JP2001172110A - 安定性の優れた平衡過酢酸組成物、及びその製造方法 - Google Patents
安定性の優れた平衡過酢酸組成物、及びその製造方法Info
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Abstract
重量%の安定性の優れた平衡過酢酸組成物を提供する。 【解決手段】 平衡過酢酸組成物中の臭素イオン濃度が
特定量以下になるように制御する。
Description
衡過酢酸組成物、及びその製造方法に関し、更に詳細に
は、臭素イオンを実質的に含まない、又は臭素イオン濃
度が特定量以下である、比較的高濃度の過酢酸を含有す
る、過酢酸、酢酸、過酸化水素、及び水からなる安定性
の優れた平衡過酢酸組成物、及びその製造方法に関す
る。
種々の微生物に対して殺菌効果があることから、食品、
醸造、医療等の分野で、装置や機器類の消毒、或いは殺
菌に広く使用されている。過酢酸は、過酸化水素と酢酸
とを反応させることによって、過酢酸、酢酸、過酸化水
素、及び水からなる平衡過酢酸組成物として得ることが
できる。消毒や殺菌に用いられている過酢酸は、一般的
にはこの方法によって製造された平衡過酢酸組成物であ
る。近年は、製品の運搬費の削減面から比較的高濃度の
過酢酸を含有する平衡過酢酸組成物が求められるように
なってきている。
ると速やかに分解してしまうことが知られており、過酢
酸組成物の製造には、出来るだけ不純物の少ない原材料
(過酸化水素、酢酸、及び水)が使用されているが、微
量の金属不純物の混入は避けられず、該組成物中には、
通常は過酢酸の分解を防ぐ目的で、ピロリン酸ナトリウ
ム等のポリリン酸塩、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジ
ホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等のホスホ
ン酸、又はその塩、ジピコリン酸、2,6-ピリジンジカル
ボン酸、ジエチレントリアミン五酢酸塩等の金属封鎖剤
が安定剤として添加されている。また、過酢酸組成物の
性能を高める目的で、該組成物中には界面活性剤、増粘
剤、或いは腐食防止剤等の種々の添加剤が添加されるこ
とがある。
1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノト
リメチレンホスホン酸等のホスホン酸には、過酢酸を安
定化させる作用の他に、金属の腐食を防止する作用もあ
ることを見出した。本発明者等は、一の化合物で二以上
の複数の作用効果を発揮するホスホン酸の有用性に注目
し、ホスホン酸を含有する、比較的高濃度の過酢酸を含
有する安定性の優れた過酢酸組成物を提供することを目
的に、鋭意検討を重ねた結果、過酢酸組成物中の塩素イ
オン、臭素イオン、及びヨウ素イオン等ハロゲンイオ
ン、特に臭素イオンが、過酢酸、とりわけ高濃度の過酢
酸を含有する過酢酸組成物の不安定化に関与しているこ
と、また該臭素イオン濃度を特定量以下に抑えることに
よって、安定性の優れた高濃度の過酢酸を含有する平衡
過酢酸組成物を得ることができることを見出し、本発明
を完成した。
せることについては先にも述べた通りよく知られている
ことであるが、極微量のハロゲンイオン、特に臭素イオ
ンが特異的に過酢酸を不安定化させること、また殊に高
濃度の過酢酸を含有する過酢酸組成物ほど悪影響を受け
ることについては今まで全く知られていなかった。
酢酸は、一般には臭素イオンを殆ど含んでいないから、
臭素イオンはホスホン酸、又はその塩から過酢酸組成物
中に持ち込まれることになる。例えば、市販の1-ヒドロ
キシエチリデン-1,1-ジホスホン酸中には、40〜120ppm
の範囲の臭素イオンが含まれていることがある。安定性
の良い比較的高濃度の過酢酸を含有する、具体的には6
〜15重量%の過酢酸を含有する、過酢酸組成物を得るた
めには、臭素イオンを含まない、或いは臭素イオン濃度
の低いホスホン酸を選択して使用することが重要であ
る。臭素イオンを多く含むホスホン酸を用いるときに
は、ホスホン酸中の臭素イオンを除去、或いは低減させ
る処理を行った後に用いる必要がある。
を含む過酢酸濃度が6〜15重量%の過酢酸組成物であっ
て、該組成物中の臭素イオン濃度が0.12ppm以下であ
る、過酢酸、酢酸、過酸化水素、及び水を含む安定性の
優れた平衡過酢酸組成物である。なお、この安定性の優
れた平衡過酢酸組成物は、ホスホン酸、又はその塩中の
臭素イオン濃度(Appm)とその添加量(B重量%)との
関係式が、0.05≦ B ≦5.0、及びA*B≦ 12を満足す
る条件下で製造することによって得ることができる。
本的には、過酸化水素、酢酸、水、及びホスホン酸等の
添加剤を混合することによって得ることができ、用いる
それぞれの物質の濃度は、所望する過酢酸濃度によって
異なり、一概には決められないが、過酸化水素は、10〜
90重量%のものが使用でき、酢酸は、60〜99重量%のも
のが使用できる。市販の過酸化水素、及び酢酸は、一般
には臭素イオンを殆ど含んでおらず、また反応に用いる
水は、イオン交換樹脂等を用いて陽イオン、及び陰イオ
ンの除去された脱イオン水を使用するので、反応に用い
る水の中にも、臭素イオンは殆ど含まれていない。過酢
酸組成物の製造に際しては、過酸化水素、酢酸、水等の
原材料、及び安定剤等の添加剤から持ち込まれる臭素イ
オンの総和が、該組成物中で0.12ppm以下になるように
調製する。
の詳細は不明であるが、過酢酸組成物中の臭素イオン濃
度に比例して過酢酸分解能が高まり、特に高濃度の過酢
酸を含有する過酢酸組成物ほど臭素イオンの不安定化作
用を受けやすくなり長期間にわたって安定に保存するこ
とができなくなる。
は、安全性の面から6〜15重量%であり、好ましくは9〜1
2重量%である。安定性に優れた平衡過酢酸組成物を得る
ためには、過酢酸組成物中の臭素イオン濃度を0.12ppm
以下に制御することが好ましく、0.08ppm以下に制御す
ることがより好ましく、更に好ましくは、0.04ppm以下
に制御する。過酢酸組成物中に添加されるホスホン酸、
又はその塩の含量は、0.05〜5重量%であり、ホスホン
酸、又はその塩を含む平衡過酢酸組成物を製造するに際
しては、ホスホン酸、又はその塩中の臭素イオン濃度
(Appm)とその添加量(Bwt%)との関係式が、0.05≦
B ≦5.0、及びA*B≦ 12を満足するようにして製造
すること必要がある。
キシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリメチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホ
ン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン
酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸又
はそれらの塩であり、好ましくは、1-ヒドロキシエチリ
デン-1,1-ジホスホン酸である。
り、硫酸、リン酸等の触媒酸を添加することによって反
応を促進させることができる。本発明で添加できる界面
活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤である。また、増粘
剤は、CMC、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコ
ール等である。なお、これら触媒酸、界面活性剤、増粘
剤等から臭素イオンが混入しないように注意することが
重要である。
に示す所定量の臭素イオンを含む市販の1-ヒドロキシエ
チリデン-1,1-ジホスホン酸 2.1g(添加率 0.3wt%)を
混合して、過酢酸、過酸化水素、及び酢酸の濃度が、そ
れぞれ10重量%、17重量%、及び20重量%である平衡過
酢酸組成物を得、有効酸素の分解率(28℃、40℃におけ
る1ケ月間の分解率)を測定した。その結果を表1に示
す。有効酸素の分解率の測定条件は以下に示す。(比較
例1、2及び3の平衡過酢酸組成物中に含まれる臭素イ
オン濃度は、それぞれ0.15ppm、0.26ppm、及び0.32ppm
である。)
酢酸組成物は、商品としての価値が低く、実用的ではな
い。
グラムを0.1ミリグラムの単位まで精秤し、純水60
ml、希硫酸(1+9)10ml、1N沃化カリウム溶
液10ml、5%モリブデン酸アンモニウム溶液を加
え、0.1Nチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定する。液
が淡黄色となった時、0.5%でんぷん溶液2〜3ml
を加え、青紫色が消えた点を終点とする。 〔計算方法〕 有効酸素(%)=(0.17*f*B)/S*16/3
4 B:0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液滴定数(ml) f:0.11Nチオ硫酸ナトリウム溶液ファクター S:試料採取量(g) 〔有効酸素分解率〕 有効酸素分解率(%)=(1ヶ月後の有効酸素濃度/試験
前の有効酸素濃度)*100
g及び臭素イオンを50ppm含む1-ヒドロキシエチリデン-
1,1-ジホスホン酸 3g(0.3wt%)を混合して、過酢酸の
濃度が5重量%の平衡過酢酸組成物を得、該組成物の有
効酸素の分解率(28℃、40℃における1ケ月間の分解率)
を測定した。その結果を表2に示す。(参考例1の平衡
過酢酸組成物中に含まれる臭素イオン濃度は、0.15ppm
である。)尚、表2には、参考例1と同量の臭素イオン
(0.15ppm)を含む比較例1の結果も併せて示す。
素イオン濃度を含んでいてもその過酢酸組成物の分解率
は小さい。
に示す所定量の臭素イオンを含む1-ヒドロキシエチリデ
ン-1,1-ジホスホン酸を調製し、或いは選択し、該ジホ
スホン酸 2.1g(0.3wt%)を混合して、比較例1と同様
に過酢酸濃度10重量%の平衡過酢酸組成物を得、有効酸
素分解率を測定した。表3には各実験の諸条件を、表4
には有効酸素の分解率を示す。(ホスホン酸中の臭素イ
オン濃度(Appm)とその添加量(Bwt%)との関係式 A*B
の値も表3に示した。)
実質的に含まない、又は臭素イオン濃度が特定量以下で
ある、平衡過酢酸組成物であるために、安定性に優れて
おり、長期間にわたって過酢酸組成物を安定に保存でき
る。
9)
Claims (2)
- 【請求項1】 ホスホン酸、又はその塩を含む過酢酸濃
度が6〜15重量%の過酢酸組成物であって、該組成物中の
臭素イオン濃度が0.12ppm以下である、過酢酸、酢酸、
過酸化水素、及び水を含む安定性の優れた平衡過酢酸組
成物。 - 【請求項2】 ホスホン酸、又はその塩中の臭素イオン
濃度(Appm)とその添加量(B重量%)との関係式が、
0.05≦ B ≦5.0、及びA*B≦ 12を満足する条件下で
製造することを特徴とする請求項1の平衡過酢酸組成物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36010899A JP3919411B2 (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 安定性の優れた平衡過酢酸組成物の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010184868A (ja) * | 2009-02-10 | 2010-08-26 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 安定性に優れる過酢酸水溶液 |
CN102511478A (zh) * | 2011-11-01 | 2012-06-27 | 苏州晶瑞化学有限公司 | 一种稳定的过氧乙酸溶液,其制备方法以及制备用稳定剂 |
-
1999
- 1999-12-20 JP JP36010899A patent/JP3919411B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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