者のように一
体的に形成する場合のいずれの場合にも、鍵を付けて覆
い部が開かないようにすることができる構成としてもよ
い。また、覆い部の表面に、連通部の存在(例えば、防
災用シャッター装置の場合であれば、非常用の出入口の
存在)を表示するマークや文字等を付してもよい。
【0022】さらに、扉機構は、カーテン表裏の一方の
側のみに着目した場合、一つの連通部と一つの覆い部と
により構成されるのが最も基本的な構造であるが(例え
ば、後述の図1の場合等)、これに限定されるものでは
なく、複数の連通部と一つの覆い部とにより一つの扉機
構が構成されるようにしてもよく(例えば、後述の図4
の場合等)、一つの連通部と複数の覆い部とにより一つ
の扉機構が構成されるようにしてもよく(例えば、後述
の図5、図6の場合等)、複数の連通部と複数の覆い部
とにより一つの扉機構が構成されるようにしてもよい
(例えば、後述の図7の場合等)。なお、上記の各パタ
ーンのうち、一つの扉機構が複数の覆い部により構成さ
れる場合には、複数の覆い部を合わせてそれら全体で連
通部の全体若しくは略全体(但し、防災用シャッター装
置の場合には、全体が完全に覆われるようになっている
ことが好ましい。)が覆われるようになっていればよ
く、必ずしも一つ一つの覆い部が連通部の全体若しくは
略全体を覆うようになっている必要はない。従って、一
つの覆い部に着目した場合には、連通部の少なくとも一
部を覆っていればよい(後述の図5、図6、図7参
照)。
【0023】そして、一つの扉機構を構成するにあたっ
て、覆い部は、シャッターカーテンの表裏の一方の側の
みに設けてもよく、両側に設けてもよく(例えば、後述
の図2の場合等)、さらには、連通部の中に入り込むよ
うに設けてもよい(例えば、後述の図5、図6の場合
等)。
【0024】さらに、覆い部とカーテン本体との重ね代
部分は、設けられていてもよく、あるいは設けられてい
なくてもよいが、防災用シャッター装置の場合には、気
密性を確保し易いという観点から、重ね代部分を設けて
おくことが望ましい。
【0025】また、連通部の「大きさ」とは、扉機構を
最大に開いたときの大きさをいい、カーテン表裏の空間
を連通するという連通部の機能から見て本質的な大きさ
を意味する。従って、連通部が一定の面積を持つ開口状
に形成されている場合には、その面積(広さ)自体のこ
とであり、連通部がスリット状に形成されている場合に
は、そのスリットを拡げたときの大きさのことである。
さらに、前述したように、一つの扉機構が複数の連通部
を有して構成されている場合(例えば、後述の図4の場
合等)には、その一つの扉機構を構成する各連通部の大
きさを合計した大きさのことであり、また、一つの連通
部が複数の区画に分割された状態となっている特殊な場
合(例えば、後述の図12の場合等)には、分割された
各区画を合計した大きさ(つまり、分割を無視した場合
の大きさ)のことである。
【0026】また、本発明における連通部の「大きさ」
は、上述したように連通部の機能から見て本質的な大き
さを意味するので、面積が同じでも、形状が異なる連通
部は、通過できる人や物体の大きさ(種別)も異なって
くるため、大きさの異なる連通部とみなすものとする。
従って、同一面積であるが縦横比の異なる四角形の連通
部を有する扉機構同士は、大きさの異なる連通部を有す
る異なる種類の扉機構であり、同様に、同一面積であっ
ても、長方形と半円形、長方形と三角形は、大きさの異
なる連通部である。
【0027】このような本発明においては、シャッター
カーテンに、扉機構を複数配置し、これらの複数の扉機
構の中に、それぞれ大きさの異なる連通部を有する少な
くとも二種類の扉機構を含めるようにしたので、シャッ
ターカーテンにおける各位置のうち、大きな連通部を設
ける必要がある位置には、大きな連通部を有する扉機構
を配置し、一方、小さな連通部を設ければ済む位置に
は、小さな連通部を有する扉機構を配置することが可能
となる。なお、主としてカーテン幅方向(シャッターカ
ーテンの移動方向に直交する方向であって厚さ方向では
ない方向)についての位置が問題となるが、シャッター
カーテンの移動方向についての位置を考慮の対象として
もよい。
【0028】そして、大きな連通部を設ける必要がある
か否か、あるいは小さな連通部を設ければ済むか否か
は、例えば、壁や手摺り、あるいはエレベータやエスカ
レータの配置状況等の建物の状況、若しくはシャッター
カーテンに設けられた扉機構を利用しようとする者の行
動特性や種別や大小等の各種特性に従って定まることが
多い。このため、これらの建物の状況、あるいは扉機構
を利用しようとする者の各種特性に応じた扉機構の配置
が実現される。
【0029】例えば、防災用シャッター装置の場合に
は、建物の状況、およびこれに起因する避難者の行動特
性(移動特性)により、避難者が到着する可能性の高い
位置に、大きな連通部(非常用の出入口)を有する扉機
構を配置することができるようになり、避難者の避難が
円滑に行われるようになる。特に、火災発生時等の緊急
時には、複数の避難者が同時に一つの防災用シャッター
装置の設置箇所を通過しなければならない状況も発生し
得るが、このような状況下でも、適切な位置に大きな連
通部(非常用の出入口)を有する扉機構が配置されてい
れば、避難者の避難が滞りなく行われるようになる。
【0030】また、例えば、主として大人が通ることが
多い位置には、子供が通ることが多い位置に比べ、大き
な連通部を有する扉機構を配置することが可能となり、
また、大きな荷物を持った者が通ることが多い位置に
は、小さな荷物を持った者が通ることが多い位置に比
べ、大きな連通部を有する扉機構を配置することが可能
となる。さらに、車椅子に乗った者が通ることが多い位
置には、健康な者が通ることが多い位置に比べ、大きな
連通部を有する扉機構を配置することが可能となり、こ
れらにより前記目的が達成される。
【0031】また、前述した扉機構付きシャッター装置
において、移動体の移動を誘導する誘導手段の近傍に配
置された扉機構が有する連通部の大きさは、他の部分に
配置された扉機構が有する連通部の大きさよりも大きい
ことが望ましい。すなわち、誘導手段によって誘導され
る移動体の移動方向の延長線とシャッターカーテンとが
交差する位置またはその近傍位置に配置された扉機構が
有する連通部の大きさは、他の部分に配置された扉機構
が有する連通部の大きさよりも大きいことが望ましい。
【0032】ここで、移動体とは、主として人を意味す
るが、その他に、犬や猫等のペット、フォークリフトや
トラック等の乗り物、ベルトコンベア等の搬送ライン上
を送られる製品や商品等の物体なども含まれる(例え
ば、後述の図11の場合等)。なお、防災用シャッター
装置の場合には、主として避難者や消火を行う消防隊員
等の救助者を意味する。
【0033】さらに、誘導手段には、壁、手摺り等の歩
行補助部材、視覚障害者等のための床面に設けられる連
続する多数の突起またはこれらの突起を形成した敷設シ
ート、エレベータの出入口、エスカレータの上端または
下端の乗降部分、階段の上下端、ベルトコンベア等の搬
送ラインなどが含まれる。そして、このように移動体が
直接的または間接的に接触することができて触覚的に移
動体の移動を誘導する触覚的誘導手段(移動体の移動に
物理的な規制を加え得る手段)が主たる手段であるが、
この他に、視覚的に移動体の移動を誘導する視覚的誘導
手段、例えば、天井や床や壁等に設けられた誘導灯や案
内表示板や出入口表示板なども含まれる。また、聴覚的
に移動体の移動を誘導する聴覚的誘導手段、例えば、警
報ブザーやスピーカなども含まれ、さらに、移動体が犬
等の嗅覚に優れたものであれば、嗅覚的に移動体の移動
を誘導する嗅覚的誘導手段も含まれる。また、これらの
各手段を組み合わせたものであってもよい。
【0034】このように誘導手段の近傍に大きな連通部
を有する扉機構を配置した場合には、誘導手段の近傍
は、移動体が誘導手段により誘導されて到着する可能性
が高い位置であるため、大きな連通部を設ける必要があ
ることから、このような要請に沿った扉機構の配置が実
現される。従って、移動体の移動特性、例えば、防災用
シャッター装置の場合であれば、避難者の避難の際の行
動特性に応じた配置が実現され、避難者の避難が円滑に
行われるようになる。
【0035】以上において、本発明の扉機構付きシャッ
ター装置の設置目的は任意であり、例えば、防火や防煙
等を目的とする防災用シャッター装置が主なものとして
挙げられるが、これに限定されるものではなく、暗室、
クリーンルーム、保冷庫、保温室等の特殊空間を形成す
るためのシャッター装置、日射遮蔽目的のシャッター装
置、防犯目的のシャッター装置等であってもよく、要す
るに、シャッターカーテンに扉機構を設けることが有用
なシャッター装置であればよい。
【0036】さらに、本発明の扉機構付きシャッター装
置の設置場所は任意であり、例えば、通常の一般家屋、
ビル、車庫、工場、倉庫、保冷庫等の各種出入口用シャ
ッター装置、窓用シャッター装置、建物内の通路途中や
通路とホールとの境界位置に設けられるシャッター装置
等のように、各種建築物に設けられるシャッター装置と
してもよく、あるいは、例えば、地下街、駅の構内、ト
ンネル内、船舶内等の各種構造物に設けられるシャッタ
ー装置としてもよい。
【0037】また、本発明の扉機構付きシャッター装置
の構造は、シャッターカーテンに扉機構を設けることが
できるものであれば任意である。従って、本発明は、次
のような各種タイプのシャッター装置に適用することが
できる。例えば、シャッターカーテンがシート状部材を
用いて形成され、このシャッターカーテンが巻取軸に巻
き取られ、または折り畳まれて収納部に収納されるタイ
プのシャッター装置でもよく、シャッターカーテンが多
数のスラットを連設することにより形成され、このシャ
ッターカーテンが収納部の巻取軸に巻き取られて収納さ
れるタイプのシャッター装置でもよい。また、シャッタ
ーカーテンが複数のパネルを連設することにより形成さ
れ、このシャッターカーテンの個々のパネルが分離され
かつ重ねられて収納部に収納され、または個々のパネル
が連結状態のまま折り畳まれて収納され、更には巻き取
られて収納されるタイプのシャッター装置でもよい。さ
らに、シャッターカーテンがリンク部材で互いに連結さ
れた複数のパイプ部材で形成されているシャッター装置
でもよく、あるいは送り込み収納のオーバーヘッドタイ
プのシャッター装置でもよい。また、例えば、一部がス
ラットで形成され、残りの部分がシート状部材で形成さ
れたシャッターカーテン等のように、各種のシャッター
カーテンを複合して形成されたシャッターカーテンを備
えたタイプのシャッター装置でもよい。なお、以上に述
べた各種のシャッターカーテンの構成部品や構成部材の
材質は任意であり、シート状部材であれば、例えば、布
製のスクリーン、あるいは塩化ビニールやウレタン等の
軟性樹脂シート、さらにはゴムまたはゴム状物質により
形成されたシート等を用いることができ、スラット、パ
ネル、リンク部材、パイプ部材等であれば、例えば、金
属、合成樹脂、セラミックス、木材等を用いることがで
きる。
【0038】また、シャッターカーテンの移動方向、す
なわちシャッターカーテンが開閉動作を行う際の開閉方
向(閉動作のみを行う場合には、閉鎖方向)は、上下方
向、左右方向、斜め方向、水平方向等、任意である。但
し、防災用シャッター装置とする場合には、自重降下可
能な方向としておくことが好ましい。
【0039】さらに、前述したように、シャッターカー
テンの構成部品や構成部材の材質は任意であるが、特に
次のようにすることが好ましい。すなわち、前述した発
明において、覆い部と、カーテン本体のうち少なくとも
覆い部と重なる重ね代部分とを、いずれもシート状部材
により形成することが好ましい。
【0040】ここで、シート状部材は、布製のスクリー
ン、ビニールシート、ウレタンシート、ゴムシート等、
可撓性のものであればいずれの種類のものでもよいが、
防火や防煙等の防災目的に使用する場合には、例えば、
シリカクロスまたはガラスクロス、あるいはこれらに耐
火被覆材としての耐火塗料や防水被覆材を吹き付け若し
くは塗布しまたは含浸させたもの等を好適に用いること
ができる。さらに、シート状部材は、ワイヤーメッシュ
等の補強用の金属あるいは樹脂線材等と組み合わされた
ものであってもよく、このような補強を行えば、防災目
的に使用する場合のみならず通常使用の場合でもシート
が損傷しにくくなり、シートの耐久性を向上させること
ができるので有効である。
【0041】このようにシート状部材を含んで形成され
たシャッターカーテンに本発明を好適に適用できるの
は、布製のスクリーン等のシート状部材は、金属製のシ
ャッターカーテンに比べ、軽量であるうえ、折り畳みも
可能であることから、運搬時や施工時、あるいは製造時
における取扱いが容易になるからである。このため、シ
ート状部材を含んで形成されたシャッターカーテンは、
幅広のシャッターカーテンとすることに適しており、カ
ーテンの横幅が大きくなる程、その利点も大きくなる。
また、シート状部材であるから、縫製等が可能となり、
金属製のシャッターカーテンに比べ、構造上、扉機構を
設けることに適しているうえ、気密性の確保も金属製の
シャッターカーテンに比べて容易である。従って、シー
ト状部材を含んで形成されたシャッターカーテンは、大
開口に対応した防災用シャッター装置を構成するのに最
適である。
【0042】なお、一連のシャッターカーテンを形成す
るシート状部材は、一枚ものであってもよく、複数枚を
縫着、接着、溶着等により繋ぎ合わせたものであっても
よく、また、カーテン幅方向について複数に分割された
分割タイプとし、シャッターカーテン閉動作時にファス
ナ等で結合され若しくは結合されることなく単に重ね合
わされて一連のシャッターカーテンとなるものであって
もよい。
【0043】また、前述したように、本発明の扉機構付
きシャッター装置の設置目的は任意であるが、特に次の
ようにすることが好ましい。すなわち、前述した発明に
おいて、シャッターカーテンが防災機能を有し、連通部
が非常用の出入口であることが好ましい。
【0044】ここで、防災機能とは、防火性能、耐火性
能、防煙性能、遮煙性能、遮熱性能、防水性能、耐風圧
性能等の各種の性能のうち、少なくとも一種類の性能を
発揮できることをいう。
【0045】このように本発明を防災用シャッター装置
に好適に適用できるのは、防災用シャッター装置には、
本来、避難者の避難経路を確保するための非常用の出入
口を設けることが要求されるので、扉機構の配置に関す
る本発明の効果が十分に発揮されるからである。
【0046】さらに、以上において、本発明の扉機構付
きシャッター装置におけるシャッターカーテンの幅方向
の内法寸法は任意であるが、特に次のようにすることが
好ましい。すなわち、前述した発明において、シャッタ
ーカーテンは、カーテン幅方向につき標準的な内法寸法
よりも大きな内法寸法を有し、かつ、断面幅の大きな空
間を仕切る大開口用シャッターカーテンであることが好
ましい。
【0047】ここで、内法寸法とは、シャッターカーテ
ンのカーテン幅方向の全幅のうち、案内手段(例えば、
ガイドレール、あるいは壁や柱に直接形成された溝部
等)に呑み込まれる部分を除いた部分の幅寸法、すなわ
ち外部に露出する部分(シャッターカーテンにより仕切
られる空間から見える部分)の幅寸法をいう。なお、カ
ーテン幅方向とは、シャッターカーテンに沿う面内にお
いてシャッターカーテンの移動方向に直交する方向のこ
とをいい、シャッターカーテンの厚さ方向(肉厚方向)
を意味するものではない。
【0048】また、大開口用シャッターカーテンとは、
次に挙げられた各条件のうち少なくとも一つを満たすも
のをいう。
【0049】第一の条件としては、「建築基準法施行令
第112条第14項第4号に基づく建設省告示(昭和4
8年告示2564号)」に基づく幅を超えているもの、
すなわち内法幅が5mを超えているもの(いわゆる鉄製
の防火防煙シャッターの標準仕様よりも大きいもの)で
あることが挙げられる。
【0050】第二の条件としては、「建築基準法施行令
第112条第14項第4号に基づく建設省告示(昭和4
8年告示2564号)」に基づく幅を超えているもの、
すなわち内法幅が8mを超えているもの(乙種防火戸に
近接する位置に併設した鉄製シャッターよりも大きいも
の)であることが挙げられる。
【0051】第三の条件としては、道路法第47条第1
項に基づく政令(車両制限令第3条第1項第4号、平成
5年最終改正の政令375)で定める車両(貨物が積載
されている場合にあってはその状態におけるもの)の長
さの最高限度を超えるもの、すなわちカーテン幅方向の
全幅寸法が12mを超えるものであることが挙げられ
る。
【0052】第四の条件としては、道路法第47条第1
項に基づく政令(車両制限令第3条第3項、平成5年最
終改正の政令375)で定める高速自動車国道を通行す
るセミトレーラ連結車又はフルトレーラ連結車で、その
積載する貨物が被けん引車の車体の前方又は後方にはみ
出していないものの長さの最高限度を超えるもの、すな
わちカーテン幅方向の全幅寸法が16.5m(セミトレ
ーラ連結車に積載する場合)又は18m(フルトレーラ
連結車に積載する場合)を超えるものであることが挙げ
られる。
【0053】第五の条件としては、カーテン幅方向の内
法全幅寸法が、扉機構の幅寸法の約3倍以上のもの、好
ましくは約6倍以上のものであることが挙げられる。こ
こで、約3倍という基準値は、扉機構をシャッターカー
テンの内法両端に一つずつ設け、これらの間にこれらと
同程度の寸法幅を有する扉機構非設置部分を確保したと
きに得られる数値であり、このような数値以上になる場
合は、大開口用シャッターカーテンとみなすことができ
ることに基づくものである。また、約6倍という基準値
は、シャッターカーテンの内法両端から扉機構の幅寸法
相当分の間隔を置いて扉機構を一つずつ設け、これらの
間にこれらと同程度の寸法幅(扉機構の二つ分の幅寸
法)を有する扉機構非設置部分を確保したときに得られ
る数値であり、このような数値以上になる場合は、大開
口用シャッターカーテンとみなすことができることに基
づくものである。
【0054】第六の条件としては、本発明の扉機構付き
シャッター装置が、シャッターカーテンを巻取軸に巻き
取って収納する巻取収納式のシャッター装置である場合
において、巻取軸が軸方向について二以上に分割されて
いるものであることが挙げられる。なお、分割した状態
で製造し、分割した状態のままで建築現場まで運搬した
後、建築現場において接続して一本の軸にしたもの、分
割した状態で製造し、工場において接続して一本の軸に
した後、一本の軸とした状態で建築現場まで運搬したも
の、一本の軸として一体的に製造し、これを工場におい
て切断して分割した状態としてから建築現場まで運搬し
た後、再び建築現場において接続して一本の軸にしたも
の、分割した状態で製造し、分割した状態のままで建築
現場まで運搬した後、建築現場において分割した状態の
ままで連設して使用するもの(この場合、各軸の軸芯位
置は一致させてもよく、平行にずらしてもよい。なお、
この場合には、シャッターカーテンも分割タイプとし、
シャッターカーテン閉動作時に分割状態のシャッターカ
ーテンがファスナ等で連結され若しくは単に重ね合わさ
れて接続される構成等を採ればよい。)等は、いずれの
ものも含まれる。
【0055】第七の条件としては、本発明の扉機構付き
シャッター装置が、シャッターカーテンを巻取軸に巻き
取って収納する巻取収納式のシャッター装置である場合
において、巻取軸の軸方向の中間位置の少なくとも一箇
所に、巻取軸および巻取軸に巻き取られた状態のシャッ
ターカーテンを支持して巻取軸の撓みを抑える補助ロー
ラ等の支持手段が設けられているものであることが挙げ
られる。
【0056】このように本発明を大開口用シャッターカ
ーテンに好適に適用できるのは、シャッターカーテンの
幅寸法が大きくなる程、建物の状況、あるいはシャッタ
ーカーテンに設けられた扉機構を利用しようとする者の
特性に応じた扉機構の配置とする要請が高いからであ
り、また、シャッターカーテンの幅寸法が大きくなる
程、重量が大きくなり、運搬時や施工時、あるいは製造
時における取扱いが困難となるので、本発明により取扱
いの容易化を図っていく必要性が高いからである。
【0057】また、以上に述べた扉機構付きシャッター
装置のうち、本発明に最適な構成例の一つとして、次の
ような構成のものを挙げることができる。すなわち、前
述した発明において、覆い部と、カーテン本体のうち少
なくとも覆い部と重なる重ね代部分とが、いずれもシー
ト状部材により形成され、シャッターカーテンが、カー
テン幅方向につき12mを超える内法寸法を有し、か
つ、断面幅の大きな空間を仕切る大開口用シャッターカ
ーテンであるものを挙げることができる。
【0058】さらに、以上において、本発明の扉機構付
きシャッター装置における連通部の構造は、前述したよ
うに開口状でも、スリット状でもよいが、特に次のよう
にすることが好ましい。すなわち、前述した発明におい
て、連通部は、二次元的広がりを持つ開口状に形成さ
れ、かつ、シャッターカーテンの閉鎖方向先端部の近傍
にこの閉鎖方向先端部に沿って配置される一定幅の辺を
有することが好ましい。
【0059】ここで、シャッターカーテンの閉鎖方向先
端部とは、例えば座板や重錘等が設けられた部分のこと
をいう。また、「二次元的広がりを持つ開口状」とは、
スリット状のものを排除する趣旨であり、「一定幅の辺
を有する」とは、閉鎖方向先端部に沿う辺を有しない逆
三角形や円形等の形状を排除する趣旨である。従って、
正方形、長方形、三角形(底辺を閉鎖方向先端部に沿わ
せたもの)、台形、Mブロック断面形、逆ホームベース
形、半円形(円形の上側半分)等の形状が含まれる。
【0060】このような構成とした場合には、連通部が
開口状となっているので、スリット状の場合に比べ、連
通部を容易に通過できるようになる。このため、例え
ば、防災用シャッター装置の場合には、避難が円滑に行
われるようになる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下に本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0062】[第一実施形態]図1には、本発明の第一
実施形態の扉機構付きシャッター装置である防災用シャ
ッター装置10の立面図が示され、図2には、防災用シ
ャッター装置10の縦断面図(図1のA−A線断面図)
が示されている。
【0063】防災用シャッター装置10は、火災発生時
等の非常時に、建物等の内部の空間を仕切って防火や防
煙等を行う防災機能を有するシャッター装置であり、例
えば、通路空間の途中に設けられたり、あるいは通路空
間とホール空間との境界位置に設けられたりして防災区
画を形成する役割を果たすものである。また、防災用シ
ャッター装置10は、左右方向の断面幅の大きな空間を
仕切ることができるものであり、建物内の大きな開口に
設置される大開口用シャッター装置である。
【0064】図1において、防災用シャッター装置10
は、上下動して空間を仕切るシャッターカーテン20
と、このシャッターカーテン20を巻き取る巻取軸60
と、シャッターカーテン20の図1中における左右両側
端縁部分が挿入されてシャッターカーテン20の上下動
を案内する左右の案内手段であるガイドレール70,7
1と、シャッターカーテン20の上下動および停止を行
うためのモータおよびブレーキ等からなる開閉機80と
を備えている。なお、巻取軸60の中間位置に、巻取軸
60および巻取軸60に巻き取られた状態のシャッター
カーテン20を下方から支持する補助ローラを適宜設け
るようにしてもよい。
【0065】シャッターカーテン20は、通常時には、
開閉機80のブレーキが作動することにより、巻取軸6
0に巻き取られた収納状態で保持され、この状態では、
シャッターカーテン20の下端部に設けられた座板22
が、天井1に形成されたシャッターカーテン20を通す
ためのスリット部分に設けられた、まぐさの位置まで上
昇して収まるようになっている。
【0066】一方、火災発生時等の非常時には、火災発
生等に伴って発生する炎、煙、熱、臭い等が図示されな
いセンサで検出されると、このセンサからの信号により
開閉機80のブレーキが解除されるようになっている。
この結果、座板22を含むシャッターカーテン20の自
重により、シャッターカーテン20は巻取軸60から繰
り出されて下降し、座板22が床2に達することにより
全閉状態となるようになっている。なお、このようなセ
ンサを使用した自動閉鎖式ではなく、レバー操作等によ
り人為的に開閉機80のブレーキを解除できる構成とし
てもよく、あるいはセンサによる自動閉鎖とレバー操作
等による人為操作とを併用できる構成としてもよい。
【0067】また、図示されないスイッチ等を操作する
と、開閉機80のモータが駆動され、これにより巻取軸
60が回転してシャッターカーテン20が巻取軸60に
巻き取られて上昇し、座板22が天井1のまぐさの位置
に達すると、開閉機80のモータが停止するとともに、
ブレーキが作動するようになっている。なお、このよう
なモータ駆動による巻き取りではなく、チェーン引き操
作やレバー操作等により手動で巻き取れる構成としても
よい。
【0068】図1および図2において、シャッターカー
テン20は、その主要な部分が空間を仕切るためのカー
テン本体21により構成されている。このカーテン本体
21は、横長の長方形形状のシート状部材により形成さ
れている。シート状部材としては、例えば、シリカクロ
スまたはガラスクロス、あるいはこれらに耐火被覆材と
しての耐火塗料や防水被覆材を吹き付け若しくは塗布し
または含浸させて形成された布製のスクリーン等を好適
に用いることができる。このような布製のスクリーン
は、耐火性、遮熱性、遮煙性、防水性、耐風圧性等に優
れたものであり、防災用シャッター装置としての機能を
十分に果たすことができるものである。
【0069】カーテン本体21の下部には、カーテン本
体21により仕切られたカーテン表裏の空間3,4を連
通する複数(三つ)の連通部である非常用の出入口30
〜32が設けられている。これらの非常用の出入口30
〜32は、カーテン本体21の表裏を貫通して形成され
た縦長の長方形形状を有する開口状のものである。非常
用の出入口30〜32は、火災発生時等の緊急時におい
て建物等の内部にいる人々の避難経路を確保するため
に、すなわち火災発生等に伴いシャッターカーテン20
が降ろされた後にその防災区画内に取り残された人々の
逃げ道を確保するために、あるいは救助者や消防隊員等
の通り道を確保するために設けられているものである。
【0070】シャッターカーテン20は、非常用の出入
口30〜32を表裏両側から覆う覆い部であるカバーシ
ート40A〜42A,40B〜42Bを備えている。こ
れらの各二枚で合計六枚のカバーシート40A〜42
A,40B〜42Bは、縦長の長方形形状を有し、その
上辺部は、非常用の出入口30〜32の上側でカーテン
本体21に縫着されて取り付けられている。この縫着部
44は、耐火性を有する金属線材、例えばステンレス製
線材等を縫い糸としたものである。カバーシート40A
〜42A,40B〜42Bは、すべてカーテン本体21
と同じ材質のシート状部材で形成され、十分な防災機能
を有するものである。
【0071】また、各カバーシート40A〜42A,4
0B〜42Bには、水平方向に延びるように配置された
図示されない補強用の金属線材あるいは金属棒状部材
が、下端縁寄りの位置に一本または上下方向に適宜な間
隔をおいて複数本設けられ、これにより各カバーシート
40A〜42A,40B〜42Bの撓みが抑えられると
ともに、各カバーシート40A〜42A,40B〜42
Bに形状維持機能を持たせることができ、各カバーシー
ト40A〜42A,40B〜42Bが捲られ若しくは押
されて出入りが行われた後に各カバーシート40A〜4
2A,40B〜42Bが元の状態に戻って各出入口30
〜32が確実に密閉され、所定の防火性能や遮煙性能を
発揮できるようになっている。
【0072】シャッターカーテン20の下端部には、前
述したように金属製の座板22が設けられている。この
座板22は、シャッターカーテン20の幅方向(左右方
向)の略全幅に渡って設けられており、各非常用の出入
口30〜32の下側位置にも配置されている。座板22
の高さ寸法Zは、例えば150mm以下であることが好
ましい(建築基準法施行令第112条第14項第2号参
照)。
【0073】そして、一つの連通部である非常用の出入
口30と、二枚の覆い部であるカバーシート40A,4
0Bとにより、一つの扉機構50が構成されている。ま
た、同様に、非常用の出入口31,32と、各二枚のカ
バーシート41A,41B,42A,42Bとにより、
扉機構51,52がそれぞれ構成されている。従って、
シャッターカーテン20には、カーテン幅方向(左右方
向)につき複数(三つ)の扉機構50〜52が配置され
ている。各扉機構50〜52は、図2中の二点鎖線に示
すように、各カバーシート40A〜42A,40B〜4
2Bを捲り若しくは押すことにより、避難者が各非常用
の出入口30〜32を通って、シャッターカーテン20
の表裏の空間3,4のいずれの側からでも他方の側へ移
動できるようになっている。また、各カバーシート40
A〜42A,40B〜42Bの下端縁の全部(全幅)が
座板22から離れるようになっているので、容易に出入
りすることができる。なお、下端縁の全部ではなく一部
が座板22から離れるようになっていてもよく、要する
に、覆い部の下端縁の少なくとも一部(好ましくは全
部)が閉鎖方向先端部(ここでは、座板22)から離れ
るようになっていれば、出入りが容易になる。
【0074】これらの複数(三つ)の扉機構50〜52
は、カーテン幅方向の中央位置Kを基準としてカーテン
幅方向につき略対称に配置されている。すなわち、カー
テン幅方向の中央位置Kから左右両側の扉機構50,5
2の中央位置までの距離L1,L3については、L1≒
L3の関係があり、中間位置の扉機構51は、カーテン
幅方向の中央位置Kに跨って配置され、扉機構51の中
央位置とカーテン幅方向の中央位置Kとは一致してい
る。
【0075】また、左右の扉機構50,52の大きさお
よび形状は、略同じであり、これらは同じ種類の扉機構
である。しかし、中央の扉機構51の大きさは、左右の
扉機構50,52の大きさよりも小さくなっており、中
央の扉機構51は、左右の扉機構50,52とは異なる
種類の扉機構である。従って、左右の非常用の出入口3
0,32の幅寸法X1,X3および高さ寸法Y1,Y3
は、略同じであるが、中央の非常用の出入口31の幅寸
法X2および高さ寸法Y2は、各寸法X1,X3,Y
1,Y3よりも小さくなっている。また、左右のカバー
シート40A,40B,42A,42Bの幅寸法および
高さ寸法は、略同じであるが、中央のカバーシート41
A,41Bの幅寸法および高さ寸法は、左右のカバーシ
ート40A,40B,42A,42Bの幅寸法および高
さ寸法よりも小さくなっている。なお、本第一実施形態
では、各カバーシート40A〜42A,40B〜42B
の幅寸法は、各扉機構50〜52の幅寸法α1〜α3で
もあり、α1≒α3>α2の関係がある。これらの各寸
法の具体的数値例としては、各非常用の出入口30〜3
2の幅寸法X1〜X3は、例えば750mm以上である
ことが好ましく、高さ寸法Y1〜Y3は、例えば180
0mm以上であることが好ましい(建築基準法施行令第
112条第14項第2号参照)。そして、中央の扉機構
51について、幅寸法X2を、例えば750mm等とし
たときには、各カバーシート41A,41Bの幅寸法
(扉機構51の幅寸法)α2は、例えば約1100mm
等とすることができ、このような寸法にした場合には、
例えば約175mm等の幅寸法Nを有する重ね代55を
出入口31の両側に確保することができる。左右の扉機
構50,52についても同様である。
【0076】さらに、シャッターカーテン20の取り付
けにより巻取軸60にかかる分布荷重に基づく重量モー
メントを考えると、カーテン幅方向の中央位置Kを境界
としてシャッターカーテン20の左側部分を第一区画2
0Aとし、右側部分を第二区画20Bとしたとき、第一
区画20Aのシャッターカーテン20(カーテン本体2
1の左側半分、扉機構50、扉機構51の左側半分、お
よび座板22の左側半分を含んだ全体)の中央位置Kに
関する反時計回りの重量モーメントと、第二区画20B
のシャッターカーテン20(カーテン本体21の右側半
分、扉機構52、扉機構51の右側半分、および座板2
2の右側半分を含んだ全体)の中央位置Kに関する時計
回りの重量モーメントとは、大きさが略同一で略釣り合
っている。
【0077】また、内法全幅寸法Wの左側端部位置と左
側の扉機構50の左側端部位置との間隔γ1、および内
法全幅寸法Wの右側端部位置と右側の扉機構52の右側
端部位置との間隔γ3は、扉機構50,52の幅寸法α
1,α3以下とされている。従って、左右の扉機構5
0,52は、左右のガイドレール70,71が設けられ
た左右の壁6,7の近傍にそれぞれ配置されている。こ
れらの壁6,7は、火災発生時等の緊急時においては、
避難者等を誘導する誘導手段として機能するものであ
る。
【0078】内法全幅寸法Wとは、両側のガイドレール
70,71の内側同士の間隔をいい、シャッターカーテ
ン20のカーテン幅方向の全幅のうち、案内手段である
ガイドレール70,71に呑み込まれる部分を除いた部
分の幅寸法、すなわち外部に露出する部分(シャッター
カーテン20により仕切られる空間3,4から見える部
分)の幅寸法をいう。内法全幅寸法Wの具体的数値は、
例えば、一つの扉機構51の幅寸法α2の約6倍(例え
ば、α2≒1100mmとしたときには、約7m、α2
≒2100mmとしたときには、約13m)、あるいは
約8倍(例えば、α2≒1100mmとしたときには、
約9m、α2≒1600mmとしたときには、約13
m)等とすることができる。
【0079】なお、図1中の二点鎖線のように、カーテ
ン幅方向の適宜な箇所に、シャッターカーテン20を巻
取軸60に巻き取って収納した際の巻径を調整するため
の巻径調整用部材90,91を設けるようにしてもよ
い。このような巻径調整用部材90,91は、カバーシ
ート40A〜42A,40B〜42Bと同じ材質、同じ
厚さのもので形成することが好ましい。
【0080】このような第一実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、シャッターカーテン20
に、大きな非常用の出入口30,32を有する扉機構5
0,52と、これらよりも小さな非常用の出入口31を
有する扉機構51とを設けたので、建物の状況、および
これに起因する避難者の行動特性(移動特性)に応じた
扉機構の配置を実現できる。
【0081】そして、大きな非常用の出入口30,32
を有する扉機構50,52のほうを避難者の誘導手段と
して機能する壁6,7の近傍に配置するようにしたの
で、壁6,7に沿って避難すると予想される避難者の行
動特性に応じた配置を実現でき、避難者が到着する可能
性の高い位置に、大きな非常用の出入口30,32を有
する扉機構50,52を設けることができる。
【0082】特に、火災発生時等の緊急時には、複数の
避難者が同時に一つの防災用シャッター装置10の設置
箇所を通過しなければならない状況も発生し得るが、こ
のような状況下でも、壁6,7の近傍に、大きな非常用
の出入口30,32を有する扉機構50,52を配置し
たので、避難者の避難を滞りなく行わせることができ
る。
【0083】また、カーテン幅方向の中央位置Kに関す
るシャッターカーテン20の重量モーメントが、第一区
画20Aと第二区画20Bとで略釣り合うように扉機構
50〜52を配置したので、シャッターカーテン20に
扉機構50〜52を設けることにより生じるおそれのあ
る不都合、すなわちカーテン幅方向についての重量バラ
ンスが悪くなるという不都合を未然に防止することがで
きる。このため、巻取軸60の両端に配置されたベアリ
ング等の支持部にかかる負荷を略均一にでき、また、カ
ーテン幅方向の中間位置に補助ローラが設けられている
場合には、この補助ローラに変則的な荷重がかかること
を抑制でき、シャッターカーテン20を円滑に動作させ
ることができる。
【0084】さらに、中央位置Kを基準としてカーテン
幅方向につき対称な配置となるように扉機構50〜52
を配置したので、各カバーシート40A〜42A,40
B〜42Bの厚みおよび材質を同じにすることにより、
上述の重量モーメントの釣り合いを容易に実現すること
ができる。
【0085】また、扉機構50〜52をカーテン幅方向
につき対称に配置したので、シャッターカーテン20の
設計を容易に行うことができるうえ、製造の容易化やコ
スト低減を図ることもできる。
【0086】さらに、シート状部材により形成されたカ
ーテン本体21およびカバーシート40A〜42A,4
0B〜42Bにより、シャッターカーテン20を構成し
たので、シャッターカーテン20を軽量にできるうえ、
折り畳みも可能であることから、運搬時や施工時、ある
いは製造時における取扱いの容易化を図ることができ
る。
【0087】そして、シート状部材により形成されたカ
ーテン本体21およびカバーシート40A〜42A,4
0B〜42Bにより、シャッターカーテン20を構成し
たので、シャッターカーテン20の横幅が大きくなる
程、その利点も大きくなるため、特に大開口に設けられ
る防災用シャッター装置に好適な防災用シャッター装置
10を実現できる。
【0088】また、カバーシート40A〜42A,40
B〜42Bは、シート状部材であるから、縫製が可能で
あるため、カーテン本体21に容易に取り付けることが
できる。
【0089】さらに、重ね代55は、シート状部材によ
り形成されたカーテン本体21とカバーシート40A〜
42A,40B〜42Bとの重ね合わせになるので、気
密性を容易に確保することができる。
【0090】[第二実施形態]図3には、本発明の第二
実施形態の扉機構付きシャッター装置である防災用シャ
ッター装置200の立面図が示されている。
【0091】防災用シャッター装置200は、前記第一
実施形態の防災用シャッター装置10と同様に、火災発
生時等の非常時に、建物等の内部の空間を仕切って防火
や防煙等を行う防災機能を有するシャッター装置であ
り、また、左右方向の断面幅の大きな空間を仕切ること
ができるものであり、建物内の大きな開口に設置される
大開口用シャッター装置である。
【0092】本第二実施形態の防災用シャッター装置2
00は、前記第一実施形態の防災用シャッター装置10
と略同様な構成を備え、シャッターカーテンに設けられ
た扉機構の配置構成が異なるのみであるので、同一部分
には同一符号を付して詳しい説明は省略し、以下には異
なる部分のみを説明する。
【0093】防災用シャッター装置200は、カーテン
本体221に複数(二つ)の扉機構250,251を設
けて形成されたシャッターカーテン220を備えてい
る。また、シャッターカーテン220の下端部には、金
属製の座板222が設けられている。このシャッターカ
ーテン220は、前記第一実施形態のシャッターカーテ
ン20と同様に、内法全幅寸法Wが標準的な内法寸法よ
りも大きい大開口用シャッターカーテンである。
【0094】各扉機構250,251は、連通部である
非常用の出入口230,231と、各非常用の出入口2
30,231について表裏二枚ずつ設けられた覆い部で
あるカバーシート240A,240B,241A,24
1Bとにより、それぞれ構成されている。なお、カーテ
ン本体221およびカバーシート240A,240B,
241A,241Bの材質は、前記第一実施形態の場合
と同様である。
【0095】これらの複数(二つ)の扉機構250,2
51は、前記第一実施形態の場合とは異なり、カーテン
幅方向の中央位置Kを基準としてカーテン幅方向につき
略対称には配置されていない。すなわち、カーテン幅方
向の中央位置Kから左側の扉機構250の中央位置まで
の距離L4は、中央位置Kから右側の扉機構251の中
央位置までの距離L5よりも大きく、L4>L5の関係
がある。
【0096】一方、両側の扉機構250,251の大き
さは、互いに異なっており、左側の扉機構250の大き
さは、右側の扉機構251の大きさよりも小さくなって
いる。従って、非常用の出入口230,231の幅寸法
X4,X5については、X4<X5の関係があり、高さ
寸法Y4,Y5については、Y4<Y5の関係がある。
また、カバーシート240A,241A,240B,2
41Bの幅寸法、すなわち扉機構250,251の幅寸
法α4,α5については、α4<α5の関係がある。
【0097】さらに、左側の扉機構250を設置した部
分の重量(表裏二枚のカバーシート240A,240B
の重量と、これらのカバーシート240A,240Bと
カーテン本体221とが重なった重ね代255の部分に
おけるカーテン本体221の重量との合計重量)をM1
とし、右側の扉機構251を設置した部分の重量(表裏
二枚のカバーシート241A,241Bの重量と、これ
らのカバーシート241A,241Bとカーテン本体2
21とが重なった重ね代256の部分におけるカーテン
本体221の重量との合計重量)をM2としたとき、M
1とL4との積は、M2とL5との積に略等しい。
【0098】このため、シャッターカーテン220の取
り付けにより巻取軸60にかかる分布荷重に基づく重量
モーメントを考えると、カーテン幅方向の中央位置Kを
境界としてシャッターカーテン220の左側部分を第一
区画220Aとし、右側部分を第二区画220Bとした
とき、第一区画220Aのシャッターカーテン220
(カーテン本体221の左側半分、扉機構250、およ
び座板222の左側半分を含んだ全体)の中央位置Kに
関する反時計回りの重量モーメントと、第二区画220
Bのシャッターカーテン220(カーテン本体221の
右側半分、扉機構251、および座板222の右側半分
を含んだ全体)の中央位置Kに関する時計回りの重量モ
ーメントとは、大きさが略同一で略釣り合っている。
【0099】また、右側の扉機構251の近傍には、図
3の紙面直交方向に延びるように配置された、すなわち
シャッターカーテン220に交差するように配置された
手摺り5が設けられている。この手摺り5は、火災発生
時等の緊急時においては、避難者等を誘導する誘導手段
として機能するものである。
【0100】なお、前記第一実施形態の場合と同様に、
図3中の二点鎖線のように、カーテン幅方向の適宜な箇
所に、巻径調整用部材290,291を設けるようにし
てもよい。
【0101】このような第二実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、前記第一実施形態の場合と
同様に、シャッターカーテン220に、大きな非常用の
出入口231を有する扉機構251と、これよりも小さ
な非常用の出入口230を有する扉機構250とを設け
たので、建物の状況、およびこれに起因する避難者の行
動特性(移動特性)に応じた扉機構の配置を実現でき
る。
【0102】そして、大きな非常用の出入口231を有
する扉機構251のほうを避難者の誘導手段として機能
する手摺り5の近傍に配置するようにしたので、手摺り
5に誘導されて避難すると予想される避難者の行動特性
に応じた配置を実現でき、避難者が到着する可能性の高
い位置に、大きな非常用の出入口231を有する扉機構
251を設けることができるうえ、複数の避難者の同時
利用に対応することもできる。
【0103】また、前記第一実施形態の場合と同様に、
カーテン幅方向の中央位置Kに関するシャッターカーテ
ン220の重量モーメントが、第一区画220Aと第二
区画220Bとで略釣り合うように扉機構250,25
1を配置したので、重量バランスがよくなり、シャッタ
ーカーテン220を円滑に動作させることができる。
【0104】さらに、前記第一実施形態の場合と同様
に、シート状部材により形成されたカーテン本体221
およびカバーシート240A,241A,240B,2
41Bにより、シャッターカーテン220を構成したの
で、大開口への対応、縫製等によるカバーシート240
A,241A,240B,241Bのカーテン本体22
1への取り付けの容易化、シート状部材同士の重ね合わ
せによる気密性の確保の容易化を図ることができる。
【0105】[変形の形態]なお、本発明は前記各実施
形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成で
きる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0106】すなわち、前記各実施形態では、一つの扉
機構50等は、表裏二枚の覆い部であるカバーシート4
0A,40B等を備えて構成されていたが(図2参
照)、表裏の一方の側のみに覆い部を設けるようにして
もよい。但し、遮煙性能を高めるという観点からは、表
裏の両側に設けておくことが好ましい。
【0107】また、前記各実施形態では、カーテン表裏
の一方の側のみに着目した場合、一枚の覆い部であるカ
バーシート40A等により、一つの連通部である非常用
の出入口30等が覆われるようになっていたが、図4に
示す扉機構800のように、一つの覆い部801によ
り、二つの連通部802,803が覆われるようにして
もよい。この場合には、覆い部801の幅寸法が、扉機
構800の幅寸法α800となり、また、一つの扉機構
800が有する連通部の大きさは、二つの連通部80
2,803の大きさ(面積)の合計となる。
【0108】さらに、図5および図6に示すような扉機
構810としてもよい。図5は、扉機構810をカーテ
ン裏側から見た状態の斜視図であり、図6は、扉機構8
10の水平断面図である。扉機構810は、カーテン本
体811を形成するシート状部材に、90度回転したコ
の字状のスリットを切り込んで設けることにより形成さ
れた長方形形状の連通部(非常用の出入口)812を備
えている(後述する中間シート813を捲れば長方形形
状の開口になるということである)。従って、連通部8
12の中には、カーテン本体811と一体的に形成され
た覆い部である中間シート813が入り込んで連通部8
12の略全面を塞いでいる。また、カーテン裏側には、
二枚の覆い部であるカバーシート814,815が設け
られ、カーテン表側には、一枚の覆い部であるカバーシ
ート816が設けられている。このため、連通部812
は、中間シート813およびカバーシート814,81
5,816の合計四つの覆い部により、その全面を塞が
れている。この場合には、二枚の覆い部であるカバーシ
ート814,815の幅寸法の合計が、扉機構810の
幅寸法α810となり、スリットの平行部分同士の間隔
が、連通部812の幅寸法X810となり、また、一つ
の扉機構810が有する連通部の大きさは、中間シート
813を捲ったときに形成される長方形形状の開口の大
きさ(面積)となる。
【0109】そして、図7に示す扉機構820のよう
に、カーテン表裏の一方の側のみに着目した場合、複数
の連通部821,822,823と、複数の覆い部82
4,825とにより、一つの扉機構820が構成される
ようにしてもよい。この場合には、二つの覆い部82
4,825の幅寸法の合計が、扉機構820の幅寸法α
820となり、また、一つの扉機構820が有する連通
部の大きさは、複数(三つ)の連通部821,822,
823の大きさ(面積)の合計となる。
【0110】また、前記各実施形態では、覆い部である
カバーシート40A等は、カーテン本体21等と別部材
で形成されていたが、図8に示す扉機構830のよう
に、カーテン本体831と同一部材により一体的に形成
された覆い部832としてもよい。扉機構830は、複
数枚(三枚)のシート状部材833A,833B,83
3Cをカーテン幅方向に並べて縫着部834により連結
して形成されたシャッターカーテン833を備えてい
る。そして、両側のシート状部材833A,833C
と、中央のシート状部材833Bの上側部分(図中の二
点鎖線の上側部分)とにより、カーテン本体831が構
成され、中央のシート状部材833Bの下側部分(図中
の二点鎖線の下側部分)により、覆い部832が構成さ
れている。また、縫着部834の形成箇所よりも下側の
位置(図中の二点鎖線の下側位置)に、連通部(非常用
の出入口)835が形成されている。
【0111】さらに、本発明の扉機構付きシャッター装
置のシャッターカーテンは、図9に示すシャッターカー
テン840のように、複数枚(三枚)のシート状部材8
41,842,843を、シート連結用かつ補強用の中
桟844により連結して形成されたカーテン本体845
を備えたものとしてもよい。この場合には、扉機構84
6を構成するにあたっては、シート状部材841,84
3の間に形成された連通部(非常用の出入口)847
を、中桟844に取り付けられた覆い部であるカバーシ
ート848により覆うようにすればよい。
【0112】また、前記各実施形態では、防災用シャッ
ター装置10等は、シャッターカーテン20等を巻取軸
60に巻き取って収納する巻取式のシャッター装置とさ
れていたが、本発明の扉機構付きシャッター装置は、他
のタイプのシャッター装置に適用してもよい。例えば、
図10に示すように、オーバースライディング式のシャ
ッター装置850に適用し、連通部(非常用の出入口)
851と、これを覆う表裏二枚の覆い部であるカバーシ
ート852,853とにより構成された扉機構854を
備えたシャッターカーテン855を、ガイドレール85
6に沿ってスライドさせて上下動させるようにしてもよ
い。
【0113】さらに、前記各実施形態では、本発明の扉
機構付きシャッター装置は、防災用とされていたが、こ
れに限定されるものではなく、例えば、図11に示すシ
ャッター装置900のように、クリーンルームや暗室等
の特殊空間901を形成するために設置されるものとし
てもよい。また、本発明の誘導手段は、前記各実施形態
のような手摺り5(図3参照)や壁6,7(図1参照)
等の人や動物を誘導するための手段に限定されるもので
はなく、例えば、図11に示すように、特殊空間901
で製造された移動体である製品902等を外部空間90
3に送るための搬送用コンベア904等のような物体の
移動を誘導するための手段であってもよい。図11にお
いて、シャッター装置900のシャッターカーテン90
5は、製品902等がカーテン本体906に取り付けら
れた覆い部907を押して連通部908を通ることがで
きる構成となっている。
【0114】また、図12に示す扉機構910のよう
に、一つの連通部(非常用の出入口)911が複数(左
右二つ)の区画911A,911Bに分割された状態と
なっている特殊な構成の扉機構としてもよい。図12に
おいて、連通部911を表裏両側から覆う二枚の覆い部
であるカバーシート912A,912Bは、それぞれの
中央線同士を縫着部913で結合され、これにより各カ
バーシート912A,912Bの左側半分か、あるいは
右側半分を捲れるようになっている。この場合には、一
つの扉機構910が有する連通部の大きさは、分割され
た各区画911A,911Bを合計した大きさ(面積)
となる。
【0115】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、シ
ャッターカーテンに、それぞれ大きさの異なる連通部を
有する少なくとも二種類の扉機構を配置したので、建物
の状況、あるいはシャッターカーテンに設けられた扉機
構を利用しようとする者の行動特性や種別や大小等の各
種特性に応じた扉機構の配置を実現できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の扉機構付きシャッター
装置である防災用シャッター装置の立面図。
【図2】前記第一実施形態の防災用シャッター装置の縦
断面図(図1のA−A線断面図)。
【図3】本発明の第二実施形態の扉機構付きシャッター
装置である防災用シャッター装置の立面図。
【図4】本発明の第一の変形の形態を示す概略構成図。
【図5】本発明の第二の変形の形態を示す斜視図。
【図6】前記第二の変形の形態の水平断面図。
【図7】本発明の第三の変形の形態を示す概略構成図。
【図8】本発明の第四の変形の形態を示す概略構成図。
【図9】本発明の第五の変形の形態を示す概略構成図。
【図10】本発明の第六の変形の形態を示す概略構成
図。
【図11】本発明の第七の変形の形態を示す概略構成
図。
【図12】本発明の第八の変形の形態を示す概略構成
図。
【符号の説明】
3,4 カーテン表裏の空間 5 誘導手段である手摺り 6,7 誘導手段である壁 10,200 扉機構付きシャッター装置である防災用
シャッター装置 20,220,833,840,855,905 シャ
ッターカーテン 21,221,811,831,845,906 カー
テン本体 30〜32,230,231 連通部である非常用の出
入口 40A,40B,41A,41B,42A,42B,2
40A,240B,241A,241B,814,81
5,816,848,852,853,912A,91
2B 覆い部であるカバーシート 50〜52,250,251,800,810,82
0,830,846,854,910 扉機構 55,255,256 重ね代 801,824,825,832,907 覆い部 802,803,812,821〜823,835,8
47,851,908,911 連通部 813 覆い部である中間シート 900 扉機構付きシャッター装置 902 移動体である製品 904 誘導手段である搬送用コンベア W カーテン幅方向の内法全幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 壽雄 東京都板橋区志村3丁目26番4号 文化シ ヤッター株式会社内 (72)発明者 岩瀬 憲昭 東京都板橋区志村3丁目26番4号 文化シ ヤッター株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間を仕切るカーテン本体と、このカー
    テン本体により仕切られたカーテン表裏の空間を連通す
    る連通部と、この連通部を覆いかつ前記連通部とともに
    扉機構を構成する覆い部とを有するシャッターカーテン
    を備えた扉機構付きシャッター装置において、 前記シャッターカーテンには、前記扉機構が複数配置さ
    れ、これらの複数の前記扉機構の中には、それぞれ大き
    さの異なる前記連通部を有する少なくとも二種類の前記
    扉機構が含まれていることを特徴とする扉機構付きシャ
    ッター装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の扉機構付きシャッター
    装置において、移動体の移動を誘導する誘導手段の近傍
    に配置された前記扉機構が有する前記連通部の大きさ
    は、他の部分に配置された前記扉機構が有する前記連通
    部の大きさよりも大きいことを特徴とする扉機構付きシ
    ャッター装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の扉機構付きシ
    ャッター装置において、前記覆い部と、前記カーテン本
    体のうち少なくとも前記覆い部と重なる重ね代部分と
    は、いずれもシート状部材により形成されていることを
    特徴とする扉機構付きシャッター装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の扉機構
    付きシャッター装置において、前記シャッターカーテン
    は、防災機能を有し、前記連通部は、非常用の出入口で
    あることを特徴とする扉機構付きシャッター装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の扉機構
    付きシャッター装置において、前記シャッターカーテン
    は、カーテン幅方向につき標準的な内法寸法よりも大き
    な内法寸法を有し、かつ、断面幅の大きな空間を仕切る
    大開口用シャッターカーテンであることを特徴とする扉
    機構付きシャッター装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,4のいずれかに記載の扉
    機構付きシャッター装置において、前記覆い部と、前記
    カーテン本体のうち少なくとも前記覆い部と重なる重ね
    代部分とは、いずれもシート状部材により形成され、 前記シャッターカーテンは、カーテン幅方向につき12
    mを超える内法寸法を有し、かつ、断面幅の大きな空間
    を仕切る大開口用シャッターカーテンであることを特徴
    とする扉機構付きシャッター装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の扉機構
    付きシャッター装置において、前記連通部は、二次元的
    広がりを持つ開口状に形成され、かつ、前記シャッター
    カーテンの閉鎖方向先端部の近傍にこの閉鎖方向先端部
    に沿って配置される一定幅の辺を有することを特徴とす
    る扉機構付きシャッター装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019115324A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 澁谷工業株式会社 無菌作業システム
EP3872293A1 (en) * 2020-02-27 2021-09-01 FIMARC Zenon Malkowski Roll-up fireproof curtain

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