JP2001172480A - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物

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JP2001172480A
JP2001172480A JP36421799A JP36421799A JP2001172480A JP 2001172480 A JP2001172480 A JP 2001172480A JP 36421799 A JP36421799 A JP 36421799A JP 36421799 A JP36421799 A JP 36421799A JP 2001172480 A JP2001172480 A JP 2001172480A
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polyester resin
thermoplastic polyester
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acid
composition according
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JP36421799A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Watanabe
一史 渡辺
Takayuki Ishikawa
貴之 石川
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ溶液に対する長期耐久性に極めて優
れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) 熱可塑性ポリエステル樹脂に対し、
(B) 耐衝撃性付与剤1〜25重量%(全組成物中)、(C)
ホウ素化合物0.001 〜5重量%(全組成物中)、(E) エ
ポキシ化合物、イソシアネート化合物及びカルボン酸二
無水物からなる群より選ばれた多官能性化合物の少なく
とも一種 0.1〜10重量%(全組成物中)を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂組成物に関するものである。更に詳しくはアル
カリ溶液に対する長期耐久性に極めて優れた熱可塑性ポ
リエステル樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱可塑
性ポリエステル樹脂は、結晶性熱可塑性樹脂として、機
械的強度、電気的性質、その他、各種特性に優れている
為、エンジニアリングプラスチックとして、自動車、電
気・電子機器等をはじめとして広範な用途に使用されて
いる。しかしながら、アルカリ溶液に対する長期耐久性
は決して優れているとは言い難く、その使用環境、使用
用途が限られていた。
【0003】例えば、部品によっては、トイレ用洗浄
剤、浴槽用洗浄剤、漂白剤、融雪剤等が頻繁にかかる場
所で使用される場合がある。これらの薬剤は、その成分
として、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過
炭酸ナトリウム、塩化カルシウム等を含むため、樹脂成
形品はアルカリ雰囲気下に曝されることになる。
【0004】樹脂成形品に、ネジ締め、金属圧入等によ
り過大な歪みがかかった状態で、上記のようなアルカリ
雰囲気下に長時間曝されると、歪みとアルカリ成分の双
方の影響で、いわゆる環境応力割れを起こし、成形品に
クラックが発生するため問題となっていた。
【0005】また、樹脂組成物と金属または無機固体
(以下、金属等と略す)とをインサートするインサート
成形法は、樹脂組成物と金属等との両方の特性を生かし
た部品を得ることが出来るため、現在広汎な分野で応用
されている成形法である。しかしながら、樹脂と金属等
では収縮率、線膨張係数が異なるため、金属等の周囲に
歪みが発生する。そのため、インサート成形品が上記の
ようなアルカリ溶液が頻繁にかかるような環境に長期に
おかれると、金属等の周囲にクラックが発生するため、
問題となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
鑑み、アルカリ溶液に対する長期耐久性に優れた熱可塑
性樹脂を得るべく鋭意検討した。その結果、熱可塑性ポ
リエステル樹脂を主体とし、これに耐衝撃性付与剤、ホ
ウ素化合物、無機充填剤、多官能性化合物を配合した組
成物は、耐アルカリ溶液性に非常に優れていることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、 (A) 熱可塑性ポリエステル樹脂に対し、 (B) 耐衝撃性付与剤1〜25重量%(全組成物中) (C) ホウ素化合物0.001 〜5重量%(全組成物中) (D) 無機充填剤1〜50重量%(全組成物中) (E) エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びカルボ
ン酸二無水物からなる群より選ばれた多官能性化合物の
少なくとも一種 0.1〜10重量%(全組成物中) を配合してなる、耐アルカリ溶液性に優れた熱可塑性ポ
リエステル樹脂組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。先ず、本発明の基体樹脂である(A) 熱可塑性ポリ
エステル樹脂とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ
化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合、あ
るいはこれら三成分化合物の重縮合等によって得られる
ポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステ
ルの何れであってもよい。ここで用いられる(A) 熱可塑
性ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸化合物の例
を示せば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸の
如き公知のジカルボン酸及びこれらのアルキル、アルコ
キシ又はハロゲン置換体等である。また、これらのジカ
ルボン酸化合物は、エステル形成可能な誘導体、例えば
ジメチルエステルの如き低級アルコールエステルの形で
重合に使用することも可能である。次に、本発明の(A)
熱可塑性ポリエステル樹脂を構成するジヒドロキシ化合
物の例を示せば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ハ
イドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシフェニル、ナ
フタレンジオール、ジヒドロキシフェニルエーテル、シ
クロヘキサンジオール、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールAの如
きジヒドロキシ化合物、ポリオキシアルキレングリコー
ル及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換
体等であり、一種又は二種以上を混合使用することがで
きる。また、オキシカルボン酸化合物の例を示せば、オ
キシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシ
カルボン酸等のオキシカルボン酸及びこれらのアルキ
ル、アルコキシ又はハロゲン置換体等が挙げられる。ま
た、これらの化合物のエステル形成可能な誘導体も使用
できる。本発明においてはこれら化合物の一種又は二種
以上が用いられる。また、これらの他に三官能性モノマ
ー、即ちトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等
を少量併用した分岐又は架橋構造を有するポリエステル
であってもよい。本発明では、上記の如き化合物をモノ
マー成分として、重縮合により生成する熱可塑性ポリエ
ステルは何れも本発明の(A) 成分として使用することが
でき、単独で又は二種以上混合して使用されるが、好ま
しくはポリアルキレンテレフタレート、さらに好ましく
はポリブチレンテレフタレート及びこれを主体とする共
重合体が使用される。また、本発明においては、熱可塑
性ポリエステルを公知の架橋、グラフト重合等の方法に
より変性したものであってもよい。かかる熱可塑性ポリ
エステルのうち、ポリブチレンテレフタレート樹脂は特
に耐アルカリ溶液性に効果が高い。
【0009】更に本発明において用いられるポリブチレ
ンテレフタレートとは、末端のカルボキシル基濃度が好
ましくは 50meq/kg以下、特に好ましくは 35meq/kg以
下であると、特に耐アルカリ溶液性が良好である。尚、
末端カルボキシル基濃度は、ポリブチレンテレフタレー
トの粉砕試料をベンジルアルコール中 215℃で10分間溶
解後、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液にて滴定し、測
定することにより求められる。
【0010】次に、本発明で用いられる(B) 耐衝撃性付
与剤の代表的なものとしては、熱可塑性エラストマー又
はコアシェルポリマー等が挙げられる。かかる熱可塑性
エラストマー等は、常温ではゴム状弾性をもつ固体であ
るが、加熱すると粘度が低下するので熱可塑性樹脂と溶
融混合可能な高分子物質の総称である。(B) 成分の添加
により樹脂に発生する内部応力が低減し、アルカリ溶液
下におけるクラックの発生を抑制することが可能となる
ため、本発明の必須成分である。
【0011】熱可塑性エラストマーの種類は特に制限さ
れず、例えば、オレフィン系、スチレン系、ポリエステ
ル系、ポリアミド系及びポリウレタン系等が挙げられ
る。
【0012】オレフィン系エラストマーとして好ましい
ものは、エチレン及び/又はプロピレンを主成分とする
共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン
共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体等が
挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0013】オレフィン系エラストマーの中でも、(a-
1) エチレン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重
合体又は(a-2) α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグ
リシジルエステルからなるオレフィン系共重合体と、
(b) 主として下記一般式(1) で示される繰り返し単位で
構成された重合体又は共重合体の一種又は二種以上と
が、分岐又は架橋構造的に化学結合したグラフト共重合
体が、好適に利用できる。
【0014】
【化3】
【0015】かかるグラフト共重合体は、特に耐アルカ
リ溶液性改善に効果があり、本発明の耐衝撃性付与剤と
して特に好適である。(a-1) エチレン−不飽和カルボン
酸アルキルエステル共重合体の具体例としては、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル
酸エチル共重合体などのランダム共重合体が挙げられ、
さらにこれらの共重合体を混合しても使用できる。
【0016】又、(a-2) のオレフィン系共重合体を構成
する一方のモノマーであるα−オレフィンとしては、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1等が挙げられるが、エ
チレンが好ましく用いられる。又、(a-2) 成分を構成す
る他のモノマーであるα,β−不飽和酸のグリシジルエ
ステルとは、下記一般式(2) で示される化合物であり、
例えばアクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グ
リシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエステル等
が挙げられるが、特にメタクリル酸グリシジルエステル
が好ましく用いられる。
【0017】
【化4】
【0018】α−オレフィン(例えばエチレン)とα,
β−不飽和酸のグリシジルエステルとは、通常よく知ら
れたラジカル重合反応により共重合することによって(a
-2)の共重合体を得ることができる。
【0019】セグメント(a-2) の構成は、α−オレフィ
ン70〜99重量%、α,β−不飽和酸のグリシジルエステ
ル30〜1重量%が好適である。
【0020】次に、このオレフィン系共重合体(a-1) 又
は(a-2) とグラフト重合させる重合体又は共重合体(b)
としては、前記一般式(1) で示される繰り返し単位一種
で構成される単独重合体又は二種以上で構成される共重
合体であり、例えばポリメタクリル酸メチル、ポリアク
リル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸
−2−エチルヘキシル、ポリスチレン、ポリアクリロニ
トリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリ
ル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸
ブチル−スチレン共重合体等が挙げられるが、特に好ま
しくはアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体
である。これらの重合体又は共重合体(b) も対応するビ
ニル系モノマーのラジカル重合によって調製される。
【0021】本発明で使用するグラフト共重合体は、前
記(a-1) 又は(a-2) のオレフィン系共重合体又は(b) の
(共)重合体が単独で用いられるのではなく、(a-1) 又
は(a-2) の共重合体と(b) の(共)重合体が少なくとも
一点で化学結合した分岐又は架橋構造を有するグラフト
共重合物である点にその特徴を有し、後述の如くかかる
グラフト構造を有することによって単に(a-1) 、(a-2)
又は(b) の単独配合にては得られない顕著な効果を得る
のである。
【0022】ここで、グラフト共重合体を構成するため
の(a-1) 又は(a-2) と(b) の割合は95:5〜5:95(重
量比)、好ましくは80:20〜20:80が適当である。
【0023】また、本発明で用いられるグラフト共重合
体の製法は、一般によく知られている連鎖移動法、電離
放射線照射法など何れの方法によってもよいが、最も好
ましくは主鎖成分粒子中で(b) 成分の単量体とラジカル
(共)重合性有機過酸化物とを共重合せしめたグラフト
化前駆体を溶融混練し、重合体同士のグラフト化反応に
より得られるものである。その理由は、グラフト効率が
高く、熱による二次凝集が起こらないため、性能の発現
がより効果的であるためである。
【0024】スチレン系エラストマーとしては、スチレ
ン等のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
と未水素化及び/又は水素化した共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体が
挙げられる。
【0025】かかるブロック共重合体を構成するビニル
芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−第三級ブチルスチレン、
ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1 −ジフェ
ニルスチレン等のうちから一種又は二種以上が選択で
き、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合
物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3 −
ペンタジエン、2,3 −ジメチル−1,3 −ブタジエン、ピ
レリレン、3−ブチル−1,3 −オクタジエン、フェニル
−1,3 −ブタジエン等のうちから一種又は二種以上が選
ばれ、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み
合わせが好ましい。
【0026】ここでいうブロック共重合体とは、ビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブ
ロック共重合体であり、ビニル芳香族化合物と共役ジエ
ン化合物の共重合比は5/95〜70/30であり、特に10/
90〜60/40の重合比が好ましい。
【0027】また、本発明に供するブロック共重合体の
数平均分子量は5000〜600000、好ましくは 10000〜5000
00の範囲であり、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)との比は(Mw/Mn)〕は10以下であ
る。また、ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分
岐状、放射状、あるいはこれらの任意の組み合わせのい
ずれであってもよい。
【0028】例えば、A-B-A 、B-A-B-A 、(A-B-)4Si 、
A-B-A-B-A 等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体である。さらにブロック
共重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は部分的に水
素添加したものでもよい。
【0029】本発明に供するブロック共重合体の製造方
法としては、上記した構造を有するものが得られるので
あればどのような製造方法もとることができる。例え
ば、特公昭40−23798 号、特公昭43−17979 号、特公昭
56−28925 号公報に記載された方法により、リチウム触
媒などを用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共
役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができ
る。さらに、特公昭42−8704号、特公昭43−6636号公
報、あるいは特公昭59−133203号公報に記載された方法
により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添
加して、本発明に供する部分的に水添したブロック共重
合体を合成することができる。
【0030】本発明では上記したブロック共重合体をエ
ポキシ化することにより本発明で使用されるエポキシ変
性ブロック共重合体が得られる。
【0031】本発明におけるエポキシ変性ブロック共重
合体は、上記のブロック共重合体を不活性溶媒中でハイ
ドロパーオキサイド類、過酸類などのエポキシ化剤と反
応させることにより得ることができる。ハイドロパーオ
キサイド類としては過酸化水素、ターシャリーブチルハ
イドロパーオキサイド、クメンパーオキサイドなどがあ
る。過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリ
フルオロ過酢酸などがある。このうち、過酢酸は工業的
に大量に製造されており、安価に入手でき、安定度も高
いので、好ましいエポキシ化剤である。
【0032】エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用
いることができる。例えば、過酸の場合、炭酸ソーダな
どのアルカリや硫酸などの酸を触媒として用い得る。ま
た、ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸
と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいはモリブ
デンヘキサカルボニルをターシャリーブチルハイドロパ
ーオキサイドと併用して触媒効果を得ることができる。
【0033】エポキシ化剤の量に厳密な規制がなく、そ
れぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポキ
シ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブロ
ック共重合体の如き可変因子によって決まる。
【0034】不活性溶媒としては、原料粘度の低下、エ
ポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用するこ
とができ、過酢酸の場合芳香族化合物であれば、エーテ
ル類、エステル類などを用いることができる。特に好ま
しい溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベ
ンゼン、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロホルムであ
る。エポキシ化反応条件には厳密な規制はない。用いる
エポキシ化剤の反応性によって使用できる反応温度領域
は定まる。例えば、過酢酸についていえば0〜70℃が好
ましく、0℃より低いと反応が遅く、70℃を超えると過
酢酸の分解が起こる。また、ハイドロパーオキサイドの
一例であるターシャリーブチルハイドロパーオキサイド
/モリブデン二酸化物ジアセチルアセトナート系では同
じ理由で20〜150 ℃が好ましい。反応混合物の特別な操
作は必要なく、例えば混合物を2〜10時間攪拌すればよ
い。得られたエポキシ変性共重合体の単利は適当な方
法、例えば貧溶媒で沈澱させる方法、重合体を熱水中に
攪拌の下で投入し溶媒を蒸留留去する方法、直接脱溶媒
法などで行うことができる。
【0035】上記エポキシ変性ブロック共重合体のエポ
キシ当量は、140 〜2700g/mol であることが好まし
く、特に好ましくは 200〜2000g/mol である。エポキ
シ当量が2700g/mol を超えると、相溶性が十分でな
く、相分離が起こりやすい。また、140 g/mol 未満で
は、特にゲル化物などの副反応を重合体の単離中に起こ
しやすくなるので好ましくない。
【0036】ポリエステル系エラストマーの例として
は、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートといった芳香族ポリエステルをハードセグメン
トとし、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレン
グリコールといったポリエーテル、またはポリエチレン
アジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラク
トンといった脂肪族ポリエステルをソフトセグメントと
するブロック共重合体が挙げられるが、これに限定され
るものではない。
【0037】ポリアミド系エラストマーの例としては、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12など
をハードセグメントをし、ポリエーテルまたは脂肪族ポ
リエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0038】ポリウレタン系エラストマーの例として
は、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
ジイソシアネートとエチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール等のグリコールとを反応させることによっ
て得られるポリウレタンをハードセグメントとし、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等のポリエーテルもしくはポ
リエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ
カプロラクトン等の脂肪族ポリエステルをソフトセグメ
ントとするブロック共重合体が挙げられるが、これに限
定されるものではない。
【0039】一方、コアシェルポリマーとは、多層構造
からなり、好ましくは平均粒径 1.0μm 以下のゴム層を
ガラス状の樹脂が包含したコアシェル型グラフト共重合
体である。コアシェル型共重合体のゴム層は、平均粒径
1.0μm 以下のものが使用でき、好ましい範囲は 0.2〜
0.6 μm である。ゴム層の平均粒径が 1.0μm を越える
と、耐アルカリ溶液性の改善効果が不十分な場合があ
る。かかるコアシェル型共重合体のゴム層としては珪素
系、ジエン系、アクリル系エラストマー単独またはこの
中から選ばれる2種以上のエラストマー成分系を共重合
/グラフト共重合させたものを用いることができる。
【0040】珪素系エラストマーとしては、オルガノシ
ロキサン単量体を重合させて製造されるもので、オルガ
ノシロキサンとしては、例えばヘキサメチルトリシクロ
シロキサン、オクタメチルシクロシロキサン、デカメチ
ルペンタシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロ
シロキサン、トリメチルトリフェニルシロキサン、テト
ラメチルフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェ
ニルシクロテトラシロキサン等が用いられる。アクリル
系ゴムとしては、ブチルアクリレートの様なアクリル酸
エステルと少量のブチレンジアクリレートの様な架橋性
モノマーを重合させて得られる。
【0041】上記アクリル酸エステルとしては、ブチル
アクリレートの他に、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、プロピルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。ま
た、架橋性モノマーとしては、ブチレンジアクリレート
の他に、ブチレンジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパンの様なポリオールとアクリル酸のエステル類、ジ
ビニルベンゼン、ビニルアクリレート、ビニルメタクリ
レートのようなビニル化合物、アリルアクリレート、ア
リルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルフマ
レート、ジアリルイタニレート、モノアリルマレート、
モノアリルフマレート、トリアリルシアヌレートのよう
なアリル化合物が挙げられる。ジエン系ゴムとは、例と
してブタジエン単量体を重合して得られるポリブタジエ
ンが挙げられる。
【0042】更に、コアシェル型共重合体のガラス状の
樹脂で形成されるシェル層は、ビニル系重合体が用いら
れる。ビニル系重合体は、芳香族ビニル単量体、シアン
化ビニル単量体、メタクリル酸エステル系単量体、及び
アクリル酸エステル単量体の中から選ばれた少なくとも
一種の単量体を重合あるいは共重合させて得られる。か
かるコアシェル型共重合体のゴム層とシェル層は、通常
グラフト共重合によって結合されている。このグラフト
共重合化は、必要な場合には、ゴム層の重合時にシェル
層と反応するグラフト交差剤を添加し、ゴム層に反応基
を与えた後、シェル層を形成させることによって得られ
る。グラフト交差剤としては、シリコーン系ゴムでは、
ビニル結合を有したオルガノシロキサンあるいはチオー
ルを有したオルガノシロキサンが用いられ、好ましくは
アクロキシシロキサン、メタクリロキシシロキサン、ビ
ニルシロキサンが使用される。
【0043】上記したようなコアシェルポリマーとして
は、例えば鐘淵化学製カネエースFM、三菱レイヨン製
メタブレンW−300 、W−530 、S−2001、ロームアン
ドハース社製アクリロイドKM−323 、KM−330 、呉
羽化学製パラロイドEXL−2311、−3211、武田薬品製
スタフィロイドP−3267(以上商標)等が挙げられる。
【0044】本発明における(B) 成分の耐衝撃性付与剤
の含有量は、全組成物中、1〜25重量%であり、好まし
くは2〜20重量%、さらに好ましくは3〜15重量%であ
る。(B) 成分が少なすぎると本発明の目的とする高い耐
アルカリ溶液性が得られず、多すぎると剛性等の機械的
性質を阻害するため好ましくない。耐衝撃性付与剤は、
一種又は二種以上併用することができる。
【0045】次に本発明で使用される(C) 成分のホウ素
化合物は、下記一般式(I)又は(II)で示されるホウ
素化合物又はそれらの縮合体あるいは塩の中から選ばれ
た無機・有機ホウ素化合物が含まれる。
【0046】
【化5】
【0047】(但し、一般式(I)及び(II)中、X 、
Y 、Z 及びR'、X'、Y'、Z'は-OR 又は1価の有機基であ
る。ここで、R はH 又は1価の有機基である。X 、Y 、
Z あるいはR'、X'、Y'、Z'の内の各々が同一であっても
相異なっていてもよい。また、これらの2つ以上が連結
して環を形成していてもよい。) 無機ホウ素化合物としては、オルトホウ酸、メタホウ
酸、四ホウ酸等のホウ酸化合物、二酸化ホウ素、三酸化
四ホウ素、五酸化四ホウ素等の酸化ホウ素、ホウ酸のア
ンモニウム塩、ホウ酸のアルカリ金属塩(メタホウ酸カ
リウム、四ホウ酸ナトリウム等)あるいはアルカリ土類
金属塩(ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、オルトホウ酸
マグネシウム、オルトホウ酸バリウム等)等が挙げられ
る。これらの中でも、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホ
ウ酸、酸化ホウ素は効果が高く、好ましく用いられ、か
つこれらのホウ素化合物は市販品を用いることができ
る。また、有機ホウ素化合物としては、ボロキシン、フ
ェニルホウ酸、ジフェニルホウ酸、またはホウ酸とアル
コール化合物あるいはフェノール化合物とのホウ酸エス
テル化合物が挙げられる。例えば、炭素数1〜20の脂肪
族モノアルコール、多価アルコール(エチレングリコー
ル、テトラブチレングリコール、グリセリン、ペンタエ
リスリトール等)、フェノール化合物(フェノール、カ
テコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、クレゾー
ル等)のホウ酸モノ、ジ、トリあるいはテトラエステル
化合物やそれらの混合物、さらにはそれらの金属塩等が
挙げられる。これらの中でもボロキシン、フェニルホウ
酸は効果が高く、好ましく用いられる。
【0048】また(C) 成分の添加量は、全組成物中、0.
001 〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%である。
過小の場合は、目的とする耐アルカリ溶液性に与える効
果が見られない。また過大の場合は、混練時のガスの発
生、物性低下等の問題が生じ好ましくない。
【0049】次に、本発明で用いられる(D) 成分の無機
充填剤は、成形品の成形収縮率及び線膨張係数を低下さ
せ、発生歪みを低減させるため、耐アルカリ溶液性の向
上に必須とされる成分である。この無機充填材は,目的
に応じて繊維状、非繊維状(粉粒状、板状)等の各種充
填剤が用いられる。
【0050】かかる充填剤のうち繊維状充填剤として
は、ガラス繊維、異形ガラス、アスベスト繊維、カーボ
ン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニ
ア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタ
ン酸カリ繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタ
ン、銅、真鍮等の金属繊維状物質が挙げられるがこれに
限定されるものではない。特に代表的な繊維状充填剤
は、ガラス繊維、カーボン繊維であり、ガラス繊維はよ
り好ましくは使用される。
【0051】一方、粉粒状充填剤としては、カーボンブ
ラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、
珪酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、
ウオラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、
酸化亜鉛、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化珪
素、窒化珪素、窒化硼素、各種金属粉末が挙げられるが
これに限定されるものではない。
【0052】また、板状充填剤としては、マイカ、ガラ
スフレーク、各種の金属箔等が挙げられるがこれに限定
されるものではない。
【0053】これらの無機充填剤は、一種又は二種以上
併用することができる。これらの無機充填剤の使用に当
たっては、必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用する
ことが望ましい。本発明における(D) 無機充填剤の含有
量は、全組成物中、1〜50重量%であり、好ましくは10
〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%である。充
填剤の使用量が過小であると耐アルカリ溶液性の向上効
果が少なく、過大であると成形作業が困難である。
【0054】更に本発明には(E) 成分として、エポキシ
化合物、イソシアネート化合物及びカルボン酸二無水物
からなる群より選ばれた多官能性化合物の少なくとも1
種が配合される。
【0055】本発明で用いられる(E) 成分の多官能性化
合物としては、エポキシシラン、ビスフェノールA型エ
ポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、レ
ゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合
物、脂環化合物型ジエポキシ化合物、グリシジルエーテ
ル類、エポキシ化ポリブタジエン、トリグリシジルジイ
ソシアネート、ジイソシアネート系化合物及びカルボン
酸二無水物が挙げられる。更に具体的には、α−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、α−グリシドキシ
プロピルメトキシシラン、β−(3,4 −エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシ
ラン、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノ
ールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合
物、ノボラック型エポキシ化合物、ビニルシクロヘキセ
ンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシドなどの脂
環化合物型エポキシ化合物、2,4 −トリレンジイソシア
ネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートトリ
デンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、メタキシレンジイソシアネート、1,5 −ナフタレン
ジイソシアネート及び上記イソシアネートの誘導体(重
合体ウレタン、ウレチジオン2量体より高次のオリゴマ
ー、シアヌレート重合体)等のジイソシアネート系化合
物、ピロメリット酸無水物、ナフタレンテトラカルボン
酸二水物及び下記一般式
【0056】
【化6】
【0057】(ただし、式中X は-O- 、-SO2- 、-CO-ま
たは2価の炭化水素を示す。)で表わされる、例えばビ
ス(3,4 −ジカルボキシフェニル)アルカン二水物のよ
うなカルボン酸二水物が挙げられる。またこれらの多官
能性化合物中、好ましいのは下記一般式
【0058】
【化7】
【0059】(ただし、式中n は0〜20の整数)で示さ
れるビスフェノールA型エポキシ化合物である。なお、
上記に列挙した多官能性化合物は1種または2種以上を
使用することができる。
【0060】本発明における(E) 成分の添加量は、全組
成物中、0.1 〜10重量%、好ましくは0.1 〜5重量%、
特に好ましくは0.5 〜5重量%である。過少であると本
発明の目的とする耐アルカリ溶液性に対する効果が見ら
れず、過大であると樹脂の粘度が増加する等、成形上の
問題が生じ好ましくない。
【0061】また、本発明において、その目的に応じ前
記成分の他に、他の熱可塑性樹脂成分を補助的に少量併
用することも可能である。ここで用いられる他の熱可塑
性樹脂としては、高温において安定な樹脂であれば何れ
のものでも良い。例えば、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリアセタール、アクリロニトリル−スチレン
樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、
ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイ
ミド、ポリエーテルケトン、フッ素樹脂などを挙げるこ
とができる。またこれらの熱可塑性樹脂は、二種以上混
合して使用することもできる。
【0062】さらに本発明の樹脂組成物に、その目的に
応じた所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹
脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、即ち酸化
防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、染料や
顔料等の着色剤、潤滑剤、離型剤、及び結晶化促進剤、
結晶核剤等を配合することが可能である。
【0063】本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成
物調製法として一般に用いられている公知の設備と方法
により容易に調製される。例えば、i)各成分を混合した
後、押出機により練込押出してペレットを調製し、しか
る後成形する方法、ii) 一旦組成の異なるペレットを調
製し、そのペレットを所定量混合して成形に供し成形後
に目的組成の成形品を得る方法、iii)成形機に各成分の
1または2以上を直接仕込む方法等、何れも使用でき
る。また、樹脂成分の一部を細かい粉体としてこれ以外
の成分と混合し添加することは、これらの成分の均一配
合を行う上で好ましい方法である。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、耐アルカリ溶液特性の評価は次のように行った。 評価:樹脂組成物のペレットをシリンダー温度 250
℃、金型温度70℃、射出時間20秒、冷却時間10秒で、厚
さ1mmt 、一辺が80mmの成形片を成形した。次にこの成
形片から流動方向に直角に長さ80mm、幅10mmの試験片を
切り出した。次に、得られた試験片をたわませた後、治
具に固定し、常時2%の曲げ歪みが試験片に加わる状態
にした。この状態のまま、治具ごと10%の水酸化ナトリ
ウム溶液中に浸漬し、周囲温度23℃にて試験片にクラッ
クが発生するまでの時間を測定した。 評価:樹脂組成物のペレットを用いてシリンダー温度
250℃、金型温度70℃、射出時間20秒、冷却時間10秒
で、試験片成形用金型(縦22mm、横22mm、高さ51mmの角
柱内部に、縦18mm、横18mm、高さ30mmの鉄芯をインサー
トする金型)に、一部の樹脂部の最小肉厚が1mmとなる
ようにインサート射出成形し、インサート成形品を製造
した。得られたインサート成形品を10%の水酸化ナトリ
ウム溶液中に浸漬し、周囲温度80℃にてインサート成形
品にクラックが発生するまでの時間を測定した。 実施例1〜17 表1〜2に示す組成の(A) 〜(E) 成分を押出機で溶融混
練してペレット化した後、前記の如く耐アルカリ溶液特
性を評価した。評価結果も表1〜2に示す。使用した各
成分の詳細は以下の通りである。 ・(A) 成分 (A1)末端カルボキシル基量が15meq /kgのポリブチレン
テレフタレート(PBT) (A2)末端カルボキシル基量が 30meq/kgのPBT (A3)末端カルボキシル基量が 40meq/kgのPBT (A4)末端カルボキシル基量が 60meq/kgのPBT ・(B) 成分 (B1)エチレン−アクリル酸エチル共重合体70重量部とメ
タクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体30重量部
とのグラフト共重合体(EEA-g-BA/MMA、日本油脂製、モ
ディパーA5300 ) (B2)アクリル系のコア−シェルポリマー(呉羽化学製、
パラロイド EXL-2311) (B3)エポキシ化−スチレン−ブタジエン−スチレン共重
合体(ESBS ダイセル化学製、エポフレンドA1010 ) (B4)エチレン−グリシジルメタクリレート重合体70重量
部とメタクリル酸メチル共重合体30重量部とのグラフト
共重合体(EGMA-g-MMA、日本油脂製、モディパーA4200
) ・(C) 成分 (C1)オルトホウ酸 (C2)メタホウ酸 ・(D) 成分 (D1)ガラス繊維(径10μ) ・(E) 成分 (E1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ製、エピコート 1004K) (E2)イソホロンジイソシアネート(ダイセルヒュルス
製、VESTANAT T1890 ) 比較例1〜15 比較のため表3に示すように、(B) 〜(E) 成分の何れか
1種以上を含まない組成物を押出機で溶融混練してペレ
ット化した後、上記実施例と同様にして、耐アルカリ溶
液特性を評価した。評価結果も同じ表3に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の組成物は極
めてアルカリ溶液に対する長期耐久性に極めて優れてお
り、電気・電子・自動車・一般雑貨等の広汎な分野で好
適に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/29 C08K 5/29 5/55 5/55 7/14 7/14 //(C08L 67/00 (C08L 67/00 21:00 21:00 51:00) 51:00) B29K 67:00 B29K 67:00 Fターム(参考) 4F206 AA24 AA45 JA07 JB12 JQ81 4J002 BB052 BB062 BB072 BB152 BN032 BN072 BN122 BP012 CD023 CD053 CD063 CD183 CD192 CF031 CF051 CF061 CF081 CF091 CF102 CF121 CK023 CK032 CK042 CL072 CP172 DA017 DA037 DA077 DA117 DC007 DE107 DE117 DE137 DE147 DE187 DE237 DG057 DJ017 DJ027 DJ037 DJ047 DK006 DK007 DL007 EL138 ER008 EX068 EY016 FA047 FD017 FD202 GN00 GQ00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 熱可塑性ポリエステル樹脂に対し、 (B) 耐衝撃性付与剤1〜25重量%(全組成物中) (C) ホウ素化合物0.001 〜5重量%(全組成物中) (D) 無機充填剤1〜50重量%(全組成物中) (E) エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びカルボ
    ン酸二無水物からなる群より選ばれた多官能性化合物の
    少なくとも一種 0.1〜10重量%(全組成物中)を配合し
    てなる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A) 熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチ
    レンテレフタレートを主体とする樹脂である請求項1記
    載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A) 熱可塑性ポリエステル樹脂が末端カル
    ボキシル基濃度が 35meq/kg以下のポリブチレンテレフ
    タレートを主体とする樹脂である請求項1記載の熱可塑
    性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B) 耐衝撃性付与剤が熱可塑性エラストマ
    ー又はコアシェルポリマーから選ばれた一種以上である
    請求項1記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】熱可塑性エラストマーが、オレフィン系、
    スチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系及びポリウ
    レタン系からなる群より選ばれた少なくとも一種である
    請求項4記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B) 耐衝撃性付与剤が、エチレン−不飽和
    カルボン酸アルキルエステル共重合体と、主として下記
    一般式(1) で示される繰り返し単位で構成された重合体
    又は共重合体の一種又は二種以上とが、分岐又は架橋構
    造的に化学結合したグラフト共重合体である請求項1記
    載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。 【化1】
  7. 【請求項7】(C) ホウ素化合物が、下記一般式(I)又
    は(II)で示されるホウ素化合物又はそれらの縮合体あ
    るいは塩の中から選ばれた少なくとも一種である請求項
    1記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。 【化2】 (但し、一般式(I)及び(II)中、X 、Y 、Z 及び
    R'、X'、Y'、Z'は-OR 又は1価の有機基である。ここ
    で、R はH 又は1価の有機基である。X 、Y 、Z あるい
    はR'、X'、Y'、Z'の内の各々が同一であっても相異なっ
    ていてもよい。また、これらの2つ以上が連結して環を
    形成していてもよい。)
  8. 【請求項8】(C) ホウ素化合物が、オルトホウ酸、メタ
    ホウ酸、四ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸塩、ホウ酸エス
    テル、フェニルホウ酸及びボロキシンの中から選ばれた
    少なくとも一種である請求項1記載の熱可塑性ポリエス
    テル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(D) 無機充填剤がガラス繊維である請求項
    1記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(E) 多官能性化合物がビスフェノールA
    型エポキシ樹脂である請求項1記載の熱可塑性ポリエス
    テル樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10の何れか1項記載の熱可
    塑性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品。
  12. 【請求項12】請求項1〜10の何れか1項記載の熱可
    塑性ポリエステル樹脂組成物と金属または無機固体とを
    インサート成形して成るインサート成形品。
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