JPH11256683A - 繊維補強モルタルパネル、長耐久性住宅構法、壁構法および野地板用パネル - Google Patents

繊維補強モルタルパネル、長耐久性住宅構法、壁構法および野地板用パネル

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JPH11256683A
JPH11256683A JP10061695A JP6169598A JPH11256683A JP H11256683 A JPH11256683 A JP H11256683A JP 10061695 A JP10061695 A JP 10061695A JP 6169598 A JP6169598 A JP 6169598A JP H11256683 A JPH11256683 A JP H11256683A
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JP
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fiber
wall
reinforced mortar
house
panel
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JP10061695A
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English (en)
Inventor
Toshio Kawarai
敏男 河原井
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Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
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Publication date
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
    • E04B1/00Constructions in general; Structures which are not restricted either to walls, e.g. partitions, or floors or ceilings or roofs
    • E04B1/18Structures comprising elongated load-supporting parts, e.g. columns, girders, skeletons
    • E04B1/26Structures comprising elongated load-supporting parts, e.g. columns, girders, skeletons the supporting parts consisting of wood
    • E04B2001/2696Shear bracing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、構築される住宅全体の整合
的耐用年数増加、耐震性向上等の強度の向上を図ること
ができ、しかも、在来の木造住宅とほぼ同様に施工性が
良好で安価な住宅を構成する繊維補強モルタルパネル、
野地板、住宅工法を提供すること。また、簡易に耐力壁
を構築できる壁工法を提供することを目的とする。 【解決手段】 少なくともセメント及び水を含むモルタ
ルに、耐腐性を有する繊維を混入して補強し板状に形成
した繊維補強モルタル合成板2と、この繊維補強モルタ
ル合成面材の裏面2bの少なくとも周縁部に取り付けら
れた桟木3,3aとを有する繊維補強モルタルパネル1
を ほぼ面一に揃えた根太12、添梁13および転び止
め材14のそれぞれの上面に渡るように貼着した。この
繊維補強モルタルパネル1は、これら根太12、添梁1
3および転び止め材14によって構成されている床骨組
みに、ステンレス製スクリュー釘等の耐腐食性のある締
結釘7を介して留め付けて固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造住宅の耐用年
数増加、耐震性向上等を図り長期間の耐久力を有する住
宅の構法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木造建て売り住宅のスクラップア
ンドビルド的な平均寿命は25年程度であり、老朽化し
漏水などが発生せず維持管理のよい一般木造住宅や鉄骨
骨組み住宅で、その安全耐用年数は50年程度である。
これは、イギリスの141年、アメリカの103年、フ
ランスの86年などの諸外国の平均的住宅の寿命と比べ
ると著しく劣っている。
【0003】ところで、木造住宅を構築する構法とし
て、木造在来軸組構法と木造枠組み壁(2×4)構法が
あることは周知である。木造在来軸組構法よって構築さ
れた住宅における横揺れ抵抗は、壁にあっては筋違、床
にあっては火打ち梁に依存しており、また、木造枠組み
壁(2×4)構法によって構築された住宅における横揺
れ抵抗は、壁および床とも構造用合板ないし構造用パネ
ルなどの面材に依存している。これら木造在来軸組構法
および木造枠組み壁構法とも、床の耐力面材としては木
製合板ないし木製パネルが用いられており、内壁には石
膏ボードが、また外壁には塗りモルタルないしサイディ
ング材が使用されるが、全体としては塗りモルタルが多
い。また、これら構法によって構築される住宅の床板や
屋根の野地板として、1枚ものの幅の広い板が用いられ
てきたが、昨今では気密性があり作業能率が良い合板が
床板や野地板として用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した各構法で構築
された住宅を含む木造住宅には以下のような問題点があ
る。一般に木造住宅の経年劣化は水分に起因しており、
多湿な状態では、木材の腐食は初め水廻りで生じ、やが
て20年程度で土台、40年程度で屋根や庇が朽ちると
いわれている。また、木造住宅にモルタル塗り壁を用い
た場合、木材がむれ易く、また、モルタル塗壁に亀裂が
生じると、生じた亀裂から漏水が浸透して木材が腐食し
易い。また、基礎は布基礎であり床下の大部分は被覆さ
れないで残るため、床下が湿気やすい。布基礎開口の寸
法は一般的に換気上不十分であり、また開口の存在が基
礎の連続性を損なっている。さらに、基礎設置面積が不
足しているので、基礎の沈下があった場合、沈下により
扉などの立て付け不良やモルタル塗り壁の亀裂を発生し
やすい。
【0005】また、木造在来軸組構法、木造枠組み壁構
法ともに、部材の接合に釘が多用されるが、釘ないし接
合金物にステンレス製のものを使用する規定や指導がな
く、このため釘の剪断耐力が30年程度で2分の1程度
に低下する恐れがある。
【0006】また、構築される住宅において、横揺れ抵
抗ないし曲げ抵抗を木製合板や木質パネルなどに依存す
る場合、合板は素材の厚さが薄く、合板接着剤の品質が
集成材のものより劣ることなどから、その安全耐用限度
は20年〜30年程度であると考えられる。なお、上記
木造以外の住宅の形態例として、鉄骨骨組み住宅がある
が、この鉄骨骨組み住宅において、骨組みは厚さ2.3
〜3.2mm程度の電着塗装された軽量鉄骨が用いられ
ているが、部材劣化は周辺の湿度や水分が多いほど速
く、経年劣化に対する安全耐用限度は40年〜50年程
度であるとみられる。
【0007】このような理由から一般木造住宅の耐用年
数は25年〜50年程度であるが、木材本来の寿命は2
00年〜300年であるから、資源が非常に無駄になっ
ており、住宅費は高いものについている。
【0008】さらに、木造在来軸組構法の場合、主要骨
組みの接合に加工継手を多用しており釘接合に比べ評価
できるが、筋違の傾斜角が急で横揺れ抵抗効率が悪く、
また、地震時に筋違が梁を突き上げて外してしまうとい
った恐れがある。また、この在来軸組構法では、桁行方
向と梁間方向の胴差または床梁の隅角部に火打ち梁を入
れ、根太は胴差ないし床梁の上に乗せ、その面に構造用
合板等の床板を張っている。よってこの構法によって構
築された住宅は、地震または風による積荷重は主に火打
ち梁により横方向に伝達され、積荷重と直角方向の耐力
壁によって支持されるが、床板は根太が上がっているた
め、横からの荷重に耐える横剛性にさほど寄与しない。
さらに、床面の火打ち梁は入隅の角部のみを固定してい
るに過ぎないため、横揺れ抵抗が一般に不足し易い。加
えて、壁や床などにモルタル塗りを施した場合でも、モ
ルタル塗りは地震時に剥落してしまい、防火の役割を為
さないことがある。
【0009】一方、木造枠組み壁構法の場合、壁面ない
し床面に木製合板を張り、横揺れに抵抗させている。し
かし、この構法は、初期には剛性が高く好ましい方法で
あるものの、木製合板と釘とが劣化しやすい。このた
め、木製合板に変わる無機質ボードとして、石綿スレー
トや無石綿繊維補強板などからなるフレキシブルボード
があるが、このフレキシブルボードは、軽量ではある
が、寸法安定性にやや難点があり、しかもボード自体に
保釘力がないといった欠点があり、木製合板の代わりに
用いても木組み枠を固定する力が弱い。なお、サイディ
ング材についても、外壁の表面などに施す化粧としての
本来の役割により、一般には構造壁面材として十分な強
度は有していない。
【0010】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、構築される住宅全体の整合的耐用年数増
加、耐震性向上等の強度の向上を図ることができ、しか
も、在来の木造住宅とほぼ同様に施工性が良好で安価な
住宅を構成する繊維補強モルタルパネル、野地板、住宅
構法を提供することを目的とする。また、簡易に耐力壁
を構築できる壁構法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、少なくともセメント及び水
を含むモルタルに、耐腐食性を有する繊維を混入して補
強し板状に形成した繊維補強モルタル合成板と、この繊
維補強モルタル合成面材の裏面の少なくとも周縁部に取
り付けられた桟木とを有することを特徴としている。
【0012】前記繊維補強モルタル合成板は、無機質材
料製板であり、不燃性を有し、水分劣化性が消失して、
耐久性が半永久的なものである。また、前記繊維補強モ
ルタル合成板は軽量、加工性に劣るが多孔質ではないの
で、保釘(ビス)力が大きく寸法安定性があり、木組み
枠を固定する力が大きいなど、スレート材に優る。ま
た、前記繊維補強モルタル合成板は保釘(ビス)力が大
きいので、上面にサイディング材・ラス金網等が貼着さ
れても、これらが地震時に剥離する恐れはない。また、
前記繊維補強モルタル合成板は断熱性が劣るが、断熱材
を裏打ちすれば、断熱性を向上することができる。
【0013】請求項1記載の繊維補強モルタルパネルに
よれば、上述した繊維補強モルタル合成板に、容易に釘
などを取り付けることが出来る桟材が裏打ちされている
ので、現場において釘止めが可能となり、木製合板やス
レート材等に代わる住宅の床や壁等の構造耐力部材とし
て用いて、住宅の耐久性を一層向上することができる。
【0014】例えば、この繊維補強モルタルパネルは、
従来の木造住宅の骨組みに貼着されて壁部を構成する木
製合板の代わりに用いられてもよい。なお、木製合板の
サイズは90cm×180cm程度であるが、一般に住
宅では床根太や管柱は90ないし45cmピッチ程度で
設けられるので、繊維補強モルタルパネルの接合部に、
根太や柱相互を横に繋ぐ直交材をあてがい横揺れに両者
共同で抵抗する構造とすれば、面材として繊維補強モル
タルパネルの寸法は最小1辺90cm程度あればよく、
単位重量が大きい欠点をカバーできる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の繊
維補強モルタルパネルを住宅の床や壁などの構造部材と
して用いることにより住宅を構築することを特徴として
いる。
【0016】例えば、木造在来軸組構法による床に前記
繊維補強モルタルパネルを用いる場合、床を構成する火
打ち梁に代えて、根太材相互を横に繋ぐ転び止め材を配
置し、柱材の乗る胴差や床梁には添梁を添え、根太、添
梁及び転び止め材を含む床骨組み上面をほぼ同一平面に
揃え、その面に繊維補強モルタルパネルを張り、ステン
レス製スクリュー釘等の締結手段でこれら床骨組みに固
定して高横剛性床を構成することもできる。また、必要
に応じて、前記パネル上面に緩衝ボードないし木製合板
を重ね張りして床下張りを構成しても良い。
【0017】また、木造在来軸組構法における筋違を含
む外壁及び屋内の耐力壁において前記繊維補強モルタル
パネルを用いる場合、筋違を配設せず、上下の胴差ない
し床梁並びに両端管柱の内側にこれら主要骨組み材の外
面から前記繊維補強モルタル合成板複合パネルの厚み分
相当だけ引き込んだ位置に添枠を添え、縦添枠及び間柱
を繋ぐ中間水平材を配置し、これら添枠、間柱及び中間
水平材の外面をほぼ同一平面に揃え、前記繊維補強モル
タル合成板複合パネルを添枠材相互間に差し渡し、ステ
ンレス製スクリュ一針等の締結手段で添枠、間柱及び中
間水平材に固定し、且つ、胴差ないし床梁、両端管柱並
びに当該繊維補強モルタル合成板複合パネルから成る骨
組み外面がほぼ同一平面となるよう構成することができ
る。
【0018】さらに、木造在来軸組構法における外壁に
おいて前記繊維補強モルタルパネルを用いる別の場合と
して、筋違を柱材相互を繋ぐ中間水平材に代えて、柱、
間柱、梁及び中間水平材を含む外壁骨組み外面をほぼ同
一平面に揃え、その面に繊維補強モルタルパネルを柱材
相互間に差し渡し、該繊維補強モルタルパネルをステン
レス製スクリュー釘等の締結手段で柱、間柱、梁及び中
間水平材に固定する構成として、これによって、窓やサ
ッシ戸など開口部上下の壁を含む外壁全体の耐力性を向
上することができる。
【0019】一方、例えば、木造在来枠組み壁構法によ
って構築される床に繊維補強モルタルパネルを用いる場
合、根太材相互を横に繋ぐ転び止め材を配置し、竪枠材
の乗る根太には添梁を添え、根太、添梁及び転び止め材
を含む床骨組み上面をほぼ同一平面に揃え、その面に繊
維補強モルタルパネルを張り、該繊維補強モルタルパネ
ルをステンレス製スクリュー釘等の締結手段で前記床骨
組みに固定することによって高横剛性床を構成すること
もできる。なお、このパネルの上面に、必要に応じて、
緩衝ボードないし木製合板を重ね張りして床下張りを構
成してもよい。
【0020】また、木造在来枠組み壁構法によって構築
される外壁及び屋内の耐力壁に、前記繊維補強モルタル
パネルを用いる場合、竪枠材相互を繋ぐ中間水平材を配
置し、竪枠と上下の枠には添枠を添え、中間水平材・添
枠・間柱を含む骨組み外面をほぼ同一平面に揃え、その
面に繊維補強モルタルパネルを張り、該繊維補強モルタ
ルパネルをステンレス製スクリュー釘等の締結手段で添
枠、間柱及び中間水平材に固定することによって、耐力
壁を構成することもできる。
【0021】さらに、例えば、木造住宅構法として、こ
の構法によって構築される住宅の骨組みに貼着する耐力
面材に、例えば構造用合板ないし構造用パネルを用いる
が、この耐力面材として上述した繊維補強モルタルパネ
ルを用いて、接合金物類をステンレス製とし、基礎に繊
維補強モルタルないし繊維補強コンクリートを用いて構
成とすることができる。
【0022】請求項2記載の長耐久性住宅構法によれ
ば、前記繊維補強モルタルパネルを構造部材として用い
た床や壁などの横揺れ抵抗が、柱と筋違ないし梁と火打
ち梁から成る在来軸組構法や柱・根太ないし面材のみか
ら成る枠組み壁構法に比べ面材、垂直材並びに横繋ぎ材
が横揺れに抵抗することになり、より合理的で初期剛性
や終局耐力が大きい床や壁を有する住宅を構築すること
ができる。したがって、住宅の強度が向上し、耐用年数
が増加することになり、該住宅は長期間の耐久性を有す
るものとなる。また、前記繊維補強モルタルパネルを用
いた住宅の構造部材は面構造であるので、軸組構法にお
ける筋違などのトラス構造は接点数が少なく、接点強度
が不足しがちであるのに対し、多くの釘で支持すること
ができ、該釘による留付強度が大きいものとなる。
【0023】また、耐力壁を構成するに際し、添枠を用
いて、該耐力壁を構成する柱材や梁材の外面内に前記繊
維補強モルタルパネルが納まるように構成すれば、サイ
ディング材・クロスなどの壁仕上げ材及び既存サッシ枠
の取付けに影響することがない耐力壁を構成することで
きる。また、外壁全面に繊維補強モルタルパネルを張
り、その上に縦胴縁を取付けてサイディング材を横使い
に上張りすれば、通気性があって雨水の浸透防止効果が
大きい、最も良質な外壁を構成することができる。
【0024】請求項3記載の発明は、木造住宅の骨組み
を構成する柱間に、該柱間を覆うように複数の横長の面
材を上下方向に隣接して並べて設け、これら複数の横長
の面材の裏面に、該複数の横長の面材に渡って、筋違と
縦長の面材とを取り付けることによって壁部を形成し、
住宅を構築することを特徴としている。
【0025】枠組み壁構法において、在来の木製合板張
りの耐力壁に代えて、横長の面材を横使いに張り、筋違
及び縦長の面材で裏打ち(ステンレス製釘)補強して簡
易耐力壁となる。本構法は軸組構法における筋違壁同
様、地盤条件が良く予測される震害の小さな地域に適用
できる。
【0026】請求項3記載の住宅の壁構法によれば、特
に、枠組み壁構法における木造住宅の骨組みを構成する
柱間に該柱間を覆うように、上下方向に隣接して並べて
設けた複数の横長の面材の裏面に、該複数の横長の面材
に渡って、筋違と縦長の面材とを取り付けることによっ
て壁部が形成されているので、簡易で、かつ長期間の耐
久性を有する耐力壁を形成することができる。
【0027】請求項4に記載の発明は、木製合板の裏面
に複数の横長の面材を隣接して並べて貼着してなり、前
記横長の面材はそれぞれ、住宅の有する複数の垂木の上
に、該垂木間に差し渡すように取り付けられることを特
徴としている。
【0028】請求項4記載の野地板用パネルによれば、
前記横長の面材を裏打ちした合板が、垂木間に前記横長
の面材が差し渡された形で設けられることになり、1枚
物の板の耐久性と合板の気密性とを併せ持ち、耐久性を
向上することができる。
【0029】これら上述した構法によって構築される住
宅において、例えば、住宅壁に塗りモルタルを使用する
ときは、結露が生じないように梁ないし柱に開孔して壁
内漏洩空気の逸出路を設け、また、地震時に剥落しない
ようにビニロンファイバーなどのファイバーが入ったモ
ルタルを用いることもできる。ファイバー入りモルタル
は、砂にあらかじめファイバーを混練したもの(ファイ
バーブレミックス骨材)を使用すれば、現場混練が容易
である。これにより、壁面からの水分補給は遮断され、
屋根は在来構法で十分信頼し得るものがあるので、骨組
み木材の外的保護はほぼ完全なものとなり、給水管の2
重管システムの採用、2階浴室床回りの排水溝設置など
屋内からの水分補給防止に留意し、接合金物にステンレ
スを用い、基礎床面にコンクリートを張るなど住宅各部
の寿命を整合させる方策を採れば、住宅の寿命を骨組み
木材の寿命相当にまで増大できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図18を参照して本
発明に係る長耐久性住宅の構法の各実施の形態を詳細に
説明する。住宅を構築する各構法に適用して、床または
壁の一部として用いた場合について説明する。
【0031】<第1の実施の形態>図1〜図9は、本発
明を木造在来軸組構法に適用した住宅構法について説明
する図である。まず、構成を説明する。図1は、本発明
を適用した一例としての繊維補強モルタルパネルの構造
を説明する図であり、(a)は繊維補強モルタルパネル
の平面図であり、(b)は(a)のA−A線矢視断面
図、(c)は同B−B線矢視断面図である。
【0032】図1に示すように、本発明に係る繊維補強
モルタルパネル1は、少なくともセメント及び水を含む
モルタルに、このモルタルを補強するために耐腐食性を
有する繊維を混入して板状に形成した繊維補強モルタル
合成板2と、この繊維補強モルタル合成板2の裏面2b
に取り付けられた桟木3,…とを有する。
【0033】この繊維補強モルタル合成板2の素材構造
としては、その配置位置や使用目的に応じて種々の態様
を採ることができるが、好ましい1例として次のような
配合や強度等から成るものを挙げることができる。1立
方メートル当たりの配合割合として、ビニロンファイバ
ー39Kg(太さ350デニール、長さ121mm)+
水325Kg+セメント812Kg+砂1015Kgと
し、十分に混線した状態でプレス成形、オートクレーブ
養生などの製法により1辺90cm、厚さ9〜12mm
程度の薄板を製作することができる。その際における圧
縮強度は400kg/cm2と非常に固く、しかも、曲
げ強度は180kg/cm2にも及ぶ。
【0034】このことから理解できるように、繊維補強
モルタル合成板2は、圧縮強度及び曲げ強度に優れ、し
かも多量の繊維が混入されており、多孔質ではないの
で、木製合板と類似する程度に保釘力も十分に備わる。
勿論、その構成される材質から耐腐食性も有している。
なお、配合する繊維にはスチールファイバーやその他の
耐腐食性を有するファイバーも用いることができる。
【0035】前記桟木3,…は、繊維補強モルタル合成
板2の裏面2bの周縁部に沿って、耐腐食性を有する締
結ビス4,…によって取り付けられている。この周縁部
に沿って取り付けられた桟木3,…の対向する一組の桟
木3a,3a間に補助桟木3bが設けられている。な
お、これら桟木3,…は、繊維補強モルタル合成板2を
補強するためのものであり、裏面に取り付けられる本数
は任意である。
【0036】また、この繊維補強モルタル合成板2の周
縁部には、所定間隔を空けて取り付けられている締結ビ
ス4,…間に釘孔5,…が穿孔されている。これら釘孔
5,…に、耐腐食性の釘を釘孔5,…を通して打ち込む
ことにより、繊維補強モルタルパネル1は床材ないし柱
材に簡便に留付けられる。
【0037】また、このように構成されている繊維補強
モルタルパネル1の裏面2bには、断熱材6が吹き付け
られている。上述した繊維補強モルタルパネル1として
は、1辺90cm程度の薄板状のものを用いている。こ
の理由は、木製合板に比べて重いため、その作業性に配
慮したものである。勿論、一般的な規格合板寸法のよう
に90×180cm程度とすること、あるいは他の寸法
にすることも任意である。
【0038】次に、このように形成された繊維補強モル
タルパネル1を木造在来軸組構法において、床として用
いた場合を図2及び図3を用いて説明する。
【0039】図2は繊維補強モルタルパネル1を木造在
来軸組構法における床の構造に適用した場合を説明する
床部の部分平面図であり、図3は図2のA−A線に沿う
断面図である。この実施の形態で構築された構築物は、
複数階層を有する住宅であり、図2及び図3に示すよう
に、8は隅柱、9は隅柱8で直交するように配設された
胴差、10は胴差9上に立設された管柱、11は間柱、
12は根太、13は胴差9,9の内側に沿って取り付け
られた添梁、14は平行に配設されている根太12どう
しを繋ぐ転び止め材(横繋ぎ材)である。根太12、添
梁13および転び止め材14の上面をほぼ面一に揃え、
そこに繊維補強モルタルパネル1が貼着されている。こ
の繊維補強モルタルパネル1は、これら根太12、添梁
13および転び止め材14によって構成されている床骨
組みに、穿孔されている釘孔5,…を介して、ステンレ
ス製スクリュー釘等の耐腐食性のある締結釘(締結手
段)7により留め付けて固定されている。
【0040】つまり、上述した構造は、直交する水平部
材である胴差9,9を補強するために通常配設される火
打ち梁に代えて、根太12,…相互を横に繋ぐ転び止め
材14,…を配置し、管柱10や間柱11等の柱材の乗
る胴差9や床梁には添梁13を添え、繊維補強モルタル
パネル1を根太12、添梁13及び転び止め材14を含
む床骨組み上面と接触する部分に固定することによって
横方向からの高い荷重に耐えうる高横剛性床が形成され
た状態となっているものである。
【0041】上記実施の形態においては、床板として繊
維補強モルタル合成板2を有する繊維補強モルタルパネ
ル1を用い、この繊維補強モルタルパネル1は、根太1
2、添梁13を含む床梁などの床構造骨組みに直接固定
されるため、非常に大きな横抵抗を発揮する。
【0042】次に、繊維補強モルタルパネル1を木造在
来軸組構法において、壁として用いた場合を図4〜図8
を用いて説明する。
【0043】図4〜図7は、繊維補強モルタルパネル1
を木造在来軸組構法における壁、特に、耐力壁に適用し
た例を示すものであり、図4は耐力壁の構造を示す局部
的な部分側面図、図5は図4のD−D線断面図、図6は
壁の構造を説明する壁部分のより広範囲な部分側面図、
図7は図6のE−E線断面図である。
【0044】図4に示すように、土台15の上面に、所
定の間隔を空けて管柱10,10が立設されており、こ
れら管柱の10,10のそれぞれの上端部より下方、か
つ、管柱10,10間に渡ってほぼ水平に中間水平材1
6が架設されている。これら管柱10,10の対向する
面と土台15の上面とに沿って、枠状に設けられた添枠
17が取り付けられている。
【0045】この添枠17は、その正面は、管柱10,
10の正面よりも奥に位置するように取り付けられてい
るものであり、この添枠17、間柱11および中間水平
材16に裏面が当接するように、繊維補強モルタルパネ
ル1が締結釘7を介して貼着されており、耐力壁を構成
している。このように壁骨組みに直接取り付けられた繊
維補強モルタルパネル1は、先の床に用いた場合の効果
と同様に横抵抗力が大きいものとなる。
【0046】つまり、木造在来軸組構法において、耐力
壁を構成する際に用いていた筋違に代えて、上下の胴差
や梁材の中間に中間水平材16を配置し、左右の管柱1
0,10と上下に平行に配設されている土台15と中間
水平材16とに添枠17を添え、添枠17、間柱11及
び中間水平材16の正面に繊維補強モルタルパネル1を
貼着した構成となっており、図5に示すように、繊維補
強モルタルパネル1の表面1aと管柱10,10の表面
はほぼ面一となるように構成されているものである。ま
た、繊維補強モルタルパネル1の裏面では、添枠17の
正面と間柱11の正面とで当接し、この当接した箇所
で、締結釘7,…で固定されているものである。これに
より、中間水平材16と繊維補強モルタルパネル1の共
同作用(面構造)で積荷重を下階の胴差9や土台に伝え
る構造としている。
【0047】また、この耐力壁として用いた繊維補強モ
ルタルパネル1は、図6及び図7に示すように、窓やサ
ッシ戸ないし扉など開口部20を有する軸組みには貼着
しないものである。したがって、開口部20を有する壁
体に用いる繊維補強モルタルパネル1の所要数は少なく
て済み、またサッシ枠や壁仕上げ材の取付けに影響が及
ぶことがない。
【0048】軸組構法の場合、管柱10は通常90cm
程度の間隔で立ち、その中間に間柱11が挿入されてい
て、垂直荷重(上部の重量)を下階の柱を通じて基礎に
伝え、積荷重(風圧)を軒桁18、胴差9、床組などを
通じて積荷重(風圧)面と直角方向の耐力壁に伝える。
【0049】また、壁面内の各階床付近には胴差(ない
し土台、軒桁・妻梁)があり、垂直荷重(床荷重)ない
し積荷重(地震ないし風荷重)を柱ないし耐力壁・基礎
に伝えている。そして、在来構法において耐力壁は、管
柱10間の筋違から成り(トラス構造)、積荷重を下階
の胴差9や土台に伝えている。
【0050】さらに、上述した繊維補強モルタルパネル
1を木造在来軸組構法における外壁に用いた場合につい
て説明する。図8及び図9は、本発明における繊維補強
モルタルパネル1を木造軸組構法の外壁全面に使用した
例を示すものであり、図8は外壁の構造を示す部分側面
図、図9は図8におけるF−F線断面図である。図8に
示す軸組構造では、窓台19を下枠とする開口部20を
有する壁骨組みであり、この壁骨組みの外側面全面に渡
って繊維補強モルタルパネル1,…が貼着されている。
【0051】ここでは、図9に示すように、隅柱8、間
柱11及び管柱10のそれぞれの外側面はほぼ面一とな
るように設けられているものであり、裏面がこれらの外
面に接触するように繊維補強モルタルパネル1は貼着さ
れている。なお、これら繊維補強モルタルパネル1,…
の取り付けもステンレス製スクリュー釘などの締結釘
7,…を介して行われている。これにより、繊維補強モ
ルタルパネル1,…は、窓ないしサッシ戸など開口部2
0の上下を含む外壁全面に張られるので、住宅の耐震性
はさらに向上する。また、その外側にサイディング材を
張り通気壁構造とすれば、最も雨仕舞いの良い外壁を構
成できる。
【0052】上記実施の形態の長耐久性住宅構法によれ
ば、繊維補強モルタルパネル1を構造部材として用いた
床や壁などの横揺れ抵抗が、柱と筋違ないし梁と火打ち
梁から成る在来軸組構法や柱・根太ないし面材のみから
成る枠組み壁構法に比べ繊維補強モルタルパネル1、胴
差9,根太12,止め材14、管柱10,間柱11,土
台15,中間水平材16,添枠17,軒桁18が横揺れ
に抵抗することになり、より合理的で初期剛性や終局耐
力が大きい床や壁を有する住宅を構築することができ、
本構法によって構築される住宅の強度は向上し、長期間
の耐久性を有するものとなる。また、繊維補強モルタル
パネル1を用いた住宅の床や壁は面構造であるので、接
点数が少なく、接点強度が不足しがちである軸組構法に
おける筋違などのトラス構造と異なり、多くの釘で支持
することができ、該釘による留付強度が大きいものとな
る。
【0053】<第2の実施の形態>次に、第1の実施の
形態で説明した繊維補強モルタルパネル1を木造枠組み
壁構法の床または壁に適用した場合について、図10〜
図13を用いて説明する。
【0054】図10は本発明を適用した枠組み壁構法に
よる床の構造を示す部分平面図であり、20は隅柱、2
1は下枠、22は側根太、23は根太、24は添枠、2
5は転び止め材(横繋ぎ材)、26は竪枠である。ま
た、図11は図10のG−G線に沿う断面図である。
【0055】図10及び図11に示すように、木造枠組
み壁構法によって組み立てられた床骨組みの上面をほぼ
面一に揃えて、その上面に床下地となるように繊維補強
モルタルパネル1が複数敷設されている。つまり、床骨
組みを構成する隅柱20で直交するように配設されてい
る側根太22,22と、この側根太22と平行に配設さ
れている根太23の内側面に添って添枠24が設けられ
ている。また、側根太22および根太23と直交する方
向に、側根太22および根太23を繋ぐ転び止め材2
5,…が配設されている。これら添枠24、根太23お
よび転び止め材25などの上面は、ほぼ同一平面に揃え
られ、これらの上面に繊維補強モルタルパネル1が貼着
されている。なお、この繊維補強モルタルパネル1は、
ステンレス製スクリュー釘等の耐腐食性のある締結釘7
を介して留め付けて固定されているものである。
【0056】次に、上述した繊維補強モルタルパネル1
を木造枠組み壁構法によって構築された住宅の壁、特に
耐力壁に適用にした場合について、図12及び図13を
用いて説明する。図12及び図13は、本発明における
繊維補強モルタルパネルを用いて耐力壁を構成した場合
を示すものであり、図12は耐力壁の構造を示す部分側
面図、図13はその断面図である。
【0057】通常の木造枠組み壁構法における耐力壁部
分は在来の木製合板に代えて、左右の竪枠材26、上枠
となる中間水平材27および下枠21に矩形の添枠24
を添え、添枠24、中間水平材27及び間柱11の外面
をほぼ面一に揃え、そこに繊維補強モルタルパネル1を
張り、ステンレス製スクリュー釘等の締結釘7で留め付
けて固定する。
【0058】なお、壁骨組みに窓やサッシ戸など開口部
が設けられている場合は、繊維補強モルタルパネル1は
開口部の上下の壁には貼着せず、繊維補強モルタルパネ
ル1の所要数が少なくて済み、またサッシ枠やサイディ
ング材などの取付けに影響が及ぶことがない。上記のよ
うに構成した場合、窓やサッシ戸など開口部の上下の壁
には広幅板(縦使い広幅板裏打ち補強)ないし木製合板
を張るものとし、これら木製板と繊維補強モルタルパネ
ルの外面はほぼ面一となるように構成する。この第2の
実施の形態の長耐久性住宅構法によれば、第1の実施の
形態と同様の作用効果を得ることができ、本構法によっ
て構築される住宅の強度は向上し、該住宅は長期間の耐
久性を有するものとなる。
【0059】<第3の実施の形態>ここでは、図14及
び図15を用いて、横長の面材を用いて簡易耐力壁の構
造を枠組み壁構法耐力壁に適用した例を説明する。図1
4は簡易耐力壁の構造を示す部分側面図、図15は図1
4のH−H線断面図である。
【0060】図14および図15に示すように、根太4
1と、上方の梁42との間に竪枠43,…が平行に離間
して設けられ、この竪枠43,43の間で、且つ根太4
1の上面及び梁42の下面には、下枠44、上枠45が
それぞれ設けられている。竪枠43,43にはそれぞれ
同形状の竪枠43a,43aが設けられ、竪枠43a,
43a間のほぼ中間部には、該竪枠43と平行に間柱4
3bが設けられている。竪枠43a,43aには、横長
の面材40,…が竪枠43a,43a間に差し渡す形で
張られ、これら横長の面材40,…の裏面には、対角線
方向に筋違28が取り付けられ、上枠、下枠及び竪枠に
接合金物を用いて固定されているとともに、横張りされ
た横長の面材40,…と間柱43bとに釘打ちで連結さ
れている。さらに、横長の面材40,…の裏面には、こ
の筋違28を避けて、縦長の面材40a,40aが裏打
ちされており、該横長の面材40,…を補強している。
【0061】このように取り付けられている筋違28及
び縦長の面材40a,40aによって横長の面材40,
…は相互に接合され繋がれた状態となっている。なお、
この様に構成された簡易耐力壁に隣接している竪枠4
3,…の外面には、横長の面材40,…の上面とほぼ面
一となるように木製合板46,…が貼着されており、壁
面を形成している。このように構成された簡易耐力壁構
造は、軸組構法における筋違壁に相当するものであり、
繊維補強モルタルパネル式耐力壁よりも軽量で壁仕上げ
材の取付けが容易である。この実施の形態の壁構法によ
れば、特に、枠組み壁構法における木造住宅の骨組みを
構成する竪枠(柱)43,43に、該竪枠43,43間
を覆うように、上下方向に隣接して並べて設けた複数の
横長の面材40,…の裏面に、該複数の横長の面材4
0,…に渡って、筋違28と縦長の面材40aとを取り
付けることによって壁部が形成されているので、簡易
で、かつ長期間の耐久性を有する耐力壁を形成すること
ができる。
【0062】<第4の実施の形態>図16は、本発明に
おける実施の形態の野地板用パネルの構造を示すもので
あり、(a)は野地板用パネルの構造を示す平面図、
(b)はそのI−I線に沿う断面図であり、(c)は垂
木に取り付けられた野地板用パネルの側面図である。木
製合板51裏面にあらかじめ横長の面材52,…を張
り、ステンレス製スクリュー釘等の締結手段54,…で
相互を固定されている。このように構成されている野地
板用パネル50を垂木に取り付ける際、該野地板用パネ
ルの横長の面材52,…をたるき55間に差し渡す形で
取り付けられることにより、合板接着剤の劣化による野
地板の曲げ強度低下などの影響を低減でき、野地板とし
ての耐久性の向上を図ることができる。
【0063】<その他の実施の形態>ところで、壁面や
床面に合板や石膏ボードなどを用いた構築された住宅で
は、形成される壁や床の気密性が高まったことに加え、
暖房設備の普及により、壁内に結露が生じやすく、この
結露の発生によって住宅の耐久性が低下してしまうとい
う問題がある。以下で、モルタルを塗った壁を有する住
宅において、壁内に結露が発生しない住宅の構造につい
て説明する。図17は、モルタル塗り壁の結露防止構法
を示す住宅の壁部の側面図、図18は図17における竪
枠68に設けられた空気の通路70の正面図である。
【0064】この図に示すように、壁部60は軸組ない
し枠組み壁構法によって構築された木造住宅の壁体の骨
組みであり、この骨組みにモルタル塗り壁を用いて壁体
となるものであり、住宅を構成する間柱65、管柱6
1、竪枠68、胴差62および上枠66等に空気の通路
70,…が開孔されている。この空気の通路70,…に
よって、高温多湿な壁内漏洩空気を戸外に排出すること
によって壁の結露を防止することができる。なお、これ
ら通路70,…によって、屋内から流入した壁内漏洩空
気を屋根裏を通じて換気できるように構成されていれば
好適である。また、軸組ないし枠組み構法によって構築
された住宅において、管柱付近の胴差・軒桁ないし妻
梁、管柱・間柱、または竪枠付近の下枠・側根太ないし
端根太・頭繋・上枠、竪枠・間柱などに空気の通路70
を開孔して、上述した同様の効果を得ることができるよ
うにしてもよい。
【0065】ここで、上述した構法を全て適用して木造
住宅を構築した場合について説明する。例えば、木造住
宅構法において、耐力面材として用いる構造用合板ない
し構造用パネルに代えて上述した繊維補強モルタルパネ
ルを用い、釘・ポルト・接合金物・屋根谷部水切板類を
ステンレス製とし、屋根野地板に上述した野地板用パネ
ルを用いて、前記野地板用パネルの合板の上面にアスフ
ァルトルーフィングを重ね代を十分取って2重に張りつ
けて屋根を構成する。また、モルタル塗り壁に上述した
結露防止対策を実施し、外壁モルタルにファイバー(ビ
ニロンファイバーなど)入りモルタルを使用し、あるい
は外壁にサイディングを用いて通気壁構造とし、基礎床
面はコンクリートで覆い、屋根裏及び床下通気面積を大
きく取り、土台及び1階床根太類に防腐・防蟻処理を施
し、基礎接地面積を大きく取り必要に応じて基礎に繊維
補強モルタルを用いる。このように住宅を構築すること
によって、各構造部材の水分その他による劣化防止に配
慮することになり、住宅の寿命を骨組み木材本来の寿命
相当に整合させることができる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
る繊維補強モルタルパネルによれば、上述した繊維補強
モルタル合成板に、容易に釘などを取り付けることが出
来る桟材が裏打ちされているので、現場において釘止め
が可能となり、木製合板やスレート材等に代わる住宅の
床や壁等の構造耐力部材として用いて、住宅の耐久性を
一層向上することができる。
【0067】そして請求項2記載の発明に係る長耐久性
住宅構法によれば、請求項1記載の繊維補強モルタルパ
ネルを構造部材として用いた床や壁などの横揺れ抵抗
が、柱と筋違ないし梁と火打ち梁から成る在来軸組構法
や柱・根太ないし面材のみから成る枠組み壁構法に比べ
面材、垂直材並びに横繋ぎ材が横揺れに抵抗することに
なり、より合理的で初期剛性や終局耐力が大きい床や壁
を有する住宅を構築することができる。したがって、住
宅の強度が向上し、耐用年数が増加することにより、住
宅は長期間の耐久性を有するものとなる。また、前記繊
維補強モルタルパネルを用いた住宅の構造部材は面構造
であるので、軸組構法における筋違などのトラス構造は
接点数が少なく、接点強度が不足しがちであるのに対
し、多くの釘で支持することができ、該釘による留付強
度が大きいものとなる。
【0068】請求項3記載の発明に係る壁構法によれ
ば、特に、枠組み壁構法における木造住宅の骨組みを構
成する柱間に該柱間を覆うように、上下方向に隣接して
並べて設けた複数の横長の面材の裏面に、該複数の横長
の面材に渡って、筋違と縦長の面材とを取り付けること
によって壁部が形成されているので、簡易で、かつ長期
間の耐久性を有する耐力壁を形成することができる。
【0069】請求項4記載の発明に係る野地板用パネル
によれば、前記横長の面材を裏打ちした合板が、垂木間
に前記横長の面材が差し渡された形で設けられることに
なり、1枚物の板の耐久性と合板の気密性とを併せ持
ち、耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての繊維補強モルタ
ルパネルの構造を説明する図であり、(a)は繊維補強
モルタルパネルの平面図、(b)は(a)のA−A線矢
視断面図、(c)は同B−B線矢視断面図である。
【図2】繊維補強モルタルパネルを木造在来軸組構法に
おける床の構造に適用した場合を説明する床部の部分平
面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】木造在来軸組構法において、繊維補強モルタル
パネルを適用した耐力壁の構造を示す局部的な部分側面
図である。
【図5】図4のD−D線断面図である。
【図6】壁の構造を説明する壁部分のより広範囲な部分
側面図である。
【図7】図6のE−E線断面図である。
【図8】本発明における繊維補強モルタルパネルを木造
軸組構法の外壁全面に使用した例を示す外壁の構造の部
分側面図である。
【図9】図8におけるF−F線断面図である。
【図10】本発明を適用した枠組み壁構法による床の構
造を示す部分平面図である。
【図11】図10のG−G線に沿う断面図である。
【図12】本発明における繊維補強モルタルパネルを用
いた耐力壁の構造を示す部分側面図である。
【図13】図12の耐力壁の断面図である。
【図14】簡易耐力壁の構造を示す部分側面図である。
【図15】図14のH−H線断面図である。
【図16】本発明における野地板用パネルの構造を示す
ものであり、(a)は野地板用パネルの構造を示す平面
図、(b)はそのI−I線に沿う断面図であり、(c)
は垂木に取り付けられた野地板用パネルの側面図であ
る。
【図17】モルタル塗り壁の結露防止構法を示す住宅の
壁部の側面図である。
【図18】図17における竪枠に設けられた空気の通路
の正面図である。
【符号の説明】
1 繊維補強モルタルパネル 2 繊維補強モルタル合成板 2b 裏面 3 桟木 3a 桟木 3b 補助桟木 4 締結ビス 6 断熱材 7 締結釘 8,20 隅柱 9 胴差 10 管柱 11 間柱 12,23,41 根太 13 添梁 14 止め材 15 土台 16,27 中間水平材 17,24 添枠 21 下枠 22 側根太 25 止め材 26 竪枠材 28 筋違 40 横長の面材 40a縦長の面材 42 梁 43a 竪枠 43b 間柱 43 竪枠 44 下枠 45 上枠 46 木製合板 50 野地板用パネル 51 木製合板 52 面材 54 締結手段 60 壁部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともセメント及び水を含むモルタ
    ルに、耐腐食性を有する繊維を混入して補強し板状に形
    成した繊維補強モルタル合成板と、 この繊維補強モルタル合成面材の裏面の少なくとも周縁
    部に取り付けられた桟木と、 を有することを特徴とする繊維補強モルタルパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維補強モルタルパネル
    を住宅の床や壁などの構造部材として用いることにより
    住宅を構築することを特徴とする長耐久性住宅構法。
  3. 【請求項3】 木造住宅の骨組みを構成する柱間に、該
    柱間を覆うように複数の横長の面材を上下方向に隣接し
    て並べて設け、 これら複数の横長の面材の裏面に、該複数の横長の面材
    に渡って、筋違と縦長の面材とを取り付けることによっ
    て壁部を形成し、住宅の壁を構築することを特徴とする
    壁構法。
  4. 【請求項4】 木製合板の裏面に複数の横長の面材を隣
    接して並べて貼着してなり、 前記横長の面材はそれぞれ、住宅の有する複数の垂木の
    上に、該垂木間に差し渡すように取り付けられることを
    特徴とする野地板用パネル。
JP10061695A 1998-03-12 1998-03-12 繊維補強モルタルパネル、長耐久性住宅構法、壁構法および野地板用パネル Pending JPH11256683A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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