JP2001172487A - 生分解性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

生分解性樹脂組成物及びその成形体

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JP2001172487A
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lactone
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poly
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JP35509899A
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English (en)
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Yasuaki Shiraishi
容章 白石
Koji Nakada
幸司 仲田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性に優れるとともに、弾性率、耐熱性
及び耐衝撃性に優れる生分解性樹脂組成物及びその成形
体を得る。 【解決手段】 脂肪族ポリエステル樹脂、ポリC3-12
クトン及び無機充填剤を含有する組成物を、樹脂合計量
/無機充填剤=10/90〜49/51(重量比)の割
合で調製する。前記生分解性樹脂組成物は、前記脂肪族
ポリエステル樹脂100重量部に対して前記ポリC3-12
ラクトン1〜200重量部程度を含有する。前記脂肪族
ポリエステル樹脂は、脂肪族C2-6ジカルボン酸をジカ
ルボン酸成分としてよく、脂肪族C2-6ジオールをジオ
ール成分としてよい。前記脂肪族ポリエステル樹脂は、
ポリエステル樹脂を脂肪族ジイソシアネートで高分子量
化した樹脂であってよい。前記ポリC3-12ラクトンは、
ポリカプロラクトンであってよい。前記無機充填剤は、
タルクであってよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性樹脂組成物
及びその成形体に関する。さらに詳しくは、耐衝撃性に
優れた生分解性樹脂組成物及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィンなどのプラスチッ
クは、安定性、耐久性のあることが特徴であり、包装
材、建築資材、自動車、その他様々な分野に使用され、
大量消費されている。それらの使用後の廃棄処分方法と
しては、焼却処分や埋め立て処分等が挙げられるが、ポ
リオレフィンやポリ塩化ビニル等の難分解性の樹脂は、
焼却の際には、高発熱量による焼却炉の損傷や、有害性
廃ガスの発生が問題となり、一方埋め立て処分の場合
は、環境中にいつまでも残留することによる環境汚染が
問題になっている。そこで、生分解性樹脂の活用が必要
になってきている。
【0003】そこで、天然素材系のバイオセルロースや
澱粉主体のプラスチック、低置換度セルロース系エステ
ル、微生物による天然ポリエステル、化学合成による脂
肪族ポリエステル樹脂等が生分解性のあるプラスチック
として、その製法、用途等が検討されている。これらの
うち、加工性、コスト、機械特性、耐水性等の点で比較
的バランスがとれ、様々な用途に使用できる樹脂とし
て、化学合成で得られる脂肪族ポリエステル樹脂が注目
されている。
【0004】一般的に、脂肪族ポリエステル樹脂は、結
晶性が高かったり、ウレタン結合を樹脂分子内に導入し
た場合、微生物による生分解性が通常低下する。そこ
で、より分解性の良好なポリエステル樹脂を配合・混練
することにより、混練した樹脂を分解する菌が、環境中
に存在する確率を上げることができる。更に、一旦分解
が始まると、表面積が広がり、表面が親水性になり、菌
が生育しやすくなる環境を作ることができるため、分解
性が向上する。
【0005】なお、このような樹脂を使用して真空成
形、ブロー成形、インフレーション成形等を行う場合、
汎用樹脂に比べて、熱的に劣るため、成形中に溶融した
樹脂がドローダウンし、成形できない。そこで、生分解
性樹脂100重量部に対して無機充填剤10〜100重
量部を添加することにより、真空成形、ブロー成形又は
インフレーション成形時にドローダウンしにくい生分解
性ポリエステル樹脂組成物を製造している。
【0006】しかし、無機充填剤を前記割合で配合した
組成で成形した成形体は、弾性率が低い、耐熱性が悪
い、耐衝撃性が悪い。更に、コスト的に高価な樹脂とな
るため、実用化という面で困難を伴う。また、通常、既
存の樹脂から形成される成形体は、容器リサイクル法の
施行によって、回収・リサイクルを行う必要が生じるた
め、コスト的に困難を伴う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、生分解性に優れるとともに、成形品として必要な程
度に弾性率が高い生分解性樹脂組成物及びその成形体を
提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、生分解性に優
れるとともに、耐熱性に優れる生分解性樹脂組成物及び
その成形体を提供することにある。
【0009】さらに、本発明の更に他の目的は、生分解
性に優れるとともに、耐衝撃性に優れる生分解性樹脂組
成物及びその成形体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するために鋭意検討の結果、脂肪族ポリエステル
樹脂及びポリC3-12ラクトンの混合物に対して特定量の
無機充填剤を配合することにより、生分解性に優れると
ともに、弾性率、耐熱性及び耐衝撃性に優れる生分解性
樹脂組成物及びその成形体が得られることを見出し、本
発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の生分解性樹脂組成物
は、脂肪族ポリエステル樹脂、ポリC 3-12ラクトン及び
無機充填剤を含有する組成物であって、脂肪族ポリエス
テル樹脂及びポリC3-12ラクトンの樹脂合計量と無機充
填剤との割合(重量比)が、樹脂合計量/無機充填剤=
10/90〜49/51である。前記生分解性樹脂組成
物は、前記脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し
て前記ポリC3-12ラクトン1〜200重量部程度を含有
する。前記脂肪族ポリエステル樹脂は、脂肪族C 2-6
カルボン酸をジカルボン酸成分としてよく、脂肪族C
2-6ジオールをジオール成分としてよい。前記脂肪族ポ
リエステル樹脂は、ポリエステル樹脂を脂肪族ジイソシ
アネートで高分子量化した樹脂であってよい。前記ポリ
3-12ラクトンは、ポリカプロラクトンであってよい。
前記無機充填剤は、タルクであってよい。
【0012】本発明には、前記組成物で形成した成形
体、特に射出成形で成形した成形体も含まれる。また、
本発明には、前記成形体が、シート状又はフィルム状成
形体であり、その成形体の少なくとも片面に、脂肪族ポ
リエステル樹脂及びポリC3-12ラクトンを含有する生分
解性樹脂組成物で形成された層を積層した積層成形体も
含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】[脂肪族ポリエステル樹脂]本発
明で使用する脂肪族ポリエステル樹脂は、特に制限され
ないが、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合に
より得られるホモポリエステル又はコポリエステルが挙
げられる。これらのうち、融点が100℃以上で、熱可
塑性を有し、比較的生分解性が低い樹脂が好ましい。
【0014】例えば、脂肪族C2-6ジカルボン酸(例え
ば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等)をジカルボン
酸とする脂肪族ポリエステル樹脂が好ましく、脂肪族C
2-6ジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオー
ル等)をジオール成分とする脂肪族ポリエステル樹脂が
好ましい。
【0015】具体的には、コハク酸と1,4−ブタンジ
オールとから得られるポリエステル樹脂、コハク酸とエ
チレングリコールとから得られるポリエステル樹脂、シ
ュウ酸とネオペンチルグリコールとから得られるポリエ
ステル樹脂、シュウ酸と1,4−ブタンジオールとから
得られるポリエステル樹脂、シュウ酸とエチレングリコ
ールとから得られるポリエステル樹脂が挙げられる。こ
れらのうち、特に、コハク酸と1,4−ブタンジオール
とから得られるポリエステル樹脂が好ましい。
【0016】本発明で使用する脂肪族ポリエステル樹脂
は、ウレタン結合を含む脂肪族ポリエステル樹脂を使用
することできる。ウレタン結合を含む脂肪族ポリエステ
ル樹脂は、前記ポリエステル樹脂を脂肪族ジイソシアネ
ートで高分子量化した樹脂が好ましい。
【0017】脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメ
チレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエ
ステル[OCN-(CH2)4-CH(-NCO)(-COOCH3)]、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これ
らのうち、ヘキサメチレンジイソシアネートが好まし
い。
【0018】ウレタン結合を含む脂肪族ポリエステル樹
脂としては、昭和高分子(株)製のビオノーレ♯100
0、♯3000、♯6000のシリーズが挙げられる。
【0019】脂肪族ポリエステル樹脂の数平均分子量
は、20,000以上(例えば、20,000〜50
0,000)、好ましくは40,000以上(例えば、
40,000〜500,000)程度である。
【0020】[ポリC3-12ラクトン]本発明で使用する
ポリC3-12ラクトンは、例えば、アルコールなどの活性
水素化合物を開始剤として、C3-12ラクトンを常法の開
環重合を行うことにより得られる。
【0021】前記C3-12ラクトンとしては、プロピオラ
クトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラク
トン等が挙げられる。これらのうち、C4-10ラクトン、
特にカプロラクトン(例えば、ε−カプロラクトンな
ど)が好ましい。前記開始剤の官能数は、特に制限され
ないが、2官能や3官能の開始剤が好ましく使用でき
る。
【0022】ポリカプロラクトンとしては、ダイセル化
学工業(株)製のPCLH7、PCLH4、PCLH1
等が挙げられる。
【0023】また、ポリC3-12ラクトンとしては、C
3-12ラクトンの単独重合体に限られず、他のC3-12ラク
トンや、グリコシド、ラクチド等のコモノマー構成単位
を、20モル%以下程度含む共重合体でもよい。
【0024】ポリC3-12ラクトンの分子量は、低分子量
から高分子量まで使用できる。低分子量のポリC3-12
クトンを使用した場合は、樹脂組成物の溶融粘度が低下
し、成形性が向上するなどのメリットが現れるものの、
混練樹脂の耐熱性や機械強度の低下が大きくなるので、
添加量が制限される。一方、高分子量のポリC3-12ラク
トンを使用する場合は、添加量を多くできるので、耐熱
性、機械特性及び生分解性をバランス良く発揮できる。
【0025】具体的には、数平均分子量1,000〜2
00,000、好ましくは5,000〜100,000
程度のポリC3-12ラクトンが好ましく使用できる。な
お、200,000よりも高い数平均分子量を有するポ
リC3-12ラクトンも、問題なく使用可能であるが、この
ような高分子量のポリC3-12ラクトンを得るのは困難で
あり、現実的でない。
【0026】脂肪族ポリエステル樹脂とポリC3-12ラク
トンとの割合は、双方の分子量や要求される生分解性に
もよるが、通常、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部
に対して、ポリC3-12ラクトン1〜200重量部、好ま
しくは5〜50重量部、さらに好ましくは20〜40重
量部程度である。両樹脂の割合がこの範囲にあると、生
分解性及び耐熱性に優れる。
【0027】脂肪族ポリエステル樹脂とポリC3-12ラク
トンとを混練する場合は、機械特性の面から、両者に相
溶性が有ることが好ましい。両者に相溶性がない場合
は、例えば、脂肪族ポリエステル樹脂成分とポリC3-12
ラクトン成分との共重合体などの相溶化剤や、両者の中
間の極性を有する樹脂等を添加することが好ましい。
【0028】[無機充填剤]本発明で使用する無機充填
剤は、例えば、繊維状充填剤、非繊維状充填剤(粉粒状
充填剤、板状充填剤等)が挙げられる。
【0029】繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アス
ベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アル
ミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、金
属繊維等が挙げられる。
【0030】非繊維状充填剤のうち、粉粒状充填剤とし
ては、鉱物質微粒子(タルク、ゼオライト、ケイソウ
土、焼成珪成土、カオリン、セリサイト、ベントナイ
ト、スメクタイト、クレー、シリカ、石英粉末、ガラス
ビーズ、ガラス粉、ミルドファイバー、ウォラストナイ
ト等)、金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、重質炭酸カル
シウム、軽質炭酸カルシウム等)、金属珪酸塩(珪酸カ
ルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アル
ミノ珪酸マグネシウム等)、金属酸化物(アルミナ、シ
リカ、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシ
ウム、酸化ジルコニウム等)、金属水酸化物(水酸化ア
ルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム
等)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム
等)、金属粉末(炭化ケイ素など)、ホワイトカーボン
等が挙げられる。
【0031】板状充填剤としては、例えば、マイカ、ガ
ラスフレーク、各種金属箔等が挙げられる。
【0032】これらの無機充填剤のうち、通常、粉粒状
充填剤、特に鉱物質微粒子(例えば、タルクなど)が好
ましく用いられるが、成形性の点からは、繊維状充填剤
も好ましく用いることができる。
【0033】無機充填剤を添加することにより、溶融強
度が大きくなるので、溶融成形時のドローダウンが防止
でき、真空成形、ブロー成形、インフレーション成形等
の成形性が向上する。同時に、成形品に弾性率などの強
度を与え、成形品の耐熱性や低温ににおける耐衝撃性を
向上させる。
【0034】脂肪族ポリエステル樹脂及びポリC3-12
クトンの樹脂合計量と無機充填剤との割合(重量比)
は、樹脂合計量/無機充填剤=10/90〜49/5
1、好ましくは20/80〜49/51、さらに好まし
くは30/70〜49/51程度である。両者の割合が
この範囲にあると、外観、弾性率、耐熱性、耐衝撃性及
び容器成形性のバランスに優れる。
【0035】本発明の生分解性樹脂組成物には、慣用の
添加剤、例えば、滑剤、安定剤(抗酸化剤、紫外線吸収
剤、熱安定剤、耐光安定剤等)、染顔料、帯電防止剤、
難燃剤、アンチブロッキング剤、充填剤等を含んでいて
もよい。
【0036】[生分解性樹脂組成物]本発明の生分解性
樹脂組成物は、前記脂肪族ポリエステル樹脂、前記ポリ
3- 12ラクトン及び前記無機充填剤を混練することによ
り得られる。混練方法は、慣用の方法を用いることがで
き、例えば、原料樹脂ペレットの粉体、固体の細片等を
ヘンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単
軸や2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミ
キシングロール等の慣用の溶融混合機に供給して溶融混
練することができる。また、液状のポリC3-12ラクトン
を添加する場合でも、同様の方法で混練することができ
る。
【0037】本発明の生分解性樹脂組成物中のポリマー
成分は、JIS K6950で規定する都市下水汚泥中
での4週間培養後の分解率が60%以上、好ましくは8
0%以上である。また、従来のポリオレフィンの代替と
してフィルム、真空/圧空成形品等の広範な用途に使用
することができる。特に、環境に放置されやすい物品用
途に用いることが好ましい。
【0038】なお、JIS K6950に準じた活性汚
泥を使用する方法は、生分解性評価方法のうち、他の土
壌中の埋設、海水中や河川中への浸漬、コンポストでの
評価等に比べて、一般フィールドでの分解性と相関関係
があるとされている。
【0039】[成形体]本発明の成形体は、ブロー成
形、射出成形、押出成形等(特に、シート,フィルム成
形)の方法で成形することができる。
【0040】成形体としては、例えば、ホース、チュー
ブ、パイプ、異形体、フィラメント、ネット、フィル
ム、発泡シート、一軸延伸シート、二軸延伸シート、無
延伸シート、及びこれらの二次成形体等が挙げられる。
【0041】なお、本発明の成形体は、その表面に、例
えば、シート又はフィルムの場合には、その少なくとも
両面に、樹脂合計量/無機充填剤=10/90〜49/
51(重量比)の範囲内で、無機充填剤を含まない生分
解性樹脂組成物で構成された層を形成することが好まし
い。このような積層体としては、例えば、二種三層の積
層体や三種五層の積層体が挙げられる。表層を生分解性
樹脂組成物で構成された層とすることにより、生分解性
樹脂組成物の成形性を向上することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明では、生分解性に優れるととも
に、成形品として必要な程度に弾性率が高く、耐熱性及
び耐衝撃性に優れる生分解性樹脂組成物及びその成形体
を得ることができる。従って、真空成形、ブロー成形、
インフレーション成形が可能であるため、従来のポリオ
レフィンの代替各分野で使用することができる。また、
生分解性に優れるため、環境保全の見地から、その工業
的利点は非常に大きい。
【0043】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0044】実施例1〜3及び比較例1〜4 コハク酸と1,4−ブタンジオールとの共重合体(ビオ
ノーレ♯1001、昭和高分子(株)製)と、ポリカプ
ロラクトン(PCLH7、ダイセル化学工業(株)製、
数平均分子量70,000)と、タルク(PHタルク、
竹原化学(株)製)とを表1に示す組成で配合して、こ
れらをラボプラストミルに供給し混練した。次に、これ
らの組成物を押出機(直径65mm、L/D=32)に
供給し、溶融混練した後、Tダイから押出シート成形を
行った。これらのシートを用い、単発真空成形機(浅野
研究所製)により成形し、生分解性、耐熱性、容器強
度、耐衝撃性及び成形性は、縦50mm、横100m
m、深さ30mmの容器を用い、また、容器強度は縦2
00mm、横300mm、深さ40mmの容器を用い
て、以下に示す方法により評価した。結果を表1に示
す。
【0045】[生分解性]JIS K6950に準じて
行い、以下の基準で評価した。 ○:成分中のポリマー成分の分解率が80%を超えた。 △:成分中のポリマー成分の分解率が60〜80%であ
った。 ×:成分中のポリマー成分の分解率が60%未満であっ
た。
【0046】[耐熱性]食品容器内に90℃でお湯を入
れ、3分間の放置し、以下の基準で評価した。 ○:変形がなかった。 △:変形が若干見られた。 ×:変形が大きかった。
【0047】[容器強度]食品容器の一辺を固定し、容
器中央部に重さ500gの重り(粘土)を置いた時の、
固定した辺の反対の辺の低下の程度を測定し、以下の基
準で評価した。 ○:40mm未満 △:40mm以上60mm未満 ×:60mm以上。
【0048】[耐衝撃性]食器容器20個にそれぞれ0
℃の水を入れ蓋をし、30cmの高さより、コンクリー
ト床に落下させた時の割れた割合を目視により観察し、
以下の基準で評価した。 ○:割れた割合が10%未満であった。 △:割れた割合が10〜50%であった。 ×:割れた割合が50%を超えていた。
【0049】[成形性]真空成形により容器を成形し、
以下の基準で評価した。 ○:均一の厚みで、型が出た。 △:厚みにムラがあった。 ×:離型性が悪く、型が出なかった。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果より、実施例1〜3の生分解性
樹脂組成物は、生分解性及び成形体としての物性も満た
すのに対して、比較例1〜4の組成物では、いずれかを
満たしていない。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA00A AA00H AC10A AC10H AK41A AK41B AK41C AL05A AL05B AL05C BA02 BA03 BA10A BA10B BA10C BA16 CA23A JC00 JJ03 JK07 JK10 4J002 CF031 CF131 CF192 DA017 DJ017 DJ047 DL007 FA047 FD017 4J034 BA03 DA01 DB04 DB07 DF01 DF11 DF16 DF20 HA01 HA07 HB12 HC03 QB14 QB19 QC01 QC07 QC08 QD01 QD04 QD06 RA11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリエステル樹脂、ポリC3-12
    クトン及び無機充填剤を含有する組成物であって、脂肪
    族ポリエステル樹脂及びポリC3-12ラクトンの樹脂合計
    量と無機充填剤との割合(重量比)が、樹脂合計量/無
    機充填剤=10/90〜49/51である生分解性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に
    対してポリC3-12ラクトン1〜200重量部を含有する
    請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステル樹脂が、脂肪族C
    2-6ジカルボン酸をジカルボン酸成分とする請求項1記
    載の生分解性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族ポリエステル樹脂が、脂肪族C
    2-6ジオールをジオール成分とする請求項1記載の生分
    解性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリエステ
    ル樹脂を脂肪族ジイソシアネートで高分子量化した樹脂
    である請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリC3-12ラクトンがポリカプロラクト
    ンである請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 無機充填剤がタルクである請求項1記載
    の生分解性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の組成物で形成した成形
    体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の成形体が、シート状又は
    フィルム状成形体であり、その成形体の少なくとも片面
    に、脂肪族ポリエステル樹脂及びポリC3-12ラクトンを
    含有する生分解性樹脂組成物で形成された層を積層した
    積層成形体。
  10. 【請求項10】 射出成形で成形した請求項8記載の成
    形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004092266A1 (ja) 2003-04-18 2004-10-28 E.I. Du Pont De Nemours And Company 生分解性芳香族ポリエステルブレンド組成物から作製される射出成形品およびその製造方法
US7332229B2 (en) 2002-04-15 2008-02-19 Zeon Corporation Varnish, shaped item, electrical insulating film, laminate, flame retardant slurry and process for producing flame retardant particles and varnish

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