JP2001172402A - レトルトフィルムおよびレトルトフィルム用樹脂組成物 - Google Patents

レトルトフィルムおよびレトルトフィルム用樹脂組成物

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JP2001172402A
JP2001172402A JP35757699A JP35757699A JP2001172402A JP 2001172402 A JP2001172402 A JP 2001172402A JP 35757699 A JP35757699 A JP 35757699A JP 35757699 A JP35757699 A JP 35757699A JP 2001172402 A JP2001172402 A JP 2001172402A
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ethylene
polypropylene
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Tadashi Imai
正 今井
Yukio Ishii
行雄 石井
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性があり、高い透明性と良好
な低温耐衝撃性を備えたレトルトフィルム、およびその
フィルムの製造に適したポリプロピレン系の樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 23℃におけるヘイズが5%以
下、かつ−10℃における衝撃強度が40(kg・cm
/mm)以上であって、これを50℃の雰囲気下に置い
た時および熱水処理した時におけるその前後のヘイズ差
が5%以下のレトルトフィルムである。そのフィルムの
成形に適した樹脂組成物は、ポリプロピレン65〜95
(重量%)およびMw/Mnが3.0以下のエチレン・
プロピレン・1−ブテン共重合体5〜35(重量%)と
から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品包装等に利用
されるレトルトフィルム、およびそれを製造するための
ポリプロピレン系の樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】外食産業の発達によってレトルト食品へ
の需要はますます増大しているが、その包装用フィルム
には透明性、耐熱性および耐衝撃性を必要とすることか
ら、エチレン含量の高いプロピレン系共重合体フィルム
が使われてきた。しかし、最近は包装形態が大型化して
おり、被包装物の重量増に対応したフィルムの強度アッ
プが求められ、特に低温保存時の破袋強度を高めること
への要望が強まっている。
【0003】ところが、ポリプロピレン系フィルムは必
ずしも低温での機械的強度が十分ではないために、ポリ
プロピレン系樹脂にゴム等を添加する処方をとることが
一般的に行われている。また、レトルト用フィルムは常
に被包装物を透視することのできる透明性が必要とされ
ているが、一般的にゴムを添加したポリプロピレン系フ
ィルムは経時変化や滅菌処理によって透明性が低下する
現象が見られ、さらにフィルムに加熱冷却を繰り返すと
透明性が低下する傾向が表われてくる。従って、透明性
と耐衝撃性とのバランスをとる改良処方が求められてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、大型
化していくレトルト食品包装に適した耐熱性を有し、高
い透明性と良好な低温耐衝撃性とを備えたフィルムの提
供を目的とする。また、本発明は、レトルトフィルムの
製造に適したポリプロピレン系樹脂組成物の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、23
℃におけるヘイズが5%以下、かつ−10℃における衝
撃強度が40(kg・cm/mm)以上のフィルムであ
って、これを50℃で20日間経過前後のヘイズ差が5
%以下であり、また125℃で30分間加圧熱水処理前
後のヘイズ差が5%以下であるレトルトフィルムに関す
る。
【0006】また本発明は、ポリプロピレン65〜95
(重量%)およびエチレン・プロピレン・1−ブテン共
重合体5〜35(重量%)とからなり、この共重合体の
物性が、(1)共重合体を構成する各成分含量が、エチ
レン10〜40、プロピレン30〜60、および1−ブ
テン20〜60(重量%)であって、(2)テトラリン溶
媒中の極限粘度[η]が1.0〜3.0(dl/g)であ
って、(3)p−キシレン可溶部が95(重量%)以上
存在して、(4)重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.0以下であるレ
トルトフィルム用樹脂組成物に関する。
【0007】ここで、前記ポリプロピレンは、(1)メ
ルトフローレートが0.1〜20(g/10分)であ
り、(2)示差走査型熱量計で測定される吸熱曲線の最
大ピーク位置の温度が125〜170℃にあり、(3)
アイソタクティクペンタッド分率が80〜100%であ
り、(4)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5であり、
(5)室温p−キシレン可溶成分量が8.0(重量%)以
下であることが望ましい。特に、メタロセン系触媒を用
いて製造され、前記の物性を保持したプロピレン単独重
合体またはプロピレン・エチレンランダム共重合体が好
ましい。
【0008】
【発明の具体的説明】次に本発明に係わるレトルトフィ
ルムおよびその製造に適した樹脂組成物の各構成につい
て説明する。レトルトフィルム このフィルムの透明性は、ASTM D−1003に準
拠して23℃で測定したヘイズが5%以下である。この
フィルムは、それを50℃の恒温槽中で20日間処理し
た後も透明性の低下はわずかであり、前記23℃におけ
るヘイズとの差は5%以下である。また、通常のレトル
ト処理条件である125℃で30分間加圧熱水処理した
後の透明性も、前記23℃におけるヘイズとの差は5%
以下である。従って、レトルト食品の保存時およびレト
ルト処理後においても、このフィルムは最初の透明性を
ほとんど失うことがない。
【0009】また、このフィルムは、低温耐衝撃性に優
れており、ASTM D−3420に準拠して測定した
−10℃における衝撃強度が40(kg・cm/mm)
以上の値を有している。従って、このフィルムから作成
したパウチは、その中に重量のある被包装物を入れても
低温で破袋する懸念は少ない。
【0010】このように、本発明に係わるレトルトフィ
ルムは、広い温度範囲で優れた透明性を有しており、か
つ低温耐衝撃性に優れていることから、レトルト食品の
包装に好適である。
【0011】ポリプロピレン 本発明に使用できるポリプロピレンは、プロピレンの単
独重合体およびプロピレンとプロピレン以外の炭素数2
〜20のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、
α−オレフィンとしては、例えばエチレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−デセンを挙げることがで
き、共重合体中にこのα−オレフィン単位を0.1〜1
0、好ましくは0.5〜8重量%含有するランダム共重
合体は、高い透明性を有しているのでレトルトフィルム
の材質として適している。
【0012】フィルム成形用樹脂として使われるポリプ
ロピレンは、次に述べる物性を有していることが望まし
い。 (1)ASTM D−1238に準拠し、230℃、
2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート値
(MFR)が、0.1〜20、好ましくは0.5〜15
(g/10分)である。MFRがこの範囲内にあると、
高い分子量を有しながらも押出成形性がよく、また高い
フィルム強度を示す。
【0013】(2)示差走査型熱量計(DSC)によっ
て測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)
が、125〜170、好ましくは127〜165℃の範
囲内にある。
【0014】(3)アイソタクチックペンタッド分率が
80〜100%、好ましくは85〜99.5%であっ
て、結晶性の高い樹脂である。ここでアイソタクチック
ペンタッド分率(ペンタッドアイソタクティシティ:m
mmm分率)とは、13C−NMRを使用して測定され
た、ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイ
ソタクチック連鎖の割合である。具体的には、プロピレ
ンモノマー単位で5個連続してメソ結合した連鎖の中心
(第3単位目)にあるメチル基に由来する吸収強度(P
mmmm)のプロピレン単位の全メチル基に由来する吸
収強度(Pw)に対する割合、すなわち、 {(Pmmmm)/(Pw)}×100(%) として求められる値である。
【0015】ここで、13C−NMR分析測定は、例えば
次の方法で行うことができる。試料0.35gをヘキサ
クロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させ、その溶液
をグラスフィルター(G2)でろ過し、ろ液に重水素化
ベンゼン0.5mlを加えて内径10mmのチューブに
入れ、NMR測定装置(日本電子株式会社製、GX−5
00型)を用いて120℃で行う。この際、積算回数を
10,000回以上とする。
【0016】(4)ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)によって測定される重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子
量分布の指標になるMw/Mn値が、1.5〜3.5、
好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは2.0〜
2.5であって、比較的に狭い分子量分布を有してい
る。この範囲内にあるポリプロピレンは透明性に優れ、
また機械的強度の高いフィルムが得られると共に、低分
子量成分が少ないという特徴を有している。
【0017】このMwおよびMnの値は、例えば、次の
方法で測定される。すなわち、GPC(Waters社製15
0−CV型機)に分離カラム(昭和電工株式会社製 Sh
odexAD−80M/S)を取り付け、カラム温度を13
5℃とした。溶媒としてo−ジクロロベンゼンを用い、
試料濃度8mg/4mlで注入し、移動相を1.0(m
l/分)で移動させた。検出器として示差屈折計を用
い、分子量の算出に当たっては標準ポリスチレンで作成
した検量線を使用した。
【0018】(5)室温におけるp−キシレン可溶成分
量が、8.0重量%以下、好ましくは6.0重量%以下
であることが望ましい。p−キシレンによるポリプロピ
レンの分別は次の方法で行った。すなわち、平底フラス
コにp−キシレン500mlおよび試料5gを入れ、試
料が完全に溶解するまで加熱しながら攪拌し、その後フ
ラスコを室温まで冷却した。さらに、20℃の恒温槽に
4時間放置し、その後その溶液をグラスフィルターを用
いてろ別した。そのろ液から300mlを採取し、ロー
タリーエバポレーターを用いて約20mlまでに濃縮し
た。濃縮液を60℃で1時間真空乾燥して、可溶成分量
を測定した。
【0019】このような結晶性ポリプロピレンは、例え
ば、三塩化チタンとアルキルアルミニウム化合物とを主
体としたチーグラー・ナッタ型触媒、またはそれにマグ
ネシウム化合物を担体に使用したり、電子供与体のよう
な第三成分を添加した複合型触媒、あるいはシクロペン
タジエニル環を有する化合物またはその誘導体が遷移金
属に配位したメタロセン化合物と有機アルミニウムオキ
シ化合物等とを組み合わせたメタロセン型触媒の存在下
に、通常の重合条件によってプロピレンを重合し、必要
に応じて他のα−オレフィンを共に重合することによっ
て製造することができる。本発明に使用されるポリプロ
ピレンは、特に、メタロセン型重合触媒を用いて製造し
た単独重合体またはランダム共重合体がフィルム成形し
た時に高い透明性を示すことから好ましい。
【0020】好適に使用されるメタロセン触媒は、周期
律表IV族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物
に、有機アルミニウムオキシ化合物、担体、有機アルミ
ニウム化合物、イオン化イオン性化合物を適宜組み合わ
せて構成される。次に各成分について説明する。
【0021】[(a)遷移金属化合物]触媒系の中心になる
この化合物は、シクロぺンタジエニル骨格を有する配位
子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物であって、
次の一般式で表される。 ML1(x) ・・・・・・・(I) (式中、Mは周期律表第IV族から選ばれる遷移金属を
示し、具体的には、ジルコニウム、チタンまたはハフニ
ウムであり、好ましくはジルコニウムであり、L1は遷
移金属原子に配位する配位子を示し、これらのうち少な
くとも2個の配位子L1は、シクロペンタジエニル基、
あるいは炭素数2〜10の炭化水素基から選ばれる置換
基を一種以上有する置換シクロペンタジエニル基であ
り、それ以外の配位子L1は、炭素数1〜12の炭化水
素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、
トリアルキルシリル基または水素原子であって、各配位
子および各置換基は同一であっても異なっていてもよ
く、xは遷移金属原子Mの原子価を示す。)
【0022】次に、このような一般式で表わされる遷移
金属化合物の内、特に好ましい化合物を例示する。 ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド ビス(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド ビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド ビス(1,3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド ビス(1-メチル-3-エチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド
【0023】また遷移金属化合物は、次のような化合物
であってもよい。 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド エチレンビス(4-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド
【0024】[(b)有機アルミニウムオキシ化合物]有機
アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよく、ま
た特開平2−276807号公報に開示されているよう
なベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であ
ってもよい。そのような有機アルミニウムオキシ化合物
は、トリアルキルアルミニウムのような有機アルミニウ
ム化合物と水とを反応させることによって得ることがで
きる。
【0025】[(c)担体]使用される担体は、無機あるい
は有機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好
ましくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の
固体が使用される。この内、多孔質酸化物が好ましく、
具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO2、Ti
2、Sb23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等を
例示することができる。 [(d)有機アルミニウム化合物]必要に応じて加えられる
有機アルミニウム化合物は、次の一般式で表されるアル
キルアルミニウム化合物、アルキルアルミニウムハロゲ
ン化物、アルキルアルミニウムアルコキサイド化合物等
を例示することができる。 ・R1 (n)AlX(3-n) ・R1 (n)Al(OR2)(3-n) ・R1 (n)Al(OAl(R22)(3-n) (式中、R1およびR2は炭素数1〜12の炭化水素基を
示し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1
〜3である。)
【0026】[(e)イオン化イオン性化合物]トリフルオ
ロボロン、トリフェニルボロンのようなルイス酸、トリ
アルキル置換アンモニウム塩のようなイオン性化合物、
ボラン化合物、カルボラン化合物を例示することができ
る。
【0027】エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合
この共重合体は、エチレン、プロピレン、および1−ブ
テンをモノマー構成成分とする三元ランダム共重合体で
あって、各成分の含量は、エチレンが10〜40、好ま
しくは15〜35重量%、プロピレン30〜60、好ま
しくは35〜55重量%、1−ブテン20〜60、好ま
しくは25〜55重量%とから構成されている。必要に
応じて他の成分を少量含有していてもよい。各成分含量
がこの範囲内にあると、非晶性ないし低結晶性のゴム的
な性質を有する重合体になることから、フィルムに透明
性と低温での耐衝撃性を付与することができるので望ま
しい。
【0028】前述した組成を有する共重合体は、次に説
明する物性を有している。 (1)135℃、テトラリン溶媒中で測定した極限粘度
[η]が、1.0〜3.0、好ましくは1.5〜2.5
(dl/g)である。 (2)23℃におけるp−キシレン溶媒に溶解する部分
が、95重量%以上、好ましくは97〜100重量%存
在している。 (3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比(Mw/Mn)が3.0以下、好ましくは1.5
〜2.5であって、比較的に狭い分子量分布を有してお
り、低分子量成分が少ない。
【0029】このような三元共重合体は、オレフィン立
体規則性重合触媒を用い、各モノマーの共存下に共重合
反応を進めることによって製造することができ、重合触
媒はチーグラー系触媒であっても、メタロセン系触媒で
あってもよい。特に、メタロセン系触媒によって製造し
た三元共重合体は、前記の物性を満たし、またフィルム
の低温での機械的強度を高めることから好ましい。その
ようなメタロセン系触媒は、前項で説明したと同様の成
分から調製できる。
【0030】樹 脂 組 成 物 本発明に係わるレトルトフィルム用樹脂組成物は、これ
までに説明したポリプロピレンおよびエチレン・プロピ
レン・1−ブテン共重合体とから構成されている。各成
分の配合割合は、ポリプロピレンが65〜95、好まし
くは70〜90重量%、エチレン・プロピレン・1−ブ
テン共重合体が5〜35、好ましくは10〜30重量%
であることが望ましい。この配合割合の範囲内にある
と、透明かつ低温耐衝撃性のあるフィルムを製造するこ
とができる。
【0031】この組成物にはさらに、本発明の目的から
逸脱しない範囲内で、他の重合体や、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、中和剤、アンチブロッ
キング剤、スリップ剤、顔料等の添加剤を適宜配合する
ことができる。その後、押出機、バンバリーミキサー、
タンブラー、ブラベンダー、ニーダー、リボンブレンダ
ー等の混合装置を用いて均一混合し、樹脂組成物にする
ことができる。
【0032】この樹脂組成物から製造されたフィルム
は、低温から高温にわたって優れた透明性を保持してお
り、かつ良好な耐熱性を示し、また低温耐衝撃性を有し
ていることから、過酷な条件下で使用されるレトルトフ
ィルムとして好適である。
【0033】フ ィ ル ム 成 形 前記の樹脂組成物を押出機に供給し、T−ダイまたはサ
ーキュラーダイを通してフィルム状に成形すると、未延
伸フィルムを製造することができる。フィルムの厚さは
特に限定されないが、10〜200μmの範囲が好まし
く、比較的薄いフィルムにすると低温での耐衝撃性の違
いが明確に表われてくる。
【0034】製造されたフィルムは、それ単独でレトル
トフィルムとして使用できる他、延伸または未延伸ポリ
アミドフィルム、一軸または二軸延伸ポリエステルフィ
ルム、アルミニウム箔、紙等とラミネーションして、複
層のレトルトフィルムにすることもできる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。まず、実施例で使用したポリプロピレンおよびエチ
レン・プロピレン・1−ブテン共重合体について説明す
る。
【0036】(参考例1) プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)の製造 47.5mgのメチルアルミノオキサン(MAO)/S
iO2を窒素雰囲気下でシュレンクフラスコに秤量し、
トルエン中に懸濁させた。一方、トルエンに溶解させた
1,2−ジメチルシリレンビス(2−メチルベンズイン
デニル)ジルコニウムジクロリド)0.25mg(0.
000433mmol)をシュリンクフラスコ内に加
え、室温で15分間攪拌した。さらに、トリエチルアル
ミニウムをジルコニウムに対して1700倍量(モル
比)になるように加えた。その後、5リットル容量のオ
ートクレーブに前記の触媒調製懸濁液、1500gのプ
ロピレン、および18NLのエチレンを加え、60℃で
2時間重合した。得られた共重合体パウダーの収量は、
411gであった。
【0037】(参考例2) プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の製造 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4lの粉砕用
ポットに塩化マグネシウム300g、フタル酸ジイソブ
チル115ml、四塩化チタン60mlを入れ、40時
間振動ミルを用いて粉砕した。この共粉砕物5gにトル
エン100mlを加えて114℃で30分間攪拌し、静
置後、上澄液を除去した。その後、固形分をn−ヘプタ
ン100mlを用いて20℃で3回洗浄を繰り返し、最
終的にn−ヘプタン100mlに分散させて遷移金属触
媒スラリーを得た。このスラリーは、チタンを1.8w
t%およびフタル酸ジイソブチルを18wt%含有して
いた。
【0038】容量100lのオートクレーブに前記の遷
移金属触媒スラリーを固形分として0.30g、トリエ
チルアルミニウム1.5ml、シクロヘキシルメチルジ
メトキシシラン2.2ml、n−ヘプタン500ml、
およびプロピレン25kgを装入した。次いで、70℃
における気相濃度がエチレンおよび水素共に3.0モル
%に保てるようにエチレンおよび水素を供給しながら、
プロピレンを5kg/hで供給し、3時間重合を続け
た。その後、ジエチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル6.0mlを加えて、重合を終了させた。
【0039】重合スラリーを向流洗浄塔上部へ50kg
/hで導入し、一方下部からプロピレン洗浄液を110
kg/hで供給し、40kg/hで取り出されたスラリ
ーをスチーム加熱し、さらに減圧乾燥してパウダーを得
た。
【0040】参考例1および2で得たプロピレン・エチ
レンランダム共重合体の物性を表1に示す。なお、モノ
マー組成は13C−NMRによって測定し、その他の物性
値は、前述した方法で測定した。
【0041】
【表1】
【0042】プロピレン・エチレン共重合体(A)およ
び(B)のそれぞれ100重量部に、リン系酸化防止剤
を0.04重量部、フェノール系酸化防止剤を0.04
重量部、アンチブロッキング剤(富士シリシア株式会社
製、商品名サイリシア730)を0.15重量部配合
し、ヘンシェルミキサーで混合した後、65mmφ押出
機を用いて造粒した。このペレットを実施例において使
用した。
【0043】(参考例3) エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(C)の製
造 7.5l容量のオートクレーブにヘプタン2.9l、1,
2-dimethylsililene-bis(2-methylbenzu-indenyl)zirco
nium dichloride1.0mgを含むトルエン溶液、メチ
ルアルミノオキサントルエン溶液(Zr/Al=300
0)、エチレン31.4g(1.12mol)、プロピ
レン47.1g(1.19mol)および1−ブテン2
50.9g(4.47mol)を供給し、30℃で3時
間重合を行った。その後、メタノールを加え、ポリマー
を取り出した。
【0044】(参考例4) エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(D)の製
造 参考例3において、モノマー供給量をエチレン68.9
g(2.45mol)、プロピレン103.1g(2.
45mol)および1−ブテン213g(3.68mo
l)に変更した以外は参考例3と同様に操作し、ポリマ
ーを取り出した。
【0045】(参考例5) エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(E)の製
造 参考例3において、モノマー供給量をエチレン75.6
2g(2.69mol)、プロピレン169.8g
(4.03mol)、および1−ブテン156.4g
(2.69mol)に変更した以外は参考例3と同様に
操作し、ポリマーを取り出した。
【0046】(参考例6) エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(F)の製
造 参考例3において、モノマー供給量をエチレン99.8
g(3.55mol)、プロピレン150.2g(2.
68mol)、および1−ブテン156.4g(2.6
9mol)に変更した以外は参考例3と同様に操作し、
ポリマーを取り出した。
【0047】(参考例7) エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(G) チーグラー触媒を用いて製造した市販品をそのまま使用
した。
【0048】(参考例8) エチレン・1−ブテン共重合体(H) チーグラー触媒を用いて製造した市販品をそのまま使用
した。
【0049】参考例3〜8に記したエチレン・プロピレ
ン・1−ブテン共重合体等の物性を表2に示す。なお、
モノマー組成は13C−NMRによって測定し、その他の
物性値は、前述した方法で測定した。
【0050】
【表2】
【0051】(実施例1〜5)ポリプロピレン(A)〜
(B)、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体
(C)〜(F)を表3に記載した割合で混合し、25m
mφの一軸押出機に供給し、樹脂温度230℃でTダイ
より押出し、厚さ60μmの未延伸フィルムを製造し
た。このフィルムの物性値を測定し、表3に記載した。
【0052】(比較例1〜2)実施例1において、エチレ
ン・プロピレン・1−ブテン共重合体(C)の代わりに
エチレン・1−ブテン共重合体(G)または(H)を用
いた以外は実施例1と同様に行い、厚さ60μmの未延
伸フィルムを得た。そのフィルムの物性を測定し、表3
に併せて記載した。
【0053】なお、フィルムの物性は、次に記す方法で
測定し、評価した。 (1)ヘイズ :ASTM D−1003に準拠して
測定した。 (2)経時ヘイズ:製膜後、35℃および50℃のそれ
ぞれに加熱された循環式恒温槽中で20日間処理を行っ
たの後のヘイズを測定した。 (3)滅菌処理後のヘイズ:フィルムを10cm×20
cmに切断し、125℃の加圧水中で30分間滅菌処理
を行ってから冷却し、その後にヘイズを測定した。
【0054】(4)衝撃強度 :ASTM D−342
0に準拠して測定した。 (5)表面光沢 :ASTM D−523−62Tに準
拠して測定した。 (6)ヤング率 :ASTM D−882に準拠して測
定した。 (7)降伏点応力:ASTM D−882に準拠して測
定した。
【0055】(8)アンチブロッキング性:所定の大き
さに切り取ったフィルムを2枚重ね合わせ、その上に2
0(g/cm2)の荷重をかけ、50℃の恒温槽中に一
定時間静置する。その後、恒温槽から取り出し、フィル
ムの密着面積比率を目視で求めた。
【0056】(9)ヒートシール温度:熱傾斜式ヒート
シール試験機(東洋精機株式会社製品)を使用して、温
度を数点変えてヒートシールを行い、シール部の剥離強
度を測定する。測定値をグラフ表示し、剥離強度が30
0(g/25mm幅)になる温度を求め、ヒートシール
温度とした。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明に係わるレトルトフィルムは、そ
のフィルムが実際に使用される低温から高温にわたる広
い温度範囲で高い透明性が維持され、また高い低温耐衝
撃性を有していることから、レトルト食品の保存、流通
および調理に好適に使用することができる。
【0059】また、本発明に係わる樹脂組成物は、ポリ
プロピレンおよび特定のエチレン・プロピレン・1−ブ
テン共重合体とから構成されているので、良好にフィル
ム成形することができると共に、成形されたフィルムは
前述した光学的ならびに機械的特性に優れていることか
ら、レトルトフィルム用樹脂組成物として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AB01 AD30 BA02 BA15 BB22 BB41 BB42 CA03 4F071 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21X AA81 AA83 AA84 AA88 AA89 AF23Y AF30Y AH05 BC01 4F207 AA04E AA11E AA12 AF15 AG01 AH54 KA01 KA17 KA19 KL84 KW41 4J002 BB052 BB121 GG00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】23℃におけるヘイズが5%以下、かつ−
    10℃における衝撃強度が40(kg・cm/mm)以
    上のフィルムであって、これを50℃で20日間経過前
    後のヘイズ差が5%以下であり、また125℃で30分
    間加圧熱水処理前後のヘイズ差が5%以下であることを
    特徴とするレトルトフィルム。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン65〜95(重量%)およ
    びエチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体5〜35
    (重量%)とからなり、この共重合体の物性が、 (1)共重合体を構成する各成分含量が、エチレン10
    〜40、プロピレン30〜60、および1−ブテン20
    〜60(重量%)であって、 (2)テトラリン溶媒中の極限粘度[η]が1.0〜3.
    0(dl/g)であって、 (3)p−キシレン可溶部が95(重量%)以上存在し
    て、 (4)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    との比(Mw/Mn)が3.0以下であることを特徴と
    するレトルトフィルム用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記ポリプロピレンは、その物性が、 (1)メルトフローレートが0.1〜20(g/10
    分)であり、 (2)示差走査型熱量計で測定される吸熱曲線の最大ピ
    ーク位置の温度が125〜170℃にあり、 (3)アイソタクティクペンタッド分率が80〜100
    %であり、 (4)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5であり、 (5)室温p-キシレン可溶成分量が8.0(重量%)以
    下であることを特徴とする請求項2に記載のレトルトフ
    ィルム用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記のポリプロピレンが、メタロセン系触
    媒を用いて製造されたプロピレン単独重合体またはプロ
    ピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴と
    する請求項2または3に記載のレトルトフィルム用樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂組成
    物を押出成形してフィルム状物に形成してなることを特
    徴とするレトルトフィルム。
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