JP3315594B2 - ポリエステル系複合成形品及びその製造法 - Google Patents

ポリエステル系複合成形品及びその製造法

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JP3315594B2 JP16922996A JP16922996A JP3315594B2 JP 3315594 B2 JP3315594 B2 JP 3315594B2 JP 16922996 A JP16922996 A JP 16922996A JP 16922996 A JP16922996 A JP 16922996A JP 3315594 B2 JP3315594 B2 JP 3315594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気密性及び密着性に
優れた複合成形品及びその製造法に関し、自動車や電気
・電子分野の各種機器部品に好適な複合成形品を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】結晶性
熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PE
T樹脂)、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)
等は機械的性質、電気的性質、その他物理的・化学的特
性に優れ、かつ、加工性が良好であるがゆえにエンジニ
アリングプラスチックとして自動車、電気・電子部品等
の広汎な用途に使用されている。しかしながら近年、自
動車、電気・電子部品には多種の特性が求められてお
り、その特性付与手法の1つとして異質材料を組み合わ
せた2体成形部品が開発されている。一般に2種の材料
を一体的に成形する方法としては、樹脂の一次側成形品
上に異材質樹脂を二次成形してその界面を融着固定させ
る二重成形法により部分的に異なる特性を有する複合成
形品を得ることが知られているが、高結晶性熱可塑性ポ
リエステルを多重成形に使用した複合成形品では一次側
の樹脂と二次側の樹脂の界面の融着が不充分であり、外
力によって剥離しやすく、又、そり変形等を生じ易く、
使用上一体成形品としての機能を満足しないことが多
い。両樹脂の界面の融着強度を補う目的で一次側成形品
にアンダーカットや貫通孔を設ける等メカニカルなアン
カー効果を有する形状構造を設けたり、一次成形品に接
着剤を塗布する等の工夫が見られるが、形状が複雑化し
たり、工程が煩雑化して経済的にも不利であり、又、生
産効率の面でも望ましくない。特にポリブチレンテレフ
タレートやポリプロピレンテレフタレート又はポリエチ
レンテレフタレートは高い結晶性を有するために、これ
を二重成形法により成形し、樹脂間の界面の融着強度の
高い複合成形品を簡単な方法で経済的に効率良く生産す
るのは至難であった。かかる問題に対し、特開平6−29
3044号公報、特開平7−173298号公報に見られるよう
に、特定の樹脂材料を使用することにより樹脂界面の密
着強度を向上させることは可能であるが、これらの部品
がさらされる環境は機能上高低温の温度変化が激しいた
め、長時間の使用に対し、所望の樹脂界面密着強度が得
られない場合が多く、問題となっていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアル
キレンテレフタレート系樹脂の優れた機械的性質、化学
的性質、熱的性質等を有する一体成形品で、特にアンカ
ー形状の付与や接着剤等を用いることなく、簡単な多重
成形法により、種々の環境変化に対し、長時間使用して
も樹脂間の融着強度の高い複合成形品を経済的に効率良
く得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち
本発明は下記樹脂材料(A) と下記樹脂材料(B) とを多重
成形法により一体的に成形してなる気密性及び密着性の
高い複合成形品及びその製造法である。
【0004】(A) ポリアルキレンテレフタレート(アル
キレン基の炭素数2〜4)を主体とし1〜40モル%の他
のコモノマーユニットを含有する共重合体(a) を主成分
とする樹脂材料 (B) (1) ポリアルキレンテレフタレート系重合体(b)
(アルキレン基の炭素数2〜4) (2) エチレン−不飽和カルボン酸のアルキルエステル共
重合体(c-1) 部分5〜95重量%とビニル系(共)重合体
(c-2) 部分95〜5重量%とのグラフト共重合体(c) 1〜
30重量% からなる樹脂材料
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合成形品の構成
材料及びその成形法について詳しく説明する。本発明の
複合成形品に有効な樹脂材料(A) は、ポリアルキレンテ
レフタレート(アルキレン基の炭素数2〜4)を主体と
し1〜40モル%の他のコモノマーユニットを含有する共
重合体(a) を主成分とするものである。共重合体(a) と
して、具体的には、テレフタル酸又はそのエステル形成
誘導体と炭素数2〜4のアルキレングリコール又はその
エステル形成誘導体を重縮合反応して得られるポリアル
キレンテレフタレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート又はポリブチレン
テレフタレートを主体とし、これに1〜40モル%の他の
コモノマーユニットを導入した共重合体が挙げられる。
かかる共重合体を構成する第三成分(コモノマー)とし
ては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、
ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸の如き
公知のジカルボン酸及びこれらのアルキル、アルコキシ
又はハロゲン置換体等が挙げられる。また、これらのジ
カルボン酸化合物は、エステル形成可能な誘導体、例え
ばジメチルエステルの如き低級アルコールエステルの形
で重縮合に使用しコモノマー成分として導入することも
可能である。又、共重合体を構成するための第三成分と
して使用されるジヒドロキシ化合物の例を示せば、エチ
レングリコール、1,3 −プロパンジオール、1,4 −ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、ジヒドロキシフェニル、ナフタレンジ
オール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、シクロヘキ
サンジオール、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールAの如き比較的
低分子量のジヒドロキシ化合物、及びこれらのアルキ
ル、アルコキシ又はハロゲン置換体等である。これらの
コモノマー成分は2種以上混合して導入したものであっ
てもよい。本発明では、ポリアルキレンテレフタレート
を主体とし、これに上記の如き化合物をコモノマー成分
として、重縮合により生成する共重合体を単独又は2種
以上混合して本発明の樹脂材料(A) の主成分として使用
することができる。ここで、主成分とは樹脂材料(A) を
構成する樹脂成分の50重量%以上がかかる共重合体(a)
からなることを意味する。本発明における複合成形品を
構成する一方の材料である樹脂材料(A) は本来のエンジ
ニアリングプラスチックとしての特性を有し且つ気密性
及び密着性に優れた特性を兼備する材料であるため、主
成分である共重合体(a) の共重合成分の含有量は1〜40
モル%の範囲であり、好ましくは3〜35モル%の範囲で
ある。またかかる樹脂材料(A) は、一般には一次成形品
として使用し、この上に二次材料(B) を成形融着するの
で、その界面の融着強度を得るためには二次成形におい
て樹脂材料(B) によってその表面(界面)部が一時的に
溶融することが必要となり、その融点も考慮する必要が
ある。そのため共重合体(a) の融点は 250℃以下、好ま
しくは 240℃以下であることが望ましい。共重合体(a)
の融点が高すぎると、二次成形における樹脂材料(B) の
成形樹脂温度を更に高くする必要が生じ、その熱分解等
を生じ易く、又、粘度低下等により成形性を害し、好ま
しくない。又、共重合体(a) の融点が低過ぎると、二次
成形時に一次材料の変形を生じ易く、好ましくない。共
重合体(a) の融点はこれに使用するポリアルキレンテレ
フタレート系樹脂の種類、共重合成分の種類と量等によ
り調製される。この見地から特に好ましいのはポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート又
はポリブチレンテレフタレートを主体とし、3〜35モル
%共重合成分を有する共重合体である。
【0006】本発明の複合成形品を構成する樹脂材料
(A) には、目的とする性質を付与するため、上記共重合
体(a) 以外に、樹脂成分の50重量%を越えない範囲で他
の熱可塑性樹脂を配合してもよい。かかる補助的熱可塑
性樹脂としては、例えばポリオレフィン系重合体、ポリ
アミド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリアリ
レート系重合体、主成分以外のポリエステル系重合体
(例えばポリアルキレンテレフタレート、完全芳香族ポ
リエステル)、スチレン系重合体(例えばAS又はAB
S樹脂)、ポリフェニレンオキサイド系重合体、アクリ
レート系重合体、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
ケトン、ポリアリーレンサルファイド系重合体、フッ素
樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー(例えばEP
DM又はアイオノマー)、スチレン系熱可塑性エラスト
マー(例えばSBS又はSEBS)、ウレタン系熱可塑
性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエーテル
系熱可塑性エラストマー、或いはこれらの変性体などを
挙げることができる。中でもポリアルキレンテレフタレ
ートとのブレンド物が有効である。これらの熱可塑性樹
脂は2種以上混合して使用することもできるが、このよ
うな他の熱可塑性樹脂を補助的に配合する場合も上述の
如く、その配合物の剛性、融点等に配慮する必要があ
る。又、本発明の成形品を構成する樹脂材料(A) には無
機充填剤を配合することが出来る。かかる充填剤は、機
械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性質等の性能に
優れた性質を得るためには配合することが好ましく、特
に剛性を高める目的で有効である。これは目的に応じて
繊維状、粉粒状又は板状の充填剤が用いられる。繊維状
充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボ
ン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニ
ア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタ
ン酸カリ繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタ
ン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物
質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊
維である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂
などの高融点有機質繊維状物質も使用することができ
る。一方、粉粒状充填剤としては、カーボンブラック、
シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸カル
シウム、硅酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレ
ー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、
酸化チタン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カル
シウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化
硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられ
る。又、板状充填剤としては、マイカ、ガラスフレー
ク、各種金属箔等が挙げられる。これらの無機充填剤は
1種又は2種以上併用することができる。繊維状充填
剤、特にガラス繊維又はカーボン繊維と、粒状又は板状
充填剤の併用は特に機械的強度と寸法精度、電気的性質
等を兼備する上で好ましい組み合わせである。無機充填
剤の添加量は樹脂材料(A) 全量に対し50重量%以下であ
る。これより多いと成形加工性や靭性を害し好ましくな
い。特に好ましくは30重量%以下である。
【0007】次に複合成形品の他部分を形成するための
樹脂材料(B) を構成する(1) 成分はポリアルキレンテレ
フタレート系重合体(b) であり、具体的にはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート及びこれらを主成分とし、こ
れに40モル%以下の他のコモノマーユニットを導入した
共重合体等が挙げられる。本発明では、これらのポリア
ルキレンテレフタレート系重合体を単独又は2種以上混
合して本発明の樹脂材料(B) を構成する(1) 成分として
使用することができる。次に、本発明で樹脂材料(B) を
構成する(2) 成分として用いるグラフト共重合体(c) と
は、エチレン−不飽和カルボン酸のアルキルエステル共
重合体(c-1) 部分5〜95重量%とビニル系(共)重合体
(c-2) 部分95〜5重量%とのグラフト共重合体である。
上記エチレン−不飽和カルボン酸のアルキルエステル共
重合体(c-1) の具体例としてはエチレン/アクリル酸
/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エ
チル共重合体エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エチ
ル共重合体などのランダム共重合体が挙げられ、さらに
これらの共重合体を混合しても使用できる。一方、上記
共重合体(c-1) とグラフト共重合させるビニル系(共)
重合体(c-2) の具体例としては、例えばポリメタクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸−2エチルヘキシル、ポリスチレ
ン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体、アクリル酸ブチルとメタクリル酸メチルの
共重合体、アクリル酸ブチルとスチレンの共重合体等が
挙げられる。本発明の特徴の一つは、樹脂材料(B) を構
成する(2) 成分として、上記の如きグラフト共重合体
(c) を配合したところにある。即ち本発明では、エチレ
ン−不飽和カルボン酸のアルキルエステル共重合体(c-
1) 又はビニル系(共)重合体(c-2) が単独で用いられ
るのではく、(c-1) の共重合体と(c-2) の(共)重合体
が少なくとも一点で化学結合した分岐又は架橋構造を有
するグラフト共重合物を用いた点にその特徴を有し、後
述の如くかかるグラフト構造を有することによって単に
(c-1) 又は(c-2) の単独配合にては得られない顕著な効
果が得られるのである。ここで(2) 成分であるグラフト
共重合体(c) を構成するための(c-1) と(c-2)の割合は
5:95〜95:5(重量比)であることが必要である。ま
た、本発明で用いられるかかるグラフト共重合体(c) の
製法は特に限定されるものではなく、一般によく知られ
ている連鎖移動法、電離放射線照射法など何れの方法に
よっても良いが、好ましくは、主鎖成分粒子中で(c-2)
成分の単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物とを
共重合せしめたグラフト化前駆体を溶融混練し、重合体
同士のグラフト化反応により得られるものである。その
理由はグラフト効率が高く、熱による二次的凝集が起こ
らないため、性能の発現がより効果的であるためであ
る。本発明において、(2) 成分である上記グラフト共重
合体(c) は、樹脂材料(B)の全成分中1〜30重量%の範
囲で配合される。グラフト共重合体(c) の配合量が少な
すぎると本発明の目的とする樹脂間密着強度の改良効果
が得られず、多過ぎると熱変形温度の低下を生じ且つ剛
性等の機械的性質を阻害するため好ましくない。
【0008】また本発明に用いられる樹脂材料(B) に
は、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性質等の
性能に優れた複合成形品を得るため、更に無機充填剤
(d) を配合することが好ましく、特に剛性を高める目的
で有効である。無機充填剤(d) としては、前述したもの
と同様のものが使用可能であり、目的に応じて繊維状、
粉粒状又は板状の充填剤が適宜選択され、又、必要に応
じ組み合わせて用いられる。無機充填剤(d) の添加量
は、多過ぎると成形加工性や靱性を損ねることになり、
逆に少な過ぎると添加効果が生じにくくなる。従って、
無機充填剤(d) を配合する場合には、その添加量は樹脂
材料(B) 全量に対し1〜50重量%が好ましく、特に好ま
しくは3〜40重量%である。
【0009】本発明においては、上記(1) 及び(2) 成分
よりなる組成物を樹脂材料(B) とすることにより、樹脂
間密着強度が改善された複合成形品とすることができ、
更に無機充填剤(d) を配合することにより、上記の如き
特性の向上した複合成形品を得ることができるが、樹脂
材料(B) には更に多官能性化合物(e) の少なくとも1種
を配合するのが望ましい。本発明で用いられる多官能性
化合物(e) としては、エポキシシラン、ビスフェノール
A型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合
物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキ
シ化合物、脂環化合物型ジエポキシ化合物、グリシジル
エーテル類、エポキシ化ポリブタジエン、トリグリシジ
ルジイソシアネート、ジイソシアネート系化合物及びカ
ルボン酸二無水物等が挙げられる。更に具体的には、α
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、α−グリ
シドキシプロピルメトキシシラン、β−(3,4 −エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエ
ポキシシラン、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビ
スフェノールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキ
シ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、ビニルシクロ
ヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシドな
どの脂環化合物型エポキシ化合物、2,4 −トリレンジイ
ソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
トトリデンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、メタキシレンジイソシアネート、1,5 −ナフ
タレンジイソシアネート及び上記イソシアネートの誘導
体(重合体ウレタン、ウレチジオン2量体より高次のオ
リゴマー、シアヌレート重合体)等のジイソシアネート
系化合物、ピロメリット酸無水物、ナフタレンテトラカ
ルボン酸二水物及び一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】(ただし、式中X は-O- 、-SO2- 、-CO-ま
たは2価の炭化水素を示す。)で表わされる、例えばビ
ス(3,4 −ジカルボキシフェニル)アルカン二水物のよ
うなカルボン酸二水物等が挙げられる。またこれらの多
官能性化合物中、好ましいのはエポキシ化合物であり、
特に好ましくは一般式(II)
【0012】
【化2】
【0013】(ただし、式中n は0〜20の整数)で示さ
れるビスフェノールA型エポキシ化合物である。なお、
上記に列挙した多官能性化合物は1種または2種以上を
使用することができる。
【0014】又、本発明の複合成形品を構成する樹脂材
料(B) には、上記の如き成分以外に前述した如き各種の
熱可塑性樹脂を配合してもよい。
【0015】尚、本発明において使用する樹脂材料(A)
及び(B) は何れか一方又は両方にその目的に応じ所望の
特性を付与するため、一般に熱可塑性樹脂に添加される
上記以外の公知の物質、すなわち、酸化防止剤、紫外線
吸収剤等の各種安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化
促進剤、結晶核剤、離型剤等を配合することも勿論可能
である。
【0016】本発明で用いる樹脂材料の調製は、従来の
樹脂組成物調製法として一般に用いられる設備と方法を
用いて容易に調製できる。例えば、1)各成分を混合した
後、1軸又は2軸の押出機により練り込み押出してペレ
ットを調製し、しかる後成形する方法、2)一旦組成の異
なるペレットを調製し、そのペレットを所定量混合して
成形に供し成形後に目的組成の成形品を得る方法、3)成
形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法等、何れ
も使用できる。また、樹脂成分の一部を細かい粉体とし
て、これ以外の成分と混合して添加する方法は、これら
の成分の均一配合を図る上で好ましい方法である。
【0017】本発明の複合成形品は、上記(A) 、(B) 2
種の樹脂材料を使用して、いわゆる多重成形法により成
形される。成形方法としては射出成形、圧縮成形その他
の成形法が適用されるが一般には射出成形が好ましい。
樹脂材料(A) 又は(B) の何れか一方を予め成形して一次
成形品とし、次いでこれに他の樹脂材料を成形して融着
し一体化するもので、成形品の形状構造或いは目的とす
る用途により何れを一次側成形品としてもよいが、一般
には樹脂材料(A) で一次成形し、次いで樹脂材料(B) を
二次成形する方が成形品の形崩れや成形時又は成形後に
おける変形を防止する上で好ましい。この場合、強固に
融着させるためには、二次成形において、樹脂材料(B)
の樹脂温度によって一次成形品の表層(界面)部が溶融
することが必要であり、このため二次成形における樹脂
温度は少なくとも一次成形品を構成する樹脂材料(A)の
主成分である共重合体(a) の融点以上の温度とする必要
があり、二次成形における接触時の二次材料の樹脂温度
を一次材料の主成分樹脂の融点より10〜120 ℃、好まし
くは30〜100 ℃高くして二次成形を行うことが好まし
い。しかし、二次材料の樹脂温度が高すぎると二次材料
の分解変質をまねく場合があり、これを避けるため一次
成形品の樹脂材料(A) の主成分である共重合体(a)の融
点が高過ぎるものは好ましくない。一般には前述の通
り、共重合体(a) の融点は 250℃以下が好ましく、特に
好ましくは 240℃以下である。特に、共重合体(a) は、
ポリブチレンテレフタレートを主体としコモノマー単位
を含む共重合体が好ましく、その融点が220 ℃以下であ
るものが好ましい。このような共重合体(a) の融点は、
共重合成分及びその導入量、補助的成分及びその配合量
等によって調節することができるが、かかる調整は材料
自体の剛性にも影響するため、その兼ね合いによって樹
脂材料構成は選択される。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜6、比較例1〜5 〔樹脂材料(A) の調製〕ポリアルキレンテレフタレート
を主体としコモノマーユニットを含有する共重合体(a)
として、3種類のPBT共重合体(a-1、a-2 、a-3)を用
い、また、比較のため、コモノマーを含有しないポリア
ルキレンテレフタレートとしてPBT樹脂を用い、これ
に無機充填剤としてガラス繊維を表1に示す割合で添
加、混合し、押出機にてペレット状の組成物を調製し、
樹脂材料(A-1) 〜(A-6) とした。 〔樹脂材料(B) の調製〕ポリアルキレンテレフタレート
系重合体(b) としてPBT樹脂を用い、これにグラフト
共重合体(c) 、無機充填剤(d) としてガラス繊維、エポ
キシ化合物(e)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂
を表2に示す割合で添加、混合し、押出機にてペレット
状の組成物を調製し、樹脂材料(B-1) 、(B-2) とした。
また、比較のため、グラフト共重合体(c) を添加しない
もの及びグラフト共重合体(c) に変えてグラフトしてい
ない重合体を添加したものについても同様に調製し、樹
脂材料(B-3) 、(B-4) とした。上記樹脂材料(A) 及び樹
脂材料(B) の調製において、ポリアルキレンテレフタレ
ート系(共)重合体として用いたPBT共重合体(a-1、
a-2 、a-3)及びPBT樹脂の重合体組成と物性を表3に
示す。 〔複合成形品の成形〕調製した樹脂材料(A) 及び樹脂材
料(B) を用い、表4及び5に示す組合せで複合成形品を
成形した。複合成形品の成形にあたっては、先ず樹脂材
料(A) を用い、一次成形品として図1に示すボビン形状
成形品を成形し、この成形品に銅線を巻き付けコイルと
した後に金型キャビティ内に装着し、樹脂材料(B) を二
次材として二重成形を行うことにより、図2に示す複合
成形品を得た。樹脂材料(B) の成形時の樹脂温度は235
℃とした。 〔複合成形品の評価〕複合成形品における一次成形品/
二次成形品の密着性及びその耐久性を評価するため、水
中で、複合成形品のボス部より98KPaの空気を1分間流
し、一次成形品/二次成形品の界面及び金属端子部から
の空気漏れを検査するという方法による気密性試験を行
った。先ず、実施例1〜6及び比較例1〜5により得た
複合成形品を各10個ずつ用意し、上記方法で気密性試験
を行った。次いで、これらの成形品に、冷熱衝撃試験機
を用いて 140℃に昇温して1時間加熱した後、−40℃に
降温して1時間冷却し、その後再度140 ℃に昇温する過
程を1サイクルとする高低温衝撃を加え、表4及び5に
示す所定のサイクル経過毎に上記気密性試験を行った。
表4及び5に、気密性試験による評価結果として、複合
成形品各10個中の空気漏れがなかった成形品の個数を示
す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【発明の効果】多重成形法によって複合成形品を作製す
るにあたり、PBT樹脂、PET樹脂等を使用した場
合、実用的な樹脂間の密着強度及び気密性を有する複合
成形品を得ることは困難であった。これに対し、本発明
によれば特定の樹脂材料(A) 、(B) を使用することによ
り、アンカー形状を設けたり、接着剤を使用することな
く、従来の二重成形法では得られない強固な界面密着強
度及び気密性を有する複合成形品を簡単に経済的に効率
よく生産することができる。しかも本発明の複合成形品
はポリエステル系エンジニアリングプラスチックの優れ
た熱安定性、物理的性質、機械的性質等を備え、特に薬
品、溶剤、潤滑剤、洗剤等に対する化学安定性を有する
成形品としてかかる特性の要求される自動車分野や電気
・電子分野の多くの用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で密着性の評価に用いた一次成形品と
してのボビン形状成形品を示す図である。
【図2】 実施例で密着性の評価に用いた二次成形品と
しての複合成形品を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 67:00 B29K 67:00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記樹脂材料(A) と下記樹脂材料(B) と
    を多重成形法により一体的に成形してなる気密性及び密
    着性の高い複合成形品。 (A) ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の炭
    素数2〜4)を主体とし1〜40モル%の他のコモノマー
    ユニットを含有する共重合体(a) を主成分とする樹脂材
    料 (B) (1) ポリアルキレンテレフタレート系重合体(b)
    (アルキレン基の炭素数2〜4) (2) エチレン−不飽和カルボン酸のアルキルエステル共
    重合体(c-1) 部分5〜95重量%とビニル系(共)重合体
    (c-2) 部分95〜5重量%とのグラフト共重合体(c) 1〜
    30重量% からなる樹脂材料
  2. 【請求項2】 樹脂材料(B) が更に無機充填剤(d) を
    樹脂材料(B) の全量中1〜50重量%含有するものである
    請求項1記載の複合成形品。
  3. 【請求項3】 樹脂材料(B) が更に多官能性化合物
    (e) を樹脂材料(B) の全量中0.1 〜10重量%含有するも
    のである請求項1又は2記載の複合成形品。
  4. 【請求項4】 多官能性化合物(e) がエポキシ化合物で
    ある請求項3記載の複合成形品。
  5. 【請求項5】 多官能性化合物(e) がビスフェノールA
    型エポキシ樹脂である請求項3記載の複合成形品。
  6. 【請求項6】 共重合体(a) が 250℃以下の融点を有す
    るものである請求項1〜5の何れか1項記載の複合成形
    品。
  7. 【請求項7】 共重合体(a) が、重合体(b) の融点より
    5〜40℃低い融点を有するものである請求項1〜6の何
    れか1項記載の複合成形品。
  8. 【請求項8】 共重合体(a) が、ポリブチレンテレフタ
    レートを主体とし1〜40モル%の他のコモノマーユニッ
    トを含有する共重合体である請求項1〜7の何れか1項
    記載の複合成形品。
  9. 【請求項9】 重合体(b) が、ポリブチレンテレフタレ
    ート系重合体である請求項1〜8の何れか1項記載の複
    合成形品。
  10. 【請求項10】 樹脂材料(A) が、無機充填剤を樹脂材
    料(A) の全量中1〜50重量%含有する組成物である請求
    項1〜9の何れか1項記載の複合成形品。
  11. 【請求項11】 下記樹脂材料(A) を成形して一次成形
    品を形成し、この一次成形品に更に下記樹脂材料(B) を
    二次的に射出成形して両者を融着し一体化することを特
    徴とする気密性及び密着性に優れた複合成形品の製造
    法。 (A) ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の炭
    素数2〜4)を主体とし1〜40モル%の他のコモノマー
    ユニットを含有する共重合体(a) を主成分とする樹脂材
    料 (B) (1) ポリアルキレンテレフタレート系重合体(b)
    (アルキレン基の炭素数2〜4) (2) エチレン−不飽和カルボン酸のアルキルエステル共
    重合体(c-1) 部分5〜95重量%とビニル系(共)重合体
    (c-2) 部分95〜5重量%とのグラフト共重合体(c) 1〜
    30重量%からなる樹脂材料
  12. 【請求項12】 樹脂材料(B) を二次的に射出成形する
    時の樹脂温度を樹脂材料(A) の主成分である共重合体
    (a) の融点より10℃以上高くして成形する請求項11記
    載の複合成形品の製造法。
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