JP2001172221A - 高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸の製造方法

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JP2001172221A JP35614499A JP35614499A JP2001172221A JP 2001172221 A JP2001172221 A JP 2001172221A JP 35614499 A JP35614499 A JP 35614499A JP 35614499 A JP35614499 A JP 35614499A JP 2001172221 A JP2001172221 A JP 2001172221A
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biphenyldicarboxylic acid
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Ryoichi Hasegawa
良一 長谷川
Seiji Hiroki
清二 広木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的に容易に得られる原料を用いて高純度の
4,4’−ビフェニルジカルボン酸を製造すること。 【解決手段】ビフェニル化合物を液相酸化し得られる粗
4,4’−ビフェニルジカルボン酸を(a):8〜50
重量倍のアルカリ水に溶解し、(b):次いでこの溶液
のpHを13〜8に調整しこれを活性炭処理することを
特徴とする高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ポリアミド、
芳香族ポリイミド、液晶ポリエステル等の高分子材料の
原料として有用な高純度4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビフェニルジカルボン酸は相当するジメ
チル化合物や、アセチル化メチルビフェニルの酸化等に
よって製造されてきたが、これらの製造方法はガッター
マン−コッホ反応、フリーデルクラフツアセチル化反応
等を経由するものであり、工業的に決して容易なもので
はなかった。別法として、特公昭40−3774には、
4,4’−ビスクロロメチルビフェニルをアルカリ水溶
液中で次亜塩素酸塩で酸化する方法や、特開昭58−8
5841には、p−ハロゲノ安息香酸のカップリング法
により得られた4,4’−ビフェニルジカルボン酸を一
旦アルカリ塩として分離して精製する複雑な精製法が記
載されているが、簡便でしかも充分な高純度品を得る方
法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は工業生産され
ている原料を使用して有利に高純度4,4’−ビフェニ
ルジカルボン酸を製造することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記した様な
課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明に至っ
た。即ち本発明は、(1)下記一般式(I)で示される
ビフェニル化合物を液相酸化して得られた粗4,4’−
ビフェニルジカルボン酸を(a):8〜50重量倍のア
ルカリ水に溶解し、(b):次いでこの溶液のpHを1
3〜8に調整しこれを活性炭処理することを特徴とする
高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸の製造方法、
【0005】
【化2】
【0006】(式中Xは塩素原子、臭素原子、水酸基、
アルコキシ基又はアセチルオキシ基を示す。また、2個
のXは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(2)(c):工程(b)で得られた溶液より活性炭を
除去した濾液を酸でpH6.5〜2.5としてスラリー
状に結晶を析出させる工程を含む上記(1)記載の製造
方法、(3)(d):工程(c)で得られたスラリー状
結晶を80℃以上に保持し、次いで析出している結晶を
濾別する工程を含上記(2)記載の製造方法、(4)一
般式(I)中のXがClである上記(1)〜(3)のい
ずれか1項記載の製造方法、(5)前記ビフェニル化合
物の酸化方法が、ハロゲン酸塩、硝酸、過酸化水素また
は空気を酸化剤とした方法である上記(1)〜(4)の
いずれか1項記載の製造方法、(6)前記ビフェニル化
合物を水系溶媒中で酸化し粗4,4’−ビフェニルジカ
ルボン酸を得る際に、酸化に安定な非水溶性有機溶媒を
共存させて液相酸化する工程を含む上記(1)〜(5)
のいずれか1項記載の製造方法(7)上記(1)〜
(6)のいずれか1項記載の製造方法によって得られた
高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸に関する。
【0007】
【発明の実施形態】以下本発明を詳細に説明する。本発
明において、上記原料として用いる上記一般式(I)の
化合物としては、XがCl、Br、OH、アルコキシ基
又はアセチルオキシ基である化合物があげられる。ここ
でアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基又はブトキシ基等の低級アルコキシ基があげ
られる。一般式(I)の化合物は、ビフェニルのハロゲ
ノメチル化(好ましくは塩酸とフォルムアルデヒドによ
るクロロメチル化)、又は、それから得られた化合物に
加水分解やアルコールとの反応を施すことにより容易に
得ることが出来る。用いうる一般式(I)の化合物の具
体例としては、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェ
ニル、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、
4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、4,
4’−ビス(アセチルオキシ)ビフェニル、4,4’−
ビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス
(エトキシメチル)ビフェニル等をあげることができる
が、例えば4−(クロロメチル),4’−(ヒドロキシ
メチル)ビフェニル等の様に置換基が異なっているもの
であってもよく、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフ
ェニルが最も好ましい。一般式(I)の化合物は、出発
物としてビフェニルのジ置換体を使用するが、モノ置換
体、異性体、ポリ置換体、ポリマー等の不純物を含有
し、例えば特開昭58−85841に記載されているp
−ハロゲノ安息香酸のカップリングにより得られる4、
4’−ビフェニルジカルボン酸とは不純物組成が違って
いる。不純物は、高分子の原料として使用するためには
精製して除去する必要があるが、工業的に簡単な操作で
実施可能な精製方法は知られていない。
【0008】本発明においては、一般式(I)の化合物
を液相酸化する。用いうる酸化剤の具体例としては、次
亜塩素酸ソーダ、次亜臭素酸ソーダ、過塩素酸ソーダ等
のハロゲン酸塩、過酸化水素、硝酸又は空気等があげら
れる。このとき溶媒を使用し液相で実施する。酸化剤の
使用量は、理論当量の1〜20倍、好ましくは1〜5倍
量であるが、生成する4,4’−ビフェニルジカルボン
酸は酸化に対して極めて安定であり、反応の終点を見分
けるのは容易である。従って、酸化剤は酸化の進行状況
を見ながら、徐々に加えるのが適している。場合によっ
ては、マンガン、ニッケル、鉄等の遷移金属の化合物が
触媒として使用でき、その使用量は式(I)の化合物の
0.001〜1重量%が適当である。使用しうる溶媒の
具体例としては、酸化に安定な水、蟻酸、酢酸、プロピ
オン酸等の脂肪酸等の水溶性溶媒又はニトロベンゼン、
クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、ジフェニルスル
フォン等の芳香族化合物、ジクロロメタン、クロロフォ
ルム、ジクロロエタン等の脂肪族塩素化合物等の非水溶
性有機溶媒があげられる。その使用量は、一般式(I)
の化合物の3〜50重量倍が適当である。尚、水系溶媒
中で反応を実施する場合は、上記の非水溶性有機溶媒を
共存させるのがよい。その場合の非水溶性有機溶媒の使
用量は一般式(I)の化合物の1〜300重量%、また
は使用する水系溶媒の5〜20重量%とする。有機溶媒
は反応終了後蒸留または水蒸気蒸留等で除去するのが好
ましい。
【0009】反応は、一般式(I)の化合物と溶媒を反
応器中で攪拌しつつ、酸化剤を添加して実施する。酸化
剤は一括で最初から添加することもできる。反応温度
は、通常50〜220℃であるが、空気以外の酸化剤を
使用する場合は、50〜110℃程度の常圧下で実施す
るのが好ましい。空気を酸化剤として使用する場合は、
溶媒として、酢酸、プロピオン酸等の低級脂肪酸を1〜
10重量倍使用し、触媒としてコバルト、マンガン、ク
ロム、セリウム等の重金属の化合物、好ましくはそれら
の脂肪酸塩及びHBr、CaBr、NaBr等の臭素化
合物を使用し、反応温度は80〜220℃とし、1〜3
0気圧程度の空気圧で実施するのが好ましい。この場合
の触媒の使用量は、重金属化合物の場合一般式(I)の
化合物の0.0001〜5重量%、臭素化合物の場合一
般式(I)の0.0001〜5重量%程度である。
【0010】酸化反応における目的物である粗4,4’
−ビフェニルジカルボン酸は、反応中に結晶として析出
させることが出来るが、水系の溶媒中では4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸を溶解させるために、苛性ソー
ダ、苛性カリ、酢酸ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸カリ等の
アルカリ物質を系内に添加して反応を行うこともでき
る。この場合のアルカリ物質の使用量は目的物の1〜4
倍当量とするのが好ましい。
【0011】反応終了後は溶媒を濃縮し析出している結
晶を濾別して目的物を得ることが出来るが、アルカリ物
質を使用した場合は、塩酸、硫酸等の鉱酸や蟻酸、酢
酸、メタンスルフォン酸等の有機酸を用いて酸析し、生
成した沈殿を濾過乾燥して、粗4,4’−ビフェニルジ
カルボン酸を得ることができる。
【0012】得られた粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸は、8〜50重量倍、好ましくは10〜40重量倍
の苛性ソーダ、苛性カリ、酢酸ソーダ、炭酸ソーダ、炭
酸カリ等のアルカリ(粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸の略等当量)を水に溶解したアルカリ水に溶解し、
pHが通常13〜8、好ましくは12〜9の間で活性炭
を加え、攪拌し活性炭処理を行う。尚、pHの調整は、
必要により酢酸、リン酸、リン酸塩、炭酸塩等を系中に
添加して行う。活性炭の使用量は溶液中で通常0.2〜
10重量%、好ましくは0.5〜5重量%(内割)とな
るようにする。活性炭処理の温度は特に制限はないが通
常室温〜80℃である。次いで、活性炭を濾別し、得ら
れた濾液から酸析することにより目的とする高純度4,
4’−ビフェニルジカルボン酸を得ることができる。こ
の時添加する酸としては塩酸、硫酸等の鉱酸や蟻酸、酢
酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。
【0013】また、更に純度の高い4,4’−ビフェニ
ルジカルボン酸を得るためには、濾液のpHを調整する
ことが重要である(工程c)。この工程を経ると濾液は
目的物の結晶を含んだスラリーとなる。この場合のpH
は、通常6.5〜2.5、好ましくは6〜3である。
【0014】また、結晶が析出したままの溶液を通常8
0℃以上、好ましくは90℃以上に加温し通常0.5〜
5時間、好ましくは1〜3時間保持した後、濾過すると
更に高純度の4,4’−ビフェニルジカルボン酸を得る
ことができる(工程d)。本発明の高純度4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸は、粗4,4’−ビフェニルジカ
ルボン酸を上記の工程を経て精製されたのと同程度の純
度のものを含むが、工程dを経て得られた本発明の高純
度4,4’−ビフェニルジカルボン酸の純度は通常9
9.5%以上となる。熱処理後の結晶濾過は室温ないし
70℃、好ましくは40〜60℃で行うのが好ましい。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】実施例1 4、4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル(液体クロ
マトグラフによる絶対純度95%:モノクロロメチルビ
フェニル、異性体、不明物を含有)2g、苛性ソーダ
1.3g、次亜塩素酸ソーダー水溶液(活性塩素12.
5%)30g、水50g、クロロベンゼン5g、二酸化
マンガン0.001gを200ml容量のフラスコに取
り5時間加熱還流した。若干残っている不溶物を活性炭
(白鷺C、(武田薬品製、商品名))0.1gを加えて
濾別した後、濾液を濃塩酸により酸析し、生成した沈殿
を濾過乾燥し、白色の粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸1.75gを得た(純度99.2%)。粗収率は9
1%であった。得られた粗4,4’−ビフェニルジカル
ボン酸1.75gを水30gに分散し攪拌しながら3N
−NaOH5gを加え溶解させた(工程a)。ここに酢
酸を加えてpHを11とした後、活性炭白鷺C0.5g
加え50℃で攪拌した(工程b)。この温度で活性炭を
濾過し、濾液に10%塩酸を徐々に加えたところ、pH
が8辺りになって結晶が析出し始めた。塩酸を更に加え
pHを4に調整したあと(工程c)、95℃に加熱し3
時間保持すると(工程d)結晶形が変化し濾過しやすい
形となった。次いでこれを60℃に冷却し析出している
結晶をヌッチェで濾別し20gの室温の水で洗浄した。
乾燥後1.5g(精製収率86%)の高純度4,4’−
ビフェニルジカルボン酸を得た。液体クロマトグラフに
よる純度は99.8%(面積百分率)であり、粗製物の
99.2%より向上していた。尚、出発物の純度の測定
は、高分子物等の存在のため液体クロマトグラフ面積百
分率法では不完全であり、2回再結晶をした標準品で絶
対検量線を作成し、純度分析を行った。実施例中の収率
は純度換算していない。
【0017】実施例2 工程b工程の活性炭処理時のpHを14とした点だけ条
件を変えた。得られた高純度4,4’−ビフェニルジカ
ルボン酸の液体クロマトグラフによる純度は99.6%
であり、精製収率は84%であった。
【0018】実施例3 次亜塩素酸ソーダの代わりに33%過酸化水素8ml、
クロロベンゼンの代わりにジクロロエタン5gを使用し
た他は、実施例1を繰り返した。ただし、過酸化水素は
加熱還流下に3時間かけて滴下した。粗4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸の収率は90%であった。得られた
高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸の液体クロマ
トグラフによる純度は99.8%であり、精製収率は8
5%であった。
【0019】実施例4 実施例1で用いた4’4’−ビスクロロメチルビフェニ
ル2gを原料とし、酢酸ソーダ1.9g、酢酸20m
l、酢酸コバルト・4水物0.2g、酢酸マンガン0.
02g、臭化ソーダ0.4gを100mlのステンレス
製オートクレーヴに仕込み、空気圧を20気圧として、
激しく攪拌しつつ180℃で3時間反応させた。反応の
進行に伴いオートクレーヴの圧力が低下したので、酸素
ボンベより酸素を供給して圧力を一定に保った。反応開
始後約30分で圧力の低下は僅かになったが2時間半反
応を継続した。冷却後オートクレーヴをあけ内容物を取
り出した後、エバポレーターで溶媒を留去した。乾燥後
1.85g(収率96%)の粗4,4’−ビフェニルジ
カルボン酸を得た。これを35gの水に分散し攪拌しな
がら3N−NaOH 5gを加え溶解させた。(不溶物
あり)ここに酢酸を加えてpHを9とした後、活性炭白
鷺C0.5gを加え50℃で攪拌した。この温度で活性
炭及び若干の不溶物を濾過し、濾液に10%塩酸を徐々
に加えたところ、pHが8辺りになって結晶が析出し始
めた。塩酸の滴下を続けpHを5に調整したあと、95
℃に加熱し1時間保持すると結晶形が変化し濾過しやす
い形となった。60℃に冷却し析出している結晶をヌッ
チェで濾別し、室温の水10g、0.2%の希塩酸10
g、室温の水10gで順に洗浄した。乾燥後1.45g
(精製収率78%)の高純度4,4’−ビフェニルジカ
ルボン酸を得た。液体クロマトグラフによる純度は9
9.9%であり、粗製物の98.3%より向上してい
た。
【0020】実施例5 4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル(液体
クロマトグラフ面積百分率純度96.5%)2gを用
い、酢酸ソーダ−を添加しなかった以外は、実施例4と
全く同様に空気酸化反応及び精製を実施した。空気酸化
反応の経過もほぼ実施例4と同じように進行した。1.
7g(総収率75%)の高純度4,4’−ビフェニルジ
カルボン酸を得た。液体クロマトグラフによる純度は9
9.8%であった。
【0021】実施例6 4’4’−ビス(メトキシメトキシメチル)ビフェニル
(真空蒸留品:ガスクロマトグラフ純度97.2%)2
g、酢酸20ml、酢酸コバルト・4水物0.2g、酢
酸マンガン0.02g、臭化ソーダ0.4g100ml
のステンレス製オートクレーヴに仕込み、空気圧を20
気圧として、激しく攪拌しつつ180℃で3時間反応さ
せた。反応の進行に伴いオートクレーヴの圧力が低下し
たので、酸素ボンベより酸素を供給して圧力を一定に保
った。反応開始後約30分で圧力の低下は僅かになった
が3時間反応を継続した。冷却後オートクレーヴをあけ
内容物を取り出した後、エバポレーターで溶媒を留去し
た。得られた残査に水100mlを加え、濃塩酸を加え
てpH2以下の酸性とした後析出している結晶を濾別し
た。この結晶を再び100mlの水、0.8gの苛性ソ
ーダとともにビーカー中で加熱攪拌し溶解させた。ここ
に活性炭(白鷺C)を0.1g加え熱時濾過した後、濃
塩酸を滴下しpHを約2として析出した結晶を濾別し
た。乾燥後1.7g(収率85%)の粗4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸を得た。これを40gの水に分散し
攪拌しながら3N−NaOH5gを加え溶解させた。こ
こに酢酸を加えてpHを9とした後、活性炭白鷺C0.
5gを加え50℃で攪拌した。この温度で活性炭を濾過
し、濾液に10%塩酸を徐々に加えたところ、pHが8
辺りになって結晶が析出し始めた。塩酸の滴下を更に続
けpHを4に調整したあと、95℃に加熱し2時間保持
すると結晶形が変化し濾過しやすい形となった。60℃
に冷却し析出している結晶をヌッチェで濾別し、10g
の室温の水、0.2%の希塩酸10g、10gの室温の
水、で順に洗浄した。乾燥後1.45g(精製収率85
%)の高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸を得
た。液体クロマトグラフによる純度は99.95%であ
り、粗製物の99.4%より向上していた
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、詳細な条件コントロー
ルを行う製造プロセスにより、高純度の4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸が容易に得られるようになった。本
発明の高純度4,4’−ビフェニルジカルボン酸は、高
純度であるため高分子化し易く、例えば芳香族ポリアミ
ド、芳香族ポリイミド、液晶ポリエステル等の高分子材
料の原料として有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるビフェニル化
    合物を液相酸化して得られた粗4,4’−ビフェニルジ
    カルボン酸を(a):8〜50重量倍のアルカリ水に溶
    解し、(b):次いでこの溶液のpHを13〜8に調整
    しこれを活性炭処理することを特徴とする高純度4,
    4’−ビフェニルジカルボン酸の製造方法。 【化1】 (式中Xは塩素原子、臭素原子、水酸基、アルコキシ基
    又はアセチルオキシ基を示す。また、2個のXは互いに
    同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】(c):工程(b)で得られた溶液より活
    性炭を除去した濾液を酸でpH6.5〜2.5として結
    晶をスラリー状に析出させる工程を含む請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】(d):工程(c)で得られたスラリー状
    結晶を80℃以上に保持し、次いで析出している結晶を
    濾別する工程を含む請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(I)中のXがClである請求項1
    〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ビフェニル化合物の酸化方法が、ハロ
    ゲン酸塩、硝酸、過酸化水素または空気を酸化剤とした
    方法である請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記ビフェニル化合物を水系溶媒中で酸化
    し粗4,4’−ビフェニルジカルボン酸を得る際に、酸
    化に安定な非水溶性有機溶媒を共存させて液相酸化する
    工程を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方
    法によって得られた高純度4,4’−ビフェニルジカル
    ボン酸。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112028366A (zh) * 2020-09-01 2020-12-04 上海固创化工新材料有限公司 一种3,3`,4,4`-联苯四甲酸二酐的生产废水处理方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112028366A (zh) * 2020-09-01 2020-12-04 上海固创化工新材料有限公司 一种3,3`,4,4`-联苯四甲酸二酐的生产废水处理方法

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