JP2001173240A - 補強外壁及び外壁の補強工法 - Google Patents

補強外壁及び外壁の補強工法

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JP2001173240A
JP2001173240A JP36157899A JP36157899A JP2001173240A JP 2001173240 A JP2001173240 A JP 2001173240A JP 36157899 A JP36157899 A JP 36157899A JP 36157899 A JP36157899 A JP 36157899A JP 2001173240 A JP2001173240 A JP 2001173240A
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reinforcing
mortar
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pillar
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Tatsuo Okita
龍夫 沖田
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ASAHI REHOUSE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外壁を短期間且つ低コストで確実に補強す
る。 【解決手段】 既設の木造建築物Aにおける外壁Cの屋
外に面したモルタル塗壁部30面に対して補強板状材4
0を添装すると共に該モルタル塗壁部30面に添装した
前記補強板状材40を前記外壁Cにおける互いに隣り合
っている一対の柱21、21に対して該柱21間に渡る
ように止め付けて該一対の柱21、21間にあるモルタ
ル塗壁部30面の全部又は一部を覆って構成してある補
強外壁及び外壁の補強工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は既設の木造建築
物、特に外壁がモルタル塗壁とされている既設の木造建
築物における補強された外壁及び既設の木造建築物にお
ける外壁の補強工法の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】木造建築物は、防火の目的などから、そ
の外壁に耐火性に優れたモルタル塗壁を備えて構成する
ことが一般になされている。
【0003】かかる木造建築物に備えられるモルタル塗
壁部を有する外壁は、例えば、柱あるいは間柱間などに
亙って順次並列状態に長板状の壁下地材を釘止めなどに
よって止め付けると共に、この下地材上にアスファルト
フェルトなどの防水紙を添装状態にして該下地材にステ
ープルで止め付け、この止めつけ防水紙上にメタルラス
などのラスを添装状態にしてステープルを用いて前記下
地材に止め付けてラス下地を構成し、この構成されたラ
ス下地上にセメントモルタルを一ないし複数回に亙って
所要の厚さとなるまで塗り付けて構成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
モルタル塗壁部を備えて構成される木造建築物における
外壁にあっては、この外壁を構成するモルタル塗壁部が
比較的重量を有するにも拘わらず、このモルタル塗壁部
の下端がコンクリート布基礎によって支えられておら
ず、このモルタル塗壁部を構成するメタルラスの腐食あ
るいは該メタルラスの止め付けステープルの腐食などに
伴って、この外壁を構成しているモルタル塗壁部にひび
割れを生じたり、このひび割れ部分から雨水が侵入する
などの不具合があった。
【0005】また、かかるメタルラスあるいはステープ
ルの腐食などに伴って前記壁下地材上に構成されている
モルタル塗壁部が当該下地材から剥落するなどの不具合
があった。
【0006】このように経時的に劣化された外壁のモル
タル塗壁部は、地震などの発生に際して崩壊する危険を
有し、しかも、このモルタル塗壁部の崩壊によって当該
壁に求められている耐震強度などが著しく損なわれ、木
造建築物自体に倒壊の危険をもたらすなどの不具合の発
生が予想される。
【0007】また、一方で、かかる経時的に劣化状態に
あるモルタル塗壁部の補強は、通例、各柱あるいは間柱
などの間に備えられている当該モルタル塗壁部分を剥ぎ
取り、場合によっては、ラス下地を構成する下地板材を
取り替えると共に、防水紙の張り替え及びメタルラスな
どの添装張り替えと、このメタルラス上に対するセメン
トモルタルの塗り付けを要し、その補強に多くの手間と
日程を要することから補強に伴う生活環境の保全に難が
あると共に補強コストが割高となるなどの不具合があっ
た。
【0008】この発明は、かかる従前のモルタル塗壁部
を備える外壁の木造建築物における不具合を解消し、既
設の木造建築物における居住性を損なうことなく比較的
短期間で、しかも、低コストで、既存の外壁に備えられ
る補強外壁及び既存の外壁の補強工法の提供を目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、既設の木造建築物におけ
る外壁の屋外に面したモルタル塗壁部面に対して補強板
状材を添装すると共に該モルタル塗壁部面に添装した前
記補強板状材を前記外壁における互いに隣り合っている
一対の柱に対して該柱間に渡るように止め付けて該一対
の柱間にあるモルタル塗壁部面の全部又は一部を覆って
あることを特徴とする補強外壁としてある。
【0010】このように構成される補強外壁にあって
は、この補強外壁が比較的短期間に、しかも、補強対象
とされる既設の木造建築物に居住した状態で比較的容易
に構成し得る特長を有し、また、構成される補強外壁に
耐力壁に相応した強度をもたらすことができる。
【0011】また、前記目的を達成するために、請求項
2に記載の発明を、前記請求項1に記載の発明におい
て、前記既設の木造建築物における前記柱の一方が出隅
部の柱としてあり且つ他方が該出隅部の柱に隣り合う柱
としてあることを特徴とする補強外壁としてある。
【0012】このように構成される補強外壁にあって
は、木造建築物の補強を、この木造建築物における出隅
部分において、比較的短期間に、しかも、補強対象とさ
れる既設の木造建築物に居住した状態で、比較的容易に
なすことができる。また、この木造建築物の出隅部分に
おける外壁に耐力壁に相応した強度をもたらすことがで
きる。
【0013】また、前記目的を達成するために、請求項
3に記載の発明を、前記請求項1又は請求項2に記載の
発明において、前記モルタル塗壁部面に添装され且つ前
記柱に止め付けられる前記補強板状材に対して補強サポ
ート材を添装し且つ該補強サポート材を前記柱に取り付
けてあることを特徴とする補強外壁としてある。
【0014】このように構成される補強外壁にあって
は、前記特長に併せて、補強対象とされる既設の木造建
築物に対して、より確実な補強外壁をもたらし得ると共
に、既設の木造建築物の各柱間にある夫々の外壁のモル
タル塗壁部の全面に亙って補強板状材が取付けられない
場合にあっても当該木造建築物に対して所期の補強効果
をもたらすことができる。
【0015】また、前記目的を達成するために、請求項
4に記載の発明を、前記請求項1又は請求項2に記載の
発明において、側端を互いに直角に突き合わされて出隅
部における前記モルタル塗壁部面に添装され且つ前記出
隅部の柱と該出隅部の柱の両側方に隣り合って備えられ
ている夫々の柱とに止め付けられる前記補強板状材に対
して断面形状がL字状をなす補強サポート材を該補強サ
ポート材の互いに内側にある面を夫々接した状態で前記
出隅部の柱に止め付けてあることを特徴とする補強外壁
としてある。
【0016】このように構成される補強外壁にあって
は、前記特長に併せて、補強対象とされる既設の木造建
築物に対して、より確実な補強外壁をもたらし得ると共
に、既設の木造建築物の各出隅部分にある出隅部の柱と
該出隅部の柱に隣り合っている柱間にある外壁のモルタ
ル塗壁部の全部に亙って補強板状材が取付けられない場
合にあっても当該木造建築物に対して所期の補強効果を
もたらすことができる。
【0017】また、前記目的を達成するために、請求項
5記載の発明を、前記請求項1、請求項2、請求項3又
は請求項4に記載の発明において、前記補強板状材の添
装されるモルタル塗壁部下端縁の全部又は一部に沿っ
て、少なくとも該モルタル塗壁部におけるセメントモル
タル層部の下端を支承するようにコンクリート補助基礎
が設けられていることを特徴とする補強外壁としてあ
る。
【0018】このように構成される補強外壁にあって
は、前記特長に併せて、既設の木造建築物におけるモル
タル塗壁部がコンクリート補助基礎によって効果的に下
支えされる。
【0019】また、前記目的を達成するために、請求項
6に記載の発明を、既設の木造建築物の外壁の屋外に面
したモルタル塗壁部における補強板状材の添装される該
モルタル塗壁部下端のセメントモルタル層部を少なくと
も支承するようにコンクリート補助基礎を設ける工程
と、互いに隣り合う一対の柱間の前記外壁における前記
モルタル塗壁部面に該面の少なくとも一部を覆って該柱
間に渡るように前記補強板状材を添装し且つ該柱に止め
付ける工程とを有することを特徴とする外壁の補強工法
としてある。
【0020】このように構成される外壁の補強工法にあ
っては、この補強外壁を比較的短期間で、しかも、既設
の木造建築物に居住した状態で比較的容易に構成でき、
また、補強外壁に耐力壁に相応した強度を確実にもたら
し、しかも、モルタル塗壁部の重量を効果的に下支えす
ることのできる補強外壁が構成できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の典型的な実施の形
態に係る補強外壁及び外壁の補強工法について詳細に説
明する。
【0022】図1は、既設の木造建築物Aに施された典
型的な実施の形態に係る補強外壁C’及び、既設の木造
建築物Aに典型的な実施の形態に係る外壁の補強工法に
よって補強外壁C’を構成した状態を要部の斜視図で、
図2は、かかる補強外壁C’を備えた既設の木造建築物
Aの出隅部における要部を平断面の状態で、図3は、か
かる補強外壁C’を備えた既設の木造建築物Aの間仕切
り壁D部分における要部を平断面の状態で、図4は、前
記補強外壁C’を備えた既設の木造建築物Aの出隅部に
おける要部を縦断面の状態で、図5は、前記補強外壁
C’を備えた既設の木造建築物Aの間仕切り壁D部分以
外の部分における要部を縦断面の状態で、図6は、前記
補強外壁C’を備えた既設の木造建築物Aの間仕切り壁
D部分における要部を縦断面の状態で夫々示してある。
【0023】この典型的な実施の形態に係る補強外壁
C’は、既設の木造建築物Aにおける外壁Cの屋外に面
したモルタル塗壁部30面に対して補強板状材40を添
装すると共に該モルタル塗壁部30面に添装した前記補
強板状材40を前記外壁Cにおける互いに隣り合ってい
る一対の柱21、21に対して該柱21間に渡るように
止め付けて該一対の柱21、21間にあるモルタル塗壁
部30面の全部又は一部を覆って構成してある。
【0024】このように構成される補強外壁C’にあっ
ては、この補強外壁C’が比較的短期間に、しかも、補
強対象とされる既設の木造建築物Aに居住した状態で比
較的容易に構成し得る特長を有し、また、構成される補
強外壁C’に耐力壁に相応した強度をもたらし得る特長
を有している。
【0025】また、前記構成に係る補強外壁C’におい
て、前記既設の木造建築物Aにおける前記柱21の一方
が出隅部の柱21としてあり且つ他方が該出隅部の柱2
1に隣り合う柱21としてあってもよい。
【0026】このように構成される補強外壁C’にあっ
ては、木造建築物Aの補強を、この木造建築物Aにおけ
る出隅部分において、比較的短期間に、しかも、補強対
象とされる既設の木造建築物Aに居住した状態で、比較
的容易になし得る特長を有している。また、この木造建
築物Aの出隅部分における外壁Cに耐力壁に相応した強
度をもたらすことができる特長を有している。
【0027】また、前記構成に係る補強外壁C’におい
て、前記モルタル塗壁部30面に添装され且つ前記柱2
1に止め付けられる前記補強板状材40に対して補強サ
ポート材を添装し且つ該補強サポート材43を前記柱2
1に取り付けてあってもよい。
【0028】このように構成される補強外壁C’にあっ
ては、前記特長に併せて、補強対象とされる既設の木造
建築物Aに対して、より確実な補強外壁C’をもたらし
得ると共に、既設の木造建築物Aの各柱21間にある夫
々の外壁Cのモルタル塗壁部30の全面に亙って補強板
状材40が取付けられない場合にあっても当該木造建築
物Aに対して所期の補強効果をもたらし得る特長を有し
ている。
【0029】また、前記構成に係る補強外壁C’におい
て、側端を互いに直角に突き合わされて出隅部における
前記モルタル塗壁部30面に添装され且つ前記出隅部の
柱21と該出隅部の柱21の両側方に隣り合って備えら
れている夫々の柱21とに止め付けられる前記補強板状
材40に対して断面形状がL字状をなす補強サポート材
42を該補強サポート材42の互いに内側にある面を夫
々接した状態で前記出隅部の柱21に止め付けてあって
もよい。
【0030】このように構成される補強外壁C’にあっ
ては、前記特長に併せて、補強対象とされる既設の木造
建築物Aに対して、より確実な補強外壁C’をもたらし
得ると共に、既設の木造建築物Aの各出隅部分にある出
隅部の柱21と該出隅部の柱21に隣り合っている柱2
1間にある外壁Cのモルタル塗壁部30の全部に亙って
補強板状材40が取付けられない場合にあっても当該木
造建築物Aに対して所期の補強効果をもたらし得る特長
を有している。
【0031】また、前記構成に係る補強外壁C’におい
て、前記補強板状材40の添装されるモルタル塗壁部3
0下端縁の全部又は一部に沿って、少なくとも該モルタ
ル塗壁部30におけるセメントモルタル層部34の下端
を支承するようにコンクリート補助基礎B’が設けられ
ていてもよい。
【0032】このように構成される補強外壁C’にあっ
ては、前記特長に併せて、既設の木造建築物Aにおける
モルタル塗壁部30がコンクリート補助基礎B’によっ
て効果的に下支えされる。
【0033】また、この典型的な実施の形態に係る外壁
の補強工法を、既設の木造建築物Aの外壁Cの屋外に面
したモルタル塗壁部30における補強板状材40の添装
される該モルタル塗壁部30下端のセメントモルタル層
部34を少なくとも支承するようにコンクリート補助基
礎B’を設ける工程と、互いに隣り合う一対の柱21、
21間の前記外壁Cにおける前記モルタル塗壁部30面
に該面の少なくとも一部を覆って該柱21、21間に渡
るように前記補強板状材40を添装し且つ該柱21に止
め付ける工程とを有する構成としてある。
【0034】このように構成される外壁の補強工法にあ
っては、この補強外壁C’を比較的短期間で、しかも、
既設の木造建築物Aに居住した状態で比較的容易に構成
できる特長を有し、また、補強外壁C’に耐力壁に相応
した強度を確実にもたらすと共にモルタル塗壁部30の
重量を効果的に下支えすることのできる補強外壁C’を
構成し得る特長を有している。
【0035】次いで、この実施の形態に係る補強外壁
C’及び外壁Cの補強工法について、更に具体的に説明
する。
【0036】この補強外壁C’の構成される木造建築物
Aは、こ補強外壁C’の構成される以前において既に築
造されている建築物であって、典型的には、既設の建築
物基礎Bを備えて構成されており、外壁C及び間仕切り
壁Dを有する構成としてある。
【0037】かかる既設の木造建築物Aにおける典型的
な既設の建築物基礎Bは、例えば、フーチング部11a
を備えて設置地面10に下部側を埋設状態にして備えら
れたコンクリート布基礎11としてあり、割りグリ12
上に打ち込まれた捨てコンクリート13上に構成してあ
る。
【0038】かかるコンクリート布基礎11上に土台2
4を配し、また各土台24間に大引25を配してあり、
この図示例にあっては該土台24上に柱21及び間柱2
2を起立状態に設けてある。
【0039】また、この図示例における前記外壁Cは、
前記土台24上に備えられる夫々の柱21及び間柱22
間に亙るように、該柱21及び間柱22の内側に化粧合
板などの壁板35を張り設ける一方、この柱21及び間
柱22の外側にラス下地を構成する長尺状板材からなる
下地板31を該柱21及び間柱22の上下方向に順次所
定間隔毎に止着し、この下地板31上にアスファルトフ
ェルトなどの防水紙32を張設すると共に、この防水紙
32上にメタルラスなどのラス33を添装状態で止めつ
けてモルタルの塗り付け下地を構成し、次いで、この下
地上にセメントモルタルを塗り付けてモルタル塗壁部3
0を設けて構成してある。
【0040】なお、このモルタル塗壁部30を備えて構
成される外壁Cは、この図示例におけるようにメタルラ
スなどのラス33を用いて構成されるモルタルの塗り下
地にセメントモルタルを塗り付けて構成される外壁Cに
限定されるものでなく、例えば、各種のラスボードなど
の下地材を前記柱や間柱に組み付けてモルタルの塗り下
地を構成するなど適宜の手段でモルタルの塗り下地を構
成すると共に、このモルタルの塗り下地を用いて前記外
壁Cのモルタル塗壁部を構成してあってもよい。
【0041】また、土台23上に備えられる間仕切り壁
Dは、前記外壁Cにおけると同様に柱、間柱などの間に
亙るように夫々の仕切り空間に面した当該柱及び間柱の
面に夫々化粧合板などの壁板35を張り設けて構成して
ある。
【0042】また、前記土台23、24及び大引25上
に根太26を配して床板27が張り設けてある。
【0043】また、この各床板27と前記壁板35との
間にあって、この壁板35に沿うように幅木36が設け
てある。
【0044】なお、この図示例に係る既設の木造建築物
Aにあっては、構成される外壁Cに対して、窓50、勝
手口や玄関などの出入口51などの開口部E、庇52、
出窓枠53、窓手摺54、掃き出し、戸袋などの各種の
外壁の付帯造作物Fなどが備えられた構成としてある。
【0045】この図示例にあっては、かかる構成の既設
の建築物基礎Bに対してコンクリート補助基礎B’を備
えさせる工程と、既設の木造建築物Aにおける外壁Cに
対して補強外壁C’を構成する工程とを有する典型的な
外壁の補強工法と、かかる構成の建築物基礎Bに対して
コンクリート補助基礎B’を備えさせ且つ既設の木造建
築物Aの外壁Cに対して補強外壁C’を備えさせてある
典型的な補強外壁C’とを示している。
【0046】かかる既設の建築物基礎Bに対するコンク
リート補助基礎B’は、少なくとも、前記既設の木造建
築物Aにおける前記外壁Cに対して補強板状材40の備
えられる部分に備えられるものであって、この補強板状
材40の備えられる部分以外の前記外壁Cの部分にも設
けるようにしてあってもよい。
【0047】この既設の木造建築物Aにおける既設の建
築物基礎Bに沿って備えられるコンクリート補助基礎
B’は、該既設の建築物基礎Bにおける外方部分の地面
10を掘り起こすと共に、前記割グリ12に連続して割
グリ12を敷き並べ、この割グリ12の上に捨てコンク
リート13を打設し、この打設捨てコンクリート13上
に、型枠組み、配筋及びコンクリート打ち込みなどによ
ってコンクリート補助基礎体14を構成することによっ
て構成される。
【0048】ここで既設の建築物基礎Bの外側に、この
既設の建築物基礎Bに沿って設けられるコンクリート補
助基礎B’を構成するコンクリート補助基礎体14は、
前記外壁Cにおけるモルタル塗壁部30の下端部、特
に、該モルタル塗壁部30におけるセメントモルタル層
部34の下端を少なくとも支承する構成としてある。
【0049】かかるコンクリート補助基礎体14は、下
部側に側方に張り出し構成されるフーチング部14a
と、このフーチング部14a上に連続されている厚幅部
14bと、この厚幅部14b上に連続されている細幅部
14cと、この細幅部14cの上端面外側から連続され
て起立状態に備えられる突き出し部14dとを備えてお
り、この突き出し部14dの内側にある前記細幅部14
cの上端面が支承部14eとして構成されており、この
支承部14eの面が前記モルタル塗壁部30の下端面に
接した状態、より典型的には、該モルタル塗壁部30に
おける少なくともセメントモルタル層部34の下端に該
支承部14eが密着して該モルタル塗壁部30を下支え
するように当該コンクリート補助基礎体14のコンクリ
ートを打設構成してある。
【0050】尚、この図示例にあっては、前記モルタル
塗壁部30の下端側に構成されるコンクリート補助基礎
B’を構成するコンクリート補助基礎体14は、前記モ
ルタル塗壁部30の下端側が、このコンクリート補助基
礎体14の打込み型枠内に位置するように型枠組をな
し、このモルタル塗壁部30の下端側が打込コンクリー
ト内に埋没すうように当該コンクリート補助基礎体14
におけるコンクリートの打込み養生をなすことによっ
て、このモルタル塗壁部30の下端面を当該打込みコン
クリート補助基礎体14の支承部14eによって下支え
状態とし、しかも、このモルタル塗壁部30における下
端側を該支承部14eに連続する突き出し部14dによ
って覆うように該モルタル塗壁部30の下端部を前記コ
ンクリート補助基礎体14に一体に構成してある。
【0051】かかる既設の建築物基礎Bに沿って備えら
れる新設のコンクリート補助基礎B’は、典型的には、
補強板状材40の止め付けられる前記木造建築物Aにお
ける各柱21、21間にある外壁Cの下方の全部又は一
部に沿って備えられる。また、かかる新設のコンクリー
ト基礎B’は、更に典型的には、補強板状材40の止め
付けられる前記木造建築物Aにおける出隅部の柱21と
該出隅部の柱21に隣り合う柱21との間にある外壁C
の下方の全部又は一部に沿って備えられる。
【0052】かかる既設の建築物基礎Bの側方に該建築
物基礎Bに沿って備えられる新設のコンクリート補助基
礎B’に、前記木造建築物Aにおける出隅部分における
出隅部の柱21部分にある外壁Cの側方と、前記外壁C
における要所の柱21の側方、より典型的には、間仕切
り壁Dなどの備えられる外壁Cを構成する当該間仕切り
壁Dに連続される部分にある柱21の外側方とに、前記
コンクリート補助基礎体14における前記厚幅部14b
を更に外方に張り出すようにして構成した張り出し状厚
幅部14b’を設ける。
【0053】また、この典型的な実施の形態に係る図示
例にあっては、前記厚幅部14bの張り出し状厚幅部1
4b’の備えられる前記コンクリート補助基礎14を、
この張り出し状厚幅部14b’部分にある柱21と該柱
に隣り合っている両側方にある柱との間、及び、該張り
出し状厚幅部14b’部分にある出隅部の柱21と該出
隅部の柱21に隣り合っている両側方にある柱21との
間に設けた構成としてある。
【0054】このコンクリート補助基礎体14の外方に
張り出すように備えられる張り出し状厚幅部14b’
は、この張り出し状厚幅部14b’において前記補強サ
ポート材42及び補強サポート材43を起立状態に設け
得る形態を備えたものとして構成される。
【0055】即ち、前記既設の木造建築物Aにおける出
隅部における出隅部の柱21の側方に備えられる張り出
し状厚幅部14b’は、前記補強サポート材42を止め
付け具45によって起立状態に組み付け得るように、こ
の出隅部において構成される略仮想の四角形状の夫々直
角を挟む2辺を構成する形状をなすように前記厚幅部1
4bから外方に張り出した状態に設けてある。
【0056】また、前記外壁Cにおける要所の柱21の
側方、特に、間仕切り壁Dが分岐して構成される外壁C
部分にある柱21の側方に備えられる張り出し状厚幅部
14b’は、前記補強サポート材43を止め付け具45
によって起立状態に組み付け得るように、この外壁Cに
沿って備えられている前記コンクリート補助基礎体14
の外方に略四角形状をなすように突き出した状態に設け
てある。
【0057】なお、この各張り出し状厚幅部14b’に
は、前記止め付け具45を一体に設けた構成としてあ
り、この図示例にあっては、このコンクリート補助基礎
B’の構成に際して、アンカーボルト45aの下部側を
該コンクリート補助基礎体14内に埋設し、該アンカー
ボルト45aを該コンクリート補助基礎体14に対して
一体に設けてある。
【0058】次いで、この実施の形態に係る補強外壁
C’について具体的に説明する。この実施の形態に係る
典型的な補強外壁C’は、前記既設の木造建築物Aの外
壁Cにおけるモルタル塗壁部30の面に補強板状材40
を添装し、このモルタル塗壁部30の面に添装した補強
板状材40を止め付け具41を用いて前記既設の木造建
築物Aにおける互いに隣り合っている一対の柱21、2
1に止め付けることによって構成される。また、この実
施の形態に係る他の典型的な補強外壁C’は、前記既設
の木造建築物Aの外壁Cにおける出隅部のモルタル塗壁
部30の面に補強板状材40を添装し、この出隅部のモ
ルタル塗壁部30の面に添装した補強板状材40を止め
付け具41を用いて前記既設の木造建築物Aにおける出
隅部の柱21と、この出隅部の柱21の両側方にあって
該出隅部の柱21に隣り合っている各柱21とに止め付
けることによって構成される。
【0059】この外壁Cのモルタル塗壁部30の面に対
して補強板状材40を添装取り付けて補強外壁C’を構
成する当該モルタル塗壁部30に対する補強板状材40
の添装取り付けは、前記外壁Cを構成する互いに隣り合
っている一対の柱21、21間、あるいは、前記外壁C
を構成する出隅部の柱21と該出隅部の柱21に隣り合
っている柱21との間に亙るようになされておれば良
く、この互いに隣り合っている一対の柱21、21間の
全面、あるいは前記出隅部の柱21と該出隅部の柱21
に隣り合っている柱21との間の全面を該補強板状材4
0が覆うように備えられている必要はない。
【0060】また、前記以外の他の各柱21間に亙って
前記木造建築物Aのモルタル塗壁部30の全面に亙るよ
うに当該補強板状材40を添装取り付けてあってもよ
く、また、この外壁Cの出隅部における出隅部の柱21
と該出隅部の柱21に隣り合っている柱21との間、及
び当該外壁Cの要所にある互いに隣り合っている各柱2
1、21間の少なくとも一部覆って該各柱21間及び出
隅部の柱21と該出隅部の柱21に隣り合っている柱2
1との間に渡るように前記補強板状材40が取り付けて
あれば当該木造建築物Aの外壁Cにける他のモルタル塗
壁部30面が該補強板状材40によって覆われていなく
ともよい。
【0061】かかる外壁Cにおけるモルタル塗壁部30
に添装取り付けられる補強板状材40は、典型的には、
各種の合板、各種の鉄板、各種のラスボードなどの所定
の強度と所定の広がりを備えた各種の板状素材が用いら
れる。
【0062】また、この外壁Cにおけるモルタル塗壁部
30に添装される補強板状材40は、適宜の止め付け具
41によって、前記既設の木造建築物Aを構成する柱2
1に止め付けられる。
【0063】この典型的な実施の形態として示される図
示例にあっては、柱21に対して当該モルタル塗壁部3
0に添装された補強板状材40を止め付け具41の典型
例として示されるコーチネジ41aによって止め付けて
ある。
【0064】尚、この図示例にあっては、前記モルタル
塗壁部30の面に添装取り付けられる補強板状材40
は、その下端が前記コンクリート補助基礎B’における
突き出し部14dの上端に乗せかけられるように当該モ
ルタル塗壁部30に添装状態とされ、且つ、既設の木造
建築物Aを構成する柱21に止め付け具41によって止
め付けられている。
【0065】このように補強板状材40の備えられた補
強外壁C’に対して、更に、必要に応じて補強サポート
材43及び補強サポート材42によって補強をする。
【0066】かかる補強の一つは、例えば、前記コンク
リート補助基礎B’の所要部分に構成されたコンクリー
ト補助基礎体14における張り出し状厚幅部14b’に
立設される補強サポート材43によってなされる。
【0067】このコンクリート補助基礎B’を構成する
前記コンクリート補助基礎体14における前記張り出し
状厚幅部14b’に備えられる補強サポート材43は、
典型的には、各種の鋼材、例えば、H形鋼、CT形鋼、
各種山形鋼、溝形鋼などの任意の形態からなる形鋼や各
種の形態からなる鋼管などを用いることができる。
【0068】この図示例にあっては、かかる典型的な補
強サポート材43として、角形鋼管を用いて前記モルタ
ル塗壁部30に添装取り付けられた補強板状材40によ
る当該外壁Cに対する補強を更に強化するようにしてあ
る。
【0069】この補強サポート材43として用いられる
角形鋼管は、前記モルタル塗壁部30に備えられた補強
板状材40に添装される面を挟む両側の面に、その下端
から外向きに該鋼管の長さ方向に直交する向きの鍔43
aを張り出し状態に設けてあり、この鍔43aを、前記
張り出し状厚幅部14b’上に乗せかけるようにして、
止め付け具44によって前記既設の木造建築物Aにおけ
る柱21に取付けてある。
【0070】なお、この補強サポート材43の取付けに
あっては、前記張り出し状厚幅部14b’に備えられて
該面から上方に向けて突き出されている前記アンカーボ
ルト45aを、この補強サポート材43における前記鍔
43aに設けられている孔43bに挿通し、この孔43
bから突き出された該アンカーボルト45aにナット4
5bをネジ入れて該補強サポート材43を構成する角形
鋼管を、その一面を前記モルタル塗壁部30に設けた補
強板状材40に接した状態にして、該張り出し状厚幅部
14b’上に該張り出し状厚幅部14b’に対して前記
鍔43aを接した状態で起立取付け状態とし、しかも、
これを、前記止め付け具44によって前記既設の木造建
築物Aを構成する柱21に取付ける。
【0071】なお、この補強サポート材43を構成する
角形鋼管の止め付けに用いられる前記典型的な止め付け
具44は、この図示例にあっては、該補強サポート材4
3を構成する角形鋼管に設けられている孔43bから前
記補強板状材40、前記モルタル塗壁部30及び前記下
地板31並びに前記柱21などに設けられる取付け孔に
挿通されるボルト44aと、この孔43bから前記補強
板状材40、前記モルタル塗壁部30及び前記下地板3
1並びに前記柱21などに設けられる取付け孔に挿通さ
れたボルト44aに螺着されるナット44bとによって
構成してあり、前記柱21から外方に突き出される前記
ボルト44aに前記ナット44bを螺着締め込むことに
よって該補強サポート材43を構成する角形鋼管を補強
外壁C’の補強板状材40面に取付ける。
【0072】なお、この補強外壁C’に添装状態に取付
けられる補強サポート材43を構成する角形鋼管は、そ
の上下方向の複数箇所において前記止め付け具44によ
って前記柱21に対して一体に止め付けてあると共に、
必要に応じて、その上端部を軒桁などの構造材に止め付
ける。
【0073】次いで、前記補強外壁C’の出隅部に備え
られる前記コンクリート補助基礎体14における張り出
し状厚幅部14b’に対して補強サポート材42を、該
補強サポート材42の各面が前記補強板状材40の面に
添装されるように起立した状態になすと共に前記止め付
け具41を用いて前記出隅部の柱21に止め付ける。
【0074】この補強外壁C’の出隅部に備えられる補
強サポート材42は、該補強外壁C’における出隅部に
該出隅部の各補強板状材40の面に添装されて該出隅部
を補強し得る構成を備えたものであればいかなる形態か
らなるものであっても良く、この図示例にあっては、前
記コンクリート補助基礎体14の張り出し状厚幅部14
b’上に立設状態に備えられる断面形状がL字状の鋼材
によって構成してあり、この補強サポート材42におけ
る下端から該補強サポート材42における屈曲外側に向
けて該補強サポート材42における長さ方向に直交する
向きに張り出す鍔42aを有し、しかも、この補強サポ
ート材42における互いに内側にある面を夫々前記補強
板状材40の面に接した状態で前記出隅部の柱21に止
め付けられる構成としてある。
【0075】かかる構成の補強サポート材42は、前記
張り出し状厚幅部14b’に下端側を埋設状態にして一
体に備えられている前記止め付け具45を構成するアン
カーボルト45aを該補強サポート材42における前記
鍔42aに設けられている孔42bに挿通し、この孔4
2bから上方に突き出される該アンカーボルト45aに
ナット45bを螺着締め込むことによって、この補強サ
ポート材42を該補強サポート材42における鍔42a
を前記張り出し状厚幅部14b’上面に接した状態で起
立状態とし、且つ、該補強サポート材42における屈曲
内側にある各面を前記出隅部を構成する補強板状材40
の各面に添装状態として該補強サポート材42を前記止
め付け具41によって出隅部の柱21に止め付ける。
【0076】尚、この補強サポート材42の止め付け具
41は、この補強サポート材42を出隅部の柱21に一
体的に取付け得るものであればいかなる形態のものであ
っても良く、この図示例にあっては、コーチネジ41a
を用いて該補強サポート材42を出隅部の柱21に止め
付けてある。
【0077】また、この図示例にあっては、前記補強サ
ポート材42における直角を挟む夫々の板面の上下方向
に複数の孔42bが所定間隔毎に設けてあり、この孔4
2bから前記コーチネジ41aを前記補強板状材40及
び前記モルタル塗壁部30並びに前記下地板31から前
記出隅部の柱21における直角を挟む両側の面にネジ入
れて該補強サポート材42を該出隅部の柱21に止め付
ける。
【0078】尚、この出隅部に備えられる補強サポート
材42も前記補強サポート材43と同様に、必要に応じ
て該補強サポート材42の上端部を軒桁あるいは梁など
の構造材に止め付ける。
【0079】なお、前記のモルタル塗壁部30に備えら
れる補強板状材40は、前記の互いに隣り合っている一
対の柱21間や、前記出隅部の柱21と該出隅部の柱2
1に隣り合っている柱21との間にある外壁Cにおける
窓50や出入り口51などの開口部E、庇52や出窓枠
53や窓手摺54などの壁付帯の造作物Fなどの各種の
モルタル塗壁部30以外の部分を除いた当該モルタル塗
壁部30の全部に亙って備えつけてあってもよく、ま
た、このモルタル塗壁部30の一部を覆うように設けて
あってもよい。
【0080】また、前記外壁Cに沿って備えられるコン
クリート補助基礎B’は、この外壁Cの全長に亙って該
外壁Cに沿うように備えられていてもよく、前記補強板
状材40の備えられている部分にある外壁C部分にのみ
該外壁Cに沿うように備えられていてもよく、また、こ
の補強板状材40の備えられている部分を含む当該外壁
Cの一部に沿うように備えられていてもよい。
【0081】このように構成される補強外壁C’及びコ
ンクリート補助基礎B’は、典型的には、既設の木造建
築物Aの外壁Cの屋外に面したモルタル塗壁部30にお
ける補強板状材40の添装される該モルタル塗壁部30
下端のセメントモルタル層部34を少なくとも支承する
ようにコンクリート補助基礎B’を設ける工程と、互い
に隣り合う一対の柱21、21間の前記外壁Cにおける
前記モルタル塗壁部30面に該面の少なくとも一部を覆
って該柱21、21間に渡るように前記補強板状材40
を添装し且つ該柱21に止め付ける工程とを有する外壁
Cの補強工法によって構成される。
【0082】かかる外壁の補強工法は、前記する既設の
建築物基礎Bに沿ってコンクリート補助基礎B’を設け
る工程を先にすると共に、当該工程の後に、モルタル塗
壁部30に対して補強板状材40を添装し且つ該補強板
状材40を既設の木造建築物Aにおける柱21に止め付
けるようにして当該外壁の補強をなしてもよく、また、
前記するモルタル塗壁部30に対して補強板状材40を
添装し且つ該補強板状材40を既設の木造建築物Aにお
ける柱21に止め付ける工程を先にすると共に当該工程
の後に、建築物基礎Bに沿ってコンクリート補助基礎
B’を設けるようにして当該外壁の補強をなすようにし
てもよい。
【0083】このようにして構成される補強外壁C’に
おける補強板状材40は、このモルタル塗壁部30に備
えられる補強板状材40の面をそのまま外壁面として構
成してあってもよく、また、この補強板状材40の面に
対して必要に応じて適宜の表面処理などを施すようにし
てあってもよい。
【0084】かかる補強板状材40の面に対する表面処
理は、例えば、各種化粧仕上げ用の耐火材系塗料、耐水
材系塗料などによる塗装処理などの任意の手段による表
面処理を施すことができる。
【0085】また、かかるモルタル塗壁部30に備えら
れる補強板状材40を、例えば、各種の化粧ボード材
や、表面に化粧セラミックス板の添着された外壁用板材
など、任意の形態からなる板状材を用いることができ
る。
【0086】
【発明の効果】この発明に係る補強外壁は、既設の木造
建築物における外壁の屋外に面したモルタル塗壁部面に
対して補強板状材を添装すると共に該モルタル塗壁部面
に添装した前記補強板状材を前記外壁における互いに隣
り合っている一対の柱に対して該柱間に渡るように止め
付けて該一対の柱間にあるモルタル塗壁部面の全部又は
一部を覆ってあることを特徴とする補強外壁としてある
ことから、この補強外壁が比較的短期間に、しかも、補
強対象とされる既設の木造建築物に居住した状態で比較
的容易に構成し得る利点を有している。また、構成され
る補強外壁に耐力壁に相応した強度をもたらすことがで
きる利点を有している。
【0087】また、前記構成に係る補強外壁において、
前記既設の木造建築物における前記柱の一方が出隅部の
柱としてあり且つ他方が該出隅部の柱に隣り合う柱とし
てある構成としたことによって、木造建築物の補強を、
この木造建築物における出隅部分において、比較的短期
間に、しかも、補強対象とされる既設の木造建築物に居
住した状態で、比較的容易になすことができる利点を有
している。また、この木造建築物の出隅部分における外
壁に耐力壁に相応した強度をもたらすことができる利点
を有している。
【0088】また、前記構成に係る補強外壁において、
前記モルタル塗壁部面に添装され且つ前記柱に止め付け
られる前記補強板状材に対して補強サポート材を添装し
且つ該補強サポート材を前記柱に取り付けてある構成と
したことによって、前記利点に併せて、補強対象とされ
る既設の木造建築物に対して、より確実な補強外壁をも
たらし得ると共に、既設の木造建築物の各柱間にある夫
々の外壁のモルタル塗壁部の全面に亙って補強板状材が
取付けられない場合にあっても当該木造建築物に対して
所期の補強効果をもたらすことができる利点を有してい
る。
【0089】また、前記構成に係る補強外壁において、
側端を互いに直角に突き合わされて出隅部における前記
モルタル塗壁部面に添装され且つ前記出隅部の柱と該出
隅部の柱の両側方に隣り合って備えられている夫々の柱
とに止め付けられる前記補強板状材に対して断面形状が
L字状をなす補強サポート材を該補強サポート材の互い
に内側にある面を夫々接した状態で前記出隅部の柱に止
め付けてある構成としたことによって、前記利点に併せ
て、補強対象とされる既設の木造建築物に対して、より
確実な補強外壁をもたらし得ると共に、既設の木造建築
物の各出隅部分にある出隅部の柱と該出隅部の柱に隣り
合っている柱間にある外壁のモルタル塗壁部の全部に亙
って補強板状材が取付けられない場合にあっても当該木
造建築物に対して所期の補強効果をもたらし得る利点を
有している。
【0090】また、前記構成に係る補強外壁において、
前記補強板状材の添装されるモルタル塗壁部下端縁の全
部又は一部に沿って、少なくとも該モルタル塗壁部にお
けるセメントモルタル層部の下端を支承するようにコン
クリート補助基礎が設けられている構成としたことによ
って、前記利点に併せて、既設の木造建築物におけるモ
ルタル塗壁部がコンクリート補助基礎によって効果的に
下支えされる利点を有している。
【0091】また、この発明に係る外壁の補強工法は、
既設の木造建築物の外壁の屋外に面したモルタル塗壁部
における補強板状材の添装される該モルタル塗壁部下端
のセメントモルタル層部を少なくとも支承するようにコ
ンクリート補助基礎を設ける工程と、互いに隣り合う一
対の柱間の前記外壁における前記モルタル塗壁部面に該
面の少なくとも一部を覆って該柱間に渡るように前記補
強板状材を添装し且つ該柱に止め付ける工程とを有する
構成としてあることから、この補強外壁を比較的短期間
で、しかも、既設の木造建築物に居住した状態で比較的
容易に構成でき、また、補強外壁に耐力壁に相応した強
度を確実にもたらし、しかも、モルタル塗壁部の重量を
効果的に下支えすることのできる補強外壁が構成できる
利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な実施の形態に係る補強外壁の施された
木造建築物の要部斜視図
【図2】同要部の平断面図
【図3】同他の要部の平断面図
【図4】図2におけるY−Y矢視断面図
【図5】図2におけるX−X矢視断面図
【図6】図3におけるZ−Z矢視断面図
【符号の説明】
A 木造建築物 B 既設の建築物基礎 B’ コンクリート補助基礎 C 外壁 C’ 補強外壁 21 柱 30 モルタル塗壁部 34 セメントモルタル層部 40 補強板状材 42 補強サポート材 43 補強サポート材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設の木造建築物における外壁の屋外に
    面したモルタル塗壁部面に対して補強板状材を添装する
    と共に該モルタル塗壁部面に添装した前記補強板状材を
    前記外壁における互いに隣り合っている一対の柱に対し
    て該柱間に渡るように止め付けて該一対の柱間にあるモ
    ルタル塗壁部面の全部又は一部を覆ってあることを特徴
    とする補強外壁。
  2. 【請求項2】 前記既設の木造建築物における前記柱の
    一方が出隅部の柱としてあり且つ他方が該出隅部の柱に
    隣り合う柱としてあることを特徴とする請求項1に記載
    の補強外壁。
  3. 【請求項3】 前記モルタル塗壁部面に添装され且つ前
    記柱に止め付けられる前記補強板状材に対して補強サポ
    ート材を添装し且つ該補強サポート材を前記柱に取り付
    けてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の補強外壁。
  4. 【請求項4】 側端を互いに直角に突き合わされて出隅
    部における前記モルタル塗壁部面に添装され且つ前記出
    隅部の柱と該出隅部の柱の両側方に隣り合って備えられ
    ている夫々の柱とに止め付けられる前記補強板状材に対
    して断面形状がL字状をなす補強サポート材を該補強サ
    ポート材の互いに内側にある面を夫々接した状態で前記
    出隅部の柱に止め付けてあることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の補強外壁。
  5. 【請求項5】 前記補強板状材の添装されるモルタル塗
    壁部下端縁の全部又は一部に沿って、少なくとも該モル
    タル塗壁部におけるセメントモルタル層部の下端を支承
    するようにコンクリート補助基礎が設けられていること
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項
    4に記載の補強外壁。
  6. 【請求項6】 既設の木造建築物の外壁の屋外に面した
    モルタル塗壁部における補強板状材の添装される該モル
    タル塗壁部下端のセメントモルタル層部を少なくとも支
    承するようにコンクリート補助基礎を設ける工程と、互
    いに隣り合う一対の柱間の前記外壁における前記モルタ
    ル塗壁部面に該面の少なくとも一部を覆って該柱間に渡
    るように前記補強板状材を添装し且つ該柱に止め付ける
    工程とを有することを特徴とする外壁の補強工法。
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